『わが母の記』『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』をギンレイホールで観て、老いるショックふじき★★,★★★『オレンジと太陽』をギンレイホールで観て、まだまだひどい話はあるねんねふじき★★★

2012年11月29日

『ミッドナイト・イン・パリ』『屋根裏部屋のマリアたち』をギンレイホールで観て、おフランスざんすねふじき★★★,★★★

1982年11月になって、やっと夏季休暇を取る事が出来た記念
書きそこなってたレビュー掘り起こし大会第二弾


◆『ミッドナイト・イン・パリ』
五つ星評価で【★★★アレンの標準作】

アレンももう若くないから、大傑作とか物にしなくていいから
ただただ呼吸するように作品を撮り続けてくれればいいよ。
でも、1年に1本くらいであまり頻繁に来てくれなくてもいい
(ああ本当に失礼な物言いだ)。
しかし、日本で言ったら「山田洋二」クラスだと思うんだけど、センス若いなあ。

アレンについては、こういう深刻にならないいい加減な映画の方が好き。

オーウェン・ウィルソンが妙にかっこ悪くていいなあ。
なんかアレンっぽいんだよね。
流石にアレンも本人役を演じられない事が分かり出して、
誰かに身体を預けようとして、それにオーウェンがちゃんと応えてるみたいに見える。
かっこ悪くてぶちぶち言いながら、ちょっとドモってる風でもあるのがアレンっぽい。
冒頭のナレーションなんてアレン本人かと思った。
で、オーウェン生来の犬っぽい可愛さも残ってて、それもよし。
変な人が演じたら(例えばタランティーノ)きっとサイコパスみたいになってしまう。

さて、現代と過去に行ったり来たり。
現代はつまらん。まあ、そういう演出だろうけど。
過去は知る知らないに限らず明確なキャラがゾロゾロ出てきておもろい。
1回生ききって、全てを熟知しているように断言が出来るヘミングウェイかっけー。
あと、どんな映画でも変人に書かれる「ダリ」が
いつも通りに表層的な変人だったので、ホッとした。

これ、日本が舞台だったら、トキワ荘だろうなあ。
パーティーも何もなく、ただひたすらマンガ描いてるっていう(笑)。


◆『屋根裏部屋のマリアたち』
五つ星評価で【★★★スペイン女礼賛】

日本人の男は基本みんなロリコンでマザコンだから、
この映画に出て来るスペイン人の家政婦はみんな好きだと思う。

とても心がつまらない主人が、
寅さんを女家政婦にぶち込んだようなスペイン人家政婦たちと
付き合っていくうちに、いい具合に心が打ち解けてくという話。
ラストがそれはどうかな、とちょっと思わなくもない。

主人ファブリス・ルキーニ(フランスが誇るハゲ)はバリバリの適役。
いつも通り、愛に翻弄されるダサ系の中年男を演じてる。
奥さん役のサンドリーヌ・キベルランの添え物感もとても良い。
そして、主人の心を溶かすスペイン・メイド、ナタリア・ベルベケ。
当然、この娘がちゃんとしてないと成立しないが、もちろん成立してる。
誰かに似てる気がするんだけど、佐伯日菜子かなあ。エコエコアザラク

『屋根裏部屋のマリアたち』って邦題はいいタイトルだな。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ミッドナイト・イン・パリ@ぴあ映画生活
屋根裏部屋のマリアたち@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ミッドナイト・イン・パリ@映画のブログ
ミッドナイト・イン・パリ@映画的・絵画的・音楽的
ミッドナイト・イン・パリ@紅茶屋ロンド
屋根裏部屋のマリアたち@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


fjk78dead at 09:09│コメ(12)トラバ(6)映画 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

6. ミッドナイト・イン・パリ  [ タケヤと愉快な仲間達 ]   2017年03月16日 07:53
監督:ウディ・アレン 出演:キャシー・ベイツ、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、マイケル・シーン、オーウェン・ウィルソン、ニナ・アリアンダ、カート・フラー、トム・ヒドルストン、ミミ・ケネディ、アリ
5. 屋根裏部屋のマリアたち  [ いやいやえん ]   2013年10月16日 09:20
1960年代のパリブルジョワなフランス人夫婦と、屋根裏部屋に暮らすスペイン人のメイドたち。彼女達の作る“完璧なゆで卵”が、主人に至福の歓びをもたらし、退屈で味気なかった男のモノクロームな日々を変えていく。 パリで証券会社を経営するジャン=ルイはスペイン人
4. 屋根裏部屋のマリアたち  [ 新・映画鑑賞★日記・・・ ]   2013年02月19日 12:50
【LES FEMMES DU 6EME ETAGE】 2012/07/21公開 フランス 106分監督:フィリップ・ル・ゲ出演:ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・キベルラン、ナタリア・ベルベケ、カルメン・マウラ 本当の幸せ? それはメイドたちにお聞きになって [Story]1962年のフランス、パ...
3. 『ミッドナイト・イン・パリ』 前を向いて歩こう  [ 映画のブログ ]   2012年11月29日 21:57
 一番好きな詩人を問われれば、やはりジャン・コクトーかもしれない。もっとも私はフランス語が判らないので、原語ではなく堀口大學の訳で親しむのみだが。  もしもジャン・コクトー主催のパーティーに参加...
2. 屋根裏部屋のマリアたち  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2012年11月29日 21:45
 『屋根裏部屋のマリアたち』を渋谷のル・シネマで見ました。 (1)物語の舞台は、1962年のパリとされます(注1)。  主人公のジュベール(ファブリス・ルキーニ)は、証券会社を営む中年男性で、先祖から伝えられているアパルトマンで暮らしています。  先代の奥方か...
1. ミッドナイト・イン・パリ  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2012年11月29日 21:32
 『ミッドナイト・イン・パリ』を渋谷ル・シネマで見てきました。 (1)昨年の『人生万歳!』をはじめとして、これまで何本も見ているウディ・アレン監督作品というので、だいぶ遅れてしまいましたが映画館に足を運びました。  本作は実に他愛ない内容で、1920年代のパ...

この記事へのコメント

1. Posted by SUZU   2012年11月29日 20:47
「ミッドナイト・イン・パリ」は思い返すと結構気に入ってるな〜とジワジワ来てます。

やっぱり知ってる俳優さんが沢山出てるのと、パリの今〜昔の風景が凄く素敵で、ロマンを感じてしまうのかな。
それでも一番のお気に入りはダリ〜♪なんですけどねw
2. Posted by クマネズミ   2012年11月29日 21:44
今晩は。
さすが漫画通の「ふじき78」さんだけあって、「これ、日本が舞台だったら、トキワ荘だろうなあ」とあるところ、もう少し古く、「馬込文士村」とか、漱石山房に集まった文士たちを考えても面白いかもしれません。
3. Posted by ふじき78   2012年11月29日 22:18
こんちは、SUZUさん。

> パリの今〜昔の風景が凄く素敵で、ロマンを感じてしまうのかな。

そう言えば、昔、「新宿ロマン劇場」という映画館があったなあ。いい名前だったけど、ふるい映画館だった。

まあ、ロマンもあまり古くならん方がいいですね。フランス革命の頃は馬糞・人糞だらけでパリは臭かったらしいですから。臭かったらやはり文化どころじゃないでしょう。

そう言えば、「新宿文化」という映画館もあったなあ。
4. Posted by ふじき78   2012年11月29日 22:25
こんちは、クマネズミさん。

さかのぼるなら、歌舞伎、落語のラインもあるかと思ったんですが、小説は想定外でした。日本で書かれる小説って「ワーワーキャーキャー」言われるようなブームになってたって言うイメージがなかったので。識字率が高いから、思った以上にみんな読書してたのかなあ。本を読む百姓というイメージないものなあ。
5. Posted by クマネズミ   2012年11月30日 06:08
本作のように文学を志している者がタイムスリップする先の知的なサークルというのであれば、もっと遡ると、例えば芭蕉十哲らによる句会などはどうでしょうか?
なお、江戸時代にはかなり寺子屋が普及していたようですから、「本を読む百姓」も随分と見かけられたのではないでしょうか?

話は変わりますが、『屋根裏部屋のマリアたち』のナタリア・ベルベケが佐伯日菜子に似ているとのご指摘は本当にすごいですね!
彼女は『おのぼり君』でちらっと見たくらいなので、ネットで画像を調べてみたら、なるほど似ていると驚いてしまいました!
それにしても、wikipediaに「エコエコアザラク」の項があるとは!!
6. Posted by ふじき78   2012年12月01日 02:37
こんちは、クマネズミさん。

江戸時代にタイムスリップするなら『ちょんまげぷりん2』という出来上がり品(小説)があるからなあ。

ベルベケさんは他にも誰かいそうな気がするのです。
7. Posted by yukarin   2013年02月19日 12:53
>屋根裏部屋のマリアたち
ご主人様とメイドさんたちのやりとりは楽しく観られたけどラストはうーん....
ふじきさんもこういうスペイン人の家政婦好きなのかな?
8. Posted by ふじき78   2013年02月20日 01:24
> ふじきさんもこういうスペイン人の家政婦好きなのかな?

日本語を喋れない場合は人間として扱いません。
9. Posted by maki   2013年10月16日 09:21
屋根裏部屋のマリアたち>
ラストのあっさり今までの人生捨てられちゃう所はおフランスでしたねー
10. Posted by ふじき78   2013年10月17日 00:46
こんちは、makiさん。

ああ、俺もいろいろ捨てたい(すんません、今、ちょっと弱ってます)。
11. Posted by タケヤ   2017年03月16日 08:16
僕はここに出てくるアーティスト達の
名前や表面的な事しか知らない人間です。

でもなんか惹きつけられましたね〜
本作品は。
大体アレン作品を観た事がないのに
エラソーな事は言えませんけどね。

あっ、僕もふじきさんに同じく
この主人公、ハンパなくカッコ悪いと
思いましたよ。
12. Posted by ふじき78   2017年03月17日 22:57
こんちは、タケヤさん。
あくまで個人的な意見ですが、映画を見る前に知らない情報がいっぱいあってもそんなに恐れません。映画を見終わった後で気になるなら、それらの情報を後追いすればいいのだと思っています。AとBとCを予習しないと見れない映画ってあかんと思うのです(AとBとCを知っていれば更に楽しめる映画であるならまあ認めんでもないけど)。

アレンの映画って、やるとその都度見ないでもなかったけど、まとめて見るとしんどそうだなあ。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
『わが母の記』『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』をギンレイホールで観て、老いるショックふじき★★,★★★『オレンジと太陽』をギンレイホールで観て、まだまだひどい話はあるねんねふじき★★★