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2009年09月22日

映画『南極料理人』VS原作『面白南極料理人』

映画『南極料理人』の原作エッセイ『面白南極料理人』西村淳、新潮文庫、をブックオフの100円本で見っけて購入。映画鑑賞の後に読んだ。

ふうん「面白」ね。じゃ、映画は言わば『面白くない南極料理人』という訳か。いや、まあ、んな訳でもない。ふざけっぱなしでもないが、どっちかってえと映画の方が軽いおふざけ感が強くて、「面白」が強調されてる節がある。ただ映画化に際してタイトルから「面白」を引っこ抜いてシンプルな『南極料理人』にしたのは、宣伝的に大正解だ。ともかく凄く語呂がよい。

で、その語呂の良さだけを重視するなら、次回作は『荒野の南極料理人』でどうだ! 内容はタイトル決めてから考えれば大丈夫。とりあえず堺雅人を予約しておけば、手堅いヒットは望めるだろう。

さて、普段、映画を観る時は、手元に原作があっても、映画を観てから原作を読むようにしている。勿論、既に読んでいた小説が映画化されちゃったケースなどはどうにもならんのだけど。で、それは映画と小説を戦わせると、確実に小説が勝つ事が分かっているからだ。小説には、映画やドラマで表現する事が不得手な心理描写を嫌になるくらい盛り込む事が可能だし、話の流れを止めてでも、状況や背景をずっと語り続ける事も可能、と、基本的に全然、自由度が高いのだ。勝てる筈がない。

だから、原作小説を先に読んでおいて「映画になったら全然ダメだった」というのは気持ちは分かるけど、「そんなこと言う奴はバカ」と思われちゃうから、そんな事をつい言っちゃう人は注意が必要だ。誰も「バカ」と思っていても、面と向かって「バカ」とは注意してくれないぞ。言われてもイヤだけど。

で、『面白南極料理人』なんだけど、これはそんなセオリーを曲げても、原作を先に読んどいた方がよさそうだと思った一冊でした。

原作の方が情報量が多い。これは大概の原作物が抱えてる構造だけど(これを逆手に取ったのは『Wの悲劇』くらいか? あ、あとたまに短篇小説を長編映画にするなんて無茶な情報上乗せとかやる場合もあるか、って話がずれた)、そのでかい情報プールからのチョイスが、素人に優しくない。例えば、南極とはどんな所、そこに行くのにどれくらいかかるの、そこはどれくらい隔絶されているの、そこでみんな何をやってるの、という基本的な情報が落ちている。だから、日帰りで遊びに行ってるみたいに見えるのだ。でも、そういう情報がなくても観れる。映画の主題はそこではないから、なくても大丈夫ではある。でも、知ってた方がセリフ一つ一つの奥行きが違う。

なので、普段とは逆だけど、これは原作先行で観た方がいいと思う。私自身が「映画→原作」の順序なので、こんな事いいつつもガッカリって図式を完全に否定しきれないのだけど(なんたって体験してないから)。折衷案をあげておくと、360ページの本のうち、最初の80ページ、ドーム基地に着くまでの部分を先に読んでおくのがいいかな。この辺は映画でもほとんど省略されてる部分だから。

逆に今回の『南極料理人』で、原作を先に読んだ時に生じるデメリットって何だろう。多分、その一番は、原作に載ってる原作者の写真と堺雅人があまりにも全く180度違うタイプだって事だろう。ペンギンとマントヒヒとか。そんなぐらい違う。でも、映画だから。これは許してもらわん事にはしょうがない。誰もが堺雅人の容姿を持って生まれてくる訳ではないのだ。そりゃあそうだ。『ワルボロ』のゲッツ板谷と松田翔太って虚実対決の方が強烈だし。あ、でも、原作エッセイと映画で、明らかにキャラクターは違います。原作の方がもっと破天荒でいい加減。

まあ、後から読んでも充分、面白いので、前でも後でも(♪後ろから前から)一読をお勧めします。

・映画『南極料理人』の感想
南極絡みでもう一記事。

▼と、映画生活へのLINK
南極料理人@映画生活



fjk78dead at 10:46│コメ(2)トラバ(0)読書 

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この記事へのコメント

1. Posted by 太川陽介   2009年09月23日 20:16
視覚面では、映画が小説に勝ってることがありませんか?
シナリオ(至上主義)であれば、小説には絶対勝てません。
ただし風景等の説明は、原作でうだうだ説明しなければならないが、映画ならワンカットで済みます。(その出来は別として)

原作との比較となれば、殆ど勝てません。
「原作よりいい映画だった」といえるのは、2〜3本ぐらいです。

「あとたまに短篇小説を長編映画にするなんて無茶な情報上乗せとかやる場合もある」

う〜ん、原作より出来がいい場合もあるんですが、滅多にないですね。
ただ黒澤監督の「赤ひげ」はオリジナルのほうが評判がいいです。黒澤びいきということは抜きにしても、原作のシーンも映画の方が良かった。
「ミスト」も原作より楽しめました。
2. Posted by fjk78dead   2009年09月24日 00:04
> 視覚面では、映画が小説に勝ってることがありませんか?

納得する事はあっても、そんな風に映像化するのか、と唸った記憶はほぼないですね。あんまり凄い飛躍しちゃうと「あんなにしやがって」と思っちゃうからだろうけど。


> う〜ん、原作より出来がいい場合もあるんですが、滅多にないですね。

『非・バランス』とかかなあ。あれは見事だった。

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