2017年02月19日

『マグニフィセント7』を109シネマズ木場4で観て、好きになりたかったのにふじき★★

170869_1
▲7人

五つ星評価で【★★出来れば好きになりたかった】
『七人の侍』は偉大なる傑作だし、
『荒野の七人』はクリーンヒットな佳作だと思ってる。
そいで、今回のはちょっと前に『七人の侍』を見直してしまったのがいけなかった。あんな面白いのを見てしまうと、やはり通り一遍の物語では対抗できない。

もっともあかんと思ったのは七人のガンマンは外見的な個性はありつつも、内面的な個性が今一つよう分からんかった事だ。この点、原典は逆。侍たちは似たり寄ったりの面々なのだが、その活躍や行動で自分達の存在を立てていく。
侍の陣容は参謀、参謀の昔からの忠臣、参謀を見初めた参謀と同じ実力を持った副参謀、剃刀のような剣客、明るい薪割り武士、若者、荒くれ者。
ガンマンの陣容は(宣伝文句によると)賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、暗殺者、流れ者、ハンター、戦士。いや、このキャッチフレーズでは違いが明確に浮かばない。
言い換えると、賞金稼ぎの黒人、酔っぱらいの荒くれ者、黒人の昔の仲間とその相棒、メキシコ人の悪漢、田舎者デブ狩人、インディアンの無口な若者。内面より外観が多いな。そして、その外観に基づく個性があまり見えてこない。

原典の七人は七人に限らずお人好しだ。日本人ってお人好しが多いのだ。だから、悪態を付く駕籠かき同様、百姓に肩入れせずにはいれない。理屈的にはバカな事だ。でも、情がその理屈を捩じ伏せる。そういう七人だった。

ガンマン達は何でこの作戦に志願したのかがよく分からん陣容だ。黒人の賞金稼ぎは直接、被害者を見てるからまあ、いいとしよう。彼の昔からの仲間とその相棒もまあ、黒人を知ってる仲だからギリよしとしよう。酔っぱらいの荒くれ者(ギャンブラー)、こいつは分からん。酒場に酔っぱらいなど転がってるだろうし、彼の態度が黒人の行動に心酔したようにも見えない。単に後ろを付いてくる酔っぱらいって逆にイヤだろう(たまたま腕が良かったからプラマイゼロだけど)。普通に考えたら、この酔っぱらいは黒人を見初めたホモでしかない。メキシコ人の悪漢は全く彼が行動を共にする理由が分からないし、狩人も何となく、にしか見えない。何だ洗脳か。インディアンは神の啓示だからオカルトである。それはまあ、逆にありか。
彼等は烏合の寄せ集め集団であるが、彼等同士の関係や彼等と町人の関係もよく描かれていない。最近は黒人のガンマンも描かれるようになったが、メル・ブルックスの西部劇コメディー『ブレージング・サドル』で黒人の保安官が赴任地でいきなり縛り首にあったように、黒人が根差していない土地ではうさんくさくて信用されづらいだろう。ぱっと見町人に黒人の姿は見えなかった。そういう所で反対派の彼等に近づく賞金稼ぎの黒人、普通に考えたらそいつは支配者側のスパイだ。何故すんなり信用してしまうのか、よく分からない。だって黒人は侍の参謀のような人徳者にも見えないんだもの。酔っぱらいは私の中では普通にダメ人間だし、メキシコ人や、インディアンなんて通常だったら町人に仇名す存在だろう。こんな、いつ裏切るか分からない奴らを寄せ集めて戦えるのか。
とりあえずなし崩し的に戦ってしまうのだが、よく分からないのは村の備蓄を守るという理由のある侍と違って、ガンマン達は何を目的に戦っているのかがよく分からない。町人を殺させない為であるなら失敗してるし、悪党を壊滅させる為なら、そういう消耗戦に乗り込んでいく悪党がバカすぎる。そんなの親分は避暑地でクータラして、下っ端だけ戦わせて相殺させて全滅させればいいのだ。わざわざ殺されにノコノコやってこなくていい。刀と違って、銃は遠方から一発でも当たれば流れ弾でも死亡する。そんな所に一番いい標的がネギしよった鴨になって挨拶しなくていいだろう。単に近寄らず逃げとけばいいじゃん。金持ち喧嘩せずだよ。

みたいな流れでガン・アクションはいいんだけど、全体の構成がガン・アクションを単に成立させるためにお膳立てされたように見えて乗れなかった。

うん、あのガトリングガンは大好きよ、本当。


【銭】
109シネマズのポイント6ポイントを使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
マグニフィセント・セブン@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
マグニフィセント・セブン@ペパーミントの魔術師
マグニフィセント・セブン@徒然なるままに
マグニフィセント・セブン@だらだら無気力ブログ
マグニフィセント・セブン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS リメイクのリメイクでもう一回江戸時代に戻って。
 温泉の採掘権利を争う『髷に銭湯7』はどうだ!
PS2 いいないいな人間

▲マグニフィセント7善玉の人間感覚。

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

11. マグニフィセント・セブン  [ 銀幕大帝α ]   2017年06月02日 19:43
THE MAGNIFICENT SEVEN 2016年 アメリカ 132分 西部劇/アクション 劇場公開(2017/01/27) 監督: アントワーン・フークア 『サウスポー』 製作総指揮 アントワーン・フークア 出演: デンゼル・ワシントン:サム・チザム クリス・プラット:ジョシュ・ファラデ
10. 「マグニフィセント・セブン」  [ ここなつ映画レビュー ]   2017年05月07日 13:21
キャストと設定を変えて現代に蘇った「荒野の七人」である。いやー痺れた。エンディングであの曲がかかった時には椅子から落ちそうになる位感激した!デンゼル・ワシントンのガン捌き、超絶カッコいい!だが、美味しい所を全部持っていったのはクリス・プラットでしょう!と
(前回「『沈黙‐サイレンス‐』 トランプを大統領にする国(その1)」から読む)  「もし神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか」  ――「ローマ人への手紙」8:31―― ■『マグニフィセント・セブン』と『荒野の七人』と『七人の侍』の関
8. マグニフィセント・セブン  [ 象のロケット ]   2017年03月10日 08:46
1879年、アメリカ西部の町ローズ・クリーク。 苦労して町を築いた開拓者たちは、金の採掘を目論む冷酷非道な資本家ボーグから立ち退きを迫られていた。 ボーグらに夫を殺された未亡人エマは、賞金稼ぎの治安官サムに助けを求める。 ワケありのアウトロー7人は町の用心棒と
映画史に燦然と名を輝かせ、いまだ多くのファンから愛されている『七人の侍』、および
6. マグニフィセント・セブン  [ 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜 ]   2017年02月24日 08:02
評価:★★★【3点】(12) 『荒野の七人』シリーズが個人的にダメダメだったので
5. マグニフィセント・セブン  [ あーうぃ だにぇっと ]   2017年02月22日 07:30
マグニフィセント・セブン@ニッショーホール
4. 「マグニフィセント・セブン」  [ お楽しみはココからだ〜 映画をもっと楽しむ方法 ]   2017年02月21日 23:52
2016年・アメリカ/MGM=コロムビア配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント 原題:The Magnificent Seven 監督:アントワン・フークア脚本:ニック・ピゾラット、リチャード
3. 『マグニフィセント・セブン』(2016)  [ 【徒然なるままに・・・】 ]   2017年02月20日 19:26
金を採掘し、町を牛耳っている資産家バーソロミュー・ボーグ。遂に町の住民たちはなけなしの財産をかき集め、ボーグ一味に対抗する用心棒を雇うことに。集められたのは保安官にして賞金稼ぎのサム・チザム、ギャンブラーのジョシュ・ファラデー、伝説の狙撃手グッドナイト・
2. マグニフィセント・セブン  [ だらだら無気力ブログ! ]   2017年02月20日 19:21
なんだかんだで魅入ってしまった。
1. マグニフィセント・セブン  [ 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 ]   2017年02月20日 00:13
「マグニフィセント・セブン」オリジナル・サウンドトラック [CD]ローズ・クリークの町の人々は、冷酷非道な実業家ボーグに支配され、絶望的な日々を送っていた。ボーグに夫を殺さ ...

この記事へのコメント

1. Posted by Kei   2017年02月21日 23:54
こんばんは。
私も、この作品にいろいろ不満がありますので、途中からは小ネタやオマージュを探して楽しむ方に切り替えました(笑)。
当時のアメリカで、黒人やアジア人が市民の偏見を受けず白人と対等に語り合う、というあり得ない設定からして荒唐無稽。まだ黒人差別をはっきり出したタランティーノ「ジャンゴ 繋がれざる者」の方がまともかと。
2. Posted by まっつぁんこ   2017年02月22日 07:35
やっぱり先行作を知らずに観たのが大正解だったことがわかった。
「前作の魂を受け継ぐ」なんて宣伝も知らん。
映画の宣伝は、経営ガバナンスと並び日本にプロのいない分野のひとつだと思います(笑)
3. Posted by ふじき78   2017年02月22日 22:30
こんちは、Keiさん。
マグニフィセント7は記事「PS2」みたいな世界観なんですよ、きっと(但し、善玉だけ)。
4. Posted by ふじき78   2017年02月22日 22:40
こんちは、まっつあんこさん。
でも、ハリウッド・ゴジラや庵野ゴジラが公開されたら今までと比べてしまうし、リメイク・リブートだらけの昨今、「あんた何故これ作り直しに手を染めたんよ」みたいなのを気にせずにいる事は難しいっす。前作を知らずに見れる方が、その一本については幸せかもしれないけど、前作を見た人でさえ納得させるような映画を後継者は作るべきだと思う。じゃないなら、前作を見た人がみな息絶えたくらいのリメイクとかリブートをすべきよ(昔のリメイクのスパンって30,40年くらいだった気がする)。
5. Posted by ナドレック   2017年03月25日 02:42
こんにちは。
私は大満足でした。
まぁ『荒野の七人』が1960年公開で、もう56年経ちますから、名画座やリバイバルに足を運ぶおっさんを除けば前作を見た人はだいたい息絶えたんじゃないでしょうか。

P.S.
アンジェリーナ・ジョリーが七人出てくる『マレフィセント・セブン』でどうだ!
6. Posted by ふじき78   2017年03月26日 09:53
こんちは、ナドレックさん。
私も直前に「七人の侍」を午前10時で見てなければ、もちっとそんなに気にならなかったのかとも思うんですが。

「マレフィセント・セブン」最強だと大笑いしたけど、「マグニフィセント・ウルトラ7」がいたら、やっぱりウルトラの方が強いかもしれないと思いなおしました。
7. Posted by ヒロ之   2017年06月02日 19:48
こんばんは。
ここだけの話、わたくし「七人の侍」を一度も見たことがないんです。
これは映画ファンとして失格かもしれません。
いつか見ようと思いつつ、どうにも手が伸びないのは白黒に抵抗感があるのかもしれません。
黒澤監督作で唯一観たのが「夢」だけ、てのはダメですよね〜^^;
8. Posted by ふじき78   2017年06月03日 00:58
こんちは、ヒロ之さん。
黒澤監督で「夢」はハズレですからね。
「七人の侍」はごくごく普通にオススメです。長いのだけど、バカみたいに面白いですから。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字