スノーデンの暴露

2017年06月10日

『スノーデン』『シチズンフォー スノーデンの暴露』を新文芸坐で観て、補完しあういい二本立てだふじき★★★,★★★

新文芸坐が企画したスノーデン二本立て。

◆『スノーデン』『シチズンフォー スノーデンの暴露』
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▲『スノーデン』のJGL。『サンダーバード』のブレインズっぽくもある。

五つ星評価で【★★★,★★★面白すぎはしないが大事】
『シチズンフォー』がスノーデンがアメリカ政府の違法情報収集を告発したドキュメンタリーフィルム(告発先がドキュメンタリー映画作家)。『スノーデン』がその事件を題材にオリバー・ストーンが告発者の半生を元にして作った実話ドラマ。互いに補完しあう内容になっているので実にいい二本立て興行である。

『シチズンフォー』はどのような違法が行われているか、その違法を告発する為にどういう手段を講じなければいけなかったか。『スノーデン』はその告発を中心としながらも、何故、告発に及んだのか過去の略歴を詳細に追いながらドラマ仕立てにしてスノーデンの内面を描いている。結局、違法に情報を収集される事の何が恐ろしいのかを的確に描いている。
いともたやすく鼻くそをほじくりながらでも入手できるプライバシー。悪用されないという前提があるから特に気にしていないが、有事の際は悪用されてもしょうがないと具体例を付きつけられると、異常である事がよく分かる。

自国の情報を盗むのは制約があるが、他国の情報は盗み放題。日本に対するアメリカの利用の仕方も実に「そんなだろう」という感じだ。こういう世界は怖いがSFではなく、もうそういう世界にこの世界はなってしまっているのだ。

まあ、『ボーン』シリーズとか見ると、もうどんな情報でもCIAは使い放題だから、フィクションの世界の方が図らずも現状を上手く把握出来ているのかもしれない。それにしてもこんなに適当にプライバシーが扱われているとはフィクション側でも思ってもいなかったろうが。

ニコラス・ケージがクセ者役で出てくるのは嬉しい。やはりそういう空気がある。
最初の上司役のリス・エヴアンスも不気味なタカ派という感じで良い。

本物のスノーデンは若くて意外と爽やか。
スノーデン役を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィット。最初の軍人時代は何か粗悪なウッディ・アレンみたい。そして成長して告発する悩めるスノーデンになると、何となく東京03の角ちゃんに似てきてしまう。うーん、そら、何とも残念な類似だよなあ(角ちゃんには悪いがどう考えても残念でしょ)。

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▲リアル・スノーデン。BLの主人公にしたら受けそう。


【銭】
新文芸坐の会員割引300円減の1050円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
スノーデン@ぴあ映画生活
シチズンフォー スノーデンの暴露@ぴあ映画生活

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