夏らしく涼しい話題を考えてみました『肉体女優殺し 五人の犯罪者』を神保町シアターで観て、しまったこれ宇津井健の映画じゃんふじき★★

2016年07月08日

『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』をトーホーシネマズ日本橋3で観て、いいぞキチガイガンダムふじき★★★★★

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▲今回は単にゴッツイ武力であるだけのガンダム。

五つ星評価で【★★★★★今まで見たアニメの中で二番目に好き】
こりゃあ何とも凄い「キチガイ・ガンダム」だ。
原作マンガとか元になる配信アニメとかあるらしいが未読未鑑賞の一見さんで接触。

キッツイ表情のキャラクターを見て、イデオンのキャラがJOJOの影響受けてガンダムのコスプレしてるみたいに見えた。それくらい幸福感が薄くてアクだけ強い。

主軸はジャズにのって殺戮しまくる連邦のエース・パイロット、イオ・フレミングと、ジオンの義足の狙撃主ダリル・ローレンツのライバル関係だが、彼等の争う場所が戦場なので、スポーツのような爽やかなライバル関係にはならない。より、自分を追い詰めて、他者との格差を拡げた者が他者を殺して生き残る世界、それ以外は被害者として弾幕のように斬殺されてしまう世界なのだ。これほど無慈悲に人が惨殺されてしまう世界を描いたアニメは今までになかったのではないか。この悪趣味で意図的に露悪的にしている所に強く惹かれる。

連邦のエース・パイロット、イオ・フレミングは殺戮を楽しんでいる訳ではないが、自分の能力を拡張するモビル・スーツの武力に酔いしれてジャンキー状態で操縦する。主人公とは思えない禍々しさだ。彼はその武功により、ガンダム・パイロットの座に到達する。連邦の若者にとって「ガンダム」はその戦闘力から戦場でのイコンになっているようだが、イオ・フレミングはその戦闘力を仲間の援護には使わない。敵の殲滅にのみ使用する。それは武器の使用用途として全く間違えていない。だが、戦闘に心酔しながらも彼のガンダムはダリル・ローレンツには敵わない。それはダリルの操るサイコ・ザクがイオ・フレミングが希望する能力拡張の最終到達点だからかもしれない。だから、イオ・フレミングはモビル・スーツを着脱した後のダリルの不自由さを見て愕然とする。テニス・プレイヤーが負け試合の相手を見たら車椅子テニスの選手だったような敗北感だったのではないか。

イオ・フレミングはダリルの義足を見て笑った男だ。
彼は自分の身体が武装によって人並以上に拡張していると感じるが故に、義手義足など反応速度が遅い(であろう)障害者の兵士に対しては軽視する傾向がある。健常者に敵う筈があるまいと。だからこそ、彼はダリルがいつまでも自分によって、死を賜らない事が許せないのに違いない。

ダリル・ローレンツの周囲、リビングデッド師団は義手、義足者を集めた障害者部隊だ。彼等の部隊の中核を担うのは遠距離狙撃部の小隊で、狙撃兵各人に近づく武力にはチームメートの遠距離狙撃でカバーしあって防御を行う。この戦い方は一個の戦闘兵器として独立している連邦のイオ・フレミングの戦い方と正逆である。別にイオが優れていた訳ではないが、彼等の戦略はイオ・フレミングの急襲で破られる。近づく相手には遠距離からのサポート狙撃は可能だが、近づいてしまった後の相手にはそれはもう役に立たない。そして、死角を一つずつ潰す事により、イオの勝利は確実になった。元々1対1では武力の強い者が勝ってしまうのが戦いのセオリーなのだ。

かくして、戦争キチガイのイオと、自分の四肢を戦場に差し出したダリルの病み切った戦いが大音量のジャズを背景に行われる。こんなクソッタレでヘビーな映像体験は久しぶりだ。そして、こういう望みがない話はなかなかどうして大好きだ。基本、根っこが暗いんで、押し寄せてくる絶望感に酩酊する。うん、気持ちいい。


【銭】
二週間限定のイベント上映。料金1400円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY@ぴあ映画生活

PS ジャズの対極として使われるポップスが甘くって気持ち悪い。

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2. 機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY  [ 真・天文台 ]   2016年07月30日 20:59
監督:松尾衡 脚本:松尾衡
1. 機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY  [ だらだら無気力ブログ! ]   2016年07月10日 21:33
うん、おもしろかった。

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