2017年05月22日

『追憶』を東宝シネマズ渋谷4で、『日本一短い「母」への手紙』を神保町シアターで観て、リアルな母と一代記的な母とふじき★★★,★★

母役を思いながら2本まとめてレビュー。

◆『追憶』
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▲果てしなくオーラがないのが上手い西田尚美(だよね)。
 まあ、本音で言えば岡田君の写真が使いたいんだけど。

五つ星評価で【★★★どこか主演の三人が上手く撮られていないように見えるのは俺の欲目だろうか?】

降旗康男監督×木村大作撮影だけど、
予告見た時から景色の絵を綺麗に(標準的に)撮りすぎてるのと、
主役男子三人が並べて立たせると岡田君が引き立たないのとで心配してたら、
心配してた通りになってしまった。

映画の背景としての景色はどこもかしこも綺麗に撮る必要はない。
ここぞと言うカットがバシっと決まればいい。
でも何か記念写真見たいに絶景が量産されていて、その景色に感情が乗らない。

岡田准一が小さいのは元から知っているのだけど、
小栗旬と柄本佑と並べて立たせると、とてもバランスの悪い絵になる。
岡田の服が黒で、小栗の服がオレンジだったりするので尚更大小が絵として強調される。
岡田がチビでかっこ悪くなるだけでなく、小栗も膨らんで見えてかっこ良くない。
そんなどっちも損する撮り方をするなよ(気になってるからそう見えるのかなあ?)。

岡田は過去の事件により、のっぴきならない状態に追い込まれる男だが、
基本正義漢であるのは間違いないが、行動が正しくないので観客からは支持し兼ねる。
そして、いつも限界まで追い詰められていて余裕がないので、大きな人間に見えない。

小栗旬は、とても気持ちのいい男を演じているが、主演の岡田とだけは打ち解けない。
なので「とても気持ちのいい男」が話の中で効果的に作用しない。
小栗旬の妻になる木村文乃にちょっと『オールド・ボーイ』っぽい影を感じるけど、
それは違うよな、そんな昔から知ってた訳ではない筈だから。

柄本佑は岡田と小栗を埋めるキーパーソンとしていい感じなのだが、出番が少ない。
生活に疲れている。明るくない。暗い。

三人とも程度の差はあれ疲弊している。それを観客が見せられるのもどんなもんかなあ。
話の転がり方には納得が出来るのだが、誰にも感情移入できないようでは映画にならん。
これ、昔の邦画なら、30後半の彼らくらいでよかったけど、この三人がそれぞれ家族の生活を支えているという事に「今のリアリティー」がないのかもしれない。本来は紆余曲折色々あった大人が演じると味が出るのだが、そうするとこれは『64』の佐藤浩市くらい老けさせないと人物像として成立しないのかもしれない。みんな若くってそんなに重荷を背負って生きてるように見えないじゃん。

役者としては安藤サクラが相変わらず上手い。
矢島健一、北見敏行、安田顕、三浦貴大の刑事組もいいコンビネーション。
そして相変わらずどんな時代でも突出して屑が似あう渋川清彦。
だけどこの映画の一等賞はりりィ。あのダメ母のリアリティは凄い。惜しい役者を亡くしました。

PS いかん。書こうと思ってずっと忘れてた。
 岡田准一くんが地元・富山で使う車のナンバープレートが「45−02」で、
 「仕事の鬼」の宛て数字だ。



◆『日本一短い「母」への手紙』
五つ星評価で【★★でも、裕木奈江が見れたから「るん」】
特集「母と言う名の女たち」から1プログラム。
一般興行の時に見逃した一本。1995年の映画でこれも木村大作撮影。

裕木奈江は可愛いし、自分を捨てた母を受け入れられないのもまあ分かる。
原田龍二は爽やかで、自分を捨てた母でも、受け入れてしまうのも分かる。

ただ、捨てた母の十朱幸代が捨てた理由もあまり明確じゃないまま、水商売の成功者としてそれなりの大人物になっており、上から、もしくは対等の目線で子供と対峙しようとするのは十朱幸代だから許されるのであり、実際は『追憶』のりりィみたいなのがリアルなんだろうなあと思う。そこの部分をファンタジーにしないと映画として成立しないから、これはこれでしょうがない。

22年前の映画だから、どの役者を見てもみんな今と比べると若々しい。
それは当たり前なのだが、ただ一人笹野高史だけは、この映画の時点で
今の笹野高史として完成されているのが凄すぎて笑う。


【銭】
『追憶』:トーホーシネマズデー1100円。
『日本一短い「母」への手紙』:神保町シアター当日一般料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
追憶@ぴあ映画生活
日本一短い「母」への手紙@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
追憶@映画的・絵画的・音楽的
追憶@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
追憶@ここなつ映画レビュー
追憶@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

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14. 追憶  [ E'S STREAM ]   2017年06月06日 20:14
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13. 映画「追憶」  [ FREE TIME ]   2017年06月06日 06:06
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11. <追憶>  [ 夢色 ]   2017年06月01日 23:19
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「夜叉」「鉄道員(ぽっぽや)」など数々の名作を手がけた降旗康男監督と木村大作カメラマンのコンビが9年ぶりにタッグを組み、「永遠の0」「海賊とよばれた男」の岡田准一を主演に迎えて贈るヒューマン・サスペンス。一つの殺人事件をきっかけに25年ぶりに再会した幼な...
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1. 「追憶」  [ ここなつ映画レビュー ]   2017年05月22日 00:19
オープニング、海の荒波の風景が映し出され、「ザ・日本映画」の様相を呈している。そして内容ももちろん「ザ・日本映画」なのであった。こんな風に、故郷と、隠された過去と、解かれていく運命の糸とが交錯し…これぞ「ザ・日本映画」!富山を舞台とした作品である。富山と

この記事へのコメント

1. Posted by ここなつ   2017年05月22日 00:23
こんばんは。
「追憶」の方ですが、
ぶっちゃけ、子供時代の時から岡田准一は「やろう!」とは言い出して最初の一歩は踏み出すんだけど、結果を引き受けるのは小栗旬、という構造になっていましたよね。
それがそのまま大人になったという印象を受けた展開でした。
2. Posted by クマネズミ   2017年05月22日 05:22
お早うございます。
撮影・木村大作+ロケ地・北陸となれば、『劔岳 点の記』を経由して、すぐさま「景色の絵を綺麗に(標準的に)撮りすぎ」てしまい、「記念写真見たいに絶景が量産」されることに行き着いてしまうのでしょう。それに、監督・降旗康男+高倉健が、例えば『鉄道員(ぽっぽや)』を経て、「岡田の服が黒」となり、「いつも限界まで追い詰められていて余裕がない」感じになってしまうのではないでしょうか?あるいは、高倉健が3人の俳優に分散しているのかもしれません。モット言えば、「主役男子三人が並べて立たせると岡田君が引き立たない」とか「三人とも程度の差はあれ疲弊している」などとおっしゃるのはそのとおりで、そうであれば、なにも3人も登場させずに岡田准一(あるいは3人のうちの1人)だけにしたら、もっと説得力のある作品を制作できたのでは、という感じにもなってきます。
3. Posted by yukarin   2017年05月23日 13:56
追憶...良い役者さんがそろっていたので見応えありました〜
岡田くん...そうなんですよね小栗くんとかと並ぶと小さく見える(実際小さい)のが残念です。こればかりは仕方がないのですが、、、
4. Posted by ふじき78   2017年05月23日 23:45
こんちは、ここなつさん。
小栗旬が「俺の名前は実はるぱ〜ん三世、サトシを殺した真犯人はあの女だ!」と事件を解決してしまえば、もっと閉じた構造になったのに。あれ、小栗旬は名探偵コナンの実写化もやってたんだっけ?
5. Posted by ふじき78   2017年05月23日 23:49
こんちは、クマネズミさん。
一人一人にダメ出しをするほどひどい訳ではないんだけど、あの三人に惹かれる所がないんですよね。監督が言うみたいに高倉健を引き合いに出されても、高倉健ではないからね。三人を一人にして、高倉健さんの代役として西田敏行さん辺りが演じた方が説得力があったんじゃないですかねえ(年齢の問題があるけど)。
6. Posted by ふじき78   2017年05月23日 23:53
こんちは、yukarinさん。
いや、でも、背の小ささと言うのは、実は撮影のアングルや芝居の仕方でそれなりに誤魔化す事が出来ます。そういう外面より内面を見せたいという撮り方だったのかもしれないけど、私は見ていて客が気になるのなら、そういうのは摘みとってしまえという考えなので気になりました。
7. Posted by ノルウェーまだ〜む   2017年06月01日 23:19
ふじきさん☆
いつもコメントありがとうございます!
全く同感ですね〜
どの人にも今一つ感情が入っていけない。高倉健のように渋く俳優として円熟してきたぞ感を出したいだけの、上滑りな印象が否めないです。
岡田君はジャニーズとしてでなく、チビでも良し!として俳優岡田に徹した撮影方法で挑んだ意欲は良いんじゃないかな…と思いました(笑)
8. Posted by ふじき78   2017年06月02日 23:25
こんちは、まだむさん。
岡田くん決して悪い役者じゃないのだけど、出る役、出る役、しかめっ面してるんだよね。もうちっと出てる役の数、制限した方がいいんじゃないですかねえ。
9. Posted by    2017年06月06日 20:02
岡田の身長よりも、体重とのバランスの方が気になりました。細マッチョならば、アクションがない刑事であっても、観て違和感がないように思いました。

仕事よりも、小栗の役柄の男性との関係を重視したのは、彼が、刑事として不幸で、厳しい立場に置かれているからではないかと。今の辛さを忘れさせてくれるのは、友情やコミュニケーションだからです。

出世で忘れられるほど、彼らの過去は軽くないですが、その罪悪感が抑えとなって、反動でエンジンとなり、今の出世にたどり着いたのだとしたら、そのおかげだとしたら、彼らがあるのであれば、それで良いのではないかと思いました。
10. Posted by ふじき78   2017年06月09日 23:11
こんちは、隆さん。
脱いでないから分かりづらいけど、岡田くん鍛え方が半端ないから細マッチョだと思うわ(仕事上問題あるからムキムキみたいなビルドアップにはせんと思うのだけど)。
恩人の前で泣くのは美談として正しいかもしれないけど、奥さんに向かって泣くという方がリアルな話としては正しい気がする。実母はともかくとして、長澤まさみが一番気を使ってあげるべき相手だと思うのですよ。

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