愛田奈々

2015年01月16日

『色道四十八手たからぶね』他をユーロスペースで観て、良かったり悪かったりふじき

初春のあまり記憶にない映画の感想をボコボコつぶしてく祭り(2014年の鑑賞作品を潰していくぞ)。

渡辺護監督作品特集

◆『色道四十八手たからぶね』
五つ星評価で【★★★愛田奈々が凄いは凄い】  

二組の夫婦(岡田智宏と愛田奈々,なかみつせいじと佐々木真由子)
岡田智宏は、なかみつせいじの甥。
愛田奈々となかみつせいじは出来ている。
その事を知った岡田智宏と佐々木真由子の復讐の方法とは……。

化け物ぶりを隠そうともせずに暴れ狂う愛田奈々に息を呑む一本。
愛田奈々が倫理的には正しくない筈であるのに、
動物的だったり「女」だったりする上で、ありうる存在であるのは
極めて『ゴーンガール』的と言っていいかもしれないと今、唐突に思い付いた。

なかみつせいじは盤石に安定。
故渡辺護監督から引き継いだ井川耕一郎の演出はとても手堅い。


◆『喪服の未亡人ほしいの…』
五つ星評価で【★★★面白かった筈だ】 

2か月前に観た映画なのに忘れかけてる。間に100本くらい観てるからだ。それでも指の間から観れなかった映画が漏れてくる。映画の上映本数が多すぎるなあ。独裁者か何かが台頭して1年に日本国内で上映できる新作映画は洋邦含めて200本までですとか、法律決めてくれたりしないかなあ。

夫の遺品整理してる妻が浮気の証拠のエロテープを見つけ、復讐の為に浮気をする、というプロットでちょっと思いだす。ちゃんと映画してたなあ。でも、ラストとかの記憶は曖昧。

渡辺護監督の遺作。


◆『(秘)湯の町 夜のひとで』
五つ星評価で【★★パートカラーって今では珍しいなあ】 

ブルーフィルム撮影もの。なんか空気が『黒薔薇昇天』と被る。
脚本が大和屋竺だから観に行ったのだが、相性が良くない事を再確認。


◆『おんな地獄唄 尺八弁天』
五つ星評価で【★★これもパートカラー】 

女渡世人・弁天の加代シリーズ第二弾で、第一弾では美人だったらしい主演女優 香取環は、監督も言っている通り第二弾では醜く肥えている。刺青が引き寄せあうみたいな因縁話も今一ピンと来ず。
脚本が大和屋竺だから観に行ったのだが、相性が良くない事を再々確認。


【銭】
ユーロスペースの会員割引でどれも1200円。

あまり見たことを大っぴらにしない扱い。


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2014年08月18日

新橋ロマンで荒木太郎三本20140815-20140821

◆『さみしい未亡人 なぐさめの悶え』
五つ星評価で【★★★★愛田奈々はこれが一番好き。映画愛内包】
愛田奈々主演、里見瑤子 佐々木基子 稲葉良子 出演。
友松直之脚本監督。2012年のピンク映画。

二回目。
細かいレビューは下にリンク貼っておく前回のレビューにゆずる。
今回は気が付いたとこだけ。
・宅急便はクロブタカマト。勿論、適当にでっちあげてるんだろう。
・里見瑤子の乳首が淫靡なくらいにピンと立ってる。寒かったんだろうなあ。
・稲葉良子、この映画では普通の女性役だが、
 この後、荒木作品に出ると必ず魔女のようなコワモテを演じてる。
・愛田奈々、小池栄子に似てるなあ、
・亡き夫の母を迎えるスープは何気に夫婦スープ皿。
・映画内で浅草六区の映画館で映画を観た後に義母は帰郷するのだが、
 これも映画館がなくなって今は昔の話になってしまった。


◆『巨乳未亡人 お願い!許して・・・』
五つ星評価で【★★★★ベタな恋愛ドラマ】
愛田奈々主演、那波隆史 松 すみれ 星野ゆず出演 
荒木太郎脚本、監督、2014年のピンク映画。

リストラされたエリートサラリーマンが今までの肩書を捨てて、
気立てのいい未亡人と恋愛しながら、人生を取り戻すまで。

これなんか凄くベタで、どっかで聞いたような話なんだけど、エリート崩れ那波隆史の演技のリアリティーと気立ての良さが顔に出る愛田奈々の存在感がいい感じで絡み合って、とても愛らしい一本になってる。愛田奈々の義理の父とねんごろになるピンポイントリリーフの星野ゆずもよし。


◆『異父姉妹 だらしない下半身』
五つ星評価で【★★★真摯なだけに今一きつい】
愛田奈々、美泉 咲主演、
荒木太郎脚本、監督、2013年のピンク映画。

幼少時に分かれた姉妹の再会と失望による別れと邂逅。
僕らのビーナス愛田奈々ちゃんが常に生理みたいなイライラ女(姉)で、そのイライラぶりに今一つ得心がいく部分が付いてこないのがきつい。妹役の美泉 咲は地味目だけど愛嬌のあるいい顔立ちで可愛い。どちらかというと美人系で可愛さが中々滲み出てこない愛田奈々とは好対照でいいキャスティングだと思う。


【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
巨乳未亡人 お願い!許して・・・@PG
異父姉妹 だらしない下半身@PG
さみしい未亡人 なぐさめの悶え@PG
▼関連記事
さみしい未亡人 なぐさめの悶え一回目@死屍累々

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2013年05月20日

荒木太郎の傑作を新橋ロマンで観てどっかーんロマンチックふじき(先々週)

◆『さみしい未亡人 なぐさめの悶え』(ネタバレと言えばネタバレ気味だけど、話の基本フォーマットだからなあ。話さん訳にはいかん。気になる人はパスしてください)

五つ星評価で【★★★★愛田奈々がよいけど、それ以上に出てくるエピソードの映画館愛に打たれる】

荒木太郎監督、愛田奈々(義娘)里見瑤子(長女)出演

愛田奈々がいいんである。
ドキドキする。
そこにいてくれてありがとう、みたいな感じだ。

今回は「新々東京物語」(脚本時の題名)。
ちっ、そう分かっていれば「東京家族」だって見ておいたのに。
小津の奴は大昔、見た筈だから話のフォーマットは知っている。
久々に息子のところを尋ねたら長男、次男夫婦に邪険にされたが、思いもよらずに三男に優しくされて、みたいなウロ覚えだなあ。

で、邪険にする長男に荒木太郎監督本人、
邪険にする次の兄妹に里美瑤子、成人映画なのでどっちも濡れ場が入る。
子供には子供の生活がある。みんなギリギリでやってるから生活を乱す者には優しくない。今の時代に作るとどうしても子供の方が正義っぽく見えなくもない。かと言って親の目の前でSEXしなくてもいいとは思うが。そして末っ子は東日本大震災で死んでいて、義母はその嫁と月命日の墓参りで出会う。生前は二男を軸に対立していた義母と嫁は二男の思い出で邂逅する。

普通にいい話なんだけど、ぐっとくるのは被災地の映画館のエピソード。

愛田奈々「震災で水没していた映画館が再開していたんです。
 84歳のおじいさんが総支配人なんですが、
 戦争の辛さに比べたら、何て事ないって言っていた。唯一の救いですね」

 そこに昔、夫婦で映画館に通った映像。

実際に再開して、その再開が映画を作るきっかけになったんだそうです。
何もない建築のインフラさえ整ってない土地で映画館を作り直すってのも凄いけど、それをすかさず撮りに行っちゃう荒木監督のフットワークの軽さも偉い。もともと荒木監督は各地の映画館で撮影をしたり、映画館と距離が近い人なのだ。

映画ラストに献辞が贈られる。

「津波の被害に遭いながら、再会した石巻日活パールシネマに
 心からの尊敬と感謝をこめて」

壊れた映画館を直して、そこで新しい文化を産もうとする人がいるくらいなのだから、人だってやり直せる。人だって再生できる。甘いと言えば甘いかもしれないが、そういう正論は時に全く甘いままでよい。


◆『淫虐令嬢 吸いつく舌』
五つ星評価で【★★★投げっぱなしホラー】
池島ゆたか監督、夏海 碧主演作品。

この夏海 碧ちゃんが蛇女なんである。
物凄い蛇女感。そしてエロい。ええのう。

ただ話のオチはなく、蛇女がいました。蛇女怖いです。呪ってます。
で、終わってしまった。勿体無いなあ。全役者の好演に星一つサービス。


◆『義姉のうずき 揉んで誘って』
五つ星評価で【★か★★】
関根和美監督作品。

えーと、田舎にいれなくなった弟が東京に来て
兄の事実婚嫁と仲良くなって一緒に田舎に帰ってくる、
ピンク映画ならではの軽コメディーだが、
怒涛のように記憶が残っていない。
熟睡したかどうかすら覚えていない。


【銭】
新橋ロマン、ネット割引で100円引いて1200円。

▼関連記事
さみしい未亡人 なぐさめの悶え二回目@死屍累々

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2012年07月28日

浅草世界館でめくるめく荒木太郎新作を世界的に鑑賞 @asakusasekaikan

森村あすかの主演作(および佐藤寿保監督作)と荒木太郎、池島ゆたかの監督作という中々期待の持てる組み合わせをツイッター発信タイムテーブルで見かけて浅草まで足を運んだ。こっ恥ずかしい話だが、森村あすかが好みなんである。性格が痛い所も含めて。


◆『美熟女の昼下がり もっと、みだらに』

五つ星評価で【★★★★★いやあ、いいモノ見たよお】

荒木太郎監督の新作。
荒木太郎監督、面白いんだけど、
一般映画やとんがったアーートな映画を撮らないから
一般的には勿論、映画ファンの中でも知名度は低いと思う。
でも、見ると、外れがないんだよなあ。

林由美香の映画でも荒木太郎のキャラバン野郎シリーズとか
後期林由美香の代表作だと思うんだけどなあ。
林由美香の遺作を撮った吉行由美ともども、
普通に娯楽系の成人映画を撮る人って一般的には凄く評価が低いと思う。
それは、とても残念だ。

という事で、ダメ男と強い女とそれを蝕む悪い男が出て来る
今回の新作も、なんか良かったあ。誉めづらいんだよね。

だって、今時、成人映画で「純愛」を描こうとするなんて、
そんな、そんな、こっばすがしい事、しかも、それがちゃんと実を結んでる。
ああ、ええのう。
愛田奈々ちゃん、かーいーのう。
ダメ男(役者しらない)も、いい味、出してるのう。
客演してる池島ゆたかもいい味。
そう言えば、この映画の脚本は五代暁子。池島ゆたかの奥さんだ。
家族ぐるみで、暖かくて濃密な映画。

突っ込むところは多多あっても、
撮ってる人、出てる人の気持ちが伝わってくる映画は良い映画だ。
そう、思うから、見て見て見てね、見る機会があるならね。



◆『盗撮 レイプの瞬間(制服盗撮魔 激写・なぶる!)』

五つ星評価で【★★★★森村あすかの可愛さが異常】

森村あすか、かーいーなー。
映画内のキャラには全く共感しないけど(はっきりうぜー)、
あの、どう見てもJCみたいなロリボディーが凄い。
裸よりセーラー服で、ただ立ってるとかの方が可愛いのだ、
成人映画なのに。

高名なセラピストの女医(滝沢薔)と弟、
その弟の秘密を握るカメラ女子(森村あすか)の間の
コンプレックスと愛と確執という物語。

滝沢薔も「ゆったり感」が出てる感じでよかった。
多分、女優が綺麗に撮れているのは佐藤寿保監督の腕がいいからだろう。

女優と言えば「中村京子」。
セラピストの元に通う潔癖症の女性を演じるが、
目がいっちゃってて、マジ怖い。これはいいキャスティングだ。
冒頭、その潔癖症の女性のセラピー内容を聞いた弟が
中村京子をゴミ集積所で生ゴミだらけにしながらレイプする。
こんな壮絶なレイプシーンは滅多にない。

反社会的な言動を承知で書くなら、
成人映画で描かれるレイプシーンには爽快感が伴われる。
一切、爽快感がなかった。
いやらしいし、エロいんだけど、単に嫌なレイプ。
小学生くらいで、これ見たらトラウマになって、
生ゴミの中でしかSEXできない人とかになってしまいそう。

1990年の『制服盗撮魔 激写・なぶる!』を改題して
『盗撮 レイプの瞬間』として公開してるけど、
前のタイトルの方が全然いいなあ。


◆『痴女天使 あふれる愛汁』

五つ星評価で【★★すんません。寝てしまいました】

池島ゆたか監督の2008年コスプレ物。
神様や天使、悪魔、ロボットとか出て来るマンガチックな1本。
なんか寝ちゃったけど
出て来る女優さんがみんな蛍光色のヅラ(ウィッグっちゅーんか)を
付けてるのはまあ、珍しいと言えよう。
なかみつせいじが、もう爺さんの役を普通にスでやるんだなあ。

体力がある時に見たら、面白そうだけど、
これも五代暁子脚本だし。
でも、うんまあ、いいか。体調不良には勝てない。



【銭】
3本立て1200円、正規料金で入場。


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