吉田恵輔

2014年03月11日

『銀の匙』をUCT7で観て、如才なし吉田恵輔ふじき★★★

五つ星評価で【★★★壊していなさが見事】
  
原作マンガは単行本を読んでて、アニメは未鑑賞。

原作マンガから、正しくエッセンスを抽出して組み立てたお手本みたいな映画。
それでも、原作の方が分量が厚いので、どうしても抜粋になってしまい、不足感を感じる原作読者もいるだろう。それは致し方ない。

以下を評価する。
・アイドルが主役にもかかわらず、原作の普通男感を減じさせなかった。
・酪農の肉体的なきつさ、経済的なきつさを落とさずに描いた。
・屠畜をちゃんと表現した。
・原作マンガは絶えず、次へ次へと展開するので切れ目は作りづらい。
 ベストチョイスで切り取って、映画の主題を作り上げた。
・必ずしも全員、顔が似てるとかではないが、キャスティングは納得できる布陣。
・いい意味で「酪農あるある・アラカルト」みたいな映画。
・広瀬アリスかーいー。
・えぞのーの女子制服がマンガのままなんだけど、実にリアル。
 きっとブルセラショップで売れるぞ。
・竹内力怖くていいわ(哀川翔と合わせて地球を壊滅させて終わりでもよかった)。
・八軒の殺し屋のような父を誰が演じるのかと思ったら『冷たい熱帯魚』吹越満か。
・上島竜平がちっちゃい校長だわ(いいセリフを八軒に取られてしまった)。
・双子そっくりだわ。

以下が残念だった。
・原作の八軒のある意味、極限までやってしまう(男くさい)部分までは
 描けなかった(ただ原作でもどっちかって言うと、きっとこの後辺りから
 その辺の属性は顕著になる/たま子に関しても同様)。
・家畜を肉として再認識するシーンが早足で理由が不明瞭。
・キャラをかなり絞ったので名物キャラは減った。
・マンガのテンポとは別に映画のテンポでここが一番の山場って場面が実はない。
 (ラストのばんばは八軒の見せ場になってない)

ここまで書いたところで「どれ」という感じで
原作の七巻から十巻を読み直した。
やべえ、原作、ムチャクチャ面白い。
やっぱりマンガと映画の技法の違いで、
マンガの面白さをそのまま映画には出来ないが、
映画には「映画にちゃんと翻案した」と納得できる部分はあるけど、
「映画だからこそガーって熱狂した」って場面を盛り込めなかった。
やっぱり、そこは弱い。
それでも、この映画自体に「ダメ」のレッテルを貼りたくない。
これはこれで決してつまらなくなく、原作への呼び水としても機能するから。


映画観たら、マンガ未読のみんなはマンガも読むといいよ。


【銭】
ユナイテッドシネマの会員メールのハードコピー持参で1200円で映画が観れた。最初に発券した人に「期間中何回でもOKですか?」と聞いたら「OKです」と答えてくれたので、もう一回持って行ったら、今回発券する人には持参したバーコードを切り取られてしまった。えーと、対応方法統一しようよ。不安な人は映画の数だけメールから印刷したバーコード持って1回1回別に発券すれば問題ない筈。どっちが正しいかは不明。サービスバーコードにはどっちとも取れるような言い方で書いてある。

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2013年12月14日

『ばしゃ馬さんとビッグマウス』を丸の内TOEI△粘僂董断腸の思いで三ツ星だふじき★★★

五つ星評価で【★★★素晴らしい事は重々承知】

いい映画だ。
そして、あざとい。
世の中のほとんどの誰もが人生の中で「ばしゃ馬さん」の時期を通り越した末に、今を生きているに違いないと確証しながら、その誰にも響く作り方をしている。
対する「ビッグマウス」も誰もが通る道の一つである。
つまり、「ばしゃ馬さん」と「ビッグマウス」は映画の中で別々のキャラクターを与えられているが、どちらも普通の一人の人間が通る一工程なのだ。
何かに取り掛かる前の逡巡が「ビッグマウス」であり、
取り掛かった後の逡巡が「ばしゃ馬さん」だ。
「ビッグマウス」の時期の長い短いはあれ、ゼロという事はないだろう。
「ビッグマウス」直後の大成功により、「ばしゃ馬さん」時期がゼロというケースもあるかもしれないが、ほとんどの人は「ばしゃ馬さん」で自分をすり減らした後、荷台から荷物を下ろす人生を迎えているのに違いない。

なんて盤石に観客に共感を強いるシナリオワーク。

そして、もう麻生久美子が「ばしゃ馬さん」をやる為に生まれてきたような痩せ馬っぷりなのだ。そして、ああ、胸を揉まれたりもするし。揉みたいなあ、痩せ馬の胸(いや、リアルな馬の胸じゃなくって)。

もとい
それでいて、星三つってなんじゃいと言う状態なのだが、
それはこの映画が吉田恵輔監督作品だからに他ならない。

秘かに、もっと行儀の悪い展開を期待していた。
吉田恵輔監督のフィルモグラフティー的に
『なま夏(プロデビュー前)』『机のなかみ』『純喫茶磯辺』『さんかく』『ばしゃ馬さんとビッグマウス』という順番になるのだが、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』前の四作は物語のターニングポイントに決して社会から認められない「異常な性」が地雷のように埋められている。『なま夏』は主人公がそもそも異常だし、『机のなかみ』は主人公が可愛いけど異常なことをするし(秘密)、『純喫茶磯辺』は麻生久美子が通常の麻生久美子の100倍ビッチだし、『さんかく』は二股の片っ方がロリだ。

実際、その地雷はどんどん薄れていって、薄れていくにつれて吉田恵輔監督作品は社会から受け入れられていってる気がするのだが、ついに今作ではゼロになってしまった。ゼロにしないためには介護施設の汚物に興奮を隠しえない麻生久美子とか書くしかないけど、そんなことすると全部ぶち壊しになってしまうものなあ。でも、何か自分が知ってる吉田恵輔監督が遠くに行ってしまったようで寂しかった(ストーカーとかじゃないんで監督の事をリアルには知りません)

ちなみに、試写会で先行して観せてもらった『麦子さんと』にも、そういうのはないです。うん、そういうのありの堀北真希を見たかったけど、それは如何ともしがたいよなあ。社会は一定のルールで動いてるのだから。

なので、吉田恵輔監督がバリバリの大人になったことを祝いつつ、星は一つ減で三つだ、ちきしょー。何か嫌いじゃないけど、喉に匕首つきつけられてるみたいで好きになりきれない。いやらしければ好きになったかどうかは出来てみないと分からない所ではあるけど。………誰もが認める大監督になって、誰も文句を付けられなくなったりしたら、こっそり、又、元の路線に戻ってきてもらいたいものである。


【銭】
東映の株券4回分を2500円で買ってそのうち1回分。

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ばしゃ馬さんとビッグマウス@ノラネコの呑んで観るシネマ

PS 麻生久美子の元彼役の岡田義徳のリアル感がなかなかいい。
PS2 井上順と松金よね子の夫婦ってバランスが凄く完璧。


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