オリエント急行殺人事件

2016年04月15日

『オリエント急行殺人事件』をトーホーシネマズ新宿8で観て、やはりクリスティは好かんふじき★★

五つ星評価で【★★ラストを知って見ているんだけど、都合よすぎだろ】
原作は未読であるが、トリックというよりアイデアとして有名な作品なので、犯人が誰であるかは事前に知っていた。いわゆる、そのアイデアだけで成立している推理小説なのだが、映像化する際に現実的に無理な部分を市川崑の金田一映画のように上手く隠しおおせなかった。映画冒頭いきなり誘拐事件の解説から始まって、これから起こる殺人事件はこの誘拐事件と関係がありますよと分からせてしまう。何て不器用な。おいおいおいおい、ちょっと頭悪くね?
事件の被害者は「殺される業」を背負っているのだけど、総合的にとても危機意識が低いと思わざるを得ない。勿論、彼が殺されてくれなくては事件にならないので、殺されてくれてありがとうとは思うのだけど、劇中、注意深い人物という位置付けにいるにも関わらず、殺されようとしているかのように、自分を追い詰めていってる。多分、一番悪いのは本人は認めないだろうが、クリスティー女史であろう。しかし、これが復讐を目的にした殺人と言うのなら、被害者をもっと扇情的に追い詰めて殺したくなるものではないだろうか? ただ、殺せればいいというのなら別にこのお膳立ては必要ない。

「灰色の脳細胞」の異名を持つポアロはイヤミなチンチクリンで髪のコロン油のギトギトが強すぎて火を付けたらよく燃えそうなのだけど、もともとこんなキャラ設定なんだろうか? そこそこ名声はあるが、他人からあまりよく思われない偏屈者が中心人物と言うのは見ていて、ちょっとイヤな感じではある。出川とか上島とか狩野英孝とかリアクション芸人っぽい空気が流れてくる。頭、悪いんじゃないの、本当は?

キャストが豪華なのは楽しい。


【銭】
午前十時の映画祭価格1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
オリエント急行殺人事件|映画情報のぴあ映画生活

PS あれだ。
 俺が見たかったのは殺人事件の被害者も加害者も全てラブドールだったという
 『オリエント工業殺人事件』だ。いや、ホント。
PS2 犯人はアンソニー・パーキンスで「ママに命令されて」でもOK
 (という目くらましなキャスティングなんだろうな)。

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