2013年11月17日
『劇場版ATARU』を109シネマズ木場5で観て、これはマドマギの呪いか?ふじき★★
五つ星評価で【★★ふほほほほほほ(ダメ笑)そして、でも、もしかしたら】
TVドラマ未見。
まあ、映画だけ観ていてもアウトラインは掴める作りにはなってるけど、
堀北真希の事件がTVでどこまで取り上げられ、TVでどう決着が付いたかを
提示しないのは甚だ一見さん(俺)に不親切であると言えよう。
で、評判通り難物の映画だった。
一見さんが口を揃えて「あれは何?」と思うのは異常な演技演出だろう。
おそらくTVでもあの演技演出をしていたのだろうから、
TVから継続して見ていた人には違和感はないに違いない。
異常にエキセントリックな栗山千明と北村一輝、田中哲司に中村靖日。
このアタルの周りの中央人物が縦横無尽に
シリアスな展開を破壊する必要もないのにバリバリに粉砕しながら
話だけは前に進めていく。
周りでお祭りのような騒ぎが行われているというのに、
中居正広演じるアタルはぶれない。
『レインマン』のダスティン・ホフマンから孤高を抜いて、
山下清と「初めてのお使い」を加えた風である。
異能の幼稚園児であり、普通に町中で見たら「ああ、やだかも」と思う身体障害者だ。
その「『ああ、やだかも』と思う身体障害者」イメージを隠蔽して、
チャーミングに錯覚させる為にあの過剰な演技の弾幕が必要なのか?
(観客も変なテンションと同化し、中居正広をファンタジーな存在と誤認する)
もしくは、
「中居正広がバラエティとそんなに変わらない風に見えるけど、
ちゃんと演技してるんですよ」という事の判断基準を曖昧にする為の演技弾幕か。
(あんなん周りで堂々とやられたら演技がどうだなんて吹っ飛ぶ)
とっても変な物を見せられた感、満々だが、
必要に迫られて事は行われ、一度やり出したら止められなくなった、と推測する。
リアルタイムにTVドラマを見てないし、後追いで見る気もないので、
推測の域を脱する事はないのだが。
で、栗山千明はあんな事させられて苦労してるなあ。
それは北村一輝もいっしょだけど。
田中哲司なんて番組の生贄みたいなもんだ。
中村靖日だけは上手さで乗り切った感がある。
ドラマの出番的には、この人だけがパートみたいなもんだから
変な事やらされても痛手は少なそうだってのもあるか。
嶋田久作また出てる。よく映画出てるなあ。いい居場所にいるんだよな、いつも。
光宗薫がんばれ。これがステップアップに繋がる気は全くしないがガンバだ。
松雪泰子が全然分からんかった。ヘアピース一つで変わるもんだ。女優だなあ。
堀北もまずまず。特別な事をしてるとは思わないけどまあいいでしょ。
それにしてもネットワークに繋がるパソコン一つで、
どんな物でも爆発物に変える事が出来るみたいな設定
(もちろん厳密には色々な準備や条件が必要なのだろうけど)は、
過去例を見ないくらい、悪事実現性の垣根が低い。
もう何だって攻撃できる。
それを筆頭に、「そんなん、ありえんやろ」という御都合主義の数々は
「いや、元々ありえない話ですから」という免罪符で全部チャラになってるんだけど。
えーと、それでいいのか。
それともそれを「メタ」で楽しむ事がこのドラマの胆なのか?
最後の最後、夢落ちとか持ってこられても、きっと何の抵抗もないよなあ。
と、ここでハタと気が付いた。
堀北真希の役名って「マドカ」。
そして彼女の使うPCウィルスが「ウィザード(魔法使い)」。
わっはっは、マドマギのパロデイーじゃん。
そうすると、「マドカ」は「アタル」の世界で正しいことを為そうとして、
魔女(悪人)を退治する超越存在だ。その為に魔法を使う。
そして、彼女がもっとも注意を払わなければならないのは
自分と同じ魔法少女(正義遂行者)の立場であり、
他人から利用されれば魔女(悪人)にも成りうる「アタル」だ。
「マドカ」は「アタル」に魔女の烙印をあえて押す。
「マドカ」がもっとも救済したいのは「アタル」だから。
「マドカ」はおそらく自分なら「アタル」をコントロールして
実際に悪事に加担させる事も可能な事が分かっている。
逆に言えば「マドカ」と同じ能力を持つ者が現われれば、
「アタル」は誰にも止められない魔女(悪人)になりうるのだ。
「マドカ」は「アタル」を未来の魔女(悪人)として断罪する。
そして「マドカ」は彼女の持つ万能な魔法により、
全ての魔女(悪人)が悪事を起こさないよう呪い(祈り)をかけるのだ。
その為に世界は壊れ、再構成される。
それゆえに「マドカ」が死んだとされる世界は
「マドカ」が構成した新しい世界である。
そこでは一般法則性に縛られない。
哀悼の花を用意したいと思えば、その張り裂ける心の大きさだけ用意できるのだ。
わはははははは。
ギリギリ辻褄が合う気がする。
まあ、遊びと言っちゃえばそれまでだか。
【銭】
レイトショー料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
PS まどマギとアタル劇場版、両方見てるの俺だけっすか?
TVドラマ未見。
まあ、映画だけ観ていてもアウトラインは掴める作りにはなってるけど、
堀北真希の事件がTVでどこまで取り上げられ、TVでどう決着が付いたかを
提示しないのは甚だ一見さん(俺)に不親切であると言えよう。
で、評判通り難物の映画だった。
一見さんが口を揃えて「あれは何?」と思うのは異常な演技演出だろう。
おそらくTVでもあの演技演出をしていたのだろうから、
TVから継続して見ていた人には違和感はないに違いない。
異常にエキセントリックな栗山千明と北村一輝、田中哲司に中村靖日。
このアタルの周りの中央人物が縦横無尽に
シリアスな展開を破壊する必要もないのにバリバリに粉砕しながら
話だけは前に進めていく。
周りでお祭りのような騒ぎが行われているというのに、
中居正広演じるアタルはぶれない。
『レインマン』のダスティン・ホフマンから孤高を抜いて、
山下清と「初めてのお使い」を加えた風である。
異能の幼稚園児であり、普通に町中で見たら「ああ、やだかも」と思う身体障害者だ。
その「『ああ、やだかも』と思う身体障害者」イメージを隠蔽して、
チャーミングに錯覚させる為にあの過剰な演技の弾幕が必要なのか?
(観客も変なテンションと同化し、中居正広をファンタジーな存在と誤認する)
もしくは、
「中居正広がバラエティとそんなに変わらない風に見えるけど、
ちゃんと演技してるんですよ」という事の判断基準を曖昧にする為の演技弾幕か。
(あんなん周りで堂々とやられたら演技がどうだなんて吹っ飛ぶ)
とっても変な物を見せられた感、満々だが、
必要に迫られて事は行われ、一度やり出したら止められなくなった、と推測する。
リアルタイムにTVドラマを見てないし、後追いで見る気もないので、
推測の域を脱する事はないのだが。
で、栗山千明はあんな事させられて苦労してるなあ。
それは北村一輝もいっしょだけど。
田中哲司なんて番組の生贄みたいなもんだ。
中村靖日だけは上手さで乗り切った感がある。
ドラマの出番的には、この人だけがパートみたいなもんだから
変な事やらされても痛手は少なそうだってのもあるか。
嶋田久作また出てる。よく映画出てるなあ。いい居場所にいるんだよな、いつも。
光宗薫がんばれ。これがステップアップに繋がる気は全くしないがガンバだ。
松雪泰子が全然分からんかった。ヘアピース一つで変わるもんだ。女優だなあ。
堀北もまずまず。特別な事をしてるとは思わないけどまあいいでしょ。
それにしてもネットワークに繋がるパソコン一つで、
どんな物でも爆発物に変える事が出来るみたいな設定
(もちろん厳密には色々な準備や条件が必要なのだろうけど)は、
過去例を見ないくらい、悪事実現性の垣根が低い。
もう何だって攻撃できる。
それを筆頭に、「そんなん、ありえんやろ」という御都合主義の数々は
「いや、元々ありえない話ですから」という免罪符で全部チャラになってるんだけど。
えーと、それでいいのか。
それともそれを「メタ」で楽しむ事がこのドラマの胆なのか?
最後の最後、夢落ちとか持ってこられても、きっと何の抵抗もないよなあ。
と、ここでハタと気が付いた。
堀北真希の役名って「マドカ」。
そして彼女の使うPCウィルスが「ウィザード(魔法使い)」。
わっはっは、マドマギのパロデイーじゃん。
そうすると、「マドカ」は「アタル」の世界で正しいことを為そうとして、
魔女(悪人)を退治する超越存在だ。その為に魔法を使う。
そして、彼女がもっとも注意を払わなければならないのは
自分と同じ魔法少女(正義遂行者)の立場であり、
他人から利用されれば魔女(悪人)にも成りうる「アタル」だ。
「マドカ」は「アタル」に魔女の烙印をあえて押す。
「マドカ」がもっとも救済したいのは「アタル」だから。
「マドカ」はおそらく自分なら「アタル」をコントロールして
実際に悪事に加担させる事も可能な事が分かっている。
逆に言えば「マドカ」と同じ能力を持つ者が現われれば、
「アタル」は誰にも止められない魔女(悪人)になりうるのだ。
「マドカ」は「アタル」を未来の魔女(悪人)として断罪する。
そして「マドカ」は彼女の持つ万能な魔法により、
全ての魔女(悪人)が悪事を起こさないよう呪い(祈り)をかけるのだ。
その為に世界は壊れ、再構成される。
それゆえに「マドカ」が死んだとされる世界は
「マドカ」が構成した新しい世界である。
そこでは一般法則性に縛られない。
哀悼の花を用意したいと思えば、その張り裂ける心の大きさだけ用意できるのだ。
わはははははは。
ギリギリ辻褄が合う気がする。
まあ、遊びと言っちゃえばそれまでだか。
【銭】
レイトショー料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL‐@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
PS まどマギとアタル劇場版、両方見てるの俺だけっすか?
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2. 劇場版 ATARU-THE FIRST LOVE & THE LAST KILL- [ ★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★ ] 2013年11月18日 12:57
2013/09/14公開 日本 120分監督:木村ひさし出演:中居正広、北村一輝、栗山千明、玉森裕太、嶋田久作、田中哲司、千原せいじ、中村靖日、庄野崎謙、島崎遥香、光宗薫、中村昌也、利重剛、奥貫薫、三好博道、原日出子、堀北真希、岡田将生、前田美波里
さよならアタル――..
1. 劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL [ 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 ] 2013年11月17日 19:44
劇場版 ATARU -THE FIRST LOVE & THE LAST KILL- (角川文庫) [文庫]サヴァン症候群に起因する天才的能力で難事件を解決する青年の活躍を描く「劇場版 ATARU‐THE FIRST LOVE & THE LAST KILL」。良くも悪くも ...