『仁義なき戦い 代理戦争』『実録外伝 大阪電撃作戦』を新文芸坐で観て、あーおもれーのふじき★★★★,★★★『私、違っているかしら』を神保町シアターで観て、意外と芋いかな?ふじき★★★★

2017年05月29日

『イップマン 継承』を新宿武蔵野館1で『美女と野獣(吹替)』『帝一の國』を109シネマズ木場3,6で観て、どれも最強ふじき★★★★★,★★★★,★★★★★

最強3本を忘れる前にレビュー

◆『イップマン継承』
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▲「この手が、この手がいけないんだあ!」

五つ星評価で【★★★★★不安を瞬殺する傑作】
実の所、映画を褒めるのは照れる。
でも、そんな照れとかもうどうでもよくなるくらい、これは褒めんといかん映画だろう。
前二作と比べると静かな映画である。
映画はイップ・マンが熱狂の中で勝って英雄になる事よりも、
真に正しい勝利を勝ち取る事を選んだ。気高い映画である。

工場に子供を助けに行く百人組手も素敵だが、
タイのキックボクサーから夫人に害をなさないように離れて圧倒するシーンも素敵だ。
タイソンとの一騎打ちもいいが、同門対決も見逃せない。

カンフーカットがアクション映画として優れている事は勿論だが、
そのアクションの中にも、普段の佇まいにもイップ・マンの個性が際立つ。
ドニー・イェンが出ているシーンは全て美しい。
妻役のリン・ホンもやるべき事をやりきった美しさがある。
もちろん好敵手の位置にいる同門の使い手マックス・チャンも良い。

それにしても、この映画がドニー・イェンがあまり若い頃に作られなくて良かった。
年齢を重ねた上での、師匠的な佇まいや達人としての顔、今のドニーだからこそ出せる良さが出ていると思う。

ただね、興行としては充分ペイするくらい入ってるのかもしれないけど、出来ればこれを昔の新宿ミラノ座みたいな殺人的なくらい客が入る大劇場の大スクリーンで見たかった。

PS そう言えば、学校の美人先生と弟子のロマンスみたいなのが
 あるかと思ったら全然進まなかったなあ。


◆『美女と野獣(吹替版)』
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▲素敵なエマ・ワトソン

五つ星評価で【★★★★キャー、エマ・ワトソン】
大好きなエマ・トンプソン(ポット夫人)も出ているが、まあ、まずは何と言ってもエマ・ワトソンである。かーいーの何の。そして、アニメのベルその物と言うより、アニメよりかーいーのがもうメチャクチャだ。

野獣もアニメ版ではペットぽかったのが獣感マシマシになってて良かった。
獣であるだけでなく、表情が愛を拒絶するかのように孤独な影に覆われている。

あと、ガストンが素晴らしい。
人間が演じる事で、人間のいやらしさが100倍くらいリアルに伝わってくる。
扇動シーンの恐ろしい事よ。

全体のバランスから言ったら、ベルが野獣を好きになるプロセスがちょっと駆け足すぎると思った。あそこはもちっとジックリちゃんとやらんとベルが遺産(=本)目当てで心を動かしてるみたいな流れが強調されてしまう。それはゼロではないのだが、それだけでもないのだから抑えて出力しておきたい。


◆『帝一の國』
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▲♪若い息子がうっふ〜ん、お色気ありそにうっふ〜ん

五つ星評価で【★★★★★エンドロールという武器】
映画として、物語として、ちゃんと普通に面白いのだが、エンドロールの永野芽郁がダメ出しで素晴らしすぎるので、そこでこの映画の価値が5倍くらい上がっている。
この映画の永野芽郁は凄く抑制されて撮られている。
衣装はレトロなセーラー服だし、滅多にアップにならないし、笑顔が封印されているし、
その抑制が最後の最後でひっくり返されるエンドロールの輝き具合が凄い。
『パズル』の夏帆のエンドロール・ダンスに匹敵する(ベクトルは正逆)。

キャラとしては氷室ローランド・間宮祥太朗が謀略の野村周平の立てた戦略により、王道を踏み外していく様子が「いとあはれ(グレート哀愁)」で目を引かれた。巨神堕ちるみたいなスペクタルには目を奪われる。

ドラマ上の問題点としては戦術の男・千葉雄大があまり戦術を駆使しているようには見えない点があげられる。

PS クマネズミさんのところ(映画的・絵画的・音楽的)に書いたコメントが
 自分らしいと思う。
 僕は、言葉遊びで勝つ。−−−−−勝てんわい!


【銭】
『イップマン継承』:チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞(4枚目)。
『美女と野獣』:109シネマメンバー感謝デー(毎月19日)で会員1100円。
『帝一の國』:109シネマズデー(毎月10日)で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
イップ・マン 継承@ぴあ映画生活
美女と野獣@ぴあ映画生活
帝一の國@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
イップ・マン 継承@ここなつ映画レビュー
イップ・マン 継承@ノラネコの呑んで観るシネマ
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美女と野獣@映画的・絵画的・音楽的
美女と野獣@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
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帝一の國@だらだら無気力ブログ
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帝一の國@映画的・絵画的・音楽的

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この記事へのコメント

1. Posted by クマネズミ   2017年05月29日 05:18
お早うございます。
『美女と野獣』については、「ベルが遺産(=本)目当てで心を動かしてるみたいな流れが強調」とあるところ、なにはともあれ、ベルが大好きな戯曲『ロミオとジュリエット』の文章を野獣が諳んじていることにピッと来たのですから、そう見えても仕方がないようにも感じます。
逆に、『帝一の國』の菅田将暉が、学校での成績がトップであるにもかかわらず、「本」を読む姿が見られずに、選挙戦だけに埋没“してるみたいな流れが強調されてしま”っているのは、もちろん「それはゼロではな」く、むしろメインの話であるにしても、決して「それだけでもないのだから抑えて出力しておきたい」という感じがしたところです。
とは言え、この程度では単に「言葉」をアレンジしているに過ぎず、いただいたコメントのように、「言葉」を創造することによって「言葉遊びで勝」とうとされる「ふじき78」さんには、とても勝てるわけがありません。
2. Posted by ふじき78   2017年05月29日 23:10
こんちは、クマネズミさん。
私も自分が好きな少年マンガを語る女子には目がハートになりつつあるのですが、逆に自分の好きな少女マンガを語るオタクには女子はキュンと来てくれなそうだなあ。
1011−92→3150(こんなこと考えてないで本を読め俺)
3. Posted by ここなつ   2017年05月30日 12:53
こんにちは。「イップ・マン」の方に。

本作は、ドニー・イェンが限りなくイップ・マンその人のイメージに近づいた作品になったのではないかと思っています(両者とも実物と話したことないからわからない、といえばわからないのですが)。今回のドニー・イェンは、ギラギラな感じがないけれど、脂がまったくそぎ落とされたかというとそうでもないような。
あの妻を守るタイ人との格闘は良かったのですが、ちょっと悲し過ぎた。そしてタイ人、もっともっと強い奴だったらもっともっと良かったと思います。
4. Posted by ふじき78   2017年05月30日 22:47
こんちは、ここなつさん。
私、「イップ・マン」は1対100みたいな集団戦が来ると、「イップ・マン」らしいなと思いますね。まあ、タイ人もあまり強くし過ぎちゃうとタイソンが浮くのでアレでいいかなあ。

本当のイップ・マン、デブゴンみたいだったら笑うな。
5. Posted by yukarin   2017年06月01日 16:09
野獣さんのままでも良かったような。
人間に戻ってあれ?って 笑

>ベルが遺産(=本)目当て
あっそっかー!! 笑
6. Posted by Ageha   2017年06月02日 10:21
>ベルが遺産目当て。
・・・わ〜知りたくなかった。(;^_^A
ま〜それだけではないように見せてくれてたからまいっか。

つい最近もフランス版?の美女と野獣、
テレビでやってましたけど
野獣のビジュアルだけいうたら断然ディズニー。
・・・で、もとにもどったらがっかり。(コラコラコラ)

ガストン、ほんとやな奴メガ盛でしたね。
あたしゃ〜あのひとが王子だったらよかったのにと
そればっか。(爆)
人は見た目やないっていう肝心のところはまったくもって
わたしには効かなかったですわ。(爆)
7. Posted by ふじき78   2017年06月02日 22:51
こんちは、yukarinさん。
もう一つ意地悪な展開を仕込んで、王子に戻った野獣がガストンそっくりだったらベルは抵抗なく好きになれるのかしら、とかも思いますね。野獣はともかく、家臣は人間に戻してあげないと可哀想だから、魔法が解けるのは大筋賛成なんですけど。
8. Posted by ふじき78   2017年06月02日 23:05
こんちは、Agehaさん。
やな奴メガ盛と言えば、この間、「仁義なき戦い 代理戦争」で見た川谷拓三がマックスだった。一度鉄砲玉を失敗して手首を詰めて以来、度胸がなくなって、他人を鉄砲玉に仕立てて、手柄を横取りにしようとする。で、若者を鉄砲玉に仕立てるのに恩を着せるのに、嫌がる自分の女を殴って従わせて抱かせてやる。うん、サイテーだった。

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