マッドストーン

2015年10月11日

『猫侍南の島へ行く』をシネマート新宿2で、『マッドストーン』を1で観て、消化試合ッぽいぞふじき★,★★

◆『猫侍南の島へ行く』
五つ星評価で【★果てしなく隠し芸大会的な】
ドラマ未見。前作映画鑑賞済。

自問自答する北村一輝の佇まいはそれだけで面白いのだが、
残念なことにそれ以上がない。全くもってそれだけなのだ。

学芸会みたいないでたちで都合よく日本語をしゃべる南国の黒んぼ達も
その北村一輝の面白さの外側に無理に描きこんだ書割風景にすぎない。
彼等が北村一輝と対等に渡り合うような隔絶した異文化として描かれていない。
LiLiCo演じるその土人とやりあってる日本人の海賊も然り。
土人も含めて、単に変な格好をしてる人達にしか見えない。
彼等のいで立ちの裏に文化が見えない。 だから、話が嘘にしか見えない。
最初から嘘の話である事は百も承知だが、どうせなら上手い嘘をついてもらいたい。

LiLiCoが妙に役者として問題ないのだけど、
存在がうるさいから、あまり表に出てきてほしくない。

エンドロールで「監督 渡辺武」って出てビックリ。
あんたもっと他に取るべきもんがあるだろ(ってのも失礼な物言いだが)。
そう言や、エンディングを熱唱する松崎しげるにも口アングリ。
仕事に貴賤はないけど、もっと他に唄う歌あるだろ
(いや反面凄いと思うのも止められないでいるのだが)。


◆『マッドストーン』
五つ星評価で【★★唸る文化】

なんで『猫侍〜』とこれがペアでレビューなのかと言うと単に同じ日に続けて見たからだ。
オーストラリアから34年の時を経てやってきた『マッドマックス』の原型と言われる映画。暴走族の合意の元、捜査の為に暴走族の一員になる刑事ストーン。ストーンは族を異文化としリスペクトし、族からもリスペクトされる関係になるが、捜査で明らかになった族のメンバーを殺した犯人の対応を巡って族と対立してしまう。対立しながらもストーンが族に信奉してしまう心境が泣かせる映画。ずっと耳元でブブゼラを吹かれでもされているかのような異様な不協和音っぽさが映画に漂っていて妙にハイにさせられる。
でも、猫が出てなかったから映画としては『猫侍〜』よりは下かな(嘘)。

個人的な好き嫌いは別として、これを一週間のレイトショーとして成立させてしまうシネマートさんの企画力にはいい意味で敬意を表さざるを得ない。あと、シネマート新宿1の音響の音量がいつも物凄く気持ちよい大きさに設定されている(そういうのを実感できる劇場はここと立川だけ)。

PS 「音響の怨霊」とか漢字変換すなよ、パソ!


【銭】
映画ファン感謝デーの同日に両方とも見たので、どちらも漏れなく1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
猫侍 南の島へ行く@ぴあ映画生活
マッドストーン@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
猫侍 南の島へ行く@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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