2017年に公開したもしくは観た邦画

2017年02月20日

『こんぷれっくす×コンプレックス』をトリウッドで観て、正しく戸惑ったよふじき★★★

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▲訥々すぎる二人

五つ星評価で【★★★腋毛と女の子という題材は押さえとかんといかんかなと足を運んだ。えーと、うん、まあ、そうだねえ。良くも悪くも真っ当だけど、踏み外してもらいたかった気もする】
女の子と毛という題材では松井大悟監督が『スイートプールサイド』で撮ってるので、同題材かと思ったが、あっちははっきり思春期のエロ。生えてる生えてないが男女逆で、思春期の男の子が女の子の毛に対して狂うほどフェチを募らせていく。うん、それはそれで清々しいんだけどエロ。こっちは女性監督目線なので女の子自身の発毛に注視は少なげな事もあって一般的な対男性顧客に掘り下げたエロよりも「そこを掘り下げるのか」というニュアンスの機微を見る映画になった。

題材は「腋毛」だけど、その「腋毛」を真ん中においてやりとりする男女の会話の初々しさは極めて少女マンガ的である。二人の間で語られる題材は「肉体の一部」なのだが、大事なのはそこでやりとりされる一喜一憂、この表現を細かく写実的に掬い取るのが少女マンガ的(女性的)だ。そして、彼女の対象に対する接し方は盲目的に突っ走る事はなく、案外冷静だ。
少年マンガ(男性的)は違う。エロならエロで心のやり取りとかはすっ飛ばして一直線だ。ためらう事よりも関係性を先に進める事の方が大事なのだ。

なので、この物語の中の主人公の彼女は自分の関心に自覚的でありながら、それを楯に取って男の子を暴力的に一方的に好いたりはしない。それは女の子がスイーツに関心を向けるのと同じくらいの好奇心なのではないか。スイーツは好きでも、好きが色々ある中の一個である。
なのに、男の子の方は、「自分の身体に興味がある=自分の心にも興味がある」、泣きたいくらい全力で突っ走ろうとする。可愛いけど脱輪する事が分かってる電車を見てるみたいで切ない(それは私が野郎だから)。

プレスコ方式(声の先取り)で取った朴訥な少年少女のぎこちない発声が、逆にエロくて可愛い。それは私が野郎だから、エロく考えたい時は全力でエロく考えるから。
難儀やなあ、野郎って。
そういう難儀な野郎の第一歩勘違いとして、男の子には女の子の発毛した脇を5時間くらい「ねぶる」とかさせてあげたい。させてあげた時点で、話は終わってしまうけど。

主役の男の子女の子は朴訥なのをオーディションで浚ってきた風な事を監督が舞台挨拶で言っていて、その期待を裏切らない、いい意味での訥々とした声だった。
三人目の中学生は春名風花、あのツイッターで物凄く正しい事を言うハルカゼちゃんじゃん。主人公に対比される普通の女の子役を凄く安定感がある声で演じている。プロだからな、この子は。

監督が舞台挨拶で、新海監督が映画を見に来て褒めたけど、それが自分が思ったような大騒ぎの動員には結びつかなかったと言っていたが、私か最初にトリウッドで新海監督の『星のこえ』を見た時も割りかし入りはポツポツだった訳なので最初はそういうもんじゃないかしら。

あれか、新海監督みたいに宇宙で行くか。
「腋毛×宇宙」
あー、まったくわかんねー。


【銭】
番組価格900円均一。

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こんぷれっくす×コンプレックス|映画情報のぴあ映画生活
▼関連記事。
スイートプールサイド@死屍累々映画日記

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2017年02月18日

『青鬼 THE ANIMATION』を東宝シネマズ新宿1で再見して、見るべき部分がラストに結集だふじき★★★

五つ星評価で【★★★ラスト5分を再確認】
基本的に、大した作品ではない。それは覆されなかった。
でも、引っかかる物があってもう一回見に行った。

何で、こう退屈なのだろうか。
惨劇が始まるまでが長い。ラストの伏線回収のために餌をまき散らしてる状態だが、民研の会話のみで行われるこのパートがキャラクターの説明も兼ねるためか、冗長でダイナミックさに欠ける。話してるだけだから、よっぽど特殊な演出をしない限りダイナミックさは生まれようもないのだが、もう、ただひたすら平坦。民研のキャラ5人はそれぞれに類型的でつまらないのだが、彼らと対をなす正体不明の三年生・立花が正体不明で接点もないのにただ嫌われているという理不尽。

青鬼の見た目はゲーム仕様まんま(ゲームやっとらへんけど)。
青鬼の見た目より、血のギミック演出等をしっかりしてる感じ。
ある意味「死」に対して、とても公平なのだが、惨殺シーンは殺される側が誰であるかに関わらず、非感情的に物のように殺す。殺す側の論理に従って殺していると言っていいだろう。
それはとてもリアルである。ただ、殺される側視点で考えると、会話シーンで不必要に濃いキャラの関係性をうたっていたにもかかわらず、誰が殺されても「誰かが殺された」という風にしか認識しないよう話を作りこんでしまったのは失敗に違いない。
「あの誰々君が好きだった誰々さんが殺された」というロジックは全く採用されず、「ともかく殺されてるのは誰々さんで、次は自分かもしれない」という恐怖心のみで全員が行動してしまう。リアルではあるけど、みんな青鬼以上にゆるふわで鬼畜じゃないか?

そして怒涛のように一気に流れ落ちるエンディング。これがやはり気持ちいい。
至高の絶望感が浸れてしまってたまらない。

割とどうでもいいゲーム「青鬼」を使って、元のゲームとは異なる世界観を「こっちの方が上等だろう」と叩き付けたヤンチャ振りも元がグダグダだから全然良いと思う(『Wの悲劇』かよ!)。


【銭】
番組特別価格1200円均一。

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青鬼 THE ANIMATION@ぴあ映画生活
▼関連記事。
青鬼@死屍累々映画日記
青鬼ver2.0@死屍累々映画日記
青鬼 THE ANIMATION(一回目)@死屍累々映画日記

PS 東宝さんがシネコンの全力をあげて推してるのはわかるけど、
 「青鬼」のお客に「La La Land」の予告を見せなくてもいいんじゃないかと思う。

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2017年02月14日

『黒執事 Book of the Atlantice』『破門 ふたりのヤクビョーガミ』をmovix亀有4,1で観て、どちらもおもろいやんふじき★★★,★★★

◆『黒執事 Book of the Atlantice』
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▲そんなんバカにしたもんでもないで。
五つ星評価で【★★★おっ意外と面白いじゃん】
原作未読。
予告編を見て、少女マンガ調の美形キャラが山ほど出てきてポーズ取るような、いわばニチアサのホスト男優いっぱいいっぱいの状態にちょっと辟易してたんだが、実際に本編を見るとそんなに不必要に美形がボコボコ出てくる訳でもなく(と言うか老齢以外の不細工はいない世界なのだが)見所もあって、そこそこ面白かったりした。
ただ顔見せで出てる感の強いWチャールズ(女王付き)とドルイット子爵(医者)なんかはいらんメンツだろう。美形悪役を隠すならイケメンの中という事でストーリー上の弾幕変わりに連れてこられてるのかもしれないが最終的なフォローも薄いし、やっぱいらんのじゃないかなー。

タイタニックにゾンビと黒執事と死神の揉め事を突っ込んだというコンセプトだが、ゾンビが話のあちこちでいつもウロウロしてるのはけっこう邪魔。確かにゾンビってモブ群衆その物で、いつでもどこでもウロウロしててしょうがない存在なのだが、場面場面で制圧してゼロクリアとかしてしまえばいいのに。

人を越える存在の悪魔(=黒執事)と同レベルの死神を複数連れてきてしまったので、ある意味、セバスチャン(=悪魔=黒執事)の優位性は頭打ちになった。だからこそ、セバスチャンが相手に記憶を読み取られるという事態にもなるし、あの記憶の描写はなくても成り立つがなかなか親切でいい出し物だった。ただ、それでも最後に一番の優位性を示すのは主人公であるセバスチャンでないといけないのではないか。そこはちょっと薄めだったと思う。ちょっと登場人物を多くし過ぎて話のバランスを失ってしまったのだろう。

話の中ではリズのエピソードが一番グッと来た。
誰もが自分にありすぎる物を嫌悪し、自分を変えたがっている。
でも、他人に見せたくない自分を晒してでも
その人を失う訳にはいかないというのは、実は恥ずかしいくらい「純愛」で、
そういうのをこういういかれた話の中心に「ドボン」と投入されるのはたまらない。
逆にその「純愛」の対極が赤髪の死神で、あーゆー五月蠅いのが跳梁跋扈してるから
リズの「純愛」が生きるのかもしれない。

葬儀屋もなかなか。抜け目のない感じの演技がすんげー声優さん上手い。

主人公サイドから見て、今回の劇場版は「引き分け」ないしは「負け」でしかない状況だが(散々苦労した挙句、首謀者を捕まえられず、ほうほうの体で辛うじて生き延びた)、シエルとリズの関係性が強まったラストを見るのは観客として全く悪くない。


◆『破門 ふたりのヤクビョーガミ』
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▲相変わらずジャニさんの映画の写真は少ない。北川景子単体の写真すらようけない。
五つ星評価で【★★★ノリ】
冷静に考えると、同日鑑賞の『黒執事』同様、これも主人公二人が詐欺師にヒドイ目に会わされて、ほうほうの体で帰ってきて、元から持っていた物を剥奪されたりもする、どちらかと言うと負け試合な話だ。その詐欺も大したコン・ゲームが展開される訳でもないのだ。それでも面白いのは『黒執事』同様、勝ち負け以外でグータラビンボー兄ちゃんの成長が見えたり、イケイケヤクザの不撓不屈が見えたり、その辺が負けムードを取り払っているからだ。そしてノリがいい。テンポがいい。すーっと進む。これが大事。

主演の二人は佐々木蔵之介と関ジャニ∞の横山裕。
横山裕なんか等身大でいつも通りだろうけど、
佐々木蔵之介はビンビンにヤクザで思ったより似あう。
いや、本当、演技がいいんだと思いますわ。

出番が少ない中、いい空気だしてるのが北川景子とキムラ緑子。これ、普通の人の役だからかな。
國村隼(ペルグリン國村(笑))、木下ほうかなんていつも通りヤクザだものなあ。
宇崎竜童なんてゴジラと戦った経歴引っ提げて今回はヤクザ。抑えみたいな役だったけど、ゴジラとタイマン張ったなんて経歴そうそう持ってないから、、、北川景子がセーラーマーズのコスプレで宇崎竜童に捕まってヒロポンとか打たれながらガンガンやられちゃうなんてムービーを涙を流しながら見たい気がする。それで借金で固められた橋本マナミとレズのAV撮らされたり。あー闇の連想が止まらん。その頃、橋本功はドッグフードの材料としてその一生を終えました、見たいな。

あっ、一見「清楚」にしか見えない佐々木蔵之介の内縁の妻役、中村ゆりは案外背中にもんもんとかしょってそう(はないにしても昔レディースの総長だった過去くらい持ってそう)。

橋本功は別に問題はないけどいつも通りだ。『家族はつらいよ』と何ら変わらない。サングラスかけてるくらいの違いだ。西田敏行でも全然OKな気がする。


【銭】
『黒執事 Book of the Atlantice』:新聞屋系のロハ券もらった。
『破門 ふたりのヤクビョーガミ』:新聞屋系のロハ券もらった。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
黒執事 Book of the Atlantice@ぴあ映画生活
破門 ふたりのヤクビョーガミ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
黒執事 Book of the Atlantice@ペパーミントの魔術師
黒執事 Book of the Atlantice@beatitude
破門 ふたりのヤクビョーガミ@ペパーミントの魔術師
破門 ふたりのヤクビョーガミ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
黒執事 実写版@死屍累々映画日記
黒執事 Book of Murder 上巻@死屍累々映画日記
黒執事 Book of Murder 下巻@死屍累々映画日記

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2017年02月13日

『アラバマ物語』をトーホーシネマズ日本橋3で、『特別機動捜査隊』を神保町シアターで観て、超絶とアレレふじき★★★★★,★★

同日鑑賞映画を2本並べてレビュー。

◆『アラバマ物語』
五つ星評価で【★★★★★うおおおおお。映画史上の名作と言うからには毎回これくらい面白いのを持ってきてもらいたい】
旧作なれど初見。
グレゴリー・ペックのお父さん弁護士が息子と娘に黒人弁護の裁判を通じて、自分の仕事を背中で語る。まあ、なんつーか、傑作と言って間違いない。
映画は語る。正義は理想であるが、常に執行されるとは限らない。
それでも、前を向いて正義の執行を務めようとするペックの雄々しさよ。
劇中の人物に苦々しく語らせる。
「それはとても大変な事なのだけど、誰かがやらなければいけない事」をペックがやる。
そして、それをあざ笑うかのように降りかかる法律的な正義が全てではない事件の勃発。
その事件の中で、人道的な正義を貫く事を決意するペック。
これは難しい選択で、黒人裁判で黒人を迫害する立場にいる者達も、
彼等の中では彼等なりに人道的に正義を貫いている筈なのだ。
全ての条件に合う正義はないのかもしれないが、
一つ一つ納得しながら、納得させながら歩く
ペックと子供たちの姿はとても正しくてよかった(最近「正しい」が不足してる)。

ラスト近く、ホラー映画みたいな演出もあり、一つの映画で
・裁判劇
・家族映画(子供の成長)
『シザーハンズ』を思わせるファンタジー
のさんようそを味わえるお得な映画。

映画内でアメリカのハロウィン風景がちょっとだけ描かれるが、
小学生低学年女子の仮装が「ハム」。
自分で仮装しておいて、「こんな恥ずかしい仮装」とか愚痴ってるのがおもろい
(愚痴るには愚痴るなりの理由があるのだが)。

この映画を見てハムに欲情するようになった変態がいたら、
それはそれでギリOK(いやいやいやいや)。

原題は『To Kill a Mockingbird(マネシツグミを殺すこと)』
何故、この題なのかは映画を見れば分かるし、それでは客の誘導が難しいのも分かるが、
『アラバマ物語』という邦題は何も表わしてなく、ちょっと最低ランクだと思う。


◆『特別機動捜査隊』
五つ星評価で【★★菊池俊輔の音楽がキャバレーチックでステキだが、まあ、それくらいかな】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
旧作なれど初見。
TVの「特別機動捜査隊」を見てなかったから、あまり感慨深くないのはこっちの事情。ただTV版とはキャストが異なる『ショムニ』状態との事。
千葉真一が出てるけど、他の刑事と走り回ってるだけで、特別なアクションはなし。
冒頭セーラー服の娘がD51に日暮里近辺で轢殺される。直接の轢殺シーンはなく、モンタージュでそう伺わせるだけだが、あの力強い蒸気機関車にバラバラにされるうら若き女体を思うと(*´Д`)ハァハァ あっ、特別な理由はないのだが、足が不自由な美人女優が出てきて(*´Д`)ハァハァ。
D51に轢かれるのは田村雪枝。ちょっと若さを感じない古いセーラー服だった。
足が不自由な美人は中原ひとみ。彼女の方がセーラー服が合いそうだ。
「特別機動捜査隊」があっちこっちに行っては事情聴取をして、連鎖反応的まラッキーで犯人にまでたどり着く。なんか選択肢の少ないロールプレイングゲームみたい。
悪役の浜田寅彦が晩年同様悪役なのだが、シュンとしてて流石に若い。


【銭】
『アラバマ物語』:午前10時の映画祭料金1100円。
『特別機動捜査隊』:神保町シアター一般入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
アラバマ物語@ぴあ映画生活
特別機動捜査隊@ぴあ映画生活

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2017年02月12日

『青鬼 THE ANIMATION』を東宝シネマズ新宿1で観て、エンドロールの気持ちよきこと★★★

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▲「どーんッ」みたいな絵。

五つ星評価で【★★★ラスト5分で世界観を塗り替える冴えがある】
60分の中篇だが中の50分くらいは退屈感がかなり強い。
CGモデリングで作られたキャラは現実寄りで整いすぎててアクが弱く、
民族学研究部が追う謎も通り一遍そんなに興味を引かないし、
彼等の住む学校が異界に姿を変えるキッカケも雑じゃないかと思う。

でも、見終わるとラストに鮮やかに塗り替えられる世界観と
その世界観に高らかに鳴り響くエンドロールに大層気持ち良くさせられてしまった。
志方あきこが歌うエンディング主題歌「隠れ鬼」は神曲。

最後の方である人物が踊る踊りのリアルな薄気味悪さと言ったらない。
「青鬼」自身は「タイトルにあるから出てきたなあ」という感じ。
やはり、実写にあのパースの乱れた異形が出ていた事に比べると、
ちゃんと描写はされているが、インパクトは薄い。
でもまあ、出さん訳にもいかんから、あれはあれでいいでしょ。


【銭】
番組特別価格1200円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
青鬼 THE ANIMATION@ぴあ映画生活
▼関連記事。
青鬼@死屍累々映画日記
青鬼ver2.0@死屍累々映画日記
青鬼 THE ANIMATION(二回目)@死屍累々映画日記

PS それにしても実写版青鬼は2本とも酷かったから、こっちの方がいかほどマシか。

fjk78dead at 22:07|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年02月10日

『魔法使いの嫁 星待つひと:中篇』を新宿ピカデリ−7で観て、相変わらず商売としてアコギなんちゃうかふじき★★

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▲三浦と、ちせ

五つ星評価で【★★今回も作品はともかくとして】
大雑把な雑感は「前篇」と同じ。
最初に感じてしまうのは、作品がどうのではなく、
興行についての貧弱さというか、貪欲さ。
作品について語ろうとする前に、作品が終わってしまうという面もあるが。

前回、興行の長さとして以下にあげるツイッターの自分の呟きを載せた。

「魔法使いの嫁・前編」上映時間50分、予告抜かして40分、メイキング抜かして30分。それでパンフ1600円取るってボロ儲け具合がヒドすぎるな

今回、パンフは未確認(雪降ってたからとっとと帰った)。
19:50スタート20:43には終わってた。
すると、上映時間53分、予告抜かして43分、今回はメイキングはなかったが、フラッシュアニメが10分、前回前篇の粗筋が同じく10分というところか。すると本編は正味23分。まあ、目分量なんでもちっと長短あるかもしれないけど、短い。

これだけ短いと「飽きる」とか「展開がダラダラする」前に終わってしまう。
実際、「前篇+中篇+後篇」で一本にして90分程度で1800円取るならそう、悪い気はしない。コンテンツとしてはよく出来ているから。それを小出しにするのは良くない。単純に一度に見た方が面白い話だと思うから。分けた状態が「正」ではないのだ。

物語の全貌は見えながらもまだ分かりきってはいない状態だが、
「つまらない、面白い」で言うと「面白い」側。
日常生活に滲み出てくる化け物の描写が怖すぎる。あの怖さは買いだ。
あと、このスピンオフにだけ出てくる三浦理一と言うキャラが割と薄気味悪い。
人格者に見えるし、主人公の心の逃げ場所になっているから、悪人ではなさげだが、
言動に奇怪な点があり、安心しきれないキャラとして描かれている。

ただまあ、森の閉ざされた図書館で成人男子と幼女の組み合わせで
鍵を閉めて二人きりでは彼の本質がどうであれ、世間は許してくれまい。


【銭】
特別価格1000円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
魔法使いの嫁 星待つひと:中篇@ぴあ映画生活
▼関連記事。
魔法使いの嫁 星待つひと:前篇@死屍累々映画日記

PS 映画終わって帰ろうとしたら、顔が骨のエリアスさんが来日してるというので
 握手してから帰った。エリアスさん、目が見えづらそうだった。

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2017年02月09日

『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』をユーロスペース1で観て、『いろはにほへと』『機動捜査班』を神保町シアターで観て、えー・よし・えー、てなとこふじき★★,★★★★,★★

同日鑑賞映画を3本並べてレビュー。

◆『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
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▲真ん中が達人。
五つ星評価で【★★他の人はどうあれ、ともかく私は後半ダレてしょうがなかった】
武侠映画巨匠キン・フーの凄い原典映画。
冒頭から『ワンス・アポン・ア・タイム・インチャイナ』のテーマが流れて気分が上がる。
あれは中国の伝統舞踊劇か何かの定番音楽らしい。
この映画は初見だけど、リメイクの『ドラゴン・イン』は見ている。
えーっと、こんな話だっけ。全く覚えてない、ごめんよ、ツイ・ハーク。

日本でいうところの悪代官が囚人として移送される善人姉妹を愁いをなくすために亡き者にしようと宿屋「龍門客桟」に暗殺者を送る。「龍門客桟」では、姉妹を助けるために凄腕の剣客が集まりつつあった。というのが大筋。
前半、宿屋の中で、それぞれの立ち位置も分からずソフトに騙し合う部分が絶妙に面白い。
後半、それぞれの関係が全分かりになった後、ただひたすら戦い続けるのは限度を越えた長さでダレる。この無駄に長いラストのアクションは初期のジャッキー・チェンの功夫映画にも無駄に引き継がれてしまったと思う。

古いだけあって、アクションがゆっくり(ある意味リアル)。
引き合いに出すの申し訳ない感じだけど、昭和のオリジナル「仮面ライダー」くらいのスピード。カンフー映画も進歩したなあ。

プロットがタラちゃんの『ヘイトフル・エイト』に似てるのはタラちゃんが知っててパクってるのだと思う。


◆『いろはにほへと』
五つ星評価で【★★★★伊藤雄之助と佐田啓二って組み合わせが憎い】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
悪人顔の伊藤雄之助が刑事、善人顔の佐田啓二が詐欺師。
ともかく徹底的にワイロ方面を遠ざける伊藤雄之助の慎ましすぎる生活が悲しい。
その逆で決して悪人ではない詐欺師・佐田啓二の苦悩も悲しい。
人の為に行っている事業が、株の大暴落で見通しが立たず、政治家には食い物にされる。
佐田啓二はやり方を間違えたが基本的には悪人ではないのだ。
それでも、佐田啓二は自分が生き残る為に、伊藤雄之助を凋落させなければならない。
この時、伊藤雄之助が泣きながら怒る。はした金を持ってきたなら凋落されたかもしれないが、何でこんな大金を持ってきたんだと。それはあまりに馬鹿にし過ぎじゃないか、と。これは分かる気がする。爪に火を点す様な生活を少ない給金でしているのに、そこにいきなり「仕事」ではない「自分の心を裏切る」だけの代金として大金を提示される。貧乏人に取っては人が生きる死ぬに関わるような金であっても、単に人の心を買収するだけのようなごく小さな事に大金が使われる。金は流通しない所では重用されるが、流通する所では紙束のように扱われる。それが悔しい。自分の労働の対価の何と低い事か。それは自分の仕事や生活を否定されているのと一緒である。

題材が投資信託で、リスクの説明責任が必要みたいな話になってる。
投資信託あかんねんなんて事件は近々にもあったよなあ。
捜査二課(対詐欺犯罪)が脚光を浴びる珍しい映画。


◆『機動捜査班』
五つ星評価で【★★大して機動捜査しない機動捜査班】
特集「あの時代の刑事」から1プログラム。
「機動」が付いてるので「モビルスーツ刑事」みたいなのかと思えばさにあらず。
敵対するヤクザ組織を手玉に取る謎の男に丹波哲郎。
『用心棒』みたいなのに、やってる事があくどいからスッとしない。
捜査四課(対暴力団犯罪)を描くのだけど、
どうも犯罪組織側にいいように扱われて、
タイトルの「機動捜査班」があまり活躍できてない。
手柄を立てないでもないのだが、かなり行き当たりバッタリである。


【銭】
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』:ユーロスペース会員割引1700円→1200円。
『いろはにほへと』:神保町シアター一般入場料金1200円。
『機動捜査班』:神保町シアターポイント5回分無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
残酷ドラゴン 血斗竜門の宿〈デジタル修復版〉@ぴあ映画生活
いろはにほへと@ぴあ映画生活
機動捜査班@ぴあ映画生活

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2017年02月06日

『僕らのごはんは明日で待ってる』『ドクター・ストレンジ』『ザ・コンサルタント』をトーホーシネマズ新宿12,3,8で観て、惜しい,中々,やりよるなふじき★★★,★★★,★★★

◆『僕らのごはんは明日で待ってる』
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▲この中に一緒に入りたい。
五つ星評価で【★★★謎が謎として機能しないもどかしさ】
んもうともかく、ティーンの男女が向きあってる映画が出来るとタイムトラベルか難病物って企画の貧困はどうにかならないのか。いや、百歩譲ってタイムトラベルと難病物でもいいんだけど、あまりにテンプレートな出来だと浸れない。なんか企画として成立するようにプラスアルファを付けないといけないだろう。こんなの核の部分、30分の話じゃん。
これがずば抜けて悪い訳ではない。でも、製作委員会でみんながちょっとずつお金出し合って、損しないようにヒット要素の高いテンプレートの話を見つけてきて、それが同じような時期に大量に公開して埋もれるって状態に軽い絶望を感じてしまうのだ。お前ら、本当にサラリーマンだよなあ。もっとでかい企画練れんのかいのう。

シャキシャキして物おじしない新木優子ちゃんのキャラはよかった。
意外とああいうズケズケ、角が立ちそうな言い方をする女子がヒロインの映画ってないと思う。『ヒロイン失格』とか、ちょっと要素あるかもしれないけど、あれは桐谷美玲の顔芸付けて心情を誇張してるが、対男子的な態度としては男の子に好かれるソフトな受け答えだった。

それに応じる男子、中島裕翔くんはゆったり無能キャラ。イライラさせられたのは役を上手く表現していたからかもしれない。ハグの境目て相手への愛情を表わすのは(脚本が)上手いと思った。ちなみにツイッターで流れてきた情報によると、たった30秒のハグをすることで、一日のストレスの3分の1が解消されるとの事。この映画のハグ、なかなか心情と理屈に合っている。

恋愛体質が高すぎてうざい美山加恋も、何気にとてもいい奴な岡山天音もいいキャラだが、キャラとしては人を二三人殺してでもいるかのような無頼臭をぷんぷん撒き散らしている片桐はいりが最高にいい。

米袋ジャンプの接触と吐息と転倒がSEXみたいで、あれで一時間くらい持たせても俺的にはそこそこいいかもしれん。

『僕らのごはんは明日で待ってる』というタイトルは考えれば、ああそうかもと思うけど、ちょっとストレートに頭の中に沁み込みづらい。いっそのこと『僕の彼女はケンタ憑き』とかでいんでね?(テキトーすぎ)

いつも上から見守ってくれる彼女と対等な位置に上るために彼氏が学習する映画。

PS 大好きな『箱入り息子の恋』の監督作品なので評価甘くしてしまった。


◆『ドクター・ストレンジ』
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▲鋼の錬金術・・・ゲホゲホゲホ何でもないです。
五つ星評価で【★★★LOVEがないんだな、ピーター・セラーズじゃないからね】
ドクター・ストーブとドクター・レンジが合体してドクター・ストレンジになる。
家電かよ!
交通事故により両腕の繊細な動きを封じられたベネディクト・カンバーバッチのドクター・ストレンジが猛勉強で魔術を体得し、宇宙を滅ぼそうとする者と戦わざるを得なくなる映画。

あの万華鏡みたいなビジュアルが強烈に魅力的。
ラスト、ラスボスとストレンジがトンチ合戦みたいな戦いをするのだが、
あれ、ラスボス、頭、わりい〜と思った。
アレを解決する為には、トム・クルーズの『オール・ユー・ニード・イズ・キル』とか『亜人』を読んで研究すべきだ。もっとも、あのでかい図体でトンチに勝とうなんて「大男総身に知恵が回りかね」で、ダメだろう。大体、通常、小さい動物の方が心拍数も早く、体感時間もそれに基づいて早いと思われている。

ベネディクト・カンバーバッチがちゃんと役柄にピッタリだったのは驚いた。
多分、元のアメコミとビジュアルは全然違うんだろうけど、エンシェント・ワンを演じたティルダ・スウィントンの人間を越えてる感じは本当に良かった。

でも、『地球が静止する日』の監督なんだから、あのつまらなさと比べたら、ムチャクチャOKでグッドだ。

自分を知るために勉強する物語。
また、自分と世界の付きあい方を模索する映画。

PS ・・・
 「ミスターでもマスターでもない!」
 「ああ、あの怒ると青色の巨人になる……」
 「アバター・ストレンジでもない!」
PS2 なついてくるのがマントでよかった。キルトとかだと悲惨。
PS3 書庫番が『ビー・バップ・ハイスクール』に出てきそうなデブだと思った。
ビーバップハイスクールでぶ
▲ネットから適当に拾ってきたデブ。

◆『ザ・コンサルタント』
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▲噂の二人。
五つ星評価で【★★★自閉症の暗殺者って設定にビックリ】
原題は『The Accountant(会計士)』、これが邦題だと『The Consultant(コンサルタント)』。いや、職業違うだろ。会計士が会計上のコンサルティング業務がないとは言わんがやっぱりそれはそれ、これはこれだと思う。「Accountant」が分かりづらいなら『会計士』がベスト選択だったと思う。ちなみにワースト選択は『ベン・アフレックの赤ウータン』。何じゃそりゃ。

この映画のベン・アフレックが地下鉄に乗って痴漢冤罪にあったら申し開きできなくて逮捕される。そしてクルクル表情の変わるアナ・ケンドリックを痴漢してこたいとも思った。って、本編感想が下ネタからかよ。

会計士で暗殺テク持ってて、自閉症ってキャラの塊が主人公。
自閉症の観客が見たベン・アフレックの演技は最強に自閉症なんだそうだ。
この自分のルールを曲げられない主人公を観客はいとおしくてたまらなくなる。
自由に思った事を出来ないというのは、普段の自分たちの姿その物だから。

PS ある意味、殺し屋設定を加えた『レインマン』。なんて大胆な。

生きるために自分が出来る事を極限まで尖らせるよう自分を変えた男。


【銭】
『僕らのごはんは明日で待ってる』:映画ファン感謝デー料金1100円。
『ドクター・ストレンジ』:映画ファン感謝デー料金1100円。
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PS という事でその日に見た3本の映画とも、「学習」がキーワードの映画だった。

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2017年02月05日

『殺人容疑者』を神保町シアターで観て、タンバリンも若いが小林昭二も若造だふじき★★

特集「あの時の刑事」から1プログラム。

五つ星評価で【★★ドラマとしてではなく、科学推理解説がドキュメンタリー的だったり、当時の風俗風景が面白い】
旧作(昭和27年)だが初見。

丹波哲郎のスクリーン・デビュー作だそうです。
かっこいいんだよね、モデルっぽいんだよね。
彼の役はタイトルロールの殺人容疑者。
キャストの最初に出てくるけど、主演ではない。

主演は全員で犯人を追い詰める警察組織その物。
その刑事達の中に若かりしガス人間土屋嘉男と、
若かりしキャップ兼おやっつあん小林昭二がいたりする。
小林昭二なんて中間管理職みたいな年以降しか知らないから、
若者の小林昭二の線の細さが妙におもろい。

渋谷で起こった殺人事件の裏付け捜査のため、銀座に行ったりするが、
どこが渋谷で、どこが銀座なのか全く分からない。
建物も平屋ばっかりで、オフィスというより長屋っぽいロケーションばかり。
今の新宿がまだそうであるように、ちょっと離れると民家があって、
繁華街ではないのかもしれない。

一番おかしいと言うか笑ったのが、警察の「捜査本部」が畳敷きでイスがなかった事。
みんな田舎の青年会みたいに車座になって座る。その畳の上で忙しそうに回る扇風機、
なるほど江戸時代ではないのだな。
警察の黒電話に外部から電話がかかってくる。
「ちょっとメモしてくれ」
電話の刑事に促された横の刑事が硯と筆を手にする。えーつ、ビックリ。
「筆」って習字の授業か、年賀状くらいでしか使った事がない。
日常の文化で使うなんて思いもよらなかった(しかも会社で)。

科学捜査の一環として、証拠に浮かび上がる指紋、
タバコの唾液を抽出して血液型を特定する、モンタージュ写真の実証実験、
とか見せてくれるのが面白かった。

全体としてドラマは希薄。
横溝正史じゃないから犯行の動機が何十年もの怨みとかじゃなく、単に金だったりする。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
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殺人容疑者@ぴあ映画生活

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2017年02月04日

『人生フルーツ』をポレポレ東中野で観て、映画もいろいろだふじき★★

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▲「人生フルーチェ」ではない。

五つ星評価で【★★老建築家夫婦の生活を描いたドキュメンタリー。泣いたり叫んだりしない、ただ微笑むだけの老後というのを迎える事が出来る。なんて理想な老後】
これは老後の生活として理想だろう。
ボケない。身体が壊れない。
怒ったり泣いたりせずに穏やかに、ただ穏やかに一日を過ごす。仙人的な、と言うか。
こういうメリハリのない生活でも映画は出来るのだから、映画って奥が深い。

こういう生活を送りたいではあるが、まあ、
もっと俗世間に汚れた生活が性にあってるので、このまんまの生活ではイヤだな。
なんか人柄が正しすぎて、純粋に真っすぐなので、いい意味で「犬」みたい。

「きょうのわんこ」の人間 Version (いや、悪口じゃなくて)。

ポレポレさんは、こーゆーのと、
BiSの際どいドキュメンタリーを同時に流せる、
とても変な、そして得難い劇場(でもBOX東中野時代の方がよく来てたけどね)。


【銭】
1年有効の5回回数券購入(6000円)したうちの1回使用。
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人生フルーツ@ぴあ映画生活

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2017年02月03日

『劇場版BiS誕生の詩』をポレポレ東中野で観て、面白いけどむかっ腹も立つよふじき★★★

172346_2▲あまり鮮明でない写真をあえて使おう。

五つ星評価で【★★★旧BiSも新BiSも基本的には知らない人間のレビューです】
旧BiSについては解散ドキュメントを見ている。
でも、あまり覚えていない。
直感的に記憶に残ってるのは、「ひでえ扱いされてるな」、
その割には「ひでえ扱いしてる奴に、そんなに覚悟があるようには見えねえな」

今回も基本、同じように見えた。
旧BiSのコンセプトに従って、新BiSを選抜する四日間(4×24時間)のオーディション光景を抜粋、編集したもの。冒頭から選ばれたメンバーの歌唱シーンがあるので、ネタバレではあるのだが、彼女たちを熟知の人間は元から選ばれた結果を知っている訳だし、私のようなほぼ一見さんの人間には選ばれた彼女とオーディションを受けにくる彼女たちを一致させられないのだから問題ない。でも、チラシのメイン・ビジュアルが選ばれた彼女たちの大アップってのはよくないと思う。

で、BiSとは、プロデューサーの渡辺淳之介が弄り回す事で輝かせるアイドルという事なんだろうけど、傍目には苛め抜いてるようにしか見えない。それはそれ、そうでもあるのだろうし、それを企画としてちゃんと成立させている所にプロデューサーの力量がある。でも、観客としては可愛い女の子がいじめられ続けるのは、いい物見た感とともに、かなり強い罪悪感も覚えてしまう。なので、プロデューサーにももっと犠牲になってほしいという感情が浮かび上がる。それはアイドルの予備軍であろうが、それを選出するプロデューサーであろうが、観客に取っては同一線上に並ぶ並列の存在にすぎないのだから、ひどい選び方をするプロデューサーがヘラヘラしているのはその態度が正しいとしてもストレスがたまってイライラする。
やはりラストシーンで全裸の渡辺プロデューサーを新生BiSとその研修生(だっけかな?ファン)が、全員で胴上げしながら新宿二丁目に叩き込むくらいはやってほしかった。

基本的には面白いのだが、相変わらず未整理で登場人物が多いので、全員を混同させずに一人一人の個性として見分ける事は出来なかった(バカだからって言っちゃえばそれまでだが)。

やっぱり目配せがよく、言ってる事に説得力があり、その多彩な表情と基本ポジティブ顔であるので、この映画を見たら、プー・ルイは好きになってしまうのはしょうがない。そういう意味ではいいプロモだと思う。


【銭】
1年有効の5回回数券購入(6000円)したうちの1回使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 BiS誕生の詩@ぴあ映画生活
▼関連記事。
劇場版 BiSキャノンボール 2014@ぴあ映画生活@死屍累々映画日記

PS 結果的に選ばれた人選が、そのビジュアル・イメージが
 割と旧BiSっぽい組み合わせに思える。プロデューサーの中に
 黄金律的な組み合わせがあるのかもしれない。
PS2 素材的には未知数だけど、PV的に撮影すると可愛く撮れる。
 そういうのはプロの上手さなんだろうな。

fjk78dead at 01:30|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年02月02日

『劇場版 新・ミナミの帝王』を新宿ピカデリー4で観て、思った以上にしっかりした出来上がりだふじき★★★

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▲こんな顔の奴に因縁つけられたらションベンちびってまうがな。

五つ星評価で【★★★竹内力から千原ジュニア、思いっきり別物と思えばありえなくはない】
やはり、竹内力の「ミナミの帝王」が嵌り役すぎたので、観る前は抵抗があった。
観る気になったのはあのAKBからリタイアした光宗薫が予告でセーラー服に仮面舞踏会風の仮面というバリバリにAVチックな衣装をしてるのに惹かれてである。えっ、そのお目当てのシーン短いよ。まあ、そうだろう。
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▲というシーン
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▲普通の顔も乗っけとく。右は松井愛莉。

公開期間が二週間だけだが(最初から限定公開ではなかったが、やはりそれなりにそんな大きく集客できずに二週間に収まったのだろう)、ラストの一週は22:00台しかないというのは、ちょっと離れた土地にお住まいの方には徹夜を強いる、まるで新宿バルトみたいな商売で、流石ミナミの帝王感バリバリ。うちは新宿発の小田急線に住んでるから大丈夫だったけど。

千原ジュニアの萬田銀次郎は思ったより悪くない。バラエティでのヘタレを知ってるから、それなりに心配はしたが、千原ジュニアの悪相でムッツリ押し黙っていると金貸しとして如何にもいそうなのである。竹内力とはタイプは違うが、これはこれで結果オーライだった。そもそも竹内力の銀次郎も原作マンガとは似てないのだ。原作マンガのテイストに合わすなら銀次郎はますだおかだの岡田圭右辺りかもしれないが、それはそれでみんなイヤでしょ。萬田銀次郎を音楽に例えると竹内力が演歌、ジュニアがジャズ、劇画が民謡である。劇画の銀次郎が一番嘘くさい。

銀次郎の弟子が大東駿介。イケメン起用しすぎ。この枠はもちっと銀次郎に対比して寸詰まりに見えるチビの芸人か売れない役者を使う方がいい。修行中の身なので儲からない効率の悪い事ばかりやるが、持ち前のガッツがある。そういう役だから、出川みたいなタイプの若い奴がいい。いっぱいいるだろ、そんなの。映画として吉本も出資してるんだから(出川は吉本じゃないけど)。

敵が袴田吉彦。この人リーマンにも見えるし、もんもん背負っても似あいそう。笑顔が単純に爽やかなだけじゃないのが魅力。悪に酔える感じなのもいい。

光宗薫やせたなあ。痩せすぎだよ。もちっとムチムチした方がエロっぽくって、と言うより女っぽくっていいよ。あまり痩せちゃうと、痩せてる理由のある特殊な役じゃない限り、見てて可哀そうな感じを受けてしまう。

板尾さんはジュニアと二人で、二人とも笑わずに仕事してるのが当たり前なんだけど偉いよなあ。

話はどこかで見たような聞いたような新味のない話だったが、ラスト、銀次郎が敵を追い詰めていくシーンで、銀次郎自身の銭儲け(でないとしても最低、漁場荒らしを追いだす等の自衛)が分かる筋立てになってないのはマイナス。とっちめて終わりではなく、とっちめて身ぐるみ剥いで終わりって作りがミナミの帝王だ。竹内力版みたいに法律推しではないのか? まあ、それはちゃんとオチが付くならいいんだろう。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを1000円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 新・ミナミの帝王@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年02月01日

『本能寺ホテル』を109シネマズ木場4で観て、胸と足首と心根を評価したいふじき★★★

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▲綾瀬はるかの乳の何とごつい事よ。

五つ星評価で【★★★映画自体は面白いと明白に断言しづらい。この星三つはあくまで綾瀬はるかの胸と足首と心根に対しての評価であります】

映画としてはゆるすぎる。
こんな適当ではダメだ。
でも、綾瀬はるかがかーいーからOKなのだ。
つまり、これは単に綾瀬はるかのアイドル映画である。
大掛かりなアイドル映画だなあ。

現代のホテルと戦国時代の本能寺がタイムトンネル的に繋がっている事から発生する小コメディーなのだが、何故、繋がっているか、どうやったら繋がるか等はハナハダ適当にボカされている。まるで、それを探る事が「いけず」であるかのように。その謎を一手に担う風間杜夫は謎を把握してるようでもあり、謎から一歩下がって触れないようにしてるようでもあり、はたまた謎を全く知らないようでもあり、どうでも取れるように演じている。丸くなったね、銀ちゃん。そう言えば『蒲田行進曲』の銀ちゃんって信長みたいな役だ。ともかく、謎にまつわる設定が適当なのである。別に適当でも見れてしまうのであるが、納得がしづらい。それに、常時、あの日の本能寺に接している訳でもなく、ワンタイム・ワンチャンスしかこの物語が成り立たないというのも「そんなん都合良すぎるやろ」という嘘のバリバリ感を高めている。戦国時代の武将と綾瀬はるかのトンチンカンな会話とかも面白いのだけど、やり取りが通じすぎてしまう点もリアリティーを押し下げている。どんな時代劇でも多少そういうキライはあるのだが、戦国時代の武将が戦国時代の武将を演じている役者が集まっているように感じさせられてしまうのだ。にも関わらず、堤真一のお館様と部下の交流などでジーンとさせられたりもするけど、でもね、それで全て押し流されるほど全体の「嘘っぽさ」が弱くない。この辺を御座なりにしているので、嘘でもグッとくる物語には至らず、嘘だからグッと来そうだけどちょっと冷静な頭が「待て待て」とストップをかける物語に落ち着いてしまった。

話の中核は、戦国時代の堤真一演じる織田信長と濱田岳演じる森蘭丸、現代で婚約者の父・近藤正臣と出会う事により、綾瀬はるかがその流され人生に杭を刺して、新たな人生を模索すると言う物なのだが、そこから導き出される最終的な着地点が再就職のリクルート先変更と言うのはムチャクチャ弱い。そんな事の為に「本能寺の変」が利用されのか! この着地点はもうちょっと真剣に考えるべきだったろう。

いやまあ、でも、苦言を呈している話は本当はそこそこどうでもよくて、綾瀬はるかが可愛いからこの映画はそこそここれでいいのである。逆に言えば、この映画はその綾瀬はるかの可愛さに甘えている。素の綾瀬はるかの性格の良さと天然(は疑いがないのを前提とする)を観客が知っているからこそ、話が適当であるにも関わらず、押し通して見れてしまえるのだ。これが綾瀬はるかでなかったら「純粋で真っ白だけど、もう流されるままの少女では済まなくなりつつある女性」ではなく「小学生のように考えなしに行動する頭の悪いバカ女」になってしまうだろう。物語の雑さを綾瀬はるかのメンタリティーが救っているのだ。

そして、綾瀬はるかの胸が大きい事よ。
大きすぎる胸の割に足首が締まっていて、くるぶしのアップが美しい事よ。
そして、これでもかとメンタルが天使っぽい事よ。
綾瀬はるかありきの企画だよなあ。

ところでね、風間杜夫はやっぱり綾瀬はるかが戦国時代に行ってるらしい事は気づいてるんだろうから、それなら靴代くらいはサービスすべきだと思うな。それと、客を不安なままにしてほっておくのはサービス業として失格だろう。


【銭】
109シネマズの火曜メンバー割引を使って1300円。
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本能寺ホテル@ぴあ映画生活
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本能寺ホテル@映画的・絵画的・音楽的
本能寺ホテル@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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本能寺ホテル@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
本能寺ホテル@ペパーミントの魔術師

PS 『本能寺ラブホテル』の製作が待たれる。

fjk78dead at 10:05|個別記事コメ(6)トラバ(12)

2017年01月31日

『吸血鬼ゴケミドロ』を目黒シネマで観てゲロおもろいやんふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★ゲラゲラおもろい】

「いつか見た映画館」出版記念!大林信彦監督トークライブ上映Aプログラム『ハウス』『吸血鬼ゴケミドロ』で、時間制約から『吸血鬼ゴケミドロ』だけ見た。

初見。
評判は高い事は何となく知っていたが、なかなか見れないでいた。まず、上映の機会が少ないからね。

見終わって、感心したのは色々な見所が満載である事と、ラストのビックリ感。

ジャンルで言えばSFホラーなのだけど、
狭い空間に詰め込まれた人間がストレスで追い詰められてヒステリー状態になっていく人間ドラマとしても優れている。この十人前後の人間のエゴが他人を侵食していくドラマの展開が、単に化け物が出るキワモノに映画を終わらせないでいる。それにしてもこんな最低メンツだらけの飛行機に乗りあわせてサバイバルするのはイヤだ。ある意味『オリエント急行殺人事件』のオリエント急行より、乗客のメンツが下劣さで劣る。乗客に金子信雄がいるというだけで、確実にイヤな事が起こりそうじゃない?

冒頭の、飛行機にぶつかってくる鳥もイヤ。なんか妙に身体が柔らかくて水っぽくて。あの鳥を料理しても美味くなさそうなくらいのビチョビチョ感。

飛行機のパイロットが主役の吉田輝雄。この人、あの『恐怖奇形人間』の人で、顔の作りが一心にストレスを引き受けてしまう顔。眉間に皺を寄せてる顔が真面目すぎる。

スッチーが佐藤友美。この頃の怪奇映画は女の子がただただキャーキャー叫ぶという立ち位置にあって、人格も何もなく、ただただ叫ぶ女の子はそれはそれなりに良いと思う。少なくとも、男が叫ぶよりは格段に良い。この人、イカレちゃうけどマトモ。

そしてゴケミドロ化される人間役に高英男。私、スチール写真とかを見て勘違いしてたのだけど、この高英男という俳優さん、ゴケミドロ役をやってるから怖いのではなく、映画観てるとゴケミドロになる前から怖いのである。例えば20人くらいの全員、高英男の集団が君めがけて走って来たら、とりあえず逃げるべきだと思う。

それにしてもラストの絶望感の高さ、『ミスト』みたい。

UFOの特撮が妙に怖い。

観終わって直後のツイッター感想。

SFなのに世界観が中川信夫の「地獄」と地続きみたいなのがステキ。松竹の映画なのに新東宝とか東映のキワモノ映画みたい。

うん、なかなか適格だと思うよ、俺。


【銭】
目黒シネマラスト1回割引900円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
吸血鬼ゴケミドロ@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:24|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年01月27日

『劇場版カードキヤプターさくら』を新宿ピカデリー3で観て、さくらの可愛さが全て?ふじき★★

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▲ワーナー・ブラザーズが贈るリバイアサンもといリバイバル上映。そのチラシ。

五つ星評価で【★★ドラマラインとしてはつまらない】
1999年に公開された映画のリバイバル公開。
原作マンガ、アニメ未読、未鑑賞。映画も初見。
そういうアニメがあるの知ってるよ程度の知識で見に行った。
そういう一見さんへのサポートや親切心は一切なし。
ぶらっと映画館に立ち寄って「面白そうだな」とこれを選ぶ輩は極小だから
あまり神経質になる事もないだろうが、
基本として一見さんに優しい気遣いをするのは忘れないでほしい。

話の全貌を憶測しながらだけど、ドラマとしての盛り上がりより、
桜ちゃんと大道寺さんのキャラを先行した作り。
桜ちゃんが可愛くなかったり、根性悪かったらキツイ作品。
何だかそれって、みんなで女体盛りを褒めてるような状態じゃ、、、
、、、ゲホンゲホン何でもない。

大道寺さんの性格のいいストーカー気質とか、
ケルベロス・ケロちゃんの可愛い外見に似あわずヤサグレてる関西弁とか、
桜の兄貴のザックリした妹に対するリアルな対応とか、
そういう脇道の方が見てて面白かった(こっちがメインロードか?)。
まあ、それは元々の物語を知らないからかもしれない。

観客がみなそこそこお年の元お嬢様達なのは劇場の空気をほんわかにしてた。
同窓会っぽい空気(俺だけ闖入者みたいでゴメン)。
にしても同窓会会場(劇場)も大きいハコで、
まだまだお金に出来るコンテンツはいろいろ埋もれてるのかもしれないなあ、と思った。

劇場版アニメなんだけど、トレス線の太さが妙にTVアニメっぽいなと思わされた。
あと配色が大人しめなのも劇場版アニメっぽくないかもしれない。
逆に言えば、劇場版だからと言って浮付かないでいつもの仕事をやったという事か
(いつもの仕事を知らないから私自身は比較できないが)。


【銭】
松竹のメンバーカード6回入場ポイントで無料入場。
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カードキャプターさくら@ぴあ映画生活

PS ツイッターで「忍者キャプターさくら」ってボケた。

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2017年01月24日

『天使のたまご』『迷宮物件FILE 538』をフィルムセンター大ホールで観て、天才時代の押井すげーなふじき★★★★,★★★★

特集上映「自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守」の1プログラム。
押井守が天才としか思えなかった時代のギリ長編と中編各一本。

◆『天使のたまご(71分)』
五つ星評価で【★★★★圧倒的なイメージ】
のっけからイメージの奔流に負ける。
素晴らしいのは映像より音効と音響だ。
得体のしれない映像のイメージも凄いが、作画の力がまちまちであり、
映画その物の禍々しさを最高に引き出しているのは音の力である。

それにしてもイメージカットが多く、登場人物の動きは極端に少ない。
凝縮して30分でいいんじゃないかと思ってしまう。
勿論このスピードだからこそ得られる効果もあるだろうが。
少女が持つ卵は「セクシャリティ」の暗喩であろうことぐらいは分かるが、
全体、何がどうなって何なの?みたいな事は理解できず放り投げられて終わる。
それにしても動画が少ない。
動画が少ないという事は安く上がるという事だ。
現場はお金とも戦っていたのかもしれない。
費用を少なくする為に動画を減らされている様に見えないのは天野喜孝の絵の力だろう。

原画に貞本義之の名前を発見。1985年の作品、そんな昔から業界にいるのか。

声は根津甚八と兵藤まこ。
根津さん御苦労様でした。
根津さんは若いといっても少年ではなかった筈だ。ちゃんと少年だなあ。


◆『迷宮物件FILE 538(35分)』
五つ星評価で【★★★★イメージの爆発と、奇想を論理で裏打ちしてしまうその暴力性】
こっちの方が好みだが、これは押井の饒舌節が活きてる作品。
同じ一人の人物が一つの世界の中で幾つにも多重に存在し、関わり合いを持つ構造は、
『プリデスティネーション』の先駆かもしれない。
にゅるんとした感じに変容する旅客機のビジュアルが凄い。
『天使のたまご』ほどではないが、かなり原画枚数を抑えた演出。


【銭】
フィルムセンター入場料金530円。
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天使のたまご@ぴあ映画生活
Twilight Q/迷宮物件 FILE 538@ぴあ映画生活

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2017年01月23日

『お遊さま』を角川シネマ新宿1で観て、ピンと来ないよふじき★★

「溝口&増村保造映画祭 変貌する女たち」から

五つ星評価で【★★純愛が肉体を凌駕する異常さ】
6本目の溝口健二。溝口健二がどうこうでなく、
原作が谷崎潤一郎というのが合わなかった。
アブノーマルな性愛を純文学で描こうとする谷崎はよくよく苦手。
切り口がスキャンダラスなのはともかく、
皆がうじうじ悪い方に進み、最悪の結末しか迎えられない所に魅力を感じない。

美人姉妹の姉が田中絹代、妹が乙羽信子。
ぷくっと膨らんだ感じの田中絹代は妹を凌駕するような美人に見えない。


【銭】
チケット屋で額面1000円の前売券を1000円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
お遊さま@ぴあ映画生活

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2017年01月19日

『噂の女』と『新・平家物語』を角川シネマ新宿1で観て、健二健二してるふじき★★★★,★★★

「溝口&増村保造映画祭 変貌する女たち」から
溝口健二は多分『雨月物語』しか観ていない
(あっ『元禄忠臣蔵』があった)。
それしか観なかった理由は特になく、
ただ手元になく、特に食指も働かなかった。それだけだ。
なので、今回の映画祭も特に手を出そうと言う気はなかったのだが、
雑誌の懸賞で招待券が当たったので、これ幸いとイソイソ出向いていった。
うん、いやあ、やはり知名度のある監督は凄い。
満足して劇場を後にした。

◆『噂の女』
五つ星評価で【★★★★軽い中に凄みがある】
『雨月物語』の時にも舌を巻いたのだが、セットが迫ってくる。
そして、カメラが王のように正しい位置に鎮座し、
その答しかありえない安定した絵を作る。
もちろん役者の演技も常に正しい。
まるで、その家に行き、その家の出来事をずっと横で見ているよう。
溝口健二の映画の印象はまず、この絵(撮影)の安定にあると思う。

そこで繰り広げられる話は、未見者の印象としては「女虐め」。
だから、あんまり陰惨っぽくない感じに見えた『噂の女』を選んだ。
それは成功のような、失敗のような。
軽いコメディ・テイストの話の中でも、
やっぱり女は男社会に蹂躙される被害者みたいな位置づけで描かれていた。
圧倒的に男が悪辣なのだが、
それを手助けするように女も恋に盲目になってしまう。
実に「世間って絶対そんな感じしかないのだ」という溝口健二の信念が漂ってくる。
そして、おそらく、世間はそんな感じだったのだろう。
今でもそんなに変わらな・・・・・くはなく、弱い男が増えたかな(俺よ俺)。

田中絹代はとても強い遊郭のおかみさん。
早くに旦那を亡くしているが恋愛経験は少なく、職業に反して恋に一途。
その娘の久我美子は現代的な洋装で芸者座敷を闊歩する。
失恋したり、いい娘だったり、親と三角関係になりかけたり、目を離せない。
よきかな、よきかな。
「コメディー」と言われれば「コメディー」なのだけど、
おかしな世相を背景に人間がちゃんと描けているので、
普通に「とてもいい映画を見た」感が残る。
女は虐げられてはいるけど、反面、自由でもあるので、
観る前に心配した女虐めでキツイ感じはしなかった。


◆『新・平家物語』
五つ星評価で【★★★カラーになっても実寸大のセットに狂気を感じる】
溝口最晩年期のカラー映画(カラー2本しか撮ってない)。
侍の平清盛が自分の出自や差別と戦いながら天下への第一歩を踏み出すまで。
マツケンの大河ドラマ『平清盛』
あれと本筋は同じで、差別に苦しめられる武士階級・平家が
歴史の流れに乗り勃興していく。
映画は大河にもあった比叡山の輿に弓を射るシーンがクライマックス。
清盛はやはりのし上がるまでが良いのであって、その後はオマケだから、
映画の前半生中心という組み立ては非常に正しい(でもどうやら続きの映画があるらしい)。

驚くのはやはりセットがどう見ても本当の平安時代みたいにリアルな事。
いや、そら、知らないけどさあ。『雨月物語』同様リアルとしか思えない。

で、女性映画の大家とされている溝口健二だけど、
この映画では女性は市川雷蔵の引立て役。全然、顔とか映らない。
主役の若かりし清盛を演じる雷蔵だが、妙に眉毛が太い。
義憤にかられる熱い男を演じるため、野暮ったく眉を太くしてるのかもしれない。
この市川雷蔵がどこか草剛を思い起こさせると言ったら怒られるだろうか。
退屈ではないんだけど、映画としてのうねりみたいなのが今一薄い。


【銭】
雑誌の懸賞で当たった額面1000円の前売券2枚を使用。
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噂の女@ぴあ映画生活
新・平家物語@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:32|個別記事コメ(0)トラバ(2)

2017年01月17日

『ASSAULT GIRLSほか5本』をフィルムセンター大ホールで観て、全く押井って奴はふじき

特集上映「自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守」の1プログラム。
『ASSAULT GIRLS(70分)』を中心に他5本短編との組み合わせでのプログラム。

◆『重鉄騎 STEEL BATTALION(3分)』
五つ星評価で【★★耐え忍び、ラストはガンガン】
3分くらいの尺では出来のいいゲームの特典映像と変わらん。
押井の描く兵隊って大概、愚痴を吐いている。今回はこれのみ初見。

◆『KILLERS ./50 Woman(18分)』
五つ星評価で【★★★★★耐え忍び、ラストはガンガン】
殺し屋オムニバス『KILLERS』の一編。
押井が幹事やってるこの映画自体は平均値悪くないが、仲間同士集まってワイワイやってる感が強く、オムニバスでの全く違う個性のぶつかり合い感は低かった気がする。押井のが一番の作品だが、押井のが一番では多分いかん。押井は全く話がない時、ラスト一発山場作って終わる映画っていうのは向いている。短編はそんなのはっかで、短編の尺ならそれは活きる。それを長編にまでしてしまった『ASSAULT GIRLS』『東京無国籍少女』は立派な失敗作だと思う。長編でも誰か他の人が脚本書いたり、ベースになる物語があるものは器用に作ってこなす。ただ、押井は話を回すシナリオライターよりも、ここぞと強い絵を入れて映画の場を制御する演出家としての才能の方が恵まれていると思う。だから、話がなくても見所のある今回の短編特集は唯一の長編を除いて、そこそこ面白い。

◆『真・女立喰師列伝/金魚姫 鼈甲飴の有理(15分)』『同・ケンタッキーの日菜子(8分)』
五つ星評価で【★★★耐え忍び、ラストはガンガン】
モキュメンタリー短編を集めて映画にした奴から二編演出。押井自身の作り出した「立喰師」なる架空の偽職業が全く面白いと思えないので、この作品二編を私は楽しめない。ずーっとストレスの貯まる状態を持続させ、最後に目に付く大きな演出で締めるのは他の短編と変わらないが、その最後の大きな演出がアクションや爆破などではないので、残念ながら「やられた感」が低い。『金魚姫』で、ひし美ゆり子の肌に描かれる刺青の金魚はイラストレーターの末弥純。なまめかしい。

◆『斬 KILL/ASSAULT GIRL2(11分)』
五つ星評価で【★★★★耐え忍び、ラストはガンガン】
刀剣アクションオムニバス『斬 KILL』の一編。
ラスボスを斬り捨てたと思った時、それが前座だったのはいい裏切り。
ラストの見所が競り上がっていくところがいいが、ラストはモヤモヤで終わり。

◆『ASSAULT GIRLS(70分)』
五つ星評価で【★耐え忍び、ラストはガンガン(取り戻せない)】
長編。そしてひどく退屈。
ここまで見た短編と同一の方法論で作られている。
えんえんと待機させられ、最後でドンと取り返す方式だが、
中盤で一回見せられている「ドン」と
さほど変わらないのでカタルシス解消にならない。

こんなんばっかやってちゃあかんよ。


【銭】
フィルムセンター入場料金530円。
▼関連記事。
斬 KILL(1回目)@死屍累々映画日記
アサルトガールズ@死屍累々映画日記

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2017年01月15日

『傷物語 掘[箏貶咫戮鬟函璽曄璽轡優泪再本橋1で観て、そのサゲは凡庸だと思うふじき★★

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▲ハネカワさん
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▲ハネカワさんもう一枚

五つ星評価で【★★設定を説明する機対決で煽る供△燭世燭青める掘
物語としての終わり方を模索するだけに終わっている第三部。
長さの割に、その模索の為だけに終わっているので私は面白くなかった。
面白いのはアララギくんとハネカワさんの乳のくだり(バリバリにポルノ)なのだが、
あれまるまる割愛しても物語としては決して困らない筈だ。

設定を静的に見せて、対決部分で動的に楽しませる。
筈なのだが、主人と従僕の対決映像がだらだら長くて飽きてしまった。
単純に両者の勝ち負け具合がどんな状況か分からず、
ただただ大量の流血を呼ぶ暴力描写が無駄に暴走している。

この争いに決着を付けるために調停する人間が二人、ハネカワツバサとオシノメメ。
ハネカワツバサが探り、オシノメメが回答を提示する。
この回答が的をえた物であるが、一般常識的にはつまらない。
これはゾンビの徘徊老人がいたら手足折って家の中に押し込めて、
介護者がずっと自分の血肉を与えて暮していきなさいという
過激だが、地味でただ面倒な方法が主人公に押し付けられるのである。
その解決方法は破綻はないのだが、リアルでイヤな展開でスカっとしない。

吸血鬼の能力を吸血鬼に気づかれずに抑制できるオシノメメなら、
もう少し別の方法を提示できたのではないか?
まだまだあのキャラクターにノビシロがあるような気がするのは
私が原作未読で、作品世界と遠く離れているからだろうか。

物語の実量で言うと、3本の映画に分けるほど長い話ではなかったと思う。
そして3本に分けた事で、この上もない変な映画になってしまったと思う。
わざわざ割ってから金を使って繋ぎ直した陶器のように歪だ。


【銭】
トーホーシネマズデーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
傷物語〈III冷血篇〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
傷物語〈III冷血篇〉@だらだら無気力ブログ
傷物語〈III冷血篇〉@beatitude
▼関連記事。
鉄血篇1回目@死屍累々映画日記
鉄血篇2回目@死屍累々映画日記
熱血篇@死屍累々映画日記

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2017年01月11日

『伊賀野カバ丸』『直撃地獄拳 大逆転』を新文芸坐で観て、いつもの則文と輝男だふじき★★★,★★★★

特集上映「絶対に観て欲しい喜劇 初笑い29本」の1プログラム。

◆『伊賀野カバ丸』
五つ星評価で【★★★正々堂々とした出落ち映画】
今をときめく有名人がチョコチョコ変な役で出てるのが、それだけでおもろい。
クラス会みたいな映画と言えばいいだろうか。
全体ラストへの盛り上がりとかは今一だけど、これはこれで別にいいだろ。
亜月裕のマンガは未読でイラストとか見て知ってるだけなのだけど、
鈴木則文がマンガキャラを再現すると
どうしても少年マンガテイストになってしまう。
原作ファンはあれを許してあげたのだろうか。
タッチで言うと『ハレンチ学園』みたいなタッチだからなあ。

黒崎輝のカバ丸はリアルだとあんな感じというのは分かるけど、
やっぱりもうちょっと美少年っぽさが残っていて、
にも関わらず野蛮という方向に振ってもらいたかった。面白顔すぎる。
だから、真田くんとかで良かったと思う。
真田君の役を誰がやるかって話になるけど、あれは誰がやってもダメな役だから。

という事でババひいたのが真田広之。こなしてはいたけどやっぱ違うは違う。
新宿高層ビル街の低層ビルの屋上で真田君と黒崎君がアクションすると、
ドカーンと目に入ってくる「西口トルコ」の大看板がステキ。

武田久美子が本当に素材の良さだけで健気に頑張ってて可愛い。

志保美悦子が割とどうでもいい役(女中)。
アクションないのはこの辺りで有名になって時間が取れなかったからかしら?

蟹江敬三は校長先生かな。隠れホモで真田君に言いよる。

テニス部の部長で生徒会長は『宇宙刑事シャイダー』のアニーが有名な森永奈緒美。テニス部の部長の癖に、ここではまだパンツを見せない。『宇宙刑事シャイダー』では憑りつかれたようにパンツを見せていたのと対照的だ。

真田くんとライバル心を燃やす王玉学園生徒会長は大葉健二。
顔がバリバリそのまんま『宇宙刑事ギャバン』なのに
お姉言葉を使うのが個人的には受ける。

ラストのサゲは特に落ちずに適当に終わる。ゆるいなあ。


◆『直撃地獄拳 大逆転』
五つ星評価で【★★★★定番】
面白い映画の定番。多分3回目くらい。

千葉真一と佐藤充と郷治の掛け合いがムチャクチャ面白い。
中島ゆたか、いーのー。あーゆーキツイ顔は謎の女に向く。
峰不二子みたい。っつかルパンっぽい映画。
こんな感じで実写ルパン作ったらよかったのよ。
テーマ曲が安っぽくて逆によかった。
あのテーマ曲の安さに映画がノリノリで相乗りしてる。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
伊賀野カバ丸@ぴあ映画生活
直撃地獄拳 大逆転@ぴあ映画生活

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2017年01月10日

『甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命』を新宿ピカデリー10で観て、今回も一瞬たりとも目を離せない面白さだふじき★★★★★

五つ星評価で【★★★★★やけくそ気味に後編も星五つでもええやろ】
大画面で展開される殺戮や情感の雨霰に酩酊しまくった。
私はこの物語の主人公・生駒の青臭くて不器用で無様なところが好きなのだ。
勿論こういう正論野郎は身近にいると煙たいのだが、
社会が乱れている今のような世にはちょっと遠くに居続けてほしい。
「頭悪いんじゃないの?」と思うくらい言動が直線なのも分かりやすくて好き。
感情直結なのだな。うん、やっぱり頭悪いんだな。
そして感情直結だからこそ、無様に泣きながら正しい事をする。
こんな分かりやすいキャラはいない。
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▲鬱陶しい正義漢だが、必ずしもかっこよくなく無様なところに惹かれる。

ヒロインの無名は生駒とは逆で感情を秘めてしまうタイプ。
殊更、本当の感情を表に出さないのだが、それでも零れだしてしまう
感情をみずみずしく表現した作画が素晴らしい。
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▲可愛くて強くて実は弱い。

この物語の一番の悪役、美馬。この男がTV頃から嫌いだった。無駄に美形。
そして世界を再生できる力を持ちながら、それを破壊にしか使わない男。
彼の部下の忠義が彼に盲目的に追従する事なのが痛々しい。
美馬には美馬なりの理由があっての蜂起だが、それはやはり彼の我儘にしか見えない。
息子も親父もトップにいるべきでない小物だったという事だろう。

後編の後半、全てを奪われ、約束一つを守るために自分も捨てて化け物への道を選ぶ生駒が良い。

あと融合群体の核に使われたホロビ、ムメイの外観の奇観ぶり無双ぶりに反比例した、神経剥き出しを思わせる内面のナイーブ表現が凄かった。
ホロビの人から踏み外れる時の絶叫も
無名の無数の死を背後につき従えた蝶の群舞も、
こういうのを絵や音で見せきるセンスが凄いなあ。
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▲融合群体、症状加速薬、超カバネリみたいな設定が後編でドンドン開いて目を見張った。

いやあ、満足満足。
エンディングにかかる御木本晴彦画伯の手によるイラスト。
えーと、アニメの絵の方が好き。


【銭】
松竹会員カードの前回有料入場割引+ネット購入割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
甲鉄城のカバネリ 序章@死屍累々映画日記
甲鉄城のカバネリ 総集編 前編 集う光@死屍累々映画日記

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