脳内ポイズンベリー

2015年05月18日

『脳内ポイズンベリー』をトーホーシネマズ六本木3で観て、乗り切れず客観視ふじき★★★

五つ星評価で【★★★操縦されるロボット真木よう子には感情移入できず、脳内の感情たちはちょっとうざい】

この映画の真木よう子は鉄人28号だったり、マジンガーZだったりするので、感情移入がしづらい。操縦者の操縦テクニックを具現化する機械としてそこに存在するだけのように見える。感情移入は出来ないが、素晴らしい演技だ。今まで北風ピューピュー吹く中で刺した刺されたやったやられたみたいな役ばっかりだったのだが、こんなポワンとした儚くて可愛げのある役も出来たんだという驚き。頬のチークの濃い所は『弁護士のくず』の豊川悦司を思いだしたりしたけど、それは思いだす自分が悪い。あと、基本路線は凛としてフェミニンだけど(スカートひらひら)、コートでワイルドさを付けたしたり、それでいて帽子がどうにも女の子を主張してたり、真木よう子に対するコーデが一々見事だった。

真木よう子がロボットであるなら、その操縦者である脳内会議メンバーに感情移入できればいいのだが、彼等がうるさくて、うざくて、ちょっと好きになれない。ただ、ここも役者がみんな上手い。理性の西島秀俊のクタクタっぷり。ポジティブの神木隆之介のはしゃぎ感、ネガティブの吉田羊の沈み込む感じ。適材適所というより、役者が上手いので、配役をシャッフルして、どの役を当てられても演じられそうな安定感がある。

あと、越智さん役の成河はどちらかと言うと整った顔立ちの筈なのに、かっこよく見えてはいけないという面倒な役を凄く上手くこなしてたと思う。普通の人に無理やり「ずんの飯尾」エキスを大量に投入したものの、まだ、身体がせいいっぱい抵抗して、ズん化をこらえているくらいな感じ。彼の優しさ誠実さには、ホモじゃないけどちょっとキュンキュンした。

映画終盤で辿り着く真木よう子の結論がとても納得のできる物だったので、映画の体裁としてとてもうまくまとまって気持ちよく見終える事が出来たのは、良きかな良きかな。


【銭】
トーホーシネマズデーで1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
脳内ポイズンベリー@ぴあ映画生活
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脳内ポイズンベリー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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PS ラスト、運命の相手がカンニング竹山で、
 みんな怒りながら劇場を背にするというのも乙な気がします。

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