ドラえもん

2015年04月02日

『ドラえもん のび太のスペースヒーローズ』をキネカ大森1で観て、とっても安牌ふじき★★★

五つ星評価で【★★★安定】  

今年のドラえもんは一言で言うと『ギャラクシー・クエスト』です。
のび太たちがスーパー・ヒーローごっこをやっていると(勿論「超」ごっこ)、
それを真実と信じた宇宙人に悪い宇宙人との戦いを依頼され、実際の戦いに挑む。

宇宙に連れていかれて、実際の宇宙人と戦うまでが実にスムーズに進んで違和感がない。のび太たちは結果的に嘘を付いているのに、有無を言わさぬ巻き込まれによって、のび太たちも「しょうがなかった」側になるから、そこに罪悪感が発生しないのだ。

最終的に、のび太たちの嘘は敵の追い込みによって露見するのだが、のび太たちが自分が偽物である事が分かりながら、弱者の為に本物になろうとする気概がとてもよく描けていた。強い者が強い者に立ち向かうより、強くない者が自分の強くない事を知っていながらそれでも強い者に立ち向かっていくというフォーマットに基本、自分は弱いのだ。

一本の映画としては我を忘れるほど入り込まなかったが(そこは大人だからかもしれない)、充分にいい映画である。

ドラえもん達が着用するヒーロースーツは各人の個性がグレードアップする仕様になっている。

ジャイアン:怪力
スネ夫:機械いじり
しずか:お風呂
のび太:あやとり

しずかのお風呂はどうかと思うが(お風呂と言いながら基本はセーラー・マーキュリーである)、のび太のあやとりはラス1を除いてギャグ線の繋ぎとして、あやとりとしてしか機能しない。なのでラス1はもっと効果高く使ってあげるべきだろう。相変わらず映画の見せ場としてはジャイアンが一番機能する。

ゲスト声優が盤石。
爆笑問題の田中裕二、観月ありさ、市村正親、みんなプロと変わらん。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記〈スペースヒーローズ〉
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記〈スペースヒーローズ〉@カノンな日々

PS ノーランのダークナイト調で行くなら、
 ジャイアンは両腕を折られ、スネ夫は機械の下敷き、
 しずかちゃんは水の中で裸に向かれ、のび太のあやとり紐で縛られる。
 でも、タイムマシーンを使えば大丈夫、みたいな感じかな。

fjk78dead at 00:50|個別記事コメ(0)トラバ(1)

2015年01月08日

『STAND BY ME ドラえもん』を109シネマズ木場3で観て、こげなもんかいふじき★★

初春のあまり記憶にない映画の感想をボコボコつぶしてく祭り(2014年の鑑賞作品を潰していくぞ)。

五つ星評価で【★★泣くに泣けず笑うに笑えず】  

「いっしょに、ドラ泣きしません?」というセンスのないコピーに
泣かせるもんなら泣かせてみろと喧嘩腰で出かけたものの、
元の素材がそうそう悪くないので泣かされるかもと危惧していたにも関わらず、
杞憂に終わって安心するやら落胆するやら。

もともと、ドラえもん映画には泣ける短編がオマケに付いていた時期があり、あの落涙具合と比べると今回のはやる気を疑うレベル(全く泣けんとまでは言わんけど)。

3Dにまでする事もなかろうと2Dで鑑賞したが、キャラの質感がダッチワイフみたいで気持ち悪い。今回ののび太はしずかちゃんの方ばかり向いてる発情少年みたいになってないか? 泣ける映画を目指しながら、実は抜ける映画に寄り道してないか?(要素だけで、この映画で抜けたらおかしいけど) 人によっては、これが引き金になって原作の良風な所を思いだして泣けたりみたいな側面もあるだろうから、一概に今の出来がダメとは言いきれないのだが、残念ながら私には刺さらなかった。それだけは宣言しておこう。

あ、のび太の眉が太いようなデザイン、というよりドラえもんを除く他レギュラーのモデリングは何か今一で、作品的にはやっぱり普通にセルアニメで良かったのだと思う。商売的には大ヒットして、単価の高い3Dでボロ儲けしたから賢かったね、と思うけど(それはそれでこさかしい)。


【銭】
109シネマズ火曜メンハーズデーで1300円。

あまり見たことを大っぴらにしない扱い。


fjk78dead at 19:05|個別記事コメ(8)トラバ(5)

2014年04月11日

『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊』をトーホーシネマズ渋谷1で観て、この映画レビューに下ネタをぶち込むのかふじき★★★

五つ星評価で【★★★ベーシックにいい出来】
  
リメイク前の前作は未見。
リメイクするだけの作品なので、当然、前作の評価は高い。
ネットの大人評では、
前作を誉めつつ、今作は踏み外してないけど到達してないみたいな雰囲気。

悪くないです。前作との比較はできませんが、ちゃんと出来てます。
ただ、大人だからか、ムチャクチャ興奮して鼻息荒くするような展開はなかった。
お子様は普通に楽しく、飽きずに楽しめるんじゃないかいな。
子供じゃないし、子供も持ってないから推測だけど。
あと、トーホーシネマズ予告長い。
子供の集中力を持たす為に予告まで含めての短さが必要だ。
そういうの番組毎に考慮するっていう気遣いがサービス業だろう。
別に子供番組じゃなくても予告は短いに越したことはないんだけど。

男としてのジャイアンはよかった。
しずかちゃんは徐々にエロ可愛い方向にシフトしてる(仕草が一々可愛い)。

それにしても、随分、殺伐とした話だ。
冒険隊は何回も死の危険に会うし、
辿り着いた魔境ではレジスタンスに取り込まれ革命戦争に巻き込まれるし。
冒険・革命エピソードも、ドラえもん世界だからこそ人が死なないだけで、
しんちゃんやポケモンだったらギリギリ犠牲者が出るかもしれない
(出ても奇跡の力で甦るとは思うけど)。
でも、この辺は前作も同様らしい。
思うに、前作の時代のドラえもんの方が、より「まんが的」だから気にならない
というバイアスがかかってるのかもしれない。

アニメ絵も前作までのキャラの輪郭を筆っぽくするという手法はやめたみたいだ。
あれ、「よい子を持つ親が好きそうな絵」みたいなイメージで嫌いだったのだ。
それとキャラの瞳が強調されて、可愛らしくなってる。
しずかちゃんなんて可愛くて、パンチラ気にしたりして、その上、
風呂のシーンが2回もあるなんて、なんて、なんて、ビッチなんだ。拍手するよ。
きっと、しずかちゃんは楽屋で「わたしはそういう女優」と肩を落としてると思う。


会話シーンの音をわざと消す演出は大人だなあと思った。やりたかったんだろうなあ。


ゲスト声優で悪の大臣ダブランダーは飯塚昭三。
もちろんプロとして立派な演技。これが遺作になるんじゃないだろうか。
犬のお姫様スピアナ姫を妃にしようとしてるところとかが
ちょっとカリオストロみたいだなと思ってしまった(別に関係ないけど)。

ダブランダーの手先で剣の達人サベールに小栗旬。いい。声が魅力的だ。
キャストは何も知らずに見ててエンドロールで小栗旬と気付かされたのだが、
これはいい仕事だったと思う。

反対に株を下げたのがスピアナ姫をやった夏目未久。
聞いてて素人と分かったけど、不思議な下手さだった。
棒読みに近いけど棒読みでもない。どこか、感情のこもり方が変みたいな印象。
滑舌はいいから、セリフを聞きとるのに苦労したりはしないんだけど。
この人、本当は関西出身だから、原稿読むのはギリギリ自制できるけど、
標準語で演技とかするのはしんどいのかもしれない。
今後はこういう仕事を断わってほしい。
でも、私、小栗旬がハーロックやった時はボロクソに言ったから、
次、何かで見かけたら成長してよくやってるかもしれない。

あと衛兵役にCOWCOWの二人。特に問題なし(あまり興味がない)。
こういうのは普通ならいいのだ。


【銭】
4月になってから初めてトーホーシネマの火曜会員割引。1200円から1400円に増額。ケッ。前売券見つけたらそっちの方が安いってのは割引として魅力がないなー。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜@ぴあ映画生活

PS 犬の王国だから、画面に「バター」が見切れるのは禁止だ。


fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(2)トラバ(1)

2012年03月11日

『ドラえもん のび太と奇跡の島 アニマルアドベンチャー』を109シネマズ木場3で観て、君らの進む道は間違ってるぞふじき★★

五つ星評価で【★★よくないパターンだ】

何で「ドラえもん」を見ているのかと言うと、
「ドラえもん」を見る事が映画マニアの教養だった時代があって
(「あれ、割と面白いんだぜ」自慢)、
本当にその惰性が今でも続いている。

この映画マニアの教養は一時期「しんちゃん」に移って、
今は「コナン」で落ち着いている。
「コナン」も最近、低調がちなので油断ができない。
安定した娯楽作品としてシリーズ物を作り続ける事って難しいのだ。

さて、今年の「ドラえもん」も、どうもよくない。
去年の「鉄人兵団」が良かっただけに残念だ。
問題なのは同じ話が舞台だけ変えて繰り返される事。

のび太が別の国に行き、そこの仲間と仲良くなって、
友情パワーで外部からくる侵略者を退治する。

フォーマットがこれしかないのだ。
悪い奴も「フォーマット通りの悪い奴」なので、
話が予想外に転がったりしないのだ。
いや、何も「ドラ」が同じだからと言って、
『ドラゴン・タトゥーの女』の保護監察士みたいな
悪役を出せと言ってる訳ではない(出せねえよ!)。

それにしてもパターンな話に、泣ける話テイスト振りかけて
出来上がりみたいな作り方は雑だろう。

私も鬼じゃないから「泣ける話」は嫌いじゃない。
今回の「ダッケ」のキャラはいいキャラだったと思う。
ただ、これも昔は短編に泣きの力全てをつぎ込み、
大の大人をボロボロ泣かせていた事を考えると、隔日の感がある。
で、泣かせを短編に任せて、長編は何をやっていたのかと言うと、
「娯楽」に徹していたのだ。

いや、ちゃんとやろうよ。

・今回、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんは
 ルーチンワークなお付き合いしかしないからいらない。
・せっかく奇跡の島で珍獣いっぱい出したのだから、
 彼らが活きるような反撃アイデアがあるべきだ。
 (無理無理エコにつなげようみたいな企画は嫌ではあるが)
・ドラえもんのポケットの中身を故障しているから、
 と言ってわざわざ修理に出してるのに展開がいつもと大差ない。
・「のび太のパパはビビリ」とまで言わせておいて、
 子供たちの間でのび助(のび太パパ)の人気回復を
 はからないのは残酷ではないか。

・ゴンスケのキャラクターは断固支持。

来年は、できれば「ドラえもん」新作のストーリーで驚きたいものだ。


【銭】
毎月10日は109シネマズデーで1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜@ぴあ映画生活


fjk78dead at 01:12|個別記事コメ(0)トラバ(1)