『パトレイバー THE NEXT GENERATION 首都決戦』を新宿ピカデリー5で観て、不満はあるけどこれならOKふじき★★★★(薄くネタバレあり)『MAD探偵 7人の容疑者』をシネマート六本木3(B1F小)で観て、偉大だけど乗れない映画ふじき★★★

2015年05月16日

『セッション』をトーホーシネマズ六本木2で観て、もろもろ連想ふじき★★★★(ネタバレあり)

五つ星評価で【★★★★なんつーか悔しいけど、面白さ自体は否定できない】

ネタバレです

まず、あのラストは好きではない。
勿論、主人公が負け犬のままなんてのは言語道断だが、
牙を剥き出しにする化け物と、気持ちが通じ合ったような一点で終わる、
そうではない。化け物は化け物らしく退治して乗り越えるべきだろう。
あの化け物を放置して、同じ事を繰り返しても仕方ないとしてはならない。
仮に、同じ事を繰り返すのなら、主人公のニーマン自身が怪物の座に着くべきだ。
その為には怪物フレッチャーを追い落とさねばならない。
絶対的な強者が一人いて、それにかしずくチームがある、
チームにボス猿は二人いらない。これはそういう映画だ。
あくまでチームをサポートする素材の一人であるなら、今のラストでいいが、
一度、ボス猿に牙を剥いたらもう戦い続けるしかない。
ニーマンはフレッチャーが譜面さえ渡さずに自分を落とし入れ、
観客の一曲を台無しにした事を告げればいい。
それは音楽という神に逆らう私情でしかない。
私情が演奏にプラスするなら使えばいい。
私情をも罵倒に取り込んで教育しているフレッチャーの方針と合致する。
どんな状態であれ、目的の為により強くなるならそれはそれで良い。

フレッチャーにはアメリカ映画の軍隊にいる黒人の鬼軍曹の面影を見た。
理不尽なまでに権力を持ち、理不尽なまでに強靭。
彼等も癸韻鮑遒蟒个擦気┐垢譴仟召麓里討討發いぁ△箸いκ針を持っている。
結局、それは何なのかというと、彼等が「狩猟民族」だからではないか。

『セッション』は日本人には作れない。
日本人は農耕民族なので、『セッション』を作ろうとすると、
『マエストロ』になる。皆で話し合って和を大切にしながら成長する。
罵倒などしたら喧嘩になって、相互扶助が必要な農耕作業に支障を来たす。
その点、狩猟民族は違う。
誰か一人飛び抜けた才能を持っているハンターがいて、
そいつが一人で象を仕留められたらそれでいいのである。
話し合いなどしていたら、獲物は逃げてしまう。
仮に一人で仕留められないのなら、狩りの天才が自分が頭になって、
他を手足のように使い、全員を統率して事を起こす。
絶対的な強者が先頭に立ち支配する。
理屈は後からついてくる。身体が動く者が群れを率いる。これが狩りの鉄則だと思う。
おそらく人が猿であった時からの原型的な形質がこれだろう。
だから、『セッション』で女性演奏者にスポットライトは当たらない。
彼女たちは男同様のハンターなので、
内面を叩いて耐えれば男同様で絵にならないし、泣けば世界観を壊す。
村で釣果を待つ側に回れ、という事になる。

個人的には本当に日本人で良かった。
あんな世界観を持ってる奴らと一緒には暮らせない。

教育の映画と言えば『ビリギャル』『セッション』
メチャクチャ好対照である。

フレッチャーはニーマンに
「ニーマンくんは可能性に満ちた、とても素敵な男の子です」
とか、口が避けても言わない。
「ニーマンくんは可能性に満ち満ち満ち満ち………ファッキン・テンボ!」

ぬるかろうが何だろうが日本人で良かった。


【銭】
トーホーシネマズデーで1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
セッション@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
セッション@ここなつ映画レビュー
セッション@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
セッション@Con Gas, Sin Hielo
セッション@カノンな日々

PS ファッキン・チ〇ポ!
PS2 ラストシーン、バズーカ片手にステージに戻ったニーマンに
 ニコっと笑いかけた途端、吹っ飛ばされるフレッチャーという締め方でもいい。


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この記事へのコメント

1. Posted by 隆   2015年05月16日 00:36
日本人は、共同体として上手く回れば良いと考えますから、ラストの独演には続きがあると思います。すなわち、ニーマンが第二のフレッチャーとなって、組織的には上手く行く兆しが見えると。

しかし、フレッチャーのやり方に他のバンドメンバーは良く付いて行くものですが、ニーマンが特別に、フレッチャーの感性を感化させたのかも、とも思います。
2. Posted by 隆   2015年05月16日 01:07
>農耕民族

江戸期に入るまでは、土地は争奪の対象で、また、再起の拠点となった事から、武士の一所懸命の精神があったわけで、そこには平時でも争いが絶えなかったわけですが、江戸期に封建制が確立したのと同時に身分の固定化が起きて、よほどのチョンボが無ければ土地を失う事無く、安堵された事から、統治が完成して、和を以って尊しとなす、が武士にも定着した、と思います。つまり、日本の原型ですね。

>狩猟民族

地は、開拓と発見によって、絶えず征服されるものだと考えるのが、彼らだと思います。州の境界線を見ても、人口的なラインには、天然の地形も自然環境の相違も、狩猟民族の開拓者達にはたいしたことないものだと感じられ、畏敬の念に薄いのではないでしょうか。そうした感情の強さが、フレッチャーの怖いもの無さに見えた気がしました。

重レス失礼しました(汗
3. Posted by ふじき78   2015年05月17日 00:02
こんちは、隆さん。
日本でフレッチャーに近い人間を探すと、罵倒とかは勿論しないんですが、カリスマ性があって不合理でも誰も逆らえない、、、、、スタジオ・ジブリの宮崎御大ですね。共産主義者なのに共同体のトップで全体を引きずりまわしてるつて皮肉な状態ですが。
4. Posted by ここなつ   2015年05月18日 01:06
こんばんは。当ブログにご訪問&TBをありがとうございました。
狩猟民族と農耕民族の違い…確かにそうかもしれません。納得です。
あと、やはり人格の卑しさ、高潔さが影響を与えるのではないかな、と、なんか偉そーですが。
ところで、ラストがお気に召さない&その分析についても大変興味深かったです。
実はラストについては、私が経験した現実世界でのラスト…というか後日談があるので、自分のブログのコメント欄に再度書き込み致しました(さすがに人様のブログで自分語りはどうかと思いましたので)。
よろしければ再訪問してみて下さい。
5. Posted by ふじき78   2015年05月18日 23:35
こんちは、ここなつさん。
この映画に関して、フレッチャーが実は高潔な人物だったというオチでも作れそうなんですが、個人的にはとことんゲスで卑しいのにテクだけは一流みたいな人物の方がやっぱ面白そうですよね。
私、ニーマンがフレッチャーに打ち勝ったらニーマンはもう第二のフレッチャーになるしか道は残されてない気がします。
6. Posted by クマネズミ   2015年05月19日 21:21
今晩は。
「『セッション』は日本人には作れない。日本人は農耕民族なので、『セッション』を作ろうとすると、『マエストロ』になる」というのは、随分と鋭いご指摘だと思います。
とはいえ、「ふじき78」さんは、“日本=農耕民族、西欧=狩猟民族”の二分法に従っておられるようです。ただ、Wikipediaによれば、「農耕が開始された新石器時代まで全ての人類は狩猟採集社会だったと考えられている」とのことであり、また日本でも漁業に従事する人々もいれば、以前のことですがマタギもいました。反対に、欧米諸国もかなり長い間農業生産に依存しているように思います。この二分法の実際への適用はなかなか難しいのではないでしょうか(「狩猟民族」はアフリカの一部の部族が該当するのかもしれませんし、また西欧や日本などの「農耕民族」に対応するのは、あるいは内陸アジアの「遊牧民族」ではないでしょうか)?
それと、『セッション』≒『巨人の星』であり、ニーマン≒星飛雄馬、フレッチャー≒星一徹という関係も、もしかしたら本作には考えられるのではないでしょうか?
7. Posted by ふじき78   2015年05月19日 23:33
こんちは、クマネズミさん。
相も変わらず、私はかなりザックリなんですが、日本人(アジア人)が短足なのは菜食(ごはん食)を中心とする文化を持つ人種は栄養を取りづらい穀物から搾り取るため胴が長くなった。相対的に足が短くなった、という話を聞いた事があります。そういう意味では勿論例外もあるのかもしれませんが、欧米人(及びニグロイド)全体が足が長いのは食事が肉(狩猟生活に根差す)中心だからではないでしょうか。食生活の変更により、遺伝傾向を変えるのは100年くらいかかるという話も聞いた事があるので、あまり短足の欧米人のイメージがないって事はずっと同じ狩猟民族としての食生活が続いているという事ではないでしょうか?

「巨人の星」的にはニーマンはオズマに近いような気もします。飛雄馬の方が分かりやすいんですけど。
8. Posted by ボー   2015年05月21日 06:57
・フレッチャ光に変えると怒鳴られそうなので、現状維持中。
・「俺がキューを出す」というので、007のQでも出てくるのかと思ったのだが違った。
9. Posted by ふじき78   2015年05月21日 07:26
こんちは、ボーさん。
「俺がキューを出す」
あの緊迫した場面でキューリのキューちゃんを出してボケてほしかったですね。
10. Posted by SGA屋伍一   2015年05月24日 16:53
日本人ならできない…か。なるほど。そういえば『のだめカンタービレ』でハリセンで生徒をビシバシ叩く指導者がdisられてるエピソードがあったような
11. Posted by ふじき78   2015年05月24日 23:51
こんちは、伍一どん。
日本だったらモンスターペアレンツが黙っていません。
12. Posted by yukarin   2015年05月27日 14:57
こんにちは。
うーん、確かに日本ではこういうのは作れないですよね。
『マエストロ』になる..というのもなるほど〜。
13. Posted by ふじき78   2015年05月27日 22:14
こんちは、yukarinさん。
マエストロが「テンポわりいんだよ、このチ〇ポ野郎!」とか叫んだら、もうみんな二度と練習に来なくなっちゃうよね。全員、Mの楽団作るしかないか。
14. Posted by maki   2015年09月24日 09:20
こんにちは

ラストのシークエンスが、とてもよかったです
師弟関係の恩讐を超えた音楽の頂点に達したのだと思います
ただ、終わった後はやはりワンマンショーからでるほかの団員からの不満と、フレッチャーの今までどうりの態度が待っていると思います
そういう意味ではあの一瞬だけ才能が花ひらんだのであって、開花したわけではないのでしょうね
15. Posted by ふじき78   2015年09月24日 22:45
こんちは、makiさん。
お話の中の事とは言え、彼等の人生があの瞬間で終わらないならフレッチャーを銃殺とかしておかないと安心して生活を送れないと思います。
16. Posted by ヒロ之   2015年09月27日 12:31
こんにちは。
バズーカでフレッチャーを吹き飛ばす(笑)
結末ならそっちを観たいです。
その結末だとある意味第2の『フルメタル・ジャケット』になれたかも。
17. Posted by ふじき78   2015年09月27日 21:41
こんちは、ヒロ之さん。

すっとしたいよねえ。

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