伊藤雄之助

2016年10月04日

『生きる』をトーホーシネマズ日本橋6で観て、んでも面白いんだから仕方なかっぺふじき★★★★★

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▲「生きる」

五つ星評価で【★★★★★志村喬の勲章】
3回目くらいだと思う。4K上映で143分。マイル貯めお得案件みたいな映画。
とは言え、何回観ても面白いんだから凄い。
しかし、何回観ても志村喬のもどかしさにはイライラする。

今回4K上映という事でデジタルのリマスタリングをやったみたいだ。
ブログ検索に引っかからないので、おそらくここ7,8年は見ていないから
前にデジタル化されてても2Kだろうし、フィルムは保存が難しいから
4K上映の今回が一番綺麗な映像・音声の上映になってると思う。
特にあ、これは昔見た時と段違いだと思ったのは1シーンだけ。

主人公の志村喬が公園の完成を雪が降る中ただ一人喜んでいるシーン。
積もる雪が志村喬を薄く覆い、キラキラ砂糖細工のように光り輝く。
前にフイルム(おそらく)で見た時は、もっと「ぼうっ」とした光り方だったと思う。
もどかしい志村喬のもどかしさが緩和されてお伽話のようにちょっと可愛い。
志村喬はこれと『七人の侍』『ゴジラ』が代表作かつ話題作だろう。
『生きる』はやっぱり主役なので、名刺代わりのいい一本を作って貰ったもんだ。

客演で目を引いたのが小説書き伊藤雄之助のかっこよさ。
他の映画では顎長の怪人でけっこうモゴモゴ言ってるのだけど、この映画ではシャープ。
人生の価値を「くだらない娯楽」周辺を馬鹿騒ぎのように徘徊する一連の旅路が、
パンチが聞いてるのに実に悲しくていい。

職場の同僚女子、小田切みき、若くっていいなあ。
死に行く志村喬と好対照すぎる。

あと目を引いたのが頬に傷があるヤクザに加東大介。
職場のお荷物っぽいダメ爺さんに藤原釜足左卜全
抗議するおっかさんに菅井きん。この人、声張り上げるのが似合う。
菅井きんは殆どのシーンで子供をおんぶしてる。「りつ」かも知れん(違うて)。
主人公の義姉に卜部粂子。まだ若くて髪が黒い。
あと映画見てて気が付かなかったが志村喬の息子役が金子信夫。ひょえ美形っぽいやん。

これ、いまリメイクするなら

志村喬→仲代達矢
小田切みき→榮倉奈々
伊藤雄之助→リリー・フランキー

あたりだろうか、とググってたら、松本幸四郎+深田恭子+北村一輝という布陣でTVドラマとしてリメイクされてるらしい。いくら何でも松本幸四郎はないだろ。いい悪いではなくイメージのベクトルが違いすぎる。見てないから良作かどうかは分からないけど。

ハリウッドにリメイク権売られて、トム・ハンクスが演じる案もあるのね。
これ下手すると頓挫した振りを装いながら、
実はトム・ハンクスが爺さんになるの待ってるんじゃないの?

桑原桑原。

見れる人は今のバージョン見ておくといいよ。

PS 流石に仇名で「木乃伊」とは言われないが、葬儀の席上で誰一人
 主人公を「渡邊課長」と役職付きで呼ばないのは軽んじられてるからなんでしょうか?
PS2 葬儀の席にそっと置いてある火鉢。火鉢が当たり前の時代だったんですなあ。
 火鉢なんて実物を見た事がないよ。
PS3 小田切みきが料亭みたいなところで飲んでる透明なビール、
 麒麟マークが書いてあるからビールっぽかったけど、商品名見たら
 「キリンレモン」だった。
PS4 しかし、キモくてはっきりしない志村喬のアップをこれてもかと撮る
 この映画は、やはり今の映画では再現不能なのかもしれない。


【銭】
朝10時の映画祭企画料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
生きる@ぴあ映画生活

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