『おみおくりの作法』をシネスイッチ銀座1で観て、この素晴らしいラストを認めるべきか?ふじき★★★(ネタバレあり)『みんなの学校』をユーロスペース1で観て、正しいだけに何か武器がほしかったなふじき★★★

2015年03月09日

『さよなら歌舞伎町』をテアトル新宿で観て、あっちゃんそれはないだろうふじき★★★(前田敦子部分のみネタバレ)

五つ星評価で【★★★前田敦子は二つの意味でミスキャスト】  

「群像劇」。みんなが少しずつのパートを担い、一つの物語を作っていく。
でも、そこで作られる物語は、ビックリするような悲劇でもなく、
ゲラゲラ笑えるような喜劇でもなく(コメディー要素は皆無ではない)、
そんなに「今の歌舞伎町を表わしてる」訳でもなく、
これを見て、日本が分かる訳でもない。

エピソード集としてつまらない訳ではないが、
ガツンと一発かまされたみたいな話のシコリがなかった。
ダラダラ見れてしまうのだけど、
見終わって感情が素通りしてしまうような感じ。

最初から怠惰な染谷将太がいろいろな目に会った末、
怠惰なりに自分にケリを付ける映画、なのだが、
キャラクターとしてやりそうな事をダラダラやってるので
「起承転結」の「転」たりえない。
染谷将太は出演多すぎて、今、ついに「飽きる」ラインに
入って来てしまったのではないか?(演技似てるでしょ)

で、その染谷将太をガッツリ受け止めるべき存在である筈の
前田敦子の出番は思った以上に少ない。
少ない上、ラブホの映画なのに脱ぎがない。
脱ぎがないのは構わないのだ(勿論あっても構わない)。
実は、脱ぎがあった方が今回の役柄はより簡単に表現できる。
だから、「脱ぐ」が「売り方として」許されない前田敦子が選ばれた時点でミスキャストなのである。
もちろん前田敦子は契約上そうであるなら脱ぐ必要はない。
脱がない前田敦子でもラブホの映画の主役を張る事によって、期待感を高め、商売上のとてもいい助けになるだろう。そういう線を売り手が望んでいるなら、それはそれで間違いではない。
だが、脱ぐ必要はないのだが、物語上、必要なら着衣のままであろうが何だろうが適正な濡れ場はあった方がよかっただろう。今回は何をトチ狂ったのか、それすらなかった。私の解釈が間違えてないなら、彼女は大森南朋演じる音楽プロデューサーの前で裸になって一戦枕営業してる筈である。そして、それを染谷にハッキリ打ち明け、それが染谷を追い込むのだ。にも関わらず、映画の彼女には直接の濡れ場もなければ、セックスが終わった後の余韻の演技すらなかった。汗一つかいてなかった。セックスが行われた、行われていないは演技としてはっきり明確に分からないといけないだろう。必要な演技を怠るような役者だとしたらミスキャストである。
ただ、個人的には前田敦子がこの映画で脱がないのはよかったと思う。というのは、監督の廣木隆一がそんなに女の子のヌードを可愛く撮れない監督だからだ(と、私は信じている)。この映画の中で韓国の女の子のおっぱいとかは良かったけど、あれは素材がたまたまよかったというだけだろう。

家出娘・我妻美和子のこぼれそうな眼よかった。
ああいう子にいてほしいけど、それは凄く今っぽくない。
彼女も脱いでないのだけど、パンツ、バンバン見せながら、
リアルにエロくなかったので逆に許す。

最後は南果歩が余裕で全部さらっていった。


【銭】
チケット屋で額面1500円の前売券を850円でGET。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
さよなら歌舞伎町@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
さよなら歌舞伎町@映画的・絵画的・音楽的
さよなら歌舞伎町@Movie Boys

PS デリヘルの送迎車が西武新宿から花園神社に抜けていく。
 歌舞伎町通り越しちゃってないか? そこから左折して回り込んでいくのか?
 最後、染谷の退場が花園神社から新宿南口奥代々木駅手前の高速バス乗り場
 だったことを見ると、ラブホ歌舞伎町になくないか?(新宿n丁目じゃないか?)
PS2 「歌舞伎町」を扱いながら、カメラはラブホから外に引きこもりのように
 出ようとしない。ラブホを舞台にした映画は今まで3本くらい多分、見てる
 (渋谷区円山町なんとか、ラブホ住み込みのラブホ改革話、ラブホコメディー)
 どれも舞台は歌舞伎町じゃなかったと思うが、今回との違いはあまりない。
 つまり、ラブホの外に出ないと、少なくとも自分にとっては、歌舞伎町感は
 出ないのだ。
 「DVDいらん?」とか言ってくるあのオヤジらとか、
 ホストっぽい兄ちゃん、やけにヒールが高い姉ちゃん、
 大量に吐き出されるアジア系観光客。
 こんなんが何一つない歌舞伎町の映画って珍しくないか?
 お話を作る人たちが街に出ていないんだな、きっと。
PS3 舞台になったラブホは歌舞伎町二丁目にあるホテルアトラスだそうです。
 (クマネズミさんのブログ「映画的・絵画的・音楽的」に
 付けたコメントで答をもろうた)


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1. さよなら歌舞伎町  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2015年03月09日 06:04
 『さよなら歌舞伎町』をテアトル新宿で見ました。 (1)『もらとりあむタマ子』で好演した前田敦子が出演するというので映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭は、大きな道路の脇にあるアパートの部屋のシーン。  沙耶(前田敦子)が、朝から窓辺でギターを弾...

この記事へのコメント

1. Posted by クマネズミ   2015年03月09日 06:03
お早うございます。
「これを見て、日本が分かる訳でもない」とありますが、例えば、国会の予算委員会で議員同士の不倫劇が取り上げられることからしても、「ビックリするような悲劇でもなく、ゲラゲラ笑えるような喜劇でもな」いことがあちこちで「ダラダラ見れてしまう」のが今の日本でしょうし、「「飽きる」ラインに入って来てしまった」染谷将太が、相変わらず「キャラクターとしてやりそうな事をダラダラや」ってしまっているのや、元のシナリオでは沙耶に驚天動地のシーンが用意されているにもかかわらず、「脱がない前田敦子でもラブホの映画の主役を張る事」ができてしまうのも今の日本なのでしょう!
2. Posted by ふじき78   2015年03月09日 23:00
こんちは、クマネズミさん。
それ言い出したら日本を舞台にした映画か、日本人が出てくる映画はすべて「日本が分かる映画」になっちゃいますよ。
映画の総論として「日本はこういう国だ」「東京はこういう街だ」「歌舞伎町はこういう町だ」という事を主張したかった映画ではなかったなあ、というような意味合いです。
3. Posted by キルゴア二等兵   2015年03月10日 19:25
はじめまして

>韓国の女の子のおっぱいとかは良かったけど

あれって偽乳っぽくなかったですか?
顔立ちは韓国女優にしてはイジった感じがしなくてよかったのに、脱いだらアレだったんでちょっと萎えました。
4. Posted by ふじき78   2015年03月10日 22:25
こんちは、キルゴア二等兵さん。
何でも鑑定団ではないので、偽乳か本乳かは鑑定できないのですが、綺麗に越した事はない。まあ、どうせ触って確かめられる訳じゃなし。変に気合いの入ってない物見せられるより良かったんじゃないでしょうか? ちなみに生理食塩水バッグを使った偽乳は普通の父より硬めなので触れば分かります。
5. Posted by SunHero   2015年03月24日 05:20
5 ふじき78さん、どうも。
相変わらずTBが失敗に終わるので、今後はコメントを残すことにします。

前田敦子が演じた沙耶は、大森南朋が演じた音楽プロデューサーとは結局やってないから、将太君の役が部屋に押しかけてきた時に汗ばんでいなくてOKです。大森南朋の台詞で「別に女に不自由してる訳じゃ無いからいいよ」とかっていうのがあったから、枕営業は不成立だったと思われます。

廣木監督、本作を皮切りに、3ヶ月連続公開(2月=娚の一生、3月=ストロボ・エッジ)なんていう、アイドル顔負けの多作振りが、どの作品も仕上がりが甘くなった原因じゃ無いかと思います。
6. Posted by ふじき78   2015年03月24日 09:20
こんちは、Sunheroさん。
どうもトラックバックはブログ運営会社ごとに相性があるようで、こっちから付かない所も都度都度ありますね。

枕営業不成立ですか?
一応、ベットの中に入って脱いでたようだし、
前田敦子が染谷将太に一切弁解をせずに枕営業した体で会話が進んだので成立と判断したんですが、やはり中途半端にどっちにも判断できる描写だつたと思いますねえ。

「ストロボ・エッジ」も見たいんですけど評判が悪くて、ちょっと躊躇してたらすぐ公開終わっちゃうからなあ。本当にシネコンが出来て以来、映画の上映枠が弱肉強食過ぎる。

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