殺人容疑者

2017年02月05日

『殺人容疑者』を神保町シアターで観て、タンバリンも若いが小林昭二も若造だふじき★★

特集「あの時の刑事」から1プログラム。

五つ星評価で【★★ドラマとしてではなく、科学推理解説がドキュメンタリー的だったり、当時の風俗風景が面白い】
旧作(昭和27年)だが初見。

丹波哲郎のスクリーン・デビュー作だそうです。
かっこいいんだよね、モデルっぽいんだよね。
彼の役はタイトルロールの殺人容疑者。
キャストの最初に出てくるけど、主演ではない。

主演は全員で犯人を追い詰める警察組織その物。
その刑事達の中に若かりしガス人間土屋嘉男と、
若かりしキャップ兼おやっつあん小林昭二がいたりする。
小林昭二なんて中間管理職みたいな年以降しか知らないから、
若者の小林昭二の線の細さが妙におもろい。

渋谷で起こった殺人事件の裏付け捜査のため、銀座に行ったりするが、
どこが渋谷で、どこが銀座なのか全く分からない。
建物も平屋ばっかりで、オフィスというより長屋っぽいロケーションばかり。
今の新宿がまだそうであるように、ちょっと離れると民家があって、
繁華街ではないのかもしれない。

一番おかしいと言うか笑ったのが、警察の「捜査本部」が畳敷きでイスがなかった事。
みんな田舎の青年会みたいに車座になって座る。その畳の上で忙しそうに回る扇風機、
なるほど江戸時代ではないのだな。
警察の黒電話に外部から電話がかかってくる。
「ちょっとメモしてくれ」
電話の刑事に促された横の刑事が硯と筆を手にする。えーつ、ビックリ。
「筆」って習字の授業か、年賀状くらいでしか使った事がない。
日常の文化で使うなんて思いもよらなかった(しかも会社で)。

科学捜査の一環として、証拠に浮かび上がる指紋、
タバコの唾液を抽出して血液型を特定する、モンタージュ写真の実証実験、
とか見せてくれるのが面白かった。

全体としてドラマは希薄。
横溝正史じゃないから犯行の動機が何十年もの怨みとかじゃなく、単に金だったりする。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
殺人容疑者@ぴあ映画生活

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