『西遊記 はじまりのはじまり(日本語吹替え版)』を109シネマズ木場1で観て、吹替えもええねふじき★★★★『ゴーン・ガール』をトーホーシネマズ六本木7で観て、人間恐怖だふじき★★★

2014年12月14日

『ダブリンの時計職人』『私の、息子』をギンレイホールで観て、ともかく感想を簡単に落とすぞふじき★★★,★★

◆『ダブリンの時計職人』
五つ星評価で【★★★思った以上にバディな映画】

チラシなどの宣伝素材ではあまり大きく取り上げられていないが、主人公フレッドと車上生活者カハルとの交流が映画の中に占める割合が大きい。声を掛け合う所から、それぞれがそれぞれを強く気にかけ疑似家族のようになるまで。宣伝側はアイルランドから来たほろ苦い大人の愛の映画として売りたいようなビジュアルなのだが、主人公フレッドと未亡人ジュールスのパートは割合としては小さい。

全体、染みるいい話で、
自分のルールを確立してるとても冴えない主人公の好感度も高い。
でも、これをヒットする映画として売るのは難しいだろうな、と思う。
派手じゃないし、キラキラ輝いてもいない。
宣材コピーに埋もれてる「ウィスキーのようにほろ苦くもやさしい」物語。
そういうのは売りづらいよなあ。みんな刺激が好きだから。

それにしてもタイトルに「ダブリンの」が付くと「いい洋画」みたいな空気が付いてしまう(まあ、いい洋画なのだけど)。当の映画にはあまりアイルランド、いや、ダブリン特有の気風とかが過度に滲み出たりはしていない(自然には出てる)。やはり日本人は外国の地名には弱いよなあ。『埼玉の時計職人』とか『木更津の時計職人』とかだと、やはりオシャレ感が皆無だもの(日本のどの地名でもおそらくダメなので、埼玉・木更津をディスってる訳じゃないです)。

顔が似てるとかそういうんではなく、老境に立った男が車上生活しながらも自己の規律を崩さないという点は高倉健の『あなたへ』をちょっと思いださせたりもする。骨子、全く違うけど。『ダブリンの時計職人』には綾瀬はるかが出てないものなあって、そこかよ!


◆『私の、息子』
五つ星評価で【★★婆さん強い。でも好きくない】

交通事故で子供を死なせてしまった息子の為に奔走する母を描いた物語というと感動作のようだが、この母親と息子の性格がどちらもクズでとてもイヤ。

母親は息子離れしていないし、子供は親離れしていない。
「愛情」を重圧のように押し付ける母親、
幼少からのその重圧に耐えられず屑になった息子。

やっぱり単純に好感が持てる相手が主役の映画の方がいいなあ。

ラスト、息子に自立の芽生えが見え掛ける所より、
息子の妻が母親に息子のクズ具合を切々と切り出すが、
それに向き合いながら動じたりしない母親のカットの方がクライマックス。
結局、「観客は」と言うより私は、この映画を観終わった後に、
息子の自立も母の子離れも進むとは到底信じる事ができない。
これは、どちらかが死ぬまで続く生き地獄ではないか。
そして、これは全ての母子関係のカリカチュアでもある。

こういう煩雑な事から逃れたいのに、映画館でまで押し付けられたらたまらん。

PS だが、母親役者の芝居の揺ぎ無さについては褒めざるを得ない。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ダブリンの時計職人@ぴあ映画生活
私の、息子@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
私の、息子@ここなつ映画レビュー
私の、息子@映画的・絵画的・音楽的

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5. ダブリンの時計職人  [ 象のロケット ]   2015年12月08日 00:52
イギリス・ロンドンで時計職人をしていた中年男フレッドは、失業し故郷のアイルランド・ダブリンに戻ったものの、もはや帰る家はなく、海岸沿いの駐車場で車上生活をしていた。 孤独な毎日だったが、やがて青年カハルという愉快な“隣人”も出来た。 スイミングプールで知
4. ダブリンの時計職人  [ いやいやえん ]   2015年12月06日 20:44
【概略】 ロンドンで失業し故郷ダブリンに戻って来た時計職人・フレッドは、落ち込んだ日々を送っていた。しかし、青年・カハルと出会い、フレッドは次第に新しい自分を発見していく。 ドラマ アイルランド・ダブリンを舞台に、不器用な大人たちの人生の再生を描い
3. 私の、息子  [ いやいやえん ]   2015年04月29日 11:20
【概略】 事故を起こした息子のために奔走する母。過保護から逃れようともがく、自立できない息子。心震わす感動の結末とは… ドラマ 自分の息子に対する愛情を再確認すると共に、自らの視野の狭さに気付く物語。母は、それまで知らなかった息子の姿を知る事になる
2. 「私の、息子」  [ ここなつ映画レビュー ]   2014年12月15日 12:25
第63回ベルリン国際映画祭で、最高賞の金熊賞を受賞。触れ込みとしては、「子離れできない母親と成人しても自立できない子供。」のオハナシで、「親の過保護が日常化し“モンスターペアレント”という言葉さえ生まれた今の日本に生きる私たち自身の物語でもある。」というの
1. 私の、息子  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2014年12月14日 20:48
 『私の、息子』を渋谷ル・シネマで見てきました。 (1)予告編で見て良さそうな作品と思い映画館に行ってきました。  本作(注1)の舞台は、ルーマニアの首都ブカレスト。  映画の最初の方では、主人公のコルネリア(ルミニツァ・ゲオルギウ)(注2)が、居間で義理の...

この記事へのコメント

1. Posted by ここなつ   2014年12月14日 12:28
こんにちは。TB&コメントをありがとうございました。
どちらかが死ぬまで続く生き地獄…そう、そしてそれは死んでも変わらないのかもしれません。自分で気づいて踏み出すまでは。
が、実際にはあのダメ息子、どことなく気づいてはいたのだけれど、踏み出す度量が無かったのだなぁ…。
2. Posted by クマネズミ   2014年12月14日 20:47
今晩は。
「ラスト、息子に自立の芽生えが見え掛ける所」は、まさに「0.5ミリ」くらいにせよ、進展があったと思うのですが?
なお、「ふじき78」さんが、「こういう煩雑な事から逃れたいのに、映画館でまで押し付けられたらたまらん」とおっしゃるのは、クマネズミの友人にいるのですが、汚い事件ばっかり扱っているのでコン・ゲームの映画は見たくないと言っている弁護士とか、もっと言えば、食事中だから死体の写真を見せるなと部下に言う刑事とかと同じようなことだとみなしても構わないでしょうか?
3. Posted by ふじき78   2014年12月15日 00:55
こんちは、ここなつさん。
分かっていてやらない夏休みの宿題みたいな物じゃないですかねえ。やらずともどうにか済んじゃう物って意外と多いんじゃないかと思います。
4. Posted by ふじき78   2014年12月15日 01:01
こんちは、クマネズミさん。
嗜好としては娯楽作品ですね。ついでにアート系とかも見ますけど。そのアート系でも違った角度の娯楽を求めている訳で。

例に挙げていただいたみたいに日常生活が詰まらない雑事で埋め尽くされている訳ではないのですが、肉体・頭脳とも疲労した状態で映画を見る事が多いので、つらい映画だと、心も体も悲鳴を上げます。助けて、ベイマックス!!
5. Posted by まっつぁんこ   2014年12月18日 20:19
「息子の自立も母の子離れも進むとは到底信じる事ができない。」同感。
被害者の家に謝罪に行くだけのことで一本の映画にしてしまうのはすごいと思いました。(笑)
6. Posted by ふじき78   2014年12月18日 21:46
> 被害者の家に謝罪に行くだけのことで一本の映画にしてしまうのはすごいと思いました。(笑)

そう言えばそうですね。あそこって普通だったら裁判で係争するとかの話のツカミくらいの位置ですよね。
7. Posted by maki   2015年04月29日 11:22
こんにちは、
息子を救いたい一心で更に圧迫させている母親
謝罪のシーンでどんな会話がなされたのかが気になりますが(握手してたし)確かにこれだけの内容で一本の映画になるのも、凄い事です
8. Posted by ふじき78   2015年04月29日 14:55
こんちは、makiさん。
けっこう疲れた状態で映画を見るのであまり重いのは辛いのですがね。ディズニーがバックについてミュージカルとかでやったらもちっとライトに見れるようになれるだろうか?
9. Posted by maki   2015年12月06日 20:48
こんばんは

ダブリンの時計職人、ダブリン、時計職人ともになぜかしら優しく思える単語なんですよね
不思議と。
まあそういう映画だったんですが
過剰摂取死亡というのはリアリティありましたが、主人公の彼は取材されて家を与えられて、幸せになれたのかなあ
10. Posted by ふじき78   2015年12月06日 21:07
こんちは、makiさん。
幸せであってもなくても、生きていかないとしゃあないという風に考えるとちょっと苦いのかもしれないですなあ。

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