2010年10月24日

『BECK』を新宿ピカデリースクリーン10で観て、あの事はともかくとして、ちょっと満足な男ふじき☆☆☆(ネタバレ)

五つ星評価で【☆☆☆いい部分も悪い部分もあるけどおおむね満足】


青春って奴は。全く。

普通に面白い。
あれはやっぱり良くないと思うけど、
それでも、そのあれが映画に致命傷を与えていないのが凄い。

あ、マンガ未読、映画でBECK初体験って立場です。

佐藤健いいですね。
単に「ふにゃんとにゃんにゃん」してただけじゃなかった。
そういう意味では『天使の恋』の佐々木希もそうだけど。
今、ヘタレ青少年をやらせたら、彼の右に出る者はいない。
いきなりの「俺はつまらない奴」というフレーズにぐっと来た。
そう、みんな「自分がつまらない奴」と自覚しながら
つまらなく生きているのだ。
佐藤健はそのつまらなさを演技とは別の次元で伝えてくれる役者だ。
「優れてる感」がないというのが彼の一番の売りだと思う。

水嶋ヒロもかっこよさが自然で嫌味じゃない。
そう言えば『GSワンダーランド』に出てたから、
バンド物は二つ目という事になる。
この強そうで硬いだけに無理をすると
簡単にパキっと折れてしまいそうな辛さが泣ける。

そして、本作で一番良かったのが
ボーカル桐谷健太。
彼の分かりやすい挫折と、気持ちいい歌が
5番手の位置にある彼を一番に引き上げたと思う。

向井理と中村蒼も抑えとしていい位置にいた。
誰かが弾けるためには、誰かが土台を支えなければならない。

意外といい味を出していたのが、カンニング竹山。
それにしても、やはり脱がずにはいられないのか。
忽那汐里とセリフの応酬を少しくらいやらせてあげたかった。

忽那汐里は何かやっと等身大でいい役貰ったという感じ。
でも、せっかくだから、心臓病にもなれ。
(きっと留学は心臓病を治しに行くのだ)

もう一人女の子、倉内沙莉。
汚ねえ、飛び道具出しやがって、あんな女の子だしたら
メロメロに決まってるだろう。
何か物事を考えてるとは思えないような役だけど、
忽那汐里の役が、いちいち何か表と裏がはっきりしないような
分かりづらい役だったので、こっちは性格がない状態で正解でしょう。

あ、あと、中村獅童のインチキ・プロデューサーの
インチキっぷりがよかったと思う。

ああ、キャラ立ってる。
やっぱりキャラが立ってると、それだけで安心して観てられる。

あと、バンドの音がロックロックしてる感じがいいですね
(割とそうでもないバンド物って多い気がする)。

さて、じゃあ、あの事だ。

ないだろ、あれ。

しかし、この寸止め感はどこかで同じような物を喰らった
事があるような気が・・・・『北京の西瓜』か。
まあ、事情は全く違うけど。

これは原作者が映画化に対して付けた条件であるらしい。
「断れ」と言いたい。
それが映画製作者としての誠実さだろう。
同じようにマンガ表現で絵の未使用が求められたらどうだ、と考えれば
この件が無法な要求である事がよく分かる。

例えば、ラブコメで男の子と女の子がキスする
そのシーンで、見開きに大きな写植のみで「キス」と書いてあるだけ。
そして、そのラブコメでは毎回「キス」はその表現で通す。
何故なら、「キス」はマンガの表現で完全に表わす事が不可能だから。
マンガとして成立しえない。

マンガから独立した話として、こんな風に変えてもいい。
ラスト一曲を前にトラブルから神の声を失ってしまったコユキ、
彼はボロボロの肉声で伝えたい相手に彼の作った歌を届ける。
そこにいつもの神の声の神々しさはないが、それでも
彼の声を聴衆は聞き逃すことが出来ない。


【銭】
ピカデリーの有料入場6回分のポイントで無料入場。

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PS じゃあ、誰の声ならいいんだ。
 頭に浮かんだのがブロンスキー・ビートのジミー・ソマヴィル
 あと、性別違うけど、元ちとせはそういう「神」な声だと思う。
PS2 有無を言わさず、スーザン・ボイルで吹き替えちゃえ。
 いろいろ大人の事情でみんな文句が言えないぞ。
PS3 米良さんみたいな歌い方だったらやだな、きっと。
PS4 ルシール同様、佐藤健の歌声が盗品だから、
 マスメディアに載って怖い人たちが取り返しに来るのを
 防いでたんだな、きっと。


fjk78dead at 03:04│コメ(6)トラバ(8)映画 

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7. BECK  [ 映画鑑賞★日記・・・ ]   2010年10月25日 12:55
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この記事へのコメント

1. Posted by クマネズミ   2010年10月24日 06:28
おひさしぶりです。コメントをありがとうございます。
さて、こちらのブログ本文で、「あの事」について、「これは原作者が映画化に対して付けた条件であるらしい」が、「「断れ」と言いたい。それが映画製作者としての誠実さだろう」と述べておられますが、大賛成です!
それと、PSながら「スーザン・ボイル」に触れておられるのは、さすが「ふじき78」さんですね!
2. Posted by fjk78dead   2010年10月24日 09:14
こんちは、クマネズミさん。いつもお世話様です。

おお、誉められちゃった。
これが「ほめ殺し」って奴か。

ああ、でも、どうせなら、倉内沙莉ちゃんに
「ほれられて、舐められて、殺されて、したい」

微妙にあいうえお作文になってないし。
ああ、いつも通り、汚れブログにしてしまった。
うーん、まあいいか。
そういうブログだし(そうか? そうか? 本当にそうなのか?)
3. Posted by yukarin   2010年10月25日 12:57
こんにちは♪
かなり気に入ってるんですが、やはりアレがないのが評価下げてる感じですよねぇ。
佐藤くんの声をいじりまくって流せば良かったのに〜とも思ったりして。
4. Posted by fjk78dead   2010年10月26日 01:24
こんちは、yukarinさん。
私は読み間違えの天才です。

> 佐藤くんの声をいじりまくって流せば良かったのに〜とも思ったりして。

えっ、佐藤くんをいじりまくって声を出させれば良かったのに〜って、そんな淫靡な(言ってないって)
5. Posted by おたぴょん   2010年10月27日 01:31
個人的にアレに関しては、納得は行かないけど、他にやりようもなかったかなと思ってます。
佐藤くんだろうが、米良さんだろうが、サラ・ブライトマンだろうが、エンヤだろうが(個人の趣味)、誰の声をアテても「万人の心を掴む神の声」と多くの観客を納得させる事はできないと思うのですよ。
「脳内補完」という表現が好きなのですが、観客のイメージに任せるというのも映画ならでは手法なのではないかと(多くは映像に於いてとられる手法ですが)。
6. Posted by fjk78dead   2010年10月27日 01:55
こんちは、おたぴょんさん。

> 個人的にアレに関しては、納得は行かないけど、
> 他にやりようもなかったかなと思ってます。

そういう考え方もありなのは認めるところですが、
結局これは信頼度の問題なのではないかと思う。
劔岳の木村監督ができないと言えば、
八方手を尽くしたが、極力全員に近い人が
最高と思う「歌」を得る事は出来なかったと
納得するのだけど、
相手が堤だと
鼻糞丸めながら「できねえ、できねえ」と
言い訳してるように感じてしまう。

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