モスバーガー「スパカツバーガー」マンガ『銀の匙 第四巻』荒川弘、少年サンデーコミックスを読書する男ふじき

2012年09月03日

『劇場版フェアリーテイル 鳳凰の巫女』をユナイテッドシネマ豊洲12で観て、号泣しながら神話を思う(ネタバレっぽい)★★★★

五つ星評価で【★★★★藤森雅也監督は凄いなあ】

凄いです。
面白いです。
いやあ、ビックリしました。
流石、職人監督藤森雅也。
『お前、うまそうだな』『忍たま乱太郎』と主戦場が幼児向けアニメだったので、
知名度は低いのだけど、必ず何かを与えてくれる監督です。
今回はちょっと年齢層上がって、学童児童向けくらいか。
うわ、入ってねえ。もったいねえ。

ええと、このマンガのパチもんのオリジナルと言われてて、そこそこ出来のいい
『劇場版 ワンピース』より映画だけ観たら、飛び越えて面白いです。


だから、君、観るのだ。


損はさせない。


キャラは分かりやすくて、楽しくカリカチュアされてる。
障害は厳しいが、厳しい障害を乗り越えようとする勇気や力がそこにある。
アクションはてんこ盛りで音楽がけっこうバリエーションに富んでてかっこいい。
オープニングはチャン・グンソクだ。どうでもいい。でも、足は引っ張ってない。

そして物語の意外な展開。
これは神殺しの物語ではないか。
神は姿や形を変えながら、人と人を結び、運命を変えていく。
神は自分に既に力がない事を知っている。
神が神として君臨するが故に世界に害悪を与えてしまう事も。
自らが犯す罪を神であるがゆえに死さえも許されず、
ただ見守らなければならない。これ以上の刑罰があるだろうか。
だから、自分たちの一部(全体の一部)を殺してまでも、
彼等は神を殺さなければならない。
それは永遠の業火からの神の解放でありながら、
現生からの神の追放も意味する。

神は二度追放される。
一度の追放の後に残るのは親しき者の墓場のみ。
二度の追放の後に残るのは、親しき者の生活の道。

神を殺してしまった民は、もう何に頼る事も許されず
自分たちで生きなければならない。
それは更なる混沌を呼ぶかもしれないが、
彼らが涙を流しながら選んだ選択なのだ。

まあ、書きながら、読ませておきながら何なんだけど、
きっとそんな話ではないのだよ。


見れば分かるよ。見なよ。



【銭】
映画ファン感謝デーで1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女@映画のブログ
劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女@みんなシネマいいのに
▼関連記事。
劇場版 FAIRY TAIL DRAGON CRY@死屍累々映画日記

PS フェアリー・テイルはマンガもアニメも未見。いわゆる一見さんだ。
 鑑賞にあたって、一見さんである事は全く支障がなかった。
PS2 二つの鳳凰石を一つに合わせるとは、
 一定の空間に一定量以上の核物質を置くと、
 核物質が活発な活動を始めてしまう事を指してるのではないか。
PS3 花嫁願望が強いというのも象徴的かもしれない。
 子を育む彼女だからこそ、災厄の扉を閉じれたのではないか。


fjk78dead at 01:05│コメ(15)トラバ(2)映画 

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2. 一言映画群  [ 迷宮映画館 ]   2013年01月20日 19:03
書きそびれたのの、備忘録。
1. 『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』でトレーニングをしよう!  [ 映画のブログ ]   2012年09月03日 02:42
 【ネタバレ注意】  うかつなことに『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』はノーマークだった。  しかし、『おまえうまそうだな』や劇場版アニメ『忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』の藤森雅也監督...

この記事へのコメント

1. Posted by ナドレック   2012年09月03日 03:30
こんにちは。
アニメ関係の情報に疎いのでよく判っていないのですが、アニメファンの間では本作や藤森雅也監督は注目されてるんでしょうかねぇ。
されてるんでしょうね。いや、よく判らないけど。

>二つの鳳凰石を一つに合わせるとは、
>一定の空間に一定量以上の核物質を置くと、
>核物質が活発な活動を始めてしまう事を
>指してるのではないか。

オシャカパズルを集めたら世界がひっくり返ったのももしや……。
2. Posted by ギモン   2012年09月03日 14:07
フェアリーテイルの映画は原作者の協力もあったそうです(総指揮)。
http://closeup-nettube.livedoor.biz/archives/7392768.html
http://cinema.pia.co.jp/news/158158/47678/

そして、映画の監督自身が特に拘った部分はラストシーンや重い決断の部分だそうです(ナツとルーシィの図では原作者が描いたキービジュアルと同じような構図あります)。

この映画で本人が特に拘った部分とか、インタビューでの発言の雰囲気とか、本人の過去の映画への態度を見る限り、藤森監督どちらかというと真面目な所に拘る事が多いかと思いました。(長編ものは単発・ギャグとは違いますし)

過去の映画では「おまえうまそうだな」と「忍たま」がありますが、「おまえうまそうだな」は下スタッフの堀剛史さんのツイッターの発言を見る限り、バトルシーンでそれなりの指示があったそうです。
「忍たま」は映画のインタビューで原作者から「私がこだわってきた時代考証も室町時代は江戸時代に比べて描写が難しいのに服飾や住まい、武器など細かい部分にまで藤森監督はこだわってくださいました。」といわれたそうです。このように過去の映画でも、どちらかというと真面目な部分に拘ってるというイメージが付きました。
3. Posted by ギモン   2012年09月03日 14:08
しかし、「おまえうまそうだな」は原作者から「絵本とは違う物にしてください」という要望、「忍たま」は原作者から「ギャグで突っ走れ」という要望があったそうで、最終的にはそういう意向も受け入れたかと思います。

フェアリーテイル映画についての監督の拘り発言、おまえうまそうだなの原作者や堀剛史さんの発言、忍たま映画での原作者のインタビューを見つけたので載せます。
4. Posted by ギモン   2012年09月03日 14:08
フェアリーテイル映画での拘り発言で拾った物
――作中、監督が特にこだわって描かれたシーンはどんなところでしょうか?

監督:そもそも今回の劇場版企画のスタートは、原作の真島先生が描かれたナツとルーシィの絵だったんです。ですから絵コンテも、ラストシーンにこの絵がくるように積み重ねていきました。僕はこの絵の、“泣いてるルーシィを受け止めるナツ”を表現する為に、ストーリーの冒頭から一貫して“ルーシィを気にするナツ”“ルーシィを見守るナツ”という表現を入れています。

物語の最後で、ナツはルーシィの為に、あえて、ルーシィの願いを聞かないという選択をします。その結果、ナツも自身も重い荷物を背負うことになりますけど、それが分かった上で、ルーシィを守る為にそういう選択をする。それはナツに、仲間意識や友情よりも少し踏み込んだルーシィへの気持ちがあるからなんじゃないかと思ったんですね。

ナツがルーシィに対して感じている気持ちというのは、原作でまだはっきりと描かれていない部分だったりもするんですが、今回の劇場版では、そのあたりに少し突っ込んでもいいというお話を真島先生からもいただいてましたので、ナツの視線や動きなどを通して、友情の少し先にあるルーシィへの想いを表現しているつもりです。


――真島先生は劇場版で“ルーシィの成長”を意識されたとおっしゃっていましたが、ルーシィを支えるナツも、やっぱり成長していくわけですね。

監督:そう思います。ルーシィが成長すれば、やはりナツも一緒に成長していくんじゃないかなと。“ナツのルーシィへの気持ち”の部分には、観客の皆さんにも注目していただけると嬉しいですね。序盤のバカやっているようなシーンでも、やっぱりナツはルーシィの事を気にしていますし、何かあった時はルーシィのところに真っ先に駆けつけていますから。
5. Posted by ギモン   2012年09月03日 14:08
おまえうまそうだなの原作者の発言
http://mi-te.jp/contents/cafe/1-9-742/
http://www.netdetirasi.co.jp/cinema/interview/059.php

堀剛史さんの発言
https://twitter.com/porigoshi/status/27646028466

忍たまの原作者の発言
http://www.animate.tv/news/details.php?id=1296710453&p=1
http://www.animate.tv/news/details.php?id=1296710453&p=2

そして、フェアリーテイルの映画の冒頭の流血、惨殺演出を見ると「おまえうまそうだな」や「忍たま」では出来なかった、かなり過激なシーンを抑えてたんだな、と感じました。対象年齢は差は大きいのかもしれません。
6. Posted by ふじき78   2012年09月04日 01:51
こんちは、ナドレックさん。

藤森監督の評価は・・・立ってないかもしれない。
私自身もアニメファンを卒業しちゃってるので、推測ですが、
幼児対象アニメは別枠扱いだと思いますよ。

ドクロストーンを集めても・・・・・・
7. Posted by ふじき78   2012年09月04日 06:10
こんちは、ギモンさん。

大変長いコメントをありがとうございます。
藤森監督はもちろん真面目なのでしょうが、
それにも増して、バランスやオリジナルへの敬意を忘れない、
いい意味で「調整できる大人」なんだろうなあ、と感じました。

と打ち込んだところで寝落ちしてしまった。
ヨロシクですう。
8. Posted by ギモン   2012年09月04日 10:19
ふしぎ78さん、長いコメントなってすみません。ついインタビューとか原作者の発言もあったので載せてしまいました。バランス取れてるのは周りのスタッフや原作者の力もあるのかもしれません
9. Posted by ふじき78   2012年09月05日 01:22
こんちは、ギモンさん。

まあ、いい縁も実力の内じゃないか、と。
できれば、もちっとメジャーな縁を手に入れて注目されてほしいですね。
10. Posted by トリ   2012年09月13日 18:40
素人の意見かもしれませんが、この記事やコメントを読んで藤森監督について気になった事があります。

監督自身のインタビューの発言を見る限り、本人はこのフェアリーテイルの映画で主に真面目で重い部分を語っていたりこだわったというのは察する事が出来ました。しかし、そのように真面目で重いところに拘るなら徹底的に大胆にその路線に絞った方がスッキリしたと思います。最終的には周りの意向も受け入れるタイプなのかもしれませんが、その考えだと場合によっては、中途半端なノリになってしまうのではないでしょうか。印象づけたいシーンがぶれるという感じに。

かつての「おまえうまそうだな」でもアクション等にこだわった事が連想されますが、アクション関係等ハードな描写も入れるなら徹底的にその路線でやった方がスッキリしたと思います。しかし、結局は原作者の「映画は絵本とは違うように」という意向や宣伝や紹介であった「心温まる」要素も受け入れたかのような展開になったので、中途半端な事になったと思います。
11. Posted by ふじき78   2012年09月14日 02:12
こんちは、トリさん。

私自身はそこに逆に藤森監督のバランス感覚の良さを感じます。真面目で重い物に徹する事も出来たのかもしれませんが、間間に緩い場面が入って、とてもいい緩急になってたと思うのです。「おまえうまそうだな」も「忍たま」も緩急がうまい映画でした。商業作品だからメインターゲット(原作観客や低年齢層)を納得させるべきだと思うので、元の持ち味を捨てない事、そして、集中力の低い低年齢層を飽きさせない。うまいなあと思います。
12. Posted by トリさん   2012年09月14日 15:10
言われてみると商業作品、特に低年齢層向けのものはある程度割り切らないと上手く出来ないのかもしれません。作り手にとって特に拘る部分が必ずしも客層や映画スポンサーの好みや意向と一致するとは限りませんし。

商業作品ではそういう折り合い付ける事も大事かもしれませんね。

何か意見があったらメールしてください。
13. Posted by ふじき78   2012年09月15日 07:06
こんちは、トリさん(さん)。

何かの間違いでもない限り爆発的な集客が認められないなら、作品として好き勝手やるって選択肢もありますが、いばらの道の割には等しく誰にも喜ばれないですからねえ。その道が正しいとも思えないし(やりたいなら自分のお金でやるべきでしょ)。

メールは等しく怖いから発信はしません。
セキュリティ防御の為だけの捨てメアドを一々作る手間もかけられないし。
14. Posted by sakurai   2013年01月20日 19:02
わーー、凄い。語ってるわあ。
「忍たま」は評価してます。
こちらは、ちょっと入れなかった。
やぱ、もともとの世界観を知らなかったので、軽い気持ち過ぎたかもです。
物語全体の緩急に、ちょっと違和感を感じたのですが、それも持ち味なのかなあ。
こちらは、ナドレックさんが高評価だったので、見に行ったのですが、ちょっと敷居が高かったかもです。
15. Posted by ふじき78   2013年01月21日 00:33
こんちは、sakuraiさん。

今、公開してる『ワンピース』もそうですが、アニメは一見さんに優しくない物が多いのかもしれません。登場人物の紹介一つしないし。でもまあ、類推できる事は類推して、登場人物の多いギルド側を無視すると、意外と話はシンプルで、私はそのシンプルさに酔いましたね。

記事に書いてる世界観は私が勝手に思ってる事で本当の制作側の解釈と合致してるかはそれこそ神のみぞ知るです。

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