2017年に公開したもしくは観た邦画

2017年06月09日

『惑星ロボダンガードA対昆虫ロボット軍団』『鋼鉄の巨人』をシネマヴェーラ渋谷で観て、こんなやろねふじき★★,★★

特集上映「甦る映画魂 The Legend Of 石井輝男」の1プログラム。

◆『惑星ロボダンガードA対昆虫ロボット軍団』
五つ星評価で【★★うんまあ】

懐かしいな、ダンガードA。
こんなのに石井輝男が絡んでるとは知らんかった。
名前貸しだけかと思ったら、どこまでかは知らないが手を出してるらしい。

それにしても動かないのだけど、キャラがアップの時の作画の力の入れ方が凄い。

TVのエピソードとは一切絡まず(確か新惑星一番乗りを目指すような話だった筈)
いきなり攻めてきた悪い宇宙人を退治しておしまいみたいな身も蓋もない話だった。
宇宙人の目的も地球人の食糧化ってベタなものだったし。
話の中で主人公の一文字たくまが命令破りみたいな事ばっかりやってる。
それが笑って許されるところが軍隊組織みたいな厳しさがなくてユルユルで、逆にいいのかもしれない。

昆虫人間のデザインがグロくっていい。


◆『鋼鉄の巨人 怪星人の魔城+地球滅亡寸前』
五つ星評価で【★★珍品】
なんか退屈。緩急がゆるいのかなあ。格闘シーンとか随分ユックリな感じ。

怪星人カピア星人のデザインとかなかなか良く出来ているが、
宇宙人というよりは妖怪っぽい。

ともかく変身した宇津井健がポヨンポヨンしててかっこ悪い。

「海底マ嬢」と変換しちゃいけないよな。ちょっと相手にして貰いたい気はするが。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
惑星ロボ ダンガードA対昆虫ロボット軍団@ぴあ映画生活
鋼鉄の巨人/怪星人の魔城@ぴあ映画生活
鋼鉄の巨人/地球滅亡寸前@ぴあ映画生活

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2017年06月06日

『BLAME!』をシネ・リーブル池袋1で観て、濃厚なSFの香りが嬉しいぞふじき★★★

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▲「マスクを取れ」と言われて即座に応じる娘。「パンツを取れ」と言いたい。

五つ星評価で【★★★SFしてていいのだけど、謎がほったらかしなんだよねえ】
「人類が自動生成機能を持つ都市に害虫として駆除される」という設定がたまらない。
確かにこれは今、起きようとしている切実な問題なのだ。
人間と機械との間に明確な上下関係があるうちは大丈夫だった。
車は自分を運転する者に疑念を抱かない。
運転する権利(起動キーを持つ)さえあれば、運転者の資格は問われない。
相手がAIのような物になり、自分に命令を下しているものはいったい何者なのか、
その者の特定とは何を持って行われるのか、を悩みだすとこの映画の世界に近づく。
人間とは何かが失われた時代に繰り広げられる
人間に作られた人間以外を排斥しようとする機械と、人間だった者達の戦い。

人間は設定上駆除対象だから弱い。ビクビクしながら生きている。
そのままだと駆除されて終わってしまうので、冒険者の旅人と
村の深層に隔離されていた魔法使いを付けた。

この旅人と魔法使いの存在が現状を打破しようとする状況に上手く作用して、
物語を面白くしているが、彼等二人自身の存在の謎が解明されないのはマイナス。

でも延々と続くアクションや殺し合いは音楽のかっこよさも合わせてワクワクさせられてしまった。ちなみに3DCGで描かれたキャラクターはどれも似通ってしまい、その「声」だけでなくもう少し各々の個性を際立たせるべきだったと思う。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
BLAME!@ぴあ映画生活

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2017年06月05日

『メッセージ』『花戦さ』をユナイテッドシネマ豊洲4,9で観て、両方コミュニケーションが大事だふじき★★★★,★★★

金曜日と土曜日に見た2本をまとめてレビュー

◆『メッセージ』
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▲白鶴「まる」にシン・ゴジラ第四形態が乗り移ったみたいな宇宙人のメッセージ。

五つ星評価で【★★★★宇宙人のメンタリティーにビックリ】
正体不明の宇宙人が「バカうけ」と言おうか、
黒い米粒と言おうか、スイカの種と言おうか、
『ゴジラ・ミレニアム』のオルガの乗ってきた宇宙船と言おうか、
まあともかく種っぽいのが12個12カ所地球に飛来してきて
人類とコミュニケーションを取ろうとする。

この宇宙人のコミュニケーション言語(音声と文字(但し、非相関))と
メンタリティーが独特で他にないのがちょっと興奮を誘った。
正確にはメンタリティ(心の持ち方)だけかな。
ちょっと独特すぎて想像しか許されない。きっとこうじゃないかなあ程度。
彼等に比べれば『2001年宇宙の旅』に出てきた謎の存在モノリスの方が
まだ人間的な思考に寄り添った存在に思える。この状態はとても面白い。
それはSFだから。
SFでまだ見ぬ謎や新たな概念を目にする事の何と減ってしまった事か。
久しぶりに見た事もない「珍奇」を味わった。星四つはそれに対してである。
しかしまあ、全てを知っている存在とはどんななんだろう。
少なくとも博打は楽しめない。出来事に対しての驚きがない。
彼等のようになる事が幸せとは思えないが、それを受け入れさせられてしまうのは
外見と内面の差はあるが『第九地区』を思いだしたりもする。

円状の言語は面白いが、紙の文化が前提にあるようにも特に思えなかったので、
あの言語は球状に展開するのでも構わなかった。
まあ、それは2Dで見せる映画には向かないからしなかったのだろうが。
映画で見せるのに向かなくて構わないというのなら、
言語自体が視覚・聴覚を基本とせず、嗅覚や味覚、触覚をベースにした物だってありえなくはない。嗅覚や味覚は自分達で容易に再現できないのでとても言語には向かない気がするが、仮に一定空間に特殊な粒子を噴出する事でそれらを自由に表現できるなら、言語化が不可能な理由はない。
触覚だって背中に文字を書くのを複雑にし、二次元バーコードみたいなスタンプを互いに押し当てあって話すとかだってできそうだ(タイトルは「メッセージ」ではなく本当は「マッサージ」なのだ(笑))。
こういう与太話を考えるのがSFの楽しみである。

PS 松本零士の『ミライザー・バン』はこのメンタリティーに似てるかもしれない。


◆『花戦さ』
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▲月代の採光と顔の影が統一されている点に注目。

五つ星評価で【★★★萬斎さんの演技が嫌いという事に気が付く】
今回、映画を見て分かったのが、私、萬斎さんの何時も同じで(除く『シン・ゴジラ』)、大小しか違いのない演技がどうも嫌いなのだ。
これは、竹中直人や染谷将太みたいに目に見えてリアリティのない独特な同じ演技をする役者がどうにも好きになれない。そのようだ。邪魔に感じてしまう。
なので、この映画の主役・専好の人の顔は覚えられないが芸術的才能だけは秀でている異能の男というキャラクターには惹かれる。だが、それを演じた野村萬斎の演技は嫌い。
華道サイドでは専好の非政治家的側面を埋める実務家的な相棒・専武(和田正人)と、彼の先輩らしい専伯(山内圭哉)この二人くらいしか出てこない。専伯(山内圭哉)なんかは出番も少ないのだけど、あの「いやですよお〜」が抜群に良い。坊さんはもちっと多くて良さそうなのにこの二人しかいない。
「猿」が嫌いな豊臣秀吉の市川猿之助なんて皮肉で面白い。
佐々木蔵之介の前田利家は妙に魅力がなく、
吉田栄作の石田三成は田舎のおべっか役人みたいにイヤな八を好演。
千利休の佐藤浩市はちゃんとやってるけど、この人容貌が肉喰いそうな感じで獣っぽくて枯れていない。お茶より侍っぽい。
映画は専好と利休と秀吉の命を賭けた三角関係みたいでもある。
そして、戦国時代の娘としてのリアリティが全くないのに、とってもかーいー森川葵はともかく目を引くカワイコちゃんである。

あと、花の映画だから当たり前だが、花が綺麗だった。
エンドロール見ると、ゴッソリ、ゾロっと華道の人々の名前、御苦労様です。
エンドロール最後に「完」が出て終わるのも気持ちいい。
マーヴェルだったら、スピンオフで石田三成が出る『関ケ原』とリンクさせる所だが、会社も違うからそういうのはなかった。なくてよかった。

そう言えば花の寺に出入りする近所の娘として『湯を沸かすほどの熱い愛』の伊藤蒼(次女)が出てた。

登場人物が花に囲まれているビジュアルのチラシ(↑)、チョンマゲの月代が皆、右上が光り、顔の陰影は左下に影が出来ている。生け花のようにかなりちゃんと計算されて写真が配置されているように見える。


【銭】
『メッセージ』:ユナイテッドシネマ会員感謝デー(毎週金曜)で会員1000円。
『花戦さ』:年会費更新時に発行された特典「映画1本を1000円で見れる券」を使って1000円で鑑賞。
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メッセージ@ぴあ映画生活
花戦さ@ぴあ映画生活
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2017年06月01日

『私、違っているかしら』を神保町シアターで観て、意外と芋いかな?ふじき★★★★

特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★吉永小百合だあ】
1966年カラー、初見。

何に興味があったかと言うと、森村桂の自伝的小説を若い吉永小百合が演じている、という所。いい加減、映画マニアのような顔をしているが、違うのよ、シネフィルとかじゃないのよ。ただ、絨毯爆撃みたいに映画を見るのがやめられないだけなのよ。と言う事で、若い吉永小百合が出てる映画が初めてである。「今だって若い」みたいなオベッカは使わないわよ。彼女が21歳の時の作品。ちなみに芸歴は10歳の時からで、どの辺が一番の全盛期なのかはよう知らない(「今が全盛期」みたいなオベッカは使わないわよ)。

で、小百合様、思ったより芋かった。
武井咲にちょっと似てる。いや、大変失礼ながら武井咲の方が可愛い。
この吉永小百合の役がガッツのある素直なおっちょこちょい。若かりし頃の黒柳徹子とかみたいってか、人生に対する態度がまだ甘くって、若くって、弾けてて、表面は適当だけど、心根がいい女の子。えーと、まあ「ヤング」なんである。その「ヤング」な小百合様が就活の中で、あちこちぶつかって、ぶつかった分、ちょっと大人になって人生の展望を見据える物語。
それにしても、役柄が役柄だからなのかもしれないけど、たった一つもエロを感じさせるシーンがなかったね。まあ、小百合様は美人コースではなく、カワイコちゃんコースだから、真面目に人生を考えるたけで、エロい方向に行かんでも良かったんでしょうなあ。さて、決して大人しいばかりじゃない、どっちかって言うと規格外の女の子を演じてるのが面白かった。そんなキャラを作ったのは脚本家の倉本聰、長広明。



【銭】
神保町シアター当日一般料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
私、違っているかしら@ぴあ映画生活

PS 吉永小百合が就活をやってるのだけど、
 相手会社の人事担当者にあまりにタメ口なのも驚いた。

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2017年05月28日

『仁義なき戦い 代理戦争』『実録外伝 大阪電撃作戦』を新文芸坐で観て、あーおもれーのふじき★★★★,★★★

特集上映「追悼 渡瀬恒彦」の1プログラム。

◆『仁義なき戦い 代理戦争』
五つ星評価で【★★★★あーおもしれーとしか言えない】
『仁義なき戦い』5本は20年以上前、学生時代に一気に見たが評判以上には楽しめなかった気がする。昔はまだ、この面白さを理解出来なかったのだ。

ちゃんとしてる人たち:菅原文太、梅宮辰夫、渡瀬恒彦
ちゃんとしてない人たち:加藤武、金子信雄、田中邦衛、成田三樹夫、小林旭、山城新伍

ちゃんとしてない人たちの保身の二枚舌が面白すぎる。もう、バリバリに人間のクズ。
特に後先考えない口喧嘩が達者な小心者、加藤武と
いつもながらに完全に自分の事しか考えない金子信雄の
クズとしての仕上がりが素晴らしい。
あの「ふてぶてしさ」に手足が付いてるような面構えの成田三樹夫が
陰でヘコヘコしてるのも面白い。

文太兄ぃは超絶かっこいいけど、任侠映画にあるような耐えて耐えて最後に大暴れみたいなカタルシスで終わらないので、面白いながら見終わった後はちょっと消化不良っぽく感じる。この後、話は「頂上作戦」に続くけど、そこでも文太兄いはかっけーけどあまりスッキリした記憶はないものなあ。

今回特集の渡瀬恒彦は若くて気が利かないが度胸はあるという役を好演。
しかし、渡瀬恒彦と絡むえげつないクズ川谷拓三の毒気には打ち勝てない。
もう、はやいとこ片付いてほしかったわ、あのクズ。

何かで読んだが、死んだあと骨になって更にその遺骨を抗争中の車に轢かれて粉々にされると言う、この渡瀬恒彦の死にざまがヤクザ映画の中でもっとも過酷な死にざまだとか。まあ、確かにこれは徹底してるよなあ。

丹波哲郎が一番の権力者。
喋らんと本当に威厳がある。


◆『実録外伝 大阪電撃作戦』
五つ星評価で【★★★主役二人のイカレっぷりに好感が持てる】
渡瀬恒彦の揉み上げが変。
松方弘樹のヤクザスーツが寅さんみたいにいつも同じ物のような気がしてならない。
成田三樹夫は「代理戦争」よりこっちの方が悪そうでいい。
「代理戦争」は何人かの中の一人だったからこっち方が突出して見えるんだろう。
組が立て込んでて、勢力関係が分かりづらいのだけど、
だからこそ松方弘樹と渡瀬恒彦の上に牙を剥く狂犬っぷりが目を引く。かっけーの。
織本順吉が「仁義なき」の金子信雄ポジションなんだけど、同じような役をやっても繊細な感じ。ハッタリが効いてなくヤクザっぽさが薄い。

こっちでも丹波哲郎が一番の権力者。
その威光に松方弘樹が牙を剥くのをためらってしまうシーンは
静かな決闘のようで良かった。

「実録」だからしゃーないんだけど、
狂犬二人にはラストもちっといい目を見させてやりたかった。
「作戦」なのだから、作戦を完遂させてやりたかった。
もっとも「作戦」を遂行していたのは小林旭側なのかもしれないが。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
仁義なき戦い 代理戦争@ぴあ映画生活
実録外伝 大阪電撃作戦@ぴあ映画生活

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2017年05月26日

『おいしい結婚』を神保町シアターで観て、斉藤由貴がぶざまで最高にキュートふじき★★★★

特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★★オール脇役大進撃】
1991年森田芳光脚本監督作。初見。

実は森田芳光はそんなに見てない。
なんか七面倒くさくてテンポがオフビートすぎるイメージがある。

実際、この映画も変なテンポだったが、まあ、斉藤由貴がだらしなくて可愛い。もう、それだけで完敗です。私、そんな尺度でしか映画見ない人だからそれでいいんです。バブルっぽい派手なパステルのスーツで女の子はいっぱい出てるけど、若くて知名度があるところでは斉藤由貴の同僚役の白鳥康代くらいか。

三田佳子と斉藤由貴が美人親子という設定だが、
熟女好みではないから特に三田佳子には惹かれない。
その三田佳子の取り巻き中年三人組が(小林稔侍、橋本功、斉藤晴彦)と豪華である。
この三人が三田佳子の今は亡き夫の親友という位置付けで家族の世話を焼いている。
ちょっと『スリーメン・アンド・ベイビー』っぽい。
で、斉藤由貴の見合い話を持ってくるがボーイフレンドに唐沢寿明がいて断られる。
唐沢寿明が若い。この後、孫悟空やったりラストコップやるとは思えない。
唐沢寿明の父が田中邦衛。たまに回ってくるダンディーな役である。
何故、田中邦衛にたまにダンディーな役が回ってくるのかについては全く分からないが、
どう考えても他にもっと適当な役者がいるだろう。

そいでまあ、斉藤由貴が最高に芋い。
「ぶざま」「だらしない」「芋い」と言いたい放題だが、それで可愛いのだから凄い。
豆狸っぽいちょっとダイエットした方がいいんじゃない時期で、
挙動不審に恋のやり取りに目を白黒させる、全然イケてない女子の斉藤由貴がほんまいい。お金のかからないスタジアムに行って「円盤投げ」をする。円盤投げなんて見た事がない。そんな競技やるのはもう絶対いい子。情緒不安定気味で唐沢君をけっこう振り回すのでダメ子ちゃんなんだけど、まあ、そういう子ども気質も良い。

三田佳子が斉藤由貴を食べさせるために、ブランド品を多く扱うような質屋を経営している。そこの男性社員二名が爆笑問題の太田と田中。積極的に笑わせには来ないんだけど、地味にいい背景でした。

タイトルが暗示するように「結婚(式)の新しいスタイル」を提示してたりもするけど、そんなに特にどうでもいいなあ(まあ、今更、結婚がどーのって言うような年でもないから)。


【銭】
神保町シアター当日一般料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
おいしい結婚@ぴあ映画生活

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2017年05月25日

『くちづけ』『僕らのワンダフルデイズ』を目黒シネマで観て、良いけど悪しふじき★★★,★★★

目黒シネマの「俳優竹中直人特集」で未見2本がカップリングされてたので見ました。

◆『くちづけ』
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▲うーやんを演じた宅間孝行(左)は舞台版の演出家。

五つ星評価で【★★★貫地谷しほりの熱演が見たかった】
どっちかと言うとこっちを見たくて来た。
貫地谷しほりの熱演が評判が良かったが見逃してしまっていたので。
でも、堤幸彦なのである。そうだ、だから見逃したのだ。

とりあえず貫地谷しほりの凄さを再確認。この人はいい女優になったよなあ。
堤幸彦は舞台のように演劇的に撮るという方法に固執していたようだが、
それは空間を演劇的にしてフィクションの通り道を大きくするような効果もありながら、
映画である事、映画としてのダイナミズムを失ってしまうという当たり前の結果にも
繋がった。それでも、最終的には貫地谷しほりが全てどうにかしてみせた。


◆『僕らのワンダフルデイズ』
五つ星評価で【★★★なかなかいい話なんだけど】
いい話なんだけど主演の竹中直人の余計な演技がうるさい。
他はそのままで主役だけ変えて撮ったのを見たかった。
映画内のイベントが盛り沢山で飽きない。

こっちの映画でも親子をやっている貫地谷しほりの恋人役はAのT(秘密にする)。
今までのどんな映画で言われる親から娘への「あんな奴はダメだ」の最上級。
キャスティング担当偉い。うん、そら、いやだろう。普通の常人だったら必ずいやだよ。


【銭】
目黒シネマ一般入場料金1500円からチラシ割引で100円引いて1400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
くちづけ@ぴあ映画生活

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2017年05月24日

『ポルノ時代劇 忘八武士道』『殺し屋人別帳』をシネマヴェーラ渋谷で観て、体調悪くてごめんふじき★★★,★★

特集上映「甦る映画魂 The Legend Of 石井輝男」の1プログラム。

◆『ポルノ時代劇 忘八武士道』
五つ星評価で【★★★珍品】
多分、3回目くらい。
丹波哲郎は好きだし、これはこれでカルトで有名な映画だけど
無精っぽいデザインは似あわず、殺陣とかも強く見えないので、あまり良くない。
久々に見たので、もう完全に内容を忘れてて面白く見れた。
「吉原裏あるある」映画なのだけど、バリバリに「花魁」とかと遠い世界。
ここでの女は「SEXを振る舞う文化的な女」ではなくズバリ「性奴隷」。
アンヌ隊員ことひし美ゆり子がバリバリおっぱいをぶるんぶるんさせてます。
柔らかそうなパイオツでいいんだよなあ。
ラストちょっと船漕いだ。


◆『殺し屋人別帳』
五つ星評価で【★★珍品】
全編船漕ぎまくり。
変なキャラがいっぱい出てくるけど、
出した変キャラを捻りのない話の中で殺していくだけみたい。
初主演の渡瀬恒彦は若くて適当。何か石井輝男に初主演映画を任せちゃいけないと思う。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ポルノ時代劇 忘八武士道@ぴあ映画生活
殺し屋人別帳@ぴあ映画生活
▼関連記事。
忘八武士道 さ無頼(続編)@死屍累々映画日記

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2017年05月22日

『追憶』を東宝シネマズ渋谷4で、『日本一短い「母」への手紙』を神保町シアターで観て、リアルな母と一代記的な母とふじき★★★,★★

母役を思いながら2本まとめてレビュー。

◆『追憶』
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▲果てしなくオーラがないのが上手い西田尚美(だよね)。
 まあ、本音で言えば岡田君の写真が使いたいんだけど。

五つ星評価で【★★★どこか主演の三人が上手く撮られていないように見えるのは俺の欲目だろうか?】

降旗康男監督×木村大作撮影だけど、
予告見た時から景色の絵を綺麗に(標準的に)撮りすぎてるのと、
主役男子三人が並べて立たせると岡田君が引き立たないのとで心配してたら、
心配してた通りになってしまった。

映画の背景としての景色はどこもかしこも綺麗に撮る必要はない。
ここぞと言うカットがバシっと決まればいい。
でも何か記念写真見たいに絶景が量産されていて、その景色に感情が乗らない。

岡田准一が小さいのは元から知っているのだけど、
小栗旬と柄本佑と並べて立たせると、とてもバランスの悪い絵になる。
岡田の服が黒で、小栗の服がオレンジだったりするので尚更大小が絵として強調される。
岡田がチビでかっこ悪くなるだけでなく、小栗も膨らんで見えてかっこ良くない。
そんなどっちも損する撮り方をするなよ(気になってるからそう見えるのかなあ?)。

岡田は過去の事件により、のっぴきならない状態に追い込まれる男だが、
基本正義漢であるのは間違いないが、行動が正しくないので観客からは支持し兼ねる。
そして、いつも限界まで追い詰められていて余裕がないので、大きな人間に見えない。

小栗旬は、とても気持ちのいい男を演じているが、主演の岡田とだけは打ち解けない。
なので「とても気持ちのいい男」が話の中で効果的に作用しない。
小栗旬の妻になる木村文乃にちょっと『オールド・ボーイ』っぽい影を感じるけど、
それは違うよな、そんな昔から知ってた訳ではない筈だから。

柄本佑は岡田と小栗を埋めるキーパーソンとしていい感じなのだが、出番が少ない。
生活に疲れている。明るくない。暗い。

三人とも程度の差はあれ疲弊している。それを観客が見せられるのもどんなもんかなあ。
話の転がり方には納得が出来るのだが、誰にも感情移入できないようでは映画にならん。
これ、昔の邦画なら、30後半の彼らくらいでよかったけど、この三人がそれぞれ家族の生活を支えているという事に「今のリアリティー」がないのかもしれない。本来は紆余曲折色々あった大人が演じると味が出るのだが、そうするとこれは『64』の佐藤浩市くらい老けさせないと人物像として成立しないのかもしれない。みんな若くってそんなに重荷を背負って生きてるように見えないじゃん。

役者としては安藤サクラが相変わらず上手い。
矢島健一、北見敏行、安田顕、三浦貴大の刑事組もいいコンビネーション。
そして相変わらずどんな時代でも突出して屑が似あう渋川清彦。
だけどこの映画の一等賞はりりィ。あのダメ母のリアリティは凄い。惜しい役者を亡くしました。

PS いかん。書こうと思ってずっと忘れてた。
 岡田准一くんが地元・富山で使う車のナンバープレートが「45−02」で、
 「仕事の鬼」の宛て数字だ。



◆『日本一短い「母」への手紙』
五つ星評価で【★★でも、裕木奈江が見れたから「るん」】
特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。
一般興行の時に見逃した一本。1995年の映画でこれも木村大作撮影。

裕木奈江は可愛いし、自分を捨てた母を受け入れられないのもまあ分かる。
原田龍二は爽やかで、自分を捨てた母でも、受け入れてしまうのも分かる。

ただ、捨てた母の十朱幸代が捨てた理由もあまり明確じゃないまま、水商売の成功者としてそれなりの大人物になっており、上から、もしくは対等の目線で子供と対峙しようとするのは十朱幸代だから許されるのであり、実際は『追憶』のりりィみたいなのがリアルなんだろうなあと思う。そこの部分をファンタジーにしないと映画として成立しないから、これはこれでしょうがない。

22年前の映画だから、どの役者を見てもみんな今と比べると若々しい。
それは当たり前なのだが、ただ一人笹野高史だけは、この映画の時点で
今の笹野高史として完成されているのが凄すぎて笑う。


【銭】
『追憶』:トーホーシネマズデー1100円。
『日本一短い「母」への手紙』:神保町シアター当日一般料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
追憶@ぴあ映画生活
日本一短い「母」への手紙@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
追憶@映画的・絵画的・音楽的
追憶@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
追憶@ここなつ映画レビュー
追憶@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

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2017年05月21日

『サクラダリセット後編』『劇場版 Fairy Tale Dragon Cry』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』をトーホーシネマズ渋谷1,渋谷1,日本橋5で、『劇場版Free!絆』を新宿ピカデリー2で観て、どれもモヤモヤふじき★★,★★,★★,★★

もやもや4本を軽くレビュー

◆『サクラダリセット後編』
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▲トリオ漫才っぽい。

五つ星評価で【★★ぶっちゃけ話に付いていけなかった。】

中盤、今のサクラダで能力が暴走する件と、能力者が能力を失う件と、過去のサクラダの話がグチャグチャに並列に並ぶ中でミッチーの薄くて変な演技だけが悪目立ちして、話の本筋(主に過去のサクラダの因縁と今、サクラダがどのように維持されているか)を見失ってしまった。うん、分からん。封印したという事実は分かるが何の能力をどんな理由で封印し、それが今、どう維持されているかが全く理解できなかった。
付いていけなかった自分の責任か、付いていけない物を提示した製作者側の責任か、そこを追求してもしょうがないのなら、まあ、足を踏み外しちゃって楽しめなかった感が残るだけっす。後半、野村周平とミッチーの選挙演説は実に聞き応えがあるのだが、正論が人の心に響く事によって収束する事態と言うのは物語としては弱い。響く相手のメンタリティーによって物語が左右されていしまうからだ。その相手を完全に「こうするだろう」「こうしてほしい」と信じきって仲間の命を取引に使うのは、相手に対しても仲間に対しても失礼ではないだろうか。失礼も何もその道しかなかったという事にしたいのだろうが、それはやはりドラマ作劇上の弱さでしかないと思う。
これは前編でも感じた事で、今回のミッチーの能力にしてもそうなのだが、訳もなく複雑で、複雑であるが故に他の能力と組み合わせると意外な効果を発揮したりする。だが、理由もなく複雑なので、逆にその「意外な効果を発揮」させるために能力の複雑さがあるように見えてしまう。そこはそう見えないような手を製作者側が考えるべきだったんじゃないだろうか?

PS 黒島結菜は物凄いパワーの能力者でありながら位置付け的に助演。
 存在は巨大なのに、後ろで影を潜めている小さい役、というとても変な役。
 主役は野村周平ひとり。
 でもまあ、恋愛関係をちゃんと描いたので後編での黒島結菜は報われて良かった。


◆『劇場版 Fairy Tale Dragon Cry』
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▲無駄なサービスカットはなかなか良いと思う。

五つ星評価で【★★「おらおら根性見せろよ」が基本。】
まあ、そんなにつまらん訳でもないのだが、
「根性があればどんな敵にも最後は打ち勝ってしまう」病に主人公達はかかってる。
主人公達が勝つ理由が、「気合いが入ってるから」だけではいかんと思うぞ。

『Fairy Tale』劇場版アニメの二作目だが、
一作目はかなりちゃんと世界観の説明とかしてたと思う。
原作者が映画に絡むと、映画のソウル(魂)は正しい方向に向くが、
全体、話が物凄く大雑把になってしまう気がする(『ワンピース』とかもそう)


◆『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
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▲こんなテカテカ床の上にはミニスカート女子とか置いてほしい。

五つ星評価で【★★周りの評判はいいが、私は乗り損ねた】
ヨンドゥと金色の軍団は好き。

事件の当事者のスターロードは抜かして、
ドラックス、ガモーラ、ロケット、グルートの活躍が薄くて、
いい所をヨンドゥが浚っていった。だから、ヨンドゥだけは凄くいい。

幼稚園で金色くんとケンカした春日部防衛隊ガーディアンズがヒロシのいる家に帰ったら本当の父親という大金持ちがいるのだけど、そいつは青髭野郎で、魔手から逃れようとしていたら金色くんが保護者連れて抗議に来たからぶっ飛ばした、という産みの親より育ての親(&仲間的な意味でのファミリー)という物語。

前回も今回も周りの評価程乗れず。
ガモーラ(姉)とネビュラ(妹)の邂逅は良かったかな。


◆『劇場版Free!絆』
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▲戦隊シリーズっぽい構図

五つ星評価で【★★話が予定調和だと思うな】
ビックリするほど劇場に女子しかいなかった。
おではハルちゃんよりはマコト推し。
ハルちゃんはずっと悩んでいながら、その悩みを口に出さないタイプなのでしんどい。
「ちぃーっす、このハルカ様のお悩みは〜」みたいにオリラジ藤森調に喋ってくれれば映画は30分で終わったのである。
うんまあ、私はこの物語の原型をじっくり体験していないので、信者の人が嵌るようには嵌らない。そこはやっぱり、普通の一見さんが行くとこうなのだと思ってください。前回の『ハイ☆スピード!』もアレコレ言うためのテキストとしては面白かったと思うけど、信者女子が熱い視線を送るようには私自身は楽しめてないから。前回のブザマにつんのめる感じの赤毛ツンツンのアサヒが出てこなかったのは残念。

PS 悪夢のシーンはきもくていい。あと、泳いでるシーンは本当にお達者。


【銭】
『サクラダリセット後編』:トーホーシネマズデー1100円。
『劇場版 Fairy Tale Dragon Cry』:トーホーシネマズデー1100円。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』:トーホー6ポイント使用。
『劇場版Free!絆』:ピカデリー前回有料入場割引+ネット割引で1200円
▼作品詳細などはこちらでいいかな
サクラダリセット 後篇@ぴあ映画生活
劇場版FAIRY TAIL -DRAGON CRY-@ぴあ映画生活
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス@ぴあ映画生活
劇場版 Free! −Timeless Medley− 絆@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
サクラダリセット 後篇@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
サクラダリセット 前編@死屍累々映画日記
劇場版フェアリーテイル 鳳凰の巫女@死屍累々映画日記
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー@死屍累々映画日記
ハイ☆スピード!@死屍累々映画日記

fjk78dead at 12:52|個別記事コメ(8)トラバ(11)

2017年05月17日

『ヴァンパイアナイト』をシネマート新宿2で、『ブレイブ・ウィッチーズ』を角川シネマ新宿1で観て、両方困ったふじき★,★★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー

◆『ヴァンパイアナイト』
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▲姉妹。

五つ星評価で【★ここんところの中で抜群にダメ】
温泉宿に誘導された客がヴァンパイア・ハンターと一緒に生き残る為に脱出する。
チームは5人、ハンター、女警察官、その妹のアーチェリー選手、モテない男、介護されている母。介護されている母には秘密がある。

話がもうつまんなくて、捻りがない。
狩られるヴァンパイヤは制約に乏しい。日中でも動ける。
高速移動ができるが、他の獣には化けない。多分、力持ち。
ほぼゾンビである。
女刑事の柳ゆり菜、目がクリクリしててかいーなー。
アーチェリー妹はまあ普通。
モテない男はモテない具合を検証する為にサバ・ゲーのミニドラマが編入されてる。
前野朋哉がモテない事は「百聞は一見にしかず」なので、
ワザワザ話を展開しなくてもいい。前野朋哉何でも出る感じだな。
吸血鬼は単なる白塗り隈取野郎。
デザイン的にはヘビメタ臭を取っ払ったデーモン小暮。
何がダメかをまとめると]辰忙淪佞多いのに本筋は単純でドラマ上のカタルシスがない。▲凜.鵐僖ぅ△離凜.鵐僖ぅ△箸靴討寮能や弱点が全く提示されず、彼等を退治できる者が特殊な能力者等ではなく、限りなく素人。強弱に対する基準が全くない。


◆『ブレイブ・ウィッチーズ』
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▲作品全体に百合っぽい空気濃厚。

五つ星評価で【★★いつも通りで、特別注目するような物が何一つない】
TVシリーズの一話分30分の番外編。
特別な事が特に何もなく、これ一話30分で特別公開と称して商品化する理由がよく分からない。普通に大人の事情があるのだろう。
スカートのない世界で女の子たちがパンツ見せながら魔法で戦う。いつも通りだ。
それだけ。
何がダメかをまとめると30分という短い尺で、ミニドラマ的にカットが多いので退屈はしない。でも、これが「映画館」で掛かる一本の作品として適当かと言うと、ファンの感謝デーにでも迷い込んでしまった感じを受けてしまう。話が小さいからかな(30分で決着付ける話に大風呂敷も敷けないだろうけど)。


【銭】
『ヴァンパイアナイト』:テアトルのメンバーズカード+曜日割引で1000円。
『ブレイブ・ウィッチーズ』:1200円公開だが、額面金額1000円の前売券をチケット屋で1000円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヴァンパイア ナイト@ぴあ映画生活
ブレイブウィッチーズ ペテルブルグ大戦略@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:29|個別記事コメ(0)トラバ(1)

2017年05月12日

『旅役者』を神保町シアターで観て、成瀬は一矢報いたふじき★★★(ネタバレ)

ラストを含めたおおよその荒筋が書いてあるので、
見てない人は控えてもらった方がいいと思います。


五つ星評価で【★★★これは積極的に好きラインの方】
「映画監督成瀬巳喜男初期傑作選」プログラムの一本。
「日本一の馬の足」を自称する、馬の足歴15年の役者が地方の興行主に被り物を壊されたことから喧嘩になり、本物の馬に代役を取られる。ジャンルで言えばコメディー。
この芸にストイックな馬の足役者の演芸論は正鵠を得ているし、そのメソッドにより演じられる馬は確かに凡百の馬の足より優れているに違いない。その実、観客はそれほど馬の演技に関心がある訳ではないので、馬を演じる人間の渾身の演技より、馬の愛嬌の方に軍配が上がってしまう。やり場のない怒りに突きあげられた役者は、ライバルの馬に演技対決を申し込む(馬にその気はないけど)。馬は走る。馬になりきった役者も走る。そこで、いきなりENDマーク。

「馬の足」に心血を注いでいる、ある意味役者根性がある面倒くさい男、この飲み屋の女を口説くのに「演技論(メソッド)」を語って威張り散らしたりもする器の小さい男がギャフンと言わされるのは、可哀想だけど、ちょっといい気味でもある。この男と後ろ足の男が運命にさいなまれながらずっとクサっている場面が映画のかなりの部分を占めているのは、バランス悪い。それならラストシーンの後ももうちょっと見たかった(見てもほがらかな展開になりそうにもないから割愛したのかも知れないが)。

素晴らしいのはラストの馬の足だ。

ドブロクで酔っぱらって本物の馬に因縁を付ける被り物を付けた馬の足が本当に素晴らしい。いや、実の馬と並べると、確かに着ぐるみみたいだし、人間が入っているのも百も承知で、動物や生物としての馬ではない。外見は違うし、壊された被りもののお面が劇中で言われる「狐」より「禍々しい悪神」のように見えてしまっている。にも関わらず、「馬であり続ける」「馬であり続けたい」という思いの強さが爆発して、その存在は馬でないにもかかわらず、限りなく馬なのだ。実態は違うし、動きも実の馬の動きから考えるとインチキだが、そこには「馬とはこうだ」という観念上の馬が確かに存在している。「演技対象である馬への愛」がただ分かる、それなのに投げやりでもあるラストシーンがムチャクチャ響いた。

ベスト馬の足映画


【銭】
神保町シアター当日一般料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
旅役者@ぴあ映画生活

fjk78dead at 09:56|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年05月11日

『ラストコップ THE MOVIE』『リライフ』をユナイテッドシネマ豊洲9,5で観て、もうバカなんだからと同窓会的なとふじき★★★★,★★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー

◆『ラストコップ THE MOVIE』
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▲若い二人。

五つ星評価で【★★★★窪田くんのあの声が好き】
30年間眠り続けた昭和の刑事が目覚めて、平成の草食系刑事とバディを組む。
「こんなもん」と思われるフォーマットで正々堂々とベタな展開を連打する
なかなか食えないTVドラマの映画化作品。

唐沢寿明の昭和っぷりと窪田正孝の平成っぷりのギャッブが楽しい。
唐沢寿明の30年前の奥さんか和久井映見。
朝ドラの愛子さんと違ってちゃんとしてるようだ。
その和久井映見の今の旦那が宮川一郎太。この人超被害者がよく似あう。
唐沢と和久井の実の娘役に佐々木希。
かーいくてたまらんがネジが外れてて、それも又、かーいー。
藤木直人さんは私の知ってる藤木直人さんとは違ってしまった。まあ、いいか。

ちょっと真面目に感心したのが話の閉じ方。
あの閉じ方は本当にクレバーだ。そして絶対的に不可逆だし。
佐々木希はマジ可愛い。
棒演技とか言われてたけど、そんな事ないよ。
可愛いし、面白いし、お得な役だ。


◆『リライフ』
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▲平佑奈かわいすなあ。

五つ星評価で【★★みんなどこかで見たようなヤング役者の面々が花火大会・文化祭などテンプな青春を送るちっちゃい映画】
実の所ツイッターでの評判があまりよろしくなかったのでスルーしようと思っていた。
でも、映画館に行ったら時間の繋がりが良かったので、ただそれだけで見てしまった。
まあ、そんな事もあるよ。映画は大体、評判通りだったけど。
その評判は、

よくある話をよくある通りにこなしていて、グッと来ない。

みたいな感じかな。
27歳の無職が17歳の学生生活をやり直し(リライフ)する事で人生を見つめ直すという映画だけど、このリライフを影で操る秘密組織「リライフ研究所」が何の為にそのような実験を行っているのか、実行するための諜報機関をも超越する科学力や社会的な政治力などが何に支えられているのか、というリアリティ・ラインが整備されていない。組織その物が善意の組織か、世界征服を企むような悪の組織であるかさえ分からないのである。
なので、物語は絵空事にしか見えない。というか、基本設定が成立していない状態は絵空事以下であろう。
そうではなかったが、いきなり夢オチに差し替えても全く違和感ないというのは脚本がそれだけどうでもいい現実感のない事をダラダラ描いているという事だろう。

でもまあ、お話(脚本)と、絵と緩急(演出)がバリバリに凡作ではあるが、役者陣は「あっ、あの人」という見覚えのある面々が沢山出てきたので楽しめた。

中川大志:主役。『四月は君の嘘』のサブの善人役と『きょうのキラ君』のキラ君。
 友達としてとってもいい奴が嵌るヤング役者。
 27歳の大人とその27歳の意識を持ったままの17歳の高校生を
 キッチリ演じ分けてるのはなかなか上手い。
 今回、映画の仕上がりがそんなに「グッ」と来ないので主役としては損してる。
千葉雄大:謎の会社の謎の男。最近、本当にチョコチョコあちこちに出てる超童顔。
 この人がこの顔で女の子を縄で縛ったりしたらすげえ映えると思う。
 M顔でSが映える役者(どこかSとしてのイラダチが見える気がする)。
高杉真宙:女みたいな名前だけどサブのイケメン。『PとJK』のナイーブな不良。
 しかし、この金髪イケメンがクラス一の秀才と言う高校は
 どんなレベルの高校なのかが全くもって分からない。
 落ちこぼれ高校にも見えないが、学力高そうにも見えない。
 強いて言えば「まんが高校」。マンガの中なら許せるけど、現実感が皆無。
 でも、マンガの映画化ってそんなんなんだよな。
 この映画もリアルを増やして設定を煩雑化させる親が一人も出てこない。
 みんなみなしごかよ!(最近のマンガの映画化はこんなん多いよなあ)
平佑奈:映画のヒロイン。平佑奈は出る映画出る映画、顔は同じだけど
 役の質感を変えてくるから偉い。
 今回はヤリスギに一歩踏み出しかけてる瀬戸際の演技。
 あのギコチナイ笑いは古沢健監督が付けた変な擬音ですげえ楽しい。
 基本、役の質感を演技の匙加減を変えてちゃんと調整できる、と言うのはそんなに
 特別な事ではない筈だが、一切やらん人も多いし(やれんのかもしれないが)、
 彼女みたいにキッチリ毎回作ってくるのはやっぱり偉いと思う。
 『きょうのキラ君』の冷静な幼馴染、
 『サクラダリセット』の得体のしれない系女役、
 『暗黒女子』のとても普通下級生。ポロポロ出てるなあ。
池田エライザ:エライザちゃん、エロくって好き。
 この映画の中の平佑奈は男目線から見て、可哀想には見えても常人ではないので
 ごくごく普通に「抜けるライン」として池田エライザを添えてるのはとても秀逸。
 可愛い女の子が感情バリバリなのはもうたまらん。
 が、この子が「勉強できる」って設定は高杉真宙同様、毛一つもリアル感がない。
市川実日子:『シン・ゴジラ』以降、凄く真剣に仕事をやってる女子系のオファー
 ばかりだが、元々はこの人、もっと「ぼーっ」とした役をメインにこなしていた印象。
 『シン・ゴジラ』以降、どんな役でもこなせる女役者バカだと思っている。
夏菜:モビット女。朝ドラで人気落としてしまったりあったけど、『GANTZ』から
 ずっと好き。25歳の高校教師役だが、制服着ればまだJKで通るんじゃないだろうか。
 あー、プールか何かに落ちて、仕方なくJK制服着せられて、全校生徒に見られる
 みたいな羞恥設定が見たい。というほど、出番がある役ではないのだが、
 アクセントとしていい演技してます。

しかし、女子はそんなに男子と花火大会に浴衣きて行きたいのか?
文化祭はあんな盛り上がらないだろ。
卒業旅行とかで終電に帰るような怠惰な事しちゃダメだろ。

誰かが設計図引いたようなテンプな高校生活だな(現実的ではないけど)。


【銭】
どちらも金曜、ユナイテッドシネマ・メンバーズデーに観たので1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ラストコップ THE MOVIE@ぴあ映画生活
ReLIFE リライフ@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:09|個別記事コメ(0)トラバ(4)

2017年05月10日

『サーカス五人組』『妻よ薔薇のやうに』『乙女ごころ三人姉妹』を神保町シアターで、『浮雲』をトーホーシネマズ日本橋3で観て、成瀬に惨敗ふじき★★,★★,★★,★★

成瀬4本まとめてレビュー

おで、成瀬とは合わないみたいだよ。

◆『サーカス五人組』『乙女ごころ三人姉妹』『妻よ薔薇のやうに』『浮雲』
五つ星評価で【★★どれもどれもだなあ】
日本映画の名監督として名を馳せてる成瀬巳喜男だが実は1本も見た事がなかった。
という事で「にわかシネフィル」っぽく、何本か通って見てみた。成瀬巳喜男という人は悪い人ではないのだろう。そういうのはヒシヒシと感じる。でも、私とは何となく生きてるスピードが違う(威張ってる訳ではない)。『マカロニほうれん荘』のキンドーさんがなんだ馬の介のテンポと絶妙に合わないように、私と成瀬も絶妙にテンポが合わない。あんまり背伸びはするもんじゃないね。順番を付けるなら、サーカス、乙女ごころ、妻よ、浮雲の順かな。

『サーカス五人組』はチンドン屋や運動会の生演奏を生活の糧とする5人の楽師が町に入って、サーカスの労働争議に巻き込まれて舞台に立ったりしながら町を出て行くまでの話。昭和10年頃のドサ回りのサーカスがどんな事やってたのかが分かって風俗的に面白い。ドラマものんびりいろんな局面があって退屈しない。映画内のサーカスで見れるのは、花形の空中ブランコ、ナイフ投げを応用した美女を的にした拳銃芸、ダンスレビュー、自転車曲芸、など。動物見世物はないようだった。映画で代わりに見る事が出来るのだからリーズナブルと言っていいでしょう。

『乙女ごころ三人姉妹』門付け芸人の母を持つ三姉妹の悩み。門付け芸人とはほぼ「流し」と考えていい。お金を貰って歌舞音曲を奏でる人。江戸時代からあったが、貧乏人がやる賎業であり、ゆすりまがいの強要や、売春などとリンクする部分もあったので、さげずまれて当たり前な感じがこの頃でもまだ残っている風である。長女は駆け落ちして家を出てしまい、三女は末っ子故に甘えて暮らしている。割りを食うのが次女で、やりたくない門付けの仕事を有無を言わさずやらされている。
そして次女は長女、三女の幸せの為に自らの幸せを捨てていく。内容キツい。何か、必殺シリーズの前半の貧乏人が巨悪でひどい目に合う部分だけで終わってしまうような、そんな話だった。
この映画が成瀬のトーキー第一作で、おっかなビックリ音を入れているようである。セリフのあるシーンとないシーンの差が顕著。もともとサイレントでも伴奏は入ってたから、伴奏だけあって延々セリフがないシーンはサイレントっぽく感じる。喋るシーンは比較的ずっと喋って間を繋いでるんじゃないだろうか。

『妻よ薔薇のやうに』ダメ夫が妻と愛人の間で板挟みになる軽コメディー。明るい修羅場みたいな独特のトーンが面白いが、ちょっと体調不良でウンウン唸りながら見たので(実際には無言です)楽しめなかった。きっと再見したら楽しめる気がするのだけど、ちょっとその余裕がない。

『浮雲』高峰秀子デコちゃんは好きなのだけど、妻と分かれられない森雅之と不貞の関係を止められない状態は見ていて辛い。高峰秀子も幸薄いが、森雅之も病的にあちこちで女と寝てしまう。いかんよなあ。こういう社会性より愛が優先されてしまう映画は苦手。
うさんくさい商売として、この頃(1955年)から宗教ビジネスが出てくるのが先見の明があるよなあ。


【銭】
神保町シアターは三作品とも「映画監督成瀬巳喜男初期傑作選」プログラムで各1200円。
『浮雲』は午前十時の映画祭価格で1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サーカス五人組@ぴあ映画生活
乙女ごころ三人姉妹@ぴあ映画生活
妻よ薔薇のやうに@ぴあ映画生活
浮雲〈1955年〉@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:08|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年05月04日

『そうして私たちはプールに金魚を、』をユーロスペース2で、『牝猫たち』『アンチポルノ』を丸の内TOEI△粘僂董珍品良品チンコ品ふじき★★★,★★★,★★

書いてるうちに関連性を見出せそうになった3本をまとめてレビュー。

◆『そうして私たちはプールに金魚を、』
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▲女子中学生4人。

五つ星評価で【★★★豪勢な25分】
サンダンス映画祭で短編部門グランプリをもぎ取った日本の短編映画。
ユーロスペースで凱旋再映とたまたま聞いて見たくなって見てきました。
こらえ性がないので尺が短い映画が基本、好きなのだ。
死ね、長い映画(おいおい)。

25分なのにカット数多くて密度が濃い。
冗談みたいだけど、大胆で、アピールばかり強くて、重みのない、
映画自身が主人公の女子中学生たちみたいだ。
飢えもなく、全てが手軽に与えられていて、それらを喪失しそうにもみえない、
怠惰で延々と続く頂点も最底辺もない煉獄の日常。
それは最底辺でない事を考えれば、全然、幸せな話なのだが、
生きていながら悟りきって死んでいるような生活は
本当に幸せという実感からは遠いのかもしれない。
人は脳で感じて生きる生き物だから。

映画では最終的に日常は壊れない。
最後にアイドル歌手がリストカットするとか、
通販で買ったマシンガンを持った引きこもりが彼等を銃殺するとか、
分かりやすいオチは用意されない。ただただ煉獄が続くのみ。
良くも悪くもマヌケなラストを迎え、劇的な事の発生を抑えている。
唯一違うのは映画観客が映画を見終わってその煉獄から解放される事か。

すげえスノッブな事をあえて言うならば
男子の観客はこの映画を見た後、
女子中学生を買えばこの映画はもっときっちり完結するし、
女子の観客はこの映画を見た後、女子中学生になりきって男子を買うか、
男子に買われればもっときっちりこの映画は完結する。
その先に何が待ち構えてるかはともかく、それで映画内外とも日常が断絶されるから。
でも、なかなか私も含めて皆さん、そういう訳にもいかないだろうから
二郎のラーメンを二杯食べたらとか、ビエネッタを一人で食べたらとか、
それぞれの代償行為を見つければいいんじゃないだろうか。

私? 私はそんなもん見つけないよ。別に煉獄の日常に強烈な不満はないもの。
映画の中の誰もがちゃぶ台返しをしない人達であるように。私もそういう煉獄的な日常を暗に望む側の人間なのだ。

そう言えば、先生役の山中崇と父親役の黒田大輔が日常その物みたいな生ぬるさでたたずんでいるのがいいなあ。この映画でラスボスがいるとしたらこの二人か、幻想で現れる大人になった4人の女子中学生だろう。

分かり切ったような事を書いてしまったので、ちゃんと言い訳もしておこう。私自身、女子中学生になった事も、金魚になった事もないから、正直この解釈でいいかは分からん。だから違うと思うなら鼻で笑え。耳で笑うとか難しいから目か口か鼻で笑えばいいと思う。

蛇足:この映画の正反対で日常生活に地獄しかない映画が園子温の『アンチポルノ』。そして、その『アンチポルノ』の地獄と『そうして私たちはプールに金魚を、』の煉獄の中間に位置している移動式の(煉獄+地獄)の雑居房みたいなのが白石和彌の『牝猫たち』。うわあ、似たような、似てないようなのを同じようなタイミングで見ちゃったなあ。どっちか一つというのでなく、日常的である事と劇的である事が折り重なっている構造の『牝猫たち』が一番見やすい。そらそうか。


◆『牝猫たち』
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▲主役の井端珠里(もちろん右)

五つ星評価で【★★★濃密な84分】
池袋を根城にする3人のデリヘル嬢が客を取る日常。
見慣れた池袋の街が温かくて可愛くちょっとスタイリッシュに撮られてる。
小汚い部分やカルトな部分やチンケな部分が見えないのが、PARCO全盛期の渋谷みたいである。デリヘル嬢の話だけど、デリヘル嬢が出向する場所がラブホじゃなく、みんな自宅だったりするので安っぽい絵にならない。安っぽい絵にならないと池袋っぽくないよなあ。お化粧した下町みたいだ。まあ、池袋の街おこし映画じゃないからこれでいいんだろうけど。
リアルな動物の猫は一匹も出てないが、それなのに『ねこあつめの家』より濃密に猫っぽさを感じる。隙を見せないくせに身体を摺り寄せてなついてくるからだろうか。『ねこあつめの家』は猫が家に寄ってはくるものの、家に来るのであって、主人と仲良くなる体がほぼほぼ取られていない。『牝猫たち』の彼女たちはなついてくる、隙を見せずに、値踏みをしながら。でも、そんな等身大でそこにいる彼女たちがとてもリアルで愛しい。
主役の井端珠里の付かず離れずの距離感が猫っぽいなあ。
あとデリヘル店長音尾琢真のヤの字スレスレのいるいる感がリアルに花を添えている。
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▲こんな感じのデリヘルの店長、本当にいそう。

◆『アンチポルノ』
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▲おっぱいの張りが若くていいんだわあ。

五つ星評価で【★★バリバリ園子温な78分】
裸は出てくるが、これはロマンポルノ・リブートプロジェクトの中の仇花。
ロマンポルノではなく、裸が満載の前衛映画だろう。
ロマンポルノ内でも「話が分からん」とオクラになった映画があるように、
これも有名監督が撮っていなければオクラになる一本。
ロマンポルノはAVと違って、話がちゃんとしている事が求められている。
基本、ある程度、バカだったり、爺だったりする客がメインだ。
あまりにも常軌を逸した展開には、客が付いてこれない。それではいかんね。
園子温にはオークラ映画で作った成人映画がある。
そっちの方がポルノ映画っぽい(と言いながら商売敵のピンク映画なのだけど)。

園子温はバリバリ園子温らしい物を作っているうちは
本人がどんなに怒って荒れたとしても「世間様」に認められないと思う。
これはだから世間様に対する彼の承認欲求を決して満たさない一本。

でも、同日に観た『牝猫たち』の女優のオッパイがみんな標準よりつつましやかなサイズだったので(年齢からか?)、命をかけるような勢いで主役を張った富手麻妙のポインちゃんオッパイにはちょっと救われた。
なんか本当オッパイとしていい感じのオッパイなんだよ。


【銭】
『そうして私たちはプールに金魚を、』:特別興行800円均一。
『牝猫たち』『アンチポルノ』:映画ファン感謝デー料金1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
そうして私たちはプールに金魚を、@ぴあ映画生活
牝猫たち@ぴあ映画生活
ANTIPORNO@ぴあ映画生活
▼関連記事(他のロマンポルノ・リブートプロジェクト+α)。
風に濡れた女(一回目)@死屍累々映画日記
風に濡れた女(二回目)@死屍累々映画日記
ホワイトリリー@死屍累々映画日記
園子温の、ある秘かなる壷たち@死屍累々映画日記

PS ロマンポルノ・リブートプロジェクトとしては
 1に『牝猫たち』、2に『風に濡れた女』
 女優は1に『風に濡れた女』の中谷仁美、2に同作品の間宮夕貴、
 3に『牝猫たち』の井端珠里。
 『ジムノペディに乱れる』は未見。
 『ホワイトリリー』は昔のロマンポルノっぽすぎてイヤだが、
 『アンチポルノ』は昔のロマンポルノにもなってなくてイヤだ。

fjk78dead at 00:42|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年04月30日

『浮草の宿』を神保町シアターで観て、基本清純は合わんのだなふじき★

特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。

五つ星評価で【★鈴木清純は『けんかえれじい』くらいだな、俺】
1958年のモノクロ映画。初見。鈴木清純演出による二谷英明初主演映画。

二谷英明は年取ってからの方が渋くていいかな。
初主演だからか、清純が芝居付けられないからか、何か下手。
悪役の安倍徹は目がギロン目の悪相だけど、
そんなに二谷英明と違わない気さえしてしまう。

昔の恋人の面影を求めて横浜に戻ってきた死んだと噂されている二谷英明、いやいや、恋人の事が気になるなら5年も外、うろついてるんじゃないよ。
そのお相手の恋人の山岡久乃(妹と二役)はここぞとばかりにタイプじゃない。

ほんま乗れへんかったなあ。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
浮草の宿@ぴあ映画生活

fjk78dead at 01:01|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年04月29日

『パークス』と『あにめたまご2017』をテアトル新宿で観て、どっちもごめんなさいふじき★★,★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『パークス』
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▲問題の三人。

五つ星評価で【★★そこに各人各様の真摯さを感じづらい】
橋本愛、永野芽郁、染谷将太というキャスト陣目当てで見に行った。
50年前の歌を復活させるというプロジェクトを発生させてしまった三人の男女とプロジェクトの顛末。
三人にはこのプロジェクトに対して三人各様のプレッシャーがあるが、そのプレッシャーを跳ね除けて歌を作る、作った歌を歌うという行動が納得できるように描かれていなかった。いや、描かれてはいたのかもしれないが私には納得できなかった。だから失敗したのか。商品として俎板の上に乗せるのを失敗した上で伝承として復活させて語り継ぐという結論なのか。ロックじゃないよフォークだよって。
彼等三人が50年前の曲をどう復活させようとしていたのかが、その成り行きが「その場の気分」に支配されすぎていて、どうにも同調できない。それは私が若者ではなく、50年前の人間に近いからだろう。若者は自由に模倣したり、破壊したりする。そこにあまり厳格なルールは存在しない。でも、その振舞いがあまりに適当であるなら、50年前の原曲を持ちだす意味その物がなくなってしまう。せめて、その原曲が訴えたかったメッセージやエッセンスを抽出する真摯さをもうちょっと丁寧に汲んでほしかった。そうは見えなかったから。

橋本愛は自然で強く、主役として映画を支配している。
ただ、そこで演じられる主役の彼女が単に主役である事に胡坐をかいて
物語の最初と最後で何も変わってないように見えるのはおかしくはないだろうか。
何だ、そういう呪いか?

まん丸い目の永野芽郁が可愛い。橋本愛に吹きかける一陣の風。
でも、彼女には人としての重さがない。
後半メキメキ人としての重さを獲得すると橋本愛や染谷将太と繋がらなくなってしまう。
繋がらない事が正なのか否なのか分からないうちに映画の幕が閉じてしまう。

染谷将太はいつもの「軽くて若くてモテないのに女好きで『んぐー』と呻いていそうで、真面目に見えない」典型的類型的な染谷将太演技の奴だ。俺、このいつもの染谷将太が嫌い。

三人はそれぞれにそれぞれを演じているが、この三人が揃った上で爆発的に生じるような化学反応はなかった。


◆『あにめたまご2017』
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▲俺が悪いのか映画が悪いのか。

五つ星評価で【★ほんまごめん。俺に体力が残ってなかった】
お上が主催している「若手アニメーター等人材育成事業」の成果発表。
役者がワークショップやって映画に出演するののアニメ版みたいな奴。
という事で、お金をかけてなかなかいい事をやっているのであるなあ、と思いつつ
そういう教育的側面はちゃんと作品にも反映されているのであろうが、
娯楽作品として見た場合、何だか平坦な感じで、
『パークス』を気を張って見ていた副作用が出たのか、全然持ちこたえられなかった。
申し訳ない。


【銭】
『パークス』:テアトル割引曜日(水曜日)に観たので1100円。
『あにめたまご2017』:番組固定料金1100円に水曜割引が付いて1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
PARKS パークス@ぴあ映画生活
あにめたまご2017@ぴあ映画生活

fjk78dead at 01:20|個別記事コメ(2)トラバ(2)

2017年04月23日

『名探偵コナン から紅の恋歌』『ねこあつめの家』を109シネマズ木場でふんふんふむふむふじき★★★,★★★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『名探偵コナン から紅の恋歌』
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▲ピアスしてて巨乳だぜ!

五つ星評価で【★★★今回のゲストキャラが好き】
『ちはやふる』もどきコナン(笑)。
舞台が関西になって
西の高校生探偵・服部平次とコナンくんとのコンビネーションもよく、
カルタのお家騒動も、通常のコナン映画よりは動機がまだリアルに感じられ、
かなりちゃんと楽しめました。
つうか、男子高校生二人いてエロトークもなしかよ。
まあ、コナンくんがアレなんでナンパとかにはいけんだろうけど。

爆弾騒ぎが初めに一回、最後に一回あって
今回もしっかり都市破壊シーンが織り込まれてます。
劇場版コナン全てを通して、絶対、裏にゼネコンが謀略とか仕組んでると思う。
あと、これだけ毎回、高所からの脱出みたいなのが発生するのなら
コナンくんはタケコプターくらい用意すべきだろう。
まあ、タケコプターが阿笠博士に開発できないのなら、
ルパンがやるような折畳式のグライダーでもいいんじゃないの?
あのビルくらい壊すサッカーボールに比べれば余裕で開発可能でしょう。
 不動明 「俺なら、名探偵コナンを空から攻めるね」
『デビルマン対マジンガーZ』かよ。

関西まで少年探偵団、蘭、おっちゃんと、みんなでノコノコ移動してるのだけど
出番的には少年探偵団もおっちゃんもいらない。
蘭もラストのラブコメパートだけの存在だから関西に行かなくてもいい。
結局、子供のコナンくんを一人で関西に行かす訳にはいかない配慮なのだろうけど
そこは阿笠博士にどこでもドアを開発してもらって、、、、、
いや、何か「初めてのお使い」とか適当に理由考えて一人で行動させてもいいでしょ。
たった一人いつもコナンくんが個人行動をしてるのは異常だよ
(映画内では話がズンズン進んでくから気にならないけど)。

服部平次:西の高校生探偵。沖縄で在留米軍に孕まされた父なし子かと思うくらい
 肌が茶色いが、誰も突っ込まない所を見ると、オール・シーズンの日焼けらしい。
 シーズンで色が薄くなったり濃くなったりしないので、肝臓が悪いという方が
 リアルなのだろうけど、、、、、、えーと、いやまあ、何でもないです。
 喋り言葉が関西弁なのは劇に抑揚が付く感じで良い。
遠山和葉:平次の幼馴染。コナン・蘭(空手)と対照になるように平次・和葉(合気道)
 という構造になっている。平次と和葉は本人同士憎からず思っているが、
 マンガの中の幼馴染は告白できないという不文律通り、煮え切らない関係である。
 お前ら早くセフレにでも何でもなってしまえ。
 でも、胸、小さいし、アップになってもそんなに可愛くなかったりする。
 幼馴染というポジションを逆に使わないとこの子はダメだろう。
灰原哀:少年探偵団が全員、関西に行っているというのに
 一言の説明もなく、博士と二人で居残り組。
 高性能の皮肉屋SIRIみたいな役になり下がってしまった。
 サザエさん的な世界観の中で何年も新一に気づかない蘭より
 全てお見通しの世話女房・哀の方がベスト・カップリングだと思うのだけどなあ。
鈴木園子:鈴木財閥のお嬢様。この子に札束で頬を張られたい。
 今回は出番が少ないが、蘭同様、関西まで行っても特にする事がないし、
 ゼニだけ出して、病欠と言うのは実に正しい処置だったと思う。
 名探偵コナンの世界の中で一番ホストクラブにはまってしまいそうな女の子。
 3万円よこせって恐喝するなんて考えられず、店ごと買いきっちゃうだろうなあ。
大岡紅葉:服部平次(服部半蔵+銭形平次)、遠山(金四郎)、に続いて
 大岡(越前)という苗字ネーミングなのね。今回のゲストキャラ。
 高飛車で実力者で恋に積極的で巨乳。
 いいな、このキャラ。
 作画がちゃんと意識して巨乳に描いてるのが分かってニヤニヤしてしまった。
カルタ部部長:貧乏くさい眼鏡美女。
 それなりに大事な役の筈なのに、ある仕事が終わったらもうほとんど出てこない。
 そんな扱いはないだろ(笑)。キャラが多くてちょっと整理が効いてない感じ。
 整理は効いてないが、生理は来ているに、、、、、、いや、何でもない。

PS エンドテーマをX JAPANに歌わせて題名を
 『紅からの恋歌』にするコラボもありだな(ないない)。


◆『ねこあつめの家』
171832_3 ▲ろくろっ首っぽいくつなしおりさんの首筋。

五つ星評価で【★★★画面をぼーっと見て、猫が出てるだけで満足すればよかろうみたいな映画。自分は特に猫好きではないのだけど、日常の中にポカンと何もない時間があるのを追体験できるのは映画で行えるデトックスとして良いと思う】
猫を集めるだけのゲームをよく映画にしたなあ。
それでゲームの主旨と映画の主旨がずれてなかったりする(ゲームやらんけど)。

役上の伊藤淳史はけっこう鬱陶しいと思う。
コミュニケーション不足がちなのに服の柄がハデハデな奴って性格おかしそう。
これはスタイリストが間違えてるんじゃないかと思う。
小奇麗である事はもっとも大事だが、
できるだけ個性を主張せず都会なら、
街全体に埋没するような服を着せてやればよかったのに。

私は特に猫好きではないので
(それでもツイッターに流れてくるような画像は可愛いと思う)
猫の映像については「猫だなあ」くらいしか思わないのだが、
代わりに忽那汐里と木村多江が出てるシーンは
「忽那汐里だなあ」
「木村多江だなあ」とホッコリした。
猫同様、生まれたままの姿だったり、
忽那汐里と木村多江が頬摺り寄せあったりする絵もあれば
もっとよかったと思うが、その場合の『ねこあつめの家』の「ねこ」は
違う意味になってしまう。まあ、それでも、全然かまわんのだけど。

最初、『ねこあつめの家』という題名を聞いて、『悪魔のいけにえ』でレザーフェイスが人間の遺体を加工して、
色々な家具を作るのを猫でやるのかなと想像してしまった。

エンドロール後のシーンもてきとーでいーわー。


【銭】
109シネマ会員感謝の日(毎月19日)に見たので、メンバー割引で各1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
名探偵コナン から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)@ぴあ映画生活
ねこあつめの家@ぴあ映画生活

fjk78dead at 09:42|個別記事コメ(0)トラバ(3)

2017年04月22日

『結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章 第二章』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、このテンプには弱いふじき★★★

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▲立ち姿が凛々しい。

五つ星評価で【★★★この展開にはいつもやられてしまう】
TVアニメ「結城友奈は勇者である」未鑑賞。一見さん(前劇場作は見てる)。

脱力ものの日常エピソードが長すぎるのにはちょっと閉口
(と言うのは同テイストの短編を事前に見せられてるからである)。
これが作劇上、必要なものである事は重々承知たが、それでも長い。

でも、あの終わり方は鮮烈だ。
次の物語をどう転がすかが非常に気になる。
あーもう、こんなん転がされてるのは重々承知なんやけどね。


【銭】
特別興行1500円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第2章》@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第2章》@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第1章》@死屍累々映画日記

fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年04月21日

『君も出世ができる』と『ひばり・チエミの弥次喜多道中』を神保町シアターで観て、堂々たる狂人フランキーにオキャンすぎるひばりとチエミふじき★★★★,★★★

◆『君も出世ができる』
五つ星評価で【★★★★あー狂おしいくらいおもろい】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1964年のカラー映画。多分、TVで一回くらい見てそう。

冒頭からフランキー堺が歌いまくり、踊りまくりで、
テンション高いったらありゃしない。ただ、それがイヤじゃない。
今、こういう高いテンションで歌ってイヤにならない俳優はいないんじゃないだろうか?
しかも、この映画のフランキー堺は出世の為なら、オベンチャラ、裏切り、自己中にやりたい放題。なのに最終的には憎めない。歌や踊りはともかく、キャラ的には今だったら大泉洋とかこういうの似あうかも。

フランキー堺の対極位置の、ぼんやり君に高島忠夫。なるほどな配役である。

女優陣はアメリカ帰りの女性上司に雪村いづみ、社長の愛人に浜美枝、フランキー堺と恋人未満な中尾ミエ。どれもそこそこで惚れるほどの可愛さを感じさせない。なんか勿体ない。

まあなんだ、それにしても歌と踊りがステキだ。
今はもう、こういうの作れないのだろう。
作ろうとして失敗したのが近作だと二本。

『舞子はレディ』『恋に唄えば♪』>。
前者はミュージカルという形式に乗っ取ってるだけで楽しくないし、
後者はもうはっきり覚えてないけど、やはり歌が自然じゃなかったのだと思う。

PS ウルトラマンのイデ隊員がモブの一員として歌って踊ってる。
 セリフがないのが知名度から考えると何か不思議。
 ちょうどウルトラマンが始まった頃の映画だから、
 これからメキメキ有名になっていくのかもしれないけど
 子供のTVと大人の映画ではジャンルが違うからイデ隊員は
 知名度を活かせなかったのかなあ?(あまり普通に見た記憶がない)


◆『ひばり・チエミの弥次喜多道中』
五つ星評価で【★★★時代劇に洋楽も合うなあ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1962年のカラー映画。初見。

おきゃんだなあ。
主役の二人がちゃんとキャラ立ってて
観客に凄いアピール度で、それをぶつけてくるのが新鮮。
美空ひばりは江戸時代なのに、時折、メガネっ子である。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
君も出世ができる@ぴあ映画生活
ひばり・チエミの弥次喜多道中@ぴあ映画生活

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2017年04月20日

『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』をUCT4で観て、どないなもんかふじき★★★

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▲エンタメしてるなあ。

五つ星評価で【★★★ええのんか?】
今回は野原一家+宇宙人でロード・ムービー。
そしてまたテーマは「子供とか大人なのかよ」とも思ってしまう。
そもそも「クレヨンしんちゃん」というマンガが
子供らしからぬ子供を題材にしているのだから、
「親子関係」や「大人と子供」についてが主題になるのは不自然ではない。
でも、それしか作っていけない訳ではない筈だし、
ここのところは作品傾向が偏ってはいないだろうか?
(偏った目で見るから、そう思うのか?)

しんちゃんのギャグも今回は抑えめだし、冒険に行く人選もちょっと変だ。
どう、変なのかと言うと、しんちゃんのギャグは
しんちゃんが変な子供である事とそれを取り巻く一般人とのギャップによって起こる。
一番分かりやすいギャップの相手はヒロシとミサエの父母である。
通常、日常的な大人の位置にいるヒロシとミサエが外見だけながら
子供化(非常識化)してしまった事により、ギャップ笑いの幅が小さくなった。
その上、この父母とはぐれ、しんのすけはシリリと二人旅をする事になる。
彼は宇宙人という常識外の存在であり、加えて子供である。
つまり、大変しんちゃんのボケが効きづらい相手なのだ。

実はしんちゃんのギャグは相手が子供であっても春日部防衛隊相手だとちゃんと効く。
それは春日部防衛隊の4人は子供であるが、
一部の大人の常識を誇大化させたキャラだからだ。

風間くんのエリート主義による建前礼賛、
ネネちゃんのストレスによる冷静で冷酷な部分、
ボーちゃんの揺るがない哲学者のような泰然とした部分、
まさおくんのともかく負け犬な部分。
彼等は子供だが、カリカチュアされた大人属性を持つので、
しんのすけの言動にはちゃんと揺さぶられる。

父母や擬似大人の春日部防衛隊と接合点を持たず、
自分より非常識な宇宙人と二人旅をする事は殊更、
しんちゃんのギャグを低下させる。
それゆえに、しんちゃんは単純な「いい奴」になってしまう。

犬のシロはあまり活躍しないから今回は留守番でもよかった。
ヒマはあの年にして、女王様気質を持ってたりするのが面白いのだが、
介護者(通常はミサエかシンノスケ)がいないと自由度が落ちてしまう。
という事で、残念ながらヒマの出番も少なかった。
みんな均等に薄く出てて、等しく出番が少ない感じ。

逆にシリリがしんちゃん以上に非常識な言動をしてくれれば良いのだが、
このシリリがとても常識的で、不合理な親の言い付けも必ず守るという
実に面白味のない奴で、ずっと見てるのがつらいくらい魅力が乏しい。

終盤、野原一家とシリリの父親の対決で、更なるピンチに追い込まれる部分や、
それを跳ね除けて反撃する部分はスラップスティックな面白さに満ちいていて良い。
ただ、しんちゃんの世界だから成立するが、普通だったら
反撃のきっかけ等、説得力は薄いだろう。

ロードムービーの形式で次から次へと話か展開するので、
飽きる事なく普通に見れるのだが、果たしてこれでいいのだろうか?
という疑問は最後まで払拭できなかった。
それはシリリの父親が父親であると言う一点でシリリを制圧している。
暴力を振るわないDV状態で、これが物語が終わっても解消されないのだ。
野原一家に対するひどい仕打ちは解消されるものの、
シリリに対するケアはなされないで話が終わってしまうのである。
シリリに対するケアはラストシーンで行われないではないが、
それは彼と彼の父親との関係に対して必ずしも救いを与えるものではない。
私はシリリ自身が父親になった時、
同じような関係を築いてしまうのではないかと邪推してしまう。
彼と彼の父親は、今回の衝突に関して乗り越えていないし、
子供のシリリが父親になった時点で、
その子供を力のない者(=導いてやらないといけない者)としてしまう可能性は高い。
ただ、それは地球での代理父、野原ヒロシがじっくり、
父親と息子の関係は力の強弱ではないのだと再教育しているに違いない、
と考え直す事も出来るのだが、それは映画で語られていないので不安になってしまう。

何となく、そこまで考えるのは考えすぎだろうとは思うんですけどね。


【銭】
ユナイテッドシネマの有料入場ポイント2ポイントを使って1800円から800円割引の1000円で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ@ぴあ映画生活

fjk78dead at 00:05|個別記事コメ(2)トラバ(1)

2017年04月19日

『北陸代理戦争』『沖縄10年戦争』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ゲラゲラ堪能ふじき★★★★,★★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『北陸代理戦争』
五つ星評価で【★★★★松方弘樹のエネルギッシュな壊れっぷりと3対1000でも戦い方だという暴れっぷりがたまらない】
抗争中の事件を無理やり映画化して、激化した抗争により主人公の組長が現実で射殺、実録路線映画を終焉に導いた曰く付きの映画という事だが、そんなん関係なしに自分が生き残る為にエネルギッシュに他のヤクザの死骸を食い散らかすような松方弘樹が強烈で無性にかっこいい。
利権が少ないから共食いしてでも生き残る。
親でもオジキでも筋が合わなければ牙を剥く。
中央から利権搾取の動きが来れば、地方の力を集めてでも抵抗する。
自分の筋さえ通れば、後は無勝手流で流れに掉さす
スマートさのかけらもなく、ただただ無法な力というのが今は逆に新鮮。

親(西村晃)とオジキ(ハナ肇)の出来が悪くて、
北陸の帝王・松方弘樹だけが突出しているのだが、
松方弘樹を葬るために中央からやってきたのが同じ狂犬の千葉真一、
この役回りは『京阪神殺しの軍団』の主人公・小林旭と同一人物なのだが、
やっぱ、この千葉真一の方が暴れると歯止めが効かなそうでいい。
小林旭は物事を脳で考えるが、千葉真一は脊髄反射で動く感じだから。
割と出番も少なく、実際にはそんなに暴れてないんだけど、
それだけ千葉真一のイメージ戦略が良かったという事だろう。
中央のトップが遠藤太津朗でこの辺は、単に偉いヤクザ役でつまらんけど、
癸欧棒田三樹夫がいるから、もうそれだけでこの組織は大丈夫。
成田三樹夫もそんなに出番、多くないんだけど出ると画面がピッとする。
あの顔は他にないからなあ。

野川由美子のチーママ感。でも、ラスト一人で去っていくシーンのかっこよさ。
この映画の中では西村晃やハナ肇より野川由美子の方が普通に男前だから。

西村晃やハナ肇もあんな演技なのにもう絶品。
西村晃が最初、雪に埋められた拷問にあって、解放されて風呂に入ると
刺青が背中に全然仕上がってなくて、チンケな感じなの最高。

しかし、こんな「俺の目の前の皿に盛られた料理を横取りする奴は許さない」
という倫理観を楯にして面白い映画になってるってのは凄いなあ。
気が狂ってる。狂っててよし。

おぼこい感じの野生っぽい高橋洋子も可愛い。


◆『沖縄10年戦争』
五つ星評価で【★★★俺の知ってる沖縄とウチナンチューはこんなんではないんだけどどないなんやろね】
沖縄ウチナンチュー通しの争いに、本土から海洋博の利権を食いにヤマトンチューが攻めてくる、その抗争。
沖縄側の主人公が三人。松方弘樹と佐藤充と千葉真一。
佐藤充と千葉真一は何となく南国っぽい。まあ、服がかな。
松方弘樹はいつものヤクザスーツにベシャリで本土のヤクザと一個も変わらない。
本土側は小池朝雄に今井健二に藤田まこと。
小池朝雄えげつなく骨までしゃぶりそう。
人相が悪すぎる今井健二、この顔と態度が本土が沖縄を見下すベーシックになってる。
藤田まことがヤクザ映画に出るなんて珍しいと思うのだけど、
これは佐藤充と親交が深いベビーフェイス・ヤクザなのだ。
うーん、ヤクザっぽくないのう。

そして野川由美子がまたしても松方弘樹の情婦。
座布団を配る山田隆夫と空に太陽がある限りなにしきのあきらがチンピラ。
栗田ひろみがとってもカタギな女の子で可愛い。

そういや、藤田まことと山田隆夫って「必殺仕事人」繋がりか。

具志堅さんとかダチョウ倶楽部の肥後さんとか、沖縄人のイメージはああなんで、
やっぱなんかみんな真剣過ぎるように見えてたまらない。
あんまりゆったり時間で抗争やってるとヤクザ映画にならなくなるのかもしれないけど。

ラストシーン、ショットガン片手に走り出す松方弘樹は「大都会」の大門みたいで。

加藤嘉は目をうるうるさせてました。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
北陸代理戦争@ぴあ映画生活
沖縄10年戦争@ぴあ映画生活

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2017年04月17日

『暴動島根刑務所』『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ゲラゲラ♪赤いトラクターふじき★★★★★,★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『暴動島根刑務所』
五つ星評価で【★★★★★松方弘樹の自由っぷりがたまらない】
松方弘樹脱獄三部作の二本目。
猥雑なエネルギーに溢れていて個人的にはこれが一番好き。
松方弘樹はバカで無鉄砲で、そんな悪い奴じゃないけど、反権力。
『脱獄広島殺人囚』は脱獄オタクの人生ドラマ。
『強盗放火殺人囚』は脱獄二人のバディー・ムービー。
『暴動島根刑務所』は気のいい兄ちゃんのギリギリ自由闘争ムービー。

高倉健は壊れ行く仁義の世の中で正義を貫く男、
菅原文太は壊れた仁義の世界で筋を通す男、
じゃあ松方弘樹はどういう男かと言うと、
クズだらけの世の中で頭が悪いながらも、世の楽しさをしゃぶりつくそうとする男、
かな? いや、ここんとこ何本か見ただけだから本当はもっと奥が深いのかもしれんが。
健さんや文太兄ぃに比べると、格段にレベルが一つ二つ落ちるっぽい。
でもぜんぜん庶民だ。SEXだって好きだ。
そんな松方弘樹が銀幕にとってもチャーミングなのである。

『暴動島根刑務所』はトンマな行為を幾つか積み上げて刑務所を一生のねぐらにしなければいけなくなった男が、自分の生活を守ろうとする階級闘争ムービーだった。おもろい。セクトの敵が佐藤慶、室田日出男、戸浦六宏、伊吹吾郎のリンチ看守軍団。セクトと看守の内通者だが、最後には手と手を取り合って脱獄する無敵の男に北大路欣也。欣也はこういう一見敵だが一本筋の通った硬骨漢とかが『ダイナマイトどんどん』よろしく、映える。

出番は少ないが、金子信雄が登場すると温かい笑いが起きるのはなんか嬉しい。もう、どの映画でも金子信雄は金子信雄でしかなくて、観客がみんなそれを歓迎している。
満席立ち見のシネマヴェーラにて楽しい映画でした。


◆『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』
五つ星評価で【★★使い捨ての美学】
主役が小林旭。今一ヤクザっぽくない。
助演が梅宮辰夫に成田三樹夫。
んー、そんなでもないかな。

成田三樹夫はいつも通り安定している。
おで、小林旭の良さが分からない人なのよ。
多分、旭の古い映画とか全く見てないから。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
暴動島根刑務所@ぴあ映画生活
日本暴力列島 京阪神殺しの軍団@ぴあ映画生活

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2017年04月15日

『劇場版トリニティセブン 悠久図書館と錬金術少女』を角川シネマ新宿1で観て、リビドー直結やなあふじき★★

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▲男一人にあと、みんな女(しかも全員、取り柄の良く分からない主人公をスキスキ)

五つ星評価で【★★おっぱいおっぱい】
5分でレビューを書く。それが今回の目標。元になるコミックス、TV未読・未鑑賞。チラシには「これが最後のトリニテイセブン」と書いてあるけど、見終わった後では続きそうな気配満々である。いや、これその物が外伝の位置付けだから、ひょっとすると正史のどこかに接続される終わり方だったりするのかもしれないけど、一見さんだからよう分からん。えーと、ハーレム・アニメね。主人公は魔王の血を受け継ぐ系で、努力せずとも膨大な力を秘めている。そこに現われる美女美女美女。多分、TVシリーズのうちに溜め込んでいたのだと思うが「トリニティセブン」の7人の美女以上に4、5人主人公の近くにクネクネ身体を動かす美女がうろついている。この全員が主人公に悪い気はしていず、常に乳くらい揉まれたいと思っている。何て簡単な世界観だ。主人公も何の根拠があるのだか分からないが自信を持っていて、彼女たちが絶対自分を嫌わないと確信している。ええなあ、一元論的世界観で。主人公には何一つ葛藤がない。いや、この世界観で葛藤がある方がおかしいか。そういう世界の映画である。敵が現れて何となく退治される。ちょっと面白いなと思ったのは、この敵の方が人間的には葛藤するので主人公より深そうだという事。でも退治されて使い捨てにされる。造物主や神様は勝手なもんである。うん、まあ、そういう話。ここでいう造物主は購買層という事だけど。と、11分。そうね、5分では書けないね。以上。
PS 多分、魅力を知るためには原典に触れないとダメなんだと思う。



【銭】
番組価格1600円。60分くらいだから高いと思う。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 トリニティセブン −悠久図書館と錬金術少女−@ぴあ映画生活

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2017年04月11日

『たそがれ酒場』『夜の緋牡丹』を神保町シアターで観て、猥雑で面白いのとそうでないのと★★★★,★

◆『たそがれ酒場』
五つ星評価で【★★★★猥雑なショー酒場の開店から閉店までのドラマ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
そこに長く居座る者もいれば、頃合いを見計らって出ていく者もいる。
裕福ではないし、階層は下層だが、皆が助け合ってひしめき合って生きている。
1955年新東宝のモノクロ映画。
時代は太平洋戦争が終わってしばらく経ち、朝鮮特需で高度経済成長期全盛、
社会全体が潤っている頃であり、貧乏人が努力で儲けられる
そんな猥雑なパワーに満ちていた頃、貧乏人がひしめくショー酒場の一夜。

大戦の隊長(東野英治郎)と軍曹(加東大介)は昔を懐かしみ、今の日本を否定する。
そんな安酒場で酒も飲めない時化た東野英治郎と、
酒を飲んで盛り上がってる大学生の対比。
昔の東野英治郎はいつも負け犬みたいで出会えると「ああ、又、不幸だった」と楽しい。

その大学生の群れで太鼓持ちみたいな盛り上げ役をやり、1杯ありついてるのは
「小判鮫」と仇名される店の常連、多々良純。
離籍した客の酒を勝手にグイグイ飲み干す。おいおい。
でも、多々良純ってそういうのやりそうな顔。

女の子の利権で揉めている丹波哲郎一味と宇津井健。
宇津井健が丹波哲郎を制する意外な武器は、
うん、庶民的だが、あんま持ち歩くもんじゃないよな、それ。
ワルの丹波哲郎、瞬きしないでいいなあ。
利権の女の子、野添ひとみ可愛い。

元画家現パチプロの小杉勇は江藤(江川宇礼雄)の弟子がこの酒場の専属歌手で終わる事を嘆いている。そんな時、客に有名楽団の指揮者が来て、弟子の歌声を耳にして、移籍話を持ちかける。江川宇礼雄荒れる荒れる。でも荒れる理由がある。ここが泣きどころ。

元画家パチプロ小杉勇の画家を廃業した理由も良い。
彼は先の大戦で兵士を鼓舞した事を苦にしているのである。
彼の所に大戦中いっしょに戦地を回った従軍記者が現れる。
記者の方は相変わらず新聞を出しているようだ。ここに皮肉がある。
もちろん画家も鼓舞しただろう。だが、新聞記事には敵わない。
その新聞記者は別にのんきにそのまま同じ職業を続けているのである。

店全体が猥雑な活気に満ちているのは好景気のたまものだろう。
この好景気のドンチャン状態が朝鮮特需という、
人の血の上に立ってるみたいに思うのは、まあ、一応考えすぎの範疇なのだろうな。

店の中に所狭しと貼ってある値段表。今の1/10くらいの価格。


◆『夜の緋牡丹』
五つ星評価で【★主役が嫌な奴】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
主人公が何を考えてるかわからない。
女の子にひかれるままに結婚して、立身出世したら新しい女を抱いてしまう。
でも、新しい女に溺れてはいるが、ゾッコンそうでもないのだ。

そんな奴は好きになれない。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
たそがれ酒場@ぴあ映画生活
夜の緋牡丹|映画情報のぴあ映画生活

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2017年04月10日

『強盗放火殺人囚』『仁義の墓場』をシネマヴェーラ渋谷で観て、松方弘樹が楽しくて渡哲也こわしふじき★★★★,★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『強盗放火殺人囚』
五つ星評価で【★★★★松方弘樹のSEX好きっぷりがたまらない】
松方弘樹脱獄三部作の三本目。
ちっとも知らなかったが、主人公が違うのね。
少なくとも一作目と三作目は違う。二作目はまだ未見なので不明。
三作目見たら、キャラが一作目より格段に若くなってるから驚いた
と思ったら別人やんけ。そら違うわいなあ。
一作目はリアルの脱獄名人に学ぶ、脱獄アラカルトみたいな映画だったが、
三作目は脱獄はオマケ程度で、脱獄した主人公が警察から逃げながら
自分をだましたヤクザに報復する映画になっている。
一作目では脱獄に執念を燃やすのが高じて完全に狂人寄りだった松方弘樹が
いろいろマイルドな人間に変わっていて見やすくなっている。
刑務所で覚える労働訓練として、印刷、木工などがちゃんと取りあげられている。
木工とかは製品販売なんかで目にする事もあるけど、印刷は珍しい。
そうそう後藤大輔の成人映画『喪服の女 崩れる』の印刷工は懲役帰りだった。

松方弘樹はヤクザあがりで罪は犯したが人望のある懲役囚。
今回、何がいいって松方弘樹の色ボケ演技が絶品。
女に目がない役で、隣の部屋に妻が寝ていようが、興奮して若い娘を襲ってしまう。
それがバレた際の
「しょうがないの、しょうがないの、だってチ〇コがしょうがないんだもん」
みたいな目の演技が超絶品。この辺りのスケベ具合がキュートすぎて、
この映画を見ている最中だけは「浮気」って全く「悪事」に見えない。
「だってチ〇コがしょうがないんだもん」。

刑務所の偉いさんがヒットラーに似てる菅貫太郎。
これはコメディーっぽい配役でそんなおもろないな。

松方弘樹を騙すシャバのヤクザ役が遠藤太津朗。
遠藤太津朗はやっぱ時代劇の因業爺とかだよなあ。
金子信雄とどこが違うと言われると困るけど、
実録路線だと何かちょっと浮く感じ。

ラストの自分が信じる仲間の為に、
下手を打ってでも窮地に飛び込む松方弘樹は、
やっぱ実にかっこいい兄ちゃんなんである。


◆『仁義の墓場』
五つ星評価で【★渡哲也に震える】
ともかく主演の渡哲也の害虫ぶりに共感できない。
仁義に唾を吐きながら、最後まで裏の渡世にさえ牙を剥き出しにして生きた男。
「強ければそれでいいんだ、力さえあればいいんだ(いや、そんな事はない)」と
逆説で歌うタイガーマスクのエンディングの境地に辿り着く道半ば
と言うより辿り着く気は毛頭ないみたいな映画。
強烈な映画だけど、強烈と言うだけで、個人的には好かない。
基本的には殴られるパンチが如何に強いかより、
殴られてでも惚れるような共感を私は映画に求めているのだ。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
強盗放火殺人囚@ぴあ映画生活
仁義の墓場@ぴあ映画生活

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2017年04月09日

『銀座カンカン娘』を神保町シアターで観て、デコちゃんはいい人そうでねえふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★あーくつろぐ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1949年のモノクロ映画。初見。

高峰秀子の顔立ちが好き。
子役上がりの子役時代をそのまま延長した顔で、
自然で無理してないけど秘かに頑張ってそうな顔立ち。
本当はどうかは知らないけど、気立てが良さそうな隣のお嬢さん。
アトムに出てくるウランをちょっとだけおしとやかにした感じ。

その、高峰秀子(居候)、笠置シヅ子(居候の居候)、
灰田勝彦(宿主の甥)、岸井明(デコちゃんと知りあった流し)

が銀座裏通りのバーで「銀座カンカン娘」を流しまくる。
まあ、馴染みのあの曲が聞こえてくると、それだけで耳が楽しい。
ドラマの筋がかなり行き当たりばったりだけど、
お茶の間の日常ってそんなにドラマチックじゃないから、
こーゆー、ただ繋いでいくような話の方が「あるある」っぽいかもしれない。
「銀座カンカン娘」の「カンカン」は当時流行していた
ハイソな「カンカン帽」だと思うのだけど、映画には全く映らない。
歌は若い女の子がウキウキして歩く銀座の表通りの歌だけど、
映画は銀座の飲み屋と夜、武蔵野の田舎しか映らない。
ひょっとすると「銀座燗燗娘」ってダジャレか? 
ラッパが似あう洋風飲み屋ばっかだったから「お燗」も映らなかったけど。

笠置シヅ子の潰れかかったガラッパチな声も、歌にはいるとググっと良くなる。

灰田勝彦はどういう人だか知らないが、カッコイイとは思えない。

岸井明はデブ。まあ、デブが一人くらいいた方が画面が華やぐ。
デブが歩くと安普請が揺れるという古典的なギャグが楽しい。
今時、そんな安普請はないし、今、撮ったらギャグより地震と思われるに違いない。

家主が五代目志ん生。たいそうな人らしいがよう知らん。いい味出してる。

家主の奥さん(だと思う)が浦辺粂子。
そんなに凄く年をとってそうでもないのに、この時点でもう老け役だ。

あと、思い付く事と言えば「犬と子供が可愛い」。
なるほど、志ん生がいい味出そうが、
スター俳優が歌おうが、犬と子供には敵わないのだな。


【銭】
神保町シアター今回はスタンプ五つ貯まった奴で無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
銀座カンカン娘@ぴあ映画生活

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2017年04月08日

『サクラダリセット 前編』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、面白いけど強引かなふじき★★

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▲ジャニーズが一人もいないと、集合写真で消えるキャラがいなくていいな。

五つ星評価で【★★面白いけど、設定の強引さを肯定しきれない】
能力者が集う町、ということでJOJOのスタンド能力者が群れ集う杜王町みたいな世界観なんだけど、残念ながら能力の発動に説得力がない。それは能力の制約だったり、ディテールだったりに偏りがあり、話を作る上で都合のいいように能力が逆算して作られてるように見えてしまうからだ。サクラダという町が能力者の能力方向を決めているという状況はありえるが、前編を見る限りでは絶対そうだとは断定できない。この辺はどうなんだろう?

主人公の二人ハルキとケイのリセットと記憶保持はかなり最強の能力だが嘘くさい。
リセットはハルキ一人では意味をなさない。ケイの能力・記憶保持がなく、過去と同じ挙動をハルキがしてしまったら「リセット」を発動した意味が全くなくなってしまう。このような二人が同時にいなければ意味をなさない能力が自然に発動するだろうか? 彼らが兄弟姉妹のような常に一緒に行動するような間柄ならまだ分かるが。そしてリセットに伴うセーブポイントの確定もちょっと怪しい。一度セーブポイントに戻ったらそのセーブポイントからリセットを起こした相対時間までは再リセットは不可能。この辺の設定がいかにも「作られた設定」っぽい。自然に発動しそうには見えない。

記憶操作の能力は、主に言葉でのみ語られている。もちっとビジュアル化できんもんか。
玉城ティナの物を消す能力も物理的に消すだけならまだしも、特定の能力を打ち消すと言うのは能力の種類が明らかに違うが、それを同一の能力にしてしまう。
声を届ける、能力のコピー、写真の中に入る、
やれる事が種類が多い割には方向性にむらがあり、自由発生とは考えづらい。
特に「写真の中に入る」などは、今の科学では何が起こってると言えないくらいファンタジーめいてしまっている。こんな何でもありなんはいかんと思うなあ。

能力を三つ四つ組み合わせコラボする「能力の合成」は面白い。
ただ、これが違和感なく受け止められる為には、
そもそも能力の発現が作者のご都合手記で組み立てられていないという担保がいる。
今はその部分に関する信頼度が残念ながら低い。

黒島結菜かわいいけど、リセット直後、記憶がなくなると言うのは損な役どころ。
そのせいで時間を打ち消すことの葛藤が彼女に生まれない。これがあるとなしとでは彼女のキャラの立ちが全然違うだろう。
ペアの浅井ケイが彼女を名前の「ミソラ」ではなく苗字の「ハルキ」と呼ぶのが嫌い。苗字で呼ぶ場合の「ハルキ」とイントネーションが違うんじゃなかろうか。果てしなく、名前を呼ぶような呼び方で苗字を呼ぶのは嘘くさい。

能力を掛け合わせて思いもかけない効果を出すとか、そういうのは好きなんだけど、やっぱ詰めが甘くてその能力が本物感薄ければしょうがなかろう。


【銭】
チケット屋で額面1400円の前売り券を1400円でGET。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サクラダリセット 前篇@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
サクラダリセット 前篇@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
サクラダリセット 後篇@死屍累々映画日記

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2017年04月07日

『素晴しき男性』を神保町シアターで観て、裕次郎のかっこよさはやはり分からんのだなふじき★★★

五つ星評価で【★★★裕次郎が歌って踊る】
特集「女優は踊る 素敵なダンスのある映画」から1プログラム。
1958年のカラー映画。初見。

裕次郎が歌って踊る! 階級差恋愛コメディー。
しかし、裕次郎は私には一つ前の世代のアイドルで、
リアルタイムに接していないので(七曲署のボスくらい)、
トッポイ兄ちゃん時代の彼を見てもあまり「かっけー」とは思えない。
派手派手なシャツを着て、この頃のシャツはワイシャツ同様「ズボンイン」なのね。
まだ、西村晃が若者役だもの、古い古い。

相手役の北原三枝は目つきが鋭すぎる美女。裕次郎の奥さんになった人。
目がちょっと野際陽子っぽいなあというのが印象。
ダンサー役の北原三枝が玉の輿を狙ってフラフラするというのが話のコアだ。
しかし、ダンサーもミュージシャンも今以上にいかがわしい職業だったのだな。
今、ダンサーやミュージシャンになると言うと、芸能界入りが頭に浮かぶが、
この頃はキャバレーとかの生演奏、劇場でのダンスレビューと、
バリバリ、ドサ回り感が付随してきてしまい、良家の縁談とかに縁がない状態である。

で、北原三枝を憎からず思ってるが袖にされる役が石原裕次郎。
歌は自己流だろう。伸び伸び歌ってるが「上手い」感じではない。
まあ、愛されてたんだろうなあ、という風に思える歌い方。

キャスト表があっても今と容貌が変わってて誰が誰なんだか。

月岡夢路は裕次郎の姉役かな?
白木マリ(必殺のりつ役?)は仲間の中の後任カップルの女子の方かな?

俄然、目を引いたのが西村晃。
歌って踊って、悪事も働かねば、返り血も浴びない、
どこからどう見ても「そんなん西村晃じゃないだろ」って役。若かったのね。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
素晴しき男性@ぴあ映画生活

PS 劇中に出てくる、幸運を呼ぶ彫刻が何か怖いよ。

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2017年04月05日

『暴力金脈』『脱獄広島殺人囚』をシネマヴェーラ渋谷で観て、松方弘樹おもろいのうふじき★★★★,★★★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『暴力金脈』
五つ星評価で【★★★★総会屋を演じる松方弘樹のエネルギッシュな悪振りに痺れる一本】
頭の良さと度胸でのし上がっていく松方弘樹の総会屋出世物語。
どんなに痛めつけられても狂犬のように尻尾を振る事を良しとしない松方の不器用だが一本な生き方がかっけー。それだけにラストシーン、あれで終わるのは納得できない。

松方弘樹の師匠筋、小沢栄太郎
最初の障壁、田中邦衛
最後の障壁、丹波哲郎 辺りがいい顔をしてる。

ファーストシーンがセックスやったまんま寝ちまった朝の起床なのだが、
そのセックスの相手が江沢萌子。腐る直前ギリギリの美麗さ。


◆『脱獄広島殺人囚』
五つ星評価で【★★★★自由はどっちだ】
脱獄シリーズ全三部作中1作目。
ぶざまでも何でも自由に生き続けろという
松方弘樹の魂の凱歌。トンマだけどかっけー

脱獄脱獄また脱獄。
職人芸な脱獄ではなく、ちょっとでもスキがあったら、そのスキは断固として突く。
こんなに簡単に脱獄してしまって、それだけって映画の方針がライト感覚で良い。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
暴力金脈@ぴあ映画生活
脱獄広島殺人囚@ぴあ映画生活

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2017年04月04日

『OKITE やくざの詩』『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』を新文芸坐で観て、映画愛びんびん2本立てだふじき★★,★★★

特集上映「追悼 松方弘樹」の1プログラム。

◆『OKITE やくざの詩』
五つ星評価で【★★★監督・松方弘樹の人としての優しさが滲み出た凡作(まあ、凡作の方が松方弘樹らしい感じがする)】
撮影監督が仙元誠三ってけっこう有名なカメラマンだった筈だが、おそらく監督・松方弘樹の指示通りにアーティスティックな画面は捨て、ベタっとした分かりやすい画面を作っている。アップを多用し、平たいTVっぽい画面。何かそういうのが逆に愛しい。
主役の加藤雅也が実にかっこよく撮れている。
その加藤雅也の出来た組長役が松方弘樹で、対抗する巨大組織に玉を取られてしまう。
そこで据えられた二代目が松方弘樹の不肖の弟・小沢仁志。このキャラのダメ具合が凄い。能力がなく、騙され通しで、権力握ってからは威勢のいい心の籠ってない掛け声を掛けるだけで責任は取らない。服のセンスが悪い。先代の愛人を寝取る。人としての美徳が何も備わっていない、まるで『仁義なき戦い』の金子信雄を思わせる何ともゲスい役。そのゲスい役を盛り立てなくてはいけない補佐役に遠藤憲一。バランスいい配役だ。しかし、この映画の小沢仁志は強烈。クズはクズらしく、邪魔になって身内の者に殺されてしまうのだが、殺しても自分が死んだ事に気が付かずにずっと居座ってそうなィャ感がある。


◆『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』
五つ星評価で【★★愛の暴走】
中島貞夫監督17年ぶりの新作がドキュメンタリーで、チャンバラ愛が暴走する。
いろいろな角度から語られているチャンバラ。
こういうのって見たり聞いたりした事がないので、とても資料密度の高い一本。
歴代の時代劇で使われてきた竹光の刀を見るだけでも楽しい。
それぞれにデザインが違って趣向を凝らしてあってみんなかっこいいのだ。

福本清三の死に芸はやはり凄い。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
OKITE・やくざの詩〈うた〉@ぴあ映画生活
時代劇は死なず ちゃんばら美学考@ぴあ映画生活

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2017年04月03日

『暗黒女子』を渋谷TOEI△粘僂董▲殴薀殴藺臻足ふじき★★★★(ネタバレなしだけど、匂わせる部分はあり)

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▲このスイーツを全部たいらげる胃袋の貪欲さが暗黒女子だったりして。

五つ星評価で【★★★★いいな、女子が】
「暗黒(ankoku)」と耳で聞くと、今でも思いだすのがアニメの「一休さん」。
一休さんの暮らしている寺が「暗黒寺」だったのだ。
耳だけで聞いて凄い寺だと思ったが、後から「安国寺」と知った。
なので、この物語も「安国女子」だったりするかもしれない。
未来において良妻賢母となる女子は家庭や子供引いては国を守るため、
内なる敵を打ち滅ぼしてもかまわん、そんな気高い気構えの女子たちであろうとする。

よきかな、よきかな。
6名の女子が全く何の混同もなしにちゃんと見れるのは
キャスティングとスタイリング、メイクの腕前がいいのだろう。
あと、脚本とプロデューサーの力量が多分、半端ない。
彼女たち一人一人かちゃんとキャラが立ってカケラも混同しないよう気を配られている。

女子6人はまず主催者側と茶席に呼ばれたゲストに分けられる。
飯豊まりえ:主催者、太陽の女神。
清水富美加:副主催者、月の女神。本当に惜しい人を亡くしました。

ゲスト
玉城ティナ:留学生。ボブ。ブルガリア人なんて設定で来るとは思わなかった。
平佑奈:特待生の貧乏人。新入生、硬い。従順。眼鏡。あの落差には笑った。
清野菜名:女子高生作家。社交的でフランク。ショートカット。
小島梨里杏:スイーツ女子。小型犬みたいな小動物感。ツインテール。

6人に制服の落差はない。
やられがちなタイツ、紺ソク、白ソックスみたいな脚分けもない。
一度に複数人の登場人物を出して混乱させないというルールが厳格に適用されている。
ゲストサイドの四人それぞれが自分の描いた小説を朗読の形で読み上げるが、
その際には出てくる登場人物は主催者と自分とプラスアルファ一人。
香港のリンゴ・ラムみたいに一度に大量に登場人物を全出ししたりはしないのだ。
この徹底したやり方のおかげで、
ゲスト4人はそれぞれ自分の美点アピールと他者からの欠点ディスを4回ずつ浴びる。
こんなに分かりやすいキャラ立てはない。
彼女たちは太陽を賛美し、輝きを失った太陽の代わりに夜を支配する月に断罪される。
まるで太陽が撒いた種から、夜が終わりを迎える最後に狂い花を咲かせる光景のようだ。
4人のゲストが部屋の備品のようになり、
踏みつぶされ、馴染んで、大地を潤す肥料になった時、新しくまた種が求められる。
実はその新しい彼女こそが、その部屋の原罪があった時代を知らない唯一の者なので
収穫者を隠しながら近づいてくる簒奪者をも無化する、そんな可能性を秘めている。

と言うのは甘い夢か。

構成がエラリー・クィーンの短編推理小説『黒後家蜘蛛の会』のゴージャス・バージョンみたいだったのでニコニコしてしまった。


【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
暗黒女子@ぴあ映画生活
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暗黒女子@『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

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2017年04月02日

『PとJK』をトーホーシネマズ渋谷5で観て、ジャニーズしっかりせえよふじき★★

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▲ネット画像を消されて透明人間になった亀梨くんに抱き着く土屋太鳳。

五つ星評価で【★★もっと最低なのを予想してたけど(なら見に行くなよ俺)、亀梨くんのアイドル映画なら、これでいいんじゃないの?】
PとJK、とは、
Pが土屋太鳳に寄生するパラサイト、
JKが亀梨和也のジャンキー警察官、
そして追いつ追われつ、血で血を洗うアクション
、、、だったら面白かったんだけどなあ。

Pはペニ・・・もとい、ポリス。JKは女子高生。
ただ、ペニ・・・ポリスのPがずっと鬱鬱悩んでいてサイコパスのPっぽくもある。

冒頭、この二人が出会って1、2回で結婚してしまうのが話の設定として弱すぎる。
(お試し小冊子では結婚まで話が到達しないし、もう少し二人の仲に対してゆっくり実績を積み上げてる風ではあるのだが、映画は話を先に進めるためにその部分をかなりすっ飛ばしてしまったのだろう)。

チラシのコピー

「PとJKが恋をした。
 一緒にいる方法はただひとつ。
 結婚から始まるピュアラブストーリー」


な、感じだから、早いところ結婚まですっ飛ばしたかったのだろうけど、そもそも二人の人柄を観客が把握しないうちに(恋も感じられないうちに)なし崩し的に結婚してしまい、その後でイチャイチャしてるかと思いきや、結婚後にマリッジ・ブルーみたいになってる。そら、相手が分からずに結婚したんだからなるだろ。なんか修行みたいな結婚生活は見てて全然楽しくない。愛があっても恋がない(=相手への思いやりはあってもトキメキがない)結婚生活なのだ。それは家族かもしれないけど夫婦ではないだろう。当たり前にエロシーンもないし(誰もこの映画にエロシーンがあるとは思っていないだろうが)。

という事で、おそらくプロデューサーが求めた展開(チラシから類推するに、早いとこ結婚させてキャラを立ててイチャイチャしいラブコメが作りたい)に対して作られた脚本が甘く、その脚本通りに、特に手直しをせずに職人監督廣木隆一が絵にした結果がこうだ、という感じ。

廣木隆一はキチっといい絵は撮っている。
でも、話はつまらないままなので盛り上がらない。

亀梨くんはこのつまらない物語の中で、彼なりに主人公の人物像を破綻なく仕上げていて、そこは役者として間違えていないのだけど、キャラの魅力から言ったらPとぶつかりながら徐々に分かりあっていく高杉真宙の方が全然魅力的なのだ。亀梨くんの役はウジウジしてて爽やかじゃない。本当なら座長として脚本を直させるべきだろう。もっと自分をかっこよく見せるように。そういう映画なんだから。これ、マンガの主役の「高圧的な所もあるけど温かいいい人感」がスッポリ抜け落ちてる。亀梨くんがアイドルとして忙しくてその業務を遂行できないのなら、その代わりを事務所がちゃんとやるべきだ。

土屋太鳳は私、役者として嫌いなので、バイアスかかってしまうのだけど、この映画はそんなに悪くない。他の映画と一応演技変えてるっぽいし。ただ、原作のキャラクターのクール感は落ちてる。あくまで役を自分に近づける人なのだ、この人は。いやまあ、Pのキャラ像がそもそも違うからJKのキャラ像だって原作のままではいれないから、それはきっと土屋太鳳の責任ではないのだろう。

土屋太鳳の同級生三人、
親友・玉城ティナはいい感じでそこにいて邪魔にならない。
美人系だけどハーフで髑髏っぽい押しの強い顔立ちが大した役じゃなく、
そんなにセリフも多くない自己主張の少ない役なのに、
確実にそこにいた事が分かるいい配役だ。
自己主張の少ない普通の子・西畑大吾も同じくいい感じだけど
ジャニーズなのに地味な顔なので、これは逆に覚えていられない。
ジャニーズだからネットの上で写真とか出ないだろうし。
高杉真宙は美味しい役。こういう傷つく青春って美味しいじゃん。
その青春を傷つける実母のヒモに川瀬陽太。
もう本当に河原から本当のクズ連れて来たみたいにしか見えない。
多分、この映画の中で一番上手い演技してるのはこの人。
あと、アップがほとんどないと思うんだけど、
あっても見たくないから私が目を背けてたりしたのかもしれない。

土屋太鳳の両親に村上淳にともさかりえ。
村上淳さんはいい役者だけど、あまり正業やってる人に見えないよね。
川瀬陽太が市井どこにでもいそうなDV系クズっぽさを身に纏ってるなら
村上淳さんはもんもんとか背負って事務所で脚組んでそうオーラがある。
そして、ともさかはこの映画公開中に離婚してしまった。
あー、ともさか好きなんだけどなあ。

あと、亀梨くんの同僚役が田口トモロヲと大政絢。
田口トモロヲがお巡りさんかあ(笑)。
丸くなったつか、流石プロジェクトXナレーター。
そして大政絢。銭形海ちゃん、リアル婦警さん役かあ。
銭形海の大政絢ちゃんには職質されたいけど(デレデレした職質)、
この映画のハイミスっぽい大政絢ちゃんの職質はドMに喜ばれそう。
亀梨くん、大政絢ちゃん、田口トモロヲの三人の誰かに取り調べを受けるなら、まあ普通に田口トモロヲだな。この田口トモロヲの役は螢雪次朗でも置き換え可能な感じだから、本当に丸くなったな。昔はヤクザとかヤク中とか鉄男とかばっかだったのに。

あと警察官は危険な仕事と言いながら、
この映画の中で亀梨くん関係で3回も傷害事件が起こるのだが、
どう考えても、それは歌舞伎町以上に危険じゃないか? 怖いな地方都市。


【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
PとJK@ぴあ映画生活
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PとJK@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 文化祭の巨大ブラバンみたいなのがかっけーんだけど、
 あれ演奏してる場所の下に行ったら女子高生のパンツ見放題じゃないか、
 と、そんな事ばっか思ってる俺のバカ(バカで幸せであります)。
PS2 ともかく男1人に女50人くらいの格差がある
 ドキっ!女だらけの映画ファンサービスデーという形で見たので、
 皆さんの協力があるなら、ポロリの一つも欲しかった(バカで幸せであります)。
PS3 『PK』というインド映画があるけど、『PとJK』的に
 意味を解釈すると『ポリス高校生』になる。
 『ペニ〇高校生』なら、最初の登場が全裸だし、
 社会の仕組みを学んでいくという物語だからギリギリ合ってるかもしれない。
PS4 そんな事言ったらジャッキーの『ポリス・ストーリー』
 『ペニ〇・ストーリー』になっちゃつて収集つかんわ!(何言ってんだ俺)

fjk78dead at 13:05|個別記事コメ(0)トラバ(4)

2017年04月01日

『映画 プリキュア・ドリームスターズ!』を109シネマズ木場3で観て、まだ多いだろふじき★★

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▲キャラ多いなあ。

五つ星評価で【★★選抜戦だが選抜しきれず】
「プリキュア・オールスターズ」という
仮面ライダーの「ムービー大戦」に位置する
40人弱に対して「お前ら全員強制参加な」みたいな企画があったのだが、
流石にそんな強制連行みたいな召集で皆に等しく脚光が当たる訳でもなく、
今回はその中から現行チーム、前作チーム、前々作チームが
ミッションに当たる選抜制へと変更した。
各作品キッチリ見てないので正確には知らないが一回5人で約15人。
ほぼほぼ一人一人を紹介もせずに多人数を配置してドコドコ話を進めていくところは
まるで香港のリンゴ・ラムの映画のよう。

にもかかわらず、登場人物はまだ多い。
現行チーム(犯し、もとい、お菓子プリキュア)
前作チーム(魔法使いプリキュア)
前々作チーム(お姫様プリキュア)
前作と前々作は逆かもしれない。

現行チームに関しては、話のクスグリ部分で一人一人会話するので薄く個性が見えるが、
過去のチームに関しては(チーム長+チーム)が一つの個性という捉え方であり、
末端メンバーはアクションシーンの嵩増やしのみにしかその存在価値を認めづらい。
旧チームの出場で現行チームの出番が減る事を考慮するなら、
今回の話はプリキュア側は現行チーム1チームいれば充分の話ではないか?
複数チームにしたのだから、各チームの特性をもっと見せても良かったし
(それは程度の低い観客である自分が気づいてないだけという可能性は高いが)。

キャラが沢山出れば華やかではあるが、
これはナルトが分身の術で人数の嵩増やしをしているのと変わらない。
(爺さんだからスーパースリーのマイトが飛びだしゃパッパッパの方がシックリ来る)

しかし、悪い奴はただ単に悪い奴なのね。
悪い奴が悪い事をする理由が「欲」でしかない、と言うのは実はシビアで辛辣だ。
悪玉の声は山里亮太。南海キャンディーズの山ちゃん。
ツボを付いた甘えん坊ボイスで声はOKなのだが、
宛てたキャラが非美形だがエフェクト的に美しく仕上がってるので、
山ちゃんの「生理的受け付けない感」が削がれてしまったのは残念だ。
シズクの木村佳乃の宛て声はいいと思う。母性と友達感と両方強いいい声だった。

絵は美麗だなあ。こういう力の入った絵はずっと見てたい。


【銭】
109シネマズの週間メンバーズデーで1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画プリキュアドリームスターズ!@ぴあ映画生活

PS ただ、これは一見のおっさんが見るからそう思うのであって、
 この世界に浸れる女の子たちが集団である事をよりどころに
 悪と戦うプリキュアをみんなで応援できるイベント・ムービーになってるのだとしたら
 そのイベントに参加できないおっさん(ライトもらえないもん)は拗ねながらも
 それで全然いいんだよと、それはそれで認めなあかんのだろうな、とは思う。
 仲間には入れないし、入れてもらえなさげであるとも思いながら。

fjk78dead at 10:30|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月28日

『流れ板七人』『テキヤの石松』を新文芸坐で観て、松方弘樹かっけーのーふじき★★★,★★★

特集上映「追悼 松方弘樹」の1プログラム。

◆『流れ板七人』
五つ星評価で【★★★料理バトルよりは俳優の顔が楽しい】
物語として見た時、いしだあゆみ vs 梅宮辰夫 & 松方弘樹 & 中条きよし
という、いしだあゆみを頂点とした四角関係が鬱陶しい。
やはり、いしだあゆみがそんなに誰もを虜にする美女に見えないのだ。

物語に料理バトルを設定しながら、その結果が発表される前に映画が終わってしまう。
何なんよ、それ。
出来ればちゃんと負けて悔しがる中条きよしを見たかった。
酒井美紀かーいーのう。「女」としてというより「女の子」として可愛い。
「恋人」として可愛いより「娘」として可愛い感じ。
その酒井美紀が髪の束ね方もかなりぞんざいに厨房に出入りする。
料理人はやたら酒に溺れたり、煙草を喫ったりで、舌の味覚をダメにしている。
一流料亭の料理人と言うより、凄腕の立ち食い蕎麦屋の店主みたいな感じだ。
この料理人の描き方が実に東映っぽい。
別にそんなシーンはないが、この映画の料理人は毎日パチンコに行ったり、
競輪競馬などの公営ギャンブルで休みを一日潰したりしてしまいそうである。
修行せいよ、修行を。

料理人が梅宮辰夫、松方弘樹、東幹久、的場浩司、木村一八、中条きよし、
みんなモンモン背負ってそうなメンツばっか。
いかりや長介と加藤茶も一緒の場面はないけど同じ映画に出てる。

そして、結局、誰が「流れ板七人」だかが分からない。
いや、別に分からなくても全然かまわないんだけど。
一応、最後の料理対決に挑むのは店の仕切りまで含めると八人。
松方弘樹/東幹久/的場浩司/木村一八/いかりや長介/
いしだあゆみ/藤田朋子/酒井美紀

実質、オブザーバーに近いいかりや長介を除いて7人か?
膳を運ぶとかが主な仕事の女性3人を除きたい気もするが。
店の主人を「板」扱いするのがおかしいのなら、いしだあゆみを除くのが正解か?
みんなモンモン背負ってそうなメンツなんだから、料理より野武士と戦ってほしい。
 ※ いかりや除いてが正しい7人らしい。

▼これがその七人だってポスター図案。
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しきたりの強い世界で生きてきたいしだあゆみが恋するのが松方弘樹だが、
松方弘樹には自由奔放な妻・浅野ゆう子がいる。
この「いしだあゆみ」と「浅野ゆう子」という対比が分かりやすくていい。
決してこの映画の浅野ゆう子がいい役だったり、いい役者だったりする訳ではないけど。


◆『テキヤの石松』
五つ星評価で【★★★てきとードラマ】
松方弘樹が『仁義なき戦い』の角刈りヤクザのいでたちのまんまでテキヤを演じる。
このヤクザにしか見えない松方弘樹と妹の山本リンダが狭い下宿で
二人顔を付きあわせてるだけで、もうそんなん世界としてありえない面白さ。
このコテコテの松方弘樹が、ぶっちぎり処女みたいな檀ふみに惚れる。
山城新伍や小池朝雄の濃いメンツを使って詐欺企業に意趣返しをしようとするのだが、
詐欺で嵌め返す振りをしながら、最後の最後で現金を強奪強盗してしまう。
なんて適当な展開だ。そら本当はあかんやろ。

吉本が提携して大量に芸人が導入されている。
桂三枝、間寛平、笑福亭仁鶴とか。

凄い適当でいいわあ、これ。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
流れ板七人@ぴあ映画生活
テキヤの石松@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:54|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月27日

『結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章 第一章』を新宿バルト9−8で観て、分からんがおもろい★★★

結城友奈
▲結城友奈(ではない)

五つ星評価で【★★★頑張る女の子は絵になる】
TVアニメ「結城友奈は勇者である」未鑑賞。一見さん。

驚いたのは物語に「結城友奈」その人が出てこない事である。
TVアニメのスピンオフだが、TVアニメの2年前の物語という事。
世界を守る勇者に選ばれた少女の前任者の物語。

神樹を破壊しようとする異物を退治する3人の少女。
とってもテンプレートな設定だが、
無機的な怪物に対して少女達が制限時間の中、
傷だらけになりながら必死に戦う姿は絵になる。悪くない。


【銭】
特別興行1500円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第1章》@ぴあ映画生活
▼関連記事。
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第2章》@死屍累々映画日記

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2017年03月26日

『ひるね姫』をUCT11で観て、あんたらで補えという部分がちょっと雑じゃない?ふじき★★

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▲この主人公のキャラが好きくない。

五つ星評価で【★★つまんなくはないが、もっとカッチリ、キッチリ作れただろう。あえて、その線を外してるように見えるけど、そのあえて外す理由が良く分からない】
まず、いたずら書きみたいな主人公のキャラが嫌い。野郎のキャラはいいんだけど、主人公だけ可愛くも美しくもなく世界から浮いている。

そして、夢と現実のリンクが意図的にだろうけど、雑に接合されている事がイヤだ。
接合が雑であるのに、リアルと夢が一目で違いが分かるのはご都合主義だろう。
夢と現実は二進数のように0と1で境界線がはっきりしている表裏一体のように描かれているが、私は夢をリアルと地続きに感じた事はあるが、裏表に感じた事はない。ひょっとすると監督はそう感じた事があるのかもしれないが、おそらくそれはあまり一般的ではないだろう(他人の事は分からないから強く断言しかねる)。夢でも現実でも同じ主観が世界を認知するのだから、一見して現実ではないと分かるような変な世界は夢で見ないと思う。夢を見てる中で徐々に「夢」と自覚する事はあるが、最初から「夢」と思って見ている夢はないと思うのだ。
なので、ココネが見る夢は物語としてはいいけど、何の説明もなしに、ココネがユニークであるとも言わずに、あれが一般的な夢であると言うのは納得しづらい。製作者は彼女が「ひるね姫」である理由を何で説明しなかったんだろう? 謎だ。

非プロ声優が充てている声もあるが、基本的に皆さんお達者でダメという風に感じた人は一人もいなかった。演出側がしっかり演技をさせたという事かもしれない。
主演の高畑充希も伸び伸びといつもと同じ声を出していたけど、一回コッキリなら別にこれで構わんでしょ。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 「蛭姫」だったらダメだな。
PS2 エンドロールの物語の方が面白そうじゃない?

fjk78dead at 00:31|個別記事コメ(2)トラバ(7)

2017年03月21日

『ハルチカ』をトーホーシネマズ渋谷4で観て、思い切った冒険演出はよしふじき★★★

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▲おっ、俺のフルートも……

五つ星評価で【★★★恋バナではない。それは個人的には良い】
原作小説未読、アニメ未鑑賞。

ちっちゃいのに色々熟れてて楊枝で刺すと破裂しちゃいそうな感じの橋本環奈。
その橋本環奈がケツキックしたり、過剰に構ってくれるって、そらプレイだろ、お前。
そんな状態にもかかわらず映画は恋愛サイドには落ちず、
ハグしたら胸の感覚分かりそうでいいよなあ、と思いつつもそこで寸止めなのだ。
橋本環奈とペアで同輩になるのはSexyZone佐藤勝利。
いやまあ、いんでね。おらぁホモじゃないけど、可愛い感じがあるだろ、この子。
この佐藤勝利が金田一くんみたいにいろいろ推理して欠損した部員をいつの間にか
黒魔術でも使っているかのように集めるのが映画の半分、
残りの半分は橋本環奈側の根性ストーリー。

映画として珍しいのは「吹奏楽部」全体を追うのではなく、
撮影対象は明らかに橋本環奈と佐藤勝利に限られることだ。
あくまでこの二人が大事であり、それ以外はみな出番の多いモブだ。
なので、部としての技量が上がり、全員一丸となってコンクールに参加して
これを撃破みたいな物語にはならない。

映画は引きずられながら始めたのに、
最後は牽引役を務める佐藤勝利の成長と、
いつも他人を優先するために自分自身が躓いてしまった時に
スムーズに立ち上がれない橋本環奈の再生、これだけなのだ。
変なバランスの青春映画だ。

ラストに行われる儀式めいた展開も、極力説明を省き、
いきなり始めて、躓きながらも事を成し遂げて終わる。
あの後、狂乱の校庭で志賀廣太郎校長がショットガンを手にして
一人一人惨殺しても大きな違和感はないに違いない。
それくらい変だし、絵空事だ。いっそ夢なのかと思った。
校庭につながっている墓の下からキャリーでも蘇ってくるかと思った。
夢落ちではないのね。演出としては反則か、反則スレスレだ。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを980円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハルチカ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ハルチカ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 一瞬、難病物になるかと思った。
PS2 橋本環奈に蹴られたいよりは橋本環奈を蹴り上げて「おっ」とか言わせたい。
PS3 「すいぶに入りませんか?」で水泳部になってしまう展開でも
 橋本環奈の水着が見れるなら願ってもない。
PS4 『ハル痴漢』だっていいぞ。
PS5 辻斬りにあって殺された幽霊が、その辻斬りを呪い殺すようなラスト展開
 と言おうか、大ホールで観客全員に強姦された少女が、その身体を押さえつけてた
 仲間に無理やりリハビリ受けさせられて前向きに歩くしかないみたいなラスト展開
 と言おうか、なんか、不穏な空気がビンビン伝わってくるような気がする。

fjk78dead at 00:31|個別記事コメ(0)トラバ(2)

2017年03月11日

『明治天皇と日露大戦争』をシネマヴェーラ渋谷で観て、精神論で戦う戦争の映画はあかんねんふじき★★

特集上映「新東宝のディープな世界」の1プログラム。

五つ星評価で【★★戦争映画は文系ではいかん。理系でなくてはいかん】
日露戦争の陸戦(旅順要塞攻略)、海戦(対バルチック艦隊戦)がお得なパックになってる映画。この日露戦争二つの戦いは司馬遼太郎の『坂の上の雲』で、もう嫌になるくらい勝利の理由が述べられている(嫌にはならない)。
でも、そういう理由は蘊蓄になってしまうので、ドラマには甚だ乗せづらい。
なので、この映画も軍人さんが頑張ったから勝てました、みたいになってしまった。
頑張ったのは相手の軍人さんも同じだから、精神論で勝敗はひっくり返らないよ。

宇津井健とか高島忠夫とか天地茂とか丹波哲郎とかが若手でバンバン出てくるのは、今見ると面白いかも。


【銭】
シネマヴェーラの夜間会員割引。一般1300円から400円引きで900円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
明治天皇と日露大戦争@ぴあ映画生活

fjk78dead at 23:47|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年03月08日

『天国はどこだ』『群盗南蛮船』『貸間あり』『江戸の悪太郎』シネマヴェーラ二本立て×2レビュー

特集上映「新東宝のディープな世界」<『天国はどこだ』『群盗南蛮船』
「名脇役列伝杵臆崟蕷瓢劼任瓦兇い泙后廖磧愨澳屬△蝓戞惺掌佑琉太郎』
どれも旧作で、どれも初見。

◆『天国はどこだ』
五つ星評価で【★★★★悩む木村功、輝く津島恵子、善人なのに得体のしれない沼田曜一、そして金やん】
暴力団に生活を握られている部落の村。新任医師の沼田曜一は保育園の津島恵子とともに生活を改善しようと努力するが、なかなか難しい。そこに部落出身の津島恵子の恋人、木村功が刑務所から出所してくる。木村功は暴力団と拮抗しながら村の人々を守るが、暴力団の罠に嵌って暴力事件を起こして村の信用を失墜させてしまう。

若くて無鉄砲でケンカっ早くて子供の人気者のヤクザを木村功が好演。
ヤクザ稼業から足を洗い、カタギになるのだが、
実入りが少なくなり子供たちを豪遊させられなくなった彼を
子供たちが見限っていくという設定がリアルにイヤらしくて泣ける。
役名が「ケンさん」。
ちなみに高倉健こと健さんが初めての任侠映画に出るのは、
この映画の7年後だから役名については単なる偶然である。

映画のヒロイン津島恵子が美しい。松雪泰子っぽい。

沼田曜一、いい人っぽく見えない。何か企んでそう。
まあでも、目に輝きのない小金治と言えば小金治っぽいかもしれん。

若かりし日の金やんが特別出演で出てくる。国鉄スワローズのピッチャーだそうである。

木村功と揉めるヤクザのチンピラに西村晃。チンピラが板に付いていて、この人がこの後、水戸黄門になろうとは誰も思わんかったよなあ。

ヤクザの組長に加藤嘉。強欲でカリスマ力を持つオールバックの加藤嘉が一瞬も瞬きしないで怖い。


◆『群盗南蛮船 ぎやまんの宿』
五つ星評価で【★★★尾上菊五郎一座総出演……は売りではないと思うのだが。少なくとも今は】
最近、上映されると足を運ぶ稲垣浩監督作品。
基本的にダイナミックな娯楽作品ばっかでいいんですわ。
で、監督名だけで見に来た。
こっちが目当てだったけど『天国はどこだ』の方が面白かった。
歌舞伎の尾上菊五郎一座総出演らしい。
DNAのせいか、みな、ひょろうんとした瓜実顔っぽい。
江戸時代っぽい顔ではある。
主役の尾上梅幸が良くない。二枚目の役だが二枚目に見えない。演技の癖が強くて単に不真面目な役に見えて、女が惚れる男に見えない。これは役者の責任。
その主人公を支えるの尾上松緑も良くない。女にもてたがりで大酒飲みの自分知らず。男から見てもモテない事が分かる奴。こいつは好きになれない。これは脚本の責任。
後半、唐突に入る海賊のダンスはミュージカル風だが、
江戸時代が舞台の映画に馴染んでいない。

現代的な顔立ちの久我美子に惹かれるが、古風な顔立ちの花井蘭子の方が主役のせんである。そんなに強く魅力を感じないのは私が今の人だからだろう。1950年の作品。


◆『貸間あり』
五つ星評価で【★★★TVっぽい】
川島雄三監督、フランキー堺主演の有名な軽喜劇。
何だかスピディーでTVっぽいけどバタバタしてて、そんなに好みじゃない。
立ちション好きなのか川島?


◆『江戸の悪太郎』
五つ星評価で【★★★★明朗快活な泰然自若時代劇】
大友柳太朗の貧乏浪人が素行の悪い占い師をとっちめる。
子供に男装しながらも全く女の子丸出し状態の大川恵子が可愛い。


【銭】
各二本立てプログラム、シネマヴェーラの会員割引一般1500円から400円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
群盗南蛮船 ぎやまんの宿@ぴあ映画生活
貸間あり@ぴあ映画生活
江戸の悪太郎〈1959年〉@ぴあ映画生活

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2017年03月06日

『日本と再生』『I am Your Father』『Who Killed Idol?』『ザ・スライドショーがやって来る!』を4本まとめてレビュー

近近に見たドキュメンタリーを4本並べてレビュー。

◆『日本と再生』ユーロスペース1
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▲荘厳
五つ星評価で【★★★★あれ、あの続きやん】
見るまで知らなかったけどあの傑作『日本と原発 4年後』の続きの映画だった。
前作も用意周到に、かつ、分かりやすく、「何故、日本に原発がいらないのか」をネチネチと説明しきったのだが、今回は「原発をやめて自然エネルギーに変えるメリット」を洗脳まがいにプロパガンダする(褒めてる)。
洗脳、かつ、プロパガンダで間違いない。ただ、多分、ここで言われている事の方が、自分達の保身と既得権益を手放したくないが為に国の舵取りを誤っている政治家屋さんたちより正しいのだ。正しい事なら洗脳ANDプロパガンダでも悪くない。
困ったもんだ、既得権益。
映画の中で、自然エネルギーのデメリットに関する部分を殊更、小さく取り扱っているとは思うが、が、が、が、それにしてもメリットの方が大きいだろう。それは世界各国での自然エネルギーへの変換のサクセス・ストーリーが物語っている。仮に、これでもダメだというなら、何故ダメかを為政者側がちゃんと説明すべきだ。

ちなみに今でも続編が作られ続けている「仮面ライダー」は風力をエネルギーとする自然エネルギーヒーローである。もっともその風車を回転させる為に使っていたバイクはごくごく普通の化石燃料燃焼型のバイクであったが。


◆『I am Your Father』HTC渋谷3
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▲デビッド。
五つ星評価で【★★★デビッド・プラウズ伝】
『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーを演じたものの(声は別人)、今ではルーカス・フィルムと疎遠になり、公式イベントにも大役なのに呼んでもらえないデビッド・プラウズの伝記映画。
気持ちいいのは撮影者が撮影対象に持っているリスペクトが伝わってくるからだろう。
それでいて、対象者を甘えさせてはいない。バランス感覚がいいのだろう。

映画は撮影対象とルーカス・フィルムのわだかまりを作ったと言われる事件の真相を暴く。もちろん、これたけが全ての原因ではないかもしれないが、この一例だけでも解明したのはとてもいい事だ。一事が万事で色眼鏡をかけられ、他の事も冤罪のように誤解を受けているかもしれない(その責任の全てが会社側にあるとは思わないが)。

デビッド・プラウズのボディービル仲間としてTVドラマ「超人ハルク」で変身後のハルクを演じていたルー・フェリグノが出ていたのには驚いた。


◆『Who Killed Idol?』テアトル新宿
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▲目が死んでる二人。
五つ星評価で【★★★可哀想な彼女たち、そして真相があまり明確にならない映画】
『Bis誕生の詩』の姉妹編映画。
アイドルグループの選抜合宿で新生Bisのメンバー選出が行われるまでが姉妹作品の内容。選ばれた後、落選した彼女たちに出された「ライバル・ユニット」への参加という御褒美と、その御褒美が大人の人間関係によって壊れてしまい、ユニット存続不可になるまでが今作。
アイドル映画としてとてもよい熱量を持っている。
女の子は可愛く撮れている。
「のび太」の仇名を持つ女の子は「すげーブス」という認識だったが、
ライブでは可愛く思えるようになってた。つまり、磨けてたのだ。
アイドルではないが、マネージャーの山下百恵の普通っぽい所がいい。

映画としてはいろいろ問題があって、
前作のオーディション、今作のユニット再構成みたいな事を延々とやっているのにも関わらず、女の子の顔や名前が最後まで一致しなかった。それは芸能物でありながら、各人の個性をアピールしたり、まとめたり、ダメ押ししたり、みたいな配慮が薄かったのではないか。
チラシでは解散の内幕が映画で全部明らかになるような勢いで書いてあるが、実際は藪の中でよう分からん。

”蕕吋罐縫奪硲咤蕋咾ライブで勝ちユニットBiSの楽曲を無断使用した事
■咤蕋單括責任者の過去の罪状についてBiS統括責任者が知らず仁義を欠いた。

この二点だと言われているが、芸能界と接点がないから,皚△眤腓靴浸に思えない。単にSiSを解散させるためにダダをこねて「業界のしきたりがどうのこうの」「こんな奴に付いていっちゃダメだ」など無理強いしている風にしか見えない。その癖そんな事を言っているBiS側が人手が足りないからと解散させたSiSの統括責任者を雑用に使っている。斬るなら斬れよ。そこを斬らずにSiSだけ解散とか単に女の子たちに対して手の平を返したようにしか見えない。
BiS物はこれで3本目だが、どれをとっても過酷な目に会う女の子に対して、取り扱うスタッフに、それを強いるだけの強い覚悟を感じられない。そんな物ない。業界は女の子を騙して笑って生きていくのだ。そういうならまあ、そこに飛び込む女の子たちは不憫だが構造的にダメなのかもしれない。


◆『ザ・スライドショーがやって来る!』新宿ピカデリー4
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▲ロツクンロール・スライダーズ
五つ星評価で【★★★ネタより理屈なのはよくない】
みうらじゅんといとうせいこうの「ザ・スライドショー」の内幕暴露。
みうらじゅんやいとうせいこうサイドから見て、どういう理屈で、
どういう風にショーが作られているかを解説する。
成り立ちや成り行きを一度まとめておきたかったのかもしれないが、
それは日記に書けばいい事であって、
公に発表されても、それを他人が使える訳でもないし、どないすんねん。

個人的には単にネタをドッサリ積んでもらった方が面白かった。
ただ、もう全てのスライドショーを渡り歩き、
今までの全てのスライドは見てるから、ネタその物に興味はない、
という人だらけだったら、この構成でいいのかもしれない。


【銭】
『日本と再生』:ユーロスペース会員割引1200円。
『I am Your Father』:未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引1100円。
『Who Killed Idol?』:テアトル会員割引1300円。
『ザ・スライドショーがやって来る!』:番組特別料金1800円。


▼作品詳細などはこちらでいいかな
日本と再生 光と風のギガワット作戦@ぴあ映画生活
I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー@ぴあ映画生活
WHO KiLLED IDOL? −SiS消滅の詩−@ぴあ映画生活
みうらじゅん&いとうせいこう 20th anniversary ザ・スライドショーがやって来る!「レジェンド仲良し」の秘密@ぴあ映画生活
▼関連記事。
日本と原発 4年後@死屍累々映画日記
BiSキャノンボール2014@死屍累々映画日記
BiS誕生の詩@死屍累々映画日記
エルストリー1976@死屍累々映画日記


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2017年03月02日

『虐殺器官』を池袋ヒューマックスシネマズ5で観て、アレを思い出さずにはいられないのは私だけ?ふじき★★(ネタバレあり)

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▲これが記事中に書いた思いだせなかった主人公の顔。

五つ星評価で【★★驚くべき奇想だが展開の地味さからか話はダレている】
原作小説未読。だから、原作がどれほど優れているかという観点からは語れない。
「虐殺を発生させるメカニズム」については、
そういう事を考えるのは実に奇想ではないかと思うが、
それが奇想に見えるように上手く映像化されていないと思う。
「なんで?なんで?なんでそんな事が?」という畳み込みが足りない。
安易に人を殺す描写だけ鮮明でも、それは話の溝を決して埋めはしない。

感情にフィルターを付けさせられている特異な人物が主人公であるが、主人公は人並に葛藤する。葛藤はするが、葛藤の際にあった感情は整理され、冷静に結論を得る。
「虐殺」を手中に収めた異物、ジョン・ポール、この人物と主人公を対話させるが、どちらが狂っているという強い違和感を見出せなかった。概して二人とも冷静だ。
ここはどちらかが狂っており、どちらかが狂っていないという差異を見たかった。どちらにしても最終的な結論は「狂ってない者も狂っている」なのだから。

今回のアニメの絵が好きでないというのもあるが、キャラが立っていない。
主人公と同僚とジョン・ポールくらいは
パッとビジュアルを思いだせるようにしないと失敗だろう
(見て三日も経っていないのにもう思いだせなくなっている)。

そして、虐殺に関する、あの概念。
アレはどう見ても「モンティ・パイソンの史上最高のギャグ」
が引き金になって生み出されたに違いない。
であるなら、お手本があるのだからそんなに奇想でもないか。
じゃあ、お手本が分からなくなるくらいの加工か、
お手本が気にならないくらいのディテールの突き詰めみたいなのを見たかった。


【銭】
1800円の入場料金に対して、1500円の前売券を事前に買いそびれてしまったので、チケット屋を物色して、額面料金1300円のヒューマックス系映画館共通入場券を1500円で購入して見た。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
虐殺器官@ぴあ映画生活
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虐殺器官@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

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2017年03月01日

『脱獄者』を神保町シアターで観て、丹波哲郎は昔から丹波哲郎ふじき★★

五つ星評価で【★★夢うつつでした】
特集「あの時の刑事」から1プログラム。
1967年のモノクロ映画。初見。

丹波哲郎刑事が生き別れの弟に会うと、ヤクザになっていた。
何となく遺伝子的に兄弟っぽさが希薄。
丹波哲郎の風貌って独特だからか。
ほどなく丹波哲郎はヤクザの罠に嵌り無実の罪で投獄。
刑事が投獄されるとひどい目に会うのだが、
そんな目に会っても何となく同情できないのは丹波哲郎って善人感が乏しいからだろう。
超善悪人間で、自分がルールブックで全て裁きそう。
それは野生の掟と一緒だから、風向きが変わって
自分がそういう目に会ってもしょうがない様に見えてしまう。

丹波哲郎に捕まってない受刑者の
「ここではみんな同じ最低だから、そんなリンチはやめろ」というのが至極人間的。
多分、丹波哲郎はこの受刑者に人間力で劣ると思う。
でも、その人間でいられない所が丹波哲郎の魅力なのだと思う。

人間以上かもしれない。人間以下かもしれない。
何にせよ、並みの人間ではない。それが丹波哲郎の魅力、そう考える。


なので、そんな人間以下(今回は)の丹波哲郎に感情移入は出来ず、
まあ、やりたい事をやれよと見ていた。
脱獄して、なし崩し的にヤクザに喧嘩ふっかけて大団円。
うんまあ、そんなもんだろう。

どれ見ても変わらない丹波哲郎だが、
同じくらい加藤嘉も変わらない。
今回の加藤嘉もいつも同様、目をウルウルさせている。
それでこそ加藤嘉だ。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
脱獄者@ぴあ映画生活

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2017年02月28日

『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』をシネ・リーブル池袋1で観て、あっうまいじゃんふじき★★★(ネタバレあり)

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▲絵は後から入れる予定→予定完遂。

五つ星評価で【★★★宮崎駿と対照的】
原作小説、TVアニメ未読未鑑賞。いつもの如く一見さん鑑賞である。

冒頭、今までの『ソードアート・オンライン』の粗筋を展開してくれるのは助かる。
仮想現実ゲーム「ソードアート・オンライン」に対比される新ゲーム、
拡張現実ゲーム「オーディナル・スケール」。
まあ、とっても単純に言うとダンジョンのある「ポケモンGO」である。
この現実と打ち合って負けない素早いアイデアは良いなあ。

仮想現実の世界に捕らわれてゲームでの死は現実の死に繋がる、という世界観から
『アクセル・ワールド』というアニメを思い出した。
こちらは、仮想現実の世界に一斉にログインできなくなる事象の発生と
ログアウト時にログイン中の記憶を失ってしまうという障害に立ち向かう集団の物語だ。
表裏一体な感じの同質性だなあ、と思ったら、
あにはからんや同じ原作者(川原礫)の作品なのだった。

『アクセル・ワールド』がバリバリの萌えキャラばかりなのに比べて、『ソードアート・オンライン』は比較的、現実に根差したというか、地味キャラばかりである。あまり突出していない方がリアルかもしれないし、アバターと現実の相違がありすぎるのはやはり青少年の恋愛も絡む物語なので、多少の嘘になるにしても、規格外のブサイクは除外したのだろう。本来は主人公なんかは暗いデブで、一般婦女子からは嫌われるタイプにする方がよりリアルだと思うけどいたたまれない。女性キャラも全員ネカマなんてのもありそうだけど、それもいたたまれない。そこまでしてリアルにこだわる必要もない。
とは言え、キャラクター造形は強い「萌え」寄りではないが、少年マンガと少女マンガのハイブリット的な感性で描かれている。少年マンガ特有の極端にデフォルメされたキャラクターはいない。それは作品にリアルな安定感を持たせているが、同時にリアルな枷で縛られているようにも見えてしまう。この登場人物の日常生活でのアニメート(動かし方)が妙にぎこちなく下手なのと合わせてそこはマイナスであるとハッキリ言っておこう(ちなみにゲーム世界内でプレイしている最中のアニメートは何の問題もない)。
お話の面白さを捨てても、一つ一つのアニメート(動き)にヒステリックなこだわりを見せる宮崎駿とはここが正反対だ。勿論、話と動きの両方が揃っていた方がいいのだが、どちらか一つしか優先できないのなら、「劇」映画であるのだから私は話を優先してほしい。そういう物が見たい。

この辺からネタバレするっす

今回の劇場版で、事件を起こした者がやりたかった企みについては中々よく考えられている。そして、その計画を遂行する者のメンタリティーも実に「らしい」。そして、その企みが実行されることによる現実世界での弊害などもよく考えられている。人間が人間として成立する為には、記憶は欠かせない要素なのだ。

ラスト、開発者の博士は新たなシステムへの扉を開かれる。
その名は「ラース」。
「ランス」だったら、昔の名高きエロゲーだ。それはそれで楽しいかもしれん。博士の専門分野がAI(人工知能)で、余技としてロボット工学にも精通しているというのがヤバい。アトムみたいな高性能のダッチワイフが作れてしまうじゃん。
で、「ランス」でなく、「ラース」な訳だが、「ラース」で思いつく映画と言ったら『ラースとその彼女』しかない。みんなが気に掛けてる好青年のラースが連れてきた彼女は高性能ダッチワイフだったというオタクには痛いコメディー。「ラース」というゲームが仮想現実でなく、拡張現実で展開するなら、自分以外のプレイヤーには「ラースの彼女」達が相手をするのかもしれない。そこに「性」が展開するゆとりがあるなら、これを国の主要輸出品として企画しても充分ペイするのではないだろうか。


【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 ソードアート・オンライン −オーディナル・スケール−@ぴあ映画生活
▼関連記事。
アクセル・ワールド@死屍累々映画日記

fjk78dead at 02:02|個別記事コメ(2)トラバ(4)

2017年02月25日

『或る剣豪の生涯』『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』を新文芸坐で観て、世界の三船かっけーふじき★★★★,★★

特集上映「没後二十年 三船敏郎 中村錦之助 勝新太郎」の1プログラム。

◆『或る剣豪の生涯』
五つ星評価で【★★★★心が綺麗なのに報われない奴には弱いよ】
多分、二回目。
三船敏郎をシラノ・ド・ベルジュラックに設定しながら、
舞台は天下分け目の関ケ原というビックリ変化球。

何でも得意だけど、恋だけは思うようにいかないシラノって
コンプレックスの強いオタクとしてこんなに親近感の湧く役ってない。

ロマンチックな恋の詩をそらんじる三船はユーモラス。
外見は野人だけど、心は繊細という役を大いに楽しんでいる。
一部セリフが長くて冗長なのは三船の責任ではないだろう。

逆に外見は美麗衆目だが、頭の中はつまんないという美男子に宝田明。
しゅんとしてたんだなあ。谷原章介っぽい。

綺麗なベベを着て乞食する七重(淡路恵子)が顔立ちは好みじゃないけど、
犬とか猫とかと同じレベルで三船になついてる感じがかーいかった。
ロクサーヌの司葉子よりこっちの子の方が心を許せる感じ。
もうちょっと出番を増やしてあげたかった。

天本英世が最初に騒ぎを起こす徳川武士の中にいるらしいのだが、よく分からなかったのが残念。


◆『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』
五つ星評価で【★★リアル時代劇】
初見。
講談で有名な(らしい)荒木又右衛門の敵討ちをひたすらリアルに描く。
仇討の緊迫さはものごっついのだが、
仇を待つ時間が緊迫溢れる演出を施されながらジリジリと果てしなく長い。
キツかった。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

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或る剣豪の生涯@ぴあ映画生活
荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻@ぴあ映画生活

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2017年02月24日

『ホワイトリリー』を新宿武蔵野館3で観て、不快だけど強烈だふじき★★★

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▲おかめと天狗のキスの後ろに現われる般若。このあと激おこ!

五つ星評価で【★★★不快を通り越せるか越せないか】
映画を見るにあたって、人が絶望に沈んでいるとか、苦痛を強いられている様子とかを延々と見せられるのはキツい。サディストではないし、マゾヒストでもないので、そういうの全開でずっと泣き叫ばれるのは苦手。ごくごく一般的な感性だと思う。町中で子供が泣いているのも不快だしね。そう、とても不快な映画なのだ。
なので、映画の冒頭から終端まで、のべつまくなく顔が苦痛に歪んでいるこの映画はきつい。おで根性がないからレズ映画なら、ソフトなレズ映画が見たかったなあ。ホワホワ、プリンプリン、ウキウキ感、高そうな奴。

この映画のレズシーンは真逆。修羅の道的なレズシーンである。
主役の飛鳥凛と、彼女に君臨する非道な女王・山口香緒里。
オカメと般若のお面を付けてでもいるよう。
般若に支配されながら般若を愛する深情けのオカメが可哀想。
そこに乱入する若い男・町井祥真。これは天狗面だろう。
それぞれの微細な思惑はありながら、それぞれの基本的な感情トーンは変わらないので、
各自が般若、オカメ、天狗の面を付けたまま演じても成立しそうだ。
それはとても異常な光景なのだが、見てみたい気にもする。

しかし、主役の女性二人がとても「昭和的」に撮影されている。
場を支配する女王的な位置付けの山口香緒里はそれでもいいが、
若者なのに昭和っぽく、村の青年館で夜這いとかかけられていそうな
飛鳥凛の垢抜けなさってどうなんだろう。
説得力があるのだけど、良くも悪くも重く見える子だ(少なくともこの映画の中では)。

あと百合の花の中で一戦というレズシーンは、ちょっとその物すぎて引く。
その真逆で薔薇の花の中で男同士のホモシーンがあっても同じように引くだろう。
あまりにもあからさまな意味のグラフィック化って何の意味があるのだろう?

「不快」だったり「昭和的」だったりがマイナス要素としてぐんぐんポイントを上げてくるのだけど、メインの感情のぶつかり合いが御座なりになっていず、ちゃんと筋が通っているので、全体としてそれが「強烈」に昇華されていて、単なる失敗作には終わっていない。うん、でも、きゃははは、きゃっ、気持ちいい〜、あはん、あはん、みたいなレズ映画が見たいってのには逆らえないな。レズ映画に人生が付いてくるのは重い。もしかしたら、ロマンポルノ枠じゃなかっらOKだったのかもしれない。


【銭】
チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞(3枚目)。

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ホワイトリリー@ぴあ映画生活
▼関連記事(他のロマンポルノ・リブートプロジェクト)。
風に濡れた女(一回目)@死屍累々映画日記
風に濡れた女(二回目)@死屍累々映画日記
雌猫たち+アンチポルノ@死屍累々映画日記

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2017年02月23日

『刑事物語 小さな目撃者』を神保町シアターで観て、昔が面白いふじき★★

五つ星評価で【★★54分の中篇だが、ストーリーでビックリできないのがちょっと(当時の流行風俗とか見る分には面白い)】
特集「あの時の刑事」から1プログラム。
1960年のモノクロ映画。もちろん初見。

映画に出演している役者で知っているのは益田喜頓くらい。
これが年配の叩き上げ刑事。
息子が本庁の刑事。
昔、少年サンデーで連載していた「親子刑事」みたいな設定だが、
親父がノンキャリアで、息子がキャリアと言うのは『踊る大捜査線』っぽくもある。
いやまあ、親子だからってだけでなく、みんな仲良く捜査してますけどね、この頃は。

その喜頓親子の所に倉庫番夫婦が殺害された強盗殺人が持ち込まれる。
被害者の一人息子はまだ小さくて事件について語れない。
喜頓刑事は子供をあやしながら捜査に乗り込むのだった。
ラスト子供の発言で容疑が急遽固まるのは、まあ、見えてるけどいいだろう。

容疑者(仲間割れで殺された被害者)の手帳から競馬場に張込を掛ける喜頓。
共犯者の顔も分からず、闇雲にかける徒労としか思えない張込である。喜頓が言う。
「だが、私はダメだと分かっても、ずっとこのやり方でやってきたんですよ」
99%無駄と分かっても、残りの1%に掛ける刑事魂が泣ける。

などという本筋とは無関係に面白かったところ。
・冒頭、ホテル聚楽のネオン。いつからあるか知らないけど何か凄い。
・子供が常時付けてるのが七色仮面のお面とマント。
 マントは七色仮面のロゴが入ったマーチャン・ダイジング商品。
 今では知る人ぞ知るヒーローだが、1960年にTV公開されて
 月光仮面と人気を二分する作品だったらしい。
 ちなみに七色仮面は東映、この映画は日活なので、系列頼りの起用ではない。
 それだけ違和感なく流行っていたという事だろう。
・ラスト、喜頓と子供との別れ。子供を迎えに来た祖母が使っていたのが蒸気機関車。
 そうだよなあ。1970年くらいまでは実稼働していたものな。
・脚本が昭和ガメラの高橋二三。大映の人というイメージだが日活でも書いてるらしい。
 ガメラの5年前の映画である。


【銭】
神保町シアターポイント5回分無料入場。

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刑事物語 小さな目撃者@ぴあ映画生活

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2017年02月20日

『こんぷれっくす×コンプレックス』をトリウッドで観て、正しく戸惑ったよふじき★★★

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▲訥々すぎる二人

五つ星評価で【★★★腋毛と女の子という題材は押さえとかんといかんかなと足を運んだ。えーと、うん、まあ、そうだねえ。良くも悪くも真っ当だけど、踏み外してもらいたかった気もする】
女の子と毛という題材では松井大悟監督が『スイートプールサイド』で撮ってるので、同題材かと思ったが、あっちははっきり思春期のエロ。生えてる生えてないが男女逆で、思春期の男の子が女の子の毛に対して狂うほどフェチを募らせていく。うん、それはそれで清々しいんだけどエロ。こっちは女性監督目線なので女の子自身の発毛に注視は少なげな事もあって一般的な対男性顧客に掘り下げたエロよりも「そこを掘り下げるのか」というニュアンスの機微を見る映画になった。

題材は「腋毛」だけど、その「腋毛」を真ん中においてやりとりする男女の会話の初々しさは極めて少女マンガ的である。二人の間で語られる題材は「肉体の一部」なのだが、大事なのはそこでやりとりされる一喜一憂、この表現を細かく写実的に掬い取るのが少女マンガ的(女性的)だ。そして、彼女の対象に対する接し方は盲目的に突っ走る事はなく、案外冷静だ。
少年マンガ(男性的)は違う。エロならエロで心のやり取りとかはすっ飛ばして一直線だ。ためらう事よりも関係性を先に進める事の方が大事なのだ。

なので、この物語の中の主人公の彼女は自分の関心に自覚的でありながら、それを楯に取って男の子を暴力的に一方的に好いたりはしない。それは女の子がスイーツに関心を向けるのと同じくらいの好奇心なのではないか。スイーツは好きでも、好きが色々ある中の一個である。
なのに、男の子の方は、「自分の身体に興味がある=自分の心にも興味がある」、泣きたいくらい全力で突っ走ろうとする。可愛いけど脱輪する事が分かってる電車を見てるみたいで切ない(それは私が野郎だから)。

プレスコ方式(声の先取り)で取った朴訥な少年少女のぎこちない発声が、逆にエロくて可愛い。それは私が野郎だから、エロく考えたい時は全力でエロく考えるから。
難儀やなあ、野郎って。
そういう難儀な野郎の第一歩勘違いとして、男の子には女の子の発毛した脇を5時間くらい「ねぶる」とかさせてあげたい。させてあげた時点で、話は終わってしまうけど。

主役の男の子女の子は朴訥なのをオーディションで浚ってきた風な事を監督が舞台挨拶で言っていて、その期待を裏切らない、いい意味での訥々とした声だった。
三人目の中学生は春名風花、あのツイッターで物凄く正しい事を言うハルカゼちゃんじゃん。主人公に対比される普通の女の子役を凄く安定感がある声で演じている。プロだからな、この子は。

監督が舞台挨拶で、新海監督が映画を見に来て褒めたけど、それが自分が思ったような大騒ぎの動員には結びつかなかったと言っていたが、私か最初にトリウッドで新海監督の『星のこえ』を見た時も割りかし入りはポツポツだった訳なので最初はそういうもんじゃないかしら。

あれか、新海監督みたいに宇宙で行くか。
「腋毛×宇宙」
あー、まったくわかんねー。


【銭】
番組価格900円均一。

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こんぷれっくす×コンプレックス|映画情報のぴあ映画生活
▼関連記事。
スイートプールサイド@死屍累々映画日記

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2017年02月18日

『青鬼 THE ANIMATION』を東宝シネマズ新宿1で再見して、見るべき部分がラストに結集だふじき★★★

五つ星評価で【★★★ラスト5分を再確認】
基本的に、大した作品ではない。それは覆されなかった。
でも、引っかかる物があってもう一回見に行った。

何で、こう退屈なのだろうか。
惨劇が始まるまでが長い。ラストの伏線回収のために餌をまき散らしてる状態だが、民研の会話のみで行われるこのパートがキャラクターの説明も兼ねるためか、冗長でダイナミックさに欠ける。話してるだけだから、よっぽど特殊な演出をしない限りダイナミックさは生まれようもないのだが、もう、ただひたすら平坦。民研のキャラ5人はそれぞれに類型的でつまらないのだが、彼らと対をなす正体不明の三年生・立花が正体不明で接点もないのにただ嫌われているという理不尽。

青鬼の見た目はゲーム仕様まんま(ゲームやっとらへんけど)。
青鬼の見た目より、血のギミック演出等をしっかりしてる感じ。
ある意味「死」に対して、とても公平なのだが、惨殺シーンは殺される側が誰であるかに関わらず、非感情的に物のように殺す。殺す側の論理に従って殺していると言っていいだろう。
それはとてもリアルである。ただ、殺される側視点で考えると、会話シーンで不必要に濃いキャラの関係性をうたっていたにもかかわらず、誰が殺されても「誰かが殺された」という風にしか認識しないよう話を作りこんでしまったのは失敗に違いない。
「あの誰々君が好きだった誰々さんが殺された」というロジックは全く採用されず、「ともかく殺されてるのは誰々さんで、次は自分かもしれない」という恐怖心のみで全員が行動してしまう。リアルではあるけど、みんな青鬼以上にゆるふわで鬼畜じゃないか?

そして怒涛のように一気に流れ落ちるエンディング。これがやはり気持ちいい。
至高の絶望感が浸れてしまってたまらない。

割とどうでもいいゲーム「青鬼」を使って、元のゲームとは異なる世界観を「こっちの方が上等だろう」と叩き付けたヤンチャ振りも元がグダグダだから全然良いと思う(『Wの悲劇』かよ!)。


【銭】
番組特別価格1200円均一。

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青鬼 THE ANIMATION@ぴあ映画生活
▼関連記事。
青鬼@死屍累々映画日記
青鬼ver2.0@死屍累々映画日記
青鬼 THE ANIMATION(一回目)@死屍累々映画日記

PS 東宝さんがシネコンの全力をあげて推してるのはわかるけど、
 「青鬼」のお客に「La La Land」の予告を見せなくてもいいんじゃないかと思う。

fjk78dead at 02:14|個別記事コメ(0)トラバ(0)

2017年02月14日

『黒執事 Book of the Atlantice』『破門 ふたりのヤクビョーガミ』をmovix亀有4,1で観て、どちらもおもろいやんふじき★★★,★★★

◆『黒執事 Book of the Atlantice』
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▲そんなんバカにしたもんでもないで。
五つ星評価で【★★★おっ意外と面白いじゃん】
原作未読。
予告編を見て、少女マンガ調の美形キャラが山ほど出てきてポーズ取るような、いわばニチアサのホスト男優いっぱいいっぱいの状態にちょっと辟易してたんだが、実際に本編を見るとそんなに不必要に美形がボコボコ出てくる訳でもなく(と言うか老齢以外の不細工はいない世界なのだが)見所もあって、そこそこ面白かったりした。
ただ顔見せで出てる感の強いWチャールズ(女王付き)とドルイット子爵(医者)なんかはいらんメンツだろう。美形悪役を隠すならイケメンの中という事でストーリー上の弾幕変わりに連れてこられてるのかもしれないが最終的なフォローも薄いし、やっぱいらんのじゃないかなー。

タイタニックにゾンビと黒執事と死神の揉め事を突っ込んだというコンセプトだが、ゾンビが話のあちこちでいつもウロウロしてるのはけっこう邪魔。確かにゾンビってモブ群衆その物で、いつでもどこでもウロウロしててしょうがない存在なのだが、場面場面で制圧してゼロクリアとかしてしまえばいいのに。

人を越える存在の悪魔(=黒執事)と同レベルの死神を複数連れてきてしまったので、ある意味、セバスチャン(=悪魔=黒執事)の優位性は頭打ちになった。だからこそ、セバスチャンが相手に記憶を読み取られるという事態にもなるし、あの記憶の描写はなくても成り立つがなかなか親切でいい出し物だった。ただ、それでも最後に一番の優位性を示すのは主人公であるセバスチャンでないといけないのではないか。そこはちょっと薄めだったと思う。ちょっと登場人物を多くし過ぎて話のバランスを失ってしまったのだろう。

話の中ではリズのエピソードが一番グッと来た。
誰もが自分にありすぎる物を嫌悪し、自分を変えたがっている。
でも、他人に見せたくない自分を晒してでも
その人を失う訳にはいかないというのは、実は恥ずかしいくらい「純愛」で、
そういうのをこういういかれた話の中心に「ドボン」と投入されるのはたまらない。
逆にその「純愛」の対極が赤髪の死神で、あーゆー五月蠅いのが跳梁跋扈してるから
リズの「純愛」が生きるのかもしれない。

葬儀屋もなかなか。抜け目のない感じの演技がすんげー声優さん上手い。

主人公サイドから見て、今回の劇場版は「引き分け」ないしは「負け」でしかない状況だが(散々苦労した挙句、首謀者を捕まえられず、ほうほうの体で辛うじて生き延びた)、シエルとリズの関係性が強まったラストを見るのは観客として全く悪くない。


◆『破門 ふたりのヤクビョーガミ』
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▲相変わらずジャニさんの映画の写真は少ない。北川景子単体の写真すらようけない。
五つ星評価で【★★★ノリ】
冷静に考えると、同日鑑賞の『黒執事』同様、これも主人公二人が詐欺師にヒドイ目に会わされて、ほうほうの体で帰ってきて、元から持っていた物を剥奪されたりもする、どちらかと言うと負け試合な話だ。その詐欺も大したコン・ゲームが展開される訳でもないのだ。それでも面白いのは『黒執事』同様、勝ち負け以外でグータラビンボー兄ちゃんの成長が見えたり、イケイケヤクザの不撓不屈が見えたり、その辺が負けムードを取り払っているからだ。そしてノリがいい。テンポがいい。すーっと進む。これが大事。

主演の二人は佐々木蔵之介と関ジャニ∞の横山裕。
横山裕なんか等身大でいつも通りだろうけど、
佐々木蔵之介はビンビンにヤクザで思ったより似あう。
いや、本当、演技がいいんだと思いますわ。

出番が少ない中、いい空気だしてるのが北川景子とキムラ緑子。これ、普通の人の役だからかな。
國村隼(ペルグリン國村(笑))、木下ほうかなんていつも通りヤクザだものなあ。
宇崎竜童なんてゴジラと戦った経歴引っ提げて今回はヤクザ。抑えみたいな役だったけど、ゴジラとタイマン張ったなんて経歴そうそう持ってないから、、、北川景子がセーラーマーズのコスプレで宇崎竜童に捕まってヒロポンとか打たれながらガンガンやられちゃうなんてムービーを涙を流しながら見たい気がする。それで借金で固められた橋本マナミとレズのAV撮らされたり。あー闇の連想が止まらん。その頃、橋本功はドッグフードの材料としてその一生を終えました、見たいな。

あっ、一見「清楚」にしか見えない佐々木蔵之介の内縁の妻役、中村ゆりは案外背中にもんもんとかしょってそう(はないにしても昔レディースの総長だった過去くらい持ってそう)。

橋本功は別に問題はないけどいつも通りだ。『家族はつらいよ』と何ら変わらない。サングラスかけてるくらいの違いだ。西田敏行でも全然OKな気がする。


【銭】
『黒執事 Book of the Atlantice』:新聞屋系のロハ券もらった。
『破門 ふたりのヤクビョーガミ』:新聞屋系のロハ券もらった。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
黒執事 Book of the Atlantice@ぴあ映画生活
破門 ふたりのヤクビョーガミ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
黒執事 Book of the Atlantice@ペパーミントの魔術師
黒執事 Book of the Atlantice@beatitude
破門 ふたりのヤクビョーガミ@ペパーミントの魔術師
破門 ふたりのヤクビョーガミ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
黒執事 実写版@死屍累々映画日記
黒執事 Book of Murder 上巻@死屍累々映画日記
黒執事 Book of Murder 下巻@死屍累々映画日記

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