生田斗真
2016年12月31日
『土竜の唄 香港狂想騒曲』をトーホーシネマズ新宿7で観て、前作よりおもろいと思うわふじき★★★★
▲ジャニーズの主人公を除く共演者の皆さん。
五つ星評価で【★★★★何よりコーディネーターの実力が凄いんちゃうかな】
衣装がキンキラで凄い。
ヤクザが二束三文でドコスコ画面に投入されて
画面がビッシリヤクザで埋まってる感じがこんな言い方変だが心地よい。
そして、女優陣がヤングマガジン・テイストに無駄に汚く色っぽいのがいい。
そう、あの中坊の性欲を嘘でも満たせてあげたいみたいな
悪い兄貴の親心みたいな感じはヤングマガジン・テイストだ。
ヤングジャンプのスマートな美乳とかより、汚くても体温のあるムチっとして
どこかじんわり湿っているような感じ。
前作に関してははっきり言ってもう覚えていない。
99の岡村が出てて鬱陶しかったのだけ覚えてる。
あれが関西ヤクザだから、導入部のフォークダンスまでが前作との引継ぎになるのだろう。で、今回は「対香港」と言いつつ、国際感覚はゼロ。まあ、それで別に全然かまわない。敵がいきなりゴキブリ人間に変わっても三池演出の前では大きな問題なしでOKになってしまうだろうし。
生田斗真はようやってる。
あのテンションと一人芝居。
彼が照れたらこの映画は瓦解する。
そういう意味では立派な座長芝居である。
つか、生田斗真のハイテンションが前作とキッチリ映画を繋いでいる。
彼があのハイテンションで演技を変えずに出る限りは他のどの要素が変わっても
シリーズとして持続可能だろう。
ヤクザ役はみなまあまあまあまあ。想定内の演技だけど、それでいい。
気持ち良さそうに兄貴分を演じる堤真一がいい。
いや、どちらかと言うといいのは服の方だ。
『海賊と呼ばれた男』でもキーパーソンな人物を演じていたが、
どっちかというとこっちの方が自由でよい(いやまあ本当にいつも通りなんだけど)。
そして中坊の心をドキドキさせる三人の女優。
本田翼の予告でも見せたあの思い切りのいい啖呵。
でも、処女というギャップ。
その処女をエロく蹂躙するという、ありがとうございますなエロ展開。
古田新太になって「ぐいっ」とモモンガ突っ込みたかったよ。
ルパン三世のくすぐり機械みたいに若者のトラウマになりそうないいシーンだった。
▲罵倒されながらセックスしたいなあ(徐々に罵倒できなくなる展開とか超エロい)。
菜々緒って言うのは第一にビジュアルの人なのだけど、
そのビジュアルを元にしたアクションの切り取りが惚れ惚れするほど良かった。
菜々緒の底なしの無表情って凄く「映画」っぽいと思う。
あ、途中でやめたけど予告の締めだった「ずっぼんバキューム」はあんなん使わんでもええやろ。
▲中学生はこれで今晩お世話になりなさいという衣装が最高。
そして仲里依紗の性格とパンツ。
仲里依紗は菜々緒と違ってパンツ以外は性格しかないような役だ。
何が勿体ないって、本編見るとそうでもないのだけど、
予告編だけだと仲里依紗が和田アキ子にそっくりなのだ。
それじゃ本田翼に「婆あじゃねえ所だよ」と言われてもしょうがない。
日本中の大半がそうだと思うのだけど、和田アキ子では欲情しないぜ!
そんな3人に比べたら新規参入の瑛太は面白味のない役だった。
いや、別に瑛太に脱ぎは期待してないけど。
同じく新規参入の古田新太はなかなか面白味のある役なのだけど、
上層部からトカゲの尻尾切りされる理由はモモンガ側に持たせなあかんでしょ。
そういや、虎が出てくるんだから、豹柄の上地雄輔とは対面させるべきじゃないか?
上地雄輔が豹柄なんだから、菜々緒には女豹のポーズを取らせるべきだろう。
もしこの先シリーズが続くなら、香港マフィアが崩壊しても菜々緒は無事そうなので
再出演を果たせそう。それってバリバリ峰不二子っぽいよなあ。
こんなんおもろいって言うと「俺は下品でパイオツもツオケーも大好きです」とちんちん振り回しながら宣言してるようなもんだから恥ずかしいんだけど、退屈せずに最後までおもろかったよ。
【銭】
トーホーシネマズフリーパス・24本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・土竜の唄 香港狂騒曲@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・土竜の唄 香港狂騒曲@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
・土竜の唄 潜入捜査官REIJI(一作目)@死屍累々映画日記
PS エンティングの関ジャニの歌もバーターだろうけど、これは合ってると思う。
2014年04月14日
『土竜の唄』をUCT4で観て、出落ち映画だけどそこそこ楽しい。でもそこそこ。ふじき★★★
五つ星評価で【★★★あ、ワンちゃんも可愛い】
原作非通読。チラ見程度に読んでる感じ。
数々の登場人物がすんごいヤクザ風コスプレでブイブイ言わす映画。
一番ノリがいいのは堤真一の賭場で最初のド突き合いを始めるまで。
あと親子杯とSEXはいいと思う。
全体にクドカンの脚本は粗くて適当、
三池が力技で面白い絵を放り込むものの、
三池も飽きっぽいから最後まで持たない、みたいに感じた。
以下、役者レビュー。
生田斗真:『脳男』の次がこれって凄い役者だ。
どちらも全く違っているのに、物凄く自然で、
どちらも演じてる感を感じさせない。
ジャニーズでもこいつと岡田准一は本物くさい
(岡田は役者よりもアクションスターとしての才能評価だけど)。
豹柄の服がこれでもかと似合う。
仲里依紗:脱がないけど思わせぶりだったり、
ちゃんと下世話なセックスシーン撮ってるからまあいいか。妙に昭和くさい。
三池だからしょうがないけど、もちっとエロエロに撮ってやればいいのになあ。
生田斗真は童貞の役だったけど、仲里依紗は処女役じゃないんだろうな、ビッチめ。
堤真一:クレイジー・パピヨン 蝶柄のスーツは流石に特注だろうな。凄い。
演技は『地獄でなぜ悪い』と寸分変わらず一緒だけど、まあそれで困りはしない。
吹越満、遠藤憲一、皆川猿時:みんなおもろい。
みんなアップでいい見栄を切れたり、いい背中の演技が出来たりするのが老獪。
変形B3チラシでは3人でダチョウ倶楽部の「聞いてないよー」のポーズを取ってる。
山田孝之、岡村隆史、上地雄輔:出落ち組。見栄がつまらないんだろうな。
上池は凄いメイクをしたけどそれだけだったので、
ほとんどコントと変わらんメイクをした岡村に持ってかれた。
その岡村は多分、チビなら誰がやってもいい役。
演技的にナニという事はないので、
ひょっとするとアニメ合成でもいけたかもしれない。
岩城滉一、大杉漣:抑え気味でもいい感じ。
斉木しげる:全くいつもと変わらないのに
高そうな服を着るだけでヤクザに見えるってのは三池の撮り方がいいに違いない。
チラシに名前が載ってなくて出てきて「あ、あ」とか思ったのは、
他に渡辺哲と有薗芳記、角さん、的場浩司。何気にオールスター映画だよなあ。
仲里依紗の同僚は誰だか分からんが、あっちの娘の方が好み。
あ、最初に万引き少女にイタズラする市会議員はコント赤信号の小宮だ。
あと、助監督だかに渡辺武の名前があって驚いた。
【銭】
金曜UCT会員デーで1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@映画的・絵画的・音楽的
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@迷宮映画館
▼関連記事。
・土竜の唄 香港狂騒曲(二作目)@死屍累々映画日記
原作非通読。チラ見程度に読んでる感じ。
数々の登場人物がすんごいヤクザ風コスプレでブイブイ言わす映画。
一番ノリがいいのは堤真一の賭場で最初のド突き合いを始めるまで。
あと親子杯とSEXはいいと思う。
全体にクドカンの脚本は粗くて適当、
三池が力技で面白い絵を放り込むものの、
三池も飽きっぽいから最後まで持たない、みたいに感じた。
以下、役者レビュー。
生田斗真:『脳男』の次がこれって凄い役者だ。
どちらも全く違っているのに、物凄く自然で、
どちらも演じてる感を感じさせない。
ジャニーズでもこいつと岡田准一は本物くさい
(岡田は役者よりもアクションスターとしての才能評価だけど)。
豹柄の服がこれでもかと似合う。
仲里依紗:脱がないけど思わせぶりだったり、
ちゃんと下世話なセックスシーン撮ってるからまあいいか。妙に昭和くさい。
三池だからしょうがないけど、もちっとエロエロに撮ってやればいいのになあ。
生田斗真は童貞の役だったけど、仲里依紗は処女役じゃないんだろうな、ビッチめ。
堤真一:クレイジー・パピヨン 蝶柄のスーツは流石に特注だろうな。凄い。
演技は『地獄でなぜ悪い』と寸分変わらず一緒だけど、まあそれで困りはしない。
吹越満、遠藤憲一、皆川猿時:みんなおもろい。
みんなアップでいい見栄を切れたり、いい背中の演技が出来たりするのが老獪。
変形B3チラシでは3人でダチョウ倶楽部の「聞いてないよー」のポーズを取ってる。
山田孝之、岡村隆史、上地雄輔:出落ち組。見栄がつまらないんだろうな。
上池は凄いメイクをしたけどそれだけだったので、
ほとんどコントと変わらんメイクをした岡村に持ってかれた。
その岡村は多分、チビなら誰がやってもいい役。
演技的にナニという事はないので、
ひょっとするとアニメ合成でもいけたかもしれない。
岩城滉一、大杉漣:抑え気味でもいい感じ。
斉木しげる:全くいつもと変わらないのに
高そうな服を着るだけでヤクザに見えるってのは三池の撮り方がいいに違いない。
チラシに名前が載ってなくて出てきて「あ、あ」とか思ったのは、
他に渡辺哲と有薗芳記、角さん、的場浩司。何気にオールスター映画だよなあ。
仲里依紗の同僚は誰だか分からんが、あっちの娘の方が好み。
あ、最初に万引き少女にイタズラする市会議員はコント赤信号の小宮だ。
あと、助監督だかに渡辺武の名前があって驚いた。
【銭】
金曜UCT会員デーで1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@映画的・絵画的・音楽的
・土竜の唄 潜入捜査官 REIJI@迷宮映画館
▼関連記事。
・土竜の唄 香港狂騒曲(二作目)@死屍累々映画日記
2013年03月04日
『脳男』を109シネマズ木場4で観て、不思議な改変だなふじき★★★(ネタバレ気味)
五つ星評価で【★★★原作との違いが面白い】
雑然とした映画だったからか、思った事も雑然としたままです。
特に深い考えもなく、それこそなんとなくという無造作さで
映画を観る前に原作を読んでました。
原作は面白いのだが、読み物としてのバランスが悪く、
これを映像化するのは大変だ、
どうやってこの難攻不落を崩していくのだろうと、
そっち側に興味を沸かせながら見に行きました。
原作の大半は「脳男」がどんな特性を持っているか
どのようにして生まれ、どうして今に至ったかを描いている。
つまり、キャラを立てる事を第一にしていて、
その後に最初の事件に戻り、脳男の能力の発揮により事件を解決させている。
作りは映画と同じだが、
原作では圧倒的に脳男の出自を探る部分が長い。
映画を見て、この部分がかなり伐採されている事が分かった。
でもまだ足りない。もっと思い切って伐採しても大丈夫だ。
というのは、ここは映画としては見せ場になりづらい部分なのだ。
ここは脳男がどのようにして成立したかの注意書きみたいなものである。
小説の形であれば、アカデミズムを刺激して面白く読めるが、
映画の物語の中でドラマを一時中断して、
教養を語り出すのはよっぽどの技術力がない限り娯楽化できない。
なので、ここは脳男の背景がさらっと語られさえすればいい。
内面やシステムを語るのに映画は適さない。
映画は主人公の行動で見せるのだ。
という点も含めて生田斗真の演技がメチャクチャ面白い。
あの演技に一番近いのは『オー・マイキー』。
冗談じゃない。本気だ。
命のないマネキンがいきなり動き出した時の質感に演技が非常に似てる。
恐るべし。生田斗真
そして原作では悪知恵は働くが、脳男と比べるとランク落ちる感が否めなかった
爆弾魔が映画ならではの設定で脳男と並び立ってる。
脳男は自然が生み出した逡巡のない殺人鬼。
爆弾魔は努力して苦労して脳男の領域に到達した殺人鬼みたいになってる。
『装甲騎兵ボトムズ』の人工完全兵士と野生の完全兵士みたいだ。
脳男が特殊すぎるので対比に意味がない事は明白だが、
ふっと「それもありかも」と思わせるくらいに持ってってるのは偉い。
この辺の演技は生田斗真がコアになり、
対比となる生々しさを出す事で二階堂ふみがとてもいい。
生田斗真の身体がプラスチックで出来ているなら、
二階堂ふみの身体は生理用品にこびりついてるオリモノで出来ているかのようだ。
二階堂ふみはプラスチックに嫉妬する。
プラスチックを壊そうとするがプラスチックは存外強靭だ。
どちらにしても人外の戦いであり、それは面白くもあり、面白くもなし。
視線が定まらず常人か常人じゃないのかが判別難しい染谷将太もいい仕事してる。
残念なのは常人側を代表して出番が多くて損してしまった松雪と江口。
松雪泰子は生田斗真の無感情と対比するためか、
常に悲しみの感情が顔の前に漂ってる。
この人はクール・ビューティーな人だから、真逆のキャスティングだ。
泣きの松雪に怒りの江口。
江口は冒頭から最後まで怒り通しで、単に下町の気性の荒い雷親父に過ぎない。
明確な理由もなく感情だだ漏れで怒っても、記号としてしか伝わってこない。
あと、『踊る大捜査線』以降のドラマで
あんなに簡単に拳銃を所持したり、撃ったりしてはいかん。
日本はロサンゼルスでも北斗の拳の人類滅亡後の世界でもないのだ。
江口と生田斗真の絡みが原作と異なり、セリフが少ない。組み合ってばかりいる。
なので、江口の刑事としての質の良さも出なければ、
生田斗真が爆弾魔の機先を制していく異能振りも出せなかった。
全般に出自をもっと切り、病院での対決を長めの核にしながら、
爆弾魔 対 脳男の 先手 後手 が分かるような頭脳戦にすべきだった。
松雪の母の件は面白い追加。
それぞれの部屋の構図などが異常に心理学的な考察がされてるっぽい。
だからあまりにも生活感があったりなかったりで、
映画全体が気持ち悪い妙な肌触りになってる。
こんな狂った人間ばかりの(常人も感情だだ漏れだったりで変)世界なので、
カワイコちゃんが一人いさえすれば、凄く映画自体が救われたかもしれないのに。
とか言いながら事務所の力でゴーリキさんが出たりしたら台無しだ。
川口春奈ちゃんが一人欲しかったな。
でも、爆弾がバカスカ爆発する中、異能な動きを見せつける生田斗真は面白い。
多分、結局、生田斗真が面白ければそれでこの映画は8割方まあ大丈夫なのだ。
【銭】
レイトショー割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・脳男@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・脳男@新・映画鑑賞★日記
・脳男@あーうぃ だにえっと
・脳男@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 『うの男』っていうから、
生田斗真が無表情でパンスト売るのかと思ったよ(嘘)。
PS2 キング・クリムゾンってよう知らんかったけど、
あれが最後に「じゃーん」と来るのはとても気持ちがいい。
雑然とした映画だったからか、思った事も雑然としたままです。
特に深い考えもなく、それこそなんとなくという無造作さで
映画を観る前に原作を読んでました。
原作は面白いのだが、読み物としてのバランスが悪く、
これを映像化するのは大変だ、
どうやってこの難攻不落を崩していくのだろうと、
そっち側に興味を沸かせながら見に行きました。
原作の大半は「脳男」がどんな特性を持っているか
どのようにして生まれ、どうして今に至ったかを描いている。
つまり、キャラを立てる事を第一にしていて、
その後に最初の事件に戻り、脳男の能力の発揮により事件を解決させている。
作りは映画と同じだが、
原作では圧倒的に脳男の出自を探る部分が長い。
映画を見て、この部分がかなり伐採されている事が分かった。
でもまだ足りない。もっと思い切って伐採しても大丈夫だ。
というのは、ここは映画としては見せ場になりづらい部分なのだ。
ここは脳男がどのようにして成立したかの注意書きみたいなものである。
小説の形であれば、アカデミズムを刺激して面白く読めるが、
映画の物語の中でドラマを一時中断して、
教養を語り出すのはよっぽどの技術力がない限り娯楽化できない。
なので、ここは脳男の背景がさらっと語られさえすればいい。
内面やシステムを語るのに映画は適さない。
映画は主人公の行動で見せるのだ。
という点も含めて生田斗真の演技がメチャクチャ面白い。
あの演技に一番近いのは『オー・マイキー』。
冗談じゃない。本気だ。
命のないマネキンがいきなり動き出した時の質感に演技が非常に似てる。
恐るべし。生田斗真
そして原作では悪知恵は働くが、脳男と比べるとランク落ちる感が否めなかった
爆弾魔が映画ならではの設定で脳男と並び立ってる。
脳男は自然が生み出した逡巡のない殺人鬼。
爆弾魔は努力して苦労して脳男の領域に到達した殺人鬼みたいになってる。
『装甲騎兵ボトムズ』の人工完全兵士と野生の完全兵士みたいだ。
脳男が特殊すぎるので対比に意味がない事は明白だが、
ふっと「それもありかも」と思わせるくらいに持ってってるのは偉い。
この辺の演技は生田斗真がコアになり、
対比となる生々しさを出す事で二階堂ふみがとてもいい。
生田斗真の身体がプラスチックで出来ているなら、
二階堂ふみの身体は生理用品にこびりついてるオリモノで出来ているかのようだ。
二階堂ふみはプラスチックに嫉妬する。
プラスチックを壊そうとするがプラスチックは存外強靭だ。
どちらにしても人外の戦いであり、それは面白くもあり、面白くもなし。
視線が定まらず常人か常人じゃないのかが判別難しい染谷将太もいい仕事してる。
残念なのは常人側を代表して出番が多くて損してしまった松雪と江口。
松雪泰子は生田斗真の無感情と対比するためか、
常に悲しみの感情が顔の前に漂ってる。
この人はクール・ビューティーな人だから、真逆のキャスティングだ。
泣きの松雪に怒りの江口。
江口は冒頭から最後まで怒り通しで、単に下町の気性の荒い雷親父に過ぎない。
明確な理由もなく感情だだ漏れで怒っても、記号としてしか伝わってこない。
あと、『踊る大捜査線』以降のドラマで
あんなに簡単に拳銃を所持したり、撃ったりしてはいかん。
日本はロサンゼルスでも北斗の拳の人類滅亡後の世界でもないのだ。
江口と生田斗真の絡みが原作と異なり、セリフが少ない。組み合ってばかりいる。
なので、江口の刑事としての質の良さも出なければ、
生田斗真が爆弾魔の機先を制していく異能振りも出せなかった。
全般に出自をもっと切り、病院での対決を長めの核にしながら、
爆弾魔 対 脳男の 先手 後手 が分かるような頭脳戦にすべきだった。
松雪の母の件は面白い追加。
それぞれの部屋の構図などが異常に心理学的な考察がされてるっぽい。
だからあまりにも生活感があったりなかったりで、
映画全体が気持ち悪い妙な肌触りになってる。
こんな狂った人間ばかりの(常人も感情だだ漏れだったりで変)世界なので、
カワイコちゃんが一人いさえすれば、凄く映画自体が救われたかもしれないのに。
とか言いながら事務所の力でゴーリキさんが出たりしたら台無しだ。
川口春奈ちゃんが一人欲しかったな。
でも、爆弾がバカスカ爆発する中、異能な動きを見せつける生田斗真は面白い。
多分、結局、生田斗真が面白ければそれでこの映画は8割方まあ大丈夫なのだ。
【銭】
レイトショー割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・脳男@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・脳男@新・映画鑑賞★日記
・脳男@あーうぃ だにえっと
・脳男@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 『うの男』っていうから、
生田斗真が無表情でパンスト売るのかと思ったよ(嘘)。
PS2 キング・クリムゾンってよう知らんかったけど、
あれが最後に「じゃーん」と来るのはとても気持ちがいい。