大泉洋
2016年04月26日
『アイアムアヒーロー』を新宿ピカデリー6で観て、しょーがないじゃん有村架純がかわいいんだから★★★★

▲美女二人。映画の命題はこの二人と引き換えに世界を失ってもいいか、という気もするのだけど、それだったら答はYESでしょう。
五つ星評価で【★★★★虐殺されるゾンビよりまさみと架純がグーすぎる】
原作マンガ未読。
各人が映画に求める物はそれぞれ異なると思うが、
この映画公開後、観客からもっとも評判を呼んでいるのは、
ZQN(ゾキュン)と呼ばれる人喰い感染者達への容赦ない虐殺具合である。
それはいい。それはそれで好きなのだが、
私はこの映画の二人の女優の仕上がりがそれを越えて更に好きだ。
あと、空を覆う飛行機とか、壊れて幾つも連なってる車とか、
ビジュアル・イメージが優れてる。ビビビ美女あるイメージも(親父ギャグ)
有村架純 かーいー。
特別なにか変わった事をしている訳ではないのだが、いつも通り可愛い。
前半なんかは『僕だけがいない街』の彼女と役を交換しても、
ただ単に可愛いだけの役なので全く気付かないだろう。
多分、「可愛い」事は彼女の必要条件なのだろう。
個人的には後半もう少し活躍してほしかった(けど)、
掠れた声で無理に出したような「ヒーロー」という一声が限りなく良かった。
長澤まさみ りりしー。
最近、こーゆー強げな女役を好演している。
でも、痩せて、キリっとして、中々男前なのだ。
で、看護師役だと言う。うお、白いパンスト持ってこい。
しかし、TVCMだとモッチリしたお姉さんなのに、
ちゃんとシャープに仕上げてくるな、本当。
大泉洋はまあ、いいです。ようやってると思います。
ただ、大泉洋がいい意味で「あの体たらく」なので、
更に女優が引き立つのだと思います。
ZQNのハイジャンパーはいい設定だと思う。
それに匹敵する豪腕がクレー射撃なのだろうが、
ちょっと緩急考えずに最後で密集して使いすぎてると思う。
あの使い方だからこそのカタルシスもあるが、
あれに頼りすぎて、あれだけになってる気もして、そこはちょっと残念。
【銭】
松竹の前回入場割引+ネット予約割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・アイアムアヒーロー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・アイアムアヒーロー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・アイアムアヒーロー@あーうぃ だにぇっと
・アイアムアヒーロー@気ままな映画生活
PS 映画全体としては、前半感染拡大の山場と、
後半楽園追放の山場と二か所あるので満足度はまずまずだが、
山に入ってからモールに行くまで、ちょっともたつくのと、
映画があっけなく閉じ方てしまうのとで、立派な映画を見た感が低い。
PS2 主人公が英雄(ヒデオ)で、ヒーロー。
助ける女の子がヒロミって言うのは「ヒーローを見る」からヒロミなのかも。
2015年06月25日
『駆け込み女と駆け出し男』をトーホーシネマズ日本橋4で観て、そのスピードは違うに違いないふじき★★★
五つ星評価で【★★★筋の通ったカタルシスが欲しい所】
つまらない訳ではない。
様々な人生がテストケースのように詰まっていて、
なかなか興味深い話を色々聞かされてナルホドと思ったりする。
だが、話の中で一本筋を通って貫いてるような気持ちのいいカタルシスがない。
(本来は中村信次郎の成長譚が縦軸なのだろうが大泉洋だと育つ気がしない)
そしてちょっとイラっとしたのは映画の中の江戸弁が妙に早口で聞き取りづらかった事だ。べらんめえの江戸弁は京言葉に比べれば早口と感じる事もあるだろう。ただ、検証し様がないのだが、綿々と伝えられている落語の「間」などから考えても、あの速度での会話はありえないと思う。ありえない物を再現しようとしているのは、それだけの長さの脚本を書いてしまったが、時間内にも納めたいという欲求の板挟みにあったのではないだろうか。前、三谷幸喜が同じような事態をやはり早口で演じさせて間をバラバラにして失敗したのを見た記憶かある。本作はコメデイー寄りではあるがコメディー一本やりではないので、耐えられなくなるほどの「イヤ感」は感じなかったが、監督には反省してほしい。
登場人物でいいのは、骨太な感じの戸田恵梨香、いるだけで名人芸のような樹木希林、凛としてるけど幼くて折れそう感もある陽月華。満島ひかりと堤真一ペアの秘密も面白かった。大泉洋はいつも通りだが、こういう軽くて適度にだらしない感じをこなせる役者が他に思い浮かばないからしょうがない。
【銭】
トーホーシネマズメンバーズデーで1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・駆込み女と駆出し男@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・駆込み女と駆出し男@映画のブログ
・駆込み女と駆出し男@映画的・絵画的・音楽的
・駆込み女と駆出し男@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 火膨れがあったとしても、戸田恵梨香の顔を「それでは男が寄り付くまい」
とののしるのはいくら何でもリアリティに欠ける。
つまらない訳ではない。
様々な人生がテストケースのように詰まっていて、
なかなか興味深い話を色々聞かされてナルホドと思ったりする。
だが、話の中で一本筋を通って貫いてるような気持ちのいいカタルシスがない。
(本来は中村信次郎の成長譚が縦軸なのだろうが大泉洋だと育つ気がしない)
そしてちょっとイラっとしたのは映画の中の江戸弁が妙に早口で聞き取りづらかった事だ。べらんめえの江戸弁は京言葉に比べれば早口と感じる事もあるだろう。ただ、検証し様がないのだが、綿々と伝えられている落語の「間」などから考えても、あの速度での会話はありえないと思う。ありえない物を再現しようとしているのは、それだけの長さの脚本を書いてしまったが、時間内にも納めたいという欲求の板挟みにあったのではないだろうか。前、三谷幸喜が同じような事態をやはり早口で演じさせて間をバラバラにして失敗したのを見た記憶かある。本作はコメデイー寄りではあるがコメディー一本やりではないので、耐えられなくなるほどの「イヤ感」は感じなかったが、監督には反省してほしい。
登場人物でいいのは、骨太な感じの戸田恵梨香、いるだけで名人芸のような樹木希林、凛としてるけど幼くて折れそう感もある陽月華。満島ひかりと堤真一ペアの秘密も面白かった。大泉洋はいつも通りだが、こういう軽くて適度にだらしない感じをこなせる役者が他に思い浮かばないからしょうがない。
【銭】
トーホーシネマズメンバーズデーで1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・駆込み女と駆出し男@ぴあ映画生活
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・駆込み女と駆出し男@映画的・絵画的・音楽的
・駆込み女と駆出し男@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 火膨れがあったとしても、戸田恵梨香の顔を「それでは男が寄り付くまい」
とののしるのはいくら何でもリアリティに欠ける。
2015年01月26日
『トワイライトささらさや』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、そらあガッキーは可愛いさふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★役者合戦はなかなか楽しい】
とっても単純な不文律として、ガッキーが出てる映画は観に行くんですよ。
何故って、ガッキーが可愛いから。しかし、もう子持ちの役か。
いやいやまだまだ全然大丈夫だ。
というガッキーの一本気な健気さを堪能する一本。
基本、ガッキーの役は環境が変わっても内面はいつも同じだね。
相対する夫役に大泉洋。
コミカルというよりも、ちょっと愚鈍な感じの幽霊夫役。
眉毛のぶっとい大泉洋って何て鬱陶しい顔立ちなんだろう。
実写化に失敗して半分林家三平と混ざったゴルゴ13みたいだ。
富司純子に大泉洋が憑依した演技うまいなあ。福島リラ宇宙人っぽいなあ。
演技については一度、大泉洋バージョンを撮影した後、
それに似せて演技してもらうって方法で撮られたらしい。
それにしても表現力が確かじゃないと似せようったってできないだろう。
福島リラも宇宙人に似せるために、まず宇宙人を撮影して(…自粛)。
ちょっといい話で、いいオチが付いて、ぐっすんと瞼を湿らせたのだが、
あの顔の大泉洋に泣かされるのは悔しいので、我慢して涙をこらえた。
【銭】
トーホーシネマズのメンバーズカードキャンペーン期間中で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・トワイライト ささらさや@ぴあ映画生活
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・トワイライト ささらさや@映画のブログ
・トワイライト ささらさや@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
PS 未亡人が頑張って亡き夫の忘れ形見を育てる話って何か………
あっ、『おおかみこどもの雨と雪』か。
今回の大泉洋は狼って言うより狸のイメージなんだけど………
あっ、『パコダテ人』か。
とは言え、子供はコウノトリが親元に運んでるから、そんな間違いはない………
あっ、小松政夫。運んだのはコウノトリじゃなくってシラケドリか!
とっても単純な不文律として、ガッキーが出てる映画は観に行くんですよ。
何故って、ガッキーが可愛いから。しかし、もう子持ちの役か。
いやいやまだまだ全然大丈夫だ。
というガッキーの一本気な健気さを堪能する一本。
基本、ガッキーの役は環境が変わっても内面はいつも同じだね。
相対する夫役に大泉洋。
コミカルというよりも、ちょっと愚鈍な感じの幽霊夫役。
眉毛のぶっとい大泉洋って何て鬱陶しい顔立ちなんだろう。
実写化に失敗して半分林家三平と混ざったゴルゴ13みたいだ。
富司純子に大泉洋が憑依した演技うまいなあ。福島リラ宇宙人っぽいなあ。
演技については一度、大泉洋バージョンを撮影した後、
それに似せて演技してもらうって方法で撮られたらしい。
それにしても表現力が確かじゃないと似せようったってできないだろう。
福島リラも宇宙人に似せるために、まず宇宙人を撮影して(…自粛)。
ちょっといい話で、いいオチが付いて、ぐっすんと瞼を湿らせたのだが、
あの顔の大泉洋に泣かされるのは悔しいので、我慢して涙をこらえた。
【銭】
トーホーシネマズのメンバーズカードキャンペーン期間中で1100円。
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・トワイライト ささらさや@ぴあ映画生活
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PS 未亡人が頑張って亡き夫の忘れ形見を育てる話って何か………
あっ、『おおかみこどもの雨と雪』か。
今回の大泉洋は狼って言うより狸のイメージなんだけど………
あっ、『パコダテ人』か。
とは言え、子供はコウノトリが親元に運んでるから、そんな間違いはない………
あっ、小松政夫。運んだのはコウノトリじゃなくってシラケドリか!
2013年11月18日
『清須会議』を109シネマズ木場1で観て、ゴーちゃんの大逆襲ふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★ダメ出しする人もいるけど俺っちは充分面白かった。この差はどこからやって来たんだろう】
三谷がドバドバ、有名キャストを使い切った時代劇。
ともかくたくさんの登場人物が出てて、
役なりに美味しかったり、そうでなかったりがある。
俺っちは歴史とか、よう知らんから展開見てるだけで面白かったけど、
普通に歴史知ってる人はつまらんとか、そういう事なのかな?
チラシを見て、役者序列的には四枚看板のように打ち出してるけど
(役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市)、
実際には二枚看板(役所広司、大泉洋)でしょう。
・役所広司 対照の一角、武人らしい武士を演じた。
あの障子から飛び出す武骨な足の繊細な演技が一番の見せ所になっちゃったけど、
それでいいのか。
実は天下を治める才覚がないように描かれているが、
武士社会全体から考えたら、この人がトップを取って、
いつまでも天下が平定しない方が(天下統一などない方が)みんな儲かる。
誰かを滅ぼされなければ、そこの土地を分け与えて出世ができない
世の中なのだから。だから、実はこの男が百年でも千年でも戦争を続けたがってる
みたいな気持ちがちょっとでも垣間見えたらもっと面白かったのに。
(コメディーの範疇から外れちゃうか)
考えようによっては魔王候補生。
・大泉洋 対照の一角、武人らしからぬ武士を演じた。
耳のメイクがいい。まあ、でも、お猿と言うよりはモンキーに近い。
時代劇から抜け出てきたような役所広司のセリフと、
現代劇とさほど変わらない大泉洋のセリフが交わっても
おかしくないのがおもろい。
実は「人たらしの秀吉」の癖に、この映画の中で一番の腹黒に描かれている。
それがそんなに腹黒に見えないのが大泉洋という役者ゆえだ。
「平和になった方がいい」なんてのは百姓の理屈、と思えば、
実はこいつがこの武家社会での一番の悪役なんである。
考えようによっては現世を破壊する怪物。
・小日向文世 インテリ侍。あの高音の声がうまく嵌ってる。
お姑さんみたいだよな。そう言えば、この人の出世作はカマだったし。
この人が役所広司側にいるのは、役所広司が信長が定めた筆頭家老だからだろう。
実は体制を重んじる人だ。
だから、この人はこの人で最後に信じた事をやったに違いない。
考えようによっては一番の役人。
・佐藤浩市 付和雷同侍。
佐藤浩市をこんな「ふらふら」な役にキャスティングするのが楽しい。
けっこうガタイもいいのに、映画の中で何かドタドタ騒いでるだけの役。
考えようによっては、この人は大衆。
前者3人には社会が「何を中心にしてどうあるべき」というビジョンがあるが、
この男は自分の利益にかなえば未来はどうでもいいのだ。
ここから先はお得な役順。
・中谷美紀 いなかっべメイクがかーいーなー。
あの垢抜けないズダダダダダな踊りも何ともよろしい。
ユーモアを交えながらも、人と人が裏切りあう割とすさんだ話なので、
こういう裏表がなくて「べちゃ」っとした役は一番お得。
基本的に今回は女優はみんなお得(除く天海祐希)
この人は正直が美徳。
別に世の中がどうなっても多分、生きていける、どうにかなる。
・妻夫木聡 バカ跡目役。
今、現代劇でこんなに果てのないバカを演じる事は出来ない。
差別表現扱いになっちゃうからだ。
あのバカがとても気持ちよさそうなバカでよかった。
この人は只の馬鹿。
・剛力彩芽 白塗りに乏しい表情で演技させたのが大成功。
初めてゴーちゃんでいいと思った。
『ガッチャマン』の100倍いい(というより『ガッチャマン』が100倍悪い)。
次はどうするかね。こんな役ばっかじゃないぞ。
基本、本当は大根だからなあ(演技がこん平師匠のようにデカすぎる)
ダッチワイフとか動かないで乳をモロ出しするような役が適役なんだけど。
この人は涼しい顔をしながらルサンチマンの象徴。
・伊勢谷友介 織田信長の弟。
子供の頃はうつけの信長の代わりに織田家襲名を望まれた人物?
今は逆に「変わり者のうつけ扱い」。
だとすると、実は一番複雑な目で後継者争いを見ている事になる。
伊勢谷友介の威圧感のある下から目線って変な演技が面白い。
又、信長の兜を横にして織田家など滅ぼしてしまえと
信長が乗り移ったように喋る本心の力強さは
やはり伊勢谷友介の目力の強さが功を奏している。
この人は扇動者。但し、扇動の方向に注意を払わない。一番厭世的な人間。
・浅野忠信 清須会議において何をやる訳ではないのだけど、
秀吉と相対する「規範としての武士」(秀吉は規範を破るし守れない武士)。
建て前を建て前として貫き通すのも男の美学なんで、かっこいい。
全国民がこういう人間なら社会主義や共産主義は成功する。
・鈴木京香 「鈴木京香だから」という線はないけど、まあまあ適役。なまもの役。
・坂東巳之助 賢い弟役。この歌舞伎の若い人はよう知らんが、
ブッキーが凄くちゃんとバカを演じたので、この人の硬さも浮かび上がった。
真面目馬鹿。
馬鹿も困るが、真面目馬鹿もそこそこ困る。舞台が大きければ大きいほど。
・でんでん ヅラ以外のハゲが一人くらいいると画面のリアル度が違う。
といった意味でいい配置。
その他 もっともいらん役は西田敏行と天海祐希
コメディーとしてはあまり自由な事も出来ないので、そんなでもないだろう。
これ、コメディーとして売っちゃいかん。
太河ドラマ『新撰組』と同じくらいの群像劇として見るなら普通に面白い。
やたら東洋人ばかり出てチャンバラもしないで会話ばかりしてる、
ってことでこれをハリウッドに持ってったら、えらく評判悪いだろうな。
【銭】
毎月10日109シネマズのサービスデーで1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・清須会議@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・清須会議@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・清須会議@yukarinの映画鑑賞プラス日記
・清須会議@ペパーミントの魔術師
・清須会議@徒然なるままに
PS 音楽の小技効いてる感よし。
PS2 瀬戸カトリーヌ、いわゆるカトちゃん、どこにいたんだろ。
鈴木京香の女中かな?
三谷がドバドバ、有名キャストを使い切った時代劇。
ともかくたくさんの登場人物が出てて、
役なりに美味しかったり、そうでなかったりがある。
俺っちは歴史とか、よう知らんから展開見てるだけで面白かったけど、
普通に歴史知ってる人はつまらんとか、そういう事なのかな?
チラシを見て、役者序列的には四枚看板のように打ち出してるけど
(役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市)、
実際には二枚看板(役所広司、大泉洋)でしょう。
・役所広司 対照の一角、武人らしい武士を演じた。
あの障子から飛び出す武骨な足の繊細な演技が一番の見せ所になっちゃったけど、
それでいいのか。
実は天下を治める才覚がないように描かれているが、
武士社会全体から考えたら、この人がトップを取って、
いつまでも天下が平定しない方が(天下統一などない方が)みんな儲かる。
誰かを滅ぼされなければ、そこの土地を分け与えて出世ができない
世の中なのだから。だから、実はこの男が百年でも千年でも戦争を続けたがってる
みたいな気持ちがちょっとでも垣間見えたらもっと面白かったのに。
(コメディーの範疇から外れちゃうか)
考えようによっては魔王候補生。
・大泉洋 対照の一角、武人らしからぬ武士を演じた。
耳のメイクがいい。まあ、でも、お猿と言うよりはモンキーに近い。
時代劇から抜け出てきたような役所広司のセリフと、
現代劇とさほど変わらない大泉洋のセリフが交わっても
おかしくないのがおもろい。
実は「人たらしの秀吉」の癖に、この映画の中で一番の腹黒に描かれている。
それがそんなに腹黒に見えないのが大泉洋という役者ゆえだ。
「平和になった方がいい」なんてのは百姓の理屈、と思えば、
実はこいつがこの武家社会での一番の悪役なんである。
考えようによっては現世を破壊する怪物。
・小日向文世 インテリ侍。あの高音の声がうまく嵌ってる。
お姑さんみたいだよな。そう言えば、この人の出世作はカマだったし。
この人が役所広司側にいるのは、役所広司が信長が定めた筆頭家老だからだろう。
実は体制を重んじる人だ。
だから、この人はこの人で最後に信じた事をやったに違いない。
考えようによっては一番の役人。
・佐藤浩市 付和雷同侍。
佐藤浩市をこんな「ふらふら」な役にキャスティングするのが楽しい。
けっこうガタイもいいのに、映画の中で何かドタドタ騒いでるだけの役。
考えようによっては、この人は大衆。
前者3人には社会が「何を中心にしてどうあるべき」というビジョンがあるが、
この男は自分の利益にかなえば未来はどうでもいいのだ。
ここから先はお得な役順。
・中谷美紀 いなかっべメイクがかーいーなー。
あの垢抜けないズダダダダダな踊りも何ともよろしい。
ユーモアを交えながらも、人と人が裏切りあう割とすさんだ話なので、
こういう裏表がなくて「べちゃ」っとした役は一番お得。
基本的に今回は女優はみんなお得(除く天海祐希)
この人は正直が美徳。
別に世の中がどうなっても多分、生きていける、どうにかなる。
・妻夫木聡 バカ跡目役。
今、現代劇でこんなに果てのないバカを演じる事は出来ない。
差別表現扱いになっちゃうからだ。
あのバカがとても気持ちよさそうなバカでよかった。
この人は只の馬鹿。
・剛力彩芽 白塗りに乏しい表情で演技させたのが大成功。
初めてゴーちゃんでいいと思った。
『ガッチャマン』の100倍いい(というより『ガッチャマン』が100倍悪い)。
次はどうするかね。こんな役ばっかじゃないぞ。
基本、本当は大根だからなあ(演技がこん平師匠のようにデカすぎる)
ダッチワイフとか動かないで乳をモロ出しするような役が適役なんだけど。
この人は涼しい顔をしながらルサンチマンの象徴。
・伊勢谷友介 織田信長の弟。
子供の頃はうつけの信長の代わりに織田家襲名を望まれた人物?
今は逆に「変わり者のうつけ扱い」。
だとすると、実は一番複雑な目で後継者争いを見ている事になる。
伊勢谷友介の威圧感のある下から目線って変な演技が面白い。
又、信長の兜を横にして織田家など滅ぼしてしまえと
信長が乗り移ったように喋る本心の力強さは
やはり伊勢谷友介の目力の強さが功を奏している。
この人は扇動者。但し、扇動の方向に注意を払わない。一番厭世的な人間。
・浅野忠信 清須会議において何をやる訳ではないのだけど、
秀吉と相対する「規範としての武士」(秀吉は規範を破るし守れない武士)。
建て前を建て前として貫き通すのも男の美学なんで、かっこいい。
全国民がこういう人間なら社会主義や共産主義は成功する。
・鈴木京香 「鈴木京香だから」という線はないけど、まあまあ適役。なまもの役。
・坂東巳之助 賢い弟役。この歌舞伎の若い人はよう知らんが、
ブッキーが凄くちゃんとバカを演じたので、この人の硬さも浮かび上がった。
真面目馬鹿。
馬鹿も困るが、真面目馬鹿もそこそこ困る。舞台が大きければ大きいほど。
・でんでん ヅラ以外のハゲが一人くらいいると画面のリアル度が違う。
といった意味でいい配置。
その他 もっともいらん役は西田敏行と天海祐希
コメディーとしてはあまり自由な事も出来ないので、そんなでもないだろう。
これ、コメディーとして売っちゃいかん。
太河ドラマ『新撰組』と同じくらいの群像劇として見るなら普通に面白い。
やたら東洋人ばかり出てチャンバラもしないで会話ばかりしてる、
ってことでこれをハリウッドに持ってったら、えらく評判悪いだろうな。
【銭】
毎月10日109シネマズのサービスデーで1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・清須会議@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・清須会議@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・清須会議@yukarinの映画鑑賞プラス日記
・清須会議@ペパーミントの魔術師
・清須会議@徒然なるままに
PS 音楽の小技効いてる感よし。
PS2 瀬戸カトリーヌ、いわゆるカトちゃん、どこにいたんだろ。
鈴木京香の女中かな?
2013年01月20日
『グッモーエビアン!』をHTC有楽町1でクリスマスのイブ近辺に観て、君たちはそれでいいのかふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★映画は快作】
これは確か『悪の教典』を観ようと思ってたんだけど、
満席入場不可の獄刑に会い、食事時間をずらして、こっちを観たって映画だ。
映画面白かったから結果オーライだけど、
クリスマスイブ近辺にカップルで『悪の教典』満席にすな!
ふんふんふん、ベッドのお前、彼女が興奮してるのは目の前のお前ではなく、
シャワーシーンのハスミンの尻だぜ!
まあ、それはそれとして、
『グッモー・エビアン!』爽快。
キャラいいすねえ。
ヤグ(大泉洋)、アキ(麻生久美子)、ハツキ(三吉彩花)、トモちゃん(能年玲奈)
みんないそうで、いなそうで。
ヤグなんて大泉さんにしか見えない。
いや、外見、大泉さんだから、それはそうなんだけど、
普段の大泉さんそのままって感じだ。
アキのフラフラしてそうだけど、ちゃんと生きてきた感とてもよし。
それに反抗してしまうハツキの生っぽい硬さもちょっとうざげだが微笑ましい。
そして、あのスカートをあと20センチばかし膝上にずりあげたい。
トモちゃん、かーいーな。さらって、もとい、お友達になりたい。
あと、さりげなく脇役チョイ役で出て来る
小池栄子、土屋アンナ、塚地武雅の安定感が揺るぎない。
特にアキに好対照である小池栄子の
正しいけどつまらなそうな人生がぱっと一目で分かるビジュアルは
何気にこの映画を底から成立させている。
土屋アンナの大人な許容力あるいい加減さも魅力。
【銭】
前売券を事前に買った1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・グッモーエビアン!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・グッモーエビアン!@映画的・絵画的・音楽的
・グッモーエビアン!@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 以前、「鋼力彩芽」と同じくらいインパクトのある名前は
「能年玲奈」だとツイッターで呟いた。
理由は明白。「脳年齢7」と文字遊びできるから。
うん、でも、割とそんな感じ。
そんな感じでもいいと思う。かーいーから。
これは確か『悪の教典』を観ようと思ってたんだけど、
満席入場不可の獄刑に会い、食事時間をずらして、こっちを観たって映画だ。
映画面白かったから結果オーライだけど、
クリスマスイブ近辺にカップルで『悪の教典』満席にすな!
ふんふんふん、ベッドのお前、彼女が興奮してるのは目の前のお前ではなく、
シャワーシーンのハスミンの尻だぜ!
まあ、それはそれとして、
『グッモー・エビアン!』爽快。
キャラいいすねえ。
ヤグ(大泉洋)、アキ(麻生久美子)、ハツキ(三吉彩花)、トモちゃん(能年玲奈)
みんないそうで、いなそうで。
ヤグなんて大泉さんにしか見えない。
いや、外見、大泉さんだから、それはそうなんだけど、
普段の大泉さんそのままって感じだ。
アキのフラフラしてそうだけど、ちゃんと生きてきた感とてもよし。
それに反抗してしまうハツキの生っぽい硬さもちょっとうざげだが微笑ましい。
そして、あのスカートをあと20センチばかし膝上にずりあげたい。
トモちゃん、かーいーな。さらって、もとい、お友達になりたい。
あと、さりげなく脇役チョイ役で出て来る
小池栄子、土屋アンナ、塚地武雅の安定感が揺るぎない。
特にアキに好対照である小池栄子の
正しいけどつまらなそうな人生がぱっと一目で分かるビジュアルは
何気にこの映画を底から成立させている。
土屋アンナの大人な許容力あるいい加減さも魅力。
【銭】
前売券を事前に買った1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・グッモーエビアン!@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・グッモーエビアン!@映画的・絵画的・音楽的
・グッモーエビアン!@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 以前、「鋼力彩芽」と同じくらいインパクトのある名前は
「能年玲奈」だとツイッターで呟いた。
理由は明白。「脳年齢7」と文字遊びできるから。
うん、でも、割とそんな感じ。
そんな感じでもいいと思う。かーいーから。
2012年02月22日
『しあわせのパン』を新宿ピカデリー9で観て、残念な事だがこれは合わないふじき★★
五つ星評価で【★★合わない】
これを好きな人はいるだろう。
私は合わない。
田舎に脱サラ(だろう)した夫婦がパンを作りながら、客を癒していく。
合わない理由は、その田舎にいる人や、田舎に来る人達が善人すぎて、
ことごとくリアリティーを持っていない。
綺麗なおべべを着せられてお遊戯チックに生きてると言えばいいだろうか。
「実は全員、麻薬中毒患者でした」としてしまいたいくらい、
世俗にまみれていない。
例えば、彼らがパンを食べる為に宿泊する施設にはTVの一台もないのだ。
1人の客の為に全員総出で仕入れや、パーティーをしたりする。
それは理想かもしれないが、そんな事をしていて生活が成り立つのか。
こんなんリアルな訳ないじゃん。
はなからファンタジーなんだよ。
・・・なのかもしれないけど、
取り上げる題材が生活の疲れのようなリアルな物なので、
何かどうも簡単にファンタジーにも見えない。
原田知世も大泉洋も好きな役者であり、
この映画の中でもちゃんとした演技をしてるので、
勿体無いなあと思ってしまう。
【銭】
額面1000円の前売券を常設ダフ屋で購入。
額面1000円と1300円の二種類が出回ってるようだが、
何で1000円の前売券があるのかは、よく分からない。
どうも北海道の地元協賛券のような物らしいのだが。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・しあわせのパン@ぴあ映画生活
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・しあわせのパン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS あと、ファッションが素朴と言うよりはオシャレすぎな感がある。
それはオシャレな方がかっこいいのだが、
身綺麗でありオシャレであるという事は、それなりにお金や余裕がないと
できない贅沢だと思うのだ。
その贅沢さが更に絵空事感を増しているように感じた。
PS2 これ見て、北海道でパン屋やろうってバカが現れたらどうしよう?
いないか、そんなバカ。