結城リナ
2013年05月19日
池島ゆたかの傑作を新橋ロマンで観てロマンチック体験ふじき(今週)ネタバレあり
新橋ロマンに妙に通い続けてる。
うーん、だって面白いのよ。
今週は三本とも外れ無しだった。
◆『超いんらん やればやるほどいい気持ち』
五つ星評価で【★★★★傑作。池島の不安とプライドがうかがえる。凄いの撮りよる】
池島ゆたか監督、
倖田李梨(女房)、日高ゆりあ(夢の女)、青山えりな(初恋の女)出演
池島監督自身の自伝に見えるが、どうなんだろう。
勿論、そのままという訳ではなかろうが、共通点が幾つもあり、
すごく力が入っているように見える。
作中主人公ともども池島は役者上がりの監督だ。
今でこそ映画に役者として出る時は、肩の力が抜けて意識せずに見れるが、
昔はもっとたどたどしいというか、重かった気がする。
そんな自分に対する憤懣があったのかもしれない。
傷つき方がとってもステロタイプで逆に凡庸さが浮かび上がってたまらん。
夢の女を使って1作目をどうにか作り上げる。
夢の女は死んでしまい、監督は何本も何本も映画を作り続ける。
そして、死の間際になって「今まで作ってきたのが映画か何だかわからない」と叫ぶ。
幻想の中で夢の女に叫ぶ「でも君でもう1本、撮りたいんだ」
夢の女はいろいろ認められながらも死の間際まで風俗もやってた林由美香だろうか。
池島自身が成人映画の演出家として長い間、評価の対象にされなかった。
役者の余技と思われたのか、かなり良質な作品を作るようになった後でも、
ピンク四天王のように作る映画が特別枠として扱われる事はなかった。
池島は波に乗り損なってしまったのだ。
その乗り損ないを粉砕するかのごとく池島は映画を量産する。
静かに、丹念に。そして、浮き沈みなく最後まで同じ個所に残り続けた。
作り続けた実績はプライドとして累積されていったに違いない。
にも関わらず、若い頃の挫折や経験を剥ぎ取った自分の本質のあやふやさを思う時、
池島は不安でたまらなくなるのだろう。
でも、映画の中の演出家のように今すぐ死ぬ訳でないなら、
池島は作り続けるしかないだろう。
それはご褒美のようでもあり、刑罰のようでもある。
池島はその多作と、作品のバラエティーさと、作品の良質さと、
たまににっちもさっちも行かなくなって大ポカもやる若さなどから、
もっと注目を受けてもいい演出家だ。
林由美香が膨大すぎて死した後になってやっと把握できたように、
池島も死なないと注目されないのかもしれない。
全世界から注目されないからこそ、好き勝手なふるまいが出来る事を考えると
それも又、ご褒美のようでもあり、刑罰のようでもある。
日高ゆりあの決してそこにいないようなイコン感がいいなあ。
彼女がそこにいる時、とても「映画」な感じがする。
キャストに「ジミー土田」がいて、ビックリした。
◆『いくつになってもやりたい男と女』
五つ星評価で【★★★老いらくの恋と性を確かなタッチで】
いまおかしんじ監督、
多賀勝一(主人公)、並木橋靖子(憧れの人)、速水今日子(スナックのママ)出演。
前に1回観てる。
65歳の老人の性を確かな演出力で描く。
主人公のボンチなキャラが立っていて、
映像が実に映画していてどこに持って行っても恥ずかしくない。
濡れ場も実に上手いこと挟んである
(全て老人尽しではないし、老人だから見苦しかったりもしない)。
悪くない映画の筈なんだけど、個人的には乗れない。
前回も乗れなかったような気がする。
でも、これが好きでたまらんと言う人がいそうな映画だ。
実は『いくつになってもやりたい不倫』と勘違いして観にいったのだが、
それはそれで二週か三週後にラインナップに入っていた。
それも傑作の筈である。自分のブログにそう書いてあった。
でも、内容は全く覚えてない。
うん、又、それも観に行こう。
◆『裸の牝たち 見られていっちゃう』
五つ星評価で【★★★いい感じの小品】
田中康文監督、青山えりな 結城リナ 主演。
すんげえタイトルだが、主人公はストリッパーの二人組なんである。
先週、上野オークラで観た、ピンク映画なのにロードムービーな『人妻エロ道中 激しく乗せて』の田中康文監督作品。この人、女の人を魅力的に撮りよるなあ。オカメ顔の青山えりなは池島監督の方にも出てたけど、顔が好みじゃない。ファニー感を溢れさせながら惚れっぽくって田舎者に騙される役をやってて何か似合ってる。その幼馴染からの親友役である結城リナは逆にすごくタイプ。スレンダーで勝ち気で男勝り。腰のくびれがたまらん。
この二人がひょんな成り行きから田舎の旅館まで足を伸ばして、自分たちを見つめ直したりするデトックス的な1本。全然悪くないです。
青山えりなのストリップは割と表面をなぞった感じ(でも、そんなに上手くない役柄だからそれでいいだろう)。
結城リナのストリップは立ち姿が凄く綺麗だ。
実は一緒にやってるいまおか監督の映画で本物のストリッパーが出てくるカットがあって、その本物の立ち振る舞いの綺麗さを見てしまうと、どうにもストリップ場面はオマケに見えてしまう(げんにオマケはオマケなんであるが)。
ええと、池島ゆたかが役者として「宇宙人が、宇宙人が、」といつも言ってるような役を怪演しています。池島ゆたか側で田中康文監督が「演出補」とかで名前が上がってたから、師匠-弟子筋に当たるのかもしれない。
【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。
うーん、だって面白いのよ。
今週は三本とも外れ無しだった。
◆『超いんらん やればやるほどいい気持ち』
五つ星評価で【★★★★傑作。池島の不安とプライドがうかがえる。凄いの撮りよる】
池島ゆたか監督、
倖田李梨(女房)、日高ゆりあ(夢の女)、青山えりな(初恋の女)出演
池島監督自身の自伝に見えるが、どうなんだろう。
勿論、そのままという訳ではなかろうが、共通点が幾つもあり、
すごく力が入っているように見える。
作中主人公ともども池島は役者上がりの監督だ。
今でこそ映画に役者として出る時は、肩の力が抜けて意識せずに見れるが、
昔はもっとたどたどしいというか、重かった気がする。
そんな自分に対する憤懣があったのかもしれない。
傷つき方がとってもステロタイプで逆に凡庸さが浮かび上がってたまらん。
夢の女を使って1作目をどうにか作り上げる。
夢の女は死んでしまい、監督は何本も何本も映画を作り続ける。
そして、死の間際になって「今まで作ってきたのが映画か何だかわからない」と叫ぶ。
幻想の中で夢の女に叫ぶ「でも君でもう1本、撮りたいんだ」
夢の女はいろいろ認められながらも死の間際まで風俗もやってた林由美香だろうか。
池島自身が成人映画の演出家として長い間、評価の対象にされなかった。
役者の余技と思われたのか、かなり良質な作品を作るようになった後でも、
ピンク四天王のように作る映画が特別枠として扱われる事はなかった。
池島は波に乗り損なってしまったのだ。
その乗り損ないを粉砕するかのごとく池島は映画を量産する。
静かに、丹念に。そして、浮き沈みなく最後まで同じ個所に残り続けた。
作り続けた実績はプライドとして累積されていったに違いない。
にも関わらず、若い頃の挫折や経験を剥ぎ取った自分の本質のあやふやさを思う時、
池島は不安でたまらなくなるのだろう。
でも、映画の中の演出家のように今すぐ死ぬ訳でないなら、
池島は作り続けるしかないだろう。
それはご褒美のようでもあり、刑罰のようでもある。
池島はその多作と、作品のバラエティーさと、作品の良質さと、
たまににっちもさっちも行かなくなって大ポカもやる若さなどから、
もっと注目を受けてもいい演出家だ。
林由美香が膨大すぎて死した後になってやっと把握できたように、
池島も死なないと注目されないのかもしれない。
全世界から注目されないからこそ、好き勝手なふるまいが出来る事を考えると
それも又、ご褒美のようでもあり、刑罰のようでもある。
日高ゆりあの決してそこにいないようなイコン感がいいなあ。
彼女がそこにいる時、とても「映画」な感じがする。
キャストに「ジミー土田」がいて、ビックリした。
◆『いくつになってもやりたい男と女』
五つ星評価で【★★★老いらくの恋と性を確かなタッチで】
いまおかしんじ監督、
多賀勝一(主人公)、並木橋靖子(憧れの人)、速水今日子(スナックのママ)出演。
前に1回観てる。
65歳の老人の性を確かな演出力で描く。
主人公のボンチなキャラが立っていて、
映像が実に映画していてどこに持って行っても恥ずかしくない。
濡れ場も実に上手いこと挟んである
(全て老人尽しではないし、老人だから見苦しかったりもしない)。
悪くない映画の筈なんだけど、個人的には乗れない。
前回も乗れなかったような気がする。
でも、これが好きでたまらんと言う人がいそうな映画だ。
実は『いくつになってもやりたい不倫』と勘違いして観にいったのだが、
それはそれで二週か三週後にラインナップに入っていた。
それも傑作の筈である。自分のブログにそう書いてあった。
でも、内容は全く覚えてない。
うん、又、それも観に行こう。
◆『裸の牝たち 見られていっちゃう』
五つ星評価で【★★★いい感じの小品】
田中康文監督、青山えりな 結城リナ 主演。
すんげえタイトルだが、主人公はストリッパーの二人組なんである。
先週、上野オークラで観た、ピンク映画なのにロードムービーな『人妻エロ道中 激しく乗せて』の田中康文監督作品。この人、女の人を魅力的に撮りよるなあ。オカメ顔の青山えりなは池島監督の方にも出てたけど、顔が好みじゃない。ファニー感を溢れさせながら惚れっぽくって田舎者に騙される役をやってて何か似合ってる。その幼馴染からの親友役である結城リナは逆にすごくタイプ。スレンダーで勝ち気で男勝り。腰のくびれがたまらん。
この二人がひょんな成り行きから田舎の旅館まで足を伸ばして、自分たちを見つめ直したりするデトックス的な1本。全然悪くないです。
青山えりなのストリップは割と表面をなぞった感じ(でも、そんなに上手くない役柄だからそれでいいだろう)。
結城リナのストリップは立ち姿が凄く綺麗だ。
実は一緒にやってるいまおか監督の映画で本物のストリッパーが出てくるカットがあって、その本物の立ち振る舞いの綺麗さを見てしまうと、どうにもストリップ場面はオマケに見えてしまう(げんにオマケはオマケなんであるが)。
ええと、池島ゆたかが役者として「宇宙人が、宇宙人が、」といつも言ってるような役を怪演しています。池島ゆたか側で田中康文監督が「演出補」とかで名前が上がってたから、師匠-弟子筋に当たるのかもしれない。
【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。