2015年11月02日

『サイボーグ009vsデビルマン』を新宿バルト9−6で、『サイボーグ009』を神保町シアターで観て、どちらもまあまあふじき★★★,★★★

◆『サイボーグ009vsデビルマン』
五つ星評価で【★★★合作物としては善戦したが美味しい所はデビルマンに取られた。思ったよりは悪くはないが、まあ、これなら許してあげましょうというくらい】

サイボーグ009関係のもっとも新しい映画。
と言っても30分×3のOVAのイベント上映という体裁である。

当初「こらあかんのんちゃうの」という評判が立ったのは、
宣材の絵の特徴が強すぎて009かっこ良くないし、
デビルマンはどこか『ヤッターマン』のボヤッキーに似てたからだ。

劇場で見たら絵は及第点。そんなにボロボロではない。
比較の上では009サイドのキャラが精彩を欠いている。
サイボーグ戦士の衣装デザインがピチTみたいな仕様でかっこ良くないし、
戦士個々のキャラも特徴は掴んでるが、中途半端なリアルさに縛られてか、どこかかっこよくない。ピュンマなんかリアル黒人に近づいた上に、いい声すぎる声優を起用したせいでBLっぽいキャラになっている。悪役のサイボーグも定番の石森キャラを踏襲しようとしたのか、どこか作品世界に馴染み損なっている。登場人物の数が多い分、個性も出し損ねている。

相対的にデビルマン側は順調。
これは情念の強さがキャラに出るという特徴に負う所が多い。
そしてキャラとしては平手ミキが本当イキイキしててちょっとバカで可愛らしい。

デビルマンは『超人ハルク』みたいに限界を超えた底のない属性だが、サイボーグの「機械」+「人間」という特徴は「機械」の限界が見えた今、枷にこそなれ、魅力には成りづらいかもしれない。

PS 最初にデビルマンとサイボーグ009が戦うシーンで、
 倒れている009に駆け寄る003に、
 「立て、立つんだジョー」って叫んでほしかった。


◆『サイボーグ009』
五つ星評価で【★★★いい意味での大雑把さが癒しになる】
特集「作曲家・小杉太一郎の仕事」から1プログラム。

サイボーグ009関係のもっとも古い映画。
今回、初めて知ったが、カラーのこの映画の方が、
モノクロのTVシリーズより古いらしい。

キャラは目がクリクリして、石森章太郎と『白蛇伝』のハイブリットみたいだ。009の決め構図が歌舞伎の見栄のようにバチバチ嵌る感じがとても気持ちいい。各サイボーグ戦士はリアルな等身ではなく、それぞれ初期の原作マンガみたいに、かなりパースが乱れたような雑なデザインなのだが、その雑な感じが豪快かつ大雑把な絵を頻発させて、いい味になっている。

話はサイボーグ戦士の誕生・ブラックゴースト団からの逃避を描く前半と、地方紛争を裏て操るブラックゴースト団に戦いを挑み決着を付ける後半とで二分されている。この前半と後半が繋がっていない感じが話としてバランスが悪い。「起承転結」の後に、すぐさま「承」が来て、「待て」の命令をかけられてる様な感じ。

009の声が太田博之。そう言えばこの映画の009の顔立ちが太田博之に似てる気がする。声は問題なし。
003の声はジュディ・オング。二人とも必殺シリーズのレギュラーを演じたのは妙なご縁という感じ(もっとも二人の必殺での共演はないが)。

002,009とも加速装置に触れない(設定にない)というのには驚いた。

話も絵も、最新のアニメと比べると笑っちゃうくらい雑なのだが、「雑」という事は反面デフォルトに耐え得ているという事でもある。凄く「雑」な絵を見ながらちょっとワクワクしている自分がいた。前半はかなり好き。後半はそこそこです。

小杉太一郎の曲はやはり土俗的で土っぽい。TVシリーズと同じ主題歌は名曲中の名曲である。


【銭】
バルト9正規入場料金1800円。イベント上映だから、もちっと安くしてくれてもいいのになあ。
神保町シアター正規入場料金1200円×5のポイントがたまったので無料鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サイボーグ009 VS デビルマン@ぴあ映画生活
サイボーグ009@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
サイボーグ009 VS デビルマン@徒然なるままに
サイボーグ009@徒然なるままに
▼関連記事。
009 RE:CYBORG@死屍累々映画日記

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 見たよ。見ましたよ。  見に来てた人の平均年齢高くてワロタ。(含む自分)  大半が子供の頃に新ゼロ(1979年版TVシリーズ)を見てましたって感じの世代で、平ゼロ(2001年版)世 ...
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【声の出演】  浅沼 晋太郎(不動明/デビルマン)  福山 潤  (009/島村ジョー)  早見 沙織 (牧村美樹)  市道 真央 (003/フランソワーズ)  日野 聡  (飛鳥了) 【ストーリー】 ブラックゴーストにより改造人間(サイボーグ)と化した009たちは、葛藤し...
3. [映画『サイボーグ009vsデビルマン」を観た^^]  [ 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭 ]   2015年11月05日 00:50
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最新作を見た後で、さてどの「009」を見直そうかな、と考えて考えた末に結局は一番古いヤツを持ってきました。50年前の作品が手軽に見られるというのも、考えてみると凄いことですな。お話は「009誕生篇」(といってもジョーが少年院からの脱走者ではなく、レーサー
1. 『サイボーグ009VSデビルマン』(2015)  [ 【徒然なるままに・・・】 ]   2015年11月02日 20:08
最初に「サイボーグ009」の新作の話があって、次に「デビルマン」新作の話があって、どちらも同じ時期に同じ劇場でイベント上映するというので、これはハシゴ出来るかなあ、なんて考えていたら、まさかのコラボ?!というワケでイベント上映にやってまいりました。この後ソ

この記事へのコメント

1. Posted by ナドレック   2015年11月02日 16:51
こんにちは。

>その雑な感じが豪快かつ大雑把な絵を頻発させて、いい味になっている。

雑というか、デフォルメと省略の妙技ですね。なにしろキャラデザインと作画監督が木村圭市郎氏ですし。
木村圭市郎氏の技が金田伊功氏に受け継がれ、その後の日本のアニメの作風が確立されていった……と理解しております。
何度もアニメ化されたマンガですが、これが一番好きですね。
主題歌は名曲ですなあ。


>石森キャラを踏襲しようとしたのか、どこか作品世界に馴染み損なっている。

石ノ森章太郎氏は時々でかなり大きく絵柄を変えた人なのですが、『サイボーグ009vsデビルマン』はどの時点の石ノ森タッチを採用するのか焦点が定まっていないように感じました。
そこに1967年のドンキッコ、1975年の鉄面探偵ゲン、1979年のルーフ等々、他の作品のキャラをごった煮にしたので、絵柄の面でも作品世界が破綻していたように思います。
デビルマン側はいいんですけどね。
2. Posted by ふじき78   2015年11月03日 00:32
こんちは、ナドレックさん。
デフォルトと省略よりも「雑」な感じがぷんぷん漂ってきました。と言うのは、昔なら当たり前なんですが、作画のデッサン力が低いんです。今の作画力ってバカみたいに高い。

キャラは石森マンガ版でのロボコン登場させたら一気に世界が瓦解しますね。
3. Posted by 太川 陽介   2015年12月07日 23:56
>今回、初めて知ったが、カラーのこの映画の方が、
>モノクロのTVシリーズより古いらしい。

この映画と単行本が009の評価を一気にあげました
キング連載時は打ち切りに近い扱いだったらしいよ。

で業務連絡。
日曜日は仕事です。私がでる予定ではなかった、
ちょっと不幸でわちきにお鉢が・・・
(もちろん代休はとるぜ)
終了時間がわからんので、また欠席です。
申し訳ありません、
4. Posted by ふじき78   2015年12月09日 00:00
こんちは、先輩。
何が起爆剤になるか分からんですね。石ノ森章太郎のマンガって連載してる時は大して面白くない気がする。大ゴマ使ってるからか話の進みが遅いし、ラストでいきなり壮大になる感じ。どちらかと言うと連載より単行本に合った作者なんでしょうなあ。

業務連絡の件は了解。無理して代休取らなくてもいいですよ。

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