『世界の果てまでヒャッハー!』をシネマート新宿2で観て、ゲラゲラふじき★★★★『土竜の唄 香港狂想騒曲』をトーホーシネマズ新宿7で観て、前作よりおもろいと思うわふじき★★★★

2016年12月30日

『ポッピンQ』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、その世界観にハラホロヒレハレふじき★★

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▲一番左が合気道ちゃん、一番右がダッシュちゃん。

五つ星評価で【★★スタッフ陣が自分達の持っている「売り」をツギハギして作ったら妙なアニメになってしまったという気がする】

変なアニメだった。
呑み込みづらい。
もういい加減年寄りだからか、こういう若者のアニメはよう分からんのかもしらん。

それぞれ青春的な悩みのあるJC5人が異世界に飛ばされる。
異世界ではキグルミと称する異形に蹂躙され、
彼女たち異世界から来た勇者がダンスを奉納する事で世界も救われ、
彼女たちも元に戻れるのだという。
だが、彼女たちのうちの一人が元の世界になど戻りたくないという。揺れる皆の心。

みたいな具合の話なのだが、どうも5人がダンスを踊る事で世界は救われる、
というアウトラインがさっぱり納得できるように伝わってこない。
古来、神々へのダンスの奉納は珍しい物ではないと思うが、
それをJCの創作ダンスレベルにされてしまうと、奉納の連想が絶ち切られてしまう。
何か「プリキュア生産ライン」でダンスを美しく見せる技術が確立してるから使っちゃおうぜ、という風にしか見えない。
あと御褒美のキャリアアップも技術が目に見える効果としては面白いけど、
頑張れば必ず報われるみたいなのはちょっと白々しい。
この御褒美キャリアアップは東映特撮の戦隊シリーズとかで最近頻繁に使われるが、
どうもそれは新戦力を売って金儲けの常套手段である事だし、
ドラマツルギーの中ではそんなに必要度を感じないのだ。
今回はこの御褒美キャリアアップがないと話が停滞するから「必要」な訳だが、
ご都合主義に見えて「必要」である事が納得できない。話の練りが足りないと思う。

この異世界を脅かす敵も、敵が何を求めていて、
求めたものを得る事によって何が出来るのかがさっぱり分からない。
敵の真意は次回持ち越しなのかもしれないが、独立した映画であるなら
嘘でも納得できる理由を付けておくべきだろう(見逃したか?俺)。

キャラの中で優等生とダンサーが被って分かりづらい。
チラシとか見ると別人なのだが、映画では混乱させられる。
それは優等生の長い黒髪とダンサーの紫のショート・ボブの見分けが
ダンサーがフード被ってしまう事で無効化してしまう為だ。
キャラの脚の見せ方も優等生=超ニーソ、ダンサー=タイツで似てるのも紛らわしい。
この二人が混同を誘う事以外は、
それぞれが大なり小なり傷ついてる設定は身につまされる。

合気道ちゃんとダッシュちゃんは分かりやすくて好きよ。

ダンスシーンは東映アニメお得意のプリキュア・モーション・キャプチャーで、
とても美麗な出来上がりなのだが、あのシステムは個々の出来の悪さや汗、努力
などを隠蔽してしまう。
なので、最初にばっちりポンコツを明示しなければいけない今回の使い方には合わない。
いや、出来上がり品として、あのダンスが使われるならいいのだが、最初から最後までダンスは全てモーション・キャプチャー使用でやってしまうと、全くメリハリが付かない。
それは得策ではないと思うのだ。

だいたい、彼女達が不思議な世界に取り込まれるという設定は必要なのか?
謎の組織によって遠洋マグロ漁船に拉致されて、
みんなで一致団結して漁獲量を増やさなければ帰れないという話でいいのではないか?
(もちろん極論だが、リアルな話でご都合展開を封じる方が彼女たちのメンタリティーの回復が、より浮かび上がってくると思う)

不平不満愚痴を旧「遅く起きた朝に」にぶつけるようにぶちまけたが、えーと、まあ、はっきり言ってエンドロール後のあの一騒動にはやられた。全然、感心はしないが、あの最後の部分だけの方がその前の部分より面白い感じだ。それはそれであかんやん。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・23本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ポッピンQ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ポッピンQ(2回目)@死屍累々映画日記

PS ただ、気にかかっててもう一回見てみたい感はある(魔力かよ)。
 二回目、見ました(上記LINK参照)。

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4. 『ポッピンQ』('16初鑑賞114・劇場)  [ みはいる・BのB ]   2017年01月01日 13:56
☆☆☆☆− (10段階評価で 8) 12月26日(月) OSシネマズ神戸ハーバーランド スクリーン4にて 15:30の回を鑑賞。
3. ポッピンQ  [ 象のロケット ]   2016年12月31日 14:23
陸上部の小湊伊純、学業優秀な日岡蒼、ピアノが得意な友立小夏、柔道と合気道をやっている大道あさひ、ダンスが得意な都久井沙紀。 中学3年生の彼女たち5人は、卒業式当日に“時の谷”に迷い込んでしまう。 そして、様々な世界の時間を司るポッピン族と出会う。 キグルミ
2. ポッピンQ  [ だらだら無気力ブログ! ]   2016年12月30日 23:36
違うテイストのプリキュアでした。
1. [映画『ポッピンQ』を観た]  [ 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭 ]   2016年12月30日 12:00
☆・・・面白かった! パワーがついた! 「まどか☆マギカ」と「プリキュア」を合わせたような魅力の物語。 日々の生活に行き詰まったJC3の5人が、崩壊に瀕した「時を司る世界」をダンスで救う展開。 5人の少女が可愛くて、好みの一人を選べない。 モテる男は辛いな.

この記事へのコメント

1. Posted by ナドレック   2016年12月30日 10:47
>キャラの中で優等生とダンサーが被って分かりづらい。

そうそう。この子こんなに勉強できて偉そうなのに、どうして公園に引きこもってるの? と思ってしまいました。

遠洋マグロ漁船バージョン、見てみたいです。
2. Posted by ふじき78   2016年12月31日 08:32
こんちは、ナドレックさん。
優等生とダンサーの混同は演出とか設定のミスだと思います。フード被って同じ髪型にしか見えないなら、優等生の方をオデコ見せるような髪型にするかピアノの女の子と違うタイプの眼鏡(ざあます眼鏡)をかけさせるか、いっそ太らせちゃうとか、いろいろやり方はあったのに。多分、作り手は個々のキャラクターにもっと感情を込めて作ってるだろうから、「似てる」事をマジで気づかなかったのかもしれませんが。

遠洋マグロ漁船バージョンは私も見たいです。

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