映画

2017年03月23日

『シング(吹替版)』を109シネマズ木場3で観て、なかなかええやんふじき★★★

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▲象はソウルフルだ。

五つ星評価で【★★★おもしろいお】
予告から予想される物語のまんま。
物語の基本線はとても簡単で、
ドン底の人間がチャンスに前向きに挑んで成功する。
それを副々線で並列でやる。
出演者のそれぞれの問題や鬱屈が歌で昇華される構成は
『コーラスライン』の歌版と言っていいかもしれない。
あと、吹替版でラスト物語の中心になる歌は五曲中一曲を除き日本語で歌われ、日本語字幕も付くという構成なので、そこで英語だと響かなさげだよねと心配する人は(そういう情報が流れたので)取り越し苦労だよと言っておいてあげたい(私自身がそういう心配をしたから)。

豚の主婦の「本当の自分探し」、ハリネズミ女子の「恋と自分」、ゴリラ青年の「親からの自立」、象女子の「自分を変えたい」、コアラ支配人の「夢と仕事と自分」。より取り見取りで自分の気持ちに合うサブ・エピソードを選べる。
トリが象女子なのは、これが一番誰もが持っているベーシックな問題だからだろう。

子供も楽しめるし、大人も楽しめる。
あまり大袈裟に凄い事を高々と主張しないから、
感動したり、涙を流したりはしないけど、時間キッチリ楽しんで帰れる。
とてもよく出来てる娯楽映画だと思う。
まあ、これはその敷居の低さから、絶対に賞とか貰えない類の映画だ。

吹替えに芸能人を多用しているが、これは成功。
基本、歌が歌えるキャストを集めたという事かもしれないが、
トレンディエンジェルの斉藤さんも、ハリネズミの長澤まさみも、
コアラのうっちゃんも、ちゃんと的確に仕事をこなしている。
MISIAはMISIAならではで絶品で、変えようがない。


【銭】
109シネマズのポイント6ポイントを使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
SING/シング@ぴあ映画生活
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SING/シング@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
SING/シング@だらだら無気力ブログ

PS 豚主婦だけ英語の歌を英語のまま歌うのは何故?
 ちゃんとローカライズして日本語で歌えばいいのに。
 豚主婦はスーパーのステップでいきなりダンス開眼してしまうのもよう分からん。
PS2 イライラを誘う山ちゃんネズミ、ラストあのカットなので、
 エンドロールか何かに繋がると思ったのに繋がらなかったなあ。
PS3 カメレオンは研ナオコにあててほしかった。
PS4 でっかい人間がやってきて町を壊滅させる『SING疫の巨人』とか。
 歌で立ち向かうんだ!って、それじゃマクロスだな。

fjk78dead at 10:29|個別記事コメ(0)トラバ(4)

2017年03月22日

『レゴバットマン・ザ・ムービー』を一ツ橋ホールで観て、相変わらず作り込みが凄いなふじき★★★

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▲ばっとまん

五つ星評価で【★★★ちょっとビックリな素晴らしい出来なのだけど、好き嫌いからは並の映画】

吹替版での鑑賞です。
つーか、試写に当たったら吹替版だった。
字幕版を観てないので、いささかアンフェアなジャッジなんだけど、
見るなら吹替版をお勧めします。
その理由は画面・音声共に情報量がムチャクチャ高いから。
あれ、字数制限のある字幕版ではかなりの情報を捨ててしまう事になる。
映像もかなりゴチャゴチャして良くも悪くも見づらいので、
その上に字幕が乗るのは出来れば避けたい。
吹替版をイヤがっている人の中には、宣伝用キャスティング反対派の人がいるだろう。
私も基本、反対派です。
今回、非プロ声優として名前が上がってるのは次の三人。

小島よしお:ロビン
おかずくらぶ・オカリナ:市長
おかずくらぶ・ゆいP:ポイズン・アイビー

小島よしおなんてバリバリに大きい役だ。
でも、でも、でもでもでもでも、そんなの関係ねー。
という訳にもいかないだろうけど、はっきり言って、小島よしおを全く小島よしおと認識しないかと言えばそうでもない。ただ、個人的にはあまり気にならなかった。おそらくレゴ化したロビンのキャラクターと小島よしおの割と子供な存在感が似あっているのだろう。まあ、なんだ、異論は認める。基本、出来上がって見ると思ったより問題のないキャスティングではなかろうか。まあ、道義的にはあかんねんけど。以後、どんな映画のロビンも小島よしおが演じるとか言ったらそらぶち切れるが。

おかずクラブの二人に関してはほぼモブキャラ。
上手いとか下手とか分からんレベルの出演量です。

エンドロールにかかる曲が日本で付けた日本語丸出しの曲である。
うんまあ、割とどうでもいい。映画見終わったあなた方はきっといい意味で放心してるだろう。その横を通りぬけるエンドロールの曲が日本語でも英語でもそんなに実害はない。いや、気分は害するかもしれんが、そんな冷静な状態ではなく放心くらいしてろよ、と正逆に思ったりもする。

そう、映画見終わったら放心する。
レゴの映画、前回みたいなラストにちゃぶ台ひっくり返すような凄いオチはない。
でも、前回同様の充実感はきっと感じるし、前回同様の疲労感もきっと感じる。

映画の画面が全てレゴで構成されているので、
ゴチャゴチャしているにも関わらず、見やすい画面ではない。
でも均質でトーンがずっと同じ状態なのである。
これは意識に上がらなくても結構疲労を誘う状態だと思う。

まとめ。
レゴバットマン面白いし、意外と深いし、バットマン像を語る上ではけっこう重要な作品と言っても言いすぎではない。バットマンの事(アメコミの話とか)を詳しく知っていればいるほど、より楽しめるクスグリがいっぱい用意されている。

だから、逆に私はむっちゃ惹かれるという状態ではなかったのかもしれない。



【銭】
雑誌で応募して見せてもらったからロハ。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
レゴバットマン ザ・ムービー@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:55|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月21日

『ハルチカ』をトーホーシネマズ渋谷4で観て、思い切った冒険演出はよしふじき★★★

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▲おっ、俺のフルートも……

五つ星評価で【★★★恋バナではない。それは個人的には良い】
原作小説未読、アニメ未鑑賞。

ちっちゃいのに色々熟れてて楊枝で刺すと破裂しちゃいそうな感じの橋本環奈。
その橋本環奈がケツキックしたり、過剰に構ってくれるって、そらプレイだろ、お前。
そんな状態にもかかわらず映画は恋愛サイドには落ちず、
ハグしたら胸の感覚分かりそうでいいよなあ、と思いつつもそこで寸止めなのだ。
橋本環奈とペアで同輩になるのはSexyZone佐藤勝利。
いやまあ、いんでね。おらぁホモじゃないけど、可愛い感じがあるだろ、この子。
この佐藤勝利が金田一くんみたいにいろいろ推理して欠損した部員をいつの間にか
黒魔術でも使っているかのように集めるのが映画の半分、
残りの半分は橋本環奈側の根性ストーリー。

映画として珍しいのは「吹奏楽部」全体を追うのではなく、
撮影対象は明らかに橋本環奈と佐藤勝利に限られることだ。
あくまでこの二人が大事であり、それ以外はみな出番の多いモブだ。
なので、部としての技量が上がり、全員一丸となってコンクールに参加して
これを撃破みたいな物語にはならない。

映画は引きずられながら始めたのに、
最後は牽引役を務める佐藤勝利の成長と、
いつも他人を優先するために自分自身が躓いてしまった時に
スムーズに立ち上がれない橋本環奈の再生、これだけなのだ。
変なバランスの青春映画だ。

ラストに行われる儀式めいた展開も、極力説明を省き、
いきなり始めて、躓きながらも事を成し遂げて終わる。
あの後、狂乱の校庭で志賀廣太郎校長がショットガンを手にして
一人一人惨殺しても大きな違和感はないに違いない。
それくらい変だし、絵空事だ。いっそ夢なのかと思った。
校庭につながっている墓の下からキャリーでも蘇ってくるかと思った。
夢落ちではないのね。演出としては反則か、反則スレスレだ。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを980円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハルチカ@ぴあ映画生活
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ハルチカ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 一瞬、難病物になるかと思った。
PS2 橋本環奈に蹴られたいよりは橋本環奈を蹴り上げて「おっ」とか言わせたい。
PS3 「すいぶに入りませんか?」で水泳部になってしまう展開でも
 橋本環奈の水着が見れるなら願ってもない。
PS4 『ハル痴漢』だっていいぞ。
PS5 辻斬りにあって殺された幽霊が、その辻斬りを呪い殺すようなラスト展開
 と言おうか、大ホールで観客全員に強姦された少女が、その身体を押さえつけてた
 仲間に無理やりリハビリ受けさせられて前向きに歩くしかないみたいなラスト展開
 と言おうか、なんか、不穏な空気がビンビン伝わってくるような気がする。

fjk78dead at 00:31|個別記事コメ(0)トラバ(1)

2017年03月20日

2016年−1。時間が経ちすぎてもう独立した感想にできないや映画たち祭

題名まんまです。又、10本ずつドコドコやってしまいます。
※割ともうどれもこれも覚えてなくてヘロヘロでヒャッホー。

『鉄の子』角川シネマ新宿2★★★★
『ハッピーアワー』キネカ大森2★★★★
『太陽の蓋』ユーロライブ★★★★
『シン・ゴジラ(3回目)』池袋HUMAX3★★★★
『ホラーの天使』シネ・リーブル池袋1★★
『お元気ですか?』ユーロスペース1★★★
『何者』トーホーシネマズ日本橋9★★★
『バースデーカード』UCT6★★
『神様メール』ギンレイホール★★
『すれ違いのダイアリーズ』ギンレイホール★★★★


◆『鉄の子』
五つ星評価で【★★★★子役がいい。そして悔しいが杉ちゃんがいい。】
大好きな女優の田畑智子さんが出てるので、一応、それだけの理由で見に行った。
田畑智子さんは申し分なかったが、それと並ぶか、それ以上で二人の子役と、杉ちゃんの出来が良かった。杉ちゃんなんて、お笑い面白いと思って見た事がないから「役者になっちゃえよ」みたいに思うくらい良かった。軽く見えて重い映画。ハッピーエンドではないが、希望ゼロで終わる訳でもない匙加減が上手い。

◆『ハッピーアワー』
五つ星評価で【★★★★凄いよ】
5時間17分の映画に幾つも禅問答が埋め込まれながらドラマとしての破綻を感じない凄い映画。書こうと思ったら片手間で感想を書く事は出来ないし、もうすっかり抜けてしまったからもう一回見ないと感想を書けない。5時間17分をもう一回見るのは流石にしんどい(見だしたら苦にならない事は分かっているけど)。その長さという第一関門ゆえに、これくらい見た人と見てない人で温度差の違う映画はない。

◆『太陽の蓋』
五つ星評価で【★★★★シン・ゴジラのゴジラが出ない映画と言われた奴(と言いながら実録だ)】
この緊迫感は面白い。これと『シン・ゴジラ』を両方見ておくと両輪相い立つという感じ。あと『日本と原発4年後』というドキュメンタリーも同じように面白いのでオススメ。この二本の何がどう、それだけ面白いのかと言うと、それは『シン・ゴジラ』というフィクションを、どんどん肉付けできて、現実と橋渡し出来てしまうというヤバさが見えてくる、という事だろう。

◆『シン・ゴジラ(3回目)』
五つ星評価で【★★★★見たなあ】
「やはりあのボートと自動車が押し出されるビジュアルが好き」とだけツイッターに呟いている。そろそろ少し褪せてきた感はあったのだが、それでも、まだまだ楽しめている。

◆『ホラーの天使』
五つ星評価で【★★後味悪いよ】
葵わかなちゃんは可愛い。とは言っておこう。
映画自体の構成に仕組みがあるのはいいが、映画の筋にモラルがないのはちょっとイラつく。全てにおいて勧善懲悪を求めたりはしないが、仲間を見捨てて逃げてしまうような程度の低い人間が助かるのは、やはりイヤなものだ(その事に関するお礼参り的なトラップエンドもなかったし)。
題名が何で『ホラーの天使』なのか映画を見ても理由分からず。

◆『お元気ですか?』
五つ星評価で【★★★見たなあ】
B級アクション映画監督・室賀厚が撮るヒューマン・ドラマ。
『キャプテン』とかきちんと撮ってるので、単なる拳銃バカじゃない事は分かっていた。ごくごく普通に撮れている。けっこう器用にいろんな物が撮れる監督なのである(きっと)。ただ「室賀厚」というブランド名が高くなりすぎて「色々」に需要があるかどうかは難しいところかもしれないが。
映画のコアである10人目の人物像については、何となく予想できた。
菅田俊がアクション映画と全く同じ演技を披露。普通の人役だけど若い時に銀行強盗とかいてこました感が何となくあるような気がして怖いやんけ(なんて思うのは菅田で室賀だからってだけだろうなあ)。

◆『何者』
五つ星評価で【★★★いてててててて】
ツイッターをやるので(そんなに器用じゃないからアカウントは一つしか持ってない)、見ていて居たたまれなかった。そのツイッターで映画見た直後の感想↓

(1)怖いというより本当許してあげてくださいという感じ。
(2)ナニもモノもチンチンを表すという意味で哀しいタイトル。大きく見せたいよねえ


裏表ないな、俺(ええこっちゃ)。
別のタイミングで佐藤健は「仮面ライダー電王」でパーソナリティー多く共有する特殊な役をやったから適役とか呟いてる。確かにあのパーソナリティの連々は「何者」であったかもしれない。
有村架純ほっぺたふくらんじゃってる役だなあ。赤信号一歩手前に肥えてる。

◆『バースデーカード』
五つ星評価で【★★見たなあ】
評判は良かったが、残念ながら刺さらなかった。
監督の前作『びったれ!』の方が好き。

◆『神様メール』
五つ星評価で【★★日本人にはよく分からん】
アイデアは面白いと思うが、使徒や奇跡、キリスト教の死生観とかがよう分からんので、進む話に置いてけぼりを食らう。

◆『すれ違いのダイアリーズ』
五つ星評価で【★★★★本気で枝葉末節覚えてない】
タイの映画なので「タイした映画」としか……。
観た直後ツイッターで下のように呟いてる。

勿論全然別の話だけど色々些細な共通点が気になって「君の名は。」に似てる気がする。

誰か何が言いたいか分かる?(おで、我が事ながらもう分かんない)


【銭】
『鉄の子』:映画ファン感謝デーで1100円。
『ハッピーアワー』:三部同時鑑賞割引3300円。
『太陽の蓋』:映画ファン感謝デーで1100円。
『シン・ゴジラ』:ギンレイホールの会員証で鑑賞。年会費更新10800円。
『ホラーの天使』:テアトル会員割引1300円。
『お元気ですか?』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『何者』:109シネマズ、メンバーズデー(毎月19日)で1100円。
『バースデーカード』:ポイント2回割で1000円。
『神様メール』:ギンレイホール、会員証で入場。
『すれ違いのダイアリーズ』:ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかなは今回こっぱずかしい状態だから省略。

fjk78dead at 01:19|個別記事コメ(0)トラバ(1)

2017年03月19日

『リオ・ブラボー』をキネカ大森1で観て、ジョン・ウェインのかっこよさが分からないよふじき★★

五つ星評価で【★★あと長い】
「ジョン・ウェイン西部のかっこいい男代表」
という刷り込みがある人にはたまらないのかもしれないが、
残念なことにジョン・ウェインがかっこよく見えなかった。
信念のある男ってのは健さんにしてもそうだけど、黙っててもかっこいいんだけど、
ジョン・ウェイン年取って尻とか太ってて身体がストイックに見えない。
この辺は『太陽にほえろ』のボス、石原裕次郎がかっこよく見えないのと同じかもしれない。多少なりとも全盛期を引きずって演技が成立している気がする。

そのかっこよく見えないジョン・ウェインと
身持ちの悪そうな美人アンジー・ディキンソンの恋話は爺ちゃんとキャバ嬢みたいで
西部劇世界ではリアリティーが乏しい。姉ちゃん綺麗なんだけど、
何もジョン・ウェインに惚れなくても・・・なんで、この下りはジャマだった。

それとジョン・ウェイン白兵戦で二回もやられてしまう。
いや、寡黙で信念のある男なんだから、強くしてやろうよ。

その信念バカ・ジョン・ウェインを保安官にして、助手が述べ3人。
足と口の悪い老人、うるせーよ、てめー。
アル中の早撃ちガンマン、ちとかっこいいか。アル中描写長い。
若年の冷静沈着ガンマン。何で加勢するかが伝わらん。

ジョン・ウェインじゃなく高倉健だったら、もちっと乗れてた気がする。
但し、『あなたへ』の健さんは除く。

リオ・ブラボーが町の名前であるとは知らなかった。


【銭】
ワーナーブラザーズ・フィルムフェスティバル番組料金 一般1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
リオ・ブラボー@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(0)トラバ(1)

2017年03月18日

『ナイスガイズ!』をHTC渋谷3で観て、あんな娘欲しいわふじき★★★★

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▲アンガーリーちゃん(右)

五つ星評価で【★★★★ナイスガイズがナイス外じゃないっす】

米粒みたいな顔型にヒゲと眠そうな目の付いたライアン・ゴズリング、
いい奴で、そこそこ仕事もこなすけど、超できる感からはほど遠い。
その欠落したピースを埋めるのが娘のアンガーリー・ライス、
赤ちゃんすっ飛ばしてこうゆう娘が欲しいよなってボンクラ垂涎の娘。
機転が利くし、ひたむきだし、何よりあのダメな父ちゃんへの信頼感がたまらん。
欠落したピースではないが、そこはかとなく上手く嵌る
ビア樽みたいに丸くなったラッセル・クロウ。

この三人が図らずながらも巨悪に挑む羽目になる探偵映画なのだけど、
それぞれの得意分野と不得意分野の組み合わせで
ユニークなチームが出来上がっているのが面白い。

正義感は強いが実行力を持たないアンガーリー・ライス。
世渡りは上手いが正義感は薄いライアン・ゴズリング。
ちょっとゆるげだけど暴力担当ラッセル・クロウ。うん、いい組み合わせ。

ああ、でも、しかし、良いアクション映画は何も残らない。
いつも通りなそんな一本だなあ。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ナイスガイズ!@ぴあ映画生活
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ナイスガイズ!@ここなつ映画レビュー
ナイスガイズ!@SGA屋物語紹介所

fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(6)トラバ(9)

2017年03月17日

メンバーズカードの失権について

トーホーシネマズのメンバーズカードがまた失権してしまった。
いや、失権というよりは磁気不良によるカード認識不能。
認識不能になるスパンがあまりにも短かったので、
カード物理媒体の切替をする時に、ダメパターンを聞いた。

「定期券と一緒に保管するとダメです」
「それだ!」

一発で回答に辿り着いた。
スイカ・パスモ型の非接触系定期券は電波出してるので、
その電波がカードの磁気に影響を与えてしまうようだ。

このパターン、ユナイテッド・シネマのメンバーズカードでも起った事がある。
あかん、あかんで。

大きな字で書いておこう。
トーホーとユナイテッドのメンバーカードはパスモ・スイカ系の定期券と重ねたらダメ。

ちなみに、飯田橋ギンレイホールのメンバーズカード、
銀行のカードに外観が似てる奴。
磁気テープ読取用の黒いテープが巻き付いてる奴。
こいつは水に弱い。極力ぬらさない事。

こっちも大きな字で書いておこう。
ギンレイの会員カードは濡らしたらダメ。


fjk78dead at 00:09|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月15日

『ワイルド・シティ』をHTC渋谷1で観て、期待に応えるリンゴ・ラムやねんふじき★★★★

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佐々木希似。▲

五つ星評価で【★★★★リンゴ・ラム変わらんなあ】

リンゴ・ラムは相変わらず山のように登場人物を出して、
整理できないままチーム戦にして、でも、面白いって言う困った個性のままだった。

主人公兄弟(厳密には違う)に逃げ込んできた美女、
彼等を襲う謎のグループ二つに黒幕、
主人公兄が昔、勤めていた過去がある警察関係。これらが複雑に絡み合う。

普通、主人公は一人でいいし、黒幕はいてもいいにしても、
主人公と対立するチームは一つでいいし、
警察だって介入しない話の作り方にだって出来る。
でも、この登場人物の津波の中をちゃんと筋とアクションを
描き切ってしまうのが流石リンゴ・ラム(たまに失敗もするけど)。

話の発端になるお姉ちゃんが佐々木希に似ている。


【銭】
未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引200円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ワイルド・シティ@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:50|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月14日

『静かなる叫び』をHTC渋谷2で観て、ダメだと分かりつつ加害者に肩入れするよふじき★★★

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▲正者と死者が同居するカット。

五つ星評価で【★★★ファーストカットが衝撃的。全体はそんなに評価せん】

姉ちゃんがみんな綺麗なのは高評価。
まあ、それより何より冒頭のシーンの衝撃ったらない。
あんなん撮れるんが監督としての力量を表わしている。
あれを冒頭に持ってきた事で、続くどのカットも注目せざるをえなくなった。

欲を言うなら、事実に即した物語にした事で、できなくなったのかもしれないが、
目が醒めるようなオチが欲しかった。
オチがないからこそリアルなのかもしれないけど。

私、問題を起こした彼にはちょっとだけ好意を持った。
彼は彼の目標とするキャリアを彼が男である故に取れなかったのだろう。
最終的に彼の代わりにそのキャリアを得た女性は、
無計画な妊娠により、そのキャリアを捨てようとしている。
彼女が捨てる事により、その座は一つ無駄になるのである。
主張の方法が間違えているだけで、主張の内容が間違えてはいないのではないか?
では、彼はその主張を劇中の彼女のように、届けない手紙に書けばよかったのか?
今回は「対女性」であったが、これは「対人種」「対障害者」のような
特定の囲い込みを行う就職差別に対する怒りではないのか?

彼は女性と比べるとコミュニケーション・スキルに難ありの男に見える。
だが、だからこそ逆に彼はそのキャリアをすぐに捨てたりしなさそうだ。
彼だけでなく、「対人種」「対障害者」でキャリア得た者でさえ、
妊娠を優先させる彼女より、そのキャリアをまだ捨てなそうだ。
彼女たちだけが、彼の欲するキャリアを比較的簡単に捨てそうな者達なのである。
とは言え、それを持ってして、彼が正しいと主張しても通りはしないだろうが。


【銭】
未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引200円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
静かなる叫び@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
静かなる叫び@ノラネコの呑んで観るシネマ

PS 『静香ちゃんの叫び』:もうのび太さんのエッチぃ〜!
PS2 彼にはあの刑がふさわしい。→カーテンの刑。

fjk78dead at 02:22|個別記事コメ(0)トラバ(1)

2017年03月13日

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』『ハドソン川の奇跡』をギンレイホールで観て、あんまよう分からんのと分かりすぎるのとふじき★★,★★★

◆『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
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▲コリン・ファース(左)のスーツの仕立ての良さげな事。
内に着こむ部分はピッチリ仕立てて軽く動きやすく、
外に着こむ部分は防寒で厚手で隙間ないような堅牢さで作られている。

五つ星評価で【★★躁の作家と鬱の編集者か】
リアル会社でトラブルのケツふいてた為、
いたく疲労まみれでズブズブに鑑賞して撃沈。

実にサラリーマンチックなコリン・ファースが
実に破滅しちゃってたまらんぜタイプ作家ジュード・ロウの原稿を
切って切って切りまくる。

お話としてはアメリカの話だけど、
コリン・ファースのスーツの仕立てがやけに重厚でキチっとしていて、
全く弾けないキャラの性格と相まって、とってもイギリス人のようであった。
特にそれ以外は特別に思う事はない。
浮かび上がったり沈んだりみたいな状態でかなりの時間、睡魔に撃沈されてしまった。


◆『ハドソン川の奇跡』
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▲これは墜落直後のシーンだけど、スーツがペラペラ。
 公聴会の時もこんな感じのペラペラ生地だった。

五つ星評価で【★★★一回目同様だけど気まぐれで星一つ増やした】

手堅く何回も事故が再現されて
多くの時間を割きすぎないのが映画として、とても素敵。

ただ、やっぱトム・ハンクスはつまらんと思う。
アーロン・エッカートは若い時は変なガチャ目っぽい顔だったけど、
年とともに何でも演じられる普通の顔に変わった。

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』と違って、
トム・ハンクスとアーロン・エッカートが公聴会に行く時に着ている
スーツの仕立てが妙にペラペラでショボい。
金持ち&エリートとしてのパイロットではなく、
地道に積み上げたキャリアの結果、辿り着いた職業である肉体労働者として、
制服(労働服)をスーツに着こんでる男という表現なのかもしれない。

個人的にスッチーが若くてミニスカで頭悪いのが一人もいないのが残念だ。
多分、前回はその落胆で星一つ少なかったのだ、きっと。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ハドソン川の奇跡(一回目)@死屍累々映画日記

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2017年03月12日

『フランケンシュタインの逆襲』をキネカ大森1で観て、うむう古いなふじき★★

五つ星評価で【★★凄く大袈裟で良くも悪くも舞台みたいな芝居に舞台みたいな音楽】
多分、前にも見た事がある。
怪物役がクリストファー・リーで歴代の怪物の中ではスマート。
怖いというよりは可哀想なタイプだが、
それでも意思の疎通などは全くできそうにない。
動き方が意思で動いていると言うより、筋肉痙攣の結果動いているように見える。
うまいな、クリストファー・リー。


【銭】
ワーナーブラザーズ・フィルムフェスティバル番組料金 一般1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
フランケンシュタインの逆襲@ぴあ映画生活


fjk78dead at 21:32|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月11日

『明治天皇と日露大戦争』をシネマヴェーラ渋谷で観て、精神論で戦う戦争の映画はあかんねんふじき★★

特集上映「新東宝のディープな世界」の1プログラム。

五つ星評価で【★★戦争映画は文系ではいかん。理系でなくてはいかん】
日露戦争の陸戦(旅順要塞攻略)、海戦(対バルチック艦隊戦)がお得なパックになってる映画。この日露戦争二つの戦いは司馬遼太郎の『坂の上の雲』で、もう嫌になるくらい勝利の理由が述べられている(嫌にはならない)。
でも、そういう理由は蘊蓄になってしまうので、ドラマには甚だ乗せづらい。
なので、この映画も軍人さんが頑張ったから勝てました、みたいになってしまった。
頑張ったのは相手の軍人さんも同じだから、精神論で勝敗はひっくり返らないよ。

宇津井健とか高島忠夫とか天地茂とか丹波哲郎とかが若手でバンバン出てくるのは、今見ると面白いかも。


【銭】
シネマヴェーラの夜間会員割引。一般1300円から400円引きで900円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
明治天皇と日露大戦争@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:47|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月10日

『永い言い訳』を新文芸坐で観て、もっくん対竹原ピストルの構図に唸るふじき★★★

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▲モックンと子供
五つ星評価で【★★★竹原ピストルすげえな】

竹原ピストルって今までに全く見なかった訳でもないだろうけど、見た記憶はない。
もう、そこいらのダンプの運ちゃん捕まえてきて演技させてる風にしか見えない。
この竹原ピストルとモックンが好対照。
まあ、ざっくり言うとモックンいやな奴なのである。
竹原ピストルもダメな部分はあるが、イヤな奴感は薄い。
竹原ピストルのダメな部分は自分で変えられない部分がメインであるが、
モックンの嫌な部分は意識する事で変えられる、メンタルな部分である。
モックン大人なのに人に甘えて、上手く甘えられなそうになるとダダをこねてる。
子供ならともかく大人だし、モックンの役は恵まれた階層の人間なので、
そこはお前が大人らしく振る舞うべきだろう、とつい思ってしまう。

この物語はそのモックンが妻を失う前に既にマイナスであるのに、
妻を失う事が契機になってトントンの線まで戻る物語だ。

今回、やっとこさ名画座で見たのだが、やはり見るのに躊躇があった。
最初のチラシに付いてるコピー

妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。

居たたまれない。
私も父の葬儀では泣けなかった。
感情欠落と言われようが、そう泣けはしない。
そんなんを再確認させられるのはある意味たまらない。
なので後回しにしたが、やはり西川美和監督作品は見ておきたかったので見た。

これは、妻が死んであまりその事に親身ではないのに可哀想な自分を腫れ物のように開示しなければいけない自意識過剰のひねくれ者の話だ。妻の死が痛手でないと言えば嘘になるが、彼が冷静でいられるのは、彼女は彼に取ってどんな甘えをも許す甘え装置みたいな関係で、にもかかわらず彼が彼女に対して取っていた「甘え」が本当にどうでもいい事で、なくなっても困らない程度の物にすぎなかったからだろう。大した関係ではないのである。彼女から彼に対しての愛はなくなっていたが、逆に彼から彼女に対しての愛も自覚はないがなくなっていたと言える。

そんな彼がずっと居心地悪そうにしているのを見ているのはキツい。
だから、単純人間の竹原ピストルと、ごくごく普通の子供二人が出てきたのは良かった。
この三人が仮に出てこないなら、モックンは二時間ばかし黒木華と延々とSEXをする、そういう映画を作ればオチる気がする。それはそれで見たいのだが、映画としてはそっちの方がキツいだろう。

彼の事を「さちおくん」と呼び嫌がられる深津絵里を失った後にやって来るのは、彼の事を同じように「さちおくん」と呼ぶ竹原ピストル家族である。映画の冒頭では執拗に嫌がっていた「さちおくん」を竹原ピストル家族には許してしまう。それは「モックン」+「深津絵里」の関係が家族の外に見せつける「形式」の家族であった為「さちおくん」なんていうダサい呼び方は許容できなかったのだろう。「モックン」+「竹原ピストル家族」は外に見せるような関係では全くないので、呼び方はどうでもいい。この関係のイビツなこと。

深津絵里からモックンへの「さちおくん」。モックンは作家名で呼ばれたい。妻の深津絵里は自分のプロモーションの一部を担う存在なので「さちおくん」などと呼ばれて、そのプロモーションにマイナス展開されては困る。これは「家族」の形骸化であり、深津絵里からモックンへの個人的な感情である「さちおくん」は無視され続ける。
竹原ピストル家族からモックンへの「さちおくん」。モックンはこの関係は大事に思ってないし、公に公表すべき関係でもないので、どうでもいいと思っている。竹原ピストルはバリバリに距離を縮めようとして「さちおくん」を使っている。終盤、その距離が縮みすぎた事でモックンは自滅する。案外、呪い的な……


【銭】
夜間会員割引で800円

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永い言い訳@ぴあ映画生活
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永い言い訳@映画的・絵画的・音楽的

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2017年03月08日

『天国はどこだ』『群盗南蛮船』『貸間あり』『江戸の悪太郎』シネマヴェーラ二本立て×2レビュー

特集上映「新東宝のディープな世界」<『天国はどこだ』『群盗南蛮船』
「名脇役列伝杵臆崟蕷瓢劼任瓦兇い泙后廖磧愨澳屬△蝓戞惺掌佑琉太郎』
どれも旧作で、どれも初見。

◆『天国はどこだ』
五つ星評価で【★★★★悩む木村功、輝く津島恵子、善人なのに得体のしれない沼田曜一、そして金やん】
暴力団に生活を握られている部落の村。新任医師の沼田曜一は保育園の津島恵子とともに生活を改善しようと努力するが、なかなか難しい。そこに部落出身の津島恵子の恋人、木村功が刑務所から出所してくる。木村功は暴力団と拮抗しながら村の人々を守るが、暴力団の罠に嵌って暴力事件を起こして村の信用を失墜させてしまう。

若くて無鉄砲でケンカっ早くて子供の人気者のヤクザを木村功が好演。
ヤクザ稼業から足を洗い、カタギになるのだが、
実入りが少なくなり子供たちを豪遊させられなくなった彼を
子供たちが見限っていくという設定がリアルにイヤらしくて泣ける。
役名が「ケンさん」。
ちなみに高倉健こと健さんが初めての任侠映画に出るのは、
この映画の7年後だから役名については単なる偶然である。

映画のヒロイン津島恵子が美しい。松雪泰子っぽい。

沼田曜一、いい人っぽく見えない。何か企んでそう。
まあでも、目に輝きのない小金治と言えば小金治っぽいかもしれん。

若かりし日の金やんが特別出演で出てくる。国鉄スワローズのピッチャーだそうである。

木村功と揉めるヤクザのチンピラに西村晃。チンピラが板に付いていて、この人がこの後、水戸黄門になろうとは誰も思わんかったよなあ。

ヤクザの組長に加藤嘉。強欲でカリスマ力を持つオールバックの加藤嘉が一瞬も瞬きしないで怖い。


◆『群盗南蛮船 ぎやまんの宿』
五つ星評価で【★★★尾上菊五郎一座総出演……は売りではないと思うのだが。少なくとも今は】
最近、上映されると足を運ぶ稲垣浩監督作品。
基本的にダイナミックな娯楽作品ばっかでいいんですわ。
で、監督名だけで見に来た。
こっちが目当てだったけど『天国はどこだ』の方が面白かった。
歌舞伎の尾上菊五郎一座総出演らしい。
DNAのせいか、みな、ひょろうんとした瓜実顔っぽい。
江戸時代っぽい顔ではある。
主役の尾上梅幸が良くない。二枚目の役だが二枚目に見えない。演技の癖が強くて単に不真面目な役に見えて、女が惚れる男に見えない。これは役者の責任。
その主人公を支えるの尾上松緑も良くない。女にもてたがりで大酒飲みの自分知らず。男から見てもモテない事が分かる奴。こいつは好きになれない。これは脚本の責任。
後半、唐突に入る海賊のダンスはミュージカル風だが、
江戸時代が舞台の映画に馴染んでいない。

現代的な顔立ちの久我美子に惹かれるが、古風な顔立ちの花井蘭子の方が主役のせんである。そんなに強く魅力を感じないのは私が今の人だからだろう。1950年の作品。


◆『貸間あり』
五つ星評価で【★★★TVっぽい】
川島雄三監督、フランキー堺主演の有名な軽喜劇。
何だかスピディーでTVっぽいけどバタバタしてて、そんなに好みじゃない。
立ちション好きなのか川島?


◆『江戸の悪太郎』
五つ星評価で【★★★★明朗快活な泰然自若時代劇】
大友柳太朗の貧乏浪人が素行の悪い占い師をとっちめる。
子供に男装しながらも全く女の子丸出し状態の大川恵子が可愛い。


【銭】
各二本立てプログラム、シネマヴェーラの会員割引一般1500円から400円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
群盗南蛮船 ぎやまんの宿@ぴあ映画生活
貸間あり@ぴあ映画生活
江戸の悪太郎〈1959年〉@ぴあ映画生活

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2017年03月06日

『日本と再生』『I am Your Father』『Who Killed Idol?』『ザ・スライドショーがやって来る!』を4本まとめてレビュー

近近に見たドキュメンタリーを4本並べてレビュー。

◆『日本と再生』ユーロスペース1
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▲荘厳
五つ星評価で【★★★★あれ、あの続きやん】
見るまで知らなかったけどあの傑作『日本と原発 4年後』の続きの映画だった。
前作も用意周到に、かつ、分かりやすく、「何故、日本に原発がいらないのか」をネチネチと説明しきったのだが、今回は「原発をやめて自然エネルギーに変えるメリット」を洗脳まがいにプロパガンダする(褒めてる)。
洗脳、かつ、プロパガンダで間違いない。ただ、多分、ここで言われている事の方が、自分達の保身と既得権益を手放したくないが為に国の舵取りを誤っている政治家屋さんたちより正しいのだ。正しい事なら洗脳ANDプロパガンダでも悪くない。
困ったもんだ、既得権益。
映画の中で、自然エネルギーのデメリットに関する部分を殊更、小さく取り扱っているとは思うが、が、が、が、それにしてもメリットの方が大きいだろう。それは世界各国での自然エネルギーへの変換のサクセス・ストーリーが物語っている。仮に、これでもダメだというなら、何故ダメかを為政者側がちゃんと説明すべきだ。

ちなみに今でも続編が作られ続けている「仮面ライダー」は風力をエネルギーとする自然エネルギーヒーローである。もっともその風車を回転させる為に使っていたバイクはごくごく普通の化石燃料燃焼型のバイクであったが。


◆『I am Your Father』HTC渋谷3
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▲デビッド。
五つ星評価で【★★★デビッド・プラウズ伝】
『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーを演じたものの(声は別人)、今ではルーカス・フィルムと疎遠になり、公式イベントにも大役なのに呼んでもらえないデビッド・プラウズの伝記映画。
気持ちいいのは撮影者が撮影対象に持っているリスペクトが伝わってくるからだろう。
それでいて、対象者を甘えさせてはいない。バランス感覚がいいのだろう。

映画は撮影対象とルーカス・フィルムのわだかまりを作ったと言われる事件の真相を暴く。もちろん、これたけが全ての原因ではないかもしれないが、この一例だけでも解明したのはとてもいい事だ。一事が万事で色眼鏡をかけられ、他の事も冤罪のように誤解を受けているかもしれない(その責任の全てが会社側にあるとは思わないが)。

デビッド・プラウズのボディービル仲間としてTVドラマ「超人ハルク」で変身後のハルクを演じていたルー・フェリグノが出ていたのには驚いた。


◆『Who Killed Idol?』テアトル新宿
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▲目が死んでる二人。
五つ星評価で【★★★可哀想な彼女たち、そして真相があまり明確にならない映画】
『Bis誕生の詩』の姉妹編映画。
アイドルグループの選抜合宿で新生Bisのメンバー選出が行われるまでが姉妹作品の内容。選ばれた後、落選した彼女たちに出された「ライバル・ユニット」への参加という御褒美と、その御褒美が大人の人間関係によって壊れてしまい、ユニット存続不可になるまでが今作。
アイドル映画としてとてもよい熱量を持っている。
女の子は可愛く撮れている。
「のび太」の仇名を持つ女の子は「すげーブス」という認識だったが、
ライブでは可愛く思えるようになってた。つまり、磨けてたのだ。
アイドルではないが、マネージャーの山下百恵の普通っぽい所がいい。

映画としてはいろいろ問題があって、
前作のオーディション、今作のユニット再構成みたいな事を延々とやっているのにも関わらず、女の子の顔や名前が最後まで一致しなかった。それは芸能物でありながら、各人の個性をアピールしたり、まとめたり、ダメ押ししたり、みたいな配慮が薄かったのではないか。
チラシでは解散の内幕が映画で全部明らかになるような勢いで書いてあるが、実際は藪の中でよう分からん。

”蕕吋罐縫奪硲咤蕋咾ライブで勝ちユニットBiSの楽曲を無断使用した事
■咤蕋單括責任者の過去の罪状についてBiS統括責任者が知らず仁義を欠いた。

この二点だと言われているが、芸能界と接点がないから,皚△眤腓靴浸に思えない。単にSiSを解散させるためにダダをこねて「業界のしきたりがどうのこうの」「こんな奴に付いていっちゃダメだ」など無理強いしている風にしか見えない。その癖そんな事を言っているBiS側が人手が足りないからと解散させたSiSの統括責任者を雑用に使っている。斬るなら斬れよ。そこを斬らずにSiSだけ解散とか単に女の子たちに対して手の平を返したようにしか見えない。
BiS物はこれで3本目だが、どれをとっても過酷な目に会う女の子に対して、取り扱うスタッフに、それを強いるだけの強い覚悟を感じられない。そんな物ない。業界は女の子を騙して笑って生きていくのだ。そういうならまあ、そこに飛び込む女の子たちは不憫だが構造的にダメなのかもしれない。


◆『ザ・スライドショーがやって来る!』新宿ピカデリー4
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▲ロツクンロール・スライダーズ
五つ星評価で【★★★ネタより理屈なのはよくない】
みうらじゅんといとうせいこうの「ザ・スライドショー」の内幕暴露。
みうらじゅんやいとうせいこうサイドから見て、どういう理屈で、
どういう風にショーが作られているかを解説する。
成り立ちや成り行きを一度まとめておきたかったのかもしれないが、
それは日記に書けばいい事であって、
公に発表されても、それを他人が使える訳でもないし、どないすんねん。

個人的には単にネタをドッサリ積んでもらった方が面白かった。
ただ、もう全てのスライドショーを渡り歩き、
今までの全てのスライドは見てるから、ネタその物に興味はない、
という人だらけだったら、この構成でいいのかもしれない。


【銭】
『日本と再生』:ユーロスペース会員割引1200円。
『I am Your Father』:未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引1100円。
『Who Killed Idol?』:テアトル会員割引1300円。
『ザ・スライドショーがやって来る!』:番組特別料金1800円。


▼作品詳細などはこちらでいいかな
日本と再生 光と風のギガワット作戦@ぴあ映画生活
I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー@ぴあ映画生活
WHO KiLLED IDOL? −SiS消滅の詩−@ぴあ映画生活
みうらじゅん&いとうせいこう 20th anniversary ザ・スライドショーがやって来る!「レジェンド仲良し」の秘密@ぴあ映画生活
▼関連記事。
日本と原発 4年後@死屍累々映画日記
BiSキャノンボール2014@死屍累々映画日記
BiS誕生の詩@死屍累々映画日記
エルストリー1976@死屍累々映画日記


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2017年03月05日

『トリプルX:再起動』をトーホーシネマズみゆき座で観て、洋画らしい洋画ともかくスッキリふじき★★★★

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▲佐々木希のブラみたいなカットだなあ。

五つ星評価で【★★★★洋画らしいほんまに洋画らしい】
拳銃バンバン撃って、世界の危機がドンドン来て、美女がうふんうふんクネクネで、
洋画はかくあるべきという一本。こーゆーのに大入りしてもらいたい。
っつか、劇場に行ってでっかいスカラ座でかかると思ってたら、
こじんまりなみゆき座だったので、ちょっと凹んだ
(興行的にはララランドには勝てんからしょうがないが)。

再び呼び戻されたエージェント、ヴィン・ディーゼルと
謎の男ドニー・イェンの二枚看板になったのが映画としては大成功。
ヴィン・ディーゼルは嫌いじゃないけど、
随所にドニー・イェンのアクションがカッティングされる事で、
実に贅沢なアクション映画になった。
高速道路の追いかけっことかドニー様の『カンフー・ジャングル』みたいで燃えた。
いやいや、『カンフー・ジャングル』の、あのカットないから、
あっちの方がすげー、でも、まんまやらないよな。
しかし似てるんで、未見の人は『カンフー・ジャングル』もチェックしてほしい。

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▲なかなかいいスリー・ショット。

拳銃美女二人(連動アクションがかっけー)と
科学者ちゃんと情報屋ちゃん、美女づくしでええわあ。
科学者ちゃんは喋り続けのドジッコ属性みたいなのがちょっとウザい。

チーム戦的にはこれに若い兄ちゃん達とでかい男達が付く。
こんなところにトニー・ジャー。もちっと目立っても良さそうなもんなのに。
野郎4人はまあ、いい箸休めみたいなもんだな。

そしてトニ・コレット。
この人、なんか直前で観たなと思ったら『マイ・ベスト・フレンド』
ドリュー・バリモアの癌になる友達だ。まあ、当たり前だけど健康体で憎たらしい。
久々にいなくなってスッキリ溜飲下がるっていい悪役でした。

ダイヤル9の秘密はよいなあ。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを1400円でGET。
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トリプルX:再起動@ぴあ映画生活
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トリプルX:再起動@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
トリプルX:再起動@徒然なるままに
トリプルX:再起動@だらだら無気力ブログ
トリプルX:再起動@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

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2017年03月04日

『LUPIN THE RD 血煙の石川五エ門』をシネマサンシャイン池袋2で観て、スタイリッシュは正義ふじき★★★

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▲動かざること不動の山・風。
五つ星評価で【★★★センスよなあ】  
大傑作の前作『次元大介の墓標』ほどではないが満足できる作品だった。
前作と比べると、もう一つトリッキーな展開が話にほしかった。
 敵が来た―敵を打ち負かす
ただ、これだけの単純なプロットで楽しめてしまう今作も異常に凄いが、
ダメ押しで、もう一つ明確なオチとか展開がほしかった。

ヤクザのロクデナシ具合(そして強い)も、
止められない殺し屋も、ルパンも、次元も、五右エ門も、銭型ですら、かっけー。
峰不二子は今回はいるだけ。

自分を追い込む五右エ門の前に立った事でひどい目に会うヤクザとか付いてるけど
劇場版ルパン第一作の斬鉄剣を折った相手へのリベンジ・マッチに話が似ている。
と言うか、そんな大した話じゃないからな。
基本、五右エ門という男は「今ある事を変えない」キャラだから、
強敵が来れば常に同じ展開になるかもしれない。


【銭】
額面金額1300円のムビチケを1300で購入。急いで買わなくても1000円くらいに底値が落ちていた。
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LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門@ぴあ映画生活
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LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標@死屍累々映画日記

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▲悪そうな顔だぜい。

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2017年03月02日

『虐殺器官』を池袋ヒューマックスシネマズ5で観て、アレを思い出さずにはいられないのは私だけ?ふじき★★(ネタバレあり)

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▲これが記事中に書いた思いだせなかった主人公の顔。

五つ星評価で【★★驚くべき奇想だが展開の地味さからか話はダレている】
原作小説未読。だから、原作がどれほど優れているかという観点からは語れない。
「虐殺を発生させるメカニズム」については、
そういう事を考えるのは実に奇想ではないかと思うが、
それが奇想に見えるように上手く映像化されていないと思う。
「なんで?なんで?なんでそんな事が?」という畳み込みが足りない。
安易に人を殺す描写だけ鮮明でも、それは話の溝を決して埋めはしない。

感情にフィルターを付けさせられている特異な人物が主人公であるが、主人公は人並に葛藤する。葛藤はするが、葛藤の際にあった感情は整理され、冷静に結論を得る。
「虐殺」を手中に収めた異物、ジョン・ポール、この人物と主人公を対話させるが、どちらが狂っているという強い違和感を見出せなかった。概して二人とも冷静だ。
ここはどちらかが狂っており、どちらかが狂っていないという差異を見たかった。どちらにしても最終的な結論は「狂ってない者も狂っている」なのだから。

今回のアニメの絵が好きでないというのもあるが、キャラが立っていない。
主人公と同僚とジョン・ポールくらいは
パッとビジュアルを思いだせるようにしないと失敗だろう
(見て三日も経っていないのにもう思いだせなくなっている)。

そして、虐殺に関する、あの概念。
アレはどう見ても「モンティ・パイソンの史上最高のギャグ」
が引き金になって生み出されたに違いない。
であるなら、お手本があるのだからそんなに奇想でもないか。
じゃあ、お手本が分からなくなるくらいの加工か、
お手本が気にならないくらいのディテールの突き詰めみたいなのを見たかった。


【銭】
1800円の入場料金に対して、1500円の前売券を事前に買いそびれてしまったので、チケット屋を物色して、額面料金1300円のヒューマックス系映画館共通入場券を1500円で購入して見た。

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虐殺器官@ぴあ映画生活
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虐殺器官@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

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2017年03月01日

『脱獄者』を神保町シアターで観て、丹波哲郎は昔から丹波哲郎ふじき★★

五つ星評価で【★★夢うつつでした】
1967年のモノクロ映画。初見。

丹波哲郎刑事が生き別れの弟に会うと、ヤクザになっていた。
何となく遺伝子的に兄弟っぽさが希薄。
丹波哲郎の風貌って独特だからか。
ほどなく丹波哲郎はヤクザの罠に嵌り無実の罪で投獄。
刑事が投獄されるとひどい目に会うのだが、
そんな目に会っても何となく同情できないのは丹波哲郎って善人感が乏しいからだろう。
超善悪人間で、自分がルールブックで全て裁きそう。
それは野生の掟と一緒だから、風向きが変わって
自分がそういう目に会ってもしょうがない様に見えてしまう。

丹波哲郎に捕まってない受刑者の
「ここではみんな同じ最低だから、そんなリンチはやめろ」というのが至極人間的。
多分、丹波哲郎はこの受刑者に人間力で劣ると思う。
でも、その人間でいられない所が丹波哲郎の魅力なのだと思う。

人間以上かもしれない。人間以下かもしれない。
何にせよ、並みの人間ではない。それが丹波哲郎の魅力、そう考える。


なので、そんな人間以下(今回は)の丹波哲郎に感情移入は出来ず、
まあ、やりたい事をやれよと見ていた。
脱獄して、なし崩し的にヤクザに喧嘩ふっかけて大団円。
うんまあ、そんなもんだろう。

どれ見ても変わらない丹波哲郎だが、
同じくらい加藤嘉も変わらない。
今回の加藤嘉もいつも同様、目をウルウルさせている。
それでこそ加藤嘉だ。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
脱獄者@ぴあ映画生活

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2017年02月28日

『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』をシネ・リーブル池袋1で観て、あっうまいじゃんふじき★★★(ネタバレあり)

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▲絵は後から入れる予定→予定完遂。

五つ星評価で【★★★宮崎駿と対照的】
原作小説、TVアニメ未読未鑑賞。いつもの如く一見さん鑑賞である。

冒頭、今までの『ソードアート・オンライン』の粗筋を展開してくれるのは助かる。
仮想現実ゲーム「ソードアート・オンライン」に対比される新ゲーム、
拡張現実ゲーム「オーディナル・スケール」。
まあ、とっても単純に言うとダンジョンのある「ポケモンGO」である。
この現実と打ち合って負けない素早いアイデアは良いなあ。

仮想現実の世界に捕らわれてゲームでの死は現実の死に繋がる、という世界観から
『アクセル・ワールド』というアニメを思い出した。
こちらは、仮想現実の世界に一斉にログインできなくなる事象の発生と
ログアウト時にログイン中の記憶を失ってしまうという障害に立ち向かう集団の物語だ。
表裏一体な感じの同質性だなあ、と思ったら、
あにはからんや同じ原作者(川原礫)の作品なのだった。

『アクセル・ワールド』がバリバリの萌えキャラばかりなのに比べて、『ソードアート・オンライン』は比較的、現実に根差したというか、地味キャラばかりである。あまり突出していない方がリアルかもしれないし、アバターと現実の相違がありすぎるのはやはり青少年の恋愛も絡む物語なので、多少の嘘になるにしても、規格外のブサイクは除外したのだろう。本来は主人公なんかは暗いデブで、一般婦女子からは嫌われるタイプにする方がよりリアルだと思うけどいたたまれない。女性キャラも全員ネカマなんてのもありそうだけど、それもいたたまれない。そこまでしてリアルにこだわる必要もない。
とは言え、キャラクター造形は強い「萌え」寄りではないが、少年マンガと少女マンガのハイブリット的な感性で描かれている。少年マンガ特有の極端にデフォルメされたキャラクターはいない。それは作品にリアルな安定感を持たせているが、同時にリアルな枷で縛られているようにも見えてしまう。この登場人物の日常生活でのアニメート(動かし方)が妙にぎこちなく下手なのと合わせてそこはマイナスであるとハッキリ言っておこう(ちなみにゲーム世界内でプレイしている最中のアニメートは何の問題もない)。
お話の面白さを捨てても、一つ一つのアニメート(動き)にヒステリックなこだわりを見せる宮崎駿とはここが正反対だ。勿論、話と動きの両方が揃っていた方がいいのだが、どちらか一つしか優先できないのなら、「劇」映画であるのだから私は話を優先してほしい。そういう物が見たい。

この辺からネタバレするっす

今回の劇場版で、事件を起こした者がやりたかった企みについては中々よく考えられている。そして、その計画を遂行する者のメンタリティーも実に「らしい」。そして、その企みが実行されることによる現実世界での弊害などもよく考えられている。人間が人間として成立する為には、記憶は欠かせない要素なのだ。

ラスト、開発者の博士は新たなシステムへの扉を開かれる。
その名は「ラース」。
「ランス」だったら、昔の名高きエロゲーだ。それはそれで楽しいかもしれん。博士の専門分野がAI(人工知能)で、余技としてロボット工学にも精通しているというのがヤバい。アトムみたいな高性能のダッチワイフが作れてしまうじゃん。
で、「ランス」でなく、「ラース」な訳だが、「ラース」で思いつく映画と言ったら『ラースとその彼女』しかない。みんなが気に掛けてる好青年のラースが連れてきた彼女は高性能ダッチワイフだったというオタクには痛いコメディー。「ラース」というゲームが仮想現実でなく、拡張現実で展開するなら、自分以外のプレイヤーには「ラースの彼女」達が相手をするのかもしれない。そこに「性」が展開するゆとりがあるなら、これを国の主要輸出品として企画しても充分ペイするのではないだろうか。


【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 ソードアート・オンライン −オーディナル・スケール−@ぴあ映画生活
▼関連記事。
アクセル・ワールド@死屍累々映画日記

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2017年02月27日

『世界一キライなあなたに』『マイ・ベスト・フレンド』をギンレイホールで観て、キャラを立てて殺せふじき★★,★★

身近な病人が死ぬ映画二本立て。

◆『世界一キライなあなたに』
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▲王子と家来

五つ星評価で【★★あー死んだ死んだ】
自ら死期を決めた首から下が動かないイケメンとお手伝い女の擬似ラブストーリー。
イケメンに同情をするのはやぶさかではないが、感情移入は出来ない。
誰だってあんな目に会いたいとは思わないが、
そんな目に会う事がどんな目であるのかが、彼によってしっかり訴えられていない。
彼のツラさは「そらツラいだろう」という状況証拠からしか心情を類推できない。

お手伝い女は貧乏で、すましてると水原希子っぽい美人なのだが、
感情表現過多でいつも顔をグチャグチャにしてしまい、なかなか不快な顔だと思う。
美人は笑顔も美人じゃないと台無しになってしまうのである。


◆『マイ・ベスト・フレンド』
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▲狸と狐

五つ星評価で【★★こっちも死んだ死んだ】

ドリュー・バリモア(狸女)とトニ・コレット(狐女)の友情物語。
これでもかとばかりにキャラを盛ってから、的確に殺す手腕は見事。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
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世界一キライなあなたに@ぴあ映画生活
マイ・ベスト・フレンド@ぴあ映画生活

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2017年02月26日

『素晴らしきかな、人生』を一ツ橋ホールで観て、ウィル・スミスお前って奴はふじき★★

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▲宇宙愛キーラ・ナイトレイ テレサみたいな恰好で出てきてほしい。

五つ星評価で【★★超完膚なき駄作とまでは言わないけどウィル・スミスの片岡鶴太郎みたいな立ち位置が嫌い】
試写会で観させていただきました。なので、私の好き嫌いは別として、まあ、こういう映画があってもいいのかなと言っておきます。映画好きの人が、この題名で観る気はなかったけど、招待券貰って見たら、ビックリするほどではないけど、まあ、ちょっとだけやられちゃったかな、と思いそうな映画。同じ監督が撮った『プラダを着た悪魔』みたいな娯楽映画と思って見に行くと火傷してしまうので、そこは注意。

ビックリするほど豪華な出演陣。
いまやラッパーだったとは知るまいウィル・スミス
いまやハルクだったとは知るまいエドワード・ノートン
政治からマシンガンまで何でもあれヘレン・ミレン
どの映画もいいんだけどそれでもタイタニック女ケイト・ウィンスレット
負け組をやらせたら凄い勝ち組野郎マイケル・ペーニャ

ウィル・スミスを真ん中に、みんな均等な時間出演している。主役はやはり中央にいるウィル・スミスなんだろうけど、群像劇みたいな変なバランス。こういうのが「実話」だとハクが付くんだろうけど、どう考えてもこれは頭で考えた物語だ。うん、うまくまとめたね、とは思うけど。

さて、個人的に片岡鶴太郎が芸人より芸術家として見てもらいたいという欲望が止められないみたいに、ウィル・スミスは役者なのに演技や作品がどうとかいうのを目標としているとは思えない。ウィル・スミスの欲望はただ一つ。「俺っていい父ちゃんだろ」。これだろう。そんな承認欲求は家庭でやれ。


【銭】
スポーツ新聞の試写会に応募。

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素晴らしきかな、人生@ぴあ映画生活
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素晴らしきかな、人生@辛口映画館

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2017年02月25日

『或る剣豪の生涯』『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』を新文芸坐で観て、世界の三船かっけーふじき★★★★,★★

特集上映「没後二十年 三船敏郎 中村錦之助 勝新太郎」の1プログラム。

◆『或る剣豪の生涯』
五つ星評価で【★★★★心が綺麗なのに報われない奴には弱いよ】
多分、二回目。
三船敏郎をシラノ・ド・ベルジュラックに設定しながら、
舞台は天下分け目の関ケ原というビックリ変化球。

何でも得意だけど、恋だけは思うようにいかないシラノって
コンプレックスの強いオタクとしてこんなに親近感の湧く役ってない。

ロマンチックな恋の詩をそらんじる三船はユーモラス。
外見は野人だけど、心は繊細という役を大いに楽しんでいる。
一部セリフが長くて冗長なのは三船の責任ではないだろう。

逆に外見は美麗衆目だが、頭の中はつまんないという美男子に宝田明。
しゅんとしてたんだなあ。谷原章介っぽい。

綺麗なベベを着て乞食する七重(淡路恵子)が顔立ちは好みじゃないけど、
犬とか猫とかと同じレベルで三船になついてる感じがかーいかった。
ロクサーヌの司葉子よりこっちの子の方が心を許せる感じ。
もうちょっと出番を増やしてあげたかった。

天本英世が最初に騒ぎを起こす徳川武士の中にいるらしいのだが、よく分からなかったのが残念。


◆『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』
五つ星評価で【★★リアル時代劇】
初見。
講談で有名な(らしい)荒木又右衛門の敵討ちをひたすらリアルに描く。
仇討の緊迫さはものごっついのだが、
仇を待つ時間が緊迫溢れる演出を施されながらジリジリと果てしなく長い。
キツかった。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

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或る剣豪の生涯@ぴあ映画生活
荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻@ぴあ映画生活

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2017年02月24日

『ホワイトリリー』を新宿武蔵野館3で観て、不快だけど強烈だふじき★★★

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▲おかめと天狗のキスの後ろに現われる般若。このあと激おこ!

五つ星評価で【★★★不快を通り越せるか越せないか】
映画を見るにあたって、人が絶望に沈んでいるとか、苦痛を強いられている様子とかを延々と見せられるのはキツい。サディストではないし、マゾヒストでもないので、そういうの全開でずっと泣き叫ばれるのは苦手。ごくごく一般的な感性だと思う。町中で子供が泣いているのも不快だしね。そう、とても不快な映画なのだ。
なので、映画の冒頭から終端まで、のべつまくなく顔が苦痛に歪んでいるこの映画はきつい。おで根性がないからレズ映画なら、ソフトなレズ映画が見たかったなあ。ホワホワ、プリンプリン、ウキウキ感、高そうな奴。

この映画のレズシーンは真逆。修羅の道的なレズシーンである。
主役の飛鳥凛と、彼女に君臨する非道な女王・山口香緒里。
オカメと般若のお面を付けてでもいるよう。
般若に支配されながら般若を愛する深情けのオカメが可哀想。
そこに乱入する若い男・町井祥真。これは天狗面だろう。
それぞれの微細な思惑はありながら、それぞれの基本的な感情トーンは変わらないので、
各自が般若、オカメ、天狗の面を付けたまま演じても成立しそうだ。
それはとても異常な光景なのだが、見てみたい気にもする。

しかし、主役の女性二人がとても「昭和的」に撮影されている。
場を支配する女王的な位置付けの山口香緒里はそれでもいいが、
若者なのに昭和っぽく、村の青年館で夜這いとかかけられていそうな
飛鳥凛の垢抜けなさってどうなんだろう。
説得力があるのだけど、良くも悪くも重く見える子だ(少なくともこの映画の中では)。

あと百合の花の中で一戦というレズシーンは、ちょっとその物すぎて引く。
その真逆で薔薇の花の中で男同士のホモシーンがあっても同じように引くだろう。
あまりにもあからさまな意味のグラフィック化って何の意味があるのだろう?

「不快」だったり「昭和的」だったりがマイナス要素としてぐんぐんポイントを上げてくるのだけど、メインの感情のぶつかり合いが御座なりになっていず、ちゃんと筋が通っているので、全体としてそれが「強烈」に昇華されていて、単なる失敗作には終わっていない。うん、でも、きゃははは、きゃっ、気持ちいい〜、あはん、あはん、みたいなレズ映画が見たいってのには逆らえないな。レズ映画に人生が付いてくるのは重い。もしかしたら、ロマンポルノ枠じゃなかっらOKだったのかもしれない。


【銭】
チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞(3枚目)。

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ホワイトリリー@ぴあ映画生活

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2017年02月23日

『刑事物語 小さな目撃者』を神保町シアターで観て、昔が面白いふじき★★

五つ星評価で【★★54分の中篇だが、ストーリーでビックリできないのがちょっと(当時の流行風俗とか見る分には面白い)】
1960年のモノクロ映画。もちろん初見。

映画に出演している役者で知っているのは益田喜頓くらい。
これが年配の叩き上げ刑事。
息子が本庁の刑事。
昔、少年サンデーで連載していた「親子刑事」みたいな設定だが、
親父がノンキャリアで、息子がキャリアと言うのは『踊る大捜査線』っぽくもある。
いやまあ、親子だからってだけでなく、みんな仲良く捜査してますけどね、この頃は。

その喜頓親子の所に倉庫番夫婦が殺害された強盗殺人が持ち込まれる。
被害者の一人息子はまだ小さくて事件について語れない。
喜頓刑事は子供をあやしながら捜査に乗り込むのだった。
ラスト子供の発言で容疑が急遽固まるのは、まあ、見えてるけどいいだろう。

容疑者(仲間割れで殺された被害者)の手帳から競馬場に張込を掛ける喜頓。
共犯者の顔も分からず、闇雲にかける徒労としか思えない張込である。喜頓が言う。
「だが、私はダメだと分かっても、ずっとこのやり方でやってきたんですよ」
99%無駄と分かっても、残りの1%に掛ける刑事魂が泣ける。

などという本筋とは無関係に面白かったところ。
・冒頭、ホテル聚楽のネオン。いつからあるか知らないけど何か凄い。
・子供が常時付けてるのが七色仮面のお面とマント。
 マントは七色仮面のロゴが入ったマーチャン・ダイジング商品。
 今では知る人ぞ知るヒーローだが、1960年にTV公開されて
 月光仮面と人気を二分する作品だったらしい。
 ちなみに七色仮面は東映、この映画は日活なので、系列頼りの起用ではない。
 それだけ違和感なく流行っていたという事だろう。
・ラスト、喜頓と子供との別れ。子供を迎えに来た祖母が使っていたのが蒸気機関車。
 そうだよなあ。1970年くらいまでは実稼働していたものな。
・脚本が昭和ガメラの高橋二三。大映の人というイメージだが日活でも書いてるらしい。
 ガメラの5年前の映画である。


【銭】
神保町シアターポイント5回分無料入場。

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刑事物語 小さな目撃者@ぴあ映画生活

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2017年02月21日

『セル』をトーホーシネマズ六本木6で観て、おうおうおうキングブランドしゃんふじき★★

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▲エス・キュー・ジャクソン

五つ星評価で【★★キングの豪腕炸裂】
ケータイ持ってる奴が全部亜流ゾンビになってしまう。
『キングスマン』の例のチップっぽい展開だが、
音声通話を掛けていたらという縛りがある。
ガラケーでもスマホでも、そんなに音声電話として使ってないだろうとは思うものの、
感染者が全力で使ってない人間を排除するので、一応まあトントンかと思わなくもない。
あのピーピーガーガーは携帯というよりはFAXだけど、
聞こえてくると納得してしまうのはそういう経験をみんな持ってるから。
FAXにそんなに親しんでない若い人は「あの音なに?」みたいな感覚かもしれん。

冒頭の空港大パニックから、話がいきなり始まってしまうのがいい。
あと、ゾンビもどきの生態が面白い。
でも、あのゾンビもどきが自生的な生物だとして、
あの後、一個の生物として、どう世界に浸透していくのか展望が全く見えないのが
ちょっと適当だと思う。

ジョン・キューザックとエドワート・ノートンの違いがよく分からない。
どちらかと言うと品がなさそうなのがキューザックか。吐いたゲロが酸っぱそうな方。

いつどこにいてもすぐ戦闘モードに移行できる便利なサミュエル・L・ジャクソン。
サミュエルは『キングスマン』で自分がばら撒いたチップのツケを自ら払わされるような役。

エスターちゃん、いい空気の女優になった。というか、大人になった。

前半のぶちかましはいいだけに、
それで締めるのかよというラストがブーイング大賞。
まあ、雑なのがスティーブン・キング脚本っぽい。


【銭】
トーホーシネマズ入場ポイント6回分を使って無料入場。

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セル@ぴあ映画生活

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2017年02月20日

『こんぷれっくす×コンプレックス』をトリウッドで観て、正しく戸惑ったよふじき★★★

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▲訥々すぎる二人

五つ星評価で【★★★腋毛と女の子という題材は押さえとかんといかんかなと足を運んだ。えーと、うん、まあ、そうだねえ。良くも悪くも真っ当だけど、踏み外してもらいたかった気もする】
女の子と毛という題材では松井大悟監督が『スイートプールサイド』で撮ってるので、同題材かと思ったが、あっちははっきり思春期のエロ。生えてる生えてないが男女逆で、思春期の男の子が女の子の毛に対して狂うほどフェチを募らせていく。うん、それはそれで清々しいんだけどエロ。こっちは女性監督目線なので女の子自身の発毛に注視は少なげな事もあって一般的な対男性顧客に掘り下げたエロよりも「そこを掘り下げるのか」というニュアンスの機微を見る映画になった。

題材は「腋毛」だけど、その「腋毛」を真ん中においてやりとりする男女の会話の初々しさは極めて少女マンガ的である。二人の間で語られる題材は「肉体の一部」なのだが、大事なのはそこでやりとりされる一喜一憂、この表現を細かく写実的に掬い取るのが少女マンガ的(女性的)だ。そして、彼女の対象に対する接し方は盲目的に突っ走る事はなく、案外冷静だ。
少年マンガ(男性的)は違う。エロならエロで心のやり取りとかはすっ飛ばして一直線だ。ためらう事よりも関係性を先に進める事の方が大事なのだ。

なので、この物語の中の主人公の彼女は自分の関心に自覚的でありながら、それを楯に取って男の子を暴力的に一方的に好いたりはしない。それは女の子がスイーツに関心を向けるのと同じくらいの好奇心なのではないか。スイーツは好きでも、好きが色々ある中の一個である。
なのに、男の子の方は、「自分の身体に興味がある=自分の心にも興味がある」、泣きたいくらい全力で突っ走ろうとする。可愛いけど脱輪する事が分かってる電車を見てるみたいで切ない(それは私が野郎だから)。

プレスコ方式(声の先取り)で取った朴訥な少年少女のぎこちない発声が、逆にエロくて可愛い。それは私が野郎だから、エロく考えたい時は全力でエロく考えるから。
難儀やなあ、野郎って。
そういう難儀な野郎の第一歩勘違いとして、男の子には女の子の発毛した脇を5時間くらい「ねぶる」とかさせてあげたい。させてあげた時点で、話は終わってしまうけど。

主役の男の子女の子は朴訥なのをオーディションで浚ってきた風な事を監督が舞台挨拶で言っていて、その期待を裏切らない、いい意味での訥々とした声だった。
三人目の中学生は春名風花、あのツイッターで物凄く正しい事を言うハルカゼちゃんじゃん。主人公に対比される普通の女の子役を凄く安定感がある声で演じている。プロだからな、この子は。

監督が舞台挨拶で、新海監督が映画を見に来て褒めたけど、それが自分が思ったような大騒ぎの動員には結びつかなかったと言っていたが、私か最初にトリウッドで新海監督の『星のこえ』を見た時も割りかし入りはポツポツだった訳なので最初はそういうもんじゃないかしら。

あれか、新海監督みたいに宇宙で行くか。
「腋毛×宇宙」
あー、まったくわかんねー。


【銭】
番組価格900円均一。

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こんぷれっくす×コンプレックス|映画情報のぴあ映画生活
▼関連記事。
スイートプールサイド@死屍累々映画日記

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2017年02月19日

『マグニフィセント7』を109シネマズ木場4で観て、好きになりたかったのにふじき★★

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▲7人

五つ星評価で【★★出来れば好きになりたかった】
『七人の侍』は偉大なる傑作だし、
『荒野の七人』はクリーンヒットな佳作だと思ってる。
そいで、今回のはちょっと前に『七人の侍』を見直してしまったのがいけなかった。あんな面白いのを見てしまうと、やはり通り一遍の物語では対抗できない。

もっともあかんと思ったのは七人のガンマンは外見的な個性はありつつも、内面的な個性が今一つよう分からんかった事だ。この点、原典は逆。侍たちは似たり寄ったりの面々なのだが、その活躍や行動で自分達の存在を立てていく。
侍の陣容は参謀、参謀の昔からの忠臣、参謀を見初めた参謀と同じ実力を持った副参謀、剃刀のような剣客、明るい薪割り武士、若者、荒くれ者。
ガンマンの陣容は(宣伝文句によると)賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、暗殺者、流れ者、ハンター、戦士。いや、このキャッチフレーズでは違いが明確に浮かばない。
言い換えると、賞金稼ぎの黒人、酔っぱらいの荒くれ者、黒人の昔の仲間とその相棒、メキシコ人の悪漢、田舎者デブ狩人、インディアンの無口な若者。内面より外観が多いな。そして、その外観に基づく個性があまり見えてこない。

原典の七人は七人に限らずお人好しだ。日本人ってお人好しが多いのだ。だから、悪態を付く駕籠かき同様、百姓に肩入れせずにはいれない。理屈的にはバカな事だ。でも、情がその理屈を捩じ伏せる。そういう七人だった。

ガンマン達は何でこの作戦に志願したのかがよく分からん陣容だ。黒人の賞金稼ぎは直接、被害者を見てるからまあ、いいとしよう。彼の昔からの仲間とその相棒もまあ、黒人を知ってる仲だからギリよしとしよう。酔っぱらいの荒くれ者(ギャンブラー)、こいつは分からん。酒場に酔っぱらいなど転がってるだろうし、彼の態度が黒人の行動に心酔したようにも見えない。単に後ろを付いてくる酔っぱらいって逆にイヤだろう(たまたま腕が良かったからプラマイゼロだけど)。普通に考えたら、この酔っぱらいは黒人を見初めたホモでしかない。メキシコ人の悪漢は全く彼が行動を共にする理由が分からないし、狩人も何となく、にしか見えない。何だ洗脳か。インディアンは神の啓示だからオカルトである。それはまあ、逆にありか。
彼等は烏合の寄せ集め集団であるが、彼等同士の関係や彼等と町人の関係もよく描かれていない。最近は黒人のガンマンも描かれるようになったが、メル・ブルックスの西部劇コメディー『ブレージング・サドル』で黒人の保安官が赴任地でいきなり縛り首にあったように、黒人が根差していない土地ではうさんくさくて信用されづらいだろう。ぱっと見町人に黒人の姿は見えなかった。そういう所で反対派の彼等に近づく賞金稼ぎの黒人、普通に考えたらそいつは支配者側のスパイだ。何故すんなり信用してしまうのか、よく分からない。だって黒人は侍の参謀のような人徳者にも見えないんだもの。酔っぱらいは私の中では普通にダメ人間だし、メキシコ人や、インディアンなんて通常だったら町人に仇名す存在だろう。こんな、いつ裏切るか分からない奴らを寄せ集めて戦えるのか。
とりあえずなし崩し的に戦ってしまうのだが、よく分からないのは村の備蓄を守るという理由のある侍と違って、ガンマン達は何を目的に戦っているのかがよく分からない。町人を殺させない為であるなら失敗してるし、悪党を壊滅させる為なら、そういう消耗戦に乗り込んでいく悪党がバカすぎる。そんなの親分は避暑地でクータラして、下っ端だけ戦わせて相殺させて全滅させればいいのだ。わざわざ殺されにノコノコやってこなくていい。刀と違って、銃は遠方から一発でも当たれば流れ弾でも死亡する。そんな所に一番いい標的がネギしよった鴨になって挨拶しなくていいだろう。単に近寄らず逃げとけばいいじゃん。金持ち喧嘩せずだよ。

みたいな流れでガン・アクションはいいんだけど、全体の構成がガン・アクションを単に成立させるためにお膳立てされたように見えて乗れなかった。

うん、あのガトリングガンは大好きよ、本当。


【銭】
109シネマズのポイント6ポイントを使って無料入場。

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PS リメイクのリメイクでもう一回江戸時代に戻って。
 温泉の採掘権利を争う『髷に銭湯7』はどうだ!
PS2 いいないいな人間

▲マグニフィセント7善玉の人間感覚。

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2017年02月18日

『青鬼 THE ANIMATION』を東宝シネマズ新宿1で再見して、見るべき部分がラストに結集だふじき★★★

五つ星評価で【★★★ラスト5分を再確認】
基本的に、大した作品ではない。それは覆されなかった。
でも、引っかかる物があってもう一回見に行った。

何で、こう退屈なのだろうか。
惨劇が始まるまでが長い。ラストの伏線回収のために餌をまき散らしてる状態だが、民研の会話のみで行われるこのパートがキャラクターの説明も兼ねるためか、冗長でダイナミックさに欠ける。話してるだけだから、よっぽど特殊な演出をしない限りダイナミックさは生まれようもないのだが、もう、ただひたすら平坦。民研のキャラ5人はそれぞれに類型的でつまらないのだが、彼らと対をなす正体不明の三年生・立花が正体不明で接点もないのにただ嫌われているという理不尽。

青鬼の見た目はゲーム仕様まんま(ゲームやっとらへんけど)。
青鬼の見た目より、血のギミック演出等をしっかりしてる感じ。
ある意味「死」に対して、とても公平なのだが、惨殺シーンは殺される側が誰であるかに関わらず、非感情的に物のように殺す。殺す側の論理に従って殺していると言っていいだろう。
それはとてもリアルである。ただ、殺される側視点で考えると、会話シーンで不必要に濃いキャラの関係性をうたっていたにもかかわらず、誰が殺されても「誰かが殺された」という風にしか認識しないよう話を作りこんでしまったのは失敗に違いない。
「あの誰々君が好きだった誰々さんが殺された」というロジックは全く採用されず、「ともかく殺されてるのは誰々さんで、次は自分かもしれない」という恐怖心のみで全員が行動してしまう。リアルではあるけど、みんな青鬼以上にゆるふわで鬼畜じゃないか?

そして怒涛のように一気に流れ落ちるエンディング。これがやはり気持ちいい。
至高の絶望感が浸れてしまってたまらない。

割とどうでもいいゲーム「青鬼」を使って、元のゲームとは異なる世界観を「こっちの方が上等だろう」と叩き付けたヤンチャ振りも元がグダグダだから全然良いと思う(『Wの悲劇』かよ!)。


【銭】
番組特別価格1200円均一。

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青鬼 THE ANIMATION@ぴあ映画生活
▼関連記事。
青鬼@死屍累々映画日記
青鬼ver2.0@死屍累々映画日記
青鬼 THE ANIMATION(一回目)@死屍累々映画日記

PS 東宝さんがシネコンの全力をあげて推してるのはわかるけど、
 「青鬼」のお客に「La La Land」の予告を見せなくてもいいんじゃないかと思う。

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2017年02月15日

『めぐりあう日』『アスファルト』をギンレイホールで観て、全くフランス人って奴はふじき★★★,★★

おフランス映画二本立て、で良いのかな?

◆『めぐりあう日』
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▲美しい方はより美しく、そうでない方は、それなりに映ります。

五つ星評価で【★★★とことん主人公に共感できない】
産みの親を探す主人公。
彼女自身も子持ちであり、この産みの親を探す旅のために
彼女の息子と父親の別居を余儀なくする。
まあ、それは百歩譲って良いにしても、
彼女が産みの親を探し出して、その後どうしようという部分が見えない。
探し出しさえすれば感動の対面が行われ、全てが上手く行く事を信じているかのようだ。
彼女は実母との対面に漠然とした甘い飴のような幻想を抱いているようにしか見えない。
そんな漠然とした物のために、不便を強いられる夫や息子が単純に可哀想だと思う。
そして、見つかりそうになったその時、彼女はブルーになって拒絶するのだ。
ヤケのヤンパチで夫を裏切るわ、堕胎はするわ、
もう彼女が何をどうしたいのかが全く分からない。
それなりの覚悟があって探した訳じゃないのか?
その覚悟を覆すほどリアル実母のダメ加減落差がひどかったのか?
それは目標設定高すぎだろう。少女マンガじゃあるまいに。

最終的に主人公は、「めぐりあう日」を迎えるのだが、
その後どうなっていくのかは物語としては語られない。

実母のたるんだ腹や老齢故の引き締めようのない肉体が、
それなりに嫌悪感なく見れるのは、
フランスにそういう文化(老齢者の肉体の美しさを賛美する文化)があるからだろう。


◆『アスファルト』
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▲車椅子の男×夜勤看護婦

五つ星評価で【★★小品というより小物】

団地を舞台にした三つの出会いの物語。
「おしゃれ」と言うよりは
「ありえなさげだけど一個ネジが飛んでて軽くてポップ」調なお伽話。
なんか、こーゆーのも面白いと思うんですけど、
どーでしょーみたいなオズオズ感を感じて、えーと、えーと、と戸惑ってしまった。
三つの出会いは同じ団地を舞台にしているだけで、直接の接点はないのだから
別に3本の短編映画でもよかったのではないだろうか? あかん?

鍵っ子×昔の女優
車椅子の男×夜勤看護婦
移民×宇宙飛行士

眠気が勝って、どれがお気に入りと言えない状態。
まあ、車椅子かな。一番、感情が乱高下するから。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
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めぐりあう日@ぴあ映画生活
アスファルト@ぴあ映画生活

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2017年02月14日

『黒執事 Book of the Atlantice』『破門 ふたりのヤクビョーガミ』をmovix亀有4,1で観て、どちらもおもろいやんふじき★★★,★★★

◆『黒執事 Book of the Atlantice』
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▲そんなんバカにしたもんでもないで。
五つ星評価で【★★★おっ意外と面白いじゃん】
原作未読。
予告編を見て、少女マンガ調の美形キャラが山ほど出てきてポーズ取るような、いわばニチアサのホスト男優いっぱいいっぱいの状態にちょっと辟易してたんだが、実際に本編を見るとそんなに不必要に美形がボコボコ出てくる訳でもなく(と言うか老齢以外の不細工はいない世界なのだが)見所もあって、そこそこ面白かったりした。
ただ顔見せで出てる感の強いWチャールズ(女王付き)とドルイット子爵(医者)なんかはいらんメンツだろう。美形悪役を隠すならイケメンの中という事でストーリー上の弾幕変わりに連れてこられてるのかもしれないが最終的なフォローも薄いし、やっぱいらんのじゃないかなー。

タイタニックにゾンビと黒執事と死神の揉め事を突っ込んだというコンセプトだが、ゾンビが話のあちこちでいつもウロウロしてるのはけっこう邪魔。確かにゾンビってモブ群衆その物で、いつでもどこでもウロウロしててしょうがない存在なのだが、場面場面で制圧してゼロクリアとかしてしまえばいいのに。

人を越える存在の悪魔(=黒執事)と同レベルの死神を複数連れてきてしまったので、ある意味、セバスチャン(=悪魔=黒執事)の優位性は頭打ちになった。だからこそ、セバスチャンが相手に記憶を読み取られるという事態にもなるし、あの記憶の描写はなくても成り立つがなかなか親切でいい出し物だった。ただ、それでも最後に一番の優位性を示すのは主人公であるセバスチャンでないといけないのではないか。そこはちょっと薄めだったと思う。ちょっと登場人物を多くし過ぎて話のバランスを失ってしまったのだろう。

話の中ではリズのエピソードが一番グッと来た。
誰もが自分にありすぎる物を嫌悪し、自分を変えたがっている。
でも、他人に見せたくない自分を晒してでも
その人を失う訳にはいかないというのは、実は恥ずかしいくらい「純愛」で、
そういうのをこういういかれた話の中心に「ドボン」と投入されるのはたまらない。
逆にその「純愛」の対極が赤髪の死神で、あーゆー五月蠅いのが跳梁跋扈してるから
リズの「純愛」が生きるのかもしれない。

葬儀屋もなかなか。抜け目のない感じの演技がすんげー声優さん上手い。

主人公サイドから見て、今回の劇場版は「引き分け」ないしは「負け」でしかない状況だが(散々苦労した挙句、首謀者を捕まえられず、ほうほうの体で辛うじて生き延びた)、シエルとリズの関係性が強まったラストを見るのは観客として全く悪くない。


◆『破門 ふたりのヤクビョーガミ』
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▲相変わらずジャニさんの映画の写真は少ない。北川景子単体の写真すらようけない。
五つ星評価で【★★★ノリ】
冷静に考えると、同日鑑賞の『黒執事』同様、これも主人公二人が詐欺師にヒドイ目に会わされて、ほうほうの体で帰ってきて、元から持っていた物を剥奪されたりもする、どちらかと言うと負け試合な話だ。その詐欺も大したコン・ゲームが展開される訳でもないのだ。それでも面白いのは『黒執事』同様、勝ち負け以外でグータラビンボー兄ちゃんの成長が見えたり、イケイケヤクザの不撓不屈が見えたり、その辺が負けムードを取り払っているからだ。そしてノリがいい。テンポがいい。すーっと進む。これが大事。

主演の二人は佐々木蔵之介と関ジャニ∞の横山裕。
横山裕なんか等身大でいつも通りだろうけど、
佐々木蔵之介はビンビンにヤクザで思ったより似あう。
いや、本当、演技がいいんだと思いますわ。

出番が少ない中、いい空気だしてるのが北川景子とキムラ緑子。これ、普通の人の役だからかな。
國村隼(ペルグリン國村(笑))、木下ほうかなんていつも通りヤクザだものなあ。
宇崎竜童なんてゴジラと戦った経歴引っ提げて今回はヤクザ。抑えみたいな役だったけど、ゴジラとタイマン張ったなんて経歴そうそう持ってないから、、、北川景子がセーラーマーズのコスプレで宇崎竜童に捕まってヒロポンとか打たれながらガンガンやられちゃうなんてムービーを涙を流しながら見たい気がする。それで借金で固められた橋本マナミとレズのAV撮らされたり。あー闇の連想が止まらん。その頃、橋本功はドッグフードの材料としてその一生を終えました、見たいな。

あっ、一見「清楚」にしか見えない佐々木蔵之介の内縁の妻役、中村ゆりは案外背中にもんもんとかしょってそう(はないにしても昔レディースの総長だった過去くらい持ってそう)。

橋本功は別に問題はないけどいつも通りだ。『家族はつらいよ』と何ら変わらない。サングラスかけてるくらいの違いだ。西田敏行でも全然OKな気がする。


【銭】
『黒執事 Book of the Atlantice』:新聞屋系のロハ券もらった。
『破門 ふたりのヤクビョーガミ』:新聞屋系のロハ券もらった。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
黒執事 Book of the Atlantice@ぴあ映画生活
破門 ふたりのヤクビョーガミ@ぴあ映画生活
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2017年02月13日

『アラバマ物語』をトーホーシネマズ日本橋3で、『特別機動捜査隊』を神保町シアターで観て、超絶とアレレふじき★★★★★,★★

同日鑑賞映画を2本並べてレビュー。

◆『アラバマ物語』
五つ星評価で【★★★★★うおおおおお。映画史上の名作と言うからには毎回これくらい面白いのを持ってきてもらいたい】
旧作なれど初見。
グレゴリー・ペックのお父さん弁護士が息子と娘に黒人弁護の裁判を通じて、自分の仕事を背中で語る。まあ、なんつーか、傑作と言って間違いない。
映画は語る。正義は理想であるが、常に執行されるとは限らない。
それでも、前を向いて正義の執行を務めようとするペックの雄々しさよ。
劇中の人物に苦々しく語らせる。
「それはとても大変な事なのだけど、誰かがやらなければいけない事」をペックがやる。
そして、それをあざ笑うかのように降りかかる法律的な正義が全てではない事件の勃発。
その事件の中で、人道的な正義を貫く事を決意するペック。
これは難しい選択で、黒人裁判で黒人を迫害する立場にいる者達も、
彼等の中では彼等なりに人道的に正義を貫いている筈なのだ。
全ての条件に合う正義はないのかもしれないが、
一つ一つ納得しながら、納得させながら歩く
ペックと子供たちの姿はとても正しくてよかった(最近「正しい」が不足してる)。

ラスト近く、ホラー映画みたいな演出もあり、一つの映画で
・裁判劇
・家族映画(子供の成長)
『シザーハンズ』を思わせるファンタジー
のさんようそを味わえるお得な映画。

映画内でアメリカのハロウィン風景がちょっとだけ描かれるが、
小学生低学年女子の仮装が「ハム」。
自分で仮装しておいて、「こんな恥ずかしい仮装」とか愚痴ってるのがおもろい
(愚痴るには愚痴るなりの理由があるのだが)。

この映画を見てハムに欲情するようになった変態がいたら、
それはそれでギリOK(いやいやいやいや)。

原題は『To Kill a Mockingbird(マネシツグミを殺すこと)』
何故、この題なのかは映画を見れば分かるし、それでは客の誘導が難しいのも分かるが、
『アラバマ物語』という邦題は何も表わしてなく、ちょっと最低ランクだと思う。


◆『特別機動捜査隊』
五つ星評価で【★★菊池俊輔の音楽がキャバレーチックでステキだが、まあ、それくらいかな】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
旧作なれど初見。
TVの「特別機動捜査隊」を見てなかったから、あまり感慨深くないのはこっちの事情。ただTV版とはキャストが異なる『ショムニ』状態との事。
千葉真一が出てるけど、他の刑事と走り回ってるだけで、特別なアクションはなし。
冒頭セーラー服の娘がD51に日暮里近辺で轢殺される。直接の轢殺シーンはなく、モンタージュでそう伺わせるだけだが、あの力強い蒸気機関車にバラバラにされるうら若き女体を思うと(*´Д`)ハァハァ あっ、特別な理由はないのだが、足が不自由な美人女優が出てきて(*´Д`)ハァハァ。
D51に轢かれるのは田村雪枝。ちょっと若さを感じない古いセーラー服だった。
足が不自由な美人は中原ひとみ。彼女の方がセーラー服が合いそうだ。
「特別機動捜査隊」があっちこっちに行っては事情聴取をして、連鎖反応的まラッキーで犯人にまでたどり着く。なんか選択肢の少ないロールプレイングゲームみたい。
悪役の浜田寅彦が晩年同様悪役なのだが、シュンとしてて流石に若い。


【銭】
『アラバマ物語』:午前10時の映画祭料金1100円。
『特別機動捜査隊』:神保町シアター一般入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
アラバマ物語@ぴあ映画生活
特別機動捜査隊@ぴあ映画生活

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2017年02月12日

『青鬼 THE ANIMATION』を東宝シネマズ新宿1で観て、エンドロールの気持ちよきこと★★★

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▲「どーんッ」みたいな絵。

五つ星評価で【★★★ラスト5分で世界観を塗り替える冴えがある】
60分の中篇だが中の50分くらいは退屈感がかなり強い。
CGモデリングで作られたキャラは現実寄りで整いすぎててアクが弱く、
民族学研究部が追う謎も通り一遍そんなに興味を引かないし、
彼等の住む学校が異界に姿を変えるキッカケも雑じゃないかと思う。

でも、見終わるとラストに鮮やかに塗り替えられる世界観と
その世界観に高らかに鳴り響くエンドロールに大層気持ち良くさせられてしまった。
志方あきこが歌うエンディング主題歌「隠れ鬼」は神曲。

最後の方である人物が踊る踊りのリアルな薄気味悪さと言ったらない。
「青鬼」自身は「タイトルにあるから出てきたなあ」という感じ。
やはり、実写にあのパースの乱れた異形が出ていた事に比べると、
ちゃんと描写はされているが、インパクトは薄い。
でもまあ、出さん訳にもいかんから、あれはあれでいいでしょ。


【銭】
番組特別価格1200円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
青鬼 THE ANIMATION@ぴあ映画生活
▼関連記事。
青鬼@死屍累々映画日記
青鬼ver2.0@死屍累々映画日記
青鬼 THE ANIMATION(二回目)@死屍累々映画日記

PS それにしても実写版青鬼は2本とも酷かったから、こっちの方がいかほどマシか。

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2017年02月10日

『魔法使いの嫁 星待つひと:中篇』を新宿ピカデリ−7で観て、相変わらず商売としてアコギなんちゃうかふじき★★

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▲三浦と、ちせ

五つ星評価で【★★今回も作品はともかくとして】
大雑把な雑感は「前篇」と同じ。
最初に感じてしまうのは、作品がどうのではなく、
興行についての貧弱さというか、貪欲さ。
作品について語ろうとする前に、作品が終わってしまうという面もあるが。

前回、興行の長さとして以下にあげるツイッターの自分の呟きを載せた。

「魔法使いの嫁・前編」上映時間50分、予告抜かして40分、メイキング抜かして30分。それでパンフ1600円取るってボロ儲け具合がヒドすぎるな

今回、パンフは未確認(雪降ってたからとっとと帰った)。
19:50スタート20:43には終わってた。
すると、上映時間53分、予告抜かして43分、今回はメイキングはなかったが、フラッシュアニメが10分、前回前篇の粗筋が同じく10分というところか。すると本編は正味23分。まあ、目分量なんでもちっと長短あるかもしれないけど、短い。

これだけ短いと「飽きる」とか「展開がダラダラする」前に終わってしまう。
実際、「前篇+中篇+後篇」で一本にして90分程度で1800円取るならそう、悪い気はしない。コンテンツとしてはよく出来ているから。それを小出しにするのは良くない。単純に一度に見た方が面白い話だと思うから。分けた状態が「正」ではないのだ。

物語の全貌は見えながらもまだ分かりきってはいない状態だが、
「つまらない、面白い」で言うと「面白い」側。
日常生活に滲み出てくる化け物の描写が怖すぎる。あの怖さは買いだ。
あと、このスピンオフにだけ出てくる三浦理一と言うキャラが割と薄気味悪い。
人格者に見えるし、主人公の心の逃げ場所になっているから、悪人ではなさげだが、
言動に奇怪な点があり、安心しきれないキャラとして描かれている。

ただまあ、森の閉ざされた図書館で成人男子と幼女の組み合わせで
鍵を閉めて二人きりでは彼の本質がどうであれ、世間は許してくれまい。


【銭】
特別価格1000円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
魔法使いの嫁 星待つひと:中篇@ぴあ映画生活
▼関連記事。
魔法使いの嫁 星待つひと:前篇@死屍累々映画日記

PS 映画終わって帰ろうとしたら、顔が骨のエリアスさんが来日してるというので
 握手してから帰った。エリアスさん、目が見えづらそうだった。

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2017年02月09日

『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』をユーロスペース1で観て、『いろはにほへと』『機動捜査班』を神保町シアターで観て、えー・よし・えー、てなとこふじき★★,★★★★,★★

同日鑑賞映画を3本並べてレビュー。

◆『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
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▲真ん中が達人。
五つ星評価で【★★他の人はどうあれ、ともかく私は後半ダレてしょうがなかった】
武侠映画巨匠キン・フーの凄い原典映画。
冒頭から『ワンス・アポン・ア・タイム・インチャイナ』のテーマが流れて気分が上がる。
あれは中国の伝統舞踊劇か何かの定番音楽らしい。
この映画は初見だけど、リメイクの『ドラゴン・イン』は見ている。
えーっと、こんな話だっけ。全く覚えてない、ごめんよ、ツイ・ハーク。

日本でいうところの悪代官が囚人として移送される善人姉妹を愁いをなくすために亡き者にしようと宿屋「龍門客桟」に暗殺者を送る。「龍門客桟」では、姉妹を助けるために凄腕の剣客が集まりつつあった。というのが大筋。
前半、宿屋の中で、それぞれの立ち位置も分からずソフトに騙し合う部分が絶妙に面白い。
後半、それぞれの関係が全分かりになった後、ただひたすら戦い続けるのは限度を越えた長さでダレる。この無駄に長いラストのアクションは初期のジャッキー・チェンの功夫映画にも無駄に引き継がれてしまったと思う。

古いだけあって、アクションがゆっくり(ある意味リアル)。
引き合いに出すの申し訳ない感じだけど、昭和のオリジナル「仮面ライダー」くらいのスピード。カンフー映画も進歩したなあ。

プロットがタラちゃんの『ヘイトフル・エイト』に似てるのはタラちゃんが知っててパクってるのだと思う。


◆『いろはにほへと』
五つ星評価で【★★★★伊藤雄之助と佐田啓二って組み合わせが憎い】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
悪人顔の伊藤雄之助が刑事、善人顔の佐田啓二が詐欺師。
ともかく徹底的にワイロ方面を遠ざける伊藤雄之助の慎ましすぎる生活が悲しい。
その逆で決して悪人ではない詐欺師・佐田啓二の苦悩も悲しい。
人の為に行っている事業が、株の大暴落で見通しが立たず、政治家には食い物にされる。
佐田啓二はやり方を間違えたが基本的には悪人ではないのだ。
それでも、佐田啓二は自分が生き残る為に、伊藤雄之助を凋落させなければならない。
この時、伊藤雄之助が泣きながら怒る。はした金を持ってきたなら凋落されたかもしれないが、何でこんな大金を持ってきたんだと。それはあまりに馬鹿にし過ぎじゃないか、と。これは分かる気がする。爪に火を点す様な生活を少ない給金でしているのに、そこにいきなり「仕事」ではない「自分の心を裏切る」だけの代金として大金を提示される。貧乏人に取っては人が生きる死ぬに関わるような金であっても、単に人の心を買収するだけのようなごく小さな事に大金が使われる。金は流通しない所では重用されるが、流通する所では紙束のように扱われる。それが悔しい。自分の労働の対価の何と低い事か。それは自分の仕事や生活を否定されているのと一緒である。

題材が投資信託で、リスクの説明責任が必要みたいな話になってる。
投資信託あかんねんなんて事件は近々にもあったよなあ。
捜査二課(対詐欺犯罪)が脚光を浴びる珍しい映画。


◆『機動捜査班』
五つ星評価で【★★大して機動捜査しない機動捜査班】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
「機動」が付いてるので「モビルスーツ刑事」みたいなのかと思えばさにあらず。
敵対するヤクザ組織を手玉に取る謎の男に丹波哲郎。
『用心棒』みたいなのに、やってる事があくどいからスッとしない。
捜査四課(対暴力団犯罪)を描くのだけど、
どうも犯罪組織側にいいように扱われて、
タイトルの「機動捜査班」があまり活躍できてない。
手柄を立てないでもないのだが、かなり行き当たりバッタリである。


【銭】
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』:ユーロスペース会員割引1700円→1200円。
『いろはにほへと』:神保町シアター一般入場料金1200円。
『機動捜査班』:神保町シアターポイント5回分無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
残酷ドラゴン 血斗竜門の宿〈デジタル修復版〉@ぴあ映画生活
いろはにほへと@ぴあ映画生活
機動捜査班@ぴあ映画生活

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2017年02月07日

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』をトーホーシネマズ日本橋7で観て、あかん設定に置き去りにされたふじき★★

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▲これはこれでデートだよなあ。

五つ星評価で【★★ペレグリンと子供まではいいが、敵と怪物の設定とかがよう分からんかった】
もう大概は仕事で身体をボロボロに蝕まれるような状態にさせられているのに、映画を見に行くという求道者のような生活を送っているのだが、周りにいる他の観客の方々がどうだかは分からないけど、私は物語世界の全貌と言おうか、設定をよく把握できなかった。

ペレグリンさんという人が日常世界では暮していけない少年少女を集めて、時間的な閉塞空間「ループ」に隠れ里のように隠遁生活をしているというのはまあ、いいんですが。その敵の白眼とか怪物ホローとかがよう分からない。
映画見ただけで全然分からなかったので(バカだから)、設定をぐぐったら、出てくる変異は白眼、ホローも含め、少年少女達と基本同じものらしい。怪物ホローも白眼も実験による障害で人間の外観から離れてしまった。両者とも脳力者の目を食らう事で常態に戻る。理由はあるのかもしれないが、よう分からん。なんか『西遊記』の妖怪が三蔵法師を食べる事で永遠の生命を得る、みたいな曖昧な設定に近い。リアリティーがないな。ホローって映画観客には見えるが、映画内の人間には見えない。で、ループの中に入ってくるのをミス・ペレグリンが抑えているという設定があるから、少年少女の安全はそこそこ確保されていたものの、それだったら、ループの外にいる白眼とかはもっと危険な目に合ってる筈じゃないだろうか?

ティム・バートンが好きな異能者の哀しさとか、
そういうのは別に否定しないけれど、
ずっとそれだからもう少し違う物を作ってもいいんじゃない?
異能者の着る服がその時代に合わせているからだろうけど、
古色蒼然としたクラシックなのは、親がいなくて、
祖父祖母に育てられた感を強めている。

絵は面白い。特に空気を操る少女が絵としておもろくてお気に入り。
あと、ホローのデザインも素晴らしい。


【銭】
トーホーシネマズのポイント6ポイントを使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 「ミス・ペロペログリングリン」だったら果てしなく洋ピンっぽかった。
PS2 最後のループを何回も経由して自分の行きたい時間・場所に辿り着くという
 部分を見て「まんま少年隊の『19』やな」と面食らった。「ペレグリン」も
 原作があり、どっちが前か後かは分からないし、単なる偶然なのかもしれないけど。

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2017年02月06日

『僕らのごはんは明日で待ってる』『ドクター・ストレンジ』『ザ・コンサルタント』をトーホーシネマズ新宿12,3,8で観て、惜しい,中々,やりよるなふじき★★★,★★★,★★★

◆『僕らのごはんは明日で待ってる』
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▲この中に一緒に入りたい。
五つ星評価で【★★★謎が謎として機能しないもどかしさ】
んもうともかく、ティーンの男女が向きあってる映画が出来るとタイムトラベルか難病物って企画の貧困はどうにかならないのか。いや、百歩譲ってタイムトラベルと難病物でもいいんだけど、あまりにテンプレートな出来だと浸れない。なんか企画として成立するようにプラスアルファを付けないといけないだろう。こんなの核の部分、30分の話じゃん。
これがずば抜けて悪い訳ではない。でも、製作委員会でみんながちょっとずつお金出し合って、損しないようにヒット要素の高いテンプレートの話を見つけてきて、それが同じような時期に大量に公開して埋もれるって状態に軽い絶望を感じてしまうのだ。お前ら、本当にサラリーマンだよなあ。もっとでかい企画練れんのかいのう。

シャキシャキして物おじしない新木優子ちゃんのキャラはよかった。
意外とああいうズケズケ、角が立ちそうな言い方をする女子がヒロインの映画ってないと思う。『ヒロイン失格』とか、ちょっと要素あるかもしれないけど、あれは桐谷美玲の顔芸付けて心情を誇張してるが、対男子的な態度としては男の子に好かれるソフトな受け答えだった。

それに応じる男子、中島裕翔くんはゆったり無能キャラ。イライラさせられたのは役を上手く表現していたからかもしれない。ハグの境目て相手への愛情を表わすのは(脚本が)上手いと思った。ちなみにツイッターで流れてきた情報によると、たった30秒のハグをすることで、一日のストレスの3分の1が解消されるとの事。この映画のハグ、なかなか心情と理屈に合っている。

恋愛体質が高すぎてうざい美山加恋も、何気にとてもいい奴な岡山天音もいいキャラだが、キャラとしては人を二三人殺してでもいるかのような無頼臭をぷんぷん撒き散らしている片桐はいりが最高にいい。

米袋ジャンプの接触と吐息と転倒がSEXみたいで、あれで一時間くらい持たせても俺的にはそこそこいいかもしれん。

『僕らのごはんは明日で待ってる』というタイトルは考えれば、ああそうかもと思うけど、ちょっとストレートに頭の中に沁み込みづらい。いっそのこと『僕の彼女はケンタ憑き』とかでいんでね?(テキトーすぎ)

いつも上から見守ってくれる彼女と対等な位置に上るために彼氏が学習する映画。

PS 大好きな『箱入り息子の恋』の監督作品なので評価甘くしてしまった。


◆『ドクター・ストレンジ』
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▲鋼の錬金術・・・ゲホゲホゲホ何でもないです。
五つ星評価で【★★★LOVEがないんだな、ピーター・セラーズじゃないからね】
ドクター・ストーブとドクター・レンジが合体してドクター・ストレンジになる。
家電かよ!
交通事故により両腕の繊細な動きを封じられたベネディクト・カンバーバッチのドクター・ストレンジが猛勉強で魔術を体得し、宇宙を滅ぼそうとする者と戦わざるを得なくなる映画。

あの万華鏡みたいなビジュアルが強烈に魅力的。
ラスト、ラスボスとストレンジがトンチ合戦みたいな戦いをするのだが、
あれ、ラスボス、頭、わりい〜と思った。
アレを解決する為には、トム・クルーズの『オール・ユー・ニード・イズ・キル』とか『亜人』を読んで研究すべきだ。もっとも、あのでかい図体でトンチに勝とうなんて「大男総身に知恵が回りかね」で、ダメだろう。大体、通常、小さい動物の方が心拍数も早く、体感時間もそれに基づいて早いと思われている。

ベネディクト・カンバーバッチがちゃんと役柄にピッタリだったのは驚いた。
多分、元のアメコミとビジュアルは全然違うんだろうけど、エンシェント・ワンを演じたティルダ・スウィントンの人間を越えてる感じは本当に良かった。

でも、『地球が静止する日』の監督なんだから、あのつまらなさと比べたら、ムチャクチャOKでグッドだ。

自分を知るために勉強する物語。
また、自分と世界の付きあい方を模索する映画。

PS ・・・
 「ミスターでもマスターでもない!」
 「ああ、あの怒ると青色の巨人になる……」
 「アバター・ストレンジでもない!」
PS2 なついてくるのがマントでよかった。キルトとかだと悲惨。
PS3 書庫番が『ビー・バップ・ハイスクール』に出てきそうなデブだと思った。
ビーバップハイスクールでぶ
▲ネットから適当に拾ってきたデブ。

◆『ザ・コンサルタント』
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▲噂の二人。
五つ星評価で【★★★自閉症の暗殺者って設定にビックリ】
原題は『The Accountant(会計士)』、これが邦題だと『The Consultant(コンサルタント)』。いや、職業違うだろ。会計士が会計上のコンサルティング業務がないとは言わんがやっぱりそれはそれ、これはこれだと思う。「Accountant」が分かりづらいなら『会計士』がベスト選択だったと思う。ちなみにワースト選択は『ベン・アフレックの赤ウータン』。何じゃそりゃ。

この映画のベン・アフレックが地下鉄に乗って痴漢冤罪にあったら申し開きできなくて逮捕される。そしてクルクル表情の変わるアナ・ケンドリックを痴漢してこたいとも思った。って、本編感想が下ネタからかよ。

会計士で暗殺テク持ってて、自閉症ってキャラの塊が主人公。
自閉症の観客が見たベン・アフレックの演技は最強に自閉症なんだそうだ。
この自分のルールを曲げられない主人公を観客はいとおしくてたまらなくなる。
自由に思った事を出来ないというのは、普段の自分たちの姿その物だから。

PS ある意味、殺し屋設定を加えた『レインマン』。なんて大胆な。

生きるために自分が出来る事を極限まで尖らせるよう自分を変えた男。


【銭】
『僕らのごはんは明日で待ってる』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『ドクター・ストレンジ』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『ザ・コンサルタント』:映画ファン感謝デー料金1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
僕らのごはんは明日で待ってる@ぴあ映画生活
ドクター・ストレンジ@ぴあ映画生活
ザ・コンサルタント@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
僕らのごはんは明日で待ってる@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ドクター・ストレンジ@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ドクター・ストレンジ@徒然なるままに
ドクター・ストレンジ@タケヤと愉快な仲間達
ドクター・ストレンジ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
ドクター・ストレンジ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ドクター・ストレンジ@beatitude
ザ・コンサルタント@beatitude
ザ・コンサルタント@だらだら無気力ブログ

PS という事でその日に見た3本の映画とも、「学習」がキーワードの映画だった。

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2017年02月05日

『殺人容疑者』を神保町シアターで観て、タンバリンも若いが小林昭二も若造だふじき★★

特集「あの時の刑事」から1プログラム。

五つ星評価で【★★ドラマとしてではなく、科学推理解説がドキュメンタリー的だったり、当時の風俗風景が面白い】
旧作(昭和27年)だが初見。

丹波哲郎のスクリーン・デビュー作だそうです。
かっこいいんだよね、モデルっぽいんだよね。
彼の役はタイトルロールの殺人容疑者。
キャストの最初に出てくるけど、主演ではない。

主演は全員で犯人を追い詰める警察組織その物。
その刑事達の中に若かりしガス人間土屋嘉男と、
若かりしキャップ兼おやっつあん小林昭二がいたりする。
小林昭二なんて中間管理職みたいな年以降しか知らないから、
若者の小林昭二の線の細さが妙におもろい。

渋谷で起こった殺人事件の裏付け捜査のため、銀座に行ったりするが、
どこが渋谷で、どこが銀座なのか全く分からない。
建物も平屋ばっかりで、オフィスというより長屋っぽいロケーションばかり。
今の新宿がまだそうであるように、ちょっと離れると民家があって、
繁華街ではないのかもしれない。

一番おかしいと言うか笑ったのが、警察の「捜査本部」が畳敷きでイスがなかった事。
みんな田舎の青年会みたいに車座になって座る。その畳の上で忙しそうに回る扇風機、
なるほど江戸時代ではないのだな。
警察の黒電話に外部から電話がかかってくる。
「ちょっとメモしてくれ」
電話の刑事に促された横の刑事が硯と筆を手にする。えーつ、ビックリ。
「筆」って習字の授業か、年賀状くらいでしか使った事がない。
日常の文化で使うなんて思いもよらなかった(しかも会社で)。

科学捜査の一環として、証拠に浮かび上がる指紋、
タバコの唾液を抽出して血液型を特定する、モンタージュ写真の実証実験、
とか見せてくれるのが面白かった。

全体としてドラマは希薄。
横溝正史じゃないから犯行の動機が何十年もの怨みとかじゃなく、単に金だったりする。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
殺人容疑者@ぴあ映画生活

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2017年02月04日

『人生フルーツ』をポレポレ東中野で観て、映画もいろいろだふじき★★

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▲「人生フルーチェ」ではない。

五つ星評価で【★★老建築家夫婦の生活を描いたドキュメンタリー。泣いたり叫んだりしない、ただ微笑むだけの老後というのを迎える事が出来る。なんて理想な老後】
これは老後の生活として理想だろう。
ボケない。身体が壊れない。
怒ったり泣いたりせずに穏やかに、ただ穏やかに一日を過ごす。仙人的な、と言うか。
こういうメリハリのない生活でも映画は出来るのだから、映画って奥が深い。

こういう生活を送りたいではあるが、まあ、
もっと俗世間に汚れた生活が性にあってるので、このまんまの生活ではイヤだな。
なんか人柄が正しすぎて、純粋に真っすぐなので、いい意味で「犬」みたい。

「きょうのわんこ」の人間 Version (いや、悪口じゃなくて)。

ポレポレさんは、こーゆーのと、
BiSの際どいドキュメンタリーを同時に流せる、
とても変な、そして得難い劇場(でもBOX東中野時代の方がよく来てたけどね)。


【銭】
1年有効の5回回数券購入(6000円)したうちの1回使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
人生フルーツ@ぴあ映画生活

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2017年02月03日

『劇場版BiS誕生の詩』をポレポレ東中野で観て、面白いけどむかっ腹も立つよふじき★★★

172346_2▲あまり鮮明でない写真をあえて使おう。

五つ星評価で【★★★旧BiSも新BiSも基本的には知らない人間のレビューです】
旧BiSについては解散ドキュメントを見ている。
でも、あまり覚えていない。
直感的に記憶に残ってるのは、「ひでえ扱いされてるな」、
その割には「ひでえ扱いしてる奴に、そんなに覚悟があるようには見えねえな」

今回も基本、同じように見えた。
旧BiSのコンセプトに従って、新BiSを選抜する四日間(4×24時間)のオーディション光景を抜粋、編集したもの。冒頭から選ばれたメンバーの歌唱シーンがあるので、ネタバレではあるのだが、彼女たちを熟知の人間は元から選ばれた結果を知っている訳だし、私のようなほぼ一見さんの人間には選ばれた彼女とオーディションを受けにくる彼女たちを一致させられないのだから問題ない。でも、チラシのメイン・ビジュアルが選ばれた彼女たちの大アップってのはよくないと思う。

で、BiSとは、プロデューサーの渡辺淳之介が弄り回す事で輝かせるアイドルという事なんだろうけど、傍目には苛め抜いてるようにしか見えない。それはそれ、そうでもあるのだろうし、それを企画としてちゃんと成立させている所にプロデューサーの力量がある。でも、観客としては可愛い女の子がいじめられ続けるのは、いい物見た感とともに、かなり強い罪悪感も覚えてしまう。なので、プロデューサーにももっと犠牲になってほしいという感情が浮かび上がる。それはアイドルの予備軍であろうが、それを選出するプロデューサーであろうが、観客に取っては同一線上に並ぶ並列の存在にすぎないのだから、ひどい選び方をするプロデューサーがヘラヘラしているのはその態度が正しいとしてもストレスがたまってイライラする。
やはりラストシーンで全裸の渡辺プロデューサーを新生BiSとその研修生(だっけかな?ファン)が、全員で胴上げしながら新宿二丁目に叩き込むくらいはやってほしかった。

基本的には面白いのだが、相変わらず未整理で登場人物が多いので、全員を混同させずに一人一人の個性として見分ける事は出来なかった(バカだからって言っちゃえばそれまでだが)。

やっぱり目配せがよく、言ってる事に説得力があり、その多彩な表情と基本ポジティブ顔であるので、この映画を見たら、プー・ルイは好きになってしまうのはしょうがない。そういう意味ではいいプロモだと思う。


【銭】
1年有効の5回回数券購入(6000円)したうちの1回使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 BiS誕生の詩@ぴあ映画生活
▼関連記事。
劇場版 BiSキャノンボール 2014@ぴあ映画生活@死屍累々映画日記

PS 結果的に選ばれた人選が、そのビジュアル・イメージが
 割と旧BiSっぽい組み合わせに思える。プロデューサーの中に
 黄金律的な組み合わせがあるのかもしれない。
PS2 素材的には未知数だけど、PV的に撮影すると可愛く撮れる。
 そういうのはプロの上手さなんだろうな。

fjk78dead at 01:30|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年02月02日

『劇場版 新・ミナミの帝王』を新宿ピカデリー4で観て、思った以上にしっかりした出来上がりだふじき★★★

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▲こんな顔の奴に因縁つけられたらションベンちびってまうがな。

五つ星評価で【★★★竹内力から千原ジュニア、思いっきり別物と思えばありえなくはない】
やはり、竹内力の「ミナミの帝王」が嵌り役すぎたので、観る前は抵抗があった。
観る気になったのはあのAKBからリタイアした光宗薫が予告でセーラー服に仮面舞踏会風の仮面というバリバリにAVチックな衣装をしてるのに惹かれてである。えっ、そのお目当てのシーン短いよ。まあ、そうだろう。
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▲というシーン
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▲普通の顔も乗っけとく。右は松井愛莉。

公開期間が二週間だけだが(最初から限定公開ではなかったが、やはりそれなりにそんな大きく集客できずに二週間に収まったのだろう)、ラストの一週は22:00台しかないというのは、ちょっと離れた土地にお住まいの方には徹夜を強いる、まるで新宿バルトみたいな商売で、流石ミナミの帝王感バリバリ。うちは新宿発の小田急線に住んでるから大丈夫だったけど。

千原ジュニアの萬田銀次郎は思ったより悪くない。バラエティでのヘタレを知ってるから、それなりに心配はしたが、千原ジュニアの悪相でムッツリ押し黙っていると金貸しとして如何にもいそうなのである。竹内力とはタイプは違うが、これはこれで結果オーライだった。そもそも竹内力の銀次郎も原作マンガとは似てないのだ。原作マンガのテイストに合わすなら銀次郎はますだおかだの岡田圭右辺りかもしれないが、それはそれでみんなイヤでしょ。萬田銀次郎を音楽に例えると竹内力が演歌、ジュニアがジャズ、劇画が民謡である。劇画の銀次郎が一番嘘くさい。

銀次郎の弟子が大東駿介。イケメン起用しすぎ。この枠はもちっと銀次郎に対比して寸詰まりに見えるチビの芸人か売れない役者を使う方がいい。修行中の身なので儲からない効率の悪い事ばかりやるが、持ち前のガッツがある。そういう役だから、出川みたいなタイプの若い奴がいい。いっぱいいるだろ、そんなの。映画として吉本も出資してるんだから(出川は吉本じゃないけど)。

敵が袴田吉彦。この人リーマンにも見えるし、もんもん背負っても似あいそう。笑顔が単純に爽やかなだけじゃないのが魅力。悪に酔える感じなのもいい。

光宗薫やせたなあ。痩せすぎだよ。もちっとムチムチした方がエロっぽくって、と言うより女っぽくっていいよ。あまり痩せちゃうと、痩せてる理由のある特殊な役じゃない限り、見てて可哀そうな感じを受けてしまう。

板尾さんはジュニアと二人で、二人とも笑わずに仕事してるのが当たり前なんだけど偉いよなあ。

話はどこかで見たような聞いたような新味のない話だったが、ラスト、銀次郎が敵を追い詰めていくシーンで、銀次郎自身の銭儲け(でないとしても最低、漁場荒らしを追いだす等の自衛)が分かる筋立てになってないのはマイナス。とっちめて終わりではなく、とっちめて身ぐるみ剥いで終わりって作りがミナミの帝王だ。竹内力版みたいに法律推しではないのか? まあ、それはちゃんとオチが付くならいいんだろう。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを1000円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 新・ミナミの帝王@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年02月01日

『本能寺ホテル』を109シネマズ木場4で観て、胸と足首と心根を評価したいふじき★★★

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▲綾瀬はるかの乳の何とごつい事よ。

五つ星評価で【★★★映画自体は面白いと明白に断言しづらい。この星三つはあくまで綾瀬はるかの胸と足首と心根に対しての評価であります】

映画としてはゆるすぎる。
こんな適当ではダメだ。
でも、綾瀬はるかがかーいーからOKなのだ。
つまり、これは単に綾瀬はるかのアイドル映画である。
大掛かりなアイドル映画だなあ。

現代のホテルと戦国時代の本能寺がタイムトンネル的に繋がっている事から発生する小コメディーなのだが、何故、繋がっているか、どうやったら繋がるか等はハナハダ適当にボカされている。まるで、それを探る事が「いけず」であるかのように。その謎を一手に担う風間杜夫は謎を把握してるようでもあり、謎から一歩下がって触れないようにしてるようでもあり、はたまた謎を全く知らないようでもあり、どうでも取れるように演じている。丸くなったね、銀ちゃん。そう言えば『蒲田行進曲』の銀ちゃんって信長みたいな役だ。ともかく、謎にまつわる設定が適当なのである。別に適当でも見れてしまうのであるが、納得がしづらい。それに、常時、あの日の本能寺に接している訳でもなく、ワンタイム・ワンチャンスしかこの物語が成り立たないというのも「そんなん都合良すぎるやろ」という嘘のバリバリ感を高めている。戦国時代の武将と綾瀬はるかのトンチンカンな会話とかも面白いのだけど、やり取りが通じすぎてしまう点もリアリティーを押し下げている。どんな時代劇でも多少そういうキライはあるのだが、戦国時代の武将が戦国時代の武将を演じている役者が集まっているように感じさせられてしまうのだ。にも関わらず、堤真一のお館様と部下の交流などでジーンとさせられたりもするけど、でもね、それで全て押し流されるほど全体の「嘘っぽさ」が弱くない。この辺を御座なりにしているので、嘘でもグッとくる物語には至らず、嘘だからグッと来そうだけどちょっと冷静な頭が「待て待て」とストップをかける物語に落ち着いてしまった。

話の中核は、戦国時代の堤真一演じる織田信長と濱田岳演じる森蘭丸、現代で婚約者の父・近藤正臣と出会う事により、綾瀬はるかがその流され人生に杭を刺して、新たな人生を模索すると言う物なのだが、そこから導き出される最終的な着地点が再就職のリクルート先変更と言うのはムチャクチャ弱い。そんな事の為に「本能寺の変」が利用されのか! この着地点はもうちょっと真剣に考えるべきだったろう。

いやまあ、でも、苦言を呈している話は本当はそこそこどうでもよくて、綾瀬はるかが可愛いからこの映画はそこそここれでいいのである。逆に言えば、この映画はその綾瀬はるかの可愛さに甘えている。素の綾瀬はるかの性格の良さと天然(は疑いがないのを前提とする)を観客が知っているからこそ、話が適当であるにも関わらず、押し通して見れてしまえるのだ。これが綾瀬はるかでなかったら「純粋で真っ白だけど、もう流されるままの少女では済まなくなりつつある女性」ではなく「小学生のように考えなしに行動する頭の悪いバカ女」になってしまうだろう。物語の雑さを綾瀬はるかのメンタリティーが救っているのだ。

そして、綾瀬はるかの胸が大きい事よ。
大きすぎる胸の割に足首が締まっていて、くるぶしのアップが美しい事よ。
そして、これでもかとメンタルが天使っぽい事よ。
綾瀬はるかありきの企画だよなあ。

ところでね、風間杜夫はやっぱり綾瀬はるかが戦国時代に行ってるらしい事は気づいてるんだろうから、それなら靴代くらいはサービスすべきだと思うな。それと、客を不安なままにしてほっておくのはサービス業として失格だろう。


【銭】
109シネマズの火曜メンバー割引を使って1300円。
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PS 『本能寺ラブホテル』の製作が待たれる。

fjk78dead at 10:05|個別記事コメ(6)トラバ(13)

2017年01月31日

『吸血鬼ゴケミドロ』を目黒シネマで観てゲロおもろいやんふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★ゲラゲラおもろい】

「いつか見た映画館」出版記念!大林信彦監督トークライブ上映Aプログラム『ハウス』『吸血鬼ゴケミドロ』で、時間制約から『吸血鬼ゴケミドロ』だけ見た。

初見。
評判は高い事は何となく知っていたが、なかなか見れないでいた。まず、上映の機会が少ないからね。

見終わって、感心したのは色々な見所が満載である事と、ラストのビックリ感。

ジャンルで言えばSFホラーなのだけど、
狭い空間に詰め込まれた人間がストレスで追い詰められてヒステリー状態になっていく人間ドラマとしても優れている。この十人前後の人間のエゴが他人を侵食していくドラマの展開が、単に化け物が出るキワモノに映画を終わらせないでいる。それにしてもこんな最低メンツだらけの飛行機に乗りあわせてサバイバルするのはイヤだ。ある意味『オリエント急行殺人事件』のオリエント急行より、乗客のメンツが下劣さで劣る。乗客に金子信雄がいるというだけで、確実にイヤな事が起こりそうじゃない?

冒頭の、飛行機にぶつかってくる鳥もイヤ。なんか妙に身体が柔らかくて水っぽくて。あの鳥を料理しても美味くなさそうなくらいのビチョビチョ感。

飛行機のパイロットが主役の吉田輝雄。この人、あの『恐怖奇形人間』の人で、顔の作りが一心にストレスを引き受けてしまう顔。眉間に皺を寄せてる顔が真面目すぎる。

スッチーが佐藤友美。この頃の怪奇映画は女の子がただただキャーキャー叫ぶという立ち位置にあって、人格も何もなく、ただただ叫ぶ女の子はそれはそれなりに良いと思う。少なくとも、男が叫ぶよりは格段に良い。この人、イカレちゃうけどマトモ。

そしてゴケミドロ化される人間役に高英男。私、スチール写真とかを見て勘違いしてたのだけど、この高英男という俳優さん、ゴケミドロ役をやってるから怖いのではなく、映画観てるとゴケミドロになる前から怖いのである。例えば20人くらいの全員、高英男の集団が君めがけて走って来たら、とりあえず逃げるべきだと思う。

それにしてもラストの絶望感の高さ、『ミスト』みたい。

UFOの特撮が妙に怖い。

観終わって直後のツイッター感想。

SFなのに世界観が中川信夫の「地獄」と地続きみたいなのがステキ。松竹の映画なのに新東宝とか東映のキワモノ映画みたい。

うん、なかなか適格だと思うよ、俺。


【銭】
目黒シネマラスト1回割引900円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
吸血鬼ゴケミドロ@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:24|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年01月30日

『奇跡の教室』『グッバイ,サマー』をギンレイホールで観て、いーよーな悪いよーなふじき★★★,★

いろんな学生二本立て。

◆『奇跡の教室』
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▲マンガを使ってホロコーストに意見するの図

五つ星評価で【★★★顔の映画】
劣等生クラスを立ち直らせるためにゲゲン先生は「発表コンクール」への参加を促す。
ゲゲン先生の授業全般は面白そうでいいのだけど、生徒のダメ具合がズバ抜けていて教師に対する態度がひどい。歴史の授業で過去に何があったかを知るのはもちろん大切だが、何かを教えようと教壇に立つ者を排斥しようとするような「心ない行為」に対しての咎め立てがないのはいいのかなと思ってしまった。それは高校生で教わる事ではないのかもしれないけど。
ゲゲン先生も生徒も表情が多彩。この映画の中では、授業内容がどのように生徒たちに吸収されているかについてあまり論理だって言葉で説明しない。ただただカメラが子供たちの表情を切り取る。その方法で伝わるは伝わるが、定石ではないので面食らった。また、このやり方を取ったために、生徒たちがまとめたナチス下の子供に対するレポートの内容がどのような物か、それが他のグループと比べて、内容がどう優れていたかが分からなかったのは残念だった。
物事を知るという事その物は面白さに満ちているが、それとしっかり向きあわないと手に入らない。この映画ではその契機が割と大雑把に描かれているのと、生徒を各個人として扱わず、群れとして扱っているので、それぞれの事情が見えづらかった。生徒の頭を刈ったり、衣服を剥いだり、腕に番号を入れたりはしないし、各個人の顔も個性もハッキリはさせていたけれど、普通やる不必要なほど明確なキャラ化はされなかった。ひょっとすると、そこがある意味、ナチスが個性を剥奪するというテーマに触れた映画を撮る上でのバランスだったのかもしれない。極端な没個性化もしなければ、明らかに作為と分かるようなキャラ化も避けるという。


◆『グッバイ,サマー』
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▲左が美少年。

五つ星評価で【★きっとこの映画自体が悪い訳ではないと思う】

おで、ミシェル・ゴンドリーと相性が悪いんだわ。基本、それに尽きる。お嬢様にしか見えない彼、いいですね。剥いてしまいたい(え、男の子なんだよね?)。まあ、男でも女でも剥いてしまいたい。ガソリンの彼はどうでもいい。しかしまあ、あの程度の事で変人扱いされるのは懐が狭いってか、悩むほどの根の深さを感じないってか、やっぱり日本の方が陰湿で全然イヤな感じだ。で、このどうって事のない二人のどうって事のない旅の前と中と後が別に関心がないからダラダラやられてもつまんなくて船を漕いでしまった。もう、漕いで漕いで漕ぎまくった。同級生の女の子や風俗店の女の子が可愛いのは流石フランス映画。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ@ぴあ映画生活
グッバイ、サマー@ぴあ映画生活
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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ@ここなつ映画レビュー
グッバイ、サマー@ここなつ映画レビュー

fjk78dead at 10:05|個別記事コメ(6)トラバ(3)

2017年01月29日

『シング・ストリート 未来へのうた』『裸足の季節』をギンレイホールで観て、優秀なクズ共と女=クズ思想からの逃避映画だふじき★★★,★★★

飲めや歌えや目出度くもあり目出度くもなしな二本立て。

◆『シング・ストリート 未来へのうた』
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▲一番左のギター坊主はチラシからトリミングされて姿を失ってしまっている。

五つ星評価で【★★★良質とは思うが強くは刺さらなかった】
バンドの映画。
ある日、クラスから浮いてるボンボンの主人公は
女にモテるためにバンドをやろうと考える。
集まってくる有象無象。でも、みんな隠れた才能があったりして、
バンドは彼等の若者カルチャー内で一目置かれるようになる。
「バンドやる=モテる」という直線構造が肯定され、トントン拍子に名曲が作られる。
主人公たちと一体化してしまえば楽しめるのだろうか、
その為に故意に彼等に「イケてない部分」を色濃く残している、とも思うのだが、
なんか、こういうバンド文化に対する落ちこぼれとしてそれには抵抗を感じてしまった。
「あいつらは敵だ」感覚が抜けきれない文化系非バンド文化の自分なのだ。
この映画に出てくるバンド「シング・ストリート」がバンドの最適解としたら、
ロクデナシばかりが集まって、曲も大衆からの支持を得ず、
内部で女を取り合う裏切りが勃発する『デビルズ・メタル』がバンドの最悪解だろう。
でも、個人的にはそっちのクズの方が落ち着く、安らぐ、ダメな自分であった。
『シング・ストリート』の皆さんも、
のべつまくなしにバイブが宙を舞うゲスな映画と比べられるとは思っていまい。


◆『裸足の季節』
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▲脚だよ、脚!

五つ星評価で【★★★5人姉妹にハアハア(*´Д`)】
お国が違うと、家から脱出を企てる事が一大冒険物語になる。
珍しい、面白い、そして腹立たしい。

主役の五人姉妹には美人もいればブスもいる。
でも、そんなにメリハリ付けられてないなあ、というのは残念に思った。

あと、冒頭、五人姉妹がタイツのまま、砂浜で男子たちと騎馬戦ごっこしながら、
タイツをグショグショにするシーンがあって、
その辺りの遊びをご近所に「淫乱!」となじられてしまうのだが、
フェティストの身からすればバリバリ淫乱だと思った。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
シング・ストリート 未来へのうた@ぴあ映画生活
裸足の季節@ぴあ映画生活
▼関連記事。
デビルズ・メタル@死屍累々映画日記

fjk78dead at 01:05|個別記事コメ(4)トラバ(6)

2017年01月28日

『真夜中のパリでヒャッハー!』をHTC渋谷1で観て、見に行かなくっちゃダメダメふじき★★★★

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▲これなかなかいいデザインだと思う。

五つ星評価で【★★★★ああん、もうったらもう】

またまた、再びこういう人生の役に立たないくだらないの大好き
と言う訳で、『世界の果てまでヒャッハー!』の由緒正しい前日談。こっちの方が先に作られていて、こっちをベースに『世界の果てまでヒャッハー!』が拡大再生産された物語である事が分かる。現地の土人とかが出てこない分、こっちの方がリアルだ。

【銭】
未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引200円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
真夜中のパリでヒャッハー!@ぴあ映画生活
▼関連記事。
世界の果てまでヒャッハー!@死屍累々映画日記

PS 宣伝が弾けすぎて思った以上にヒットしなかった前作の煽りを食らって、
 今作は「未体験ゾーンの映画たち2017」扱いになってしまったのだろうな。
 それでも劇場上映されるチャンスがあるだけ良かった。
 本当にコメディー作品の興行って難しい。
PS2 エンドロールの全員参加ケツダンスとか本当好き。
PS3 確か『スクリーム4』『ディパーテッド』のネタバレがある。

fjk78dead at 00:19|個別記事コメ(2)トラバ(1)

2017年01月27日

『劇場版カードキヤプターさくら』を新宿ピカデリー3で観て、さくらの可愛さが全て?ふじき★★

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▲ワーナー・ブラザーズが贈るリバイアサンもといリバイバル上映。そのチラシ。

五つ星評価で【★★ドラマラインとしてはつまらない】
1999年に公開された映画のリバイバル公開。
原作マンガ、アニメ未読、未鑑賞。映画も初見。
そういうアニメがあるの知ってるよ程度の知識で見に行った。
そういう一見さんへのサポートや親切心は一切なし。
ぶらっと映画館に立ち寄って「面白そうだな」とこれを選ぶ輩は極小だから
あまり神経質になる事もないだろうが、
基本として一見さんに優しい気遣いをするのは忘れないでほしい。

話の全貌を憶測しながらだけど、ドラマとしての盛り上がりより、
桜ちゃんと大道寺さんのキャラを先行した作り。
桜ちゃんが可愛くなかったり、根性悪かったらキツイ作品。
何だかそれって、みんなで女体盛りを褒めてるような状態じゃ、、、
、、、ゲホンゲホン何でもない。

大道寺さんの性格のいいストーカー気質とか、
ケルベロス・ケロちゃんの可愛い外見に似あわずヤサグレてる関西弁とか、
桜の兄貴のザックリした妹に対するリアルな対応とか、
そういう脇道の方が見てて面白かった(こっちがメインロードか?)。
まあ、それは元々の物語を知らないからかもしれない。

観客がみなそこそこお年の元お嬢様達なのは劇場の空気をほんわかにしてた。
同窓会っぽい空気(俺だけ闖入者みたいでゴメン)。
にしても同窓会会場(劇場)も大きいハコで、
まだまだお金に出来るコンテンツはいろいろ埋もれてるのかもしれないなあ、と思った。

劇場版アニメなんだけど、トレス線の太さが妙にTVアニメっぽいなと思わされた。
あと配色が大人しめなのも劇場版アニメっぽくないかもしれない。
逆に言えば、劇場版だからと言って浮付かないでいつもの仕事をやったという事か
(いつもの仕事を知らないから私自身は比較できないが)。


【銭】
松竹のメンバーカード6回入場ポイントで無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
カードキャプターさくら@ぴあ映画生活

PS ツイッターで「忍者キャプターさくら」ってボケた。

fjk78dead at 10:55|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年01月24日

『天使のたまご』『迷宮物件FILE 538』をフィルムセンター大ホールで観て、天才時代の押井すげーなふじき★★★★,★★★★

特集上映「自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守」の1プログラム。
押井守が天才としか思えなかった時代のギリ長編と中編各一本。

◆『天使のたまご(71分)』
五つ星評価で【★★★★圧倒的なイメージ】
のっけからイメージの奔流に負ける。
素晴らしいのは映像より音効と音響だ。
得体のしれない映像のイメージも凄いが、作画の力がまちまちであり、
映画その物の禍々しさを最高に引き出しているのは音の力である。

それにしてもイメージカットが多く、登場人物の動きは極端に少ない。
凝縮して30分でいいんじゃないかと思ってしまう。
勿論このスピードだからこそ得られる効果もあるだろうが。
少女が持つ卵は「セクシャリティ」の暗喩であろうことぐらいは分かるが、
全体、何がどうなって何なの?みたいな事は理解できず放り投げられて終わる。
それにしても動画が少ない。
動画が少ないという事は安く上がるという事だ。
現場はお金とも戦っていたのかもしれない。
費用を少なくする為に動画を減らされている様に見えないのは天野喜孝の絵の力だろう。

原画に貞本義之の名前を発見。1985年の作品、そんな昔から業界にいるのか。

声は根津甚八と兵藤まこ。
根津さん御苦労様でした。
根津さんは若いといっても少年ではなかった筈だ。ちゃんと少年だなあ。


◆『迷宮物件FILE 538(35分)』
五つ星評価で【★★★★イメージの爆発と、奇想を論理で裏打ちしてしまうその暴力性】
こっちの方が好みだが、これは押井の饒舌節が活きてる作品。
同じ一人の人物が一つの世界の中で幾つにも多重に存在し、関わり合いを持つ構造は、
『プリデスティネーション』の先駆かもしれない。
にゅるんとした感じに変容する旅客機のビジュアルが凄い。
『天使のたまご』ほどではないが、かなり原画枚数を抑えた演出。


【銭】
フィルムセンター入場料金530円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
天使のたまご@ぴあ映画生活
Twilight Q/迷宮物件 FILE 538@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:33|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年01月23日

『お遊さま』を角川シネマ新宿1で観て、ピンと来ないよふじき★★

「溝口&増村保造映画祭 変貌する女たち」から

五つ星評価で【★★純愛が肉体を凌駕する異常さ】
6本目の溝口健二。溝口健二がどうこうでなく、
原作が谷崎潤一郎というのが合わなかった。
アブノーマルな性愛を純文学で描こうとする谷崎はよくよく苦手。
切り口がスキャンダラスなのはともかく、
皆がうじうじ悪い方に進み、最悪の結末しか迎えられない所に魅力を感じない。

美人姉妹の姉が田中絹代、妹が乙羽信子。
ぷくっと膨らんだ感じの田中絹代は妹を凌駕するような美人に見えない。


【銭】
チケット屋で額面1000円の前売券を1000円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
お遊さま@ぴあ映画生活

fjk78dead at 02:21|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年01月22日

『疑惑のチャンピオン』をギンレイホールで観て、これが面白いのは不正な主人公にでも観客が肩入れしてしまうからだふじき★★★

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▲チャンピオン

五つ星評価で【★★★濃い主人公と薄いその他】
自転車レース、ツール・ド・フランス7冠のチャンピオンはドーピングを行っていた。
これはもう映画の前提であり、やった、やってないを争う映画ではない。
主人公はドーピングを行って不正に勝利を勝ち取ってきた男。
であるにもかかわらず、観客は彼に強烈な嫌悪感を抱かない。

それはベン・フォスターが魅力的な俳優ということもあるが、
「ドーピング」という行為に関して観客はそれほど強い嫌悪感を持っていないのだ。
これが麻薬やドラッグなら別だが、映画内で推進派トレーナーが言ってるように
「乱用はいかん」だけで、ごくごく常用する分にはサプリみたいなもんにしか見えない。
あとは「フェア」かどうかの問題だけなのだが、映画はここを上手く切り抜けている。

チーム全体を汚染させ、それがそれほど特別な事でないように見せた。
みんなやっててもおかしくないような世界で今更「フェア」を言ってもせんないじゃん。
主人公がドーピングを行おうが行うまいが極限まで努力する姿を見せた。
ドーピング発覚リスク回避の為、更に努力しているように主人公が見えた。
ドーピング否定派の選手が必ずしも格好良く映っていなかった。

みたいな事から、諸手を振るって賛成する訳でもないが、
観客は多少の判官贔屓で主人公を見てしまう。

そんな中、明らかに間違っているのに、
主人公が正しい事を言っているメディアをやり込めてしまうのは底恐ろしいが痛快だ。
物凄く強い勝利への執着を持っている主人公、だが、彼は単なる我欲の強い男ではない。
彼には皆から賞賛の目で見られたいという欲求も高いが、
彼自身が勝利し続ける事で社会貢献しようという殊勝な面もあるのだ。
それに引き換え、彼の敵が手元に持っているのは凡庸な社会正義だけ。
「正義が勝つ筈だ」という緩い信念だけでは手負いの獣は止められない。

後半、引退してからは彼の軸がぶれてしまう。そこで初めて彼は負けるのだ。
この後半の失速そのものが又、ゲームの局面を見ているかのようだった。
故障を抱えたプレイヤーはその故障の波動が徐々に全体に伝播していき、
臨界点を越えると一気に決壊する。
決壊した彼はもう彼ではないので、映画はそこで終わる。
結局、彼は何に負けたのか。
彼は変容・変質してしまい、それに負けたのだ。
ドーピングをやろうがやるまいがターゲットに的を絞り、
先に進めるだけの彼に変化はなかった。
だが、コース外から仕掛けてくる敵をかわす為に動きを止め、
元の位置に戻るために向きまで変えた。
あの映画の世界の中では、ただ純粋に同じポリシーを貫く者が尊重されるらしい。
だから、主人公に詰め寄られてすぐ髭を剃ってしまう新聞記者は小物として扱われ、
外敵からの攻撃に同じ強さを維持できない第二選手はスポイルされる。
そして、世間から胡散臭げに見られながらも、全くブレてない
ドーピング推進派のトレーナーは最後まで悪びれもしない。
この世界観は、ちょっと最後の最後まで主人公が覚醒剤を肯定し続けた
『シャブ極道』みたいかもしれない。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
会員証失効期限が近づいてきたので10800円を支払い14か月更新。
あと、併映作品の『トランボ』は公開時に見ていたのでパスした。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
疑惑のチャンピオン@ぴあ映画生活

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