いろはにほへと

2017年02月09日

『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』をユーロスペース1で観て、『いろはにほへと』『機動捜査班』を神保町シアターで観て、えー・よし・えー、てなとこふじき★★,★★★★,★★

同日鑑賞映画を3本並べてレビュー。

◆『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
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▲真ん中が達人。
五つ星評価で【★★他の人はどうあれ、ともかく私は後半ダレてしょうがなかった】
武侠映画巨匠キン・フーの凄い原典映画。
冒頭から『ワンス・アポン・ア・タイム・インチャイナ』のテーマが流れて気分が上がる。
あれは中国の伝統舞踊劇か何かの定番音楽らしい。
この映画は初見だけど、リメイクの『ドラゴン・イン』は見ている。
えーっと、こんな話だっけ。全く覚えてない、ごめんよ、ツイ・ハーク。

日本でいうところの悪代官が囚人として移送される善人姉妹を愁いをなくすために亡き者にしようと宿屋「龍門客桟」に暗殺者を送る。「龍門客桟」では、姉妹を助けるために凄腕の剣客が集まりつつあった。というのが大筋。
前半、宿屋の中で、それぞれの立ち位置も分からずソフトに騙し合う部分が絶妙に面白い。
後半、それぞれの関係が全分かりになった後、ただひたすら戦い続けるのは限度を越えた長さでダレる。この無駄に長いラストのアクションは初期のジャッキー・チェンの功夫映画にも無駄に引き継がれてしまったと思う。

古いだけあって、アクションがゆっくり(ある意味リアル)。
引き合いに出すの申し訳ない感じだけど、昭和のオリジナル「仮面ライダー」くらいのスピード。カンフー映画も進歩したなあ。

プロットがタラちゃんの『ヘイトフル・エイト』に似てるのはタラちゃんが知っててパクってるのだと思う。


◆『いろはにほへと』
五つ星評価で【★★★★伊藤雄之助と佐田啓二って組み合わせが憎い】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
悪人顔の伊藤雄之助が刑事、善人顔の佐田啓二が詐欺師。
ともかく徹底的にワイロ方面を遠ざける伊藤雄之助の慎ましすぎる生活が悲しい。
その逆で決して悪人ではない詐欺師・佐田啓二の苦悩も悲しい。
人の為に行っている事業が、株の大暴落で見通しが立たず、政治家には食い物にされる。
佐田啓二はやり方を間違えたが基本的には悪人ではないのだ。
それでも、佐田啓二は自分が生き残る為に、伊藤雄之助を凋落させなければならない。
この時、伊藤雄之助が泣きながら怒る。はした金を持ってきたなら凋落されたかもしれないが、何でこんな大金を持ってきたんだと。それはあまりに馬鹿にし過ぎじゃないか、と。これは分かる気がする。爪に火を点す様な生活を少ない給金でしているのに、そこにいきなり「仕事」ではない「自分の心を裏切る」だけの代金として大金を提示される。貧乏人に取っては人が生きる死ぬに関わるような金であっても、単に人の心を買収するだけのようなごく小さな事に大金が使われる。金は流通しない所では重用されるが、流通する所では紙束のように扱われる。それが悔しい。自分の労働の対価の何と低い事か。それは自分の仕事や生活を否定されているのと一緒である。

題材が投資信託で、リスクの説明責任が必要みたいな話になってる。
投資信託あかんねんなんて事件は近々にもあったよなあ。
捜査二課(対詐欺犯罪)が脚光を浴びる珍しい映画。


◆『機動捜査班』
五つ星評価で【★★大して機動捜査しない機動捜査班】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
「機動」が付いてるので「モビルスーツ刑事」みたいなのかと思えばさにあらず。
敵対するヤクザ組織を手玉に取る謎の男に丹波哲郎。
『用心棒』みたいなのに、やってる事があくどいからスッとしない。
捜査四課(対暴力団犯罪)を描くのだけど、
どうも犯罪組織側にいいように扱われて、
タイトルの「機動捜査班」があまり活躍できてない。
手柄を立てないでもないのだが、かなり行き当たりバッタリである。


【銭】
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』:ユーロスペース会員割引1700円→1200円。
『いろはにほへと』:神保町シアター一般入場料金1200円。
『機動捜査班』:神保町シアターポイント5回分無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
残酷ドラゴン 血斗竜門の宿〈デジタル修復版〉@ぴあ映画生活
いろはにほへと@ぴあ映画生活
機動捜査班@ぴあ映画生活

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