『百日紅』をテアトル新宿で観て、ああ普通だなあ。他の人のように後から染みんなあふじき★★★『モンキーマジック 孫悟空誕生』をシネマート六本木3(B1F小)で観て、これは大人が見る映画ではなさげだなふじき★★★

2015年05月22日

『ラン・オールナイト』をトーホーシネマズ六本木1で観て、ネット評判はいいしおもろいはおもろいけど、割と普通やないかふじき★★★★

五つ星評価で【★★★ちょっと丁寧ないつものリアム無双映画】

最近のリアム・ニーソンはアクションがない映画は別として、アクション映画の中では「得体のしれない強さを秘めた老いぼれ」であり、この映画もその線は変わらない。
好々爺になって、孫などに取り囲まれてもいい年なのに、何かにつまずいて不遇な晩年だったりするのも変わらない線だ。

じゃあ、この映画がアクション好きの映画ボンクラを歓喜させるのは何で、どこなのかと言うと、不幸なリアムに対比される幸福な好々爺エド・ハリスであり、老いぼれなリアムに対比されるジョエル・キナマン演じる彼の息子の存在だ。

若い時から凄く強い眼力を持っていたエド・ハリスは、老境に差し掛かって、眼力にとてつもない人生を籠めているようで、映画の中ではその片鱗が脚本の節々に現われる程度なのに、マフィアのドンとして壮絶な人生を送ってきたことが佇まいで分かる。いい役者だよなあ、本当。その賢者老人が愚かな息子を持っていて、息子は軽はずみな行動によって、命を失ってしまう。一方、壮絶な人生を送ってきたためズタボロになってるリアム、彼はエド・ハリスの人生の裏面なのだが、彼と折り合いの悪い息子には希望を抱いており、細やかでも健やかに暮らしてほしいと思っている。
このリアムとエド・ハリスの関係の対極具合が上手い。どちらにも自然に共感してしまう。そこに投入される、ゆとり世代チックな殺人者。脚本の構成の上手い事。

父に頼りたくない息子が警察に頼ろうとした為に手ひどいしっぺ返しを食らうエピソードや、生き残るために嫌っていた父との共闘を選択するシーンなど、物凄くそれぞれのキャラクターの感情のラインが計算して書かれている。

という事で、基本線、とってもよく出来た映画だと思っている。
納得のいかない点は次の二点。
・壊滅に追いやられるエド・ハリスの組織があまり大きく感じられなかった事。街に繰り出している人間が多く、本部詰めが少ないというなら、そう言わせればいいし、トップを潰した事により、組織として機能しなくなるなら、そこまではっきり提示した方が良かった。
『ラン・オールナイト』という題名からも、一夜、逃げ切ればいいという事で、タイムリミットは朝までと早い段階からリアムは口にする。その根拠が不明。組織と話を付ける(もしくは壊滅させる)にしても、上手くいかない可能性の方が高いし、朝、自首をするという行動についても、組織との調整が上手くいっていなければ、自首その物によって追手の追撃が止む理由にはならない。何か、私が見落としてるのかな。

息子の奥さんがジェネシス・ロドリゲス。
なんか話の幹に入り込んでこないちっちゃい役だなあ。
ジェネシス・ロドリゲスちゃんはもっと出来る子ですよ。


【銭】
トーホーシネマズのポイント6ポイントを使って無料鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ラン・オールナイト@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ラン・オールナイト@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ラン・オールナイト@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS もんたよしのりを思いだしてた場違いな俺。
PS2 「乱一世のオールナイト・ニッポン」ってのにもちょっと近い。

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この記事へのコメント

1. Posted by    2015年05月22日 02:21
元マフィアで戦闘のプロというと、傭兵でも撃退しそうですね。大都市中が敵といっても、戦意は失わなそうですが、殺戮の応酬の後にある、自分達だけが生き延びたという自信。そんなものに浸れるのは、大都市中の敵と戦ったという自負からで、逆境というのは跳ね返したものが大きいほどに、強さの証となるのでしょう。一晩中、戦うというのは大変でしょうが、追い掛けられものが好きな人には良さそうですね。
2. Posted by ふじき78   2015年05月24日 06:41
こんちは、隆さん。
突っ込んでみよう。
・元マフィアではなく、扱いから言ったら現マフィア。
・組織内の殺しを担当していたが、おそらく戦闘のプロではない。主人公は普通に強いが、それは必死だからであって、訓練された上での鬼神のような強さとは感じられない。
・「自分達だけが生き延びたという自信」みたいな心情は全く出てこない。孫の生命が脅かされる中、そんな気持ちの高揚を主人公から感じ取ったら、きっと引く。
3. Posted by すぷーきー   2015年05月25日 23:51
TBありがとうございます。
そう!ふじきさんと同じ疑問を抱きました。
スケールが思ったより小さく(マフィアの人間の数が少ない、NY中全員が敵ではない)、一晩逃げればいいという根拠が分かりませんでした。
がんばるリーアム父さんと、息子は良かったです。
4. Posted by ふじき78   2015年05月26日 07:44
こんちは、すぷーきーさん。
NY中、全員を敵にするには懸賞金でもかけるとかしかないけど、朝までに片づけなきゃいけない戦いだったら流布する前に終わっちゃいますね。理屈的なツッコミどころは別として、がんばるリーアム父さんと息子が良かった点は同意です。
5. Posted by ここなつ   2015年05月27日 13:01
こんにちは。
これはなかなかよく練れた作品だと思いました。
それぞれに生き方の違いがあり、同時に世代の違いもありましたね。
確かに、ダニーはゆとり世代的でした。
…って、ゆとり世代のなんたるかを実は判っていないのですが。
6. Posted by ふじき78   2015年05月27日 22:06
こんちは、ここなつさん。
私も「ゆとり世代」がよう分かってませんが、投入される殺し屋は金持ちでマイ・ルールで、効率よく便利グッズを使う所に何となく「ゆとり」の影を見かかったです。
7. Posted by ヒロ之   2015年09月19日 13:10
こんにちは!
確かに一晩でどうにかなるというその根拠が分からなかったですねぇ。
ただ一晩という一つの区切りが出来ていたせいか、テンポの良い話にはなっていました。
8. Posted by ふじき78   2015年09月20日 01:31
こんちは、ヒロ之さん。

> ただ一晩という一つの区切りが出来ていたせいか、テンポの良い話にはなっていました。

そうそう。だから、あと一歩創意工夫をプラスして「一晩」の理由をセリフにでも盛り込んでほしかったですわあ。
9. Posted by maki   2015年10月08日 08:31
こんにちは
一晩というのは、やるかやられるか
(こっちが殺されるか向こうを殺すか)しか解決方法がないからってことなのでしょうが、その辺ひとことでいいから欲しかったですね
私も何で一晩なんじゃ?と思ってしまった

それにリアルなのかもしれませんがマフィアというには人数が足りてなかったような気も…

でも無双リーアムに飽きてきてた私には丁度いい按配の無双ぶりの映画でした
10. Posted by    2015年10月08日 19:50
文句通り、長い一夜の物語だったと思います。ニューヨークの暗黒街を敵に回した、勝ち目の無い逃走劇。これは、体力の限界を感じさせるものではなく、リーアム・ニーソンの体術の優秀さが見えるもので、アクションの果てに人情が見える展開だったので、楽しく観る事が出来ました。

とにかくバランスが良いと思います。
11. Posted by ふじき78   2015年10月09日 01:03
こんちは、makiさん。

> 私も何で一晩なんじゃ?と思ってしまった

その日、パージ法が施行されてたからです(そら、別の映画じゃ)
12. Posted by ふじき78   2015年10月09日 01:06
こんちは、隆さん。
リアム・ニーソンをただ単に殺す機械にしなかったのが功を奏してました。

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『百日紅』をテアトル新宿で観て、ああ普通だなあ。他の人のように後から染みんなあふじき★★★『モンキーマジック 孫悟空誕生』をシネマート六本木3(B1F小)で観て、これは大人が見る映画ではなさげだなふじき★★★