2015年10月16日
『GONINサーガ』をトーホーシネマズ新宿6で観て、情念が映画を置いていっているふじき★★★
五つ星評価で【★★★石井隆は映画であるとか規格内に収まるとかいう事に関心がない】
石井隆本人による『GONIN』のファン・ムービー(!)。
物語は『GONIN』と繋がっている。
密接に絡みつくように繋がって
「サーガ」という言葉に違和感ない物に仕上がってる。
だからどうした。
それを今、作る理由は何だ。
答えづらい。きっとそこには理由がない。
同工異曲だろうが何だろうが、石井隆はこの「テイスト」の話を作りたかった。
そして、都合のいい事に前作の加工により、新しい話が作れることが分かった。
前作と紐づければ資金の獲得も少しは楽になるだろう。
みたいな裏があるんじゃないかと思う。
だからと言って、この『GONINサーガ』が
くだらない駄作かと言うとそうではない。
物語がどうでもいい映画は褒めづらいのだが、この映画の目標が「素晴らしい話を書いて皆に感動してほしい」みたいな位置にはない。石井隆はただただ、自分が好きなテイストの映画が作りたいだけなのだ、きっと。そしてそのジャンルの中では石井隆の映画は無敵。
その世界では男はヤクザかログナシ、女は情婦かその予備軍、
冷たく重い雨は始終振り続け、その中で蠢く屑達が殺し合う。
勝つのは思いが強い屑。
話はダメだが、映画としては強い。
『GONIN』なので、ポスター・ビジュアルは五人の男女がピックアップされてるが、東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信という組み合わせはミス・ディレクションだろう。「血縁」でくくるなら土屋アンナがはみ出す。代わりの要員はきっと井上晴美だが、ちょっとバランスを欠いてしまう。今回の事件の加害者括りにするなら、安藤政信を外して、代わりに根津甚八を入れれば正しくなるだろう。同じようにバランスは欠くが、こっちの方が正しい五人であると思う。
女優は土屋アンナが一番ぶってえビッチで驚いた。
ビッチな身体してるんだ、本当。
福島リラも怪演でいい感じ。ちょっと変な顔立ちが役にピッタリ。
井上晴美がビッチ母ちゃんになってて驚いた。
東出昌大、桐谷健太、安藤政信は割と従来の映画から遠く離れてない演技。
安定してるが熱くならない。
柄本佑はいい感じの「能面」な顔。
あと、竹中直人はわざわざオリジナル『GONIN』の一人を別の役で出すなよ、めんどくさいと思ったが、見てるうちにこれはこれでまあいいか、と思うに至った。
【銭】
トーホーシネマズフリーパス22本目。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・GONIN サーガ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・GONIN サーガ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
石井隆本人による『GONIN』のファン・ムービー(!)。
物語は『GONIN』と繋がっている。
密接に絡みつくように繋がって
「サーガ」という言葉に違和感ない物に仕上がってる。
だからどうした。
それを今、作る理由は何だ。
答えづらい。きっとそこには理由がない。
同工異曲だろうが何だろうが、石井隆はこの「テイスト」の話を作りたかった。
そして、都合のいい事に前作の加工により、新しい話が作れることが分かった。
前作と紐づければ資金の獲得も少しは楽になるだろう。
みたいな裏があるんじゃないかと思う。
だからと言って、この『GONINサーガ』が
くだらない駄作かと言うとそうではない。
物語がどうでもいい映画は褒めづらいのだが、この映画の目標が「素晴らしい話を書いて皆に感動してほしい」みたいな位置にはない。石井隆はただただ、自分が好きなテイストの映画が作りたいだけなのだ、きっと。そしてそのジャンルの中では石井隆の映画は無敵。
その世界では男はヤクザかログナシ、女は情婦かその予備軍、
冷たく重い雨は始終振り続け、その中で蠢く屑達が殺し合う。
勝つのは思いが強い屑。
話はダメだが、映画としては強い。
『GONIN』なので、ポスター・ビジュアルは五人の男女がピックアップされてるが、東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信という組み合わせはミス・ディレクションだろう。「血縁」でくくるなら土屋アンナがはみ出す。代わりの要員はきっと井上晴美だが、ちょっとバランスを欠いてしまう。今回の事件の加害者括りにするなら、安藤政信を外して、代わりに根津甚八を入れれば正しくなるだろう。同じようにバランスは欠くが、こっちの方が正しい五人であると思う。
女優は土屋アンナが一番ぶってえビッチで驚いた。
ビッチな身体してるんだ、本当。
福島リラも怪演でいい感じ。ちょっと変な顔立ちが役にピッタリ。
井上晴美がビッチ母ちゃんになってて驚いた。
東出昌大、桐谷健太、安藤政信は割と従来の映画から遠く離れてない演技。
安定してるが熱くならない。
柄本佑はいい感じの「能面」な顔。
あと、竹中直人はわざわざオリジナル『GONIN』の一人を別の役で出すなよ、めんどくさいと思ったが、見てるうちにこれはこれでまあいいか、と思うに至った。
【銭】
トーホーシネマズフリーパス22本目。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・GONIN サーガ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・GONIN サーガ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
トラックバックURL
この記事へのトラックバック
9. GONINサーガ [ E'S STREAM ] 2016年06月05日 00:04
如何にして、事件で残された息子たちは、先達を超えるのか…。1995年。多額の借金を抱えた万代をはじめとする5人組が、指定暴力団五誠会系大越組を襲撃して現金強奪に成功する。だが、大越組がヒットマンを放ったことにより事件は激化。関与する者たちは命を落とし、大越組も
8. GONIN サーガ [ 銀幕大帝α ] 2016年04月06日 14:49
2015年
日本
129分
アクション/犯罪
PG12
劇場公開(2015/09/26)
監督:
石井隆
脚本:
石井隆
挿入歌:
ちあきなおみ『紅い花』
森田童子『ラスト・ワルツ』
出演:
東出昌大:久松勇人
桐谷健太:大越大輔
土屋アンナ:菊池麻美
柄本佑:森澤慶一
安藤政信...
7. 「GONIN サーガ」、ヤクザの復讐劇です [ ひろの映画日誌 ] 2015年11月01日 08:50
おススメ度 ☆☆☆
PG−12
石井隆監督作品。
19年前に作られた映画「GONIN]の続編です。
前作で、ほとんど死んでしまったので、今回は、その子供たちの復讐劇です。
雨がモチーフで、その作風が真似られたとかいう石井節炸裂です。
血しぶきのオンパレード
6. GONIN サーガ [ あーうぃ だにぇっと ] 2015年10月31日 21:52
GONIN サーガ@角川試写室
5. 雨の挽歌〜『GONIN サーガ』 [ 真紅のthinkingdays ] 2015年10月30日 06:59
1995年の雨の夜、大越組襲撃事件で構成員だった父を亡くした久松勇人
(東出昌大)と大越大輔(桐谷健太)は、事件を取材していると言うフリーライ
ターで、冨田(柄本佑)と名乗る男に出逢う。冨田は、実は事件で殉職した警
察官・森澤の息子だった。彼らは大越組
4. GONIN サーガ ★★★★ [ パピとママ映画のblog ] 2015年10月20日 17:51
『花と蛇』シリーズや、『甘い鞭』などの鬼才・石井隆監督が放つ、人気アクション『GONIN』シリーズの第3弾。ある5人組が起こした暴力団からの現金強奪事件の19年後を舞台に、その事件に深い因縁を持つ者たちが新たな戦いを繰り広げていく。テレビドラマ「ごちそうさん」...
3. GONIN サーガ 監督/石井 隆 [ 西京極 紫の館 ] 2015年10月19日 23:20
【出演】
東出 昌大
桐谷 健太
土屋アンナ
安藤 政信
柄本 佑
【ストーリー】
1995年。多額の借金を抱えた万代をはじめとする5人組が、指定暴力団五誠会系大越組を襲撃して現金強奪に成功する。だが、大越組がヒットマンを放ったことにより事件は激化。関与す...
2. GONIN サーガ/東出昌大 [ カノンな日々 ] 2015年10月19日 22:19
旧シリーズとなる1995年の『GONIN』好きでした。当時としてはスタイリッシュでノワールなクライム・サスペンスなアクション・ムービーだったんですよ。その後には女性たちを主人公に ...
1. GONIN サーガ [ 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 ] 2015年10月16日 13:35
GONIN サーガ (角川文庫) [文庫](ショートバージョン)1995年の五人組による暴力団五誠会系大越組襲撃事件から19年。五誠会は若き三代目の誠司が勢力を伸ばしていた。大越組の若頭の遺 ...
この記事へのコメント
1. Posted by まっつぁんこ 2015年10月31日 21:58
土屋アンナは良かった。
桐谷健太は天皇の料理番、柄本佑はピース オブ ケイクでの役とイメージがかぶった。
桐谷健太は天皇の料理番、柄本佑はピース オブ ケイクでの役とイメージがかぶった。
2. Posted by ふじき78 2015年10月31日 22:14
こんちは、まっつあんこさん。
基本的に桐谷健太はいつも同じ役を違う役名でやってる印象ですね(丹波哲郎みたいなパターン)。柄本佑は今の朝ドラにも出てるし、あの「のぺっ」とした顔はドラマや映画がイケメンだらけになりつつある今、いい個性だと思います。
土屋アンナは「S」の演技が悪い意味で凄い。
基本的に桐谷健太はいつも同じ役を違う役名でやってる印象ですね(丹波哲郎みたいなパターン)。柄本佑は今の朝ドラにも出てるし、あの「のぺっ」とした顔はドラマや映画がイケメンだらけになりつつある今、いい個性だと思います。
土屋アンナは「S」の演技が悪い意味で凄い。
3. Posted by ヒロ之 2016年04月06日 14:53
こんにちは。
若手の俳優よりも、脇を固める女優の方に魅力を感じた作品でした。
竹中直人は流石ベテランだなと存在感を抜群に出していてキャラの中では一番好きかもです。
テリー伊藤はテリー伊藤でした。
若手の俳優よりも、脇を固める女優の方に魅力を感じた作品でした。
竹中直人は流石ベテランだなと存在感を抜群に出していてキャラの中では一番好きかもです。
テリー伊藤はテリー伊藤でした。
4. Posted by ふじき78 2016年04月06日 21:05
こんちは、ヒロ之さん。
テリー伊藤はテリー伊藤以外やれないでしょ。っつか、セリフの多い役とかは極力オファーしない方がいい。
竹中さんは前の5人の中に別の人で入ってから避けろよとか思ってしまう。
テリー伊藤はテリー伊藤以外やれないでしょ。っつか、セリフの多い役とかは極力オファーしない方がいい。
竹中さんは前の5人の中に別の人で入ってから避けろよとか思ってしまう。
5. Posted by 隆 2016年06月05日 00:02
ヒロ之さんのとこでも、書いてありましたが、演技で竹中直人とか、1作目のやられる立場から、やる側に復活しているのが良かったですね。蝿が苦手というのも、前作からのポイントになっているように思いました。
根津甚八さんの老け具合は、そのままでしたね。時は残酷というか、思わぬダークホースとして、彼が五人目であって、何故、安藤政信が、五人目に入るのか不思議でした。こうしたもめごとは同世代での課題であって、根津さんはアウトサイダーであり、終わった事件の証人に過ぎない、という事かも知れませんが。
根津甚八さんの老け具合は、そのままでしたね。時は残酷というか、思わぬダークホースとして、彼が五人目であって、何故、安藤政信が、五人目に入るのか不思議でした。こうしたもめごとは同世代での課題であって、根津さんはアウトサイダーであり、終わった事件の証人に過ぎない、という事かも知れませんが。
6. Posted by ふじき78 2016年06月05日 03:34
こんちは、隆さん。
別に竹中直人をムリムリ使う理由はないと思う。1作目と2作目で全然違うキャラだけど、根津甚八だって1作目と2作目で見た目全然違ってるから混乱招くだろう。
まあともかく誰が五人かが分からないってのが一番凄い矛盾かもしれない。
別に竹中直人をムリムリ使う理由はないと思う。1作目と2作目で全然違うキャラだけど、根津甚八だって1作目と2作目で見た目全然違ってるから混乱招くだろう。
まあともかく誰が五人かが分からないってのが一番凄い矛盾かもしれない。