孫悟空VS白骨夫人

2016年09月01日

『西遊記 孫悟空VS白骨夫人』をシネマート新宿1で観て、白骨夫人の存在感が圧巻でそれはよいふじき★★

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▲続編なのに「モンキー・マジック」ってタイトルが外されてしまうとは!

五つ星評価で【★★作品としてはトホホ系列だが一点豪華主義で舌を巻くような部分もある】
ドニー・イェンが孫悟空を演じた『モンキー・マジック』の続編。
前作の特殊メイクを付けての演技があまりにもきつかったらしく、
主役のドニー・イェンが降りてしまった。おいおいおい、その理由で降りちゃうか!?
代わりに孫悟空として主役を張るのは前作で悪役・牛魔王を演じたアーロン・クォック。
無茶な配役である。
でも演技メソッドは似てる。凶悪な顔立ちなのにおとぼけ猿さんっぽい演技だ。
にも関わらずドニー・イェンと余りに顔の作りが異なるので、同一キャラに見えない。
前回が「お猿のジョージ」みたいな顔だったのに、今回は顔が牛魔王で極道。
植木均と遠藤憲一くらい違うから、やはり同じキャラには見えない。

前回が悟空が五行山に幽閉されるまで。
今作がその幽閉の身が解けて、三蔵法師と旅に出る、その最初のエピソード。

孫悟空以外で前作と共通のキャストは、観音菩薩ケリー・チャンくらいだろう。
だから、前作の続き物扱いで見る必要はない。話は独立してるし、タッチも違う。
前作の学芸会みたいなノリは成りを潜め、それなりにリアルな話になってる。
おそらく前作の方がオリジナルな設定が多いと思う。
今作の方が昔から聞いている「孫悟空」の中のエピソードその物のようである。

前作では出なかった三蔵法師、猪八戒、沙悟浄が登場する。
今回の西遊記ご一行は
孫悟空(アーロン・クォック)が荒々しいお猿さん。荒くれ者だが純粋。筋肉質のアーロン・クォックが演じているので、どこかゴリラっぽい雰囲気が付いてしまった。中華本来の孫悟空ってもうちょっとスマートで、こんな荒々しいイメージではないと思う。
三蔵法師(ウィリアム・フォン)は何となくいけ好かない若い僧。日本の美少女ラインの三蔵法師が嘘八百なのは百も承知だが、それでも妙に綺麗綺麗な服で表層な正義を曲げない若い僧侶はいけ好かなくて、あまり好きになれない。だが、その表層な正義をそれでも正義であるなら、それはやはり全うすべき物なのだ、と強く描く事によってどうにか納得できる人物像になった。
猪八戒(シャオ・シェンヤン)は日本の八戒同様、享楽的で弱虫。豚が持つイメージは日中でそんなに変わらないようだ。前野朋哉に似てる。
沙悟浄(ヒム・ロー)は海坊主。日本の河童とはそもそもキャラが違う。逆に岸部シローの沙悟浄を見て中国人は驚いたに違いない。この青い肌テカテカの沙悟浄もメリハリがあって良いと思う。人喰い人種みたいな妖怪なのに情が厚い所が良い。

今回の旅の四人はなかなか良くバランスが取れてると思う。
学究肌で人生についてはまだ修行半ばの三蔵法師。
行いは正しいが暴力に対する禁忌が乏しい孫悟空。
人の心の弱さとそこに灯る一筋の小さな勇気を前面に出した猪八戒。
人の心の強さと行いを実行する力の不足を前面に出した沙悟浄。
みな完璧ではなく、四人寄り集まってどうにか道を進める半端者達である。

この即興四人組に対する悪がコン・リー演じる白骨夫人だ。
この白骨夫人の仕上がりがムチャクチャいい。
恐ろしく、高貴。そして無敵で、悲しい。

コン・リーって凄い女優だわ。こんな映画で褒めてごめんなさいという感じもするが、この圧倒的な存在感には大きな拍手を送りたい。

基本、グラグラ屋台骨が傾いているようなチグハグな映画だと思うのだけど、このコン・リーの圧倒的な存在感は是非、多くの人に目にして貰いたい。


【銭】
新聞屋系の招待券で無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人@すぷのたわごと
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