哀川翔

2015年10月01日

『勝手にしやがれ!!英雄計画』『成金計画』をシネマヴェーラ渋谷で観て、中満足ふじき★★★,★★

特集上映「カンヌ凱旋 黒沢清レトロスペクティブ」の1プログラム。
変化球で来たよ。

◆『勝手にしやがれ!!英雄計画』
五つ星評価で【★★★黒谷友香と寺島進の組み合わせって……】

何でも屋の哀川翔と前田耕陽がマドンナの女の子とその事件に振り回されては、女の子を幸せにしながら自分達は浮きあがらない毎日を送るというシリーズ。

シリーズ最終作(6/6)。
客演に寺島進。うわ、寺島進が若者役だって。
その妹に黒谷友香。『イン・ザ・ヒーロー』の組み合わせじゃん。
シリーズ全体を締め括るというより、
シリーズから逸脱してやりたい事をやって終わらせた。
ユウジとコウサクというキャラクターが
どんな逸脱にも耐えうるキャラクターだったので、
ありえないような逸脱なのに自然に見れてしまっている。
ライトなプログラム・ピクチャーから後半、
徐々に黒沢清映画に転身していく様は何か違和感ありありなのだけど目が離せない。

この寺島進の綺麗事な主張がエロマンガ迫害とかに向けられている
「自分の目の届く所にある不快な物を排除する」という罷り通るエセ正論で、
こんなエセ正論に対する突き崩しをこんなプログラム・ピクチャーでやるなんて
とても気がふれている。蟷螂之斧っぽい。
言いたい事だけ言いたかったんだろう。
これはこれで大した力技なんだけど、
個人的にはライトなプログラム・ピクチャー路線の方が面白い。

あのハゲという感じで出てくる諏訪太郎。今作ではセリフのあるホームレス。


◆『勝手にしやがれ!!成金計画』
五つ星評価で【★★延々とコントみたいな】

シリーズ5作目(5/6)
マドンナにウィンクの鈴木早智子。
無表情で何を考えてるかさっぱり分からないキャラなのが、彼女にピッタリ。
とても演技っぽくない感じが新鮮と言えば新鮮。
ひょんな事から手元に入ってしまったヘロインを現金化できずに、
同じところをループしながら何回ももがくのが主筋。
なんつーか、途中で放棄してしまってる感が強い。
ハッピーエンドだかどうかすら判然としないまま何となく終わる。

そう言えば前田耕陽がたまに映画内で歌を歌うけど、
この人本来は歌手なんじゃなかったっけ? という感じの外れ方。

あのハゲという感じで出てくる諏訪太郎。
今作では冒頭ヘロイン奪い合いで銃撃戦をするギャング。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
勝手にしやがれ!!英雄計画@ぴあ映画生活
勝手にしやがれ!!成金計画@ぴあ映画生活
▼関連記事。
勝手にしやがれ!!強奪計画・黄金計画@死屍累々映画日記

fjk78dead at 06:13|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2015年09月30日

『勝手にしやがれ!!強奪計画』『黄金計画』をシネマヴェーラ渋谷で観て、大満足ふじき★★★★,★★★★

特集上映「カンヌ凱旋 黒沢清レトロスペクティブ」の1プログラム。
軽い。この軽さが楽しい。

◆『勝手にしやがれ!!強奪計画』
五つ星評価で【★★★★だって七瀬なつみがかーいーんだもん】

何でも屋の哀川翔と前田耕陽がマドンナの女の子とその事件に振り回されては、女の子を幸せにしながら自分達は浮きあがらない毎日を送るというシリーズ。

シリーズ第一作(1/6)。
哀川翔はまだ若くていい感じにチンピラ兄ぃ風。
それにくっつく前田耕陽は犬みたいな感じで子分感満載。
マドンナは七瀬なつみで、一見常識人に見えながら、行動がおかしく、いざという時に突拍子もない行動を取ってしまう。おっとりした時限爆弾みたいである。彼女は決して悲惨な目に会う事がないサザエさんの世界から迷い込んだのだろう。最後、いつの間にかサザエさんの世界に帰っていってしまう。お別れで涙すら流さないのがやはりサザエさんチックだ。

あと、今や嫁を持つお父さん俳優である國村隼が若くて切れ味抜群。
切っ先が鋭いのに、ここ一番で間が抜けてるというのは又、凄い役だな。


◆『勝手にしやがれ!!黄金計画』
五つ星評価で【★★★★だって藤谷美紀がかーいーんだもん】

シリーズ第三作(3/6)。
マドンナの藤谷美紀が所有欲が一切なく、自分の物でも他人の物でも境なくすぐ売ってしまうという不思議ちゃんを演じる。でも、これはこれでいそうなんだ。そう、思わせる演出力かあるという事なんだろう。

あのハゲという感じで出てくる諏訪太郎。今作では二人組のギャングの片割れ。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
勝手にしやがれ!!強奪計画@ぴあ映画生活
勝手にしやがれ!!黄金計画@ぴあ映画生活
▼関連記事。
勝手にしやがれ!!英雄計画・成金計画@死屍累々映画日記

fjk78dead at 01:24|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2015年05月25日

『Zアイランド』を角川シネマ新宿1で観て、疲れてる時にはこれくらいがいいふじき★★★

五つ星評価で【★★★悪くはないんだけど、すんごいこれだ感もなし】

品川祐の映画はセリフが多く、それが映画のテンポを妨げる事なくポンポン丁々発止で進む。ただやっぱりヤクザ系の映画からゾンビ映画に踏み出す一体目のゾンビ出現シーン辺りの説明セリフは胡散臭い。基本、一人語りになってしまうからだろう。コントじゃないんだから、いくら恐怖でメチャクチャになっていても、人は状況を説明しながら逃げたりはしない。

ゾンビに立ち向かう元ヤクザ組長に哀川翔。どんなジャンルの映画でも中心に置いてブレないのは大変良い。

インチキっぽいポリ役の窪塚洋介のライトにいい加減な感じがとっても気持ちいい。
エロ好きのヤブ医者、風間俊介もいい加減な感じがいい。
いい加減な奴らが好きなのは、そんな風にやりたいなって願望か?

家出娘二人(山本舞香(黒髪)、水野絵梨奈(茶髪))、看護婦シシド・カフカ、元カノ篠原ゆき子あたりが「女の子」ラインなんだけど、この辺りはもうちょっと頑張ってほしかった。女の子が可愛く撮れてさえすれば、それなりに嬉しいもんだし。茶髪が紺ソクの上にルーズ重ねて履いてるのはリアル。

ヤクザとかクズやらせると芸人は輝く。
キム兄と大悟と宮川大輔はアクションも実にいい。

ラストカットはゾンビものとしてのあるあるラストで終わるよりは、
任侠映画のあるあるラストで締めた方が収まりが良かっただろう。
そこだけでも収まりよくすれば、
凄く賛成に回る人が増えたっぽい気がするちょっと残念な一本。
まあでも、仕事で疲れている時はこれくらいの映画が観たいので、それにはちょうど良い映画だった。


【銭】
テアトル会員更新時の1000円で一本見れる券使用。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
Zアイランド@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
Zアイランド@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
Zアイランド@だらだら無気力ブログ


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