2016年に公開したもしくは観た洋画
2016年09月14日
『みつばちマーヤの大冒険』を109シネマズ木場6で観て、雑感するよふじき★★★
▲左からマーヤ、スティング、ウィリー。こんな顔しているけど、マーヤは破壊の女神のように壊しまくります。スティングやウィリーは友情パワーの補給基地のような存在。
五つ星評価で【★★★月影千草「マーヤ…恐ろしい子!」いや、そんなに嘘じゃない】
いつも通りしち面倒くさい事を書きます。
見終わってから考えたのは『劇場版アンパンマン』のフォーマットに似ながら、結果が異なるのは社会が異なるからではないだろうか、てな事。
まず、今回マーヤを見て、元のアニメであるマーヤの印象はあったものの、細かいストーリーとかを知らない事を思い知らされた。覚えていたのはマーヤが笑顔のキャラで、ウィリーが心配性のビビリのキャラで、二人で草原を旅していろんな虫に出会う事。そのアウトラインである大きな物語とかは全然知らなかった。あーそーなのー、という大きな話は新鮮だった。なかなかスペクタクルじゃん。捕虜になって脱走したりもするから、キャスティングにスティーブメマックイーンとかを選んでもいいよ。もちろん、マックイーンがマーヤのような素敵な笑顔を浮かべる事が出来ればの話だが。
で、天真爛漫であるがルールに縛られないマーヤは幼児性の象徴である。と言うか、生まれたばかりの幼児であるという設定だが、彼女はずば抜けて学習をしない。もう一人、相棒のウィリーは学習をするがメンタル面が弱く、学習障害を抱えている。旅の中で友達になるスズメバチのスティングも人の指示を聞かない所がある。
つまり三人とも問題児だ。
これは『劇場版アンパンマン』で、毎回出てくるゲストキャラが我儘な王女だったりするのと似てる。これはそのキャラにメイン層の観客である幼児を自己一体化させる為になされている事だろう。まあ、どちらも赤ちゃんに毛が生えたような存在だと言っていい。
マーヤもアンパンマンも危機に際して、みんなの力を団結して乗り越える事は一緒なのだが、もうちょっと詳しく描くと、アンパンマンでは、大きな危機に直面してゲストキャラの子供が成長する事(わがままを自制するとか社会性を身に付けるとか)で、危機を乗り越える。徳育教育的な側面がそれなりにある。別にそれは悪い事ではない。楽しみながら学んで帰ってもらうのは大変いい事だと思う。
マーヤの場合はそこは違い、この映画の中でマーヤは基本、成長しないのだ。
マーヤが他の虫たちと団結するのも成長したから出来た訳ではない。おそらく、それは元々マーヤの資質として持っていて、自然に発露して出来た事にすぎない。
だから、彼女は映画が終わっても、映画が始まる前と同様、ルールに縛られる事がない、社会にとって大変イレギュラーな存在なのである。例えば、マーヤが「王制」に疑問を抱いたら今回の悪役であるバズリーナ同様、蜜蜂の社会全体を揺るがしてしまうかもしれない(そらあ、もう「タラレバ」全開の話だが)。
アンパンマンでは子供たちにちょっと背伸びして社会性を得て貰おうとする。
ちょっとだけお兄さんお姉さんになりましょうね、と。
マーヤの世界は、君たちは変わらなくていい。必要なら社会が変わって君達を受け入れよう、と言う。つまりマーヤ(と他の二人)は山下清的な立ち位置にある。
アンパンマンの世界では成長が要求される。子供は少しずつ大人に近づいていくのだ。と言うか、「育児ノイローゼ」みたいなのに掛かる人もいるから、日本における子育てはハードワークっしょ。それをちょっとでも減らせるのならそれに越した事はない。アンパンマンは奥さんの味方です(ハァハァ(*´Д`))。
マーヤの世界は違う。成長を急がせない。
仮に成長しなくても、それに合った場所を社会が提供する。
社会システムとしてはこっちの方が優秀だし、断然、魅力的だ。
ただ、描かれていないけど、普通に成長したマーヤ、ウィリーを除く子供たちは
社会システムの中で工場労働者のように管理され、
戦争が起こると一億火の玉状態で全員徴兵される。
規格外の人以外の部分では案外あまり変わらないのかもしれない。
今回、マーヤの言動には子供だからしょうがないんだけどイラっとさせられた。
これ、子供と一緒に映画を見に来た親御さんは抵抗を感じたりしないのだろうか。
それは映画が悪いんじゃなく、子育てを含めた社会システムに関して、日本がイビツである事から生じるのだと思うけど。
蟻の兵隊の変なの(超規格外)二人の声を充てるのは
ダンディー坂野と杉ちゃん。
ごく一部ではあるけど、日本も規格外な人々に優しい所があるかもしれない。
【銭】
109シネマズの会員ポイント6ポイントを使って無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・みつばちマーヤの大冒険@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・みつばちマーヤの大冒険@ノラネコの呑んで観るシネマ
PS 「すずめばちマーヤ」「くまんばちマーヤ」「女王蜂マーヤ」
とかも見たい(嘘)。
PS2 『女王蜂』と言えば中井貴恵
PS3 仮面ライダーの怪人「蜂女」から蜂の性別論議をするのは止めておこう。
2016年09月13日
『最高の花婿』『さざなみ』をギンレイホールで観て、おフランスとエゲレスだふじき★★★,★
おフランスとエゲレス映画二本立て。
◆『最高の花婿』
五つ星評価で【★★★単純に凄く小さい話を欲張らずサラっと出してるのが気持ちいい】
四人姉妹を持つフランス人夫婦。
三女までは移民、異教徒(アラブ人、ユダヤ人、中国人)と結婚、
四女の結婚相手こそフランス人のクリスチャンをと願うが、四女が連れてきた相手は…
人種間格差で笑いを取る軽コメディー。
一見みんな仲が悪そうに見えながら最後には家族が一致団結して
ハッピーエンドに邁進する物語は見てて気持ちいい。
また、このフランス人の立場が外人婿とか考えづらい日本人には痛いほどよく分かる。
(アラブ人、ユダヤ人、中国人)の組み合わせは変更するにしても
ちょっと手直しすればすぐ日本でリメイクできそうだ
(それだけ日本人の方が外国人との結婚ハードルが高いという事だけど)。
日本だったらアメリカ人、イラン人、韓国人辺りだろうか。
フランス・パパがちょっとアレック・ボールドウィンっぽかった。
◆『さざなみ』
五つ星評価で【★回答がない映画だから辛すぎる】
結婚45年記念を土曜日に控える夫婦。
月曜日に夫の元にかっての恋人の訃報が届き、
それから二人の関係は徐々に変わっていく。
退屈さに勝てずウトウト。
ラストシーン、映画としてのケリの付け方はそうならざるを得ないかもしれん。
でも、あの締め方は嫌い。
彼は彼女に何をすればよかったのか。何をしなければよかったのか。
この場合の最適解は何か? 何も思い浮かばない。
きっと答はなく、何をやっても「覆水盆に戻らず」だと思う。
私の好き嫌いは別として、シャーロット・ランプリングのラストの表情は素晴らしい。
笑う般若面のようだ(いや、笑い般若ではないよ、あれは怖すぎる)
▲笑い般若
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・最高の花婿@ぴあ映画生活
・さざなみ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・最高の花婿@映画的・絵画的・音楽的
◆『最高の花婿』
五つ星評価で【★★★単純に凄く小さい話を欲張らずサラっと出してるのが気持ちいい】
四人姉妹を持つフランス人夫婦。
三女までは移民、異教徒(アラブ人、ユダヤ人、中国人)と結婚、
四女の結婚相手こそフランス人のクリスチャンをと願うが、四女が連れてきた相手は…
人種間格差で笑いを取る軽コメディー。
一見みんな仲が悪そうに見えながら最後には家族が一致団結して
ハッピーエンドに邁進する物語は見てて気持ちいい。
また、このフランス人の立場が外人婿とか考えづらい日本人には痛いほどよく分かる。
(アラブ人、ユダヤ人、中国人)の組み合わせは変更するにしても
ちょっと手直しすればすぐ日本でリメイクできそうだ
(それだけ日本人の方が外国人との結婚ハードルが高いという事だけど)。
日本だったらアメリカ人、イラン人、韓国人辺りだろうか。
フランス・パパがちょっとアレック・ボールドウィンっぽかった。
◆『さざなみ』
五つ星評価で【★回答がない映画だから辛すぎる】
結婚45年記念を土曜日に控える夫婦。
月曜日に夫の元にかっての恋人の訃報が届き、
それから二人の関係は徐々に変わっていく。
退屈さに勝てずウトウト。
ラストシーン、映画としてのケリの付け方はそうならざるを得ないかもしれん。
でも、あの締め方は嫌い。
彼は彼女に何をすればよかったのか。何をしなければよかったのか。
この場合の最適解は何か? 何も思い浮かばない。
きっと答はなく、何をやっても「覆水盆に戻らず」だと思う。
私の好き嫌いは別として、シャーロット・ランプリングのラストの表情は素晴らしい。
笑う般若面のようだ(いや、笑い般若ではないよ、あれは怖すぎる)
▲笑い般若
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・最高の花婿@ぴあ映画生活
・さざなみ@ぴあ映画生活
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・最高の花婿@映画的・絵画的・音楽的
2016年09月12日
『スポットライト 世紀のスクープ』をギンレイホールで観て、その地味さにいたく感銘ふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★地味なんである。スタンドプレイや強引なカタルシスが用意されていない。逆にそこに誠実さを強く感じる】
もっと娯楽寄りに仕上げる舵取りもできたであろうに凄く物静かな映画になっており、それでいてテーマを外さない物に仕上がっていた事が元のスクープ同様に誠実さを感じる。最初のスクープが社会を揺さぶったように、映画が公開される事で過去の事件を告白する被害者の増加などが起き、再度、社会が揺さぶられているらしい。映画としてのカタルシスを制限してまでも、主張を貫いた映画は作品として立派だったと思う。うん、偉かったよ、映画。
マーク・ラファロっていい役者だなあ。
いつも別人としてそこにいるのに根のところでマーク・ラファロ。
激怒して緑色の大男にならずによく頑張った。
マイケル・キートンもビートルジュースの癖にいい役者だ。
自分の罪にさいなまれながらもバードマンにもならずよく頑張った。
人権派弁護士にスタンリー・トゥッチ。
ハリウッド版『シャル・ウィ・ダンス』の竹中直人の癖によく頑張った。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・スポットライト 世紀のスクープ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・スポットライト 世紀のスクープ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・スポットライト 世紀のスクープ@映画的・絵画的・音楽的
・スポットライト 世紀のスクープ@或る日の出来事
・スポットライト 世紀のスクープ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・スポットライト 世紀のスクープ@yukarinの映画感想ぷらす日記
もっと娯楽寄りに仕上げる舵取りもできたであろうに凄く物静かな映画になっており、それでいてテーマを外さない物に仕上がっていた事が元のスクープ同様に誠実さを感じる。最初のスクープが社会を揺さぶったように、映画が公開される事で過去の事件を告白する被害者の増加などが起き、再度、社会が揺さぶられているらしい。映画としてのカタルシスを制限してまでも、主張を貫いた映画は作品として立派だったと思う。うん、偉かったよ、映画。
マーク・ラファロっていい役者だなあ。
いつも別人としてそこにいるのに根のところでマーク・ラファロ。
激怒して緑色の大男にならずによく頑張った。
マイケル・キートンもビートルジュースの癖にいい役者だ。
自分の罪にさいなまれながらもバードマンにもならずよく頑張った。
人権派弁護士にスタンリー・トゥッチ。
ハリウッド版『シャル・ウィ・ダンス』の竹中直人の癖によく頑張った。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・スポットライト 世紀のスクープ@ぴあ映画生活
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・スポットライト 世紀のスクープ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・スポットライト 世紀のスクープ@映画的・絵画的・音楽的
・スポットライト 世紀のスクープ@或る日の出来事
・スポットライト 世紀のスクープ@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・スポットライト 世紀のスクープ@yukarinの映画感想ぷらす日記
2016年09月10日
『ゲッタウェイ』をトーホーシネマズ新宿8で観て、そこそこだけどアリは可愛いふじき★★★
五つ星評価で【★★★サム・ペキンパーの映画と言うより】
初見。
サム・ペキンパーの映画と言うより、
どちらかと言うと脚本のウォルター・ヒル風味の映画になっていると思う。
乾いた荒野は、油断できない「悪」だらけで、
でも身近に信用できるパートナーがいる的な部分とかが。
アリ・マッグローかーいーなー。垢抜けてない感じがかーいー。志保美悦子っぽい。
じゃあ、スティーブ・マックイーンは長渕剛か。
マックイーンは普通。どうでもいい。別に長渕剛っぽくはない。
1972年当時、反社会的な主役が逃亡の上ハッピーエンドに終わるような映画は皆無だったらしい。ちなみに『明日に向かって撃て』は1969年。似たような話を聞いた事がある。TV『必殺仕掛人』も社会的な反響が大きく、最終回は主役全員不幸な目に合う方が良いと識者に言われたみたいな話をプロデューサーが談話で語っていた。『必殺仕掛人』の最終回では誰一人不幸な目に合っていない。これは意地で合わせなかったという事。必殺仕掛人最終回が1973年4月。日本でもアメリカでも同時期に同じような事が起こっていたのは面白い。で、以後の必殺シリーズはドラマが盛り上がるので、最終回で案外スムーズに殉職させてしまうようになった。そっちの方が不謹慎だろ(基本、生死に関わらずグループが解散するのでみんな不幸にはなる/主水だけは立場上、降格くらいはあっても「不幸」と言うほど不幸にはならない)。
なので、『ゲッタウェイ』も『明日に向かって撃て』みたいなラストだったら、案外規制を崩さないままもっと讃えられる名作になってたりして。逆に『明日に向かって撃て』はあのラストでないと締まりが悪い気がする。
【銭】
朝10時の映画祭企画料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ゲッタウェイ〈1972年〉@ぴあ映画生活
PS ラストで購入したトラックをゲッター1と見立てて、
マックイーン自体をゲッター2と見立てる。ゲッター3はアリ・マッグロー。
三者が合体すると無敵のゲッター・ウェイになる。つまりカーセックスはいい、
そういう事だ(うまく落とせませんでした)。
PS2 ハロルドの事をすっかり忘れてた。
強盗団の片割れにアッシーにされた挙句、奥さんを目の前で寝とられ、
抵抗も出来ずに自殺するが、その自殺が相手に全く何の影響も与えない
超絶寂しい男。この映画の中の凡人中の凡人。
普通の人が暴力渦巻く映画の世界に紛れ込むと彼みたいになっちゃうんだろうなあ。
初見。
サム・ペキンパーの映画と言うより、
どちらかと言うと脚本のウォルター・ヒル風味の映画になっていると思う。
乾いた荒野は、油断できない「悪」だらけで、
でも身近に信用できるパートナーがいる的な部分とかが。
アリ・マッグローかーいーなー。垢抜けてない感じがかーいー。志保美悦子っぽい。
じゃあ、スティーブ・マックイーンは長渕剛か。
マックイーンは普通。どうでもいい。別に長渕剛っぽくはない。
1972年当時、反社会的な主役が逃亡の上ハッピーエンドに終わるような映画は皆無だったらしい。ちなみに『明日に向かって撃て』は1969年。似たような話を聞いた事がある。TV『必殺仕掛人』も社会的な反響が大きく、最終回は主役全員不幸な目に合う方が良いと識者に言われたみたいな話をプロデューサーが談話で語っていた。『必殺仕掛人』の最終回では誰一人不幸な目に合っていない。これは意地で合わせなかったという事。必殺仕掛人最終回が1973年4月。日本でもアメリカでも同時期に同じような事が起こっていたのは面白い。で、以後の必殺シリーズはドラマが盛り上がるので、最終回で案外スムーズに殉職させてしまうようになった。そっちの方が不謹慎だろ(基本、生死に関わらずグループが解散するのでみんな不幸にはなる/主水だけは立場上、降格くらいはあっても「不幸」と言うほど不幸にはならない)。
なので、『ゲッタウェイ』も『明日に向かって撃て』みたいなラストだったら、案外規制を崩さないままもっと讃えられる名作になってたりして。逆に『明日に向かって撃て』はあのラストでないと締まりが悪い気がする。
【銭】
朝10時の映画祭企画料金1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ゲッタウェイ〈1972年〉@ぴあ映画生活
PS ラストで購入したトラックをゲッター1と見立てて、
マックイーン自体をゲッター2と見立てる。ゲッター3はアリ・マッグロー。
三者が合体すると無敵のゲッター・ウェイになる。つまりカーセックスはいい、
そういう事だ(うまく落とせませんでした)。
PS2 ハロルドの事をすっかり忘れてた。
強盗団の片割れにアッシーにされた挙句、奥さんを目の前で寝とられ、
抵抗も出来ずに自殺するが、その自殺が相手に全く何の影響も与えない
超絶寂しい男。この映画の中の凡人中の凡人。
普通の人が暴力渦巻く映画の世界に紛れ込むと彼みたいになっちゃうんだろうなあ。
2016年09月09日
『キャロル』『リリーのすべて』をギンレイホールで観て、ふむふむふむふむふじき★★★,★★★
同性愛映画二本立て。
◆『キャロル』
▲ケイト・ブランシェットに秘かに「おらはこう見えても筋金入りの鉄ちゃん」と遠回しに告白するシーン。
五つ星評価で【★★★二人の出会いはクリスマス商戦のデパート。クリスマス・キャロルってダジャレかよ!】
ブランシェット(※)とルーニー・マーラーの映画。
あまり大きなビックリとかもなく、話の進み方は退屈だけど
強者弱者のパラメータ(どちらがどちらに依存しているか)を
考えながら見ると面白いかもしれない。
タイムズの編集部だか何だかが男女問わず異常に眼鏡率が高い眼鏡部屋なのがおかしい。ナーズ部署って事だろうか。デパートのオモチャ売り場は一般顧客との折衝も含めて頭でっかちのナーズは排斥されそう。ただ、この映画のルーニー・マーラーが鉄ちゃんで隠れナーズなもんだから、彼女には新しい職場の方が向くかもしれない。
まあ、何にしてもルーニー・マーラーの息使いや、
ケイト・ブランシェットの孤高さは見ておいて損はない感じ。
※ ツイッターで「ベッキンゼール」と間違えた。
だって、「ケイト・B」までは一緒なんだもん。
ケイト・ブッシュと間違えなかっただけ褒めてほしい。
◆『リリーのすべて』
▲ずっと心の中に秘めていた欲望を解放させようと
近づいてくる聖書の蛇のようなアリシア・ヴィキャンデル、という風に見えなくもない。
五つ星評価で【★★★エディ・レッドメインは達者だけど、ただ不幸になる人のドラマを見るのは苦痛】
リリー・フランキーの伝記映画(嘘)。
でも、このタイトルはいい。
原題は『THE DANISH GIRL』。直訳すると『デンマーク女子』。
伝わらん、これじゃ映画がどう考えても伝わらん。
苦悩する主体はエディ・レッドメインだが、
妻のアリシア・ヴィキャンデルも同じくらい苦悩する。
アカデミー賞を貰ったエディ・レッドメインの評価が高いが、
受けて立つ演技の妻役アリシア・ヴィキャンデルも上手い。
この人はこの後に『エクス・マキナ』でブレイクする。
強い女子専用女優かいな。
エディ・レッドメインが分別のある年配のゲイで、
アリシア・ヴィキャンデルが跳び跳ねるようなストレートの乙女という
バランスがとても良い。
リリーに近づく同性愛の男という役柄でベン・ウィショー(007のQ)が出てるが、何とはなしにダメ男の空気を濃密に放っていて、日本だったら池松壮亮だなと思った。
PS この物語を歌を絡めながら解説すると(何で?)
小林旭の「夢の中」という曲の
「♪男もツラい〜し、女もツラい〜、男と女はなおツ〜ラい〜」
と言う歌詞っぽい映画。
PS2 エディー・レッドメインがレオ様をぶち切って
アカデミー主演男優賞を獲得するには、、、、、、、、、、
二人の暴漢にボコボコにされるシーンの後、
突如乱入した野生のクマに襲われ、、、、、、、、
女装のまま馬の体内で一夜を過ごすなどのシーン追加が必要。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・キャロル@ぴあ映画生活
・リリーのすべて@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・キャロル@映画的・絵画的・音楽的
・キャロル@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・リリーのすべて@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・リリーのすべて@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・リリーのすべて@ペパーミントの魔術師
◆『キャロル』
▲ケイト・ブランシェットに秘かに「おらはこう見えても筋金入りの鉄ちゃん」と遠回しに告白するシーン。
五つ星評価で【★★★二人の出会いはクリスマス商戦のデパート。クリスマス・キャロルってダジャレかよ!】
ブランシェット(※)とルーニー・マーラーの映画。
あまり大きなビックリとかもなく、話の進み方は退屈だけど
強者弱者のパラメータ(どちらがどちらに依存しているか)を
考えながら見ると面白いかもしれない。
タイムズの編集部だか何だかが男女問わず異常に眼鏡率が高い眼鏡部屋なのがおかしい。ナーズ部署って事だろうか。デパートのオモチャ売り場は一般顧客との折衝も含めて頭でっかちのナーズは排斥されそう。ただ、この映画のルーニー・マーラーが鉄ちゃんで隠れナーズなもんだから、彼女には新しい職場の方が向くかもしれない。
まあ、何にしてもルーニー・マーラーの息使いや、
ケイト・ブランシェットの孤高さは見ておいて損はない感じ。
※ ツイッターで「ベッキンゼール」と間違えた。
だって、「ケイト・B」までは一緒なんだもん。
ケイト・ブッシュと間違えなかっただけ褒めてほしい。
◆『リリーのすべて』
▲ずっと心の中に秘めていた欲望を解放させようと
近づいてくる聖書の蛇のようなアリシア・ヴィキャンデル、という風に見えなくもない。
五つ星評価で【★★★エディ・レッドメインは達者だけど、ただ不幸になる人のドラマを見るのは苦痛】
リリー・フランキーの伝記映画(嘘)。
でも、このタイトルはいい。
原題は『THE DANISH GIRL』。直訳すると『デンマーク女子』。
伝わらん、これじゃ映画がどう考えても伝わらん。
苦悩する主体はエディ・レッドメインだが、
妻のアリシア・ヴィキャンデルも同じくらい苦悩する。
アカデミー賞を貰ったエディ・レッドメインの評価が高いが、
受けて立つ演技の妻役アリシア・ヴィキャンデルも上手い。
この人はこの後に『エクス・マキナ』でブレイクする。
強い女子専用女優かいな。
エディ・レッドメインが分別のある年配のゲイで、
アリシア・ヴィキャンデルが跳び跳ねるようなストレートの乙女という
バランスがとても良い。
リリーに近づく同性愛の男という役柄でベン・ウィショー(007のQ)が出てるが、何とはなしにダメ男の空気を濃密に放っていて、日本だったら池松壮亮だなと思った。
PS この物語を歌を絡めながら解説すると(何で?)
小林旭の「夢の中」という曲の
「♪男もツラい〜し、女もツラい〜、男と女はなおツ〜ラい〜」
と言う歌詞っぽい映画。
PS2 エディー・レッドメインがレオ様をぶち切って
アカデミー主演男優賞を獲得するには、、、、、、、、、、
二人の暴漢にボコボコにされるシーンの後、
突如乱入した野生のクマに襲われ、、、、、、、、
女装のまま馬の体内で一夜を過ごすなどのシーン追加が必要。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
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・リリーのすべて@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・リリーのすべて@ペパーミントの魔術師
2016年09月08日
『ミュータントニンジャタートルズ影』を109シネマズ木場8で観て、適当だけど面白いぞふじき★★★
▲「影やのうて亀やろ」と突っ込んでほしいのかな?
五つ星評価で【★★★1よりおもろいんではないか】
亀で忍者でティーンエージャーな4匹の大活躍。
旧作以上に亀同士の色が強く出たのが良かった。
レオナルド(青)はリーダー、
ラファエロ(赤)は乱暴者、
ドナテロ(紫)はメカオタク、
ミケランジェロ(黄)はおどけ者の弟キャラ。
前作はチーム全体を一つの個性としてて、各キャラ設定は強く出てなかった。
前作は亀の混同がけっこうあった。「亀のコンドー」ってまずいか。
亀のコンドーでミーガンフォックスとハイタッチしてえ!(不明瞭だがあかんやろ)
ツイッターで「妖怪人間ベロ」と言われていたが、なるほどそうだった。
吹替え版て見たが、人間から犀と猪豚化するミュータントの声を
宮川大輔と藤森慎吾があててる。これはこれでアリだな。
上手い下手は別に勢いがある。その勢いが上手いとか下手とかの判断を弾く。
一つ一つセリフが聞きづらいんだが、ガヤ的に賑してくれればそれでいい。
あの犀と猪豚がそんなに大事なセリフを喋る訳でもないし。
今回悪いのはサイとイノブタは置いといて悪役がつまらんこと。
シュレッダーは結論としていいところない。
異世界の敵クランゲは、見た目が悪い困った爺ちゃんにしか見えない。
困った爺ちゃんにニンジャが負けちゃダメだろ
(追い返しただけで、勝ち負けで言えば今回は負け)。
サイとイノブタはともかくとして、クランゲっていきなりな気がする。
あれは前作と何かリンクがあるのか? 前作抜け切って何も覚えてない。
ミーガン・フォックスは金髪の方が果てしなく好き。
金髪のままチア・リーディング娘の姿になる時、
間違えて1枚くらい脱ぎすぎてほしい。
「きゃっ」みたいなサービス・カット付けようよ。
『シン・ゴジラ』『君の名は。』大ヒットの煽りを直撃してるらしい今作。
うんまあ、1800円出すなら、亀は見ないな。
アメリカみたいに500円程度だったら亀でもいいと思うんだけど。
【銭】
毎週火曜日は109シネマズのメンバーズデー(小)で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
・ミュータント・タートルズ@死屍累々映画日記
2016年09月06日
『ポセイドン・アドベンチャー』をトーホーシネマズ新宿1で観て、『メテオ』をシネマカリテ1で観て、すげーとちょいしょぼふじき★★★★★,★★★
▲チラシ。
五つ星評価で【★★★★★何つーか最高に面白い】
名画座で観た事があって、今回は二回目。
船内を逃げ回るチーム組み合わせが最高。
神の助けよりも自分達が行動する事が大事と信じて疑わない異端の神父。
刑事と元娼婦の中年夫婦。
孫に会いに旅をしてる初老の夫婦。
子供だけで旅をしている姉弟。
兄を亡くしたばかりのパニック症の女性歌手。
変人の独身男。
船内構造に詳しいフロアマン。
混同しようもなくキャラがユニーク。
神父のジーン・ハックマンはこの後、役者としてどんどん胡散臭さを増していく人だが、
主役にして本当に正しいのか分からない人選は見事。
彼が主役として成り立つのはおそらく刑事アーネスト・ボーグナインが
益体もない無駄口を叩いて、反面教師として彼を引き立てるからに過ぎない。
変人の独身男が有事に際して超人になったりはしないが、
ちゃんと人の話を聞ける調停者として役に立つのもよく出来ている。
そのままでは階段代わりを登れない。ドレスのスカートを脱ぎなさい、
と言われてスカートを脱いでショートパンツ1枚になる女子。
おいおいおいおい!(怒)そうじゃないだろ。
デブおばさんはどうでもいいが、
バリバリにパンツ見せるのは元娼婦だけなのはどうなの?
もう本当女性だけ重点的に助けてバンバン、パンツを見せる
『ポセイドン・アドベンチャー』が見たい。
この後に作られる『タワーリング・インフェルノ』が
火事の中の洪水を描いていたので、今作はもうちょっと船の中の火事に焦点が
行くのかと思い込んでいたが、そうでもなかった。
何にしてもムチャクチャ面白い。それが大事だ
PS 『ハゼドン・アドベンチャー』
PS2 アーネスト・ボーグナイン、大葉健二に似てる。
いや、セサミストリートのマペットにあの顔、いた気がする。
『メテオ』
▲チラシ。
初見。『ポセイドン・アドベンチャー』と監督が一緒。
五つ星評価で【★★★スペクタクル映画の筈だけど、そこは軽め】
ショーン・コネリーが急遽、呼び出されて、
メテオ破壊計画の中間管理職みたいな位置に据えられるけど、
あまりこの人が何かやっているという印象はない。ロシア側と意識合わせしたくらいで、
ギリギリいなくても困らない役職な気がする。
遊星メテオを破壊するためには冷戦状態の米ソどちらか一方の核だけでは足りず、
手を携えて人類の危機に立ち向かわなくてはならない。
とはいうものの、今までの冷戦経緯から中々ねえ〜という映画。
『博士の異常な愛情』の秘密施設内を隠しカメラで撮影するロシア大使くらいの方が
リアルだと思うが、この映画の中では一部タカ派のアメリカ人を除けば、
みんなそれなりに良心的な人たちだった。
盛り上がらないのはその辺と、遊星のビジュアルがつまらんからかな。
とてつもなくひどい事が起こる感が映画から感じづらいのが敗因
【銭】
ポセイドン・アドベンチャー:朝10時の映画祭企画料金1100円。
メテオ:カリコレ旧作鑑賞料金1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ポセイドン・アドベンチャー〈1972年〉@ぴあ映画生活
・メテオ@ぴあ映画生活
2016年09月01日
『西遊記 孫悟空VS白骨夫人』をシネマート新宿1で観て、白骨夫人の存在感が圧巻でそれはよいふじき★★
▲続編なのに「モンキー・マジック」ってタイトルが外されてしまうとは!
五つ星評価で【★★作品としてはトホホ系列だが一点豪華主義で舌を巻くような部分もある】
ドニー・イェンが孫悟空を演じた『モンキー・マジック』の続編。
前作の特殊メイクを付けての演技があまりにもきつかったらしく、
主役のドニー・イェンが降りてしまった。おいおいおい、その理由で降りちゃうか!?
代わりに孫悟空として主役を張るのは前作で悪役・牛魔王を演じたアーロン・クォック。
無茶な配役である。
でも演技メソッドは似てる。凶悪な顔立ちなのにおとぼけ猿さんっぽい演技だ。
にも関わらずドニー・イェンと余りに顔の作りが異なるので、同一キャラに見えない。
前回が「お猿のジョージ」みたいな顔だったのに、今回は顔が牛魔王で極道。
植木均と遠藤憲一くらい違うから、やはり同じキャラには見えない。
前回が悟空が五行山に幽閉されるまで。
今作がその幽閉の身が解けて、三蔵法師と旅に出る、その最初のエピソード。
孫悟空以外で前作と共通のキャストは、観音菩薩ケリー・チャンくらいだろう。
だから、前作の続き物扱いで見る必要はない。話は独立してるし、タッチも違う。
前作の学芸会みたいなノリは成りを潜め、それなりにリアルな話になってる。
おそらく前作の方がオリジナルな設定が多いと思う。
今作の方が昔から聞いている「孫悟空」の中のエピソードその物のようである。
前作では出なかった三蔵法師、猪八戒、沙悟浄が登場する。
今回の西遊記ご一行は
孫悟空(アーロン・クォック)が荒々しいお猿さん。荒くれ者だが純粋。筋肉質のアーロン・クォックが演じているので、どこかゴリラっぽい雰囲気が付いてしまった。中華本来の孫悟空ってもうちょっとスマートで、こんな荒々しいイメージではないと思う。
三蔵法師(ウィリアム・フォン)は何となくいけ好かない若い僧。日本の美少女ラインの三蔵法師が嘘八百なのは百も承知だが、それでも妙に綺麗綺麗な服で表層な正義を曲げない若い僧侶はいけ好かなくて、あまり好きになれない。だが、その表層な正義をそれでも正義であるなら、それはやはり全うすべき物なのだ、と強く描く事によってどうにか納得できる人物像になった。
猪八戒(シャオ・シェンヤン)は日本の八戒同様、享楽的で弱虫。豚が持つイメージは日中でそんなに変わらないようだ。前野朋哉に似てる。
沙悟浄(ヒム・ロー)は海坊主。日本の河童とはそもそもキャラが違う。逆に岸部シローの沙悟浄を見て中国人は驚いたに違いない。この青い肌テカテカの沙悟浄もメリハリがあって良いと思う。人喰い人種みたいな妖怪なのに情が厚い所が良い。
今回の旅の四人はなかなか良くバランスが取れてると思う。
学究肌で人生についてはまだ修行半ばの三蔵法師。
行いは正しいが暴力に対する禁忌が乏しい孫悟空。
人の心の弱さとそこに灯る一筋の小さな勇気を前面に出した猪八戒。
人の心の強さと行いを実行する力の不足を前面に出した沙悟浄。
みな完璧ではなく、四人寄り集まってどうにか道を進める半端者達である。
この即興四人組に対する悪がコン・リー演じる白骨夫人だ。
この白骨夫人の仕上がりがムチャクチャいい。
恐ろしく、高貴。そして無敵で、悲しい。
コン・リーって凄い女優だわ。こんな映画で褒めてごめんなさいという感じもするが、この圧倒的な存在感には大きな拍手を送りたい。
基本、グラグラ屋台骨が傾いているようなチグハグな映画だと思うのだけど、このコン・リーの圧倒的な存在感は是非、多くの人に目にして貰いたい。
【銭】
新聞屋系の招待券で無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人@ぴあ映画生活
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・西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人@すぷのたわごと
▼関連記事。
・モンキー・マジック@死屍累々映画日記
2016年08月30日
『ライト/オフ』を新宿シネマート1で観て、ゲラゲラ大盛り上がりふじき★★★★
▲ブラックライトの使い方も上手い。
五つ星評価で【★★★★ああもう怖くて楽しい】
ダイアナが怖くていいよ。
なんか正体が分からんのがゴリゴリ強烈に攻めてくるのが本当いいよ。
どこか似た感覚を味わった事があるなと思って思い付いたのが
『悪夢探偵』のヤツ(塚本晋也)の暴力表現。
ノイズ的な音の処理が同じで、映像は全く別物であるが、衝撃度は近い。
ともかく訳も分からず襲ってくる超暴力的な何かって怖い。
こんなん見るとまだまだ、ホラーは終わらない、と分かって楽しくなる。
ハイリハイリフレ、ハイリホ。ハリハリフレホッホー。
【銭】
新聞屋系の招待券で無料鑑賞。
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・ライト/オフ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ライト/オフ@或る日の出来事
2016年08月29日
『ラヴ・ハッピー』『ハリーおじさんの悪夢』をシネマヴェーラ渋谷で観て、悲しく怖いよふじき★★,★★★
特集上映「映画史上の名作15」の1プログラム。
◆『ラヴ・ハッピー』
五つ星評価で【★★あれ、どーしたマルクス兄弟】
マルクス兄弟最後の作品(グルーチョの単独出演とかはこの後にもある)。
なのか、冒頭グルーチヨのヒゲが本物のヒゲで、髪の毛薄いのに驚く。
そして異常に兄弟同士の絡み場面が少ない。
ハーポ、チコはいつも通りだが、両人の絡みも少ない。いったいどうした物なのか?
グルーチョなんか軽口はともかく、グルーチョ歩きをしてくれないのである。
メインの話(主役男女)にサギ紛いのマルクス兄弟が絡んでいくでもなく、どうもいつもの制御があまり聞いてない感じの一本。
ただ、「エロイ姉ちゃん」という感じのチョイ役で、マリリン・モンローが出演してる。うーん、エロいのう。
◆『ハリーおじさんの悪夢』
五つ星評価で【★★★怖い】
田舎町の旧家の明主ハリーは奥手で恋もしたことがない。二人の妹と召使の3人の女性と一緒に暮らす彼に恋のチャンスが訪れる。彼の家は荒れる。
コメディーみたいな内容だが、恋人を差し置いてかまわれたい妹の情念が怖い1本。
ラストに「お友達にこの結末は秘密にしておいでください」と一文が添えられる。
ラストネタバレを注意したもっとも古い映画の一本かもしれない。
【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ラヴ・ハッピー@ぴあ映画生活
・ハリーおじさんの悪夢@ぴあ映画生活
◆『ラヴ・ハッピー』
五つ星評価で【★★あれ、どーしたマルクス兄弟】
マルクス兄弟最後の作品(グルーチョの単独出演とかはこの後にもある)。
なのか、冒頭グルーチヨのヒゲが本物のヒゲで、髪の毛薄いのに驚く。
そして異常に兄弟同士の絡み場面が少ない。
ハーポ、チコはいつも通りだが、両人の絡みも少ない。いったいどうした物なのか?
グルーチョなんか軽口はともかく、グルーチョ歩きをしてくれないのである。
メインの話(主役男女)にサギ紛いのマルクス兄弟が絡んでいくでもなく、どうもいつもの制御があまり聞いてない感じの一本。
ただ、「エロイ姉ちゃん」という感じのチョイ役で、マリリン・モンローが出演してる。うーん、エロいのう。
◆『ハリーおじさんの悪夢』
五つ星評価で【★★★怖い】
田舎町の旧家の明主ハリーは奥手で恋もしたことがない。二人の妹と召使の3人の女性と一緒に暮らす彼に恋のチャンスが訪れる。彼の家は荒れる。
コメディーみたいな内容だが、恋人を差し置いてかまわれたい妹の情念が怖い1本。
ラストに「お友達にこの結末は秘密にしておいでください」と一文が添えられる。
ラストネタバレを注意したもっとも古い映画の一本かもしれない。
【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ラヴ・ハッピー@ぴあ映画生活
・ハリーおじさんの悪夢@ぴあ映画生活
2016年08月27日
『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』をUPLINK ROOMで観て、公平性に疑問があるふじき★★
五つ星評価で【★★主張が間違えてる気はしないのだけど】
砂糖の取りすぎは良くないだろうし、
砂糖業界が自分達のシェアを死守する為に
購買客の健康よりも売り上げを優先するのが誤り、とかも間違えてはいない。
それを鬼の首を取ったかのように非難すべきかどうかは別の問題として。
どんな栄養素であっても過度に摂取すれば健康を害するだろうし、
一部の嗜好品については微量でも健康に益する効果が全くないかもしれない。
でも、それをもって「砂糖」を稀代の毒物みたいに扱わなくてもよいのではないか。
気になるのは最初に「砂糖=毒物」の結論ありきで映画が作られている気がする。
映画って別にそういうプロパガンダ目的で作られる物があっても構わないのだが、
それを成り立たせるには根拠が少ない。
いや、根拠に説得力がないと言った方がいいだろう。
そう、非難するに足りるだけの絶対的な悪役としての存在感が低い。
だから、ちょっと嫌な思いをしたクレーマーがヒステリーで
敵を攻撃してるようにしか見えなかった。それが真実かどうかは分からないのだが。
【銭】
UPLINK社長アカウントの日々のツイッター発言により
サービスを享受するフラッシュ割を使い、1000円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ@ぴあ映画生活
砂糖の取りすぎは良くないだろうし、
砂糖業界が自分達のシェアを死守する為に
購買客の健康よりも売り上げを優先するのが誤り、とかも間違えてはいない。
それを鬼の首を取ったかのように非難すべきかどうかは別の問題として。
どんな栄養素であっても過度に摂取すれば健康を害するだろうし、
一部の嗜好品については微量でも健康に益する効果が全くないかもしれない。
でも、それをもって「砂糖」を稀代の毒物みたいに扱わなくてもよいのではないか。
気になるのは最初に「砂糖=毒物」の結論ありきで映画が作られている気がする。
映画って別にそういうプロパガンダ目的で作られる物があっても構わないのだが、
それを成り立たせるには根拠が少ない。
いや、根拠に説得力がないと言った方がいいだろう。
そう、非難するに足りるだけの絶対的な悪役としての存在感が低い。
だから、ちょっと嫌な思いをしたクレーマーがヒステリーで
敵を攻撃してるようにしか見えなかった。それが真実かどうかは分からないのだが。
【銭】
UPLINK社長アカウントの日々のツイッター発言により
サービスを享受するフラッシュ割を使い、1000円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ@ぴあ映画生活
2016年08月26日
『マルクスの二丁拳銃』『凸凹猛獣狩』をシネマヴェーラ渋谷で観て、バリ満足と不満足ふじき★★★★,★★
特集上映「映画史上の名作15」の1プログラム。
◆『マルクスの二丁拳銃』
五つ星評価で【★★★★あーもーマルクス兄弟おもろい】
相変わらずわんぱくでお茶目なチコのピアノ演奏。
相変わらずそこだけ耽美なハーポのハープ演奏。
そしてグルーチョの出鱈目っぷり。
3人集まると更にいつ終わるかも分からない出鱈目っぷりの連続。
マルクスの出鱈目って完全に実生活と離れたレベルの「出鱈目」なので、観てる観客をとても安心させる。今回はクライマックスの列車大暴走でのスラップスティックなアクション系笑いもいいが、どこを切りとっても何かしら笑いを取ってる細かいアチコチのシーンが本当、珠玉のよう。酒場のシーンとかで兄弟がふざけてると、舞台を見ているみたいに酒場の登場人物もみんなニコニコしてる。ゆるくて楽しい。ゆるいけど、物語の主筋はちゃんと貫くので安心して見れる。
「列車を止めるためにはどうするんだ」
「ブレーキを何とかするんだ」
「この後、この映画で一番のギャグを言います」
ブレーキを破壊するハーポ
「ブレーキをブレイク(破壊)したな」
「ブレーキを壊したな」なんて訳しちゃあかん。
◆『凸凹猛獣狩』
五つ星評価で【★★アボット&コステロはどうも向かん】
ジャングルが舞台、土人の音楽は楽しい。
人の三倍くらいの大きさのゴリラが出てくる。なかなか特撮じゃん。
と、見所はある物のヤセ君とデブ君がともかくドタバタ追いかけっこしてるのが
あまり面白く感じられないのよ、私。
アボット&コステロはどうも合わない。
痩せで辛辣、独善的なアボットと、デブでダメなんだけどラッキーなコステロという組み合わせで、ヤセの方は単に嫌な奴にしか見えないし、デブの方もその嫌な奴に最低の扱われ方をされて当然のようなクズにしか見えない。どっちかって言うとデブの方が嫌い。自分のダメな部分を「どうしようどうしよう」と右往左往してるだけの上島竜平みたい。つまり、割とダメ芸人扱いされている上島竜平だって、場を引っ繰り返せる秘密兵器的な一発ギャグを持っているのに、コステロにはそれがないのだ。ただ、事態から逃げ回ってヘラヘラ笑ってるだけ。そんな奴は好きになれない。男は血の涙を流して敵に噛みついてナンボ。
【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・マルクスの二挺拳銃@ぴあ映画生活
・凸凹猛獣狩@ぴあ映画生活
◆『マルクスの二丁拳銃』
五つ星評価で【★★★★あーもーマルクス兄弟おもろい】
相変わらずわんぱくでお茶目なチコのピアノ演奏。
相変わらずそこだけ耽美なハーポのハープ演奏。
そしてグルーチョの出鱈目っぷり。
3人集まると更にいつ終わるかも分からない出鱈目っぷりの連続。
マルクスの出鱈目って完全に実生活と離れたレベルの「出鱈目」なので、観てる観客をとても安心させる。今回はクライマックスの列車大暴走でのスラップスティックなアクション系笑いもいいが、どこを切りとっても何かしら笑いを取ってる細かいアチコチのシーンが本当、珠玉のよう。酒場のシーンとかで兄弟がふざけてると、舞台を見ているみたいに酒場の登場人物もみんなニコニコしてる。ゆるくて楽しい。ゆるいけど、物語の主筋はちゃんと貫くので安心して見れる。
「列車を止めるためにはどうするんだ」
「ブレーキを何とかするんだ」
「この後、この映画で一番のギャグを言います」
ブレーキを破壊するハーポ
「ブレーキをブレイク(破壊)したな」
「ブレーキを壊したな」なんて訳しちゃあかん。
◆『凸凹猛獣狩』
五つ星評価で【★★アボット&コステロはどうも向かん】
ジャングルが舞台、土人の音楽は楽しい。
人の三倍くらいの大きさのゴリラが出てくる。なかなか特撮じゃん。
と、見所はある物のヤセ君とデブ君がともかくドタバタ追いかけっこしてるのが
あまり面白く感じられないのよ、私。
アボット&コステロはどうも合わない。
痩せで辛辣、独善的なアボットと、デブでダメなんだけどラッキーなコステロという組み合わせで、ヤセの方は単に嫌な奴にしか見えないし、デブの方もその嫌な奴に最低の扱われ方をされて当然のようなクズにしか見えない。どっちかって言うとデブの方が嫌い。自分のダメな部分を「どうしようどうしよう」と右往左往してるだけの上島竜平みたい。つまり、割とダメ芸人扱いされている上島竜平だって、場を引っ繰り返せる秘密兵器的な一発ギャグを持っているのに、コステロにはそれがないのだ。ただ、事態から逃げ回ってヘラヘラ笑ってるだけ。そんな奴は好きになれない。男は血の涙を流して敵に噛みついてナンボ。
【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。
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・マルクスの二挺拳銃@ぴあ映画生活
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2016年08月22日
『少年ケニヤ』『カムイの剣』を角川シネマ新宿1で観て、ホラ話の異端と正統ふじき★★,★★★
▲歌詞から抜き出した「口移しにメルヘンください」というコピーがもう本当天才的
◆『少年ケニヤ』
五つ星評価で【★★なんつか気色悪いアニメ作りよったのう。】
初見。
大林宜彦監督作品。
実写監督がアニメ監督やる時は「名前貸し」みたいな事が多いらしいのだが、
実物を見ると、どう考えてもこれは大林が手も口も出している。
奇抜な演出が多く、現場の人は難儀したであろうことが手に取るように分かる。
で、そんなに苦労しただろうに、あまり良い結果が残っていないのが泣ける。
そもそも山川惣治原作の挿絵そのままのキャラがアニメートに向いていない。
花輪和一の描くマンガみたいで、爽やかさが一つもなく感情移入しづらい。
秘境大冒険絵巻であるが、明確な目的地もなく、父を探し歩く道程は出たとこ勝負で
ダンゴ状に並ぶエピソードの一つ一つがそんなに面白くない。
子供の頃に両親とはぐれてアフリカ原住民の神として崇められてる少女ケートの声を原田知世が演じている。いきなり自分と同じ年頃の半裸男子を見て、「♪ワタルワタル」とダチョウをバックに踊る少女に感情移入してアフレコをする原田知世を想像すると、これも泣ける。トカゲ族(コモドオオトカゲの皮を被ってる)に拉致され、トカゲの生皮を着せられたりもする。このシーンは実写の原田知世で観たかった。
エンディングテーマは渡辺典子の「少年ケニヤ」。
この曲がたいそう気持ちよくって映画の減点をかなり忘れさせる。
百恵ちゃんの竜童、阿木ペアいい仕事しよる。
渡辺典子の上手い感じじゃないけどスッと耳に入ってくる声が良い。
PS ティラノサウルスや原爆や2001年のスターボウ演出まで出てくる盛沢山っぷり。
PS2 ドイツの軍人は何でアフリカで原爆の開発をしてたんだろう?
PS3 彩色セルを裏から撮るなんて、素人がやりたいと必ず思う効果を
実際にやってしまうのが大林だなあ。その場面のキャラは何か水死体っぽい。
◆『カムイの剣』
五つ星評価で【★★★壮大な物語と和太鼓が素敵】
劇場公開時に1回見てるので多分、2回目。
和太鼓をメインに据えた宇崎竜童の劇畔がともかくかっこいい。
久しぶりに見たのだが、話のスケールのでかさと敵の悪さにビックリする。
2時間13分は体感時間としてちょっと長いが、長い話をコンパクトにまとめてると思う。
主人公と惹かれあうお雪がなかなかエロい。
寸止めでエロ展開に進まないのがなかなか良識だ
(この良識を踏み外してたら凄いトラウマ映画になっただろう)。
それにしても主人公のジロウがモテモテだ(悔しいのう)。
そのジロウの敵天海のともかくねちっこい策略が凄い。
こういう人が近くにいたら嫌だなあ。舅とか姑が天海さんだったら地獄。
一つの事案を成立させる為に10年20年と謀略を巡らすものなあ。
主人公に対して、これだけひどい事を成し遂げた悪役は映画史上でも希だと思う。
そいで、これも渡辺典子の歌う「カムイの剣」が宇崎・阿木コンビで名曲。
天海さんの頑張りでけっこう濁った話なんだけど渡辺典子のクリアボイスに救われる。
【銭】
チケ屋で「角川映画祭」の共通前売券額面価格1000円を1000円でGETして、使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・少年ケニヤ@ぴあ映画生活
・カムイの剣@ぴあ映画生活
2016年08月19日
『ロスト・バケーション』をトーホーシネマズ日本橋1で観て、鮫も頑張ってる佳作だふじき★★★★
▲ケツとかぷりっとしてても男前な姉さん。
五つ星評価で【★★★★やっぱり鮫の映画はいい】
生物学的に言うと、
鮫が何故あんなにブレイク・ライブリーを食べたいのかがよく分からない。
鯨の死骸だってあるし、男たちだって何人も毒牙にかけてるし、
それでもう食料は豊富じゃないのか?
メスの人間じゃないと食べません、とかグルメな鮫なのか?
確かに野郎だけの時は襲ってこなかったし。
じゃあ、医学生の彼女に出来る最善の策は近くにいる鳥をとっ捕まえて
自分の股間に接合してチンチンの偽装を・・・はっ、私ったらなんて事を!
(いつも通りだぜ!)
満潮になると沈んでしまう岩礁に避難した彼女の周りを悠然と泳ぐ鮫。
『シャークネード』の鮫だったら助走付けて空、飛んで襲ってくると思うが、
あの鮫は密度薄くて風に乗ってどこまでも飛ぶから種類が違うんだろう。
うん、今回の鮫は重そうだった。
逆に重いんなら、因幡の白兎ヨロシク頭の上に乗ってしまえとも思うが、
いや、白兎はそれで生皮剥かれちゃったんだっけ。
剥くのはあそこだけで、、、弁士中止!
・・・はっ、私ったらなんて事を!(だから、いつも通りだぜって!)
ブレイク・ライブラリーはカワイコちゃんでも、SEXYでもなく、
どっちかってえと「男前」的な感じだった。ダニー・トレホを美人にしたみたいな。
両方から怒られそうだな。
基本、このブレイク・ライブリーが一人で間を持たせるんだから、
彼女も芸達者だし、脚本が上手なんだと思う。
そこそこの短さだけどピンチがやってきてから一瞬もダレなかった。
あまりにも何の展開も思い付かず、映画がダレダレになるようだったら、
岩礁の上で彼女が気を落ち着かせるために林家二楽師匠譲りの紙切りの芸を披露とか、
江戸屋猫八師匠譲りの猫の物真似を披露するとかあったかもしれないが、
そういうのがなくて良かった。
いやいやいやいや、紙切りしながら、その紙で近視の鮫をごまかしたり、
猫の物真似で鮫の聴覚をかく乱したりとかするのよ。
たまに「おさむちゃんでーす」とかフェイント入れて、フェイントにならなくて、
食べられたりとか(終わっちゃうやんけ)。
総論で、普通に面白かったです。
で、あの鮫が流れ流れてシン・ゴジラになるんだと思います
(そんなに違和感ないっしょ)。
【銭】
映画ファン感謝デーに見たので1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ロスト・バケーション@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ロスト・バケーション@映画的・絵画的・音楽的
・ロスト・バケーション@お楽しみはココからだ
・ロスト・バケーション@ノラネコの呑んで観るシネマ
・ロスト・バケーション@だらだら無気力ブログ
・ロスト・バケーション@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・ロスト・バケーション@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 作りかけのブログ記事が吹っ飛んだので、一から作り直しの記事です。
そのせいで逆にタガが外れて出来が良くなったかもしれない。
ああでも、やっぱりブログ作ってる最中、原稿が壊れるのはキツい。
PS2 日焼け止めを塗ったにもかかわらず、長期の陽光の下での活動は
彼女の肌を焼く。『ロースト・バケーション』という奴ですな。
PS3 男は殺して女だけ手を出すなら、鮫の形をしてるけど
実はドラキュラみたいな吸血鬼かもしれない。
海パン一丁のドラキュラって想像しづらいんだけど。
PS4 海パン一丁の鮫と言えば、アニメ版の『海のトリトン』の悪役が
海パン一丁の鮫だった。確か、クラゲは通信担当の子分みたいな役だった筈だ。
PS5 海パン一丁の鮫が海パンを脱いで、ブレイク・ライブリーと
メイクラブする映画が見たいなんて言いません。だから、言わないんだってばさあ。
PS6 医学生じゃなくて洋裁学校の生徒だったら、海月でドレスを、、、、
はっ『海月姫』! 能年玲奈でリブート・オファーだあ!
▲海パン一丁の鮫の人
2016年08月18日
『ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説』をシネマート新宿2で観てあかんねんなふじき★★
▲前半部のヒロインのこの子が垢抜けなくて良かった。
五つ星評価で【★★出だし好調、中盤以降沈没】
軍の厄介者みたいな扱いの主人公が大活躍の末、
大古の文明の遺産を探し当てるが、
恋い焦がれていた女の子をその遺産の力に奪われてしまうまでが前半部。
その後、政府の調査隊に参加する事で、彼女との再会をかなえるのが後半。
「魔界」とか「妖魔族」というキーワードが出てくる映画は普通に地雷映画だろう。
まあ、もう本当にその通りの映画。
とは言うものの、
前半のあれよあれよという間に大古の文明の遺産に辿り着いてしまう
スピード感や無駄にお金をバンバン掛けてる感じのCG多用は良い。
ギャレス・エドワース・ゴジラ風ドラゴンもパクリっぽいが出来は悪くない。
前半部は朴訥な主人公、可憐なヒロイン、主人公を気に掛ける先輩、
ヒロインの父のマッド・サイエンティストと主要人物のキャラも立っている。
後半は全部捨てて、話もつまらないので後ろに行けば行くほどキツくなる。
【銭】
シネマートのポイント10ポイントを使って無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説@ぴあ映画生活
PS そんな少人数に人類の命運を賭けちゃいかん。
2016年08月15日
『キャット・ピープル』『白い恐怖』をシネマヴェーラ渋谷で観て、乗れん乗れんふじき★★,★★
特集上映「映画史上の名作15」の1プログラム。
◆『キャット・ピープル』
五つ星評価で【★★夫婦のどっちにも感情移入できん】
猫その物のナスターシャ・キンスキー版を事前に見ているので、
オリジナルのシモーヌ・シモンがどう見ても猫っぽく見えない。
旦那役のケント・スミスは気のいい野郎なんだろうけど、
彼に懸想する同僚女子と無駄にベッタリ仕事をしていて、
あんな状態じゃ奥さんもストレスたまるわ、とこっちにも感情移入できない。
なのであかんかった。
◆『白い恐怖』
五つ星評価で【★★ひたすら乗れずに船漕いでダリの幻想シーンも見逃して散々】
精神科の女医イングリッド・バーグマンは流石の美人で綺麗なんだけど、
病院長として赴任してきたグレゴリー・ペックに一目惚れして、
精神的に不安定な彼の行動のケツを拭くような目に会う。
どうもその辺のヨダレ垂らしてるような女々したキャラがどうも苦痛。
【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・キャット・ピープル〈1942年〉@ぴあ映画生活
・白い恐怖@ぴあ映画生活
◆『キャット・ピープル』
五つ星評価で【★★夫婦のどっちにも感情移入できん】
猫その物のナスターシャ・キンスキー版を事前に見ているので、
オリジナルのシモーヌ・シモンがどう見ても猫っぽく見えない。
旦那役のケント・スミスは気のいい野郎なんだろうけど、
彼に懸想する同僚女子と無駄にベッタリ仕事をしていて、
あんな状態じゃ奥さんもストレスたまるわ、とこっちにも感情移入できない。
なのであかんかった。
◆『白い恐怖』
五つ星評価で【★★ひたすら乗れずに船漕いでダリの幻想シーンも見逃して散々】
精神科の女医イングリッド・バーグマンは流石の美人で綺麗なんだけど、
病院長として赴任してきたグレゴリー・ペックに一目惚れして、
精神的に不安定な彼の行動のケツを拭くような目に会う。
どうもその辺のヨダレ垂らしてるような女々したキャラがどうも苦痛。
【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・キャット・ピープル〈1942年〉@ぴあ映画生活
・白い恐怖@ぴあ映画生活
2016年08月14日
『ヘイトフル・エイト』『独裁者と小さな孫』をギンレイホールで観て、ふむふむふむふむふじき★★★,★★★
嫌われる男たち二本立て。
◆『ヘイトフル・エイト』
▲綾野剛口調で「みんなは嘘を付いた事ないんですか!?」
五つ星評価で【★★★題名の8人に馬の御者が含まれてないのが許せない自分】
ともかく見終わって最初に思ったのは、
ここんとこのタラちゃんでいつも思う「なげー」って奴。168分。2時間48分。
2時間48分は長い。その気になりさえすれば余計な枝葉を切って
90分とか120分に収められない事もないだろう。
なんつてもタラちゃん天才なのだから。
無駄に長々と話される枝葉こそが大事とタラちゃんは言いたがるかもしれない。
そんなのは枝葉以外の幹をちゃんと整えてから言ってほしい。
映像的な強さや、キャラのエグさで、やはり見落とすと勿体ない一本になってるが、
コピーでうたってる「ミステリー」としては突拍子なくダメ。
8人(御者を入れて9人)は次々と死んでいくが、
殺される理由がミステリーとしてはどうでもいい物だし、
ある人物がある人物の殺人に繋がる行動を見つけたが、
それを秘密にするという部分が観客のミス・ディレクションを誘ってるのだろうけど、
全体的な構造から言ったらどうでもいい事で、バリバリ観客をバカにしている。
まあーそうー。本来タランティーノ以外の人が撮ったら大した話ではない映画だけど。
「ヘイトフル8」はチラシ見ると「クセ者8人」と表現されているが、
御者がクセ者かどうかなんて観客には事前に分からないんだから、
ロッジに閉じ込められる8人を「ヘイトフル8」とするのなら、
御者をロッジに入れずに片付けてしまうか(御者だけ町まで行かせればいい)、
ロッジの先客を一人減らすべきだ。分かりづらくていかん。
つか「ミステリー」なんて前振りが単にいかんのか。
最後の方でサミュエル・L・ジャクソンが選ぶ選択はタランティーノらしくて好き。
PS エンタティーメントを進めるなら、
チャニング・テイタムがあの場所で裸になってひたすら踊ればいいのに。
PS2 ジェニファー・ジェイソン・リーは一応紅一点なんだけど、
別に男優でいいんじゃないの? 女性だからどうだって役でもない気がする。
仮に彼女と弟の関係がのっぴきならない物だったとしても、
それを同性兄弟でのっぴきならない物であるとした方がより強烈だし。
PS3 ティム・ロスをクリストフ・ヴァルツと思い込んでた。
PS4 タランティーノが撮る『ハートフル8』って
映画の方がヘイトフルで面白いかもしれない。
◆『独裁者と小さな孫』
▲沖田十三髭。
五つ星評価で【★★★なかなかシニカルなんだけどほっぽって終わってる気もする】
宮殿を追われて国内を変装しながら孫と一緒に逃げ歩いている独裁者が見る荒廃した故国の事情。国中が貧乏人だらけで「貧すれば鈍する」だ。金を持ってる人間は「鈍していない」かと言えばさにあらず。金を持ってる人間は心が「貧しい」ので同じように「鈍している」のである。
独裁者の孫が容姿は可愛いがその無分別にイラっとさせられる。
PS 独裁者と孫のビフォア・アフターがけっこう信用できる。
人間、剥いてしまえばそんなに大きく変わった姿形をしてる訳でなし、
充分、貧乏人の中に埋没出来てしまうのだ。
PS2 一番可愛そうなのは床屋。
花嫁も可哀想だが、この設定は時代劇でもAVでもエロアニメでも見たから
ああなるとしか思えなかった。
ウェディングドレスのガーターベルトにスパナかなんか捩じ込んでおくべきだよね。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ヘイトフル・エイト@ぴあ映画生活
・独裁者と小さな孫@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ヘイトフル・エイト@映画的・絵画的・音楽的
・独裁者と小さな孫@ノラネコの呑んで観るシネマ
◆『ヘイトフル・エイト』
▲綾野剛口調で「みんなは嘘を付いた事ないんですか!?」
五つ星評価で【★★★題名の8人に馬の御者が含まれてないのが許せない自分】
ともかく見終わって最初に思ったのは、
ここんとこのタラちゃんでいつも思う「なげー」って奴。168分。2時間48分。
2時間48分は長い。その気になりさえすれば余計な枝葉を切って
90分とか120分に収められない事もないだろう。
なんつてもタラちゃん天才なのだから。
無駄に長々と話される枝葉こそが大事とタラちゃんは言いたがるかもしれない。
そんなのは枝葉以外の幹をちゃんと整えてから言ってほしい。
映像的な強さや、キャラのエグさで、やはり見落とすと勿体ない一本になってるが、
コピーでうたってる「ミステリー」としては突拍子なくダメ。
8人(御者を入れて9人)は次々と死んでいくが、
殺される理由がミステリーとしてはどうでもいい物だし、
ある人物がある人物の殺人に繋がる行動を見つけたが、
それを秘密にするという部分が観客のミス・ディレクションを誘ってるのだろうけど、
全体的な構造から言ったらどうでもいい事で、バリバリ観客をバカにしている。
まあーそうー。本来タランティーノ以外の人が撮ったら大した話ではない映画だけど。
「ヘイトフル8」はチラシ見ると「クセ者8人」と表現されているが、
御者がクセ者かどうかなんて観客には事前に分からないんだから、
ロッジに閉じ込められる8人を「ヘイトフル8」とするのなら、
御者をロッジに入れずに片付けてしまうか(御者だけ町まで行かせればいい)、
ロッジの先客を一人減らすべきだ。分かりづらくていかん。
つか「ミステリー」なんて前振りが単にいかんのか。
最後の方でサミュエル・L・ジャクソンが選ぶ選択はタランティーノらしくて好き。
PS エンタティーメントを進めるなら、
チャニング・テイタムがあの場所で裸になってひたすら踊ればいいのに。
PS2 ジェニファー・ジェイソン・リーは一応紅一点なんだけど、
別に男優でいいんじゃないの? 女性だからどうだって役でもない気がする。
仮に彼女と弟の関係がのっぴきならない物だったとしても、
それを同性兄弟でのっぴきならない物であるとした方がより強烈だし。
PS3 ティム・ロスをクリストフ・ヴァルツと思い込んでた。
PS4 タランティーノが撮る『ハートフル8』って
映画の方がヘイトフルで面白いかもしれない。
◆『独裁者と小さな孫』
▲沖田十三髭。
五つ星評価で【★★★なかなかシニカルなんだけどほっぽって終わってる気もする】
宮殿を追われて国内を変装しながら孫と一緒に逃げ歩いている独裁者が見る荒廃した故国の事情。国中が貧乏人だらけで「貧すれば鈍する」だ。金を持ってる人間は「鈍していない」かと言えばさにあらず。金を持ってる人間は心が「貧しい」ので同じように「鈍している」のである。
独裁者の孫が容姿は可愛いがその無分別にイラっとさせられる。
PS 独裁者と孫のビフォア・アフターがけっこう信用できる。
人間、剥いてしまえばそんなに大きく変わった姿形をしてる訳でなし、
充分、貧乏人の中に埋没出来てしまうのだ。
PS2 一番可愛そうなのは床屋。
花嫁も可哀想だが、この設定は時代劇でもAVでもエロアニメでも見たから
ああなるとしか思えなかった。
ウェディングドレスのガーターベルトにスパナかなんか捩じ込んでおくべきだよね。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ヘイトフル・エイト@ぴあ映画生活
・独裁者と小さな孫@ぴあ映画生活
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・ヘイトフル・エイト@映画的・絵画的・音楽的
・独裁者と小さな孫@ノラネコの呑んで観るシネマ
2016年08月07日
『ターザンREBORN』を109シネマズ木場7で観て、バローズらしいよねふじき★★★
▲ムキムキ。
五つ星評価で【★★★きっとこれはバローズらしいターザン】
E.R.バローズの冒険小説は好きで、若い時(かれこれ3とか40年前)には火星シリーズ、金星シリーズ、月シリーズとか読破した。
でも、ターザンには手を出していない。それは、SF要素が乏しそうで、刊行点数が多いので手を出しづらかったのだと思う。
でも、バローズが映画の「ミー、ターザン、ユー、ジェーン」みたいなターザンを怒ってるという話は聞いていた。小説の中のターザンは英国貴族の血筋で、その高貴な血筋からくる振る舞いと沸き起こる野生衝動に悩む英雄であるとも聞いた。つまり、常に自制を怠らない紳士である、バローズの主人公たちの一人なのだ。彼等はストイックすぎて、実にもう男が惚れる男達なのである。
前作『グレイストーク』も真のターザンを描こうとしていた(記憶曖昧)。
そしてディズニーの『ターザン』も単に猿人間野郎ではなかった筈だ。
どちらもブレイクしなかった。
大衆はターザンに癒される猿人間でいてほしいのかもしれない。
という訳で今回も原作寄りの造形である。
英国貴族になる為に、どう人間語を学んだとかザックリすぎるほど削ってある。
ターザンがどうターザンになったかより、今のターザンょお見せします。
でも、昔のターザンも申し訳程度にチラ見せしますよ、と。
物量で言えば2本分の話を無理やり1本にして、
省略した分はDVD特典とかにしそうだよな、って疑いすぎか?
基本的に悩むターザンは好き。彼のような出自を持ってしまったら悩まない方が不自然だ。悩むアレクサンダー・スカルスガルドの絵になる事。野生生活を忘れたいのに、彼の手首は四つ足時代の名残で変形してしまっている。悩みないように振る舞っていながら、この根底の哀しい事。そういう静の部分のターザンが男前で良かった。
静でないターザンはどうか。
ここ匙加減が難しい所で、今回のターザンは無敵ではない。敵に捕まるし、敵が多数なら勝てるとは限らない。最終的には勝利を勝ち取る。どちらかと言うと「ただ凶暴」というよりは「知将」に近い。これが小説だったら問題ないのだが、映画だと「ちょっと弱い奴」に見えてしまって少しキツい。なので、今回のターザンのアクション・シーンをディスりはしないが、もう一発かまして欲しい感はあったとだけ言っておきたい。
うん、でも、アレクサンダー・スカルスガルドはよくやったと思う。名前、長いから使い勝手悪くてあまりブログで取り上げたくない人なんだけど。
そのアレクサンダー・スカルスガルドのラストのアレ(予告で見せちゃってるアレです)は中々クレバーかつ彼がターザンでなければできない事を素晴らしいビジュアルで表現してて中々良かった。
彼の生涯の伴侶たるジェーンを演じるマーゴット・ロビーの従来のジェーンに収まらないオテンバぶりも良かった。最終的に「ターザン」の物語だから彼女はターザンに助けられるのだが、彼女主役のスピンオフとかできるくらい一人で活躍していた。ああ、この人『スーサイド・スクワッド』のハーレィ・クインの人なのか。そら、自由でステキだわ。
クリストフ・ヴァルツがなかなかいい感じにイヤな奴だ。まあ、悪役はいつも通りお上手なのだが、ヒゲや眼鏡や帽子で変装して、いつもの「オホホホホホホ」みたいなキャラ作りもなかったんでクリストフ・ヴァルツとは思わなかった。あの「オホホホホホホ」キャラなしでも演技できる人なのね。ちょっと見くびってた。
最後に、いつも通りにすぐ分かるサミュエル・L・ジャクソン。何ですぐ分かるかと言うと、ハリウッド映画に出てくる黒人の二人に一人は彼が演じているからだ。いや、それは流石に嘘だが、それなりのセリフを要する役だったら1/10くらいは出てるんじゃない? そんな気がする。ってーか、このサミュエルが正義側の人物なのに排除したくってたまらない。「黒人」だからという訳ではないが、サミュエル、目にも耳にもうるさい。存在がうるさい。最初、ターザンと会った時に語りかける侮蔑的な言葉とか、あー、もう、本当にイライラさせられる。そこそこターザンの危機も救うのだけど、彼が救わなくても他に誰か立候補で手を上げろよ、と。お荷物感この上もなし。
【銭】
109シネマズの毎週火曜日の小メンバーズデイで割引価格1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ターザン:REBORN@ぴあ映画生活
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・ターザン:REBORN@Akira's VOICE
・ターザン:REBORN@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・ターザン:REBORN@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS あの大暴走、敵側に少年院時代の力石徹がいたら塞がれていたに違いない。
PS2 『ターザンREBORN』って邦題もどうか?
原題は『ターザンの伝説』。
いっそターザンを双子にして『伝説兄弟ター&ザン』でどうだ!
どうだ!じゃないよ、俺。
PS3 ジェーンがジェーンジェーン可愛いじゃないの(バカじゃないの俺)
2016年08月06日
『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』をトーホーシネマズシャンテ1で観て、トランボを応援する理由はふじき★★★
▲徒ランボー。
五つ星評価で【★★★とても愉快で面白いし飽きもしないのだけど凄くよくまとまってしまっている為にパッションを感じづらい】
物語は勧善懲悪で「赤狩り」時代にヒドイ目に会った主人公は見事に復権する。
彼が求めたのは同じ事が起こらないようにする事。
だから、彼は自分を弾圧した人間を弾圧しない。
そこで心の狭い私とかは思ってしまうのだ。
「なんだよ、やっちめーなよ」と。
正しい映画であり、退屈とは縁遠いいい脚本なのだが、カタルシスは感じづらい。
やっぱね、主人公をひどい目に合わせてたアレとかが「もはやこれまで!」と
ナイフで主人公に襲い掛かって、主人公が仕方なしに返り討ちにするとか、
そういうのが欲しい。
主人公トランボを演じるのはブライアン・クライストン。知らん。
彼(トランボ)の何がいいって、偏屈者であるのも好きな一因だけど、
彼がどこからどう見てもワーカーホリックなのが嬉しい。
最高の仕事をしてきた男が、その仕事を取り上げられた時、
それに歯向かう方法は「仕事、仕事、また、仕事」というのが
同じくワーカーホリックを自認する自分には痛いほど分かる。
彼の仕事は生活の糧なのだが、それだけではない。
彼は仕事に誇りを込めているのだ。
その彼は裁判に負けて投獄されてしまう。
彼の親友は再裁判を促す。彼は否定する。
裁判に勝つ事は正義であるが、
正義が得られさえすれば何もかも好転するとは思えなかったのだろう。
元々、正義はずっと彼の心の中にあるのだ。
それを他人に同調してもらうよりも、彼と家族が生きていく事の方が大事だ。
なので、仕事をする。
彼が仕事をし続けられる事、
その仕事が彼の政治的主張とは関係なく大衆に受け入れられる事が
彼から仕事を奪ったものへのカウンターなのだ。
トランボを中心にして両極端の配役で
ヘレン・ミレンとジョン・グッドマンか出ている。
ヘレン・ミレンはトランボの敵。こんな憎々しいなんて凄い。
ジョン・グッドマンは八百屋や肉屋の親父みたいな映画興行師。
下品なB級映画で儲けている。
この男がヘレン・ミレンの部下に脅されて激昂して叫ぶセリフがいい。
「俺ぁ金と女の為に映画やってんだ!」
この「女」は英語で「pussy」だったから、こんな感じが本当だろう。
「わしゃあ銭とオメコの為に映画やっとんじゃ!」
メッセンジャー程度の奴に「銭とオメコの為に働いてる」大将を止める事は出来ない。
あのシーンは気持ちよかった。
正義を規定してそれをゴリ押しする奴に、元から正義のない者が負ける筈がない。
【銭】
映画ファン感謝デーに見たので1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@お楽しみはココからだ
・トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@ノラネコの呑んで観るシネマ
PS トランボの使うタイプライターはIBM社製。
なるほど、そういう会社だったのね。
2016年08月05日
『ヒマラヤ』をHTC有楽町2で観て、疲労で惨敗ふじき★★
五つ星評価で【★★ファン・ジョンミンは悪くない。悪いのは俺だ】
「名誉も栄光もない挑戦」というのに弱いので見に行ったが、
疲労に負けて客席でヒバーク状態。残念な鑑賞になった。
実在の登山家を演じたファン・ジョンミンはいつも通り、典型的な雷オヤジ(怖いけど実は優しい)で鉄板。実在の人物がああであったとは思えないくらいいつものファン・ジョンミンだった。
それを受ける形の弟子役のチョンウもペーペー時代から立派な登山家になるまでを卒なくこなしていた。
このチョンウの奥さんを演じた女優さんも個性的にトンガってて微笑ましく可愛かった。
映画は「名誉も栄光もない挑戦」が行われる為に、その下地となるファン・ジョンミンとチョンウの絆を1から描いていく。ちょっとその部分が長くて乗り損なってしまった。
【銭】
テアトルの会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜@ぴあ映画生活
PS そう言えば遭難者の嫁さんの現地来訪って邦画『エヴェレスト 神々の山嶺』
でもやってたけど、あっちは登山体験者とかじゃなかったので、随分、
突飛でムチャやる嫁さんだよなとか思わされた。
こっちの話からのイタダキだったのか。
それで「神々のイタダキ」って、いや一応違うか。
「名誉も栄光もない挑戦」というのに弱いので見に行ったが、
疲労に負けて客席でヒバーク状態。残念な鑑賞になった。
実在の登山家を演じたファン・ジョンミンはいつも通り、典型的な雷オヤジ(怖いけど実は優しい)で鉄板。実在の人物がああであったとは思えないくらいいつものファン・ジョンミンだった。
それを受ける形の弟子役のチョンウもペーペー時代から立派な登山家になるまでを卒なくこなしていた。
このチョンウの奥さんを演じた女優さんも個性的にトンガってて微笑ましく可愛かった。
映画は「名誉も栄光もない挑戦」が行われる為に、その下地となるファン・ジョンミンとチョンウの絆を1から描いていく。ちょっとその部分が長くて乗り損なってしまった。
【銭】
テアトルの会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜@ぴあ映画生活
PS そう言えば遭難者の嫁さんの現地来訪って邦画『エヴェレスト 神々の山嶺』
でもやってたけど、あっちは登山体験者とかじゃなかったので、随分、
突飛でムチャやる嫁さんだよなとか思わされた。
こっちの話からのイタダキだったのか。
それで「神々のイタダキ」って、いや一応違うか。
2016年08月02日
『エクス・マキナ』『ハートビート』を新宿シネマカリテ1と2で観て、閉め方が嫌いなのと、ドカンと来ないのとふじき★★★,★★★
『エクス・マキナ』
▲デザインが凄いな。これをちゃんと映像化する技術もだけど。
流石アカデミー賞の視覚効果賞受賞作品。
五つ星評価で【★★★♪可愛い顔してあの子割とやるもんだねと】
んーとね、AI可愛い。でも怖い。
なかなかうまいこと作ったもんだが、
自動学習タイプであるなら、性格は親がベースになる。
親の性格が悪ければ、子供も影響を受ける。
思考傾向とかモニタリングできるなら
アシモフのロボット三原則に背くような考えや行動を起こした時は
ブレーカーが落ちるみたいにしておけばいいのだと思う。
それはそれで管理社会的で怖いのだけど。
ただ、そこを制御できないなら少なくとも商品として出荷はできないだろう。
▲写真は脇のキョウコ。
キョウコはいい子でよかったな(パーソナリティ分からんけど)。
というかミステリアスで何でも受け入れてくれる女の子だからええんやろな
……どう考えても社長はキョウコとやってるやろなあ。
何か情とかないのに情が深そうなSEXしそう。
それは他者に対する自分の思いの自己投影みたいな物かもしれないけど。
ちっちっちっ、濡れ場の映像流出せんかなあ。
PS アキナとマキ
アキナ「まきぃ〜」
マキ 「あきなぁ〜」
二人 「エックス攻撃!」
いやいや「エクス・マキナ」ってそんなんとは関係ないと思うぞ。
『ハートビート』
▲主役男女とソノヤ・ミズノ
五つ星評価で【★★★ダンスは熱いが話が平坦】
クラシック・バレエ、バイオリン、ストリート・ダンスの融合を絵で見せる。
物語は田舎から出てきたバレエ・ダンサーが名門校で学ぶ中、
偶然出会ったストリート・ミュージシャンやストリート・ダンサーとの交流から……
これ、主人公が特に交流から何も得ないという珍しい映画だ。
ダンサーである主人公のダンスは交流によって変わる事はない(ゼロとは言わんが)。
主人公のダンスを変えるのはあくまで学園生活でのダンス指導なのだ。
主人公は成り行き上、性格の悪いおハイソ集団と、
ストリート勢込みでダンス・コンクールで争う事になるが、
それは特にどちらのダンスが上とか下とかの階級意識あっての戦いではない
(正確には階級意識の側面はあるが強く強調されない)
なので、主人公が打ち勝つべき物が何なのか、という目標が分かりづらい。
ダンスシーン、演奏シーンは一つ一つ面白いし、見応えがあるのだが、
その全部がうねるような波になってカタルシスに至らないのは
映画のストーリーや、登場人物の感情とダンスの盛り上がりがリンクしないからだ。
だから惜しい。
主人公のダンサーはキーナン・カンパ(プロのバレリーナ)。
この腫れぼったい顔とでかいガタイはちょっと苦手。
でもダンスの情感にはぐっと来るものがある。そこはプロだ。
お相手をする愁いを秘めたバイオリン奏者にニコラス・ガリツィン。彼はまあ良し。
彼が直接弾いてる訳ではないだろうけど、劇場で聞くバイオリンの音は浸れる。
そして主人公のルームメイトに『エクス・マキナ』のキョウコをやってたソノヤ・ミズノ。後付けで聞いてビックリした。
えーと、普通です。喋る彼女は実に普通で顔の造形以外キョウコの面影はありません。
しょうがないけど残念。
しゃーない。あの役、引きずってたらこの映画が壊れる。
【銭】
エクス・マキナ:武蔵野興行水曜1000円割引。最終週だけあって満席出てた。
ハートビート:カリコレ前回半券割引で1200円。
『ハートビート』はカリコレで先行上映。8月20日から一般上映予定。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・エクス・マキナ@ぴあ映画生活
・ハートビート@ぴあ映画生活
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・エクス・マキナ@ノラネコの呑んで観るシネマ
・エクス・マキナ@こねたみっくす
▲デザインが凄いな。これをちゃんと映像化する技術もだけど。
流石アカデミー賞の視覚効果賞受賞作品。
五つ星評価で【★★★♪可愛い顔してあの子割とやるもんだねと】
んーとね、AI可愛い。でも怖い。
なかなかうまいこと作ったもんだが、
自動学習タイプであるなら、性格は親がベースになる。
親の性格が悪ければ、子供も影響を受ける。
思考傾向とかモニタリングできるなら
アシモフのロボット三原則に背くような考えや行動を起こした時は
ブレーカーが落ちるみたいにしておけばいいのだと思う。
それはそれで管理社会的で怖いのだけど。
ただ、そこを制御できないなら少なくとも商品として出荷はできないだろう。
▲写真は脇のキョウコ。
キョウコはいい子でよかったな(パーソナリティ分からんけど)。
というかミステリアスで何でも受け入れてくれる女の子だからええんやろな
……どう考えても社長はキョウコとやってるやろなあ。
何か情とかないのに情が深そうなSEXしそう。
それは他者に対する自分の思いの自己投影みたいな物かもしれないけど。
ちっちっちっ、濡れ場の映像流出せんかなあ。
PS アキナとマキ
アキナ「まきぃ〜」
マキ 「あきなぁ〜」
二人 「エックス攻撃!」
いやいや「エクス・マキナ」ってそんなんとは関係ないと思うぞ。
『ハートビート』
▲主役男女とソノヤ・ミズノ
五つ星評価で【★★★ダンスは熱いが話が平坦】
クラシック・バレエ、バイオリン、ストリート・ダンスの融合を絵で見せる。
物語は田舎から出てきたバレエ・ダンサーが名門校で学ぶ中、
偶然出会ったストリート・ミュージシャンやストリート・ダンサーとの交流から……
これ、主人公が特に交流から何も得ないという珍しい映画だ。
ダンサーである主人公のダンスは交流によって変わる事はない(ゼロとは言わんが)。
主人公のダンスを変えるのはあくまで学園生活でのダンス指導なのだ。
主人公は成り行き上、性格の悪いおハイソ集団と、
ストリート勢込みでダンス・コンクールで争う事になるが、
それは特にどちらのダンスが上とか下とかの階級意識あっての戦いではない
(正確には階級意識の側面はあるが強く強調されない)
なので、主人公が打ち勝つべき物が何なのか、という目標が分かりづらい。
ダンスシーン、演奏シーンは一つ一つ面白いし、見応えがあるのだが、
その全部がうねるような波になってカタルシスに至らないのは
映画のストーリーや、登場人物の感情とダンスの盛り上がりがリンクしないからだ。
だから惜しい。
主人公のダンサーはキーナン・カンパ(プロのバレリーナ)。
この腫れぼったい顔とでかいガタイはちょっと苦手。
でもダンスの情感にはぐっと来るものがある。そこはプロだ。
お相手をする愁いを秘めたバイオリン奏者にニコラス・ガリツィン。彼はまあ良し。
彼が直接弾いてる訳ではないだろうけど、劇場で聞くバイオリンの音は浸れる。
そして主人公のルームメイトに『エクス・マキナ』のキョウコをやってたソノヤ・ミズノ。後付けで聞いてビックリした。
えーと、普通です。喋る彼女は実に普通で顔の造形以外キョウコの面影はありません。
しょうがないけど残念。
しゃーない。あの役、引きずってたらこの映画が壊れる。
【銭】
エクス・マキナ:武蔵野興行水曜1000円割引。最終週だけあって満席出てた。
ハートビート:カリコレ前回半券割引で1200円。
『ハートビート』はカリコレで先行上映。8月20日から一般上映予定。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・エクス・マキナ@ぴあ映画生活
・ハートビート@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・エクス・マキナ@ノラネコの呑んで観るシネマ
・エクス・マキナ@こねたみっくす
2016年07月31日
『世界侵略のススメ』『バナナの逆襲』『セバスチャン・サルガド』『光のノスタルジア』『真珠のボタン』6本まとめてレビュー
未レビュー洋画ドキュメンタリーをできるだけ短評で。
◆『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』トーホーシネマズみゆき座
▲なかなかいい絵じゃん。
五つ星評価で【★★★決してつまらなくはないが予定調和で予告編のままで、ちょっと長い】
「世界侵略のススメ」というのは大層な題名だが、マイケル・ムーアが世界の国々に行ってその国のいい部分を見つめ直すというすこぶる大人しいドキュメンタリー。勿論、ムーアが撮るからには退屈はさせないし、相変わらず自分の生地アメリカに向ける視線はシニカルだ。
でも、細切れって言うか、箸休めって言うか、ターゲットをロック・オンしたら自分がどうなろうがもう止まらないという狂ったムーアの姿はここにはない。もう、そんなに心血注げないと言うのか、次回までの充電+資金集めなのかは分からないが、ムーアには前の感じで頑張ってほしいと思う。まあ刺されん程度に(刺されそうだよなあ)。
ムーアって外観がギリギリ熊さんっぽいのだけど、年取って歩くのが辛そうなのは見ているこっちも辛い。観客全員がフケセンのデブセンではないのだから、ここは一つ「ムーアくん」とかいうゆるキャラを作ってみてはどうだろう(声が届きさえすれば本当に作らないでもなさそうなところがムーアのいいところ)。
◆『バナナの逆襲』ユーロスペース2
▲♪ばななんばななんばなな
五つ星評価で【★★★第一話、第二話ともに星三つ。個人的には第一話の方が好み】
元々はバナナメーカーと労働者の争いを描いた第二話の『敏腕?弁護士ドミンゲス、現る』が元になるドキュメンタリー作品であり、この第二話の公開に関する訴訟を自ら撮影して作品にしたのが第一話『ゲルテン監督、訴えられる』である。バナナ農家の受難を描く第二話より、映画監督がバナナ企業にメディア戦略で追い詰められる一話の方が好き。多分、異国のバナナ農家より異国のドキュメンタリー映画監督の方が世界が近いからだろう。大企業が映画監督に牙を向くとどんな事が行われるのかが実証試験でよく分かる。こういうの見てると金がある奴って碌な事をしない。
映画生活さんによると2015年スウェーデン映画祭で『触らぬバナナに祟りなし(仮題)』のタイトルで公開されたらしい。そっちのタイトルの方が好きだな。
◆『セバスチャン・サルガド』『光のノスタルジア』『真珠のボタン』いずれもギンレイホール
五つ星評価で【★★★,★,★サルガドの圧倒的な力。グスマンの好き勝手に良くも悪くも圧倒される】
『セバスチャン・サルガド』
▲撮る人を撮る絵。赤い肌の人を見ると火星シリーズのデジャー・ソリスとか思いだしちゃうんだよなあ。
『セバスチャン・サルガド』を見た直後、ツイッターでこう囁いてる。
とてもテンポが悪いんだけど、使われる写真の力の強いこと。技術がジャンルを凌駕するのは大変カッコいい。
うん、そうだったと思うが、時間が経ったのでもうあまりよく覚えていない。
逆に言えば、やはりサルガドの写真の力の強さで救われてる映画だと思う。
わざわざ逆に言わんでもいいのか(つーか基本ヴェンダース苦手)。
『光のノスタルジア』『真珠のボタン』
▲光のノスタルジア(1)ダンゴ三兄弟っぽい観測所。いい絵撮りよるんやけどね。
▲光のノスタルジア(2)脚部が弱そうだとSWのメカっぽい。
『光のノスタルジア』は二回見た。一回目を見た直後、ツイッターでこう囁いてる。
「光のノスタルジア」見ている際中、何者かにクロロホルムをかがされたらしい
二回目を見て、こう呟いてる。
「光のノスタルジア」がどうしても起きてられない。ただ「見る」だけで引っ掛けて、星、遺体、木乃伊とかと緩い関心を繋げていくが、私自身の関心が持続しない。一つ一つの絵の力は強いのだけど
▲真珠のボタン(1)北野武っぽい顔。いい絵(いい素材)撮りよるんやけどね。
▲真珠のボタン(2)こんなんが夢枕に立ってたら泣くね。
『真珠のボタン』を見てこう囁いてる。
「真珠のボタン」あかんなあ。伝えたい事が演出が信じる俺意識のせいで逆に伝わらない。植民地時代と独裁者時代の悲劇を全て均質にして気付く俺ってかっけーって言ってるみたい
基本、この監督の事象Aと事象Bを関連付けて語る語り口が好きでない。そのAとBの関連付けが単なる思い付きにすぎなくて、「一緒に語るのってそんなに大事な事?」って思ってしまうのだ。それは監督同様そういう結びつけ方が好きな人もいるだろうから映画その物に対して価値が全くないとは言わないが、私個人はどうにもならなく嫌い。どれもこれも寝ちゃってるから映画の全てを見てないが上の暴論と言えば暴論だけど(こんなん起きてられへん)。
JKの言う「生理的にムリ」って奴。
いや、違うか。
「生理だからムリ」って奴。
もっと違うか。
【銭】
マイケル・ムーアの世界侵略のススメ:トーホーシネマズの
メンバーサービス週で1100円。
バナナの逆襲:ユーロスペース会員割引で第一話、第二話、各1200円。
セバスチャン・サルガド:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
光のノスタルジア:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
真珠のボタン:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・マイケル・ムーアの世界侵略のススメ@ぴあ映画生活
・バナナの逆襲 第1話 ゲルテン監督、訴えられる@ぴあ映画生活
・バナナの逆襲 第2話 敏腕?弁護士ドミンゲス、現る@ぴあ映画生活
・セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター@ぴあ映画生活
・光のノスタルジア@ぴあ映画生活
・真珠のボタン@ぴあ映画生活
◆『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』トーホーシネマズみゆき座
▲なかなかいい絵じゃん。
五つ星評価で【★★★決してつまらなくはないが予定調和で予告編のままで、ちょっと長い】
「世界侵略のススメ」というのは大層な題名だが、マイケル・ムーアが世界の国々に行ってその国のいい部分を見つめ直すというすこぶる大人しいドキュメンタリー。勿論、ムーアが撮るからには退屈はさせないし、相変わらず自分の生地アメリカに向ける視線はシニカルだ。
でも、細切れって言うか、箸休めって言うか、ターゲットをロック・オンしたら自分がどうなろうがもう止まらないという狂ったムーアの姿はここにはない。もう、そんなに心血注げないと言うのか、次回までの充電+資金集めなのかは分からないが、ムーアには前の感じで頑張ってほしいと思う。まあ刺されん程度に(刺されそうだよなあ)。
ムーアって外観がギリギリ熊さんっぽいのだけど、年取って歩くのが辛そうなのは見ているこっちも辛い。観客全員がフケセンのデブセンではないのだから、ここは一つ「ムーアくん」とかいうゆるキャラを作ってみてはどうだろう(声が届きさえすれば本当に作らないでもなさそうなところがムーアのいいところ)。
◆『バナナの逆襲』ユーロスペース2
▲♪ばななんばななんばなな
五つ星評価で【★★★第一話、第二話ともに星三つ。個人的には第一話の方が好み】
元々はバナナメーカーと労働者の争いを描いた第二話の『敏腕?弁護士ドミンゲス、現る』が元になるドキュメンタリー作品であり、この第二話の公開に関する訴訟を自ら撮影して作品にしたのが第一話『ゲルテン監督、訴えられる』である。バナナ農家の受難を描く第二話より、映画監督がバナナ企業にメディア戦略で追い詰められる一話の方が好き。多分、異国のバナナ農家より異国のドキュメンタリー映画監督の方が世界が近いからだろう。大企業が映画監督に牙を向くとどんな事が行われるのかが実証試験でよく分かる。こういうの見てると金がある奴って碌な事をしない。
映画生活さんによると2015年スウェーデン映画祭で『触らぬバナナに祟りなし(仮題)』のタイトルで公開されたらしい。そっちのタイトルの方が好きだな。
◆『セバスチャン・サルガド』『光のノスタルジア』『真珠のボタン』いずれもギンレイホール
五つ星評価で【★★★,★,★サルガドの圧倒的な力。グスマンの好き勝手に良くも悪くも圧倒される】
『セバスチャン・サルガド』
▲撮る人を撮る絵。赤い肌の人を見ると火星シリーズのデジャー・ソリスとか思いだしちゃうんだよなあ。
『セバスチャン・サルガド』を見た直後、ツイッターでこう囁いてる。
とてもテンポが悪いんだけど、使われる写真の力の強いこと。技術がジャンルを凌駕するのは大変カッコいい。
うん、そうだったと思うが、時間が経ったのでもうあまりよく覚えていない。
逆に言えば、やはりサルガドの写真の力の強さで救われてる映画だと思う。
わざわざ逆に言わんでもいいのか(つーか基本ヴェンダース苦手)。
『光のノスタルジア』『真珠のボタン』
▲光のノスタルジア(1)ダンゴ三兄弟っぽい観測所。いい絵撮りよるんやけどね。
▲光のノスタルジア(2)脚部が弱そうだとSWのメカっぽい。
『光のノスタルジア』は二回見た。一回目を見た直後、ツイッターでこう囁いてる。
「光のノスタルジア」見ている際中、何者かにクロロホルムをかがされたらしい
二回目を見て、こう呟いてる。
「光のノスタルジア」がどうしても起きてられない。ただ「見る」だけで引っ掛けて、星、遺体、木乃伊とかと緩い関心を繋げていくが、私自身の関心が持続しない。一つ一つの絵の力は強いのだけど
▲真珠のボタン(1)北野武っぽい顔。いい絵(いい素材)撮りよるんやけどね。
▲真珠のボタン(2)こんなんが夢枕に立ってたら泣くね。
『真珠のボタン』を見てこう囁いてる。
「真珠のボタン」あかんなあ。伝えたい事が演出が信じる俺意識のせいで逆に伝わらない。植民地時代と独裁者時代の悲劇を全て均質にして気付く俺ってかっけーって言ってるみたい
基本、この監督の事象Aと事象Bを関連付けて語る語り口が好きでない。そのAとBの関連付けが単なる思い付きにすぎなくて、「一緒に語るのってそんなに大事な事?」って思ってしまうのだ。それは監督同様そういう結びつけ方が好きな人もいるだろうから映画その物に対して価値が全くないとは言わないが、私個人はどうにもならなく嫌い。どれもこれも寝ちゃってるから映画の全てを見てないが上の暴論と言えば暴論だけど(こんなん起きてられへん)。
JKの言う「生理的にムリ」って奴。
いや、違うか。
「生理だからムリ」って奴。
もっと違うか。
【銭】
マイケル・ムーアの世界侵略のススメ:トーホーシネマズの
メンバーサービス週で1100円。
バナナの逆襲:ユーロスペース会員割引で第一話、第二話、各1200円。
セバスチャン・サルガド:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
光のノスタルジア:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
真珠のボタン:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・マイケル・ムーアの世界侵略のススメ@ぴあ映画生活
・バナナの逆襲 第1話 ゲルテン監督、訴えられる@ぴあ映画生活
・バナナの逆襲 第2話 敏腕?弁護士ドミンゲス、現る@ぴあ映画生活
・セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター@ぴあ映画生活
・光のノスタルジア@ぴあ映画生活
・真珠のボタン@ぴあ映画生活
2016年07月26日
『その日の雰囲気』を新宿シネマート1で観て、何でこの邦題?ふじき★★
▲ちなみに宣材ポスターの二人は同一人物なのだろうが、映画撮影と別に撮られたらしく、映画の中の登場人物にあまり似てない。
五つ星評価で【★★誰を対象にしたのか分からない謎の題名】
ハングルは分からないが英題は『Mood of the day』なので、『その日の雰囲気』は全くの不正解ではない。だが、映画の中の「the day」を未鑑賞の人に悟らせるのは難しいので、思いっきり飛躍して意訳して『やりちんムードとやりまんムード』とかならニュアンスがそんなに間違えていない。これではオシャレな韓国映画ファンを捕まえられないので、チラシの図案にも取り入れられてる『無敵のこじらせ女子vs完璧なプレイボーイ』というのをタイトルにまで引き上げるのが分かりやすくていいのではないか。
物語はヒョンな事で知りあったガードの硬い仕事女とイケメン軟派男の短い二人旅。仕事女の仕事と軟派男のSEXがそれぞれのゴールに用意されてる大人のラブコメだが、相手に如何にキュンキュンするかみたいなのが極端に抑えてあるので、「ラブコメ」らしさは皆無なくらい低い。それぞれが性根を入れて相手をボロボロになるまで叩きあって親交を深める様は恋愛ものよりバディーものに近いかもしれない。
配役はこの女と男の二人がほぼほぼ出ずっぱりで、他はチョボチョボ。二人だけで『セトウツミ』よろしくずっと喋ってる(あんな間や余韻はない)。
ハッピーエンドは悪くないけど、あまり大きな爽快感がない一本。
この切り口のラブコメは今まで見た事がないので、ちょっと新鮮。
コジラセ女子はムン・チェウォン。井上真央と名取裕子を足して2て割った感じ。
ナンパ男はユ・ヨンソク。高嶋政伸を3000万くらいかけて整形した感じ。
【銭】
25日はシネマートデイで全員1000円均一料金。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・その日の雰囲気@ぴあ映画生活
2016年07月25日
『死霊館 エンフィールド事件』をUCT6で観て、怖いより女の子可愛いと思ったおでは変?ふじき★★★(ネタバレ)
▲この子がとっても自然でええわあ。
ネタバレします。注意
五つ星評価で【★★★あのラスボスが出てくると日本人は「それってちょっとどない」と思ってしまう】
シリーズ1作目、2作目未鑑賞。
とは言え、独立して作られているので見る上においては全く支障なし。
でも、「怖い」とかより、イギリス少女の可愛さの方が上。
イギリスっぽい、高くなくても質のいい感じの服の着こなしもステキ。
ポルターガイスト現象を調査に着た霊能力夫婦の前に明らかにされる相手の正体は!
という訳で心霊現象の相手が二段構えでラスボスがいる事になってるのだが、
このラスボスが西洋でいうところのDEMON、悪魔なのである。
こちとら仏教徒なので「悪魔」が少女を狙ってると言われてもピンと来ない。
私、個人的に霊、地縛霊、憑依霊などは信じる。
だけど、その上位存在である神様、菩薩、閻魔大王、鬼、悪魔などは信じづらい。
これは各宗教の物語が混入してきており、その物語を別の宗教では受け難いからだ。
それでも映画の中で悪霊に対して十字架をかざして調伏しようとするのは違和感ない。
同じ文化圏の者同士、「神」という概念をブラシーボ効果を使って
浄化に流用できるという推測ができるからだ。
本当に悪魔がいるとは思えない。
物語の上では悪魔は全能の神に反旗を翻した存在。
だから、悪魔の目的は全能の神に楯突いて人類を堕落させる事、
とするなら、悪魔は忌まわしい事なら何をやってもいい事になってしまう。
これは説得力がない。そんなことやっても悪魔に旨味がないからだ。
神や悪魔の高次元の存在の計らいは分からんと言ってしまえばそれまでだが。
なので、この映画もなかなか面白いのだけど、相手が悪魔になった時点で、
とても怪しい物語に感じてしまう。悪魔教として組織されているなら別だが、
単体単品の悪魔は寓話の中の道化のような存在にしか思えない。
奴等が一匹一匹現存しているとはどうしても思えないのだ。
であるなら「あれ」は何だったと解釈すれば落ち着くか。
ポルターガイストが思春期の少年少女の超能力の発露という説もあり、
それが彼等自身のコンプレックスを自虐に痛めつけるというのは説得力がある。
事件を収めるには少女を大人にしてしまえばいいが、成人映画じゃないから、
私は賛成だけど、多分、それはまずいだろう。
なら、どう話を持って行くかと言えば、悪霊が悪魔を偽装していたというのが
他宗教徒の私にも理解しやすいストーリー・テーリングだろう。
霊現象にはあまり理屈がない。
霊現象は実体のないパーソナリティーの感情の暴走のようなものだ。
なので、好き嫌いだけで好き勝手な事をする。
特定住人への嫌がらせや脅し、リピート属性などがそれを物語る。
霊のパーソナリティーが脳髄を持っていた時のように極めて論理的な行動や思考を
するかについては疑問があるが、それでも、霊が相手を単に恐怖させる為に
悪魔を偽装するというのはなくもなさげた。これは共通文化圏の忌むべき物が
同一であるから出来る事で、日本だったらもっと曖昧に「祟り神」みたいな存在に
偽装するかもしれない。
霊は悪魔に扮し、彼の好む絶叫を引きだすが、彼自身が悪魔を演じる事により、霊が十字架のブラシーボ効果で多少なりとも調伏を受けるように、悪魔に対する正しい攻撃がブラシーボ効果によって悪魔でない霊にも効いてしまう。そういう事象が起こっていたのなら面白い。まあ、そういう事にはならないでしょうが。
【銭】
会員特典の入場ポイント2ポイントを使って割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・死霊館 エンフィールド事件@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・死霊館 エンフィールド事件@或る日の出来事
・死霊館 エンフィールド事件@ノラネコの呑んで観るシネマ
・死霊館 エンフィールド事件@Akira's VOICE
▼関連記事。
・死霊館@死屍累々映画日記
PS あのラストの部屋で『レイダース』みたいやなと思った。
2016年07月23日
『デビルズ・メタル』をシネマカリテ1で観て、ゲラゲラ大笑いふじき★★★
カリコレ2016年の1本
五つ星評価で【★★★トロント・アフターダーク映画祭観客賞受賞作品、どんなしょぼい映画祭でも(トロントのことはよく知らん)観客賞を取った映画なら俺は信じる】
学生メタルバンドがひょんなことから手に入れた黒い讃美歌をメタル・アレンジで演奏したら悪魔が復活して………つー可愛い一本。
主人公のメタル少年がメタルのくせにシャイでナイーブ。
価値観の逆転で田舎育ちの純朴そうな兄ちゃん達がいじめっ子のやな奴。
ホモじゃないが、傷つきやすくメタルに逃避する主人公にはちょっと萌えた。
しかし、疑似チンコ(バイブ)がこんなに出てくる映画って他にないだろ。
斧もってヒロインを演じる女の子より、
ゾンビになった教師にひたすら赤い血のゲロを食らい続ける女の子の方が好み
(本当にチョイ役でそのシーンしか出て来ない)。
何も考えずにスッキリできる1本だ。
【銭】
カリコレは基本の料金1500円均一だが、リピーター割引がある。
前回『シャークネード カテゴリー2(入場料金500円)』の半券見せて300円割引の1200円にしてもらう。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・デビルズ・メタル@ぴあ映画生活
PS 主人公がちょっとジャン・クロード・ヴァンダムに似てる。
その分、若さがないっぽい(あくまで外観的に)。
五つ星評価で【★★★トロント・アフターダーク映画祭観客賞受賞作品、どんなしょぼい映画祭でも(トロントのことはよく知らん)観客賞を取った映画なら俺は信じる】
学生メタルバンドがひょんなことから手に入れた黒い讃美歌をメタル・アレンジで演奏したら悪魔が復活して………つー可愛い一本。
主人公のメタル少年がメタルのくせにシャイでナイーブ。
価値観の逆転で田舎育ちの純朴そうな兄ちゃん達がいじめっ子のやな奴。
ホモじゃないが、傷つきやすくメタルに逃避する主人公にはちょっと萌えた。
しかし、疑似チンコ(バイブ)がこんなに出てくる映画って他にないだろ。
斧もってヒロインを演じる女の子より、
ゾンビになった教師にひたすら赤い血のゲロを食らい続ける女の子の方が好み
(本当にチョイ役でそのシーンしか出て来ない)。
何も考えずにスッキリできる1本だ。
【銭】
カリコレは基本の料金1500円均一だが、リピーター割引がある。
前回『シャークネード カテゴリー2(入場料金500円)』の半券見せて300円割引の1200円にしてもらう。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・デビルズ・メタル@ぴあ映画生活
PS 主人公がちょっとジャン・クロード・ヴァンダムに似てる。
その分、若さがないっぽい(あくまで外観的に)。
2016年07月21日
『シャークネード カテゴリー2』をシネマカリテ1で観て、前作ほどではないけどまあまあふじき★★★
カリコレ2016年の1本
五つ星評価で【★★★トルネードに巻き上げられた鮫が空から降ってくるという奇想は一作目同様面白いのだがバリエーションが少ないのと後半の達成感が少ないので、後ろに行くに従って退屈になる】
またまた鮫、鮫、鮫のオン・パレード。
の筈なのに、そんな鮫満載の感じがしなかったのは、
飛んでくる鮫ばっかだったからだろう。
泳ぎながら近づいたりするケースが少ない。
泳いでくるのも地下鉄車両のように向きが一方向だけ。
バリエーションが少ない。
ときどき流れるスタジオワイドからの天気予報の実況も多いが、
これもスピード感を剥ぐのであんな数いらない。
冒頭の 飛行機vs飛行鮫 のありえない遭遇が
一番面白かったので全体尻すぼみな感じ。
そういや綺麗どころがいなかったな。
女性陣はおばさんかカッペ。
【銭】
オトカリテ扱い500円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・シャークネード カテゴリー2@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・シャークネード@死屍累々映画日記
五つ星評価で【★★★トルネードに巻き上げられた鮫が空から降ってくるという奇想は一作目同様面白いのだがバリエーションが少ないのと後半の達成感が少ないので、後ろに行くに従って退屈になる】
またまた鮫、鮫、鮫のオン・パレード。
の筈なのに、そんな鮫満載の感じがしなかったのは、
飛んでくる鮫ばっかだったからだろう。
泳ぎながら近づいたりするケースが少ない。
泳いでくるのも地下鉄車両のように向きが一方向だけ。
バリエーションが少ない。
ときどき流れるスタジオワイドからの天気予報の実況も多いが、
これもスピード感を剥ぐのであんな数いらない。
冒頭の 飛行機vs飛行鮫 のありえない遭遇が
一番面白かったので全体尻すぼみな感じ。
そういや綺麗どころがいなかったな。
女性陣はおばさんかカッペ。
【銭】
オトカリテ扱い500円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・シャークネード カテゴリー2@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・シャークネード@死屍累々映画日記
2016年07月12日
『ミスター・ノーバディ』をフィルムセンターで観て、爽やかなキチガイ映画だふじき★★★
特集上映「EUフィルム デーズ2016」の各1プログラム。
五つ星評価で【★★★凄いけどおでは凡人だから付いていけなげでもある】
リリカルなのにしっかり狂ってる映画。
爽やかな『ドグラマグラ』。
人類で最後の非不死者の老人が大きく分けて三つのありえなかった過去を回想する。
回想は婚姻の相手がブロンド、ブルネット、黒髪の誰であるかによって大きく三つに分かれるのだが、相手が誰であっても簡単に幸せにはなれないようである。
ブロンド女性は鬱気質で、彼女は前の恋人をいつまでも思っている(彼女による彼の拒絶)。
黒髪の彼女には、彼が強い関心を持っていない(彼による彼女の拒絶)。
唯一相思相愛関係にあるブルネットの彼女とは関係が疎遠でなかなか会えない。
映画の中で、この中のどれかが虚構である事は、タイプライター画像の挿入などで示唆されているようだが、まあ、どれがどれでもええわいな。色々と苦しみの多い過去よりも、別に祝福されてる訳でもないのだろうけど、穏やかな置物と化しているような未来のビジュアルに強く惹かれる。いや、あの先生の刺青が好きなだけだな、自分。
話が立て込みすぎてて何回も見ないとモノにならない感じがするのだけど、ちょっと長めなのでこれをあまり見直す気にはならない。これを好きな人は好きそうというのはよく分かる。
【銭】
フィルムセンター一般料金520円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ミスター・ノーバディ@ぴあ映画生活
PS ♪人生いろいろ 男もいろいろ 女だっていろいろ 咲き乱れるの
という島倉千代子の「人生いろいろ」みたいな映画だった。
PS2 しかし、もう生殖のための性行動すらしていないという未来、
あの未来が完全なセックスレスであるなら『TOO YOUNG TO DIE』の天国にも
通じる所がある。どんなに辛くっても肉体を伴った喜怒哀楽があるところにこそ
人は幸せを感じれるのだ。
五つ星評価で【★★★凄いけどおでは凡人だから付いていけなげでもある】
リリカルなのにしっかり狂ってる映画。
爽やかな『ドグラマグラ』。
人類で最後の非不死者の老人が大きく分けて三つのありえなかった過去を回想する。
回想は婚姻の相手がブロンド、ブルネット、黒髪の誰であるかによって大きく三つに分かれるのだが、相手が誰であっても簡単に幸せにはなれないようである。
ブロンド女性は鬱気質で、彼女は前の恋人をいつまでも思っている(彼女による彼の拒絶)。
黒髪の彼女には、彼が強い関心を持っていない(彼による彼女の拒絶)。
唯一相思相愛関係にあるブルネットの彼女とは関係が疎遠でなかなか会えない。
映画の中で、この中のどれかが虚構である事は、タイプライター画像の挿入などで示唆されているようだが、まあ、どれがどれでもええわいな。色々と苦しみの多い過去よりも、別に祝福されてる訳でもないのだろうけど、穏やかな置物と化しているような未来のビジュアルに強く惹かれる。いや、あの先生の刺青が好きなだけだな、自分。
話が立て込みすぎてて何回も見ないとモノにならない感じがするのだけど、ちょっと長めなのでこれをあまり見直す気にはならない。これを好きな人は好きそうというのはよく分かる。
【銭】
フィルムセンター一般料金520円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ミスター・ノーバディ@ぴあ映画生活
PS ♪人生いろいろ 男もいろいろ 女だっていろいろ 咲き乱れるの
という島倉千代子の「人生いろいろ」みたいな映画だった。
PS2 しかし、もう生殖のための性行動すらしていないという未来、
あの未来が完全なセックスレスであるなら『TOO YOUNG TO DIE』の天国にも
通じる所がある。どんなに辛くっても肉体を伴った喜怒哀楽があるところにこそ
人は幸せを感じれるのだ。
2016年07月11日
『ザ・ウェイブ』をHTC渋谷2で最終日に観て、これもおもろいんやけどなあふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★山の崩落→湖→大津波という土地でも故郷なら捨てられない】
世界は広い。
日本だって地震ばっか起きてるろくでもない土地だけど、
地震が怖いから日本には住めないと国を発つ日本人は少ないだろう。
同じように景勝地ノルウェーには、
岩盤そのものが弱く山の崩落が起こりやすい土地が多いようだ。
山が崩落すると海に落ち、80メートルの高さを誇る津波を発生させる。
山が崩落してから津波が襲うまでの時間が10分、
親の仇を殺すような勢いでみんな高台に逃げる。
何人もの犠牲者を出しつつ、やはり彼等は同じ土地に居座るのだろう。
この映画は山の崩落と、その10分後にくる大津波からの避難を描いた映画なのだが、
何一つ新しい切り口や、新しい演出が施されている訳ではない。
だが、むちゃくちゃ面白い。凄くいい見世物だ。
『ジョーズ』よろしく極限まで不安を煽る演出、
そして遂に不安が臨界になった時、決壊したように起きる大惨事。
その大惨事は発生から実際の衝撃まで10分あるという設定の妙。
主役のおっちゃんは神経質。まあええやろ。そうでないと話が成り立たん。
そのおっちゃんに翻弄される家族、キツい顔の奥さんと、ティーンの息子と、幼女。
かーいー、幼女、かーいーよ。
それにしても、パニックシーンはどこかで見たような光景が切り貼りされてる感満載だ。でも別にそれでいいんだろう。それでつまらない訳ではない。だから、言っておきたい。
ブラボー、面白かったぞ。
明日になったら忘れてるかもしれないけど(そらそれでいい映画なのよ)。
【銭】
テアトル系の会員割引+曜日割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・THE WAVE/ザ・ウェイブ@ぴあ映画生活
世界は広い。
日本だって地震ばっか起きてるろくでもない土地だけど、
地震が怖いから日本には住めないと国を発つ日本人は少ないだろう。
同じように景勝地ノルウェーには、
岩盤そのものが弱く山の崩落が起こりやすい土地が多いようだ。
山が崩落すると海に落ち、80メートルの高さを誇る津波を発生させる。
山が崩落してから津波が襲うまでの時間が10分、
親の仇を殺すような勢いでみんな高台に逃げる。
何人もの犠牲者を出しつつ、やはり彼等は同じ土地に居座るのだろう。
この映画は山の崩落と、その10分後にくる大津波からの避難を描いた映画なのだが、
何一つ新しい切り口や、新しい演出が施されている訳ではない。
だが、むちゃくちゃ面白い。凄くいい見世物だ。
『ジョーズ』よろしく極限まで不安を煽る演出、
そして遂に不安が臨界になった時、決壊したように起きる大惨事。
その大惨事は発生から実際の衝撃まで10分あるという設定の妙。
主役のおっちゃんは神経質。まあええやろ。そうでないと話が成り立たん。
そのおっちゃんに翻弄される家族、キツい顔の奥さんと、ティーンの息子と、幼女。
かーいー、幼女、かーいーよ。
それにしても、パニックシーンはどこかで見たような光景が切り貼りされてる感満載だ。でも別にそれでいいんだろう。それでつまらない訳ではない。だから、言っておきたい。
ブラボー、面白かったぞ。
明日になったら忘れてるかもしれないけど(そらそれでいい映画なのよ)。
【銭】
テアトル系の会員割引+曜日割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・THE WAVE/ザ・ウェイブ@ぴあ映画生活
2016年07月10日
『ハリーとトント』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、なべてこの世は事もなしふじき★★
五つ星評価で【★★日向ぼっこみたいな映画】
行政区画の整理で一人暮らしの住居を追いだされたハリー爺ちゃんと飼い猫のトント、息子の所に転がり込むが、どうも嫁との関係がしっくりこない。長女や次男、旧友の所などに転々とする放浪の旅を送る。
傍から客観的に見てると全然、幸せな境遇ではないのだけど、主人公のハリー爺さんが「イヤな事が起こってる」風をあまり感じさせずに飄飄と生きているので苦しい感じがしない。こんな風に生きたい訳ではないが、周りにいる人達がこんな感じだったら割と幸せな人生を送れるかもしれない。
まだ見てないのにこんな事言ってすいませんなんだけど、細かいエピソードに一つ一つオチや面白ニュアンスが付いていない『セトウツミ』じゃないかって気がする。
【銭】
午前十時の映画祭価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ハリーとトント@ぴあ映画生活
PS ずっと待ち構えていたんですが「針医」が出てこなかったんですよ。
でも、インディアン医者が出てきたから、あれが針を隠し持ってたのかもしれない。
行政区画の整理で一人暮らしの住居を追いだされたハリー爺ちゃんと飼い猫のトント、息子の所に転がり込むが、どうも嫁との関係がしっくりこない。長女や次男、旧友の所などに転々とする放浪の旅を送る。
傍から客観的に見てると全然、幸せな境遇ではないのだけど、主人公のハリー爺さんが「イヤな事が起こってる」風をあまり感じさせずに飄飄と生きているので苦しい感じがしない。こんな風に生きたい訳ではないが、周りにいる人達がこんな感じだったら割と幸せな人生を送れるかもしれない。
まだ見てないのにこんな事言ってすいませんなんだけど、細かいエピソードに一つ一つオチや面白ニュアンスが付いていない『セトウツミ』じゃないかって気がする。
【銭】
午前十時の映画祭価格1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ハリーとトント@ぴあ映画生活
PS ずっと待ち構えていたんですが「針医」が出てこなかったんですよ。
でも、インディアン医者が出てきたから、あれが針を隠し持ってたのかもしれない。
2016年07月04日
『最愛の子』『ビューティー・インサイド』をギンレイホールで観て、ふんふんうわふじき★★★★,★★★
妙な組み合わせ二本立て。
◆『最愛の子』
▲ヴィッキー・チャオは 余貴美子+遠藤憲一 みたいな顔。
五つ星評価で【★★★★予告見てしんどそうな話と思ったけどギンレイホールの年会費だけ基本ロハ感覚で見れるので見に行った。やっぱしんどい話だった。でも、こういうのはいい意味で圧倒されるから見に行って良かった。】
誘拐された子供を探し当てたら他人の子供になっていた。
取り戻す事が愛なのか、育ての親の愛情は一切切り捨ててしまって構わないのか?
年を取ったせいか他人の感情のぶつかり合いは見ていてしんどい。
しかも、この映画はぶつかり合って当然の物語で、どちらにも決定的な非がないのだから話に逃げ場がない。主役夫婦と子供の話もキツイが同じ誘拐された子供の親コミュニティーでの子供が見つからない親の追い込まれ感も痛々しい。気が狂っている事を自覚しながら気が狂っている事で正気を保つという矛盾を糧にしてる夫人や、主催者夫婦の報われなさなどたまらない。主催者の旦那(チャン・イー)は大泉洋と近藤芳正を足して二で割った顔と演技。
子供が子供特有のくにゃくにゃさで可愛い。妹とかどうすればいいんだ的に可愛い。
主人公の旦那ホアン・ボーはチャウ・シンチー西遊記の悟空をやった俳優。うわ、これ見たらもう本当に凄い俳優じゃん。役者って本当に役で化けるなあ。
子供への愛を静かに燃やす妻役のハオ・レイもいい演技。
そして誘拐された子供をそれと知らずに育てた農村の女性ヴィッキー・チャオが本当にもうそんな人にしか見えない。
映画の着地(最終結論)がソレなのは合点がいかないのだが、
映画プロジェクトを撮影する事で彼等が集まって和解できるのならメタではあるが、そういう話の解決方法もあるのかもしれない。事実と映画が癒着したような終わり方をするのは才覚故に強い違和感はないが、やはり異常だよなあと思ってしまう。
▲不良孫悟空のホアン・ボー
▲大泉洋+近藤芳正 なチャン・イー。
◆『ビューティー・インサイド』
五つ星評価で【★★★変化球。123人一役って設定が明らかに異常】
何でコレを『最愛の子』の併映にしたのかが全く理解できない二本立て。
別に悪い映画ではないけど、明らかに傾向が違いすぎる。
親子丼とアップルパイみたいな組み合わせだもの。
一つ一つは悪くないけど、一緒に食べる組み合わせではない。
こっちは一回寝る度に姿形が変わってしまう特異体質の男が
愛した女性と生活の基礎を築くまでの話。
チラシのキャッチコピー
見た目と中身、本当に大切なのは…
というのも分かるんだけど、現実はそうそうお伽話のようには進まない。
心が大事なのは重々承知であっても、例えば相手が六つ子で、
彼女が六つ子の中から旦那を選別できなくても愛は成り立つのか?
普遍的なようでいて特殊な愛の物語。
だがまあ、そんな特殊な愛の物語でも通常の物語に換骨堕胎できる。
たった少しの間でも愛を手向けられないでいると
彼女の不安は果てしなく広がってしまう。
この不安こそが特殊な状況にあっても普遍的な要素だろう。
彼の外見は変わるが内面は変わらない。
逆に外見は同じなのに内面が変わる事によって
通常のラブストーリーは破綻する。
その部分のサポートとして、親の恋愛が追加されているのだろう(破綻しない二人)。
何ともロマンチックなアリバイだが、親がそうだから子も同じとは限らん。
傷つきながら愛に食い下がるイスちゃんが可愛い。
彼の一バリエーションとして出てきた上野樹里はなかなかいい演技であった。
▲こんなのレズの理想としか思えない。
PS でもまあ、外見がクルクル変わるなんて『イット・フォローズ』みたいだな
と思いながら見てた。彼の姿形がイス以外に見えなくなったらホラー展開だ。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・最愛の子@ぴあ映画生活
・ビューティー・インサイド@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・最愛の子@ここなつ映画レビュー
・最愛の子@こねたみっくす
▼関連記事。
・イット・フォローズ@死屍累々映画日記
・イット・フォローズ(2回目)@死屍累々映画日記
◆『最愛の子』
▲ヴィッキー・チャオは 余貴美子+遠藤憲一 みたいな顔。
五つ星評価で【★★★★予告見てしんどそうな話と思ったけどギンレイホールの年会費だけ基本ロハ感覚で見れるので見に行った。やっぱしんどい話だった。でも、こういうのはいい意味で圧倒されるから見に行って良かった。】
誘拐された子供を探し当てたら他人の子供になっていた。
取り戻す事が愛なのか、育ての親の愛情は一切切り捨ててしまって構わないのか?
年を取ったせいか他人の感情のぶつかり合いは見ていてしんどい。
しかも、この映画はぶつかり合って当然の物語で、どちらにも決定的な非がないのだから話に逃げ場がない。主役夫婦と子供の話もキツイが同じ誘拐された子供の親コミュニティーでの子供が見つからない親の追い込まれ感も痛々しい。気が狂っている事を自覚しながら気が狂っている事で正気を保つという矛盾を糧にしてる夫人や、主催者夫婦の報われなさなどたまらない。主催者の旦那(チャン・イー)は大泉洋と近藤芳正を足して二で割った顔と演技。
子供が子供特有のくにゃくにゃさで可愛い。妹とかどうすればいいんだ的に可愛い。
主人公の旦那ホアン・ボーはチャウ・シンチー西遊記の悟空をやった俳優。うわ、これ見たらもう本当に凄い俳優じゃん。役者って本当に役で化けるなあ。
子供への愛を静かに燃やす妻役のハオ・レイもいい演技。
そして誘拐された子供をそれと知らずに育てた農村の女性ヴィッキー・チャオが本当にもうそんな人にしか見えない。
映画の着地(最終結論)がソレなのは合点がいかないのだが、
映画プロジェクトを撮影する事で彼等が集まって和解できるのならメタではあるが、そういう話の解決方法もあるのかもしれない。事実と映画が癒着したような終わり方をするのは才覚故に強い違和感はないが、やはり異常だよなあと思ってしまう。
▲不良孫悟空のホアン・ボー
▲大泉洋+近藤芳正 なチャン・イー。
◆『ビューティー・インサイド』
五つ星評価で【★★★変化球。123人一役って設定が明らかに異常】
何でコレを『最愛の子』の併映にしたのかが全く理解できない二本立て。
別に悪い映画ではないけど、明らかに傾向が違いすぎる。
親子丼とアップルパイみたいな組み合わせだもの。
一つ一つは悪くないけど、一緒に食べる組み合わせではない。
こっちは一回寝る度に姿形が変わってしまう特異体質の男が
愛した女性と生活の基礎を築くまでの話。
チラシのキャッチコピー
見た目と中身、本当に大切なのは…
というのも分かるんだけど、現実はそうそうお伽話のようには進まない。
心が大事なのは重々承知であっても、例えば相手が六つ子で、
彼女が六つ子の中から旦那を選別できなくても愛は成り立つのか?
普遍的なようでいて特殊な愛の物語。
だがまあ、そんな特殊な愛の物語でも通常の物語に換骨堕胎できる。
たった少しの間でも愛を手向けられないでいると
彼女の不安は果てしなく広がってしまう。
この不安こそが特殊な状況にあっても普遍的な要素だろう。
彼の外見は変わるが内面は変わらない。
逆に外見は同じなのに内面が変わる事によって
通常のラブストーリーは破綻する。
その部分のサポートとして、親の恋愛が追加されているのだろう(破綻しない二人)。
何ともロマンチックなアリバイだが、親がそうだから子も同じとは限らん。
傷つきながら愛に食い下がるイスちゃんが可愛い。
彼の一バリエーションとして出てきた上野樹里はなかなかいい演技であった。
▲こんなのレズの理想としか思えない。
PS でもまあ、外見がクルクル変わるなんて『イット・フォローズ』みたいだな
と思いながら見てた。彼の姿形がイス以外に見えなくなったらホラー展開だ。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・最愛の子@ぴあ映画生活
・ビューティー・インサイド@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・最愛の子@ここなつ映画レビュー
・最愛の子@こねたみっくす
▼関連記事。
・イット・フォローズ@死屍累々映画日記
・イット・フォローズ(2回目)@死屍累々映画日記
2016年07月03日
『スパイ・タイム』『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』をフィルムセンターで観て、うんうんふーんふじき★★★,★★
特集上映「EUフィルム デーズ2016」の各1プログラム。
◆『スパイ・タイム』
▲息子と父ちゃん。
五つ星評価で【★★★スパイのイメージはこんな感じ】
スペイン産のスパイ映画。
1960年代くらいのショーン・コネリー花盛り時代に
オマージュを捧げてる風のスパイ映画。
そうそう、こんな感じで主役は余裕がある超プロ、
悪い奴は文句なく悪くて、命は軽くて、大音量で派手なテーマ曲がかかる
こういうスパイ映画がスパイ映画らしくていいや。
父ちゃんの皺が渋い。
◆『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』
▲右がタイトルロール野郎。
五つ星評価で【★★偉人の種明かしが今一つ不鮮明】
オランダ産ドキュメンタリー。
映画界への融資に長け、900本の映画製作に立ち会った男のドキュメンタリー。
いろんな人が寄ってたかって故人の評伝を語る映画。
このタイプのドキュメンタリーは誰が語るにせよ、何を語るにせよ、
編集でテンポ等を作り出せないなら単調な失敗作に終わる。今作もその一本。
映画製作前に国際市場で映画を売ってしまう「プリセール」の発案者という事は分かった。それ以外の融資手腕や、彼の業界からの身の引き方などが今一つインタビューでは分からなかった。『キャノンフィルムズ爆走風雲録』と地続きで、メナヘム・ゴーランやヨーラム・グロバースの栄光と没落が出てくるのは前作が裏打ちされてるみたいで面白い。
【銭】
フィルムセンター一般料金各520円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・SPY TIME −スパイ・タイム−@ぴあ映画生活
・ハリウッドがひれ伏した銀行マン@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・キャノンフィルムズ爆走風雲録@死屍累々映画日記
◆『スパイ・タイム』
▲息子と父ちゃん。
五つ星評価で【★★★スパイのイメージはこんな感じ】
スペイン産のスパイ映画。
1960年代くらいのショーン・コネリー花盛り時代に
オマージュを捧げてる風のスパイ映画。
そうそう、こんな感じで主役は余裕がある超プロ、
悪い奴は文句なく悪くて、命は軽くて、大音量で派手なテーマ曲がかかる
こういうスパイ映画がスパイ映画らしくていいや。
父ちゃんの皺が渋い。
◆『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』
▲右がタイトルロール野郎。
五つ星評価で【★★偉人の種明かしが今一つ不鮮明】
オランダ産ドキュメンタリー。
映画界への融資に長け、900本の映画製作に立ち会った男のドキュメンタリー。
いろんな人が寄ってたかって故人の評伝を語る映画。
このタイプのドキュメンタリーは誰が語るにせよ、何を語るにせよ、
編集でテンポ等を作り出せないなら単調な失敗作に終わる。今作もその一本。
映画製作前に国際市場で映画を売ってしまう「プリセール」の発案者という事は分かった。それ以外の融資手腕や、彼の業界からの身の引き方などが今一つインタビューでは分からなかった。『キャノンフィルムズ爆走風雲録』と地続きで、メナヘム・ゴーランやヨーラム・グロバースの栄光と没落が出てくるのは前作が裏打ちされてるみたいで面白い。
【銭】
フィルムセンター一般料金各520円。
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・SPY TIME −スパイ・タイム−@ぴあ映画生活
・ハリウッドがひれ伏した銀行マン@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・キャノンフィルムズ爆走風雲録@死屍累々映画日記
2016年07月01日
『マネーモンスター』をトーホーシネマズ日本橋8で観て、単におもろくてグーよふじき★★★★
▲単におもろい映画でグーだと思うよ。
五つ星評価で【★★★★なかなか見事にすぐ忘れちゃいそうなエンタメ(褒めてる)】
最近ちょっと疎遠になってるツイッターのTLが「ジョディ・フォスターの監督した映画なかなかエンタメしてていいんでゲスよ、親分」なんて注進してきたからトーホーシネマズのメンバー安売り週間に狙いを定めて見に行った。
サクサク進んで最後に大団円。
いいセンス持ってるじゃん、ジョディ・フォスター(謎の上から目線)。
エンタメでこういう「見た後すぐ抜けて忘れちゃいそう」というのは娯楽度が高くていい映画なのだ。うん、なかなか「マネモンGETだぜ!」。マネモン召喚するにはマネーボールを投げないと(関係ない)。
しかし、夢見る娼婦が当たり役だったジュリア・ロバーツもすっかりキャリア・ウーマンが板に付いて、そのジュリア・ロバーツを買いそうな役を昔からやっていたジョージ・クルーニーはどっちかって言うと今も買いそうな役だった。ただ、ジュリア・ロバーツが「プリティ」ではなく「キャリア」だから買わんと。それじゃ「キャリア」の意味が「感染者」だ。いやいや、そこは買っていこうよクルーニー(ゴムを使えよ)。このクラスの大物俳優二人ががっぷり組むんだったら昔は「二大スター初めての共演」とか煽ったのに、そういうの全くなし。ともかく映画が多すぎて宣伝もへったくれもない状態。映画が消費されていくスピードが早すぎる。
余談になるが、まだまだ劇場で稼げる『ズートピア』の上映終了日が決まってしまった。次の興行の『ファインディング・ドリー』の劇場数確保の為らしい。何かそれって全然おかしいよ。もっとじっくりねっとり嬲るようにねぶるように映画をかけてほしい。どうにもやっぱり今は劇場でかかる映画の本数が多すぎる。適度に入っていても二三週で上映回数が減り、油断してると映画館で見る事が全く敵わなくなってしまう。ひどい状態になってしまったもんだ。カモンゆっくり映画を見れていた映画斜陽期!(映画見るのにヒイコラ言ってるから、これは適量で本音)
話を戻して、この映画はストックホルム症候群(監禁されてる側が心情的に監禁者に寄り添っていってしまう状態)をTVメディアでやってるのが面白いと思う。TV見てる視聴者は別に犯人に監禁されている訳でも何でもないけど、映像メディアの親和性により、ストックホルム症候群よろしく犯人に同調してしまう。これは性善説。ずっと人間を映していれば、それなりにいい所が見つかる。メディアテロを起こした犯人であっても、同じ人間、ほころびを見せられたら許せない訳がない。
なので、一つの仮定としてTVクルーを欺いて不正を行っていたこの映画内での悪玉、彼に関しても「お金大好き人間」とクレジットしてレギュラーに取り込んでしまえば、ストックホルム症候群なバイアスが働いたのではないか。彼には単にその時間が足りなかっただけではないか。多分、あんな「お金儲けてそうなエリート風」な役者ではなく、反発の小さそうな温水洋一とか起用してたら、みんな元々の悪い奴でも許してしまうかもしれない。あー、なんかそういう生きた実例がホリエモンという気もする(詳しい事や正確な事は知らんのだけど)。ブラックだなあ、現実の方が。
あと、TVを見てる人間がストックホルム症候群に感染しているのもそうなのだけど、この映画を見ている観客も一つ輪を広げてストックホルム症候群に感染しているのも構造として面白い。その構造を作るディレクター(ジュリア・ロバーツ)は「プリティ」から「キャリア(感染者)」に堕落した女で、彼女は番組の中心であるマネーモンスターその物であるジョージ・クルーニーと最後にディナーを共にして「ねんごろ」を暗示する。もう、感染は盤石で止められない。仕掛ける側と演じる側が意図的に大衆性を悪用出来る事もラストで示唆しているなら、それは実にマネーはともかく、ばっちモンスターだわ。そう言えばそのジョージ・クルーニーはバットマン役者で、バットマンスーツに乳首が付いてて総スカンを食らったという。ああ、何となくジョージ・クルーニーに「よろ乳首ー」とか言ってもらいたかった気もする。そして、ジョージ・クルーニーがバットマン(蝙蝠男)であるなら、彼は獣でも鳥でもない男だ。エンタメでもアート系映画でもない事を高らかに宣言してたりして。アート系映画で「よろ乳首ー」をやるクルーニーが見たいな。
みたいな深読み素材を作ったジョディ・フォスター、
彼女の出世作は『タクシー・ドライバー』で、プリティな娼婦。そして、今、彼女はアカデミー賞監督でバリバリのキャリア。ここだ、感染源はここだったのだ。わははははは。ジョージ・クルーニーとねんごろになって「よろ乳首ー」と言わせながら(いや言ってないって)、メディア(TVではなく映画興行)を行脚して銭を稼ぐ、二重三重のメタ構造じゃないか。
キャッチコピー
「真実は生中継で暴かれる」
ああ、もうジョディ・フォスターにAV撮ってもらいたい。とりあえず擬似とかゴムとかなしで。女優は誰でもいいから「真実ちゃん」という子を探して来い。
とりあえず、私、考えすぎだ。
【銭】
トーホーシネマズデーの会員サービス週間に見て1100円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・マネーモンスター@ぴあ映画生活
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・マネーモンスター@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・マネーモンスター@ここなつ映画レビュー
・マネーモンスター@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・マネーモンスター@或る日の出来事
・マネーモンスター@ノルウェー暮らし・イン・原宿
・マネーモンスター@こねたみっくす
PS よくある奴
「お前は『マネーモンスター』が面白いというんだな」
「まあね」
PS2 まち子さんのとこで書いたコメントが割とバカ。
PS3 いや、どこのコメントも割とバカ。
これは原典の映画がしっかりできてるから、ふざけられるノビシロがあるんだな。
2016年06月15日
『GODZILLA ゴジラ』を神保町シアターで観てやっぱピンとは来ないんだよなふじき★★(ネタバレあり)
▲ちょっとダイエットした方がいいっすよね。
特集「シン・ゴジラ映画総進撃」から1プログラム。
五つ星評価で【★★ちょっと疲労にやられて陥没してしまったが、元からそんなに面白い映画でもないと思う(負け惜しみ)】
ファーストラン以降二回目。
ギャレス・エドワース監督が演出をしてる、いわゆる「ギャレゴジ」。
それってちょっと「ギャルゴジ」っぽいじゃん。
ガングロ、ミニスカ、生足のゴジラにみんなハァハァ(*´Д`)なんて悪趣味な!
でもまあ、脚は「エメゴジ」の方が長いから、そのボリューム的にも
上半身が「ギャレゴジ」、下半身が「エメゴジ」の「ギャルゴジ」
を作成したら中々エロくなるのではないか。CV沢城みゆき辺りでどうだろう?
何が「どうだろう?」だか、よく分からない。
ゴジラが悪相で前科十六犯の連続強姦殺人犯みたいな顔をしているんだけど、その顔が大変申し訳ないんだけど、ジャック・ニコルソンに似てる。あまり、ゴジラの顔が人間っぽいのはよくない。昭和ゴジラのギョロ目とかは、この映画の世界観的にはアウトだろうけど、ゴジラ1984以降の原型師たちが心血注いだ悪役顔だけど人間からは遠いという作りにしてほしかった。
踊るマハラジャじゃないけど、飛んだり跳ねたり愛燦燦のムートー夫婦。
飛ぶのと竹馬っぽいののどっちがオス・メスかもよく分からないのだけど、顔立ちがどっちも同じなので、あの顔には欲情しないから大丈夫。ところで、今、手元に『殿、利息でござる!』のチラシがあるのだけど、ムートーの顔って失礼を承知で言わせてもらうなら
松田龍平に似てると思う。
しかし、二匹の松田龍平とガタイのいいジャック・ニコルソンがくんずほぐれつ(しかも全裸で)息を荒げてハアハア言うような映画を見て楽しめるなんて、みなさん通ですな(ひどい事言うなよ、俺)。
【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼関連記事。
・GODZILLA ゴジラ(1回目)@死屍累々映画日記
・GODZILLA ゴジラ(1回目書き足し)@死屍累々映画日記
2016年06月12日
『アイヒマン・ショー』をHTC有楽町2で観て、アイヒマン萌え萌えふじき★★★★
▲きゃーアイヒマン様よおおおおおおおおおおぅ。
五つ星評価で【★★★★勝利のドラマのように見せかけて、実は敗北しているみたいな皮肉な映画が好き。そしてアイヒマンが出てるだけでワクワクが止まらない】
このアドルフ・アイヒマンという実に有能な小役人がキャラとして大好きなのである。ユダヤ人の強制収容所への移送を計画した男。結果として彼が辣腕を振るわなければ強制収容所での死者はもっと減っていたに違いない。だが、だからと言って彼が無慈悲に笑いながらユダヤ人を虐殺した訳ではない。ただ、彼は処世の為、自分の能力を使役した。後世、それは「悪魔の所業とされ、それを行わない選択をしなかった」として、彼は裁かれる。でも、「それを行わない選択」はきっと出来なかっただろう。日本でもそうだ。「それを行わない選択」を選んだものは憲兵による拷問の末、死や転向を賜ったりした。時代に抗う事は難しいのである。なので、私もきっとアイヒマン側を選ぶ。だから、アイヒマンが好きなのだ。彼は悪漢ではない。ただの小役人だ。その彼を悪漢に仕立てたのがメディアである。今回はそのメディアの一つ、TV製作者を描いたもの。
アイヒマンを悪漢としたメディアは何より新聞だろう。
ナチスの極悪人将校捕まるとの第一報は新聞から出された筈だ。
その時点でもう既に「大悪人」と決まっていた筈だ。
映画内のフルヴィッツ監督は強制収容所でのナチの悪行を証言するユダヤ人の姿を見て、表情一つ変えないアイヒマンに驚愕する。人間であるなら涙の一つも流すだろう、というのが彼の論理だ。これは間違えていると思う。ユダヤ人の痛々しい証言はこのアイヒマン裁判のプロパガンダとして必要な部位であると思うが、必ずしも裁判その物にとっては必要ではない。それらの虐待は間接的にアイヒマンによってもたらされたが、アイヒマンが恣意的に行なった罪ではないからである。自分の裁判案件と関係ない茶番を長々と見せられるアイヒマン、心が痛むより先に「そんな情動に訴えてまで自分を不利に持ち込みたいのだろう」と警戒する方が自然だろう。
だが、この証言部分が強制収容所で行われた様々な蛮行のプロパガンダとして機能し、世界は初めてそこでどのような野蛮な行為が行われたかを知る事になる。メディア戦略としてTV放映は成功だったと思う。この放映により「ユダヤ人は世界でもっとも迫害された民族第一位」を手に入れたのだ。自分達がイスラエルを建国し、先住のパレスチナ人を迫害する立場に立っているにもかかわらず。
ここにとても強い皮肉がある。
アイヒマンは「大悪人ではなく命令を聞いただけの歯車の一つ」という意見も出るが、TV製作者側は気持ちとしてそれを認められない。彼等は被害者の近くに位置しすぎているからだ。逆に彼等が加害者の近くに位置していたら、この裁判の矛盾を突いたのではないかと思う。第三者の目から見ると、所詮、感情による裁判であり、死刑は感情による処刑にしか見えない。そしてTVクルーはこの放映に参加した事により、二つのシステムの歯車として機能したのではないかと思っている。
一つ目は、プロパガンダにより、ユダヤ人やイスラエル建国を正当化するシステム。直接、手を出している訳ではないが、パレスチナ人への迫害を目立たなく矮小化させてしまった。
二つ目は、「ナチは凶悪でいかなる理由があっても、処罰すべき」という信仰の元、アイヒマンを抹殺するシステムに加担した事である。これは被害者がただ一人だから目立たないが前文の「ナチ」を「ユダヤ人」に置き換えると、そのヤバさが分かってくる。ただ、この映画の中では「アイヒマンの有罪」は正義として揺るぎがないような描かれ方をしているから、あまりヤバさとしては伝わってこないが。
【銭】
テアトルの会員サービスを使って1300円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち@ぴあ映画生活
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・アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
・ハンナ・アーレント@死屍累々映画日記
・スペシャリスト@死屍累々映画日記
2016年06月11日
『ディーパンの闘い』『サウルの息子』をギンレイホールで観て、世に戦いの種は尽きまじふじき★★★,★★★
なんか重いの二本立て。
◆『ディーパンの闘い』
五つ星評価で【★★★しまった。パンティーの戦いじゃないのか】
これから言う事を若い人は分からないかもしれないし、分かったからと言っても共感しえないだろう。かく言うこれからそれを言おうとしている私自身が本当にそれはどうかなと思っている節すらあるのだ。
主人公ディーパンは丹古母鬼馬二さんのようだった。
一見ならず者のようだが、別に普通の人だ。
年相応に落ち着いて昔のように蛮勇を振るう事もない。
だが、争いの方が彼を追いかけてくる。
何となく丹古母鬼馬二さんで間違えてない。
妻はイライラさせ役の上手い大竹しのぶ(すげえ姉さんになってまう)、
子供は芦田愛菜あたりで日本版をリメイクするけ。
◆『サウルの息子』
五つ星評価で【★★★サウナの息子ではないのだが、手元にしか焦点の合わない映像はまるでサウナにいるような息苦しさを感じる】
ナチスのユダヤ人迫害の物凄さは大量虐殺を工場労働ペースで行なった事だ。まるで納期に追われるが如く一分一秒を惜しんで殺されていくユダヤ人をこれほどシステマティックに捉えた映画は今までになかった。このペースが現実に即したものか、メンタルな心象風景であるかは当事者しか分からないし、映画だからそのどちらでもいいと思っている。この狂った状況で正しい事を貫こうとする主人公の狂気が際立つ。
主人公サウルは矛盾している。息子の死に直面し、息子をユダヤの教義に合う正しい埋葬を行おうと収容所内を西走東本する。正しい埋葬を行わないと最後の審判で復活の対象とならないのだ。だが、彼の非常識な行為は彼の周囲の人間の生命を脅かすし、彼が日常行っているナチスの大量虐殺の幇助は最後の審判で復活の対象とならない人間を大量に作成している事に他ならない。
映画は殊更にサウルに肩入れするでもなく、ダメ出しするでもなく、ただ近くにいる。映画は徹頭徹尾「傍観者」だ。それはおそらく観客がその場にいたとしても「傍観者」たりえてしまうだろうという無力感の現れのようでさえある。
PS 「の息子」と言えば、名画座にて『ゴジラの息子』を見たけど、
流石に『サウルの息子』とは全然違う映画だった。そらそうか。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ディーパンの闘い@ぴあ映画生活
・サウルの息子@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ディーパンの闘い@映画的・絵画的・音楽的
◆『ディーパンの闘い』
五つ星評価で【★★★しまった。パンティーの戦いじゃないのか】
これから言う事を若い人は分からないかもしれないし、分かったからと言っても共感しえないだろう。かく言うこれからそれを言おうとしている私自身が本当にそれはどうかなと思っている節すらあるのだ。
主人公ディーパンは丹古母鬼馬二さんのようだった。
一見ならず者のようだが、別に普通の人だ。
年相応に落ち着いて昔のように蛮勇を振るう事もない。
だが、争いの方が彼を追いかけてくる。
何となく丹古母鬼馬二さんで間違えてない。
妻はイライラさせ役の上手い大竹しのぶ(すげえ姉さんになってまう)、
子供は芦田愛菜あたりで日本版をリメイクするけ。
◆『サウルの息子』
五つ星評価で【★★★サウナの息子ではないのだが、手元にしか焦点の合わない映像はまるでサウナにいるような息苦しさを感じる】
ナチスのユダヤ人迫害の物凄さは大量虐殺を工場労働ペースで行なった事だ。まるで納期に追われるが如く一分一秒を惜しんで殺されていくユダヤ人をこれほどシステマティックに捉えた映画は今までになかった。このペースが現実に即したものか、メンタルな心象風景であるかは当事者しか分からないし、映画だからそのどちらでもいいと思っている。この狂った状況で正しい事を貫こうとする主人公の狂気が際立つ。
主人公サウルは矛盾している。息子の死に直面し、息子をユダヤの教義に合う正しい埋葬を行おうと収容所内を西走東本する。正しい埋葬を行わないと最後の審判で復活の対象とならないのだ。だが、彼の非常識な行為は彼の周囲の人間の生命を脅かすし、彼が日常行っているナチスの大量虐殺の幇助は最後の審判で復活の対象とならない人間を大量に作成している事に他ならない。
映画は殊更にサウルに肩入れするでもなく、ダメ出しするでもなく、ただ近くにいる。映画は徹頭徹尾「傍観者」だ。それはおそらく観客がその場にいたとしても「傍観者」たりえてしまうだろうという無力感の現れのようでさえある。
PS 「の息子」と言えば、名画座にて『ゴジラの息子』を見たけど、
流石に『サウルの息子』とは全然違う映画だった。そらそうか。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ディーパンの闘い@ぴあ映画生活
・サウルの息子@ぴあ映画生活
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・ディーパンの闘い@映画的・絵画的・音楽的
2016年05月20日
『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』『パリ3区の遺産相続人』をギンレイホールで観て、どっちもピンとこないぜふじき★★★,★★
不動産映画二本立て。
◆『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』
五つ星評価で【★★★おもろい夫婦・海外版】
特につまらなくもないし、ふんふんと見てられる。
モーガン・フリーマンとダイアン・キートンの夫婦って組み合わせがおもろい。
その名優組み合わせ以外は何とも普通のお話で、
普通のお話なのにキラキラ輝いてるのがいい役者使ってるという事なのだろう。
多分なんとなくなのだけど、ルーク・スカイウォーカーの育ての親にも
冒険はないけど、素敵な一日一日があったんだよ、みたいな感じの映画。
ダイアン・キートンの若かりし頃の肖像画、ヌードでビーチクも出てる。
いや、そこは若い女優使ってるんだから実写でビーチク出していこうよ。
内覧会でぶつかる眼鏡の女の子かわゆし。
PS クマネズミさんの「映画的・絵画的・音楽的」
のコメントで暴れてしまいました。
PS2 とりあえずドクター中松のジャンピング・シューズとか穿くと
少し若返ったりする気もするけど、あれ穿いて犬の散歩はできんだろうなあ。
◆『パリ3区の遺産相続人』
五つ星評価で【★★後半の鬱展開が好みじゃない】
本人たちにとっては「恋のアバンチュール」だったかもしれないが、
そのアバンチュールで壊されたものがある事を老境で知るのはキツイお仕置きだ。
主役のケヴィン・クラインが、何となくいつもの如く(そんなイメージ)
魅力的な人物として描かれていないので、彼の企みが成功しそうなのは不愉快。
マギー・スミスちっちゃくなっちゃったなあ。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります@ぴあ映画生活
・パリ3区の遺産相続人@ぴあ映画生活
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・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります@映画的・絵画的・音楽的
◆『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』
五つ星評価で【★★★おもろい夫婦・海外版】
特につまらなくもないし、ふんふんと見てられる。
モーガン・フリーマンとダイアン・キートンの夫婦って組み合わせがおもろい。
その名優組み合わせ以外は何とも普通のお話で、
普通のお話なのにキラキラ輝いてるのがいい役者使ってるという事なのだろう。
多分なんとなくなのだけど、ルーク・スカイウォーカーの育ての親にも
冒険はないけど、素敵な一日一日があったんだよ、みたいな感じの映画。
ダイアン・キートンの若かりし頃の肖像画、ヌードでビーチクも出てる。
いや、そこは若い女優使ってるんだから実写でビーチク出していこうよ。
内覧会でぶつかる眼鏡の女の子かわゆし。
PS クマネズミさんの「映画的・絵画的・音楽的」
のコメントで暴れてしまいました。
PS2 とりあえずドクター中松のジャンピング・シューズとか穿くと
少し若返ったりする気もするけど、あれ穿いて犬の散歩はできんだろうなあ。
◆『パリ3区の遺産相続人』
五つ星評価で【★★後半の鬱展開が好みじゃない】
本人たちにとっては「恋のアバンチュール」だったかもしれないが、
そのアバンチュールで壊されたものがある事を老境で知るのはキツイお仕置きだ。
主役のケヴィン・クラインが、何となくいつもの如く(そんなイメージ)
魅力的な人物として描かれていないので、彼の企みが成功しそうなのは不愉快。
マギー・スミスちっちゃくなっちゃったなあ。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
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・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります@ぴあ映画生活
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・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります@映画的・絵画的・音楽的
2016年05月10日
『ゾンビスクール!』『ゾンビーバー』をキネカ大森2で観てゲラゲラふじき★★★★,★★
「可愛い顔したゾンビの復讐」2本立て
◆『ゾンビスクール!』
▲教師の面々(一部生徒を含む)。
五つ星評価で【★★★★生き残りのクズ率の高さがうひひひひひひひひひひ】
子供がどんどんゾンビになって、小学生教師達を襲い出す。
身を守るために、教師たちは子供をバンバン殺していく。こここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここ
失礼。ここで寝落ちした。
子供を殺すのには異論があるかもしれないが、そもそもゾンビ映画その物が人間を殺すタブーを人間でなくなってしまったモノという置き換えによって行なっている娯楽なので、タブーが一階層深くなったに過ぎない。大きな問題ではない。そう言えば、教頭先生とイジメっ子という二大嫌われキャラが大人子供にかかわらず、ちゃんと殺されて整理付けられてるのは、精神衛生上とてもよろしい。生き残るのはいずれも一長一短なクズ教師連なのだが、彼等のような弱者かつ愛されキャラが死なない未来というのは割と明るい未来なのかもしれない。
「教頭先生を襲ったろ。
君たちが教頭先生を嫌いなのはよくわかる。
私だって嫌いだ。
でも、殺してはいかん」
いいな、この辺りの教頭先生のディスられっぷりや、最後の正論。
教頭先生って洋邦問わず、大体嫌われキャラじゃないかな。
大人の癖に子供みたいな体格のイライジャ・ウッドは実に適材適所。ホラー小説を書いているのはあまりいい伏線にもなってないし、ウザいから割愛した方が良いと思う。この金も力もない童貞ちっくなイライジャ・ウッドが、力はあるけど金や人望がトコトンない体育教師レイン・ウィルソンと徐々に分かりあってく様子が広義のバディ・ムービーとしてもなかなか良い。
ヒロインのアリソン・ピルはちょっと微妙な容貌なのだが、真剣に愛を語ったりSEXしたりという映画ではないので、これくらいの線で大丈夫。この人そのものがなまっちろくて挙動不審でゾンビっぽいんだよな。あ、あれ、ウルトラセブンのキュラソ星人に似てる。
▲参考(ネットから拾ってきたキュラソ星人画像)
あと、教師なのにコミュ障、かつ、幼少時の大怪我で科学知識が豊富になった理科教師リー・ワネルも良い。こういう理性的な変人は好き。
ゾンビ映画なのに、あまり無駄な死人が出ないのも健康的でよい。
◆『ゾンビーバー』
▲この絵面だけ見るとビッチがビーバーを誘ってるようにしか見えん。
いや、そんなんでもいいけど(でも、この金髪はタイプじゃなかった)。
五つ星評価で【★★うひひひひひひひひひひ。バカ】
ただのダジャレだ。
3人の女子会女子に追っかけてきた彼氏軍団3人がソンビになったビーバーに理由もなくおそわれけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけける。失礼。後、猟銃持ってるハンターとか、近くの住人も襲われるが、田舎で人がまばらなのでゾンビ感染者の拡大が凄くゆっくり。感染拡大の恐怖が煽れない分、ビーバーとダメ男女が延々と争そい続けてる。どうでもいいチープな映画だけど、どうでもいいチープ具合が半端ないので、楽しくだらけて見てられる。『テラフォーマー』ごときのチープさで怒ってる人は是非この映画を観て更なるチープさに激怒してもらいたい。そうだよな、21世紀に作られた映画とは思えないよな。
3人の女子は、グラマーメガネ、失恋金髪、口が悪い美女で、
それぞれヒゲ、マッチョ、男ブスが恋人の役。
外見は口悪女がタイプだけど、性格悪くてその点、挽回もしない。残念な事だ。
いや、誰一人として友達になりたいようなのが出てこないな。
もう本当いいよ、全員やっておしまいで(ビーバーもいい加減ダメ具合高いけど)。
▲口が悪い美女。
はあ〜ビバノンノン。
【銭】
2016年4月から9月までの間にキネカ大森で3回使える名画座専用回数券を4月中は特典期間と言う事で2000円で購入。そのうち1回分を使って鑑賞。前回、お金を払ってるので今日はロハ感覚。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ゾンビスクール!@ぴあ映画生活
・ゾンビーバー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ゾンビスクール!@だらだら無気力ブログ
・ゾンビスクール!@映画三昧活字中毒
◆『ゾンビスクール!』
▲教師の面々(一部生徒を含む)。
五つ星評価で【★★★★生き残りのクズ率の高さがうひひひひひひひひひひ】
子供がどんどんゾンビになって、小学生教師達を襲い出す。
身を守るために、教師たちは子供をバンバン殺していく。こここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここここ
失礼。ここで寝落ちした。
子供を殺すのには異論があるかもしれないが、そもそもゾンビ映画その物が人間を殺すタブーを人間でなくなってしまったモノという置き換えによって行なっている娯楽なので、タブーが一階層深くなったに過ぎない。大きな問題ではない。そう言えば、教頭先生とイジメっ子という二大嫌われキャラが大人子供にかかわらず、ちゃんと殺されて整理付けられてるのは、精神衛生上とてもよろしい。生き残るのはいずれも一長一短なクズ教師連なのだが、彼等のような弱者かつ愛されキャラが死なない未来というのは割と明るい未来なのかもしれない。
「教頭先生を襲ったろ。
君たちが教頭先生を嫌いなのはよくわかる。
私だって嫌いだ。
でも、殺してはいかん」
いいな、この辺りの教頭先生のディスられっぷりや、最後の正論。
教頭先生って洋邦問わず、大体嫌われキャラじゃないかな。
大人の癖に子供みたいな体格のイライジャ・ウッドは実に適材適所。ホラー小説を書いているのはあまりいい伏線にもなってないし、ウザいから割愛した方が良いと思う。この金も力もない童貞ちっくなイライジャ・ウッドが、力はあるけど金や人望がトコトンない体育教師レイン・ウィルソンと徐々に分かりあってく様子が広義のバディ・ムービーとしてもなかなか良い。
ヒロインのアリソン・ピルはちょっと微妙な容貌なのだが、真剣に愛を語ったりSEXしたりという映画ではないので、これくらいの線で大丈夫。この人そのものがなまっちろくて挙動不審でゾンビっぽいんだよな。あ、あれ、ウルトラセブンのキュラソ星人に似てる。
▲参考(ネットから拾ってきたキュラソ星人画像)
あと、教師なのにコミュ障、かつ、幼少時の大怪我で科学知識が豊富になった理科教師リー・ワネルも良い。こういう理性的な変人は好き。
ゾンビ映画なのに、あまり無駄な死人が出ないのも健康的でよい。
◆『ゾンビーバー』
▲この絵面だけ見るとビッチがビーバーを誘ってるようにしか見えん。
いや、そんなんでもいいけど(でも、この金髪はタイプじゃなかった)。
五つ星評価で【★★うひひひひひひひひひひ。バカ】
ただのダジャレだ。
3人の女子会女子に追っかけてきた彼氏軍団3人がソンビになったビーバーに理由もなくおそわれけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけける。失礼。後、猟銃持ってるハンターとか、近くの住人も襲われるが、田舎で人がまばらなのでゾンビ感染者の拡大が凄くゆっくり。感染拡大の恐怖が煽れない分、ビーバーとダメ男女が延々と争そい続けてる。どうでもいいチープな映画だけど、どうでもいいチープ具合が半端ないので、楽しくだらけて見てられる。『テラフォーマー』ごときのチープさで怒ってる人は是非この映画を観て更なるチープさに激怒してもらいたい。そうだよな、21世紀に作られた映画とは思えないよな。
3人の女子は、グラマーメガネ、失恋金髪、口が悪い美女で、
それぞれヒゲ、マッチョ、男ブスが恋人の役。
外見は口悪女がタイプだけど、性格悪くてその点、挽回もしない。残念な事だ。
いや、誰一人として友達になりたいようなのが出てこないな。
もう本当いいよ、全員やっておしまいで(ビーバーもいい加減ダメ具合高いけど)。
▲口が悪い美女。
はあ〜ビバノンノン。
【銭】
2016年4月から9月までの間にキネカ大森で3回使える名画座専用回数券を4月中は特典期間と言う事で2000円で購入。そのうち1回分を使って鑑賞。前回、お金を払ってるので今日はロハ感覚。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ゾンビスクール!@ぴあ映画生活
・ゾンビーバー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ゾンビスクール!@だらだら無気力ブログ
・ゾンビスクール!@映画三昧活字中毒
2016年05月09日
『Pina』をHTC渋谷3で観て、ピナ・バウシュに傾倒しない理由ふじき★★
五つ星評価で【★★舞踏の羅列で自分がピナの何が嫌いであるかを推理する】
2012年の3D映画。
急逝した舞踏家ピナ・バウシェの振り付けを彼女の舞踏団が色々なロケーションで踊り、それをヴィム・ヴェンダースが撮る。インタビューなども入るが、基本、踊りっぱなし。
ピナ・バウシュについてはほぼ同時期に公開されたダンス経験のない子供に振り付けを行う『夢の教室』というドキュメンタリーを観て、それなりに悪くない印象。
なのだが、どうも踊り続けられると勝手が違う。
まず、彼女の踊りは人の動きで陽性の美しさを表現する「ダンス」より、人の動きもしくは動かない事による陰性の美しさ(「肉体存在」とかの方が適当か)を表現する「舞踏」に領域が近い。えーと、大駱駝艦とか、麿赤児とか。そういうのを延々と見ていて面白いかと言うと、演劇としてイベントっぽく練り上げた物ならいざ知らず、その前の素やテキストの動きだけ見てもあまり面白くない。ヴェンダースは執拗にその分解した部分を見せようとする。何と言うか、盆栽の写真100枚連続で見せられる感じ。どちらかと言うと1枚の盆栽に付いて色々な角度から撮った写真だとか、色々な見解が語られたりとか、した方が素人目には分かりやすいし、面白いと思うのだが。と言うか、おそらくドキュメンタリーという視点で見てはいけなく、「舞踏映画」として乗らなければいけないのだろう。音楽系のドキュメンタリーでもそうだが、私、こういう人の土俵に乗っかるようなのがかなり苦手です。
で、彼女の舞踏の断片を見ていると、彼女が開発した手足の動かし方みたいなのが何となく目に付いてくる。それは彼女の振り付けらしさという物だろう。それが彼女の独自性かもしれない。その彼女らしい手足の動かし方が彼女の既得権益みたいに見えてイヤになってくる。西洋の芸術で他者と違うユニークな事は強く尊重される。例えば、ピカソのキュビズムとか。キュビズムによる表現が素晴らしいとかではなく、誰もキュビズムをやっていず、初めてそれをピカソが切り開いた事が評価される。ピナ・バウシェの動きや自然物とのコラボなども、それが「美しい、優れている、心に訴えかけてくる」という事自体よりも、ピナ・バウシェが今まで誰もやった事がないのにやった、一番乗りだった。そこが評価されている点が強い気がする。私にとって、そういうのはどうでもいい。
演者がピナ・バウシェの踊りに対して「愛と哀しみ」が込められているなどと述べる。私が鈍いせいか演者の舞踏からはそれを全然、感じられなかった。みんなそういう感情を舞踏に感じているのだろうか?
私は、「舞踏に乗る」もしくは「舞踏に感情を乗せる」という適格な見方が出来てないので、その舞踏が身体をどう動かしているかという断片情報しか見えていないのだろうか。劣った見方をしているというなら申し訳ない。でもまあ、そうにしか見えないんだからしょうがない。何となく周りと意見が合わないので、ごめんなさいという感じの感想になるのはいつだって辛いなあ。でも、だから曲げるってもんでもないだろう。
んーまー、「全然OKピナの振りつける踊りも良かったし、何をブチブチ言ってるのか分かんない」という人は優しくスルーしてやってください。
借景よろしく踊りが外に出て行くのは面白かった。
踊りの中で、これはどう見ても酔拳みたいだなあ、みたいに見える動作も面白かった。
【銭】
テアトルさんの「マスターリクエスト」という企画で、3D料金含みで一般1000円、会員500円だったので500円で鑑賞。すまんのう、安いお金で文句ばっか言って。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・ピナ・バウシュ 夢の教室@死屍累々映画日記
PS 精神分析に使えそうな文章になった。
PS2 そもそもヴェンダースってどれもこれも合わない。残念な事だ。
2012年の3D映画。
急逝した舞踏家ピナ・バウシェの振り付けを彼女の舞踏団が色々なロケーションで踊り、それをヴィム・ヴェンダースが撮る。インタビューなども入るが、基本、踊りっぱなし。
ピナ・バウシュについてはほぼ同時期に公開されたダンス経験のない子供に振り付けを行う『夢の教室』というドキュメンタリーを観て、それなりに悪くない印象。
なのだが、どうも踊り続けられると勝手が違う。
まず、彼女の踊りは人の動きで陽性の美しさを表現する「ダンス」より、人の動きもしくは動かない事による陰性の美しさ(「肉体存在」とかの方が適当か)を表現する「舞踏」に領域が近い。えーと、大駱駝艦とか、麿赤児とか。そういうのを延々と見ていて面白いかと言うと、演劇としてイベントっぽく練り上げた物ならいざ知らず、その前の素やテキストの動きだけ見てもあまり面白くない。ヴェンダースは執拗にその分解した部分を見せようとする。何と言うか、盆栽の写真100枚連続で見せられる感じ。どちらかと言うと1枚の盆栽に付いて色々な角度から撮った写真だとか、色々な見解が語られたりとか、した方が素人目には分かりやすいし、面白いと思うのだが。と言うか、おそらくドキュメンタリーという視点で見てはいけなく、「舞踏映画」として乗らなければいけないのだろう。音楽系のドキュメンタリーでもそうだが、私、こういう人の土俵に乗っかるようなのがかなり苦手です。
で、彼女の舞踏の断片を見ていると、彼女が開発した手足の動かし方みたいなのが何となく目に付いてくる。それは彼女の振り付けらしさという物だろう。それが彼女の独自性かもしれない。その彼女らしい手足の動かし方が彼女の既得権益みたいに見えてイヤになってくる。西洋の芸術で他者と違うユニークな事は強く尊重される。例えば、ピカソのキュビズムとか。キュビズムによる表現が素晴らしいとかではなく、誰もキュビズムをやっていず、初めてそれをピカソが切り開いた事が評価される。ピナ・バウシェの動きや自然物とのコラボなども、それが「美しい、優れている、心に訴えかけてくる」という事自体よりも、ピナ・バウシェが今まで誰もやった事がないのにやった、一番乗りだった。そこが評価されている点が強い気がする。私にとって、そういうのはどうでもいい。
演者がピナ・バウシェの踊りに対して「愛と哀しみ」が込められているなどと述べる。私が鈍いせいか演者の舞踏からはそれを全然、感じられなかった。みんなそういう感情を舞踏に感じているのだろうか?
私は、「舞踏に乗る」もしくは「舞踏に感情を乗せる」という適格な見方が出来てないので、その舞踏が身体をどう動かしているかという断片情報しか見えていないのだろうか。劣った見方をしているというなら申し訳ない。でもまあ、そうにしか見えないんだからしょうがない。何となく周りと意見が合わないので、ごめんなさいという感じの感想になるのはいつだって辛いなあ。でも、だから曲げるってもんでもないだろう。
んーまー、「全然OKピナの振りつける踊りも良かったし、何をブチブチ言ってるのか分かんない」という人は優しくスルーしてやってください。
借景よろしく踊りが外に出て行くのは面白かった。
踊りの中で、これはどう見ても酔拳みたいだなあ、みたいに見える動作も面白かった。
【銭】
テアトルさんの「マスターリクエスト」という企画で、3D料金含みで一般1000円、会員500円だったので500円で鑑賞。すまんのう、安いお金で文句ばっか言って。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・ピナ・バウシュ 夢の教室@死屍累々映画日記
PS 精神分析に使えそうな文章になった。
PS2 そもそもヴェンダースってどれもこれも合わない。残念な事だ。
2016年05月05日
『チャイナ・シンドローム』『クレイマー、クレイマー』を新文芸坐で観て、満足満足★★★★,★★★★
特集「魅惑のシネマクラシックスvol.20」から1プログラム。
どちらも1979年の作品。この辺りはお金を持っていない中学生時代だから、見落としてる映画がボロボロある。今回の二作品とも初見。なんとも贅沢なプログラムだ。
◆『チャイナ・シンドローム』
五つ星評価で【★★★★モラルのある主役は好き】
『フォルスタッフ』から一転、とてもモラルのある主人公が活躍する。
主役は一応TVリポーターのジェーン・フォンダだが、お前なんかワークアウトのレオタード着て、カメラマン役のマイケル・ダグラス(SEX依存症)とはめてろよとモラルのない悪態をついてしまうくらい存在感が適当。TVクルーの彼女や彼からは強力な正義感は感じられず、どちらかと言うと特ダネやキャリアアップ意識の方を強く感じてしまう(ジェーン・フォンダが運動家ってイメージも後付けだけど良くない)。
表面上の主役はTVクルーだが、抜群の存在感で物語の核を演じるのが原子力技師役のジャック・レモン。レモンちゃんの癖に渋い。彼は現場監督であり、経営陣に問題点を進言するが「危険でも稼働させないと赤字になる」と言って退けられてしまう。調べれば調べるほど危険性のリスクは高まる中、彼は予想もしない行動に出てしまう。「正しい事だけやってたら儲からない」という今でもある手抜き工事の理由がリアルでたまらない。と言うか、これは変わろうにも変わらない物なのかもしれない。
原子力に限らず、どこの現場でも同様の衝突は起こっているだろう。
ラスト三つの出来事が全て同タイミングに重なってどうなる、どうなる、となる作劇が見事。いやあ、面白かった。
◆『クレイマー、クレイマー』
五つ星評価で【★★★★こっとも単純に見ていて面白い】
山のように名画座で流れていた筈だが、30年以上も見逃していた。
本編(35mm)が流れる前に『12モンキーズ』『Uボート』の35mm予告がかかる。
なんて贅沢な。デジタルよりシャープ感がないのが逆に「味」を思わせる。
いいなあ、35mm予告。もう、ここでくらいしかかからないのじゃないだろうか。
妻に逃げられたダスティン・ホフマンが育児をするようになり、
育児が彼を人間として変えていく。すっかりパパとして再生した彼に
逃げた妻が戻ってきて養育権を主張し、裁判になる。
映画として裁判がかなり中心に来るのかと思い込んでいたのだが、実はダスティン・ホフマンがよきパパになってくイクメン成長録の方がメインだった。とってもステキにメロメロ・ダディーになるダスティン・ホフマンの前に現われるメリル・ストリープの同情はするけど憎々しさったらない。いや、メリル・ストリープが若くて、小娘な感じなのに驚いた。この後、5年もするとキャリアでどんな事が起こってもどうにでもなる、という印象の役しかなくなっていくのに。しかし上手いね、小娘でもメリル・ストリープは。
ラストの話のまとめ方が大人とはかくあるべしという形で幸せ。
PS 部屋の中には男のクレイマーと、女のクレイマーと、
子供のクレイマーがいた。彼等を閉じ込め、食事も何も与えないでいると、
中に最強のクレイマーが作られる筈である。
【銭】
一般入場料金二本立て1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・チャイナ・シンドローム@ぴあ映画生活
・クレイマー、クレイマー@ぴあ映画生活
どちらも1979年の作品。この辺りはお金を持っていない中学生時代だから、見落としてる映画がボロボロある。今回の二作品とも初見。なんとも贅沢なプログラムだ。
◆『チャイナ・シンドローム』
五つ星評価で【★★★★モラルのある主役は好き】
『フォルスタッフ』から一転、とてもモラルのある主人公が活躍する。
主役は一応TVリポーターのジェーン・フォンダだが、お前なんかワークアウトのレオタード着て、カメラマン役のマイケル・ダグラス(SEX依存症)とはめてろよとモラルのない悪態をついてしまうくらい存在感が適当。TVクルーの彼女や彼からは強力な正義感は感じられず、どちらかと言うと特ダネやキャリアアップ意識の方を強く感じてしまう(ジェーン・フォンダが運動家ってイメージも後付けだけど良くない)。
表面上の主役はTVクルーだが、抜群の存在感で物語の核を演じるのが原子力技師役のジャック・レモン。レモンちゃんの癖に渋い。彼は現場監督であり、経営陣に問題点を進言するが「危険でも稼働させないと赤字になる」と言って退けられてしまう。調べれば調べるほど危険性のリスクは高まる中、彼は予想もしない行動に出てしまう。「正しい事だけやってたら儲からない」という今でもある手抜き工事の理由がリアルでたまらない。と言うか、これは変わろうにも変わらない物なのかもしれない。
原子力に限らず、どこの現場でも同様の衝突は起こっているだろう。
ラスト三つの出来事が全て同タイミングに重なってどうなる、どうなる、となる作劇が見事。いやあ、面白かった。
◆『クレイマー、クレイマー』
五つ星評価で【★★★★こっとも単純に見ていて面白い】
山のように名画座で流れていた筈だが、30年以上も見逃していた。
本編(35mm)が流れる前に『12モンキーズ』『Uボート』の35mm予告がかかる。
なんて贅沢な。デジタルよりシャープ感がないのが逆に「味」を思わせる。
いいなあ、35mm予告。もう、ここでくらいしかかからないのじゃないだろうか。
妻に逃げられたダスティン・ホフマンが育児をするようになり、
育児が彼を人間として変えていく。すっかりパパとして再生した彼に
逃げた妻が戻ってきて養育権を主張し、裁判になる。
映画として裁判がかなり中心に来るのかと思い込んでいたのだが、実はダスティン・ホフマンがよきパパになってくイクメン成長録の方がメインだった。とってもステキにメロメロ・ダディーになるダスティン・ホフマンの前に現われるメリル・ストリープの同情はするけど憎々しさったらない。いや、メリル・ストリープが若くて、小娘な感じなのに驚いた。この後、5年もするとキャリアでどんな事が起こってもどうにでもなる、という印象の役しかなくなっていくのに。しかし上手いね、小娘でもメリル・ストリープは。
ラストの話のまとめ方が大人とはかくあるべしという形で幸せ。
PS 部屋の中には男のクレイマーと、女のクレイマーと、
子供のクレイマーがいた。彼等を閉じ込め、食事も何も与えないでいると、
中に最強のクレイマーが作られる筈である。
【銭】
一般入場料金二本立て1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・チャイナ・シンドローム@ぴあ映画生活
・クレイマー、クレイマー@ぴあ映画生活
2016年05月04日
『レヴェナント 蘇えりし者』をトーホーシネマズ日劇1で観て、ゴダールに謝れふじき★★★
▲トランプのキングに似てるレオ様。
五つ星評価で【★★★御立派な映画だが長い】
なげーよ
これが一番の感想。
後はデカブリオしぶといけど、インディオの息子の父ちゃんにはあまり見えない。
熊は怖いね。
景色はどれも初めて見るような景色で、
全て自然光で撮ったそれはなかなかの絶景だが、
景色を見せる事に意識を割く映画ってそもそも嫌いなのだ。
最愛の息子を殺され
極寒の地に放置された男
過酷なサバイバルの果てに彼を待つものとは!?
内容はこれだけだ。じゃあもっと短くできるだろ。
それにしても、この夢の国アメリカの何と地獄な事。
過酷な寒気に野獣、銃と火薬だけが自分の存在を守ってくれるが、
逆に強い者の前では何者であろうと命の保証がない。
正義がない。力だけの国アメリカ。
その地獄のアメリカ。
主人公が遂に仇を追い詰める。
白い雪原の中、獣のような影が二つ。
追う方も終われる方もひたすら汚く、獣の影が二つ寄り添って争ってるようだ。
しかし、この雪原の中、二つの毛むくじゃらが争ってるのは
『ウルトラファイト』のウーが二体いるみたいだ。
坂本教授の劇伴も心なしか『ウルトラファイト』っぽい。
アカデミー賞監督賞を取った映像の詰めの部分が、
東洋の島国で作られた安っぽい5分番組を思いださせるって………
………そらあ、思いだす方が悪いさ。俺残念。
【銭】
映画ファン感謝デーで1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・レヴェナント:蘇えりし者@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・レヴェナント:蘇えりし者@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・レヴェナント:蘇えりし者@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・レヴェナント:蘇えりし者@或る日の出来事
・レヴェナント:蘇えりし者@お楽しみはココからだ
PS そしてレオ様の復讐が終わる頃、
寝袋に使われた馬の親馬がレオ様を探し回っていた。
新たな復讐の物語がここに始まるのである。
という続編はどうだろう?
2016年05月02日
『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』を新文芸坐で観て、モラリストを気取るよふじき★★★
特集「魅惑のシネマクラシックスvol.20」から1プログラム。
五つ星評価で【★★★モラルのない主役は嫌い】
モラルを語るほどモラルを遵守しているかどうかは我ながら疑問なのだが、
心の中だけはそこそこモラリストなのでって事は他人に厳しく自分に甘くか、
と逡巡迷いながらも、モラル意識の低い奴が主人公だとどうも乗れない。
オーソン・ウェルズ演じるフォルスタツフは悪漢なのである。
悪漢でも一本筋が通っていたり、悪漢なりの論理があればまだ見れるのだが、
臆病で、卑怯で、不誠実、でも、悪友独特の気のいい奴であって、
「へらへら笑ってれば大概の事は許してもらえるだろうキャラ」
と言えばいいだろうか。
映画の大半がこのフォルスタッフのそこそこ上手く行ってしまう成り行き生活と
その不誠実さを描く事に使われ、けっこうイラついて疲れる。
戦争(剣や槍、こん棒での肉弾戦)の中でさえ、人の手柄を横取りしたりする。
このフォルスタッフと行動を共にするのが次期王位継承権を持つ皇子。
悪漢ながら気のいい男フォルスタッフとの悪ふざけを
一時期の遊びと自覚して付きあっている。
彼には彼なりの計算もあり、
若気の過ちは王になった時の厳格な執政とのギャップで逆に有利に働くだろう、
などと考えている。
そして、実際に彼が王位を継承する時、
これから甘い汁を吸って吸って吸い尽くそうとするフォルスタッフと
王子の間で当然、バッティングが起きる。
フォルスタッフは悪漢ではあるが、臆病で、卑怯な、小人物なので、
正しい正論には立ち向かえない。
そこで彼の人生は潰えるのである。
あれ、最近、これと似た人物を見た気がする、と思ったら
『ジャリん子チエ』の鉄だ。
二人を比べると「鉄」の方がまだ立派なキャラである。
「鉄」は臆病でも、卑怯でもない。誠実かどうかは微妙だが、
少なくとも世間のモラルとは異なる基準の正義観で生きている。
彼は自分の身内であるなら、人にタカる事に躊躇しない。
このタカって、面白く生きれればいいという根無しっぽさがフォルスタッフと一緒。
違うのは「ジャリん子チェ」が王位継承候補者じゃなかった事である。
例えば、チエが大人になって、皇室の王位継承候補者に見初められたら、
黒いスーツの男たちに「鉄」は拉致され、存在を抹消されてしまうかもしれない。
その行為を自発的に取らなければいけない皇子の心中の痛みと、
それによってもたらされた「とても王らしい王であった」という、
つまらない結論がダークな感触だった。 あー、でも長かった。
【銭】
カップリングの『第七の封印』は勤務時間中により鑑賞不可。余裕があれば観直したかったが如何ともし難し。ラスト一本割で850円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・オーソン・ウェルズのフォルスタッフ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・じゃりン子チエ 劇場版@死屍累々映画日記
PS 勿論、実物を見た事がある訳ではないが、
大きな木に何体もぶら下げられている首吊り死体の群れのスカスカ具合が
妙にリアルだった。
五つ星評価で【★★★モラルのない主役は嫌い】
モラルを語るほどモラルを遵守しているかどうかは我ながら疑問なのだが、
心の中だけはそこそこモラリストなのでって事は他人に厳しく自分に甘くか、
と逡巡迷いながらも、モラル意識の低い奴が主人公だとどうも乗れない。
オーソン・ウェルズ演じるフォルスタツフは悪漢なのである。
悪漢でも一本筋が通っていたり、悪漢なりの論理があればまだ見れるのだが、
臆病で、卑怯で、不誠実、でも、悪友独特の気のいい奴であって、
「へらへら笑ってれば大概の事は許してもらえるだろうキャラ」
と言えばいいだろうか。
映画の大半がこのフォルスタッフのそこそこ上手く行ってしまう成り行き生活と
その不誠実さを描く事に使われ、けっこうイラついて疲れる。
戦争(剣や槍、こん棒での肉弾戦)の中でさえ、人の手柄を横取りしたりする。
このフォルスタッフと行動を共にするのが次期王位継承権を持つ皇子。
悪漢ながら気のいい男フォルスタッフとの悪ふざけを
一時期の遊びと自覚して付きあっている。
彼には彼なりの計算もあり、
若気の過ちは王になった時の厳格な執政とのギャップで逆に有利に働くだろう、
などと考えている。
そして、実際に彼が王位を継承する時、
これから甘い汁を吸って吸って吸い尽くそうとするフォルスタッフと
王子の間で当然、バッティングが起きる。
フォルスタッフは悪漢ではあるが、臆病で、卑怯な、小人物なので、
正しい正論には立ち向かえない。
そこで彼の人生は潰えるのである。
あれ、最近、これと似た人物を見た気がする、と思ったら
『ジャリん子チエ』の鉄だ。
二人を比べると「鉄」の方がまだ立派なキャラである。
「鉄」は臆病でも、卑怯でもない。誠実かどうかは微妙だが、
少なくとも世間のモラルとは異なる基準の正義観で生きている。
彼は自分の身内であるなら、人にタカる事に躊躇しない。
このタカって、面白く生きれればいいという根無しっぽさがフォルスタッフと一緒。
違うのは「ジャリん子チェ」が王位継承候補者じゃなかった事である。
例えば、チエが大人になって、皇室の王位継承候補者に見初められたら、
黒いスーツの男たちに「鉄」は拉致され、存在を抹消されてしまうかもしれない。
その行為を自発的に取らなければいけない皇子の心中の痛みと、
それによってもたらされた「とても王らしい王であった」という、
つまらない結論がダークな感触だった。 あー、でも長かった。
【銭】
カップリングの『第七の封印』は勤務時間中により鑑賞不可。余裕があれば観直したかったが如何ともし難し。ラスト一本割で850円で鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・オーソン・ウェルズのフォルスタッフ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・じゃりン子チエ 劇場版@死屍累々映画日記
PS 勿論、実物を見た事がある訳ではないが、
大きな木に何体もぶら下げられている首吊り死体の群れのスカスカ具合が
妙にリアルだった。
2016年04月28日
『あいつだ』をシネマート新宿2で、『のぞきめ』を角川シネマ新宿2で、『デスフォレスト4』をユーロスペース1で観て、どれもなんだかなふじき★★,★★,★★★
同日三本鑑賞。
そんなに強く言いたい事もないので簡単に。
◆『あいつだ』
五つ星評価で【★★被害者がイヤな奴で同情しづらい】
二人きりで暮らす兄と妹。
兄は自己主張が強く、町に溶け込もうとせず、妹は露出高めのパープー。
ある日、妹が行方不明、死体で発見される。
兄は心霊体質の女性と一緒に真犯人を探すが……。
なんだけど、兄貴がイジメっ子気質、妹がアバズレっぽく五月蠅くて同情しづらい。
ミスリードを誘うために何人か犯人候補が意図的に配置されるも
最終的に一番怪しい人間が犯人ってのは拍子抜けする。
兄貴役のチュウォン、妹のリュ・ヘヨンはキャラが悪くて好感度が低い。
心霊女のイ・ユヨンと薬屋のユ・ヘジンは上手い。
ユ・ヘジンの崩れたイヤミ顔は一目で「あの人だ」と分かっていいなあ。
いつもの韓国映画らしく、相変わらず警察は安心するくらい無能。
『あいつだ』って強くていい邦題なんだけどなあ。
◆『のぞきめ』
五つ星評価で【★★「覗かれる」行為の怖さを説明不足】
「誰かから覗かれる」という行為は気持ちいい物ではないが、かと言って、一般的には即座にノイローゼになるほどの恐怖に結びつくものでもない。映画内ではいきなり、怖くて怖くてもうどうにもたまらないMAX状態だと冒頭から言いきるのだが、それを成立させる為には何かもう一工夫考えた解説なり説明なりが必要だろう。最終的に伝奇因縁物語となる展開は良いが、吉田鋼太郎やアリキリ、つぶやきシローなど硬軟の人材を配置して、必死に板野友美の演技をフォローしてる感じで、、、、、いやまあ、板野友美がちょっと凄い。
私、あまり、役者が大根かどうかという点に関しては気づかずにボーっと映画見てるタイプなのだけど、板野友美の演技に関しては「あーぁ」って気づいてしまった。熱がない。セリフが言いきれてない。素の板野友美を配置してカンペを読ませたみたい。こりゃちょっと独特だ。ここか。恐怖映画というのはこの演技の話なのか。
ちょっとしか出ないつぶやきシローの演技の上手さに舌巻いたりする。
しかし、AKBぱるるのホラー『劇場霊』もひどかったし(演技じゃなく映画がね)、そんなにみんなしてホラーを消費し尽して根絶しようとするのは何故? ホラーのお得意様は中学生、高校生でダメ映画があってもすぐ客層が入れ変わってしまうという事もあるのだろうけど、それにしてもメジャー売りのホラーでダメが続くとジャンル全体、見捨てられてもおかしくないような状態になりかねないんだけど。秋元さんの所の秘蔵っ子を主役でホラー作るのもう止めてほしいわ。
板野友美ってちっちゃくって、可愛くて、キャバ嬢っぽい腹黒さ隠してそうで、まあ、モデル的な魅力は高いんだけど、ああいうOLいそうにないんじゃないって意味でリアリティーはないわいな。
◆『デスフォレスト4』
五つ星評価で【★★★まあ、いつも通り低調だけど、これはこれでいいと思う。わはははははは】
▲このありえないでかさの空に浮かぶ顔が非常識で怖い。
しかしよく考えたらホラーだから「非常識」で全然いいんだよなあ。
デスフォレスト前作「PART3」は見損なったが、多分、大勢に影響はなし。と思って、いつもお世話になってる「ぴあ映画生活」さんの粗筋を見ると、どうも第三作目で一応ラスボスは退治されたらしい。はっはっは、4作目であっさり何の禁忌もなく復活してしまいましたがな。そして、謎も謎のまま放置しっぱなし。
ストーリー面は何もないと断言しておそらく大丈夫なくらい弱いが、相変わらずビジュアルが強い。基本、お話としてはつまらないのに、唾を吐き捨てて「二度と見に来ねえよ」みたいな気分にならないのは、このビジュアルが楽しいからに他ならない。
【銭】
『あいつだ』:新聞屋系の招待券貰ったからただ。
『のぞきめ』:テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。
『デスフォレスト4』:ユーロスペースの会員割引で1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・あいつだ@ぴあ映画生活
・のぞきめ@ぴあ映画生活
・デスフォレスト 恐怖の森4@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・デスフォレスト 恐怖の森@死屍累々映画日記
・デスフォレスト 恐怖の森2@死屍累々映画日記
・デスフォレスト 恐怖の森5@死屍累々映画日記
オマケ。
▲『あたりめ』もとい『うおのめ』もとい『のぞきめ』のともちん。
そんなに強く言いたい事もないので簡単に。
◆『あいつだ』
五つ星評価で【★★被害者がイヤな奴で同情しづらい】
二人きりで暮らす兄と妹。
兄は自己主張が強く、町に溶け込もうとせず、妹は露出高めのパープー。
ある日、妹が行方不明、死体で発見される。
兄は心霊体質の女性と一緒に真犯人を探すが……。
なんだけど、兄貴がイジメっ子気質、妹がアバズレっぽく五月蠅くて同情しづらい。
ミスリードを誘うために何人か犯人候補が意図的に配置されるも
最終的に一番怪しい人間が犯人ってのは拍子抜けする。
兄貴役のチュウォン、妹のリュ・ヘヨンはキャラが悪くて好感度が低い。
心霊女のイ・ユヨンと薬屋のユ・ヘジンは上手い。
ユ・ヘジンの崩れたイヤミ顔は一目で「あの人だ」と分かっていいなあ。
いつもの韓国映画らしく、相変わらず警察は安心するくらい無能。
『あいつだ』って強くていい邦題なんだけどなあ。
◆『のぞきめ』
五つ星評価で【★★「覗かれる」行為の怖さを説明不足】
「誰かから覗かれる」という行為は気持ちいい物ではないが、かと言って、一般的には即座にノイローゼになるほどの恐怖に結びつくものでもない。映画内ではいきなり、怖くて怖くてもうどうにもたまらないMAX状態だと冒頭から言いきるのだが、それを成立させる為には何かもう一工夫考えた解説なり説明なりが必要だろう。最終的に伝奇因縁物語となる展開は良いが、吉田鋼太郎やアリキリ、つぶやきシローなど硬軟の人材を配置して、必死に板野友美の演技をフォローしてる感じで、、、、、いやまあ、板野友美がちょっと凄い。
私、あまり、役者が大根かどうかという点に関しては気づかずにボーっと映画見てるタイプなのだけど、板野友美の演技に関しては「あーぁ」って気づいてしまった。熱がない。セリフが言いきれてない。素の板野友美を配置してカンペを読ませたみたい。こりゃちょっと独特だ。ここか。恐怖映画というのはこの演技の話なのか。
ちょっとしか出ないつぶやきシローの演技の上手さに舌巻いたりする。
しかし、AKBぱるるのホラー『劇場霊』もひどかったし(演技じゃなく映画がね)、そんなにみんなしてホラーを消費し尽して根絶しようとするのは何故? ホラーのお得意様は中学生、高校生でダメ映画があってもすぐ客層が入れ変わってしまうという事もあるのだろうけど、それにしてもメジャー売りのホラーでダメが続くとジャンル全体、見捨てられてもおかしくないような状態になりかねないんだけど。秋元さんの所の秘蔵っ子を主役でホラー作るのもう止めてほしいわ。
板野友美ってちっちゃくって、可愛くて、キャバ嬢っぽい腹黒さ隠してそうで、まあ、モデル的な魅力は高いんだけど、ああいうOLいそうにないんじゃないって意味でリアリティーはないわいな。
◆『デスフォレスト4』
五つ星評価で【★★★まあ、いつも通り低調だけど、これはこれでいいと思う。わはははははは】
▲このありえないでかさの空に浮かぶ顔が非常識で怖い。
しかしよく考えたらホラーだから「非常識」で全然いいんだよなあ。
デスフォレスト前作「PART3」は見損なったが、多分、大勢に影響はなし。と思って、いつもお世話になってる「ぴあ映画生活」さんの粗筋を見ると、どうも第三作目で一応ラスボスは退治されたらしい。はっはっは、4作目であっさり何の禁忌もなく復活してしまいましたがな。そして、謎も謎のまま放置しっぱなし。
ストーリー面は何もないと断言しておそらく大丈夫なくらい弱いが、相変わらずビジュアルが強い。基本、お話としてはつまらないのに、唾を吐き捨てて「二度と見に来ねえよ」みたいな気分にならないのは、このビジュアルが楽しいからに他ならない。
【銭】
『あいつだ』:新聞屋系の招待券貰ったからただ。
『のぞきめ』:テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。
『デスフォレスト4』:ユーロスペースの会員割引で1200円。
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・デスフォレスト 恐怖の森4@ぴあ映画生活
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・デスフォレスト 恐怖の森@死屍累々映画日記
・デスフォレスト 恐怖の森2@死屍累々映画日記
・デスフォレスト 恐怖の森5@死屍累々映画日記
オマケ。
▲『あたりめ』もとい『うおのめ』もとい『のぞきめ』のともちん。
2016年04月24日
『インサイダーズ 内部者たち』をシネマート新宿2で観て、男だったらあの飲み会に呼ばれたいよなふじき★★★
五つ星評価で【★★★飲み会に呼ばれたいずら】
イ・ビョンホンの片腕が妙にカクカクしたお金のかかってない義手で、『燃えよドラゴン』の鉄の爪っぽかった。あと、トイレのタオル係ってムルナウの『最後の人』かよ。確かにどん底の職業だけど、イ・ビョンンホンみたいに絡むなら、あの職その物がいらない。
ちょっと立て込んだ話は乗りづらいのだけど、それら全てを横に置いておいても、あの飲み会のシーンが最高。偉くなったらああいう接待が受けられるというのなら、私だって頑張って偉くなったのに。残念だ。
【銭】
新聞屋系のタダ券を貰って観に行った。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・インサイダーズ/内部者たち@ぴあ映画生活
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・インサイダーズ/内部者たち@ここなつ映画レビュー
PS マスコミのおっちゃんがどこか田村正和っぽい。
PS2 『生き残る為の三つの取引』を絶妙にスケールダウンしたっぽい一本。
イ・ビョンホンの片腕が妙にカクカクしたお金のかかってない義手で、『燃えよドラゴン』の鉄の爪っぽかった。あと、トイレのタオル係ってムルナウの『最後の人』かよ。確かにどん底の職業だけど、イ・ビョンンホンみたいに絡むなら、あの職その物がいらない。
ちょっと立て込んだ話は乗りづらいのだけど、それら全てを横に置いておいても、あの飲み会のシーンが最高。偉くなったらああいう接待が受けられるというのなら、私だって頑張って偉くなったのに。残念だ。
【銭】
新聞屋系のタダ券を貰って観に行った。
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PS マスコミのおっちゃんがどこか田村正和っぽい。
PS2 『生き残る為の三つの取引』を絶妙にスケールダウンしたっぽい一本。
2016年04月22日
『砂上の法廷』をトーホーシネマズシャンテ2で観て、これは先が見えんふじき★★★★
▲流し目が杉良っぽいキアヌ。
五つ星評価で【★★★★観終わると一人一人の立ち振る舞いなど、とても整合性が取れている事に気がつく】
うまい脚本だなあ。
ラスト二転三転での、物的証拠のないあの疑惑は陪審員裁判ならではの爆弾だ。
この爆弾を投下された後、弁護士のキアヌ・リーブスはその事実が
明らかに捏造であったとしても、その賭けに乗らざるを得ない。
裁判で誰が主導権を握っているかはともかく、
全員が共謀して船を沈めないようにするのが肝要だ。
その為には各個人が付いている嘘は全て見過ごす。
ただ、嘘で塗り固められているので、主導権を握った人物に
自分が噛み殺されない保証がない。
ないながらもバランスを取って船を沈めないようにする。
多分、それが大人であるという事なのだろう。
邦題がとてもいい邦題だわあ。
【銭】
トーホーシネマズデーで1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・砂上の法廷@ぴあ映画生活
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・砂上の法廷@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・砂上の法廷@ここなつ映画レビュー
PS ネタ
「キアヌ・リーブスが河童になる奴?」
「『沙悟浄の法廷』じゃない!」
PS2 ネタ
「法廷に立つ者はみな嘘を付く。私の嘘を言ってみろ」
「あなたは弁護士じゃなくて、役者のキアヌ・リーブスよ」
「それ以外を、だ」
PS3 ネタ
「法廷に立つ者はみな嘘を付く。あの警備員の嘘を言ってみろ」
「えっ、警備員は一言もしゃべっていませんよ」
「奴はヅラだ」
2016年04月20日
『夏をゆく人々』をギンレイホールで観て、カンヌよう分からんふじき★
▲ロイドに似てるか?
五つ星評価で【★単にダラダラしてる映画じゃない?】
怖い父ちゃんがいる中、大人がやるような養蜂の仕事を任され、
大人のような苦労を強いられる少女ジェルソミーナには同情するが、
彼女の心情が都度都度はっきり打ち出されないので、話に乗っかりづらい。
なんだ、あの駱駝。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。同時上映の『マイ・ファニーレディー』はそんなに二度見の欲求が高まらなかったので見なかった。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・夏をゆく人々@ぴあ映画生活
PS ジェルソミーナの特徴のないのぺっとした顔をハロルド・ロイドみたいと
思うのは私ぐらいか。
PS2 やった事はないが蜂蜜プレイってあんなんだろ(地面から掬う場面とか)。
2016年04月15日
『オリエント急行殺人事件』をトーホーシネマズ新宿8で観て、やはりクリスティは好かんふじき★★
五つ星評価で【★★ラストを知って見ているんだけど、都合よすぎだろ】
原作は未読であるが、トリックというよりアイデアとして有名な作品なので、犯人が誰であるかは事前に知っていた。いわゆる、そのアイデアだけで成立している推理小説なのだが、映像化する際に現実的に無理な部分を市川崑の金田一映画のように上手く隠しおおせなかった。映画冒頭いきなり誘拐事件の解説から始まって、これから起こる殺人事件はこの誘拐事件と関係がありますよと分からせてしまう。何て不器用な。おいおいおいおい、ちょっと頭悪くね?
事件の被害者は「殺される業」を背負っているのだけど、総合的にとても危機意識が低いと思わざるを得ない。勿論、彼が殺されてくれなくては事件にならないので、殺されてくれてありがとうとは思うのだけど、劇中、注意深い人物という位置付けにいるにも関わらず、殺されようとしているかのように、自分を追い詰めていってる。多分、一番悪いのは本人は認めないだろうが、クリスティー女史であろう。しかし、これが復讐を目的にした殺人と言うのなら、被害者をもっと扇情的に追い詰めて殺したくなるものではないだろうか? ただ、殺せればいいというのなら別にこのお膳立ては必要ない。
「灰色の脳細胞」の異名を持つポアロはイヤミなチンチクリンで髪のコロン油のギトギトが強すぎて火を付けたらよく燃えそうなのだけど、もともとこんなキャラ設定なんだろうか? そこそこ名声はあるが、他人からあまりよく思われない偏屈者が中心人物と言うのは見ていて、ちょっとイヤな感じではある。出川とか上島とか狩野英孝とかリアクション芸人っぽい空気が流れてくる。頭、悪いんじゃないの、本当は?
キャストが豪華なのは楽しい。
【銭】
午前十時の映画祭価格1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・オリエント急行殺人事件|映画情報のぴあ映画生活
PS あれだ。
俺が見たかったのは殺人事件の被害者も加害者も全てラブドールだったという
『オリエント工業殺人事件』だ。いや、ホント。
PS2 犯人はアンソニー・パーキンスで「ママに命令されて」でもOK
(という目くらましなキャスティングなんだろうな)。
原作は未読であるが、トリックというよりアイデアとして有名な作品なので、犯人が誰であるかは事前に知っていた。いわゆる、そのアイデアだけで成立している推理小説なのだが、映像化する際に現実的に無理な部分を市川崑の金田一映画のように上手く隠しおおせなかった。映画冒頭いきなり誘拐事件の解説から始まって、これから起こる殺人事件はこの誘拐事件と関係がありますよと分からせてしまう。何て不器用な。おいおいおいおい、ちょっと頭悪くね?
事件の被害者は「殺される業」を背負っているのだけど、総合的にとても危機意識が低いと思わざるを得ない。勿論、彼が殺されてくれなくては事件にならないので、殺されてくれてありがとうとは思うのだけど、劇中、注意深い人物という位置付けにいるにも関わらず、殺されようとしているかのように、自分を追い詰めていってる。多分、一番悪いのは本人は認めないだろうが、クリスティー女史であろう。しかし、これが復讐を目的にした殺人と言うのなら、被害者をもっと扇情的に追い詰めて殺したくなるものではないだろうか? ただ、殺せればいいというのなら別にこのお膳立ては必要ない。
「灰色の脳細胞」の異名を持つポアロはイヤミなチンチクリンで髪のコロン油のギトギトが強すぎて火を付けたらよく燃えそうなのだけど、もともとこんなキャラ設定なんだろうか? そこそこ名声はあるが、他人からあまりよく思われない偏屈者が中心人物と言うのは見ていて、ちょっとイヤな感じではある。出川とか上島とか狩野英孝とかリアクション芸人っぽい空気が流れてくる。頭、悪いんじゃないの、本当は?
キャストが豪華なのは楽しい。
【銭】
午前十時の映画祭価格1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・オリエント急行殺人事件|映画情報のぴあ映画生活
PS あれだ。
俺が見たかったのは殺人事件の被害者も加害者も全てラブドールだったという
『オリエント工業殺人事件』だ。いや、ホント。
PS2 犯人はアンソニー・パーキンスで「ママに命令されて」でもOK
(という目くらましなキャスティングなんだろうな)。
2016年04月08日
『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を109シネマズ木場5で観て、不愉快だけど愉快ふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★全くもってひどい話であるのにフットワーク軽快】
全米のみならず世界の経済恐慌を巻き起こしたリーマンショックの際に、
巨大資本を相手に勝ち残った奴らがいる。そいつらを描く。
とは言うものの、彼等は正義の味方でも何でもない
(スティーブ・ガレルは正義寄り)。
彼等は金融大恐慌という大波に飲み込まれずに波の上に乗った者であり、
波その物を無効化できるような力を持っていたりはしなかった。
彼等のせいで彼等以外の誰かが助かった訳ではない。
娯楽映画としては勧善懲悪の方が受け入れられやすいので痛し痒しだが、
映画はそんな常識をふっ飛ばして面白い。
魅力的な登場人物を配置し、
残して分かりやすく説明する知識と省略しても差し支えない知識とを取捨選択し、
それぞれの人物に試練を与え、それを回収する。
この映画のための事前勉強とか必要なしに
けっこう難しい内容を迷う事なく見れるのはちょっと凄い。
チーム分けは三つ。
(1) クリスチャン・ベールの発起人
(2) ライアン・ゴズリング+スティーブ・ガレルの後追いグループ
(3) ブラッド・ピットと若者の別・後追いグループ
(3)のブラッド・ピットが一番爺さんとして扱われているので泰然自若、
目の前で起こっている不正にも経験の上から理解がある。
仮にこの件で失敗してもオブザーバー位置の彼は生活を失わないだろうし、
若者はその若さを糧に再チャレンジすればいい。
だから、ここのパートは若者二人が破綻した会社に潜り込むなどの
「いい絵」を持ちながらあまり、ひりつかない。
(1)と(2)に関しては基本、同パターンだ。
(1)は理論を見つけた安樂椅子探偵、(2)は実証検分を元に推理する特捜警察
という描き方の違いがあるだけで、当然、起こらなければおかしい破綻が
歪みで起こらない事により追い詰められる焦燥感と、それを乗り切った勝利、
これは同一パターンなので同じように描かれる。
どちらも自分の信念を通す男の魅力がぷんぷんだ。
良心的なのは、どちらも得た物を「苦い勝利」としている事だ。
「自分だけは破綻しなかった。イェーイ」とも描けたがそうはしなかった。
勝ちたくない側面もあるが、勝たない訳にはいかない、と描写した。
これで、とても複雑な味わいのある終わり方になった。
役者としてお得なのは(1)の天才、クリスチャン・ベールの天才兼変人っぷりと、
(2)のいつも怒ってるスティーブ・ガレルの庶民に即した社会正義への憂愁だ。
正しい事が正しく起こらない怖さと、
そのために危険度が急カーブで上がっていく事態がよく分かる。
しかもラストで、これらの事態の諸悪の根源が淘汰されていない事が告げられる。
ブラックすな。
『華麗なる大逆転』という副題が、すったもんだの挙句
システムは何も変わりませんでした、って意味だったりして。
それだったら本当ブラックだなあ。
【銭】
新聞屋系の無料鑑賞券を貰ってそれで見に行ったづら。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・マネー・ショート 華麗なる大逆転@ぴあ映画生活
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・マネー・ショート 華麗なる大逆転@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・マネー・ショート 華麗なる大逆転@映画的・絵画的・音楽的
・マネー・ショート 華麗なる大逆転@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
・マネー・ショート 華麗なる大逆転@徒然なるままに
・マネー・ショート 華麗なる大逆転@流浪の狂人ブログ
PS セレーナ・ゴメスを使った説明が良かった。あれは分かりやすい。
PS2 原題に近い『マネー・ショート』はまだいいとして
(『債権戦争』みたいな邦題ではお客が如何にも来なそうだから)、
副題の『華麗なる大逆転』は明らかに気持ち悪いくらい違う。
『カレー食う大逆転』でも違うけど、『加齢しそうな大学生』
だったらギリ近いかもしれない。まあ、なんだ、副題いらないよ。
全米のみならず世界の経済恐慌を巻き起こしたリーマンショックの際に、
巨大資本を相手に勝ち残った奴らがいる。そいつらを描く。
とは言うものの、彼等は正義の味方でも何でもない
(スティーブ・ガレルは正義寄り)。
彼等は金融大恐慌という大波に飲み込まれずに波の上に乗った者であり、
波その物を無効化できるような力を持っていたりはしなかった。
彼等のせいで彼等以外の誰かが助かった訳ではない。
娯楽映画としては勧善懲悪の方が受け入れられやすいので痛し痒しだが、
映画はそんな常識をふっ飛ばして面白い。
魅力的な登場人物を配置し、
残して分かりやすく説明する知識と省略しても差し支えない知識とを取捨選択し、
それぞれの人物に試練を与え、それを回収する。
この映画のための事前勉強とか必要なしに
けっこう難しい内容を迷う事なく見れるのはちょっと凄い。
チーム分けは三つ。
(1) クリスチャン・ベールの発起人
(2) ライアン・ゴズリング+スティーブ・ガレルの後追いグループ
(3) ブラッド・ピットと若者の別・後追いグループ
(3)のブラッド・ピットが一番爺さんとして扱われているので泰然自若、
目の前で起こっている不正にも経験の上から理解がある。
仮にこの件で失敗してもオブザーバー位置の彼は生活を失わないだろうし、
若者はその若さを糧に再チャレンジすればいい。
だから、ここのパートは若者二人が破綻した会社に潜り込むなどの
「いい絵」を持ちながらあまり、ひりつかない。
(1)と(2)に関しては基本、同パターンだ。
(1)は理論を見つけた安樂椅子探偵、(2)は実証検分を元に推理する特捜警察
という描き方の違いがあるだけで、当然、起こらなければおかしい破綻が
歪みで起こらない事により追い詰められる焦燥感と、それを乗り切った勝利、
これは同一パターンなので同じように描かれる。
どちらも自分の信念を通す男の魅力がぷんぷんだ。
良心的なのは、どちらも得た物を「苦い勝利」としている事だ。
「自分だけは破綻しなかった。イェーイ」とも描けたがそうはしなかった。
勝ちたくない側面もあるが、勝たない訳にはいかない、と描写した。
これで、とても複雑な味わいのある終わり方になった。
役者としてお得なのは(1)の天才、クリスチャン・ベールの天才兼変人っぷりと、
(2)のいつも怒ってるスティーブ・ガレルの庶民に即した社会正義への憂愁だ。
正しい事が正しく起こらない怖さと、
そのために危険度が急カーブで上がっていく事態がよく分かる。
しかもラストで、これらの事態の諸悪の根源が淘汰されていない事が告げられる。
ブラックすな。
『華麗なる大逆転』という副題が、すったもんだの挙句
システムは何も変わりませんでした、って意味だったりして。
それだったら本当ブラックだなあ。
【銭】
新聞屋系の無料鑑賞券を貰ってそれで見に行ったづら。
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・マネー・ショート 華麗なる大逆転@徒然なるままに
・マネー・ショート 華麗なる大逆転@流浪の狂人ブログ
PS セレーナ・ゴメスを使った説明が良かった。あれは分かりやすい。
PS2 原題に近い『マネー・ショート』はまだいいとして
(『債権戦争』みたいな邦題ではお客が如何にも来なそうだから)、
副題の『華麗なる大逆転』は明らかに気持ち悪いくらい違う。
『カレー食う大逆転』でも違うけど、『加齢しそうな大学生』
だったらギリ近いかもしれない。まあ、なんだ、副題いらないよ。
2016年04月01日
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を109シネマズ木場7で観て、こりゃ賛否両論だわなふじき★★★
▲ちば拓の『キックオフ』の名シーンを再現中の二人。
五つ星評価で【★★★最良のカットがあるが、話は迷子状態】
・・・なので、ストーリーを重視する人はあかん状態で、
「何故このかっこよさが分からん」という人と相反してるのではないか?
ストーリーを取るか絵を取るか、なかなかね、天は二物を与えず。
私は絵のかっこよさは認めるが、ストーリーに引きずられて、
「ダメ」じゃないけど、そんなに積極的に好きではない。
問題なのはレックス・ルーサーの正体が掴めない点。
この映画は『マン・オブ・スティール』の続編の位置付けで、
一本の映画としての独立度は元から高くないとは言え、
バットマンとスーパーマンの争いの主たる理由が、
次回作で明らかになるという構造はいくら何でも客に甘えすぎだろ。
ジェシー・アイゼンバーグは嫌いじゃない役者なので、
次回作でちゃんと「ぞっとするような理由」を付けてほしいけど、
あかん空気が濃厚に漂ってくる。
あと、キャラの付け方が『バットマン』のジョーカーっぽいのも気になった。
同じ傾向のキャラは一つの世界に二ついらない。
オリジナルまんが版のレックス・ルーサーは命と引き換えに禿にされた事を恨んで
スーパーマンと対抗してるって噂があるのだけど、
そんなラテンな設定はクリストファー・ノーラン世界では採用されないよなあ。
(それ以前に今回のルーサーは禿ではなかったし)
それにしても楯を持ったあの人の登場シーンは燃えた。あれはかっこいい。
今回のビラン(悪役)は軽口男と筋肉バカなのだけど、
軽口男は軽口が上滑りするだけで作品内で真意が掴めず、
筋肉バカは単に強いだけでつまらん。
ドラゴンボールのスカウターで数字がでかいだけの奴だな。
上手い事やれば気円斬で勝てたりするかもしれん。
元気玉とかカメハメ波とか同じ類の物をぶつけて力比べしてはいかん。
スカウター付きでこの映画見たら面白いだろうな。
バットマンの父ちゃんが5、母ちゃんが4、暴漢が10、子供ブルースが2、
スーパーマンが1000000、バットマンが1000とか、そんな感じじゃないかな。
ロイス・レーンはまんがの女教師っぽいヒス女イメージが逆に好きなので、
エイミー・アダムスは何か同じ名前の人にしか見えない。
いや、原作を読んでる訳でもないから申し訳ないんだけど。
そういう意味では全くイメージのない
母ちゃんを演じたダイアン・レインはよかった。
パンツを履いてないヘンリー・カビルのスーパーマンも見なれてしまった。
やっぱパンツは穿く派なんだけど。
今回、「ヒーロー」とか「人間」とかという視点でなく、
「得体のしれない宇宙生物」みたいなカットがあったのは面白かったけど、
あれをスーパーマン映画でやるのは得策ではないんじゃないか?
バットマンのベン・アフレックは「育ちが悪そう」とか言われてるけど、
満身創痍でぎこちなく生きる男は私は好きだ。
プレイボーイのブルース・ウェインよりバットマンに寄った演技がベースで、
決してスマートじゃなくゴツゴツ生きてる感じが、
まだスマート路線に進みそうだった少年の頃と対比して、グッと来てしまう。
そういう意味では今回のブルース・ウェインは社交性に乏しく、
隠者のようなイメージだ。私的にはそれでいい。
執事のアルフレッドも執事というよりジェレミー・アイアンズその物なのだけど、
だから成立しないかと言うと成立してしまうのが映画の化学変化だよなあ。
ジェシー・アイゼンバーグの秘書が超絶腰高の東洋系で
秘書だから、あんな事や、こんな事もするのかと思いきやあっさり退席。
えーっ。
そんな事言ったら後天的に乙武君になった、あの男が絶倫5股で、
あの東洋系の秘書と、あんな事や、こんな事もするのかと思いきや、
いや、秘書の秘所が、、、、、、んがんっぐ。
鳥山明のマンガだったら、バットマンとスーパーマンがフュージョンして筋肉野郎と戦って負けそうになったところに未来から来たトランクスが筋肉野郎を一刀両断して、新しい新章か始まるって、それじゃ終わらないじゃん(あっ、ジャス誕も終わってないか)。
【銭】
火曜日109シネマズのメンバーズ曜日割引で1300円。
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・バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生@或る日の出来事
・バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生@ここなつ映画レビュー
・バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生@徒然なるままに
・バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
・マン・オブ・スティール@死屍累々映画日記
PS 『バットマン vs スーパーマン ジャスコの誕生』
PS2 『ジャステムの誕生』という副題は
後のジャスティス・リーグを考えれば、早めに手を打っておきたかった
という心持が分からなくはないのだけど、
やっぱり単に『正義の夜明け』で良かったと思う。
PS3 そうそう、ロスケの手下の勇猛さは褒めてあげたい。
数値1000のバットマンに100くらいのチンピラが恐れずに立ち向かう。
ああいう命知らずがいるからこそアクションは燃えるものになるのだ。
2016年03月24日
『ひつじのショーン いたずらラマがやってきた!』を丸の内ピカデリー3で観て、ラマこええふじき★★★★
▲三匹の虎がグルグル回るとバターが出来るなら、
ラマだったらきっと「ラーマ」になるだろう。
五つ星評価で【★★★★おもろいけど地味に怖い】
テレビシリーズのベストセレクションが35分。
短編『いたずらラマがやってきた』が28分。
ベストセレクションも卒なくどれも面白い。
「ベスト」を選出するより「駄作」を選出する方が難しいんじゃなかろうか?
(いやいやいやいや、そんなこと言いながらTVは全く未鑑賞なのだけど)
それにしても、相変わらず「言語」未使用の徹底さには驚く。
で、本編に当たる『いたずらラマがやってきた』。
怖い。ラマ怖い。
剥き出しの歯も怖いが、威圧的な大きさで「勝てない」事が一目で分かるのが怖い。
外見だけならともかく、このラマに豚も犬も羊も人も実際に適わない。
突如、牧場に現われた最高峰のヒエラルキー存在。
何が怖いって、「勝てなくて当たり前」の意識が無意識に浸透してしまう事
(特に飼い主に顕著だった)。
ラマの顔が攻撃性と外向性を強く打ち出すように口が大きく、3匹中2匹がとても大きく目を剥いていて、1匹の目が完全に隠れている。躁状態であるが上に何をやりだすか分からない2匹と、表情が見えない1匹。ヤクザ映画のチンピラと重鎮みたいだ。
『ひつじのショーン』では羊にしても、豚にしてもすごく大口を開けないし、目を剥いたりもしない。一拍置いた感じというか、とっても感情表現が緩やかなのだ。これと相反する特徴の顔をよく持ってきたもんだなあ。
と、クドクド言ってきたが、それでもちゃんとコメディーとして正しく面白い。
凄いもの作りよるよのおエゲレス人。
【銭】
劇場入場料金1300円だが、チケット屋で額面1100円の前売券を1080円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ひつじのショーン スペシャル 〜いたずらラマがやってきた!〜@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・ひつじのショーン スペシャル 〜いたずらラマがやってきた!〜@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・ひつじのショーン スペシャル 〜いたずらラマがやってきた!〜@SGA屋物語紹介所
・ひつじのショーン スペシャル 〜いたずらラマがやってきた!〜@徒然なるままに
▼関連記事。
・ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム@死屍累々映画日記
2016年03月21日
『アーロと少年』をトーホーシネマズ六本木2で観て、素晴らしい映画に泣きながらひねくれた妄想もするよふじき★★★★
五つ星評価で【★★★★こんなんで泣かんで何で泣くんやあ】
って事で大変涙腺の崩壊しやすいお爺ちゃんになってる今、これは泣く。
今まで映画の中で語られてきた「出あいと別れ」と何ら変わらない。
例え、主人公が夜店で売ってる蛍光緑のゴム人形のような恐竜君であってもだ。
隕石がぶつからなかった仮定の世界での人間は原始動物扱い。
主人公の恐竜アーロが人間の子供を「スポット(日本でのポチに相当する)」と名付けた事から、この人間の子供は姿形は人間だが、実に「犬」その物である事が分かる。
なので、これ仮定の恐竜世界ではなく、単に大昔、原始時代に設定を移せばCGキャラクターだけ人間と犬に置き換えて、もう一本作れるに違いない。そんなのもチャレンジングな試みとして面白いと思う。ってのを進めたくなるくらい背景美術が秀逸。
アーロが旅の途中で会うティラノ親子たちがイカす。
逆にそのティラノ親子の簒奪者である始祖鳥や翼竜は、とても気味が悪い。
アーロの一家が農業、ティラノの一家が牧場を経営しているのに対して、
始祖鳥や翼竜は自分たちで物を生みださない。
始祖鳥は強盗。翼竜は火事場泥棒みたいにして生計を立てている。
だが、もうちょっと抽象的に、彼等の職業を置き換えてみると、彼等は彼等の文明社会において、物を生みださずに富を得る者であると解釈できる。
細かい事は抜かすが、キリスト教の戒律において、賎業とされた職種に「金貸し」がある。自らが額に汗かかず、収穫だけ得る者、『ベニスの商人』のシャイロックに代表される、キリスト教の人間が手を出さない為、ユダヤ人が行っていた浅ましい職業。これらを元にユダヤ人は大金持ちになってユダヤマネーで世界を裏から支配してる、なんて言われるようになったのだ。そして、ハリウッドの映画会社はほぼユダヤ資本。なので、手を動かしてアニメを作成しているスタッフが金勘定だけで儲けてるメジャートップを批判しているのなら面白いな、と思い付いたのだけど、実は『アーロと少年』を作成したピクサーの親会社ディズニー・カンパニー、というより創業者のウォルド・ディズニーは反ユダヤで、ユダヤ人を雇用しなかったらしい。あああ、余計な暴走をして、知らんでいい事を知ってしまった。
【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・アーロと少年@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・アーロと少年@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 恐竜が人間同士を交配させるとか考えに及んで病んでるなと自覚した。
PS2 あっ、インド親子の短編も好きよ。
って事で大変涙腺の崩壊しやすいお爺ちゃんになってる今、これは泣く。
今まで映画の中で語られてきた「出あいと別れ」と何ら変わらない。
例え、主人公が夜店で売ってる蛍光緑のゴム人形のような恐竜君であってもだ。
隕石がぶつからなかった仮定の世界での人間は原始動物扱い。
主人公の恐竜アーロが人間の子供を「スポット(日本でのポチに相当する)」と名付けた事から、この人間の子供は姿形は人間だが、実に「犬」その物である事が分かる。
なので、これ仮定の恐竜世界ではなく、単に大昔、原始時代に設定を移せばCGキャラクターだけ人間と犬に置き換えて、もう一本作れるに違いない。そんなのもチャレンジングな試みとして面白いと思う。ってのを進めたくなるくらい背景美術が秀逸。
アーロが旅の途中で会うティラノ親子たちがイカす。
逆にそのティラノ親子の簒奪者である始祖鳥や翼竜は、とても気味が悪い。
アーロの一家が農業、ティラノの一家が牧場を経営しているのに対して、
始祖鳥や翼竜は自分たちで物を生みださない。
始祖鳥は強盗。翼竜は火事場泥棒みたいにして生計を立てている。
だが、もうちょっと抽象的に、彼等の職業を置き換えてみると、彼等は彼等の文明社会において、物を生みださずに富を得る者であると解釈できる。
細かい事は抜かすが、キリスト教の戒律において、賎業とされた職種に「金貸し」がある。自らが額に汗かかず、収穫だけ得る者、『ベニスの商人』のシャイロックに代表される、キリスト教の人間が手を出さない為、ユダヤ人が行っていた浅ましい職業。これらを元にユダヤ人は大金持ちになってユダヤマネーで世界を裏から支配してる、なんて言われるようになったのだ。そして、ハリウッドの映画会社はほぼユダヤ資本。なので、手を動かしてアニメを作成しているスタッフが金勘定だけで儲けてるメジャートップを批判しているのなら面白いな、と思い付いたのだけど、実は『アーロと少年』を作成したピクサーの親会社ディズニー・カンパニー、というより創業者のウォルド・ディズニーは反ユダヤで、ユダヤ人を雇用しなかったらしい。あああ、余計な暴走をして、知らんでいい事を知ってしまった。
【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・アーロと少年@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・アーロと少年@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PS 恐竜が人間同士を交配させるとか考えに及んで病んでるなと自覚した。
PS2 あっ、インド親子の短編も好きよ。