『トランスポーター イグニション』を109シネマズ木場6で観てやれやれふじき★『ギャラクシー街道』を新宿ピカデリー6で観て、三谷さん次頑張ってねふじき★★

2015年11月22日

『グラスホッパー』をトーホーシネマズ日本橋4で観て、基本これは好きだけどもうちっと深いと嬉しいなふじき★★★

五つ星評価で【★★★殺し屋が好きなので】

原作未読。

大体、子供の頃からフィクションの世界では殺し屋が一番好きな職業だった。
魚屋や八百屋と一緒にされたら殺し屋もたまらんかもしれないが、
生きる者の命を奪うのは、それが奪われてはならない物だからこそ、
もっとも難しくもっともプロッフェショナルな技量が要求される職業だろう。

だから、こういう殺し屋がいっぱい出てくる映画は楽しくてたまらない。
殺し屋と殺し屋がぶつかり合ったりしたら最高だ。技量と技量の頂点争いだから。
ただ、もうちょっとウジャウジャ出てくるかと思ったらそうでもなかった。
しょうかない。
同じ長屋に殺し屋が3人も4人もいるのは必殺シリーズくらいなもんだ。

主人公の生田斗真は殺し屋ではない。狂言回しの元教師。
ヘタレだけど正しいという性格を全うしてて生田斗真は安心して役を任せられる。

浅野忠信の自殺屋は相手に「自殺したくなる心」を植え付ける。
浅野忠信は普通の人間が追い付かない所にいる役が似合う。
この浅野忠信の周囲に渦巻く今まで殺してきた者達の怨霊の妄想がなかなか秀逸。
特に最初に殺した父親役が宇崎竜童で、浅野忠信と血の繋がりがありそうに見えるとてもいいキャスティング。宇崎竜童って役者としてしか見かけなくなってしまったなあ。
妄想と始終向きあって暮らしている浅野忠信に精神的な余裕はないと思うので、珈琲を自分ルールで拘るのは許容しても、皮のジャケットの着こなしはかっこ良すぎて、ファッションに時間を割く暇があるのには違和感を感じた。基本的に「こだわり」に没頭できるのは「余裕」があるからなのだと思うので、もっとどうでもいいボソっとした服の方が良かったと思う。

若い殺し屋の山田涼介もバラエティで見かける「山田」を思い出させもしない
キレのあるいい演技だった。

雑踏で被害者を押し轢死させる吉岡秀隆の押し屋というキャラがリアルいそう。
吉岡秀隆の抜群な地味さが光る。実生活でも内田有紀を養いながら闇の世界の押し屋とかやってても違和感なさそう(ばれたから離婚したのか)。

吠えまくる菜々緒が楽しい。
菜々緒にオファーされる役は大概、菜々緒が一番うまく演じられる役だと思う。
基本メンタリティーとかなく、いつも長い手足を振り回してひどい事をしまくる菜々緒が私も含めてみんな大好きなのだろうと思う。こういう異質な人がいると映画は光る。

ビックリポンの波瑠ちゃんももちろんOK。人は殺さないが笑顔で観客を殺す。

麻生さんの生活力のありそうな感じが凄い。
今回は後ろに引いてるっぽい。普通にそういう調整が出来るだろう、あの人は。

佐津川愛美いつも通り、暑っ苦しい。
彼女の名前からチラシに載ってない。
あの大きさのキャラだったら写真は未使用でもいいけど名前は載せるべきだ。


【銭】
トーホーシネマのメンバー優待週間に見に行ったので1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
グラスホッパー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
グラスホッパー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
グラスホッパー@Akira's VOICE
グラスホッパー@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記

PS 渋谷の交差点の雑踏から始まるが、
 あの渋谷は千葉の駐車場に作った巨大なセットなのだ。
 美術スタッフの頑張りに拍手を送りたい。どこからどう見てもあれは渋谷だ。
PS2 原作からだろうけど、名前でカテゴライズできるのね。
 蝉と鯨の殺し屋は動物。菜々緒の比与子はヒヨコで殺し屋予備軍。
 岩西は蝉とセットで「岩に染みいる」の言葉遊び、小さいながらも蝉の居場所。
 寺原は場所その物。大きなテリトリーを表わす。
 彼等以外は大体植物。押し屋はアサガオ、その妻はスミレ、
 岩西の使う情報屋は桃、鈴木の婚約者はユリ。
 鈴木は勿論「鈴木」だから「木」なのだけど、「鈴の木」という物は現存せず、
 神事に使う神聖な木という意味らしい。
 なので、物語の上で、彼が悪所であるテリトリーや、そこに咲く花や木々、
 そこを踏み荒らす獣などに染まらずに普通の人間に戻れたのはとても
 意味深い事なのかもしれない。鈴木の婚約者である百合子のユリは
 「歩く姿は百合の花」で美人の象徴。やはり生きて歩かないと。
 このユリの開花時期は6月〜8月。
 トノサマバッタの成虫になる時期が6月と9月。
 時期だけ見るとユリは大群生したバッタに食い荒される餌になる(考えすぎ)。
PS3 手元に3種類のチラシがある。
 1枚目は渋谷交差点のビジュアル化(A)
 2枚目は主役3人のアップの連結(B)
 3枚目は主要登場人物11人のコラージュ(C)
 ABCの順番で映画館に並んでいる筈。
 ABには「120万部突破」、Cには「140万部突破」のコピーがある。
 映画化によって20万部売れたという事だろう(勿論途中経過ではある)。
 文庫本1冊637円。×20万で1億2740万円。原作者の印税1274万円。
 ローマ風呂の映画で原作者に映画化権料が供出されない事が話題になったが、
 メディアミックスってやっぱりおいしい商売だと思う。

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

17. 「グラスホッパー」 緑色のバッタ  [ はらやんの映画徒然草 ]   2015年12月02日 22:43
伊坂幸太郎さんの小説「グラスホッパー」の映画化作品です。 彼の作品は登場人物のバ
16. グラスホッパー  [ atts1964の映像雑記 ]   2015年12月01日 08:22
2015年作品、瀧本智行監督、生田斗真主演。 世界でも屈指の人が集中する過密都市、東京・渋谷。 歩行者側の信号が青になり、一斉に横断が始まる、今日はハロウィンで、いつもより人が多かった。 百合子(波瑠)が交差点を渡ろうとした時、カボチャのお面を被っ
15. 『グラスホッパー』 最高の調味料は?  [ サイの角のように 独りよがり映画論 ]   2015年11月30日 19:01
 伊坂幸太郎の同名原作の映画化。  監督は『脳男』などの瀧本智行で、主演も『脳男』の生田斗真。  渋谷のスクランブル交差点がハロウィンでごった返すなか、そこに一台の車 ...
14. 必殺仕事人のオンパレード。〜「グラスホッパー」〜  [ ペパーミントの魔術師 ]   2015年11月30日 16:55
いっこだけもしも物足りないとこをあげるとしたら。 鈴木と蝉と鯨がリンクしてないよ?って話で。 クライマックスの場所にそれぞれの事情で集結はするものの、 今までの伊坂作品だったら原作でも映画でも最後の最後にパズルのピースがカチッとハマったときに ものすご...
13. 映画『グラスホッパー』★菜々緒さんの雌カマぶり♪withタイムカプセル  [ **☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆** ]   2015年11月30日 09:29
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/165419/ ↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。 主演:生田斗真   ←コレで鑑賞^^; 原作:伊坂幸太郎 暴走車で、フィアンセを轢き殺された鈴木は それが、フロイライン社の陰謀と知り、仇
12. グラスホッパー  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2015年11月28日 06:50
 『グラスホッパー』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。 (1)伊坂幸太郎氏の原作を映画化した作品というので映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭は、ハロウィンで大混雑する渋谷ハチ公前のスクランブル交差点。  百合子(注2:波瑠)が信号待ちをしています。 ...
11. グラスホッパー  [ ★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★ ]   2015年11月27日 12:55
2015/11/07公開 日本 PG12 119分監督:瀧本智行出演:生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、波瑠、菜々緒、金児憲史、佐津川愛美、山崎ハコ、村上淳、宇崎竜童、吉岡秀隆、石橋蓮司 あの日から僕は、復讐することばかり考えていました。 Story:恋人を殺害し...
10. 『グラスホッパー』  [ 京の昼寝〜♪ ]   2015年11月27日 06:50
□作品オフィシャルサイト 「グラスホッパー」□監督 瀧本智行□脚本 青島 武□原作 伊坂幸太郎□キャスト 生田斗真、浅野忠信、山田涼介、菜々緒、吉岡秀隆       石橋蓮司、 麻生久美子、波瑠、村上 淳■鑑賞日 11月14日(土)■劇場  TOHOシネ
9. グラスホッパー  [ 象のロケット ]   2015年11月26日 13:58
ハロウィンの夜、東京・渋谷のスクランブル交差点で、中学校教師・鈴木の婚約者・百合子が殺害される。 事件の真相を探るため、鈴木は裏組織に潜入し復讐の時を窺っていた。 一方、“自殺屋”と呼ばれる“鯨”と、若きナイフ使い“蝉”という2人の殺し屋も、別の目的でその
8. グラスホッパー/生田斗真  [ カノンな日々 ]   2015年11月25日 22:09
伊坂幸太郎さんの作品を全て読破してるわけじゃありませんけど「グラスホッパー」はめちゃめちゃ面白かったです。傑作じゃないかと思いました。それだけに映画化は期待値が高い一 ...
7. グラスホッパー  [ to Heart ]   2015年11月25日 18:00
上映時間 119分 映倫 PG12 原作 伊坂幸太郎 脚本 青島武 監督 瀧本智行 音楽 稲本響 出演 生田斗真/浅野忠信/麻生久美子/山田涼介/波瑠/菜々緒/佐津川愛美/金児憲史/山崎ハコ/村上淳/宇崎竜童/吉岡秀隆/石橋蓮司 ハロウィンの夜。渋谷のスクランブル交差点に一台の暴走...
6. グラスホッパー ★★★★  [ パピとママ映画のblog ]   2015年11月25日 13:59
人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を、『人間失格』などの生田斗真主演で映画化したサスペンス。恋人を殺害した犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える元教師、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら...
5. 「グラスホッパー」 (2015 松竹=KADOKAWA)  [ 事務職員へのこの1冊 ]   2015年11月25日 07:27
今年はそれにしても松竹の映画をたくさん観てるなあ。いちばんおいしい企画は東宝にまず持ちこまれる状態が長く続いているけれど、「ソロモンの偽証」「駆込み女と駆出し男」「日本のいちばん長い日」「天空の蜂」を堅調な興行に結びつけた実績は、松竹をなお活気づけさ...
4. グラスホッパー  [ Break Time ]   2015年11月25日 05:57
今日は、仕事でして・・・
3. グラスホッパー  [ Akira's VOICE ]   2015年11月23日 10:16
あさりじゃダメなんですか?(蓮舫風に
2. グラスホッパー  [ 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 ]   2015年11月23日 00:45
グラスホッパー (角川文庫) [文庫]世界でも屈指の過密都市、東京・渋谷。この街で起こった事故で恋人を失った元中学校教師の鈴木は、犯人に復讐するために裏社会に潜入する。だが、 ...
1. グラスホッパー  [ だらだら無気力ブログ! ]   2015年11月23日 00:41
まぁ面白かったんだけど、なんだろうな〜。

この記事へのコメント

1. Posted by yukarin   2015年11月27日 12:58
菜々緒さん良かったですわー。
いい味だしててハマり役でした。
山田くんもアイドルらしさを感じさせず頑張ってたなーと思います。

渋谷の交差点は本物にちゃんと見えてたのがすごいですよね。違和感ありませんでした。
2. Posted by クマネズミ   2015年11月28日 06:49
お早うございます。
浅野忠信の「皮のジャケットの着こなしはかっこ良すぎ」は、まさにそのとおりながら、「ファッションに時間を割く暇がある」というよりも、『寄生獣』の後藤がおなじ感覚で鯨として出現したような感じを受けました。
3. Posted by ふじき78   2015年11月28日 21:48
こんちは、yukarinさん。
比較的あんな役ばっかの菜々緒さんですが、本当はクリスチャンで毎日毎日演じた役の事を考えて泣きながら暮らしていたりすると萌えるんですが、まあ、そんな都合のいい状態はありえないでしょう。
4. Posted by ふじき78   2015年11月28日 21:51
こんちは、クマネズミさん。
浅野忠信の人間離れした役ってベースあまり変わらないですね。人間の姿形をしているけど未知の存在という意味でいつも「底知れない」感じが強く、そこが一致するんでしょうねえ。
5. Posted by atts1964   2015年12月01日 08:21
私も殺し屋同士のぶつかり合いは大好き(^^)
残念だったのはあの二人が死んでしまったことですね。生き残って共闘して、あの組織となんらか戦ってくれる次作を見たかったですが。
あとは菜々緒のキレ具合が良いですね。こういう役は彼女と、高橋メアリージュンがぴったりでは?
TBお願いします。
6. Posted by ふじき78   2015年12月01日 23:47
こんちは、atts1964さん。
あの殺し屋をスズキがボールの中に閉じ込めて何か問題がある時、召喚できるようにしとけばいいんじゃないですかね。

「よし、行け蝉 100万ボルドだ!」
「ピカ!」

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
『トランスポーター イグニション』を109シネマズ木場6で観てやれやれふじき★『ギャラクシー街道』を新宿ピカデリー6で観て、三谷さん次頑張ってねふじき★★