2011年08月29日

『コクリコ坂から』をパルコ調布キネマで観て、評価に困る男ふじき☆☆☆

五つ星評価で【☆☆☆盛り上がりに欠けるけど、やりたい事は分からんでもない】


メロドラマに学生自治体ドラマが混じる。

1カット1カット居心地がいい。
それはジブリの遺産と言っていいだろう。
ふとした、何気ないカットでも、
登場人物が実に説得力に満ちた表情をしている。
つまり、役者の演技が上手いのだ。
この辺は大将が変わっても一緒。
大将が鍛えた劇団の底力と言ったところだろう。

吾朗はどうか。

前作より上手くなってると思うが、
山場設定とか、テンポを作るのは相変わらず下手。
この人は真面目に冒険せずコツコツやるので、
ビックリするほど変な物にはならないのではあるが。
音楽の使い方がすんげえいい感じ。

原作その物は読んだ事はないけど、
高橋千鶴のマンガは読んだ事がある。
これ、ジブリ絵ではなく、高橋千鶴の絵でやったら
もっと胸に染みるものになったと思うのだが、
それは興行の条件として許されないのだろう。
難儀な事だ。
多分、それはかなり大事な原作の要素である筈なのに。

全体として、吾朗は頑張ってるとは思うが、
佳作と言い切るのは気が引ける。いい意味での凡作かな。
私、父ハヤオの『もののけ』『千と千尋』『ハウル』『ポニョ』
は商品パッケージだけが上手い駄作と思ってるから、
凡作でも充分な評価である。

ただ、こういう物語性の乏しい話だったら
(そう見えてるだけかもしれないが)
今のハヤオに撮らせた方が出来は良かったかもしれない。
ディテール細かく撮るし、あまり複雑な伏線も必要ないし。

長澤まさみは今回、下手だったと思う。



【銭】
たまったポイント(3回有料入場分)で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
コクリコ坂から@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
コクリコ坂から@映画のブログ
コクリコ坂から@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
コクリコ坂から@LOVE Cinemas調布
コクリコ坂から@紅茶屋ロンド
コクリコ坂から@新・狂人ブログ

PS それにしても原作タッチをこんなに無視したマンガのアニメ化も珍しい。
PS2 主人公は海、妹は空、もう一人隠し子の「陸」を見つけてきて、
 陸海空の総力を一つにまとめたカルチェ・ラタン・ロボが大活躍する
 話だったら合格だったのになあ(何に合格なんだよ!)。


fjk78dead at 00:05│コメ(10)トラバ(9)映画 

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9. コクリコ坂から  [ いやいやえん ]   2012年06月21日 09:41
少女漫画が元になっているようなので、少女漫画として観ませう。 いやーそれにしても、ジブリの描くヒーロー(ヒロインの相手役)の男の子ってどうしてみんなこうカッコイイんでしょうね!ヒロインの海、ヒーローの俊の甘酸っぱくも爽やかな青春の物語に、胸がキュン。
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昨年『アリエッティ』でガッカリしてしまったので、 ジブリだからといって絶対面白いかどうかはわからないし、 映画館に足を運ぶことさえかなり迷っていました。 なので、あんまり事前にいろんな情報を見る...

この記事へのコメント

1. Posted by スイ   2011年08月29日 00:12
twitterから来ました。

ココリコの評価といよりゴローちゃんの評価ですね。
確かに多くのコメントを見ると大体「無難」ってとこが総評みたいです。
ということは、ジブリらしくない夢も冒険もないドラマなら活かせるのかもしれませんね?

もう、その時点でジブリじゃない気がしますが。
2. Posted by ナドレック   2011年08月29日 01:12
こんにちは。
コクリコ荘唯一の男性である男の子、彼が陸君ですよ。
海、空に比べるとずいぶんと幼く見えますが、三姉弟という設定です。
3. Posted by SUZU   2011年08月29日 15:21
こんにちは。
吾郎監督作品は初めて鑑賞でしたが、普通に面白く感じました。
その「普通」が物足りなさの原因の一つかもしれませんが…。
音楽はとてもよかったと思います。使い方も絶妙でした。

しかし、ジブリはどうして原作有の映画化だと少女漫画の起用が多いのかなあ〜?
ラピュタのような無茶冒険して欲しいです。
4. Posted by クマネズミ   2011年08月29日 23:00
こんばんは。
このアニメは乗れませんでした。
ですから、このアニメについて「いい意味での凡作かな」などと言われると、太宰治が『人間失格』の冒頭部分で、ある男の顔の写真の3番目について、「額は平凡、額の皺も平凡、眉も平凡、眼も平凡、鼻も口も顎も、ああ、この顔には表情が無いばかりか、印象さえ無い。特徴が無いのだ」と述べながらも、そんな顔を「最も奇怪なもの」と規定していることに通じるようにも思えますが、それは松浦寿輝氏が『不可能』で言うようにもしかしたら、「ふじき78」さんの「サービス精神」の表れと言えなくもない感じがして、やはりクマネズミには、「凡作」は単に「凡作」でしかないようにも思えるところです。
尤も、クマネズミがこのアニメを「凡作」とするのは、「ふじき78」さんが「商品パッケージだけが上手い駄作」とされる『もののけ』『千と千尋』『ハウル』『ポニョ』が描き出しているようなファンンタジー性が欠如していると思えるからに過ぎず、そのファンタジー性の方も、アニメそれ自体に備わっているものではないかと言われてしまうと、もう曖昧模糊としてしまうに過ぎないいい加減な概念なのですが!
5. Posted by fjk78dead   2011年08月30日 00:09
こんちは、スイさん。

> もう、その時点でジブリじゃない気がしますが。

いっそ、もっとジブリらしくない地下ポルノとか作って、オヤジに「流石にビックリした」とか言わせちまえばいいんだよ、とか乱暴な事を今、思いました。「荒ぶる創作意欲」を感じない所が逆に吾朗魂なのかなあ。謎だ。
6. Posted by fjk78dead   2011年08月30日 00:13
こんちは、ナドレックさん。

ご指摘いただくまで、全く彼の事を忘れてました。
だって、薄いんだもん。
作中で殺されたり、リストカットして自殺しても誰も気づかないんじゃ……

ちょっとサザエさんのタラちゃんくらい幼く見える。
すると母親は海……まずいじゃん。
7. Posted by fjk78dead   2011年08月30日 00:30
こんちは、SUZUさん。

そうそう、ともかくできた作品を皆が魔力にかけられたように「普通」という。それも個性なのかな。ジブリには単純な娯楽映画を作ってもらいたいんだけど、それはもう無理なのかしら。

資金稼ぎの為に「ラピュタ2」とか作ってもいいと思うんだけど。
8. Posted by fjk78dead   2011年08月30日 00:39
こんちは、クマネズミさん。

「凡作」の規定は「まあ、どこにでもあるような作品」、極端に劣ってないけど、目を見張るほど優れてもいない、みたいな意味合いで使っています。

「駄作」は悪意が籠ってて、本来の意味より自分の中では「恥ずべき作品」みたいなニュアンスですね。私個人の意見として、アニメにリアリティ表現を持ち込む事には反対なのですが、だからと言って「ファンタジー(絵空事)」である事をそれほど意識しなくてもいいかな、と思います。「ゲド」であっても「コクリコ」であっても今の映画観客にとってはリアルじゃない別世界である事に変わりはないのだから。
9. Posted by maki   2012年06月23日 12:44
こんにちは
特別素晴らしい作品とまではいかないまでも、
普通に面白く見れる作品でした
これ、ゲド戦記の吾朗さんからすると凄い進歩だと思うのですがどうでしょう
切なく甘酸っぱい恋模様も、淡いところがちょうどよくって、個人的にはアリエッティよりは気に入りました
10. Posted by fjk78dead   2012年06月23日 23:12
こんちは、makiさん。

私、あの評判の悪いゲドがそんなに嫌いじゃないですけどね。
順番付けるならアリエッティ>コクリコ>ゲドの順かな(ゲドが一番下)

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