沖縄10年戦争

2017年04月19日

『北陸代理戦争』『沖縄10年戦争』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ゲラゲラ堪能ふじき★★★★,★★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『北陸代理戦争』
五つ星評価で【★★★★松方弘樹のエネルギッシュな壊れっぷりと3対1000でも戦い方だという暴れっぷりがたまらない】
抗争中の事件を無理やり映画化して、激化した抗争により主人公の組長が現実で射殺、実録路線映画を終焉に導いた曰く付きの映画という事だが、そんなん関係なしに自分が生き残る為にエネルギッシュに他のヤクザの死骸を食い散らかすような松方弘樹が強烈で無性にかっこいい。
利権が少ないから共食いしてでも生き残る。
親でもオジキでも筋が合わなければ牙を剥く。
中央から利権搾取の動きが来れば、地方の力を集めてでも抵抗する。
自分の筋さえ通れば、後は無勝手流で流れに掉さす
スマートさのかけらもなく、ただただ無法な力というのが今は逆に新鮮。

親(西村晃)とオジキ(ハナ肇)の出来が悪くて、
北陸の帝王・松方弘樹だけが突出しているのだが、
松方弘樹を葬るために中央からやってきたのが同じ狂犬の千葉真一、
この役回りは『京阪神殺しの軍団』の主人公・小林旭と同一人物なのだが、
やっぱ、この千葉真一の方が暴れると歯止めが効かなそうでいい。
小林旭は物事を脳で考えるが、千葉真一は脊髄反射で動く感じだから。
割と出番も少なく、実際にはそんなに暴れてないんだけど、
それだけ千葉真一のイメージ戦略が良かったという事だろう。
中央のトップが遠藤太津朗でこの辺は、単に偉いヤクザ役でつまらんけど、
癸欧棒田三樹夫がいるから、もうそれだけでこの組織は大丈夫。
成田三樹夫もそんなに出番、多くないんだけど出ると画面がピッとする。
あの顔は他にないからなあ。

野川由美子のチーママ感。でも、ラスト一人で去っていくシーンのかっこよさ。
この映画の中では西村晃やハナ肇より野川由美子の方が普通に男前だから。

西村晃やハナ肇もあんな演技なのにもう絶品。
西村晃が最初、雪に埋められた拷問にあって、解放されて風呂に入ると
刺青が背中に全然仕上がってなくて、チンケな感じなの最高。

しかし、こんな「俺の目の前の皿に盛られた料理を横取りする奴は許さない」
という倫理観を楯にして面白い映画になってるってのは凄いなあ。
気が狂ってる。狂っててよし。

おぼこい感じの野生っぽい高橋洋子も可愛い。


◆『沖縄10年戦争』
五つ星評価で【★★★俺の知ってる沖縄とウチナンチューはこんなんではないんだけどどないなんやろね】
沖縄ウチナンチュー通しの争いに、本土から海洋博の利権を食いにヤマトンチューが攻めてくる、その抗争。
沖縄側の主人公が三人。松方弘樹と佐藤充と千葉真一。
佐藤充と千葉真一は何となく南国っぽい。まあ、服がかな。
松方弘樹はいつものヤクザスーツにベシャリで本土のヤクザと一個も変わらない。
本土側は小池朝雄に今井健二に藤田まこと。
小池朝雄えげつなく骨までしゃぶりそう。
人相が悪すぎる今井健二、この顔と態度が本土が沖縄を見下すベーシックになってる。
藤田まことがヤクザ映画に出るなんて珍しいと思うのだけど、
これは佐藤充と親交が深いベビーフェイス・ヤクザなのだ。
うーん、ヤクザっぽくないのう。

そして野川由美子がまたしても松方弘樹の情婦。
座布団を配る山田隆夫と空に太陽がある限りなにしきのあきらがチンピラ。
栗田ひろみがとってもカタギな女の子で可愛い。

そういや、藤田まことと山田隆夫って「必殺仕事人」繋がりか。

具志堅さんとかダチョウ倶楽部の肥後さんとか、沖縄人のイメージはああなんで、
やっぱなんかみんな真剣過ぎるように見えてたまらない。
あんまりゆったり時間で抗争やってるとヤクザ映画にならなくなるのかもしれないけど。

ラストシーン、ショットガン片手に走り出す松方弘樹は「大都会」の大門みたいで。

加藤嘉は目をうるうるさせてました。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
北陸代理戦争@ぴあ映画生活
沖縄10年戦争@ぴあ映画生活

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