2017年01月05日
『風に濡れた女』を新宿武蔵野館2で、『RANMARU 神の舌を持つ男』をUCT2で、『ニーゼと光のアトリエ』をユーロスペース2で観て、SEXとおふざけと真面目で華がないのとの三本ふじき★★★,★★★,★★
2016年鑑賞最後の三本。
『風に濡れた女』は12月29日、業務終了12:15から納会開始の16:00までの間に見れる映画を探してチョイス。
『RANMARU 神の舌を持つ男』はユナイテッドシネマの年末までの無料券を消化する為に12月30日に鑑賞(31日は掃除するので映画が見れない)。『ニーゼと光のアトリエ』は年内最後の映画を堤幸彦にするのは映画オタクとして耐えられず最後にもう一本挟んだけど、何とはなしに毒にも薬にもならなかった感じの一本。
◆『風に濡れた女』
▲男子はこういうカマトトい顔の子(中谷仁美)の方が好き。
五つ星評価で【★★★セックスがジャズのセッションみたいな映画】
ロマンポルノ・リブート・プロジェクトの一本。
映画の冒頭、港を自転車で走行してコンクリから海にズボンと落ちる女。
薄いTシャツから胸の形が露わになり、女はその薄いTシャツもすぐに脱ぐ。
どう考えてもおかしい女なので、港にいた男は関わり合いにならないよう、すぐに出る。
女は付いてくる。寝る場所がないのでSEXと引き換えに泊めろと言う。
男は面倒なので取り合わない。男は女難で街を出て世捨て人してるのだ。
男に関わってこようとする女。煩わしい男。
昔の女がやってきて、男と関係を持とうとする。
SEXに入ろうとするその瞬間、昔の女を横取りしてヨガらせてしまう女。
男は自分の寝所を女二人に追いだされる。
男は昔の女が連れてきた若い助手の女を犯す。
昔の女は去り、男はついに面倒な女とSEXする。
壊れる世捨て家屋。何かよく分からずにエンド。
裸とSEXばかりが輝いてた。が、決して不快ではない。もう一回見たい。
ともかく『甘い鞭』で凄い演技してた間宮夕貴だから、
彼女が主役張るなら安心だ。そして安心した通りになった。
美しい身体である。得体のしれない精神である。
そのアンバランスがロマンポルノっぽいと言ったら言いすぎか。
ロマンポルノって所詮、女神にはなれない野郎どもが
その美しい女神達をそこにあるままに、謎のままに、映画に仕立てた一連の作品群
という気がする。いやいやいやいや、こんなの今、適当に書き捨てているのだが、
そう言っちゃえばそうかもしれないと人を騙せるくらいの説得力がある(ないか?)。
何にせよもう一回見たい。
間宮夕貴のツンとした乳首が見たい。
そして、とろけるように可愛い表情の中谷仁美ももう一回見たい。
この映画の感想で「ロマンポルノらしくない」という感想を書いている人を見かけたのだが、「条件が整いさえすれば何を撮っても良し」というのが一番のロマンポルノらしさなのだから、そこがクリアされていれば「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」という名前の企画であっても、「ロマンポルノらしい」に拘る必要は全くないと思う。それは無駄な締め付け以外の何物でもない。
◆『RANMARU 神の舌を持つ男』
▲転覆トリオ。
五つ星評価で【★★★実はそこそこ面白かったりする】
あの問題児、堤幸彦の小ネタ系の映画なので、
大の大人としては人に勧める事は断固として出来ないのだが、
その実、長いコントとして見ると、そこそこ面白いし、楽しめてしまう。
でも、映画かと聞かれたら謎だし、TVシリーズも低視聴率だったらしいし、
映画もシネコン上映回数のビックリ減見ると不入りなので、
堤幸彦は少し身の振り方を考えた方がいいと思う。
まあ、別に堤幸彦の身の振り方を私が考えなければいけない謂れもないが。
で、ドラマとしてどうなのかという論点を捨てると、この「蘭丸」の方法論は面白い。
今までの堤幸彦の小ネタ系の作品で、何がイライラさせられたのかと言うと、
現場スタッフの内輪受けの遊びに付きあわされて、その内輪受けのどこが面白いかも判然としないまま、本旨であるドラマが停滞するから、あかんかったんである。
今回はその小ネタの中のかなり多くを佐藤二朗が常時突っ込むという形で表に出している。そして、小ネタに捕らわれてメインのストーリーが停滞するという事も起きていない。これがストレスがたまらない原因だ。その分、セリフの全てがボケという木村文乃は苦労してるかもしれないが、こんな行きついた役もなかなかGETできないので、逆に彼女自身は楽しんでいるかもしれない。
財前直見のオーバー・アクトはなかなかおもろい。
『金メダル男』に出て、『蘭丸』にも出る木村多江。
バラエティ的なドラマ要員として便利に使われすぎていないか?
別にこの人、こんなどうでもいい映画(失礼)に力を注がんでも、
もっといくらでもいい仕事があると思うのだ。いや、普通にいい役者じゃん。
で、この「蘭丸」に『風に濡れた女』の間宮夕貴が出てる。
湯治に来てるヤンキー女二人組の一人で、メイクがきつくてよう分からん。
別に演技の力量とか1ミリも必要がない役。
間宮夕貴さん、凄い演技をするんだけど、凄くない演技の映画も多々あります。
オファー片っ端から受けてるんじゃないかな。
昔っから小さな映画いっぱい出てて、そのまま大きな映画もいっぱい出るようになった
麻生久美子さんみたいな道筋辿ってくれるといいなあ。
◆『ニーゼと光のアトリエ』
▲右がニーゼ。
五つ星評価で【★★知らなかった知識を知る分にはいいけど、娯楽映画としては弱い】
1944年のブラジル、ロボトミー手術や電気ショック療法が幅を効かせる中、暴力的治療を廃し、芸術療法やアニマル・セラピーを施した女医ニーゼの物語。
基本、狂人がいっぱい出てくる映画は好き。映画には狂人がよく似あう。
ニーゼを演じるグロリア・ピレスは私の好きなエマ・トンプソンに似てて良かった。
残念なのはニーゼを非難していた旧態依然とした医療チームが
ギャフンと言うような展開がなかった事である。
本当にギャフンと言ったかどうかはともかく、娯楽映画として作るなら
唾を吐きかけられた主人公(暗喩)が、そのまま相手に向かおうともせず、
そのまま話が終わってしまうなんて展開は許されない。
そして、この映画はその許されない展開をして、シレっと終わってしまうのである。
オーマイガーっ。そらないだろ。
【銭】
『風に濡れた女』:チケット屋で額面金額1400円の券を1400円でGET。
『RANMARU 神の舌を持つ男』:ユナイテッドシネマのキャンペーン籤でGETした招待券で無料鑑賞。
『ニーゼと光のアトリエ』:ユーロスペース会員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・風に濡れた女@ぴあ映画生活
・RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して・・・蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編@ぴあ映画生活
・ニーゼと光のアトリエ@ぴあ映画生活
▼関連記事(他のロマンポルノ・リブートプロジェクト)。
・風に濡れた女(二回目)@死屍累々映画日記
・ホワイトリリー@死屍累々映画日記
・雌猫たち+アンチポルノ@死屍累々映画日記
『風に濡れた女』は12月29日、業務終了12:15から納会開始の16:00までの間に見れる映画を探してチョイス。
『RANMARU 神の舌を持つ男』はユナイテッドシネマの年末までの無料券を消化する為に12月30日に鑑賞(31日は掃除するので映画が見れない)。『ニーゼと光のアトリエ』は年内最後の映画を堤幸彦にするのは映画オタクとして耐えられず最後にもう一本挟んだけど、何とはなしに毒にも薬にもならなかった感じの一本。
◆『風に濡れた女』
▲男子はこういうカマトトい顔の子(中谷仁美)の方が好き。
五つ星評価で【★★★セックスがジャズのセッションみたいな映画】
ロマンポルノ・リブート・プロジェクトの一本。
映画の冒頭、港を自転車で走行してコンクリから海にズボンと落ちる女。
薄いTシャツから胸の形が露わになり、女はその薄いTシャツもすぐに脱ぐ。
どう考えてもおかしい女なので、港にいた男は関わり合いにならないよう、すぐに出る。
女は付いてくる。寝る場所がないのでSEXと引き換えに泊めろと言う。
男は面倒なので取り合わない。男は女難で街を出て世捨て人してるのだ。
男に関わってこようとする女。煩わしい男。
昔の女がやってきて、男と関係を持とうとする。
SEXに入ろうとするその瞬間、昔の女を横取りしてヨガらせてしまう女。
男は自分の寝所を女二人に追いだされる。
男は昔の女が連れてきた若い助手の女を犯す。
昔の女は去り、男はついに面倒な女とSEXする。
壊れる世捨て家屋。何かよく分からずにエンド。
裸とSEXばかりが輝いてた。が、決して不快ではない。もう一回見たい。
ともかく『甘い鞭』で凄い演技してた間宮夕貴だから、
彼女が主役張るなら安心だ。そして安心した通りになった。
美しい身体である。得体のしれない精神である。
そのアンバランスがロマンポルノっぽいと言ったら言いすぎか。
ロマンポルノって所詮、女神にはなれない野郎どもが
その美しい女神達をそこにあるままに、謎のままに、映画に仕立てた一連の作品群
という気がする。いやいやいやいや、こんなの今、適当に書き捨てているのだが、
そう言っちゃえばそうかもしれないと人を騙せるくらいの説得力がある(ないか?)。
何にせよもう一回見たい。
間宮夕貴のツンとした乳首が見たい。
そして、とろけるように可愛い表情の中谷仁美ももう一回見たい。
この映画の感想で「ロマンポルノらしくない」という感想を書いている人を見かけたのだが、「条件が整いさえすれば何を撮っても良し」というのが一番のロマンポルノらしさなのだから、そこがクリアされていれば「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」という名前の企画であっても、「ロマンポルノらしい」に拘る必要は全くないと思う。それは無駄な締め付け以外の何物でもない。
◆『RANMARU 神の舌を持つ男』
▲転覆トリオ。
五つ星評価で【★★★実はそこそこ面白かったりする】
あの問題児、堤幸彦の小ネタ系の映画なので、
大の大人としては人に勧める事は断固として出来ないのだが、
その実、長いコントとして見ると、そこそこ面白いし、楽しめてしまう。
でも、映画かと聞かれたら謎だし、TVシリーズも低視聴率だったらしいし、
映画もシネコン上映回数のビックリ減見ると不入りなので、
堤幸彦は少し身の振り方を考えた方がいいと思う。
まあ、別に堤幸彦の身の振り方を私が考えなければいけない謂れもないが。
で、ドラマとしてどうなのかという論点を捨てると、この「蘭丸」の方法論は面白い。
今までの堤幸彦の小ネタ系の作品で、何がイライラさせられたのかと言うと、
現場スタッフの内輪受けの遊びに付きあわされて、その内輪受けのどこが面白いかも判然としないまま、本旨であるドラマが停滞するから、あかんかったんである。
今回はその小ネタの中のかなり多くを佐藤二朗が常時突っ込むという形で表に出している。そして、小ネタに捕らわれてメインのストーリーが停滞するという事も起きていない。これがストレスがたまらない原因だ。その分、セリフの全てがボケという木村文乃は苦労してるかもしれないが、こんな行きついた役もなかなかGETできないので、逆に彼女自身は楽しんでいるかもしれない。
財前直見のオーバー・アクトはなかなかおもろい。
『金メダル男』に出て、『蘭丸』にも出る木村多江。
バラエティ的なドラマ要員として便利に使われすぎていないか?
別にこの人、こんなどうでもいい映画(失礼)に力を注がんでも、
もっといくらでもいい仕事があると思うのだ。いや、普通にいい役者じゃん。
で、この「蘭丸」に『風に濡れた女』の間宮夕貴が出てる。
湯治に来てるヤンキー女二人組の一人で、メイクがきつくてよう分からん。
別に演技の力量とか1ミリも必要がない役。
間宮夕貴さん、凄い演技をするんだけど、凄くない演技の映画も多々あります。
オファー片っ端から受けてるんじゃないかな。
昔っから小さな映画いっぱい出てて、そのまま大きな映画もいっぱい出るようになった
麻生久美子さんみたいな道筋辿ってくれるといいなあ。
◆『ニーゼと光のアトリエ』
▲右がニーゼ。
五つ星評価で【★★知らなかった知識を知る分にはいいけど、娯楽映画としては弱い】
1944年のブラジル、ロボトミー手術や電気ショック療法が幅を効かせる中、暴力的治療を廃し、芸術療法やアニマル・セラピーを施した女医ニーゼの物語。
基本、狂人がいっぱい出てくる映画は好き。映画には狂人がよく似あう。
ニーゼを演じるグロリア・ピレスは私の好きなエマ・トンプソンに似てて良かった。
残念なのはニーゼを非難していた旧態依然とした医療チームが
ギャフンと言うような展開がなかった事である。
本当にギャフンと言ったかどうかはともかく、娯楽映画として作るなら
唾を吐きかけられた主人公(暗喩)が、そのまま相手に向かおうともせず、
そのまま話が終わってしまうなんて展開は許されない。
そして、この映画はその許されない展開をして、シレっと終わってしまうのである。
オーマイガーっ。そらないだろ。
【銭】
『風に濡れた女』:チケット屋で額面金額1400円の券を1400円でGET。
『RANMARU 神の舌を持つ男』:ユナイテッドシネマのキャンペーン籤でGETした招待券で無料鑑賞。
『ニーゼと光のアトリエ』:ユーロスペース会員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・風に濡れた女@ぴあ映画生活
・RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して・・・蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編@ぴあ映画生活
・ニーゼと光のアトリエ@ぴあ映画生活
▼関連記事(他のロマンポルノ・リブートプロジェクト)。
・風に濡れた女(二回目)@死屍累々映画日記
・ホワイトリリー@死屍累々映画日記
・雌猫たち+アンチポルノ@死屍累々映画日記
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1. 16-272「RANMARU 神の舌を持つ男」(日本) [ CINECHANが観た映画について ] 2017年01月09日 01:46
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