屋根裏の散歩者

2016年07月27日

『屋根裏の散歩者』を新宿シネマート1で観て、もっと切っていいのよふじき★★

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▲木嶋のりこ(左)と間宮夕貴(右)。どっちも脱ぐ。偉い。

五つ星評価で【★★何故1カットをもっと短くしないのか?】
『失恋殺人』『D坂の殺人事件』に続く
江戸川乱歩エロティックシリーズ第三弾だそうです。
『D坂の殺人事件』の方だけ見てる。
監督もD坂と同じで、基本、同一世界の連作になっている。
D坂同様、1カット1カットが長い。役者の挙動を最後まで追ってるのだが、
観客はそこまで一つ一つの動作を確認したくて映画を観ている訳ではない。
1カットが長い事でテンポを悪くしている。
カットカット切り込めば113分の長さにはならないと思う。

河合龍之介が屋根裏から各部屋を覗く。
河合龍之介の熱演と舞台になる屋根裏の荘厳さとそこで掛かる音響で、
屋根裏のカットはとても素晴らしい。
魔的な屋根裏。
覗いている部屋より屋根裏の方が荘厳に見えるのはとても異界的でよい。
しかし、河合龍之介が屋根裏からの窃視にこだわっていく「狂い」が
河合龍之介によって語られる事がないので、その構図の面白さに反して
「女湯が見れる穴があったら覗くよね」みたいにライトに見えてしまう。
河合龍之介が真面目に影が薄い感じを熱演してるので、
そういうチャラさは微塵も感じないのだが、
だからと言って彼の気持ちが見える訳でもない。
悶々としてただ覗き、劣等感から殺人まで犯す男の狂いには焦点が当てられなかった。
だから、河合龍之介はタイトルロールであり、話の中心にいる筈なのに、
狂言回しに甘んじさせられてしまって、とても不遇な役である。
あと不遇と言えば屋根裏からの窃視画像。
これだったら俺も覗きたいと思わせる物にせんと、タイトルに負ける。

河合龍之介に比べると張りあいながら、
ともに狂っていくお嬢様・間宮夕貴と貧乏画学生・木嶋のりこはいい。
狂う事を熱望し、その初端に爪をかけながら常識が邪魔をして狂えずにいる間宮夕貴と
狂う事で愛を得られるなら狂う事に躊躇しない木嶋のりこのぶつかり合いがいい。
特に木嶋のりこの演技への欲望が熱く、ああ、この人はずっとこういう風に思いきった演技をしたかったんだろうなあ、とか感じさせられた。間宮夕貴は『甘い鞭』を見て、この人に任せておけば演技は大丈夫という安牌な人なので、どちらかと言うと引立て役だけどOK。
木嶋のりこって細かい役をチョコチョコ見てる。
『ピョコタン・プロファイル』
『ユリ子のアロマ』
『こたつと、みかんと、ニャー。』
『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。』
『Z〜ゼット〜果てなき希望』
『ちょっとかわいいアイアンメイデン』

ちょっとずつ演技が増えていってる。ああ、本当に演技したかったのだろうなあ。

監督の窪田将治はD坂以外だと『僕の中のオトコの娘』だけ見てる。あれ、嫌いじゃない。あれも女装癖に何故のめり込むのかの原因がはっきりしない映画だった。今回も窃視症の原因ははっきりしないが、今回のは女優二人にスポットライトを当てるのが目的だからいいのだろう。映画の中の女二人に河合龍之介に惚れろとは言えないが、どう見てもクズありありの歯医者に惚れるのが口惜しい。原因がハッキリしないと言えば、このクズに美女二人が惚れてしまう点だろう。そこは「そういう世界だから」でいいのだろうか。私はこのシリーズに出てる明智小五郎が嫌いなのだが、この映画の明智小五郎がこの映画の木嶋のりこ、間宮夕貴に関係を迫られたら、明智犯されてしまうだろう。それくらい明智が弱そうというか、女優二人が強そうというか。明智のホームズみたいな衣装、大嫌い。

色調がモノクロと見紛うくらい色身を抑えているのだけど、
屋根裏から覗く濡れ場シーンだけほんのちょっと色身が増す。
せっかくだから、すずきじゅんいちのロマンポルノみたいに
ここぞとばかり肉色の暖色を強調すればいいのに。

基本、文句が主体だけど、木嶋のりこ、間宮夕貴、河合龍之介はリスペクト
というのがこの映画に対する姿勢。


【銭】
25日はシネマートデイで全員1000円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
屋根裏の散歩者@ぴあ映画生活
▼関連記事。
D坂の殺人事件@死屍累々映画日記

PS 
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▲「来るよ、屋根裏の殺人者はきっと来るよ」
 ガメラの藤谷文子みたいなショット

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2014年06月16日

新橋ロマンで宮下順子3本立て(石橋蓮司のオマケつき)20140613-20140619

◆『赫い髪の女』
五つ星評価で【★★★★★驚いたわあ】

宮下順子、石橋蓮司主演、亜 湖、阿藤快、出演。
神代辰巳監督、1979年のロマンポルノ。

濃厚。土方トラッカーと素性のしれない女がずっとセックスしてる映画。
呂律が回ってるのか、回ってないのか、異常に聞き取れないセリフが多い。
でも、強い空気感がそんな事を気にさせない。
ここに映される日本の地獄っぷりが凄い。
常に聞こえてくるシャブ中の悲鳴。
掻き分けるようにして探した幸せも土砂降りの中で根腐れしてしまうような裏切り。
身体だけは裏切らないと信じたいのに、男も女もその身体に自分が裏切られる。

赫い髪の女、宮下順子は凄い存在感だ。
「普通に、普通にして」と喘ぎながらマニアックな体位を要求する。
荒くれ者の石橋蓮司はそんな中、密林を掻き分けて愚直にただ進む。
謎の荒れ地と、そこをただ力任せに整地する土木機械のようだ。
そこに人類の英知は何一つない。
気が触れた猿があちこちで叫んでるみたいだ。
でも、気が触れた猿にだって、悩みもあれば、思いもある。
そんな言葉になる前の思いが雨と一緒にスクリーンに充満してるような映画だった。

恐怖映画的な文脈としては、ここに出てくるシャブ中女が
『悪魔のいけにえ』の走ってくるレザーフェイスと肩を並べる怖さ。
どちらも自然災厄以上に逃げようがないし、言葉も何も役に立たないのだ。


◆『江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者』
五つ星評価で【★★ピエロのメイクが派手すぎて嫌い】

石橋蓮司主演、宮下順子、渡辺とく子出演。
田中 登監督、1976年のロマンポルノ。

大井町武蔵野館か昔の文芸坐あたりで観た気がする。多分、2回目。
昔も乗れなかったが今回も乗れなかった。
美学的に「耽美」に入らないのが、どうも気に食わないんじゃないかと思う。

石橋蓮司がヒョロヒョロしてて、宮下順子は令嬢というにはでっぷりしてる。
屋根裏から薬剤垂らすシーンの緊張感は好き。


◆『昼下りの情事 古都曼陀羅』
五つ星評価で【★★杜夫ちゃん頑張れ】

風間杜夫、山科ゆり主演。宮下順子 出演 
小沼 勝監督、1973年のロマンポルノ。

風間杜夫は坊ちゃんくさくてどうも好きになれない。
そんな杜夫が見合いした相手が山科ゆりで、
義理の父と関係していて、義理の父が見合いを壊そうとしてくる。
だけど、若い二人の前では……みたいなだったかな。

ムチャクチャ寄りすぎるアップが気持ち悪い。
そんな肌の荒れまで執拗に映さなくてもいいじゃん。
後半、アップに少し、距離を置くようになってくると
山科ゆりがちょっと可愛くなってく。
とは言え、『昼下りの情事』と言ったらオードリー・ヘップバーンでしょ。
大胆なタイトルを付けたもんである。
ちなみに映されるタイトルで「まんだら」だけルビ振ってあるのはちょっと可愛い。

山科ゆりがデートする時の洋装がどう見ても「さそり」だ。
今見ると突飛だけど、あれはあれであの時代の一般的な服なのか?

京都にアコースティック・ギター合わせるってのは何時からやってるんだろ。
似合うなあ。
 

【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
赫い髪の女@ぴあ映画生活
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者@ぴあ映画生活
昼下りの情事・古都曼陀羅@ぴあ映画生活

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