2017年04月11日

『たそがれ酒場』『夜の緋牡丹』を神保町シアターで観て、猥雑で面白いのとそうでないのと★★★★,★

◆『たそがれ酒場』
五つ星評価で【★★★★猥雑なショー酒場の開店から閉店までのドラマ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
そこに長く居座る者もいれば、頃合いを見計らって出ていく者もいる。
裕福ではないし、階層は下層だが、皆が助け合ってひしめき合って生きている。
1955年新東宝のモノクロ映画。
時代は太平洋戦争が終わってしばらく経ち、朝鮮特需で高度経済成長期全盛、
社会全体が潤っている頃であり、貧乏人が努力で儲けられる
そんな猥雑なパワーに満ちていた頃、貧乏人がひしめくショー酒場の一夜。

大戦の隊長(東野英治郎)と軍曹(加東大介)は昔を懐かしみ、今の日本を否定する。
そんな安酒場で酒も飲めない時化た東野英治郎と、
酒を飲んで盛り上がってる大学生の対比。
昔の東野英治郎はいつも負け犬みたいで出会えると「ああ、又、不幸だった」と楽しい。

その大学生の群れで太鼓持ちみたいな盛り上げ役をやり、1杯ありついてるのは
「小判鮫」と仇名される店の常連、多々良純。
離籍した客の酒を勝手にグイグイ飲み干す。おいおい。
でも、多々良純ってそういうのやりそうな顔。

女の子の利権で揉めている丹波哲郎一味と宇津井健。
宇津井健が丹波哲郎を制する意外な武器は、
うん、庶民的だが、あんま持ち歩くもんじゃないよな、それ。
ワルの丹波哲郎、瞬きしないでいいなあ。
利権の女の子、野添ひとみ可愛い。

元画家現パチプロの小杉勇は江藤(江川宇礼雄)の弟子がこの酒場の専属歌手で終わる事を嘆いている。そんな時、客に有名楽団の指揮者が来て、弟子の歌声を耳にして、移籍話を持ちかける。江川宇礼雄荒れる荒れる。でも荒れる理由がある。ここが泣きどころ。

元画家パチプロ小杉勇の画家を廃業した理由も良い。
彼は先の大戦で兵士を鼓舞した事を苦にしているのである。
彼の所に大戦中いっしょに戦地を回った従軍記者が現れる。
記者の方は相変わらず新聞を出しているようだ。ここに皮肉がある。
もちろん画家も鼓舞しただろう。だが、新聞記事には敵わない。
その新聞記者は別にのんきにそのまま同じ職業を続けているのである。

店全体が猥雑な活気に満ちているのは好景気のたまものだろう。
この好景気のドンチャン状態が朝鮮特需という、
人の血の上に立ってるみたいに思うのは、まあ、一応考えすぎの範疇なのだろうな。

店の中に所狭しと貼ってある値段表。今の1/10くらいの価格。


◆『夜の緋牡丹』
五つ星評価で【★主役が嫌な奴】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
主人公が何を考えてるかわからない。
女の子にひかれるままに結婚して、立身出世したら新しい女を抱いてしまう。
でも、新しい女に溺れてはいるが、ゾッコンそうでもないのだ。

そんな奴は好きになれない。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
たそがれ酒場@ぴあ映画生活
夜の緋牡丹|映画情報のぴあ映画生活

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