『100歳の華麗なる冒険』を下高井戸シネマで観て、ホラっぷりに乗れないのは何でだろふじき★★『KANO 1931海の向こうの甲子園』をHTC有楽町1で観て、なるほどふじき★★★

2015年03月27日

『デスフォレスト恐怖の森2』をユーロスペース2で観て、アウェーな映画と分かりつつ褒めてあげたいんだふじき★★★

五つ星評価で【★★★ダメなりの健闘】  

おそらく、ローバジェットの最下層みたいなところで作られるこの近辺のホラーには色々な逆境がテンコ盛りで押し寄せてくるに違いない。そして、この映画はお世辞にも「良かった」とは言い難いし、あちこちにガタが来ている事も間違いない。多分、誰もがどうあがこうが、どうにも覆せないいい映画を作れる一定のラインと言うのがあって、色々な条件が重なって、その線に到達できない物は駄作化を免れないのだ。そんなデフォルト値があってこそそこから脱して見せる事その物を題材にする『王様の映画』のようなファンタジーが成立しうるのだ(この映画と全く関係ないけど)。

という訳で、この映画はトータルではダメであって、
しかも、節々も悲鳴を上げるようにダメが満載なのだけど、
ピンポイントで嫌いになれない。
そういう所にちょっと光明を見出したい。

主要登場人物は化け物に襲われる女子高生5人、教師1人、外部の人間1人。
舞台は廃校舎。もう既に「森」でない。
凄い逸脱である。
『ハロウィン』なのに、盆と正月に暴れ回るブギーマンみたいだ。
女子高生5人は演劇部。別にそこに大きな必然性はない。
しかし、巷でモモクロが演劇部として凄い汗を流している今、
この部活動の選択は物凄い残念感をだだ漏れさせる。
下手なんだもん。そして、素材の悪さが一目瞭然。
ちょっとブスで太ってて団地妻っぽい女子高生が混ざってる。残念だ。残念だ。

そんな中、あちこちほころびがあるストーリーが流れる中、
主役倉持由香の孤独なヒロイズムに撃たれるし、
その孤独なヒロインを包み込もうとする
下垣真香の優等生的で融通の利かない優しさもいい。
この二人が映画を輝かせる。

特にツイッター自撮りで頭角を現してきた倉持由香の目の強さは印象的で、
彼女と、クリーチャーのグロさが一身にこの映画を背負っている。
なので、脚本的には彼女のナイフ所持その物の曖昧さ、
演出的にはライトの使い方の曖昧さが惜しまれる。
その二点だけ突破できてれば、もうちょっと人に勧めやすい映画だったのに。

怪物ヨシエと山海塾もどきは今回とてもよい。
教室のドアを開けると出てくるヨシエ、
廊下の奥から大きくなってくるヨシエ、
密室や、幾何学空間の方が似合うキャラクターなのだ。
人間が演じてる事はバレバレなのに、禍々しさに目が離せない。

あちこちいらん所はあるのだけど、
この怪物が無理を承知で映画の世界に存在しているゴリ押し感と
倉持由香のいたたまれないヒロイニズムは褒めたい。

山海塾もどきは笹野高史っぽさが強くなった。
白塗りの裸で無言で襲ってきて人を食おうとする笹野高史。
今回はやられキャラなんだけど、それでもやっぱりそんな笹野高史いやだよなあ。


【銭】
ユーロスペース会員割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
デスフォレスト 恐怖の森2@ぴあ映画生活
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