『ドロメ女子篇』『ドロメ男子篇』『ライチ光クラブ』『セトウツミ』『無伴奏』5本まとめてレビュー『札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥』をシネマヴェーラ渋谷で観て、実験精神旺盛やねふじき★★

2016年11月05日

『SCOOP!』をトーホーシネマズ渋谷4で観て、この主役の物足りなさはあの人に似てないけど似てるふじき★★★

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▲「いいか、お前をな『週刊宝石』の処女探しに売るからな」
 「え? ムリムリムリムリムリムリムリムリ」

五つ星評価で【★★★福山雅治はいい兄貴だと思うけど、いい兄貴やいい人が決していい役者である訳ではないので、残念ながら、その凡人を主役としてお神輿かついでしまったこの映画は凡作もしくは努力賞的な映画】
映画その物はそんなに悪くない。
でも、主役が輝いてないのである。
無頼を気取って汚して来たら、ただ汚れて来ただけみたいになってしまった福山雅治、
彼の演技が悪い訳ではない。ごくごく普通だ。面白くない。
決して指さすほどにひどくはない。ないのだが、無頼で主役を張るにはまだ数年早い。
『探偵ガリレオ』は「変人」というメタファーが彼に似あっている。彼の引き出しの中に彼自身の素養が入ってたというべきだろう。
今回の「無頼漢」は彼の引き出しにその要素がない。

これが映画自体が駄作で、共演者の演技が争うようにどうって事がないのなら、彼自身のミスキャストがドーンと目立つ事もなかっただろう。
でも、二階堂ふみも、吉田羊も、滝藤賢一も、リリー・フランキーも、
このクラスがみんないいんだから、主役の不在が目立ってしまった。

あっ、ただ、二階堂ふみの「下着はちゃんと見せてますから」という濡れ場は反対。
あそこの尺が妙に長い理由がよく分からない。
それ以外は、二階堂ふみ、表情が凄く全開で良い。

吉田羊は抑えで、滝藤賢一の泣きはトドメ。
そして、リリー・フランキーはもう横綱相撲と言おうか、何て上手いんだ。
また、あの、福山雅治が『そして父になる』の時みたいに、
全部を目の前でリリーに取られる姿を見る事になるとは!
リリー・フランキーが役者としては一番やり応えがある役でしょ。

で、この福山雅治が主役なのに一人地団駄を踏んでるような状況、
似たようなのが合った気がする。で、脳髄絞って、これかと思ったのが
『チャーリー・モルデカイ』のジョニー・デップ。
いや、何か邦画でもジャニーズ系で何かあった気がするんだが。
『大奥』のニノ辺りだろうか?
主役が映画の熱を下げてるような映画、誰か他に思い付いたらコメで教えてください。


【銭】
東宝シネマズのメンバーサービス週間だったので1100円。
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この記事へのコメント

1. Posted by クマネズミ   2016年11月05日 06:06
お早うございます。
ちょっと趣旨が外れるかもしれませんが、そして単なる思いつきに過ぎませんが、「主役が映画の熱を下げてるような映画」については、例えば、『残穢』の竹内結子や橋本愛が少しも「キャー」と怖がらないので、見ている方もこの映画を全く怖く感じませんでした。
2. Posted by ふじき78   2016年11月05日 22:55
こんちは、クマネズミさん。
個人的には、『残穢』で「キャー」ってのは似あわん怖がり方だと思います。私はあの映画の中の登場人物が息を呑み込んでしまうような怖がり方をする事にリアルだな、と思った・・・筈です。実際、もう、あまり覚えてない。映画の回転するスピードが早すぎて見た映画は感触だけ残して、どんどん過去の物になってしまう。
3. Posted by ヒロ之   2017年04月02日 12:40
こんにちは。
TBありがとうございました。
リリー・フランキーのハマリっぷりには驚愕。
あんな人間、本当にいそうだから怖い。
けどまさか最後にあんな大事を起こすなんて思わなかったので、ストーリーの意外性は感じて後半は結構好きでした。
4. Posted by ふじき78   2017年04月02日 12:50
こんちは、ヒロ之さん。
リリー・フランキー上手いんですよね。

福山雅治が「そして、父になる」でカンヌか何かに呼ばれて「スピルバーグ見てくれたかなあ」と言った時、スピルバーグが「あの映画の貧乏人の方の父親いいね」って、リリー・フランキーを褒めたって言うね。福山雅治、これでリリー・フランキーに2敗です。

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