2013年に公開したもしくは観た邦画

2013年04月17日

『さよならドビュッシー』をHTC渋谷2で観て、橋本愛に涙する男ふじき★★★★(うっすらネタバレあり)

五つ星評価で【★★★★橋本愛のオロオロの凄さ】


原作は未読。
割と周りの評価が低い点も分かりつつ、それでも褒めてあげたい一本。

弱点は大きく二点。
・天才ピアニスト役を演じる清塚信也の演技が「下手」というより幅が大きすぎて、
 この人、大丈夫なのかしらという気持ちにさせる。
・ミステリーとしての弱さ(こういうのに鈍い私でも気づいてしまった)。
 又、事件としていろいろ論理的に整合性が合わない部分も内包している。

にも関わらず、橋本愛の素晴らしさの前に、全てを許してしまいたい。
ドラマがそのドラマツルギーの全力を行使して、橋本愛を虐めつくす。
橋本愛はただただじっと耐える。
そして、その我慢が臨界点を超えた時、彼女は一気呵成にオロオロを爆発させるのだ。
このオロオロが素晴らしい。
『ツナグ』でも橋本愛のオロオロには手ひどくやられたが、
今作でもその壮絶なオロオロに一切の手抜かりはなかった。

そう、橋本愛はオロオロが似合う女優なのだ。似合いすぎる。

多分、それは彼女のクールな外観が功を奏しているのだと思う。
どう見ても、その外観と見あって、障害や障壁など乗り越えてしまいそうに見える。
でも、人間はそんなに強くない。彼女はそれを演技で爆発させる。
怒涛と押し寄せる感情の破綻、決壊、を大胆かつ精緻な演技で展開させる。

上手いわあ。

もう、彼女が「フランケン」と自分が呼ばれてるのを聞いちゃってるとこや、
事故がもとで、抜き差しならぬ状態に追い込まれている状況などに、
キュンキュンせずにはいられない。

ラストのドビュッシーの演奏に至るまで、
彼女は極力腕から脚からその生肌を見せる事はない。
それは「フランケン」よろしく醜いツギハギを隠すためであるが、
それだけではなく、彼女の中から溢れようとする
美しく微かな「月の光(陽光ではない)」を隠そうとする行為でもあるのだ。
何という自己否定。
可哀想でたまらない。

演奏その物が人生との戦いである構造は『砂の器』を連想させたりもする。



【銭】
テアトル会員制度継続時にもらったサービス券使用。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
さよならドビュッシー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
さよならドビュッシー@映画的・絵画的・音楽的
さよならドビュッシー@徒然なるままに
さよならドビュッシー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 橋本愛は普通の役の時ってシレっと演じるだけなので、
 その人が橋本愛のどの映画を見たかによって、随分、イメージが違って映ると思う。
PS2 カーチスがパジャマを着ていたという展開はどうだろう。
PS3 まち子先生のブログでもう一ネタ。


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