ローガン
2017年06月11日
『ローガン』をユナイテッドシネマ豊洲9で観て、定番だふじき★★★
▲「老いては子に従え」的なビジュアルに見えるのは私が老いてるから?
五つ星評価で【★★★去りゆく者はいつも美しい】
この映画の中のローガンはただ生きている。
元から「死なない」という属性を持つローガンであるが、
その不死性がプラスに働く事もなく、毎日つまらない日常を送っている。
なんてサラリーマンなローガン。
彼の生活は彼の仲間(師匠みたいな仲)の生活を支える事がその全てになっている。
老人介護の為に、自分の生活全てを使いきってしまうローガン。
何て今の日本的な哀しみに満ちたサラリーマンみたいなローガン。
彼の元へはもう足抜けしたというのに昔のヤクザ関係者が現われて、ヤイノヤイノ叫ぶ。
何て後期高倉健的な人生にいるのか、ローガン。
平穏に暮らしたい彼を誰もほっておいてくれない。
彼はもう老境にいる。
彼の師父代わりが、彼にしてくれたように、
彼も彼の心を誰かに引き継がなければならない時が来ている。
彼は自分から戦いを求める事はない。力強かったが心ないならず者ではなかった。
彼は他人の為に、自分の強烈な痛みを全て無視してずっと戦い続けてきた。
他人の幸福の為に、自分が全ての痛みを引き受ける。それが不器用な彼の生き方だった。
それがいい目に結びつく時も、悪い目を引きよせてしまう時もある。
彼は不死性さえも失ってしまう。
でも、それが何だと言うのか。不死性があろうが、なかろうが彼の痛みに代わりはない。
不死性がなくなる事こそが彼の救いでもあるのだ。
だが、その不死性の減少を止めてでもやらなければいけない事がある。
彼は彼の心を引き継ぐ者達を逃がす為に、別に望まれてもいないのに
最後の命の蝋燭を最大限に燃やそうとする。なんてヒロイズムだ。
かっこいいぞローガン。
かっこいいぞヒュー・ジャックマン。
ヒーローはどれだけ相手に対して殺傷能力を持つかではない。
ヒーローはどれだけやせ我慢をして、他人に幸せを授けられるかだ。
そういう日本人的な英雄観に実によく合う男だった。
だから、かっこいいに決まっているじゃないか。
ヒュー・ジャックマンのかっこよさに拍手し、
パトリック・スチュワート(プロフェッサーX)の病気に戸惑い、
ダフネ・キーン(ローラ)のじゃじゃ馬っぷりを微笑ましく見た。
S的な要望かもしれないが、
もう一つくらい最悪なヴィランを用意してもらいたかった。
【銭】
ユナイテッドシネマ金曜会員割引料金1000円。
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