ひまわり
2012年05月05日
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶオラと宇宙のプリンセス』をキネカ大森3で観て、秘かにカルトかもふじき★★★
五つ星評価で【★★★20年来、一番の怪作かもしれない】
しんちゃんが一本の映画を通して反省するというシチュエーションは
第四作『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』でなされてる。
基本、次の日には全てを忘れる幼児を啓蒙するのはちょっと違和感あるなあ、
だけど、まあ、成立はしてる、と確か当時思った。
で、今回も、啓蒙は啓蒙で違和感あるのだが、
そんな視点が吹っ飛んでしまうほど、
敵対するキャラクターが何か秘かに怖かった。
今回、しんちゃんが不用意に書いた「宇宙契約書」への署名によって
ひまわりが取り上げられ、返してもらえないという事態になるのだが、
取り上げる「ひまわり星人」が何かドラッグを決めてるみたいな感じで
(いや、ドラッグを決めた事ないよ)挙動がおかしく思えてしまう。
いや、ドラッグを決めてるのは「ひまわり星人」ではなく、
彼らに相対する観客なのだ。
「ひまわり星人」は時に優しく、時に厳しく、時にスルーする、
・・・日常的に接触する他人のようでいながら、心を感じられない。
その心を感じない彼らがしんちゃんに行う攻撃が精神攻撃みたいなのである。
なんだか精神病になったしんちゃんの心のケアを内面描写で観ているみたいだ。
彼等がしんちゃんに接する際の匙加減がよく分からない。
「幼児」としてではなく、一個体に対しての、断固とした態度を取る。
それはしんちゃんがいずれぶつかってしまう「社会」のようだ。
特に、今回の敵のラスボス「ゴロネスキー」は全く性格が分からない。
鉄面皮という訳でなく、表現が過剰だが、その過剰さが喜怒哀楽と一致していない。
見ている側の気持ちを非常に不安定にさせるキャラである。
すったもんだの挙句、大団欒、ハッピーエンドを迎えるのだが、
観客は何故、ハッピーエンドに至ったのかが全く理解できない。
一応「のはら家が頑張ったから」的な結果にはしているが、
頑張った結果、ダメである事がかなりの頻度ある事も大人は知っている。
だから、取って付けたようなハッピーエンドは非常に違和感がある。
奇跡か起きたのかもしれない。だが、奇跡が安直に起きるなら、それは明日にでも引っ繰り返されるかもしれないではないか。そんな風に思える。辻褄が合うように正方修正されているが、まるで、この映画その物がしんちゃんの内面治療が失敗した事を気づかせないように巧みに突いた嘘のようにすら見える。
という風に考えすぎなければホラーには見えないけど、
その実、大きな恐怖の風船を破裂寸前まで膨らまして針を刺さないでいるだけみたいだ。
あああああああああ
ボクが狂ってるのかしら。
【銭】
テアトル系劇場新会員制で会員は金曜1000円で入場可能。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス@ぴあ映画生活
PS OP,EDが「渡り廊下走り隊」。
曲はまあいいんだけど、しんちゃん映画ならではのアイドルいじりが欲しかった。
しんちゃんが一本の映画を通して反省するというシチュエーションは
第四作『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』でなされてる。
基本、次の日には全てを忘れる幼児を啓蒙するのはちょっと違和感あるなあ、
だけど、まあ、成立はしてる、と確か当時思った。
で、今回も、啓蒙は啓蒙で違和感あるのだが、
そんな視点が吹っ飛んでしまうほど、
敵対するキャラクターが何か秘かに怖かった。
今回、しんちゃんが不用意に書いた「宇宙契約書」への署名によって
ひまわりが取り上げられ、返してもらえないという事態になるのだが、
取り上げる「ひまわり星人」が何かドラッグを決めてるみたいな感じで
(いや、ドラッグを決めた事ないよ)挙動がおかしく思えてしまう。
いや、ドラッグを決めてるのは「ひまわり星人」ではなく、
彼らに相対する観客なのだ。
「ひまわり星人」は時に優しく、時に厳しく、時にスルーする、
・・・日常的に接触する他人のようでいながら、心を感じられない。
その心を感じない彼らがしんちゃんに行う攻撃が精神攻撃みたいなのである。
なんだか精神病になったしんちゃんの心のケアを内面描写で観ているみたいだ。
彼等がしんちゃんに接する際の匙加減がよく分からない。
「幼児」としてではなく、一個体に対しての、断固とした態度を取る。
それはしんちゃんがいずれぶつかってしまう「社会」のようだ。
特に、今回の敵のラスボス「ゴロネスキー」は全く性格が分からない。
鉄面皮という訳でなく、表現が過剰だが、その過剰さが喜怒哀楽と一致していない。
見ている側の気持ちを非常に不安定にさせるキャラである。
すったもんだの挙句、大団欒、ハッピーエンドを迎えるのだが、
観客は何故、ハッピーエンドに至ったのかが全く理解できない。
一応「のはら家が頑張ったから」的な結果にはしているが、
頑張った結果、ダメである事がかなりの頻度ある事も大人は知っている。
だから、取って付けたようなハッピーエンドは非常に違和感がある。
奇跡か起きたのかもしれない。だが、奇跡が安直に起きるなら、それは明日にでも引っ繰り返されるかもしれないではないか。そんな風に思える。辻褄が合うように正方修正されているが、まるで、この映画その物がしんちゃんの内面治療が失敗した事を気づかせないように巧みに突いた嘘のようにすら見える。
という風に考えすぎなければホラーには見えないけど、
その実、大きな恐怖の風船を破裂寸前まで膨らまして針を刺さないでいるだけみたいだ。
あああああああああ
ボクが狂ってるのかしら。
【銭】
テアトル系劇場新会員制で会員は金曜1000円で入場可能。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス@ぴあ映画生活
PS OP,EDが「渡り廊下走り隊」。
曲はまあいいんだけど、しんちゃん映画ならではのアイドルいじりが欲しかった。