『逃亡日記』吾妻ひでお、日本文芸社を読書する男ふじき共通テーマ「バレンタイン、誰かにチョコを贈りますか?」に毎年毎年めんどうくさい話題だなあふじき

2011年02月11日

『ジーン・ワルツ』を109シネマズ木場シアター6で観て、痛々しいぞふじき☆☆(ネタバレかなあ)

五つ星評価で【☆☆でも、野郎の演技は好き(ホモじゃないぜ)】
  

海堂尊の原作を読んでから鑑賞。

まず、この原作自体が凡作。
元々がミステリーというよりは医療告発物で(いや、それはいい)、
その告発の行く末に関して中途半端な幕切れだし、
そもそも主人公、曽根崎理恵の感情の動きが原作では読みづらい。

だから「泣かせたら誰にも負けない菅野美穂主演の映画化で大化けするかも」と
思っていたのだけど、残念な結果に終ってしまいました。

この映画のどこがダメなのかズラズラ書けちゃうのが問題だ。

脚本もひどいが、撮影、照明、美術、衣装、
何か着実に失敗して、みんなで点数を稼いで
駄作を作り上げようとしているようにしか見えない。

撮影、照明はブルーを基調としてシャープでスタイリッシュ。
でも、この色味は女優を可愛く見せない。
赤ちゃんを撮る時は流石に色味を変えていたようだが、
それは女優でもやるべきだ。
菅ちゃんがどーもギスギスして嫌な女に見えてしょうがない。
これは演技うんぬんではなく撮り方に難があったのだと思う。
そもそも妊婦がただ疲れたように映ってしまっていて、
映像として母性を感じさせない事が映画の主題からしたら大問題だ。

美術。マリアクリニック、オシャレで金持ちっぽすぎないか。
もうちょっと町医者っぽく地味にしないと道楽医者っぽくてリアリティーが薄らぐ
(仮にモデル医院があったとしても、それとこれとは話が別だ)。
又、後半、トラブルにより、医院が一部、破壊されるが、
破壊された事によって、何がどう問題なのかが、どうも分からない。
脚本もそうだが、医院その物がどのような構造であるかを、
無理なく事前に観客に提示しないのなら、あんなトラブルは全く不要だ。
トラブルによるサスペンスの盛り上がり感がゼロというのが逆に凄い。

小道具。伏線もなしにランプ?

衣装。菅ちゃんの白衣の下の原色の服。
何か単に金持ちっぽくて嫌な感じの服に見えたのは私だけか?

で、まあ。
原作からの話の摘み方が下手。
白石美帆夫婦のエピソードが前倒しになったのはしょうがないけど、
南果歩夫婦の5年の重みは全く出てない。
桐谷美玲のボーイフレンド・エピソードも一切合切カット。
教室のシーンから始まる院内の確執もばっさりカット。
普通に産む事にリスクが伴う具体例の説明もカット。
出産トラブルの医療的な説明のビジュアル化も断念。
ないない尽くしと言うか、もう少し効率よく脚本に詰められなかったのか?

さてさて、映像が青を基調にシャープでスタイリッシュ。
これってゴツゴツとした顔の陰影をはっきり映すので野郎は映えた。
あのオーバーアクトが嫌いな人もいそうだけど大杉漣グッド。
誰だか知らないが、白石美帆の旦那のトツトツとした喋りも涙ぐませた。
そして、大森南朋。彼の絶望の演技の深さとリアルさが一番、来た。
こんなの原作では全くウェイト低い場所だった筈だ。

という感じで、役者はおおむね熱演。


【銭】
毎月10日、109シネマズデーで1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ジーン・ワルツ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期トラックバックを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ジーン・ワルツ@Love Cinemas調布
ジーン・ワルツ@カノンな日々
ジーン・ワルツ@京の昼寝
ジーン・ワルツ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP
ジーン・ワルツ@ほし★とママのめたぼうな日々♪

PS 桐谷美玲『君に届け』で、振られたと思ったら、
 ロクデナシ男に孕まされて、踏んだり蹴ったりだ。
PS2 相変わらず濱田マリは役者として大層立派。
PS3 白石美帆はまたいい人なのに不幸な役だった。


fjk78dead at 01:37│コメ(18)トラバ(10)映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by cyaz   2011年02月11日 08:26
ふしぎ78さん、こんにちは^^
TB&コメントありがとうございましたm(__)m

原作も未読ですし、特に期待感もなく、
一連の海堂氏原作のTV・映画の流れを想像しながらでしたので、
それがやや邪魔をしたという感じでした。
菅ちゃんは前夜の弾丸トラベラーで天真爛漫な姿を見ただけにこれもいけなかったかなぁ(笑)

>誰だか知らないが、白石美帆の旦那のトツトツとした喋りも涙ぐませた
えっと、それは音尾琢真さんですね^^
2. Posted by fjk78dead   2011年02月11日 09:15
こんちは、cyazさん。

> 一連の海堂氏原作のTV・映画の流れを想像しながらでしたので、
> それがやや邪魔をしたという感じでした。

そうですね、一連の如くミステリーではないですからね。


> 菅ちゃんは前夜の弾丸トラベラーで
> 天真爛漫な姿を見ただけにこれもいけなかったかなぁ(笑)

いやまあ、天真爛漫な菅ちゃんが好きだから、
映画公開期間中「ぶすっとしてるように」ってのも
はなはだ本末転倒だし。難しいっすね。


> えっと、それは音尾琢真さんですね^^

この人は本当に知らなかったんですが、
名前をぐぐったら、あー、チームNACSの人なんだ。
と分かっても顔が思い浮かばない。
大泉君と安田君しか顔、浮かばんなあ。
3. Posted by ほし★ママ   2011年02月11日 15:56
原作には、登場しない白石ダンナを含め
わたしは、すごく感動的に仕上げて来たな!と評価したんですが
ふじきさんのおっしゃる総てにも、納得しています。
最後、赤ちゃんを5人(ビデオ含む)も見せられたら
出産経験者としては、それだけで他はどうでもよくなった。が、本音ですね。
よくわかりませんが、「初期トラックバック」とやら
ご紹介くださってどうも有り難うございます。
4. Posted by fjk78dead   2011年02月11日 23:11
こんちは、ほし★ママさん。

原作、映画ともども、帯に短し襷に長しなのがもどかしいんですよね。映画ならではのシーンもありで、映画側が全部ダメとは思ってないんですが。

「初期トラックバック」を付けてる個人的な理由は次の二つです。
一つは、私が自分のコメ返を見にいく時に便利なように。
もう一つは、自分の記事を書く時には既に読んでいて、脳内で参考にしてるっぽいよって宣言をする為。本来トラックバックはあなたの記事を参考に私も記事を書きましたって使い方をするって本で読んだので、その形跡をちょっとだけ残してあります。
5. Posted by ナドレック   2011年02月13日 08:34
こんにちは。
酷評ですね


>撮影、照明はブルーを基調としてシャープでスタイリッシュ。
>菅ちゃんがどーもギスギスして嫌な女に見えてしょうがない。

思うに、きっと曾根崎理恵は既に死んでいるのです。だから、ブルーを基調に撮られている。
それが証拠に、屋敷教授と清川吾郎と曾根崎理恵が同じ場所にいるのに、屋敷教授と清川吾郎、清川吾郎と曾根崎理恵のショットはあっても、3人が同時に映ることはありません。これは、役者のスケジュール調整が難しかったとか、役者を長時間押さえるだけの予算がなかったということではありません。
診察シーンでも、曾根崎理恵は座っているだけで、アルバムを持って来たりするのは濱田マリさん演じる妙高みすずです。
子供を取り上げるのも、院長先生と清川吾郎です。
曾根崎理恵は、観客と清川吾郎にしか見えないのです…。
6. Posted by ナドレック   2011年02月13日 09:14
あれ?アルバムを持って来たのは曾根崎理恵だったかな?
まぁ、それもポルターガイスト現象だったということで。
クライマックスのポルターガイストは、まるで台風が近づいたように見えましたね:-)
7. Posted by fjk78dead   2011年02月13日 21:34
こんちは、ナドレックさん。

そ、そうかあ。
『パーマネントのばら』と似て非なり、という。
それならやっぱり江口に出てほしかった。

解釈として成立するのが面白いんですが、
それならそれで「最初から言えよ」とツッコミたい。


> 酷評ですね

甘いところは数多くあるけど、総論すごくひどい感はないんです。
でも、甘いところが多いってのは原典へのリスペクトの不足だと思うので、
そういう意味ではまあ、やっぱり酷評なのかな。
8. Posted by のりのり   2011年02月13日 22:54
音尾さんってonちゃん(オレンジの着ぐるみ)のライバルのnoちゃん(黒い着ぐるみ)に入ってる人だなぁ。
しかし顔が思いだせんだみつお。
9. Posted by fjk78dead   2011年02月13日 23:39
安田さんがonちゃんでしたっけ?(最近「どうでしょう」からはずっと離れてる)
10. Posted by のりのり   2011年02月14日 01:06
そうそう。
onちゃんが安田さんなり。
11. Posted by fjk78dead   2011年02月14日 23:24
onちゃんはいいデザインだ。
12. Posted by えめきん   2011年02月26日 20:58
こんばんは。TB&コメントありがとうございました。

主人公の情熱は伝わってきましたが、それが完全に独りよがりになっていて、医療体制自体は結局何一つ改善されていなかったのが不満です。
山場となる出産シーンはやはり感動的でしたが、その前のピンチの連続のせいでだいぶ冷めてしまいました。いくらなんでもあれはやり過ぎですよね。
13. Posted by fjk78dead   2011年02月26日 23:59
こんちは、えめきんさん。

> 医療体制自体は結局何一つ
> 改善されていなかったのが不満です。

そうですねえ。
原作から大事なとこ引っ張り損ねてるから、
そんなになっちゃうんですよねえ
(必ずしも原作の出来がいいとも思わないんですが)。



> 山場となる出産シーンはやはり感動的でしたが、
> その前のピンチの連続のせいで
> だいぶ冷めてしまいました。
> いくらなんでもあれはやり過ぎですよね。

必然性のあるピンチとないピンチがあって、
事故災害系は無理に入れなくてもよかった。
妊娠の状態がみんな良くないのは、
不妊治療のため、妊婦が無理をしている側面や、
そもそも出産その物にリスクがある事など
解説すべき点をばっさり削いでしまった
タコ台本に罪があります。
14. Posted by クマネズミ   2011年03月06日 22:56
「ふじき78」さん、TB&コメントをありがとうございます。
クマネズミも「ふじき78」さん同様、この作品を余り評価いたしませんが、それにしても人によって見方が随分違うものだと思いました(だから人の世は面白いのですが!)。
というのも、クマネズミは、この映画の男の描き方は酷いのではと思ったところ、「ふじき78」さんは、むしろ「野郎は映えた」なんですから!特に、「ふじき78」さんは、「大森南朋。彼の絶望の演技の深さとリアルさが一番、来た」ようですが、クマネズミには、彼の姿は大きな病院の軟弱な跡取り息子としか見えませんでした。
また、「普通に産む事にリスクが伴う具体例の説明もカット。出産トラブルの医療的な説明のビジュアル化も断念」とされているところ、むしろこの映画では「出産とは奇跡」であることに狙いを定めて描いているのではと納得したりしましたが!
15. Posted by クマネズミ   2011年03月06日 23:05
「ふじき78」さん、申し訳ありません、大きな間違いを犯してしまいました。
すでに「ふじき78」さんからTB&コメントをいただいたものとスッカリ思い込んで上記のコメントを投稿してしまいましたが、実際のところは、単にクマネズミの方からTBを送らせていただけのことでした(「トロッコ」と混同してしまったのかも知れません)!
気の早いコメントをご容赦下されば幸いです。
(映画や「ふじき78」さんのブログ記事の解釈も、クマネズミの早とちりに基づいているのではと恐れております!)
16. Posted by fjk78dead   2011年03月06日 23:52
こんちは、クマネズミさん。
TB&コメは追いつきました(笑)。

> というのも、クマネズミは、
> この映画の男の描き方は酷いのではと思ったところ、
> 「ふじき78」さんは、むしろ「野郎は映えた」なんですから!

多分、この違いは私は登場人物のスタンスより演技演出を重視していて、
クマネズミさんはその逆の立場だからじゃないでしょうか。
まあ、私が話より演出に乗せられたって事ですが。
17. Posted by yukarin   2011年10月16日 18:15
白石美帆夫婦のエピソードが一番良かったかな。
クライマックスのドタバタはちょっと...と思ったけれど俳優さんたちの演技で良かったほうでした。
18. Posted by fjk78dead   2011年10月16日 21:36
こんちは、yukarinさん。

> 白石美帆夫婦のエピソードが一番良かったかな。

同感です。


> クライマックスのドタバタはちょっと...と
> 思ったけれど俳優さんたちの演技で
> 良かったほうでした。

相変わらず濱田マリさんが上手なんですが、
肝心な場面で活躍しないというね。

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