加弥乃

2015年03月21日

『ら』をUPLINK Xで観て、真摯なだけにしんどいふじき★★★

五つ星評価で【★★★逃げ道なし】  

連続少女暴行拉致事件の被害者が自らメガホンを撮って撮影した、拉致の映画。
加害者の思い付きのような暴力行動が被害者を追い詰めていく様子を描写するが、
後半に行くにしたがって行動がエスカレートしていく。
思いの一直線さは伝わってくるが、
主人公がずっと追い詰められ続けるので、娯楽映画としてはキツイ。
一発大逆転みたいなカタルシスが欲しい所だが、
それがない事こそがこの映画の肝なのだろう。

楽しくはない映画だが、主役を張る加弥乃は実に「そこにいる」
存在感を濃厚に出している。

西村喜廣の今回は地味目な特殊技術もリアルに見えて良い。


【銭】
UPLINK水曜割引で1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
>ら@ぴあ映画生活


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2014年09月28日

『少女は異世界で戦った』を新宿バルト9-6で観て、こん畜生、でも観てあげてねふじき★★★

五つ星評価で【★★★生き様の物語に帰結するのは大変好き】  

すいません。大いにディスります。
若い女の子の頑張りをスタッフが潰しちゃいかん。

少女たち4人が物凄く高度なアクションを頑張っているというのにボンクラなおっちゃんどもが鼻糞でもほじくってたのか、効果的にフィルムに収められていないというのが悔しくて(×3)たまらない。
アクションシーンは結構長くて、これを売りにしようという気迫が伝わってくるのだが、撮影の技術が伴っていない。アクションの撮影はプロの技術が必要で、素人に「そんなのできそうだよ」程度の思い付きで撮ってもらっては迷惑なのだ。では、どんな所がダメだったのか。

・まず、手ぶれが多い。
 アクションの撮影は上手くなればなる程、カメラが安定する(私見)。
 動いているもの、もしくは動きそのものを見せるには、
 基準となる視点が落ち着いて定位置に収まっていないと見づらい。
 と言うか、手ぶれは見てて脳が疲弊するし、効果的じゃない。
 意図的な手ぶれがアクションの激しさを演出するなんてのは
 効果がわかってない人の戯言に過ぎない。
 勿論、超高度な演出での意図的な手ぶれもあるのだが、
 それは短時間で撮りたい主体がフレーム中心に奇麗に収まってるという
 条件をクリアしないと効果は得られない。
 手ぶれアクションには無知か、傲慢か、誤魔化してやろう
 という悪意しか感じない(勿論、深作監督みたいに稀な成功例は除く)。
・次にアングルが悪い。
 角度を付けたり、かっこよく撮ろうと工夫しているのは
 分からなくもないのだが、トリッキーな絵面にされると、
 そもそもどういうアクションが行われているのかを観客が把握しづらい。
 どんなアクションがどう行われてるかを観客に把握させた上で、
 ラストの決めの部分などでザクっと効果を入れるやり方が好ましい。
・アクションしてる少女たちに寄り過ぎている。
 もう少し、引きで撮らないと、アングル同様、何をやっているのか
 観客にわかりづらい。近すぎて動きが見えない状態。満員電車かよ。
 遊園地でやるアクションショーを四畳半のスペースに観客詰め込んで
 やっても観客の満足が得られないみたいなもんだ。
 アクションにはスクリーンで映される適正な大きさがある。
 寄りでの少女たちの美しさを撮りたいなら、無精せず、
 ロングとアップ両方を撮って必要に応じて繋げるべきだろう。
・あと寄り過ぎてるのと、少女たちそのもののアクションでの個性付けが
 不明確なのが相まって、誰が誰だかわかりづらい。
 最低、髪型は四人四様で分けるべきだろう。
 ポニーテール、ツインテールはよしだが、ショートカットが被って混乱する。
 アクション振り付けも四人四様、分けているのかもしれないが、
 クッキリと違いが分からない。
 全員ソードアクションではなく、剣、槍、ナイフ二刀流、手鉤みたいな形で
 分ければよかったのに。
・テンポを出すためか、カット割りが細かすぎるところがあった。
 ごくごく単純に目が追い付かない。 元から条件が悪くて
 アクションが見づらいのと相乗効果を上げてダメになってる。

こんなにバンバン、ダメな点を素人観客にあげられてはダメだろう。

物語は大雑把に嘘っぽいし、アラを探せばいっぱい探せるけど、
実はそのアラを飲み込んで嫌いじゃないと断言できる。
大きなハッタリと大きな悪巧みは、好感が持てる。
そして、あの武田梨奈の泣き顔と怒りのないまぜの表情にグっとくる。

女の子はそれぞれ可愛いが、一人一人の演技で見せる映画ではないので、
大きく時間が割かれてるアクションシーンでの差別化が上手く行ってないのが、
カウンターパンチのようにダメ側に効いてしまっている。

キャラとしては加弥乃のポワンとした感じがいい意味で突出してる。
花井瑠美と清野菜名はペアで一人扱い。
花井瑠美は演技パートにちょっと問題がある。
でも、基本、役者としての素人を起用したのだから、
これはそれを演出でカバーできなかった金子監督を責めるべきだろう。
清野菜名はタッパのない榮倉奈々みたいでビジュアルが一番好み。
武田梨奈は演技でもアクションでも3人を引っ張ってくんだから偉いよなあ。
伊達に修羅場の現場を数多く踏んでないよなあ。

あと、二つの世界で同一人物が入り乱れるのが、
主役の4人以外は顔の特徴などにメリハリかなく、わかりづらい。

山のようにダメ出しをしたが、それでも嫌いじゃない部分
武田梨奈の決意とボロボロ具合、大胆なホラ話とかは本当ほめてあげたい。
あと、アクションチームも多分、ようやってる。


【銭】
正規料金1300円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
少女は異世界で戦った@ぴあ映画生活

PS 主題歌のメロディーが頭から離れへん。

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