2016年10月10日

『アングリーバード』を新宿ピカデリー9で観て、私がこの映画に惹かれる訳は私が嫌われてるからなんだきっとふじき★★★★

169057_1
▲それにしてもどんな鳥だか分からんが全く飛ぶ形態を有していない。

五つ星評価で【★★★★強引な予告がちょっとイヤだったんだけど、褒めてる人がいるので見に行ったら、まあ、ちゃんと面白いじゃんコレ】
主人公の復調にやっぱグッとくる。
主人公は嫌われ者。
これは彼自身にも問題があるけど、
長い生活の中で、身体的特徴をからかわれたり、
孤児である事から「家族に教えてもらってないから分からないよね」などの
ソフト差別を受け続けた事がたまって意固地な性格が形成されてしまっている。
自分の主張を曲げられない事も周りとの不和につながっている。
俺みたいじゃん(孤児でも眉毛太くもないけど)。
大人になると誰だって自分が万人に好かれている訳ではない事に気が付いてしまう。
主人公の赤い鳥レッドはそれを過剰に受け止めてしまうキャラだ。
ああ、ツイッターで言いたい事を言った挙句、敵を増やして、ぼろぼろ
ブロックされて世間を狭くしている自分は本当にレッドそのものだ。
そして、世間は「お前が嫌われている事を自覚しろ」と責める。
これはもうハナから泣ける(つーかストレスフルな状況だ)。

彼と同じく、社会不適合者として矯正教室に送られている鳥が三匹。
落ち着きのない鳥チャック。多動症の子供みたいだ。
恐怖が頂点に達すると爆発してしまうボム。これパニック症候群だろ。
そして、威圧感のある外観で他社を委縮させてしまうテレンス。『俺物語』やね。
彼等は集団生活におけるコミュニケーション弱者だ。
彼等には彼等なりの理屈があるが、社会は彼等に合わせて動いてはくれない。
そこに起こる事件。
彼らの正しい主張は受け入れられない。それは彼等のリスクなのだ。

事件を起こす犯人が豚の詐欺者軍団で、
彼らの武器はずばりコミュニケーション、嘘を笑顔で塗り固める。
社会はこの体裁の整った嘘に実に弱い。

そして、まんまと社会全体が豚の嘘に騙された事を自覚した時、
社会はパニックに陥りながらも、やっと正論を聞く耳を持つ。
ここからはアクションに次ぐアクション。
そして大団円。

国を守った彼等(主にレッド)への褒美は、
社会が彼等を彼等の個性のまま、社会の方から寄り添って
付き合いなおそうという宣言だった。ここで涙腺決壊した。
これがお伽噺だからだ。
特に嫌われ者が嫌われ者のまま孤立しがちな日本ではハッキリお伽噺だからだ。
だって多動症の落ち着きのない子供や、パニック障害のいきなり騒ぎ出す子供がいたら
日本ってとりあえずハブにしてしまうでしょ。
物事をオブラードに包めない、例えばレインマンのような子供がいたら
社会は彼等から一歩遠ざかってしまうでしょ。
彼等を彼等のまま肯定し、社会から寄り添ってあげようというのは
とても成熟した姿勢だ。

物語くらいハッピーエンドに終わってもいいだろう。
という事で、私、自分が嫌われ者の自覚があるので、
この映画はかなりお気に入りです。
(他の褒めてる人が嫌われ者かどうかは知らないし語らない)

レッドの声は坂上忍。嫌われ力が高い。
普段の坂上忍のまんま口調で違和感がないからか、声優的には何の問題もなかった。

チャックのまんまX−MENはともかく、
豚のシャイニングで「双生児」とセリフを付けるのは日本語スタッフも凄いなあ。


【銭】
新宿ピカデリーの前回有料入場割引+ネット予約割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
アングリーバード@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
アングリーバード@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS もう一つの思い付き
 お調子者のチャック:多動症の児童
 ストレスが溜まると爆発してしまうボム:パニック障害児童
 では、「俺はこんなところにくる鳥じゃない」というレッドは……
 精神病院に詐称で入院してきた『カッコーの巣の上で』
 ジャック・ニコルソンのようだ。
 だから、レッドはシャイニング双子に会うのかもしれない。
 すると一言も喋らないテレンスはチーフの役割を持つ鳥という事になる。
 舞台となるバードアイランドその物が雛鳥をシェアして教育しているさまは
 カッコーの托卵を思い出さなくもない。
 そして「カッコー」はアメリカでは「狂人」の意味を持つのだという。
 レッドがロボトミー手術を行われることなく、施設その物がハッピーエンドになる
 と言うのであれば、それは又、いい意味で気が狂っていてとてもいいと思う。
 とは言え、ゲームのアニメ化なんだから全部なぞれたりはしなかったのだろうけど。
 って考えるのは考えすぎだろうか?

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

3. アングリーバード  [ 象のロケット ]   2016年10月26日 17:55
飛べない鳥ばかりが平和に暮らす島バードアイランド。 ある日、ブタのピッグ軍団が島に上陸し、鳥たちの巣から卵を盗み去ってしまう。 太いまゆ毛がトレードマークの怒りんぼうのレッド、おしゃべりでお調子者のチャック、体はデカいが小心者のボムの3匹は、島から盗まれた
2. 『アングリーバード』 アメリカ対アメリカ  [ 映画のブログ ]   2016年10月25日 01:18
 【ネタバレ注意】  今どき『アングリーバード』ほど凶暴な映画は珍しいのではないだろうか。  原題『ANGRY BIRDS』を50年代っぽく訳せば「怒れる鳥たち」となるだろうが、50年代の「怒れる若者たち」の怒りが社会に向けられていたのに対して、本作の鳥たちの怒りは他
1. アングリーバード  [ 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 ]   2016年10月10日 11:36
The Art of アングリーバード(ジ・アート・オブ アングリーバード) [大型本]飛べない鳥たちが平和に暮らすバードアイランド。個性的な太いマユを持つレッドは、なぜだかいつも怒ってば ...

この記事へのコメント

1. Posted by ナドレック   2016年10月25日 01:21
私も『カッコーの巣の上で』を連想しました。
レッドたちがアンガーマネジメントを習得せずに、逆にアンガーマネジメントの先生やその他の鳥に怒り方を伝授するのが愉快ですね。
2. Posted by ふじき78   2016年10月27日 00:04
こんちは、ナドレックさん。
しかし、国民全員が怒ってる国って
ヒステリー状態の戦前の日本みたいだ。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字