2017年01月30日

『奇跡の教室』『グッバイ,サマー』をギンレイホールで観て、いーよーな悪いよーなふじき★★★,★

いろんな学生二本立て。

◆『奇跡の教室』
170229_4
▲マンガを使ってホロコーストに意見するの図

五つ星評価で【★★★顔の映画】
劣等生クラスを立ち直らせるためにゲゲン先生は「発表コンクール」への参加を促す。
ゲゲン先生の授業全般は面白そうでいいのだけど、生徒のダメ具合がズバ抜けていて教師に対する態度がひどい。歴史の授業で過去に何があったかを知るのはもちろん大切だが、何かを教えようと教壇に立つ者を排斥しようとするような「心ない行為」に対しての咎め立てがないのはいいのかなと思ってしまった。それは高校生で教わる事ではないのかもしれないけど。
ゲゲン先生も生徒も表情が多彩。この映画の中では、授業内容がどのように生徒たちに吸収されているかについてあまり論理だって言葉で説明しない。ただただカメラが子供たちの表情を切り取る。その方法で伝わるは伝わるが、定石ではないので面食らった。また、このやり方を取ったために、生徒たちがまとめたナチス下の子供に対するレポートの内容がどのような物か、それが他のグループと比べて、内容がどう優れていたかが分からなかったのは残念だった。
物事を知るという事その物は面白さに満ちているが、それとしっかり向きあわないと手に入らない。この映画ではその契機が割と大雑把に描かれているのと、生徒を各個人として扱わず、群れとして扱っているので、それぞれの事情が見えづらかった。生徒の頭を刈ったり、衣服を剥いだり、腕に番号を入れたりはしないし、各個人の顔も個性もハッキリはさせていたけれど、普通やる不必要なほど明確なキャラ化はされなかった。ひょっとすると、そこがある意味、ナチスが個性を剥奪するというテーマに触れた映画を撮る上でのバランスだったのかもしれない。極端な没個性化もしなければ、明らかに作為と分かるようなキャラ化も避けるという。


◆『グッバイ,サマー』
170281_3
▲左が美少年。

五つ星評価で【★きっとこの映画自体が悪い訳ではないと思う】

おで、ミシェル・ゴンドリーと相性が悪いんだわ。基本、それに尽きる。お嬢様にしか見えない彼、いいですね。剥いてしまいたい(え、男の子なんだよね?)。まあ、男でも女でも剥いてしまいたい。ガソリンの彼はどうでもいい。しかしまあ、あの程度の事で変人扱いされるのは懐が狭いってか、悩むほどの根の深さを感じないってか、やっぱり日本の方が陰湿で全然イヤな感じだ。で、このどうって事のない二人のどうって事のない旅の前と中と後が別に関心がないからダラダラやられてもつまんなくて船を漕いでしまった。もう、漕いで漕いで漕ぎまくった。同級生の女の子や風俗店の女の子が可愛いのは流石フランス映画。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ@ぴあ映画生活
グッバイ、サマー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ@ここなつ映画レビュー
グッバイ、サマー@ここなつ映画レビュー

2017年01月29日

『シング・ストリート 未来へのうた』『裸足の季節』をギンレイホールで観て、優秀なクズ共と女=クズ思想からの逃避映画だふじき★★★,★★★

飲めや歌えや目出度くもあり目出度くもなしな二本立て。

◆『シング・ストリート 未来へのうた』
169663_1
▲一番左のギター坊主はチラシからトリミングされて姿を失ってしまっている。

五つ星評価で【★★★良質とは思うが強くは刺さらなかった】
バンドの映画。
ある日、クラスから浮いてるボンボンの主人公は
女にモテるためにバンドをやろうと考える。
集まってくる有象無象。でも、みんな隠れた才能があったりして、
バンドは彼等の若者カルチャー内で一目置かれるようになる。
「バンドやる=モテる」という直線構造が肯定され、トントン拍子に名曲が作られる。
主人公たちと一体化してしまえば楽しめるのだろうか、
その為に故意に彼等に「イケてない部分」を色濃く残している、とも思うのだが、
なんか、こういうバンド文化に対する落ちこぼれとしてそれには抵抗を感じてしまった。
「あいつらは敵だ」感覚が抜けきれない文化系非バンド文化の自分なのだ。
この映画に出てくるバンド「シング・ストリート」がバンドの最適解としたら、
ロクデナシばかりが集まって、曲も大衆からの支持を得ず、
内部で女を取り合う裏切りが勃発する『デビルズ・メタル』がバンドの最悪解だろう。
でも、個人的にはそっちのクズの方が落ち着く、安らぐ、ダメな自分であった。
『シング・ストリート』の皆さんも、
のべつまくなしにバイブが宙を舞うゲスな映画と比べられるとは思っていまい。


◆『裸足の季節』
169581_1
▲脚だよ、脚!

五つ星評価で【★★★5人姉妹にハアハア(*´Д`)】
お国が違うと、家から脱出を企てる事が一大冒険物語になる。
珍しい、面白い、そして腹立たしい。

主役の五人姉妹には美人もいればブスもいる。
でも、そんなにメリハリ付けられてないなあ、というのは残念に思った。

あと、冒頭、五人姉妹がタイツのまま、砂浜で男子たちと騎馬戦ごっこしながら、
タイツをグショグショにするシーンがあって、
その辺りの遊びをご近所に「淫乱!」となじられてしまうのだが、
フェティストの身からすればバリバリ淫乱だと思った。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
シング・ストリート 未来へのうた@ぴあ映画生活
裸足の季節@ぴあ映画生活
▼関連記事。
デビルズ・メタル@死屍累々映画日記

2017年01月28日

『真夜中のパリでヒャッハー!』をHTC渋谷1で観て、見に行かなくっちゃダメダメふじき★★★★

172164_1
▲これなかなかいいデザインだと思う。

五つ星評価で【★★★★ああん、もうったらもう】

またまた、再びこういう人生の役に立たないくだらないの大好き
と言う訳で、『世界の果てまでヒャッハー!』の由緒正しい前日談。こっちの方が先に作られていて、こっちをベースに『世界の果てまでヒャッハー!』が拡大再生産された物語である事が分かる。現地の土人とかが出てこない分、こっちの方がリアルだ。

【銭】
未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引200円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
真夜中のパリでヒャッハー!@ぴあ映画生活
▼関連記事。
世界の果てまでヒャッハー!@死屍累々映画日記

PS 宣伝が弾けすぎて思った以上にヒットしなかった前作の煽りを食らって、
 今作は「未体験ゾーンの映画たち2017」扱いになってしまったのだろうな。
 それでも劇場上映されるチャンスがあるだけ良かった。
 本当にコメディー作品の興行って難しい。
PS2 エンドロールの全員参加ケツダンスとか本当好き。
PS3 確か『スクリーム4』『ディパーテッド』のネタバレがある。

2017年01月27日

『劇場版カードキヤプターさくら』を新宿ピカデリー3で観て、さくらの可愛さが全て?ふじき★★

133135_1
▲ワーナー・ブラザーズが贈るリバイアサンもといリバイバル上映。そのチラシ。

五つ星評価で【★★ドラマラインとしてはつまらない】
1999年に公開された映画のリバイバル公開。
原作マンガ、アニメ未読、未鑑賞。映画も初見。
そういうアニメがあるの知ってるよ程度の知識で見に行った。
そういう一見さんへのサポートや親切心は一切なし。
ぶらっと映画館に立ち寄って「面白そうだな」とこれを選ぶ輩は極小だから
あまり神経質になる事もないだろうが、
基本として一見さんに優しい気遣いをするのは忘れないでほしい。

話の全貌を憶測しながらだけど、ドラマとしての盛り上がりより、
桜ちゃんと大道寺さんのキャラを先行した作り。
桜ちゃんが可愛くなかったり、根性悪かったらキツイ作品。
何だかそれって、みんなで女体盛りを褒めてるような状態じゃ、、、
、、、ゲホンゲホン何でもない。

大道寺さんの性格のいいストーカー気質とか、
ケルベロス・ケロちゃんの可愛い外見に似あわずヤサグレてる関西弁とか、
桜の兄貴のザックリした妹に対するリアルな対応とか、
そういう脇道の方が見てて面白かった(こっちがメインロードか?)。
まあ、それは元々の物語を知らないからかもしれない。

観客がみなそこそこお年の元お嬢様達なのは劇場の空気をほんわかにしてた。
同窓会っぽい空気(俺だけ闖入者みたいでゴメン)。
にしても同窓会会場(劇場)も大きいハコで、
まだまだお金に出来るコンテンツはいろいろ埋もれてるのかもしれないなあ、と思った。

劇場版アニメなんだけど、トレス線の太さが妙にTVアニメっぽいなと思わされた。
あと配色が大人しめなのも劇場版アニメっぽくないかもしれない。
逆に言えば、劇場版だからと言って浮付かないでいつもの仕事をやったという事か
(いつもの仕事を知らないから私自身は比較できないが)。


【銭】
松竹のメンバーカード6回入場ポイントで無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
カードキャプターさくら@ぴあ映画生活

PS ツイッターで「忍者キャプターさくら」ってボケた。

2017年01月24日

『天使のたまご』『迷宮物件FILE 538』をフィルムセンター大ホールで観て、天才時代の押井すげーなふじき★★★★,★★★★

特集上映「自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守」の1プログラム。
押井守が天才としか思えなかった時代のギリ長編と中編各一本。

◆『天使のたまご(71分)』
五つ星評価で【★★★★圧倒的なイメージ】
のっけからイメージの奔流に負ける。
素晴らしいのは映像より音効と音響だ。
得体のしれない映像のイメージも凄いが、作画の力がまちまちであり、
映画その物の禍々しさを最高に引き出しているのは音の力である。

それにしてもイメージカットが多く、登場人物の動きは極端に少ない。
凝縮して30分でいいんじゃないかと思ってしまう。
勿論このスピードだからこそ得られる効果もあるだろうが。
少女が持つ卵は「セクシャリティ」の暗喩であろうことぐらいは分かるが、
全体、何がどうなって何なの?みたいな事は理解できず放り投げられて終わる。
それにしても動画が少ない。
動画が少ないという事は安く上がるという事だ。
現場はお金とも戦っていたのかもしれない。
費用を少なくする為に動画を減らされている様に見えないのは天野喜孝の絵の力だろう。

原画に貞本義之の名前を発見。1985年の作品、そんな昔から業界にいるのか。

声は根津甚八と兵藤まこ。
根津さん御苦労様でした。
根津さんは若いといっても少年ではなかった筈だ。ちゃんと少年だなあ。


◆『迷宮物件FILE 538(35分)』
五つ星評価で【★★★★イメージの爆発と、奇想を論理で裏打ちしてしまうその暴力性】
こっちの方が好みだが、これは押井の饒舌節が活きてる作品。
同じ一人の人物が一つの世界の中で幾つにも多重に存在し、関わり合いを持つ構造は、
『プリデスティネーション』の先駆かもしれない。
にゅるんとした感じに変容する旅客機のビジュアルが凄い。
『天使のたまご』ほどではないが、かなり原画枚数を抑えた演出。


【銭】
フィルムセンター入場料金530円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
天使のたまご@ぴあ映画生活
Twilight Q/迷宮物件 FILE 538@ぴあ映画生活

2017年01月23日

『お遊さま』を角川シネマ新宿1で観て、ピンと来ないよふじき★★

「溝口&増村保造映画祭 変貌する女たち」から

五つ星評価で【★★純愛が肉体を凌駕する異常さ】
6本目の溝口健二。溝口健二がどうこうでなく、
原作が谷崎潤一郎というのが合わなかった。
アブノーマルな性愛を純文学で描こうとする谷崎はよくよく苦手。
切り口がスキャンダラスなのはともかく、
皆がうじうじ悪い方に進み、最悪の結末しか迎えられない所に魅力を感じない。

美人姉妹の姉が田中絹代、妹が乙羽信子。
ぷくっと膨らんだ感じの田中絹代は妹を凌駕するような美人に見えない。


【銭】
チケット屋で額面1000円の前売券を1000円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
お遊さま@ぴあ映画生活

2017年01月22日

『疑惑のチャンピオン』をギンレイホールで観て、これが面白いのは不正な主人公にでも観客が肩入れしてしまうからだふじき★★★

168294_1
▲チャンピオン

五つ星評価で【★★★濃い主人公と薄いその他】
自転車レース、ツール・ド・フランス7冠のチャンピオンはドーピングを行っていた。
これはもう映画の前提であり、やった、やってないを争う映画ではない。
主人公はドーピングを行って不正に勝利を勝ち取ってきた男。
であるにもかかわらず、観客は彼に強烈な嫌悪感を抱かない。

それはベン・フォスターが魅力的な俳優ということもあるが、
「ドーピング」という行為に関して観客はそれほど強い嫌悪感を持っていないのだ。
これが麻薬やドラッグなら別だが、映画内で推進派トレーナーが言ってるように
「乱用はいかん」だけで、ごくごく常用する分にはサプリみたいなもんにしか見えない。
あとは「フェア」かどうかの問題だけなのだが、映画はここを上手く切り抜けている。

チーム全体を汚染させ、それがそれほど特別な事でないように見せた。
みんなやっててもおかしくないような世界で今更「フェア」を言ってもせんないじゃん。
主人公がドーピングを行おうが行うまいが極限まで努力する姿を見せた。
ドーピング発覚リスク回避の為、更に努力しているように主人公が見えた。
ドーピング否定派の選手が必ずしも格好良く映っていなかった。

みたいな事から、諸手を振るって賛成する訳でもないが、
観客は多少の判官贔屓で主人公を見てしまう。

そんな中、明らかに間違っているのに、
主人公が正しい事を言っているメディアをやり込めてしまうのは底恐ろしいが痛快だ。
物凄く強い勝利への執着を持っている主人公、だが、彼は単なる我欲の強い男ではない。
彼には皆から賞賛の目で見られたいという欲求も高いが、
彼自身が勝利し続ける事で社会貢献しようという殊勝な面もあるのだ。
それに引き換え、彼の敵が手元に持っているのは凡庸な社会正義だけ。
「正義が勝つ筈だ」という緩い信念だけでは手負いの獣は止められない。

後半、引退してからは彼の軸がぶれてしまう。そこで初めて彼は負けるのだ。
この後半の失速そのものが又、ゲームの局面を見ているかのようだった。
故障を抱えたプレイヤーはその故障の波動が徐々に全体に伝播していき、
臨界点を越えると一気に決壊する。
決壊した彼はもう彼ではないので、映画はそこで終わる。
結局、彼は何に負けたのか。
彼は変容・変質してしまい、それに負けたのだ。
ドーピングをやろうがやるまいがターゲットに的を絞り、
先に進めるだけの彼に変化はなかった。
だが、コース外から仕掛けてくる敵をかわす為に動きを止め、
元の位置に戻るために向きまで変えた。
あの映画の世界の中では、ただ純粋に同じポリシーを貫く者が尊重されるらしい。
だから、主人公に詰め寄られてすぐ髭を剃ってしまう新聞記者は小物として扱われ、
外敵からの攻撃に同じ強さを維持できない第二選手はスポイルされる。
そして、世間から胡散臭げに見られながらも、全くブレてない
ドーピング推進派のトレーナーは最後まで悪びれもしない。
この世界観は、ちょっと最後の最後まで主人公が覚醒剤を肯定し続けた
『シャブ極道』みたいかもしれない。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
会員証失効期限が近づいてきたので10800円を支払い14か月更新。
あと、併映作品の『トランボ』は公開時に見ていたのでパスした。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
疑惑のチャンピオン@ぴあ映画生活

2017年01月20日

思い付き

ネットで見れる「ぴあ=ぴあplus」のタイム・テーブルをチラ見しながら、
実際、自分では行かないんであるが、
池袋シネマ・ロサで

(1) 11:00-12:50 君の名は。
(2) 13:55-16:00 シン・ゴジラ
(3) 16:20-18:15 甲鉄城のカバネリ 総集編 前編
(4) 18:30-20:20 甲鉄城のカバネリ 総集編 後篇
(5) 20:40-22:15 ソーセージ・パーティー

5本ハシゴする奴がいたら「ブラボー」と言ってあげたい。


fjk78dead at 23:59| 個別記事コメ(0)トラバ(0)映画 

2017年01月19日

『噂の女』と『新・平家物語』を角川シネマ新宿1で観て、健二健二してるふじき★★★★,★★★

「溝口&増村保造映画祭 変貌する女たち」から
溝口健二は多分『雨月物語』しか観ていない
(あっ『元禄忠臣蔵』があった)。
それしか観なかった理由は特になく、
ただ手元になく、特に食指も働かなかった。それだけだ。
なので、今回の映画祭も特に手を出そうと言う気はなかったのだが、
雑誌の懸賞で招待券が当たったので、これ幸いとイソイソ出向いていった。
うん、いやあ、やはり知名度のある監督は凄い。
満足して劇場を後にした。

◆『噂の女』
五つ星評価で【★★★★軽い中に凄みがある】
『雨月物語』の時にも舌を巻いたのだが、セットが迫ってくる。
そして、カメラが王のように正しい位置に鎮座し、
その答しかありえない安定した絵を作る。
もちろん役者の演技も常に正しい。
まるで、その家に行き、その家の出来事をずっと横で見ているよう。
溝口健二の映画の印象はまず、この絵(撮影)の安定にあると思う。

そこで繰り広げられる話は、未見者の印象としては「女虐め」。
だから、あんまり陰惨っぽくない感じに見えた『噂の女』を選んだ。
それは成功のような、失敗のような。
軽いコメディ・テイストの話の中でも、
やっぱり女は男社会に蹂躙される被害者みたいな位置づけで描かれていた。
圧倒的に男が悪辣なのだが、
それを手助けするように女も恋に盲目になってしまう。
実に「世間って絶対そんな感じしかないのだ」という溝口健二の信念が漂ってくる。
そして、おそらく、世間はそんな感じだったのだろう。
今でもそんなに変わらな・・・・・くはなく、弱い男が増えたかな(俺よ俺)。

田中絹代はとても強い遊郭のおかみさん。
早くに旦那を亡くしているが恋愛経験は少なく、職業に反して恋に一途。
その娘の久我美子は現代的な洋装で芸者座敷を闊歩する。
失恋したり、いい娘だったり、親と三角関係になりかけたり、目を離せない。
よきかな、よきかな。
「コメディー」と言われれば「コメディー」なのだけど、
おかしな世相を背景に人間がちゃんと描けているので、
普通に「とてもいい映画を見た」感が残る。
女は虐げられてはいるけど、反面、自由でもあるので、
観る前に心配した女虐めでキツイ感じはしなかった。


◆『新・平家物語』
五つ星評価で【★★★カラーになっても実寸大のセットに狂気を感じる】
溝口最晩年期のカラー映画(カラー2本しか撮ってない)。
侍の平清盛が自分の出自や差別と戦いながら天下への第一歩を踏み出すまで。
マツケンの大河ドラマ『平清盛』
あれと本筋は同じで、差別に苦しめられる武士階級・平家が
歴史の流れに乗り勃興していく。
映画は大河にもあった比叡山の輿に弓を射るシーンがクライマックス。
清盛はやはりのし上がるまでが良いのであって、その後はオマケだから、
映画の前半生中心という組み立ては非常に正しい(でもどうやら続きの映画があるらしい)。

驚くのはやはりセットがどう見ても本当の平安時代みたいにリアルな事。
いや、そら、知らないけどさあ。『雨月物語』同様リアルとしか思えない。

で、女性映画の大家とされている溝口健二だけど、
この映画では女性は市川雷蔵の引立て役。全然、顔とか映らない。
主役の若かりし清盛を演じる雷蔵だが、妙に眉毛が太い。
義憤にかられる熱い男を演じるため、野暮ったく眉を太くしてるのかもしれない。
この市川雷蔵がどこか草剛を思い起こさせると言ったら怒られるだろうか。
退屈ではないんだけど、映画としてのうねりみたいなのが今一薄い。


【銭】
雑誌の懸賞で当たった額面1000円の前売券2枚を使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
噂の女@ぴあ映画生活
新・平家物語@ぴあ映画生活

2017年01月18日

『鮫の惑星』をHTC渋谷2で観て、ともかく寝不足解消ふじき★

171859_1
▲ぴょんぴょん鮫

五つ星評価で【★アサイラムの空気感の前に睡魔圧勝】
特集企画「未体験ゾーンの映画たち2017」の一本。納得のアサイラム・クオリティー。

いやあ、よく寝た。

以上。

【銭】
特集料金1300円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星@ぴあ映画生活

PS 鮫が凄く事務的。
 「鮫の惑星」と言うだけに数はいっぱい出てくるのだが、
 泳ぐ、人工構造物にぶつかる、跳ねて人を食う、
 くらいしか動きの選択肢がなく、打ち寄せる波同様システマティックな存在なので
 そんな鮫には恐怖を感じないし、感情移入もありえない。
PS2 何の為にみんなが何をやってるのか全然分からなかった。
 それは寝てたらからか。 orz

2017年01月17日

『ASSAULT GIRLSほか5本』をフィルムセンター大ホールで観て、全く押井って奴はふじき

特集上映「自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守」の1プログラム。
『ASSAULT GIRLS(70分)』を中心に他5本短編との組み合わせでのプログラム。

◆『重鉄騎 STEEL BATTALION(3分)』
五つ星評価で【★★耐え忍び、ラストはガンガン】
3分くらいの尺では出来のいいゲームの特典映像と変わらん。
押井の描く兵隊って大概、愚痴を吐いている。今回はこれのみ初見。

◆『KILLERS ./50 Woman(18分)』
五つ星評価で【★★★★★耐え忍び、ラストはガンガン】
殺し屋オムニバス『KILLERS』の一編。
押井が幹事やってるこの映画自体は平均値悪くないが、仲間同士集まってワイワイやってる感が強く、オムニバスでの全く違う個性のぶつかり合い感は低かった気がする。押井のが一番の作品だが、押井のが一番では多分いかん。押井は全く話がない時、ラスト一発山場作って終わる映画っていうのは向いている。短編はそんなのはっかで、短編の尺ならそれは活きる。それを長編にまでしてしまった『ASSAULT GIRLS』『東京無国籍少女』は立派な失敗作だと思う。長編でも誰か他の人が脚本書いたり、ベースになる物語があるものは器用に作ってこなす。ただ、押井は話を回すシナリオライターよりも、ここぞと強い絵を入れて映画の場を制御する演出家としての才能の方が恵まれていると思う。だから、話がなくても見所のある今回の短編特集は唯一の長編を除いて、そこそこ面白い。

◆『真・女立喰師列伝/金魚姫 鼈甲飴の有理(15分)』『同・ケンタッキーの日菜子(8分)』
五つ星評価で【★★★耐え忍び、ラストはガンガン】
モキュメンタリー短編を集めて映画にした奴から二編演出。押井自身の作り出した「立喰師」なる架空の偽職業が全く面白いと思えないので、この作品二編を私は楽しめない。ずーっとストレスの貯まる状態を持続させ、最後に目に付く大きな演出で締めるのは他の短編と変わらないが、その最後の大きな演出がアクションや爆破などではないので、残念ながら「やられた感」が低い。『金魚姫』で、ひし美ゆり子の肌に描かれる刺青の金魚はイラストレーターの末弥純。なまめかしい。

◆『斬 KILL/ASSAULT GIRL2(11分)』
五つ星評価で【★★★★耐え忍び、ラストはガンガン】
刀剣アクションオムニバス『斬 KILL』の一編。
ラスボスを斬り捨てたと思った時、それが前座だったのはいい裏切り。
ラストの見所が競り上がっていくところがいいが、ラストはモヤモヤで終わり。

◆『ASSAULT GIRLS(70分)』
五つ星評価で【★耐え忍び、ラストはガンガン(取り戻せない)】
長編。そしてひどく退屈。
ここまで見た短編と同一の方法論で作られている。
えんえんと待機させられ、最後でドンと取り返す方式だが、
中盤で一回見せられている「ドン」と
さほど変わらないのでカタルシス解消にならない。

こんなんばっかやってちゃあかんよ。


【銭】
フィルムセンター入場料金530円。
▼関連記事。
斬 KILL(1回目)@死屍累々映画日記
アサルトガールズ@死屍累々映画日記

2017年01月16日

日本インターネット映画大賞・2016年分の投票記事だ、ふじき

日本映画

【作品賞】(3本以上5本まで)順位(点数記入なし)、作品数(順位を削除)、自由採点(点数記入)から選ぶ
1位  「シン・ゴジラ     」
2位  「KARATE KILL      」
3位  「甲鉄城のカバネリ総集編前編」
4位  「汗ばむ美乳妻     」
5位  「ちはやふる上の句   」
【コメント】
 以下、コメント欄に名を借りて例年通り6位から10位まで選出します(日本インターネット映画大賞非配点になるのは承知の上ですのでお気使いなく)。
6位  「機動戦士ガンダムサンダーボルト」
7位  「続・深夜食堂     」
8位  「君の名は。      」
9位  「この世界の片隅に。  」
10位  「土竜の唄 香港狂騒曲 」
 選出理由は1位おそらくこれはゴジラでなくても成立するのだが映画その物を悪辣な事件に昇華してしまったその手腕を買う。映画自体も大好きだし、あの集められた異能軍団が好ましすぎてたまらない。2位アクション映画のフォーマットを塗り替える大傑作。久しぶりに見ていて身体が反応した。3位12月31日公開なので、これを推す人は凄く少ないと思うのだが、TV用に作られたにもかかわらず映画館で鑑賞した方がバリバリに楽しめる良質なコンテンツ。4位凄くエロい。そして凄く人間的。そしてともかくグッド。5位この映画から後、原作が良すぎるから映画化は失敗して当然という言い訳を使えなくなさしめた作品。広瀬すずのちはやより上白石萌音のかなちゃんの方が好き。6位キチガイガンダム。こういう根が暗いの嫌いじゃない。7位凄くTV的だけど、あの主題歌がかかるとホロっと来てしまう。但し、TVシリーズは見てない。8位おっぱい。9位飛んでくる鉄の螺子とか。10位こういう本当に消耗品みたいな映画も一本くらい入れておきたかった。キング・オブ・消耗品映画。菜々緒は今年映画4本出てるけど、ダントツこれ(いや、他が弱い)。

【監督賞】          
   [庵野秀明(シン・ゴジラ)]
【コメント】
 ゴジラ映画新作を作るのに存在する怒涛の逆風を跳ね返したのには拍手を送りたい。

【最優秀男優賞】
   [ハヤテ(KARATE KILL) ]
【コメント】
 新しいアクションが切り開かれた。俺はそれを見ていた。
 残念なのはそれを見ていた人間が物凄く少なかった事だ。そんな事もある。

【最優秀女優賞】
   [七海なな(汗ばむ美乳妻)]
【コメント】
 最初の1秒から最後の1秒まで演技を纏っている凄み。
 こういう空気を纏って自分の物に出来る女優は希少。

【ニューフェイスブレイク賞】
   [本田翼(少女,土竜の唄 香港狂騒曲)]
【コメント】
 今年の新人ではないのだろうけど、「可愛く」みたいな殻を破って
 メチャクチャ面白い役者になったのは今年のこの二本。
 そして来年は「鋼の錬金術師」に出るという。きっと快進撃もここまでだ。

【音楽賞】
  「続・深夜食堂     」
【コメント】
 ホロっとする。とても映画らしく見えるのはあの音の良さなのだと思う。
 「シン・ゴジラ」の伊福部「ちはや」のパフューム、
 「サンダーボルト」のジャズも良かった。


-----------------------------------------------------------------

外国映画

【作品賞】(3本以上5本まで) 順位(点数記入なし)、作品数(順位を削除)、自由採点(点数記入)から選ぶ
1位  「ズートピア      」
2位  「RWBYvol.3     」
3位  「世界の果てまでヒャッハー」
4位  「キング・オブ・エジプト」
5位  「イット・フォローズ  」
【コメント】
 以下、コメント欄に名を借りて例年通り6位から10位まで選出します(日本インターネット映画大賞非配点になるのは承知の上ですのでお気使いなく)。
6位  「ジャック・リーチャー 」
7位  「メカニック ワールド・ミッション」
8位  「パディントン     」
9位  「国選弁護人ユン・ジンウォン」
10位  「ビッグマッチ     」
 選出理由は1位ナマケモノ礼賛。2位前2作を踏み台にしてお膳を引っ繰り返したのには驚いた。例えて言うならSWエピソード6で真に悪辣なのはジェダイ騎士とか明かされた感じ。3位ナマケモノ礼賛。4位神様でかいってビジュアルがまずグッド。太陽神ラーがあんな爺さん早く隠居させてやれよみたいなのもグッド。知恵の神が変な黒人のカマなのもグッド。5位思いもよらないワンアイデアだった。6位バディものになるアクション映画で両方有能って滅多にない。敵まで有能。公開はすっと終わっちゃったけど非常に面白かった。ちょっとジェイソン・ボーンっぽかったけど、ボーンの新作よりこっちの方が全然OK(主旨も展開も違うやろ)。7位ただ強い。それだけでOK。8位なんでだろ。バランス的に八方問題がない感じ。9位なかなかええねんけんど、これも日の目を当たってないね。10位イ・ジョンジュ頑張れー。

【監督賞】          
   [ルッソ兄弟(シビル・ウォー)]
【コメント】
 あの込み入って、そこそこ鬱な展開を
 最後まで猛スピードで駆け抜けたのは凄い。

【最優秀男優賞】
   [スティーブ・グッテンバーグ(ラバランチュラ)]
【コメント】
 久しぶりに見たのでご祝儀票です。

【最優秀女優賞】
   [コン・リー(西遊記 孫悟空VS白骨夫人)]
【コメント】
 いや、映画は対した映画じゃないけど、
 コン・リーの存在感だけは絶大。

【ニューフェイスブレイク賞】
   [マーゴット・ロビー(スーサイド・スクワッド)]
【コメント】
 そんなド新人じゃないんだろうけど、
 やっぱハーレクインの突出ぷりは見逃せない。

【音楽賞】
  「イット・フォローズ   」
【コメント】
 洋画で劇伴を思いだせるのあの単調な音楽だけ。


-----------------------------------------------------------------

【ふじき78が選ぶ今年のリリー・フランキー賞】
   孱咤達錬錬弌     」
  ◆屬父さんと伊藤さん  」
  「海よりもまだ深く   」

【コメント】
 リリー・フランキー2016年7本も映画に出てる(ちなみに2015年は8本)。
そのうち「シェル・コレクター(主演!)」「女が眠る時」は未見なので除外。
気になる度でベスト3を選出。
 )榲にドラッグ決めてるんじゃないかというぐらいリリー・フランキーの中毒患者が真に迫っていた。いや、本当に決めてないよね(本当に決められそうなくらいの距離感にいそう)。実はボクサー崩れという意表を突く役柄も楽々こなす。そんじょそこらのプロの役者では太刀打ち出来ないプロの素人(えーとまあ、役者も職業の一つらしいです、マジで)。
 藤竜也と上野樹里を食う好演。
 0ど寛と堂々渡りあって負けない好演。
 ちなみに残り2本は「秘密」と「聖の青春」。
 この2本も実に安定した演技をしている。
 化け物め!(それは2015年に『バケモノの子』と『極道大戦争』で演技済)

-----------------------------------------------------------------
 この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。
(同意しない方は「同意する」を「同意しない」に書き改めて下さい)
-----------------------------------------------------------------

付記
2016年は1月1日に早稲田松竹で『元禄忠臣蔵・前篇』が映画初め。
12月30日にユーロスペース1で『ニーゼと光のアトリエ』で映画収め。
455本360興行339890円鑑賞料金で使用。1本平均約747円。

2017年01月15日

『傷物語 掘[箏貶咫戮鬟函璽曄璽轡優泪再本橋1で観て、そのサゲは凡庸だと思うふじき★★

171183_5
▲ハネカワさん
171183_6
▲ハネカワさんもう一枚

五つ星評価で【★★設定を説明する機対決で煽る供△燭世燭青める掘
物語としての終わり方を模索するだけに終わっている第三部。
長さの割に、その模索の為だけに終わっているので私は面白くなかった。
面白いのはアララギくんとハネカワさんの乳のくだり(バリバリにポルノ)なのだが、
あれまるまる割愛しても物語としては決して困らない筈だ。

設定を静的に見せて、対決部分で動的に楽しませる。
筈なのだが、主人と従僕の対決映像がだらだら長くて飽きてしまった。
単純に両者の勝ち負け具合がどんな状況か分からず、
ただただ大量の流血を呼ぶ暴力描写が無駄に暴走している。

この争いに決着を付けるために調停する人間が二人、ハネカワツバサとオシノメメ。
ハネカワツバサが探り、オシノメメが回答を提示する。
この回答が的をえた物であるが、一般常識的にはつまらない。
これはゾンビの徘徊老人がいたら手足折って家の中に押し込めて、
介護者がずっと自分の血肉を与えて暮していきなさいという
過激だが、地味でただ面倒な方法が主人公に押し付けられるのである。
その解決方法は破綻はないのだが、リアルでイヤな展開でスカっとしない。

吸血鬼の能力を吸血鬼に気づかれずに抑制できるオシノメメなら、
もう少し別の方法を提示できたのではないか?
まだまだあのキャラクターにノビシロがあるような気がするのは
私が原作未読で、作品世界と遠く離れているからだろうか。

物語の実量で言うと、3本の映画に分けるほど長い話ではなかったと思う。
そして3本に分けた事で、この上もない変な映画になってしまったと思う。
わざわざ割ってから金を使って繋ぎ直した陶器のように歪だ。


【銭】
トーホーシネマズデーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
傷物語〈III冷血篇〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
傷物語〈III冷血篇〉@だらだら無気力ブログ
傷物語〈III冷血篇〉@beatitude
▼関連記事。
鉄血篇1回目@死屍累々映画日記
鉄血篇2回目@死屍累々映画日記
熱血篇@死屍累々映画日記

2017年01月14日

『赤ちゃん教育』『僕は戦争花嫁』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ハワード・ホークスのコメディー盤石すぎるぞふじき★★★★,★★★★

特集上映「ハワード・ホークス監督特集」の1プログラム。
今回ももう尋常じゃないくらい面白いコメディー二本立て。

◆『赤ちゃん教育』
五つ星評価で【★★★★どうしたらこんな話を思い浮かぶんだというくらい突飛な話の展開が凄い】
明日に結婚式を控えている博物学者のデビッドが悪気のないトラブルメイカー美女スーザンに徹底的に振り回される。
博物学者のケイリー・グラントがオタク的ではあるものの、ちゃんとした一般的な良識のある男で、それが台風娘キャサリン・ヘップバーンに会ったためにボロボロにされる。その畳みかけが凄い。こんなに続けざまに同じ一人の美女のせいで不幸になる人間を見た事がない。これはいくら何でもレディ・ファーストの国だとしても怒ってもいいでしょ。こんな目に会わされてトホホで済ませてくれるケイリー・グラントの懐の深いこと。とは言え、それでいいんか? コメディーじゃなかったらあかんやろ。まあ、たかがコメディー的なコメディーなので良しにしてるのだろうけど。しかし、ハワード・ホークス映画のカップルは結婚しても絶対幸せになれそうにない組み合わせばっかりだ。この組み合わせもあかんと思う。
『赤ちゃん教育』は原題『Bringing Up Baby(赤ちゃんを育てること)』の直訳だが、この映画の中には赤ちゃんは出てこない。赤ちゃんはペットの豹「Baby」の名前なのである。てっきとー。


◆『僕は戦争花嫁』
五つ星評価で【★★★★ケイリー・グラントが奪われつくされる】
こっちもケイリー・グラントがただひたすらいじめられるコメディー。
ちょっと横暴でプレイボーイだけど概ねいい人のケイリー・グラントは外国駐留の軍人女性と結婚したため、彼女と一緒に彼女の祖国で生活する為に「戦争花嫁」という扱いを受けなければいけない。「そんな男の花嫁がいるか」という事で、アチコチでいろいろ弾かれる。彼が努力して進めば進むほど男としての尊厳が冒されてしまうちょっと気の毒なコメディー。
これは原題が『I Was a Male War Bride(俺は男の戦争花嫁だ)』で、ほぼ原題通りの邦題。
ちなみにこっちのカップルは確実に離婚すると思う。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引。一般1500円から400円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
赤ちゃん教育@ぴあ映画生活
僕は戦争花嫁@ぴあ映画生活

PS 今回のシネマヴェーラ渋谷のハワード・ホークス特集で、
 ケイリー・グラントの映画を4本見てる。
 (1) 1938 赤ちゃん教育
 (2) 1940 ヒズ・ガール・フライデー
 (3) 1949 僕は戦争花嫁
 (4) 1952 モンキー・ビジネス
 ケイリー・グラントは(1)で安寧な生活を奪われ、
 (2)では特に奪われてはいないが、最初から品性だけが欠落していて、
 (3)では男のプライドを奪われ、(4)では大人としての威厳を奪われた。
 人として普通に持つべき物を不自由なく持ってる男だから、
 その欠落がしっかり目立つように描けるのかもしれない。

2017年01月13日

『エルストリー1976』を新宿武蔵野館2で観て、観察対象に優しく観客に不親切ふじき★★

五つ星評価で【★★サービスの視点が疎い】
171087_1
▲ベイダーとパイロットの下二枚の写真は同時提供されている1枚ものの写真をベースと考えると左右逆焼きっぽい。

『スターウォーズEP4』に出演した端役やエキストラのその後を追うドキュメンタリー。ダース・ベイダーを演じたデビッド・プラウズを除いてはごくごく普通に誰も知らない人たち。彼等の生活・信条、SWとの付きあい方などをインタビューで切り取る。

面白い部分と、そこはスルーしてもいいんじゃないという部分がゴチャゴチャ混ざってる印象。

その人個人がどんな人生を送ったかという事には申し訳ないが全く関心がない。そこに関心を持ってグググっと「みなさん大変でしたね」と言ってあげるほど善人ではない。そういう人生の物語をやりたいなら、それが成り立つのであれば、SWという要素抜きで作った方がいいだろう。彼等に取ってSWは人生の中の一部分かもしれないが、観客に取っては彼等の大部分がSWから見せる局面しか必要とされないのだ。だから、彼等がそれぞれどんなキャラだったのかも随時分かった方が良い。フィギュアと関連付ける形で、それぞれのキャラクターを一回ぐらい関連付けて見させているが、そんな不親切な方法でなく、下品であってもワイプか何かでずっと彼等が演じた役を映せばいい(権利的に難しいのならフィギュアを彼等に持たせて撮影すればよい)。ドキュメンタリー作成者が彼等に人として接して好意を持つほど、観客は彼等に近くないのだし、接点はSWなのだから、その橋渡しをするようなやり方で映画を作るべきだろう。

それにしてもSWは神格化されている。
エキストラとして、ただ立っていただけのような人物がサインをねだられる、
そういうイベントが定期的に開催される状況だとは思わなかった。
どんな世界にもオタクやマニアはいるのだが、その最突端を見た気がした。

「私がダース・ベイダーだ」と発言して、ルーカス社やディズニー社を怒らせてしまったデビッド・プラウズ。いやいや、彼がダース・ベイダーである事は間違いない事実なんだから、そんなに目くじらを立てんでもと思う。宣伝戦略みたいなものもあるかもしれないが、デビッド・プラウズが演技していた事は別に伏せられてはいないし、もう少し彼にスポットライトが当たってもよかった筈だ。ルーカス側が自分達の都合で抑制したがってる気がする。オリジナルを塗りつぶしてキレイキレイにして汚点を隠そうとするルーカスとデビッド・プラウズだったら、デビッド・プラウズの方が信用度が勝る。彼の事はもうほとんど何も知らないけど。デビッド・プラウズが語っていた声の演技もちゃんと付けていたが、何も聞かされないうちに他人のアフレコに変えられたという話も、そういう意味でルーカスにとっては小さな事かもしれないが、演者に取っては大きな事だろう。おそらく、ルーカスは彼に何も言わずに変えているに違いない。その辺の事情はよく分からないが、ウィキにはイギリス訛りが強すぎて使えなかったと書いてある。いや、でも、それならそれで、そう伝えてやれよと思う。この辺は言った言わないでどっちが正しいかは藪の中だが、やはりこういう時、金持ちの方が信用できないので(金の力で信用できない事をフィルムにいろいろやってきたルーカスが悪い)。

『エルストリー1976』ってタイトルはオシャレっぽいけど、何も言ってないタイトルだ。「エルストリー」が何かと言うと、イギリスにある、SWを撮影したスタジオの名前だそうである。知らねえよ、そんなん。
でも『新たなる希望が生まれた街』って副題はグー。

SWに関するインタビューはおもろい。それは認める。


【銭】
チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞(2枚目)。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
エルストリー1976 − 新たなる希望が生まれた街−@ぴあ映画生活


御年賀2017

年賀状2017




今年の年賀状です。
作り出したのが1月2日で、投函したのが1月3日なので、
「元旦」って表記が正々堂々と間違えてます。ま、えやろ。


2017年01月12日

『PK』を下高井戸シネマで観て、こーゆーやり方があったのねふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★日本だったら主人公の名前は「のん兵衛」で主題歌は「帰ってきた酔っ払い」かな】
170350_1
▲不思議な二人組。

『きっと、うまくいく』の監督と主演による新作。
ジャンルで言うと「宗教コメディー」。
冒頭UFOから出てくる全裸のアーミル・カーン。彼は宇宙人役。
アーミル・カーンって異相なので、宇宙人と言いきってしまえばバリバリ嵌り役だ。
服の着こなしも歩き方などの動きも工夫されている。
瞬きを一切せず、シャツは首の根元まで全てボタンをはめるような徹底さは
見ようによっては知的障害者に見えなくもない。
PK=酔っぱらいとしているが、Poor Kids(持たざる子供)が、
利権を持つ神の代理人と一騎打ちする映画と捕えてもあながち間違いではあるまい。
いやいやいやいや、PK=ぴんから兄弟、かもしれん
(何となくぴんから兄弟も持たざる者な気がするし)。

そのPKがUFOのリモコンを奪われ、辿り着いた先が宗教ビジネス。
舞台が日本でもここに辿り着くまでの道筋は起こりそうで簡単ながら説得力がある。
「神様に頼め」
「神様の所へ行け」
面倒だったり、実現できそうにない事は神様の仕事なのである。神様も大変だ。
PKが神様の儲けを掠め取る神の代理人と対抗していく流れは自然。とてもクレバーなのは「嘘」という概念のがない宇宙人からは神様の儲けを掠め取る行為自体が理解できず、何かシステム的な誤りだろうと解釈する点。これで両者は対抗していながら、PKから宗教ビジネス側に憎悪みたいなものをたぎらせる泥試合みたいな展開を避けられた。PKは問題が上手く行かない事について、相手を憎むのではなく、ただただ状況を悲しむのだ。これが上手い。こんないい人は普通いないもの。
ちょっと個性や話っぷりは変わるが、PK=山下清でも成り立たん事はないと思う。

PKの相棒になるヒロインが美女は美女だけど、決してインドっぽくない。インド美女っほくないので、最初に出てきた時、もっと端役かと思った。

ラテン系なPKの地球での兄貴分が、とてもいい奴だった。
貧乏人を出しながら、悪い方に落ちるタイプと、人情家で、目の前の困った人をそのままにしておけないお人好しタイプの両極端を出すのもよい。

そして、あの布袋様みたいな教祖。
いい奴ではないんだけど、傍目に愚か者とわかる太り方がいい。
どこからどう見てもあの外観と「潔白」は結び付かない。

宗教と人々のかかわりを観客に考えさせながら、ベタっとした恋愛ドラマも並行して展開する。器用な映画だ。

アミール・カーンの役を江頭2:50がやっても成り立ちそうな気がする。
それだけ江頭2:50は社会的に人として規格外という事だろう。
彼の同輩が出てくるが、それは出川哲郎でよし。
とんな宇宙人だよ。いやでも多分、違和感ないと思う。出川も規格外だから。


【銭】
下高井戸シネマ火曜サービスデーで1000円。
ちなみに売店で売ってた「コーヒー牛乳モナカ」は安価で美味。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
PK@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
PK@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
PK@映画的・絵画的・音楽的

PS エンディングの曲、
 歌詞が
 「チンがチンがなんじゃかんじゃ、
  チンがチンがなんじゃかんじゃ、
  チンがチンがなんじゃかんじゃ、象」と聞こえる。
PS2 アミール・カーンって伊藤淳史をギョロ目にしただけなのに顔が宇宙人だ。
PS3 「全世界興行収入、驚異の100億円突破!」とチラシに歌ってある。
 国内だけで200億円を越えてる『君の名は。』の物凄さよ。

2017年01月11日

『伊賀野カバ丸』『直撃地獄拳 大逆転』を新文芸坐で観て、いつもの則文と輝男だふじき★★★,★★★★

特集上映「絶対に観て欲しい喜劇 初笑い29本」の1プログラム。

◆『伊賀野カバ丸』
五つ星評価で【★★★正々堂々とした出落ち映画】
今をときめく有名人がチョコチョコ変な役で出てるのが、それだけでおもろい。
クラス会みたいな映画と言えばいいだろうか。
全体ラストへの盛り上がりとかは今一だけど、これはこれで別にいいだろ。
亜月裕のマンガは未読でイラストとか見て知ってるだけなのだけど、
鈴木則文がマンガキャラを再現すると
どうしても少年マンガテイストになってしまう。
原作ファンはあれを許してあげたのだろうか。
タッチで言うと『ハレンチ学園』みたいなタッチだからなあ。

黒崎輝のカバ丸はリアルだとあんな感じというのは分かるけど、
やっぱりもうちょっと美少年っぽさが残っていて、
にも関わらず野蛮という方向に振ってもらいたかった。面白顔すぎる。
だから、真田くんとかで良かったと思う。
真田君の役を誰がやるかって話になるけど、あれは誰がやってもダメな役だから。

という事でババひいたのが真田広之。こなしてはいたけどやっぱ違うは違う。
新宿高層ビル街の低層ビルの屋上で真田君と黒崎君がアクションすると、
ドカーンと目に入ってくる「西口トルコ」の大看板がステキ。

武田久美子が本当に素材の良さだけで健気に頑張ってて可愛い。

志保美悦子が割とどうでもいい役(女中)。
アクションないのはこの辺りで有名になって時間が取れなかったからかしら?

蟹江敬三は校長先生かな。隠れホモで真田君に言いよる。

テニス部の部長で生徒会長は『宇宙刑事シャイダー』のアニーが有名な森永奈緒美。テニス部の部長の癖に、ここではまだパンツを見せない。『宇宙刑事シャイダー』では憑りつかれたようにパンツを見せていたのと対照的だ。

真田くんとライバル心を燃やす王玉学園生徒会長は大葉健二。
顔がバリバリそのまんま『宇宙刑事ギャバン』なのに
お姉言葉を使うのが個人的には受ける。

ラストのサゲは特に落ちずに適当に終わる。ゆるいなあ。


◆『直撃地獄拳 大逆転』
五つ星評価で【★★★★定番】
面白い映画の定番。多分3回目くらい。

千葉真一と佐藤充と郷治の掛け合いがムチャクチャ面白い。
中島ゆたか、いーのー。あーゆーキツイ顔は謎の女に向く。
峰不二子みたい。っつかルパンっぽい映画。
こんな感じで実写ルパン作ったらよかったのよ。
テーマ曲が安っぽくて逆によかった。
あのテーマ曲の安さに映画がノリノリで相乗りしてる。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
伊賀野カバ丸@ぴあ映画生活
直撃地獄拳 大逆転@ぴあ映画生活

2017年01月10日

『甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命』を新宿ピカデリー10で観て、今回も一瞬たりとも目を離せない面白さだふじき★★★★★

五つ星評価で【★★★★★やけくそ気味に後編も星五つでもええやろ】
大画面で展開される殺戮や情感の雨霰に酩酊しまくった。
私はこの物語の主人公・生駒の青臭くて不器用で無様なところが好きなのだ。
勿論こういう正論野郎は身近にいると煙たいのだが、
社会が乱れている今のような世にはちょっと遠くに居続けてほしい。
「頭悪いんじゃないの?」と思うくらい言動が直線なのも分かりやすくて好き。
感情直結なのだな。うん、やっぱり頭悪いんだな。
そして感情直結だからこそ、無様に泣きながら正しい事をする。
こんな分かりやすいキャラはいない。
170813_15
▲鬱陶しい正義漢だが、必ずしもかっこよくなく無様なところに惹かれる。

ヒロインの無名は生駒とは逆で感情を秘めてしまうタイプ。
殊更、本当の感情を表に出さないのだが、それでも零れだしてしまう
感情をみずみずしく表現した作画が素晴らしい。
170813_13
▲可愛くて強くて実は弱い。

この物語の一番の悪役、美馬。この男がTV頃から嫌いだった。無駄に美形。
そして世界を再生できる力を持ちながら、それを破壊にしか使わない男。
彼の部下の忠義が彼に盲目的に追従する事なのが痛々しい。
美馬には美馬なりの理由があっての蜂起だが、それはやはり彼の我儘にしか見えない。
息子も親父もトップにいるべきでない小物だったという事だろう。

後編の後半、全てを奪われ、約束一つを守るために自分も捨てて化け物への道を選ぶ生駒が良い。

あと融合群体の核に使われたホロビ、ムメイの外観の奇観ぶり無双ぶりに反比例した、神経剥き出しを思わせる内面のナイーブ表現が凄かった。
ホロビの人から踏み外れる時の絶叫も
無名の無数の死を背後につき従えた蝶の群舞も、
こういうのを絵や音で見せきるセンスが凄いなあ。
170813_17
▲融合群体、症状加速薬、超カバネリみたいな設定が後編でドンドン開いて目を見張った。

いやあ、満足満足。
エンディングにかかる御木本晴彦画伯の手によるイラスト。
えーと、アニメの絵の方が好き。


【銭】
松竹会員カードの前回有料入場割引+ネット購入割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
甲鉄城のカバネリ 序章@死屍累々映画日記
甲鉄城のカバネリ 総集編 前編 集う光@死屍累々映画日記

2017年01月09日

『ヒズ・ガール・フライデー』『特急二十世紀』をシネマヴェーラ渋谷で観て、地獄のように面白い二本立てだふじき★★★★★,★★★★

特集上映「ハワード・ホークス監督特集」の1プログラム。
もう尋常じゃないくらい面白いコメディー二本立て。

◆『ヒズ・ガール・フライデー』
五つ星評価で【★★★★★面白い話はこう作れという見本みたいな、、、、いやいやいやいやこんな面白い話は作れねえよ、普通】
新聞業界のスクープ合戦と離婚した文屋夫婦と新しい夫の「恋のさや当て」ゲームが交錯。と言うか、新聞屋の旦那がケイリー・グラントでは相手も分が悪い。保険屋の新旦那はほとんど画面に出てこない。元新聞屋の妻にしてライター役のロザリンド・ラッセルが自分でも嫌で嫌でたまらない文屋根性をほじくり出されてキチガイのように暴走するのが本当に面白くてしょうがないが、もうバリバリにスレスレで、これは一歩間違えると恐怖映画になる寸前の寸止め映画。ロザリンド・ラッセルが特ダネの激流に流されて冷静な自分を失っていく場面は見方を変えるととても恐ろしい。それは、どんなに優れた人間でも流行り病のような人間の情熱の流れには逆らえない。ある意味、脚本家による人間の個性の否定なのである(考えすぎか?)。
何はともあれ、若者にはこういうバカなくらい笑える映画を見せて、映画ってなんて凄いんだと洗脳する事が大事。この脚本に比べると今の映画はなんて楽をしてるんだろうと思う(元々は映画ではなく舞台らしいけど)。若者ではないけど私も初見だ。こーゆーのがもっと目に触れる機会は全然にあるべきだ。


◆『特急二十世紀』
五つ星評価で【★★★★笑わせる為なら何でもやる脚本】
こっちももの狂おしい感じで面白い。
ハリウッドではなく、ブロードウェー物。ダメ女優を天下の名女優に育て上げた挙句、ハリウッドに掻っ攫われた落ち目のプロデューサーが特急列車内でくだんの女優と偶然ニアミスして、俺を追ってきたんだろうと激しく勘違いする。まあ、激しくも悲しい話なのだけど、悲劇も度を越すと喜劇になるので、この映画も安心して大笑いできる。
プロデューサー役のジョン・バリモアって『ヤングフランケンシュタイン』のジーン・ワイルダーを思いださせる。分かってる。分かってる。順番が逆だ。
ヒロインの大根女優上がり女優が綺麗なのはもちろん、代わりに発掘される売れなくって残念女優も、そんなに出番の多くないプロデューサーの秘書もみんなステキ。誰が選んでるのか知らんがいい趣味をしている。
『ヒズ・ガール・フライデー』同様、若者に見せるべき映画至上主義者になる為の洗脳映画。これだって初見だ。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引。一般1400円から400円引きで1000円と思ってたら、一般1500円に値上がってて1100円支払う事になった。ハワード・ホークス特集からの値上がりらしい。ハワード・ホークス特集から値上がりされちゃーしょうがないな。値上げその物はしょうがないのだけど、タイミングが何か悔しい。まあ、これで映画館の従業員の皆さんが全員集まって一杯の掛け蕎麦でも食べられれば。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヒズ・ガール・フライデー@ぴあ映画生活
特急二十世紀@ぴあ映画生活

2017年01月08日

『ストームブレイカーズ 妖魔大戦』をシネマート新宿1で観て、西遊記であって西遊記でないぞふじき★★

「アルティメット・ムービーフェスタ2016」の一本。

五つ星評価で【★★西遊記+コメディー】
この取り合わせはチャウ・シンチーが二回ほどトライしてて、死ぬほど面白いのだが、こちらはお手軽な笑いを散りばめて、ちょっとチャウ・シンチー世界との地続きを感じさせるものの、徹底感に乏しく、やはりチャウ・シンチーって独特な個性なのだなあーと納得させられる。ただ、監督・脚本のジョシュア・イ・シャオシンについては全く知らないのだが、ひょっとするとこれからグーンと伸びて大成するかもしれない。

一応、西遊記らしい体裁は整えているが、孫悟空自体が映画の大半のシーンで妖力を失っており、主に傍観者の位置を勤める。ムリムリ西遊記とくっ付けなくてもこの話を成立させる事は可能だろう。

主人公は小妖怪。大した魔力もないまま、俗物精神で自己のステイタスを田舎の寒村に確立させようとするところは、前向きなねずみ男といったところ。

それにしても悪い奴が単に本当に悪い「悪が凝り固まった存在」みたいなのはゲームとか、マンガとか、ライトノベルの影響なのだろうか。その悪に関する出自も何も必要なく、登場だけで「悪」と言い張れるのは、書く側から考えたら簡単だから(読む側目線では手抜きちゃうんかなあ)。


【銭】
映画ファンサービスデーに見たので1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ストームブレイカーズ 妖魔大戦|映画情報のぴあ映画生活

2017年01月07日

『甲鉄城のカバネリ 総集編 前編 集う光』を新宿ピカデリー2で観て、一瞬たりとも目を離せない面白さだふじき★★★★★

170813_1
▲「カバネリ」って「屍入り」かな?

五つ星評価で【★★★★★やけくそ気味に星五つでもええやろ】
TVアニメ放映前にその1話から3話までを「序章」として公開していて、その時点で激面白かったので、TVアニメも少し見逃したがどうにか最後まで見た。うん、ようできちょった。そしてTVアニメ全12話を再構成して作る総集編。こんなの話を全部知っているにも関わらず、映画館で見ると目を離す事が出来ないくらい超面白い。
TV用として作られているが、劇場用に転用しても何ら遜色のない作画。
ユーロビートに荒れ狂うBGM。
その中で身も蓋もなく絶叫して喜怒哀楽をぶちまけるキャラクター達。
ほんま最初から劇場版として作られたとしか思えない出来だ。

170813_2
▲主人公の生駒

前編は人間対ゾンビ、もしくはゾンビを恐怖する人間の人間に対する仕打ちを哀愁タップリ中心に据えて描かれた。後編はそのゾンビさえ取り込んだ、お家騒動の復讐劇エピソードが中心になるだろう。どちらかと言うと前編の方が一つの話としては面白くまとまりやすい題材だ。この不安を払拭して、後編もだーっと見せきってほしい。

それにしても正月期間とは言え、前編一週間、後編一週間という期間限定公開は唾を吐きたくなるくらい最低。これ、ちゃんと宣伝して客を誘導すれば、もっと儲ける事が出来るコンテンツである。劇場で見せられなかった人にも見れなかった人にも残念な興行だ。

170813_3
▲無名ちゃん。


【銭】
映画ファンサービスデーに見たので1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
甲鉄城のカバネリ 総集編 前編 集う光@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
甲鉄城のカバネリ 総集編 前編 集う光@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
甲鉄城のカバネリ 序章@死屍累々映画日記

2017年01月06日

『風に濡れた女』を新宿武蔵野館1で再見して、こういう謎のコンテンツは好きだふじき★★★★(ネタバレ前提感想)

ネタバレ前提感想なので、鑑賞後にお読みください。また、非ネタバレ感想はこちらにあります。
171028_8
▲ナイスじゃないペア。

五つ星評価で【★★★★間宮夕貴が何者かを考えるのが楽しい】
二回目。
一回目は「裸だ、裸だ、間宮夕貴のおっぱいツンとしてかっこいいな。中谷仁美かーいーな」と思ってるうちに映画が終わってしまい、話はよく分からなかった。なので、今回はリベンジマッチとして、間宮夕貴のおっぱいと中谷仁美のエッチイ可愛さを再確認しながら、どんな話かを注力しながら見た。で、こんな事じゃなかろうかと頭の中で囁く人がいたので、それに従って書きました。私がこれから書く事は世迷言ですが、こんな考え方もあると思ってもらえればいいです。

間宮夕貴自転車で登場。いきなり海に落ちる。海から出てくる。
そこに立ち合わせた男が主人公。男は文筆家で、女断ちをする為に山で暮らしている。
この女断ちをしてる主人公に昔、関係があったらしい女が訪ねてくる。
昔の女は男の本を換骨堕胎して演劇にしているようだ。漂うサブカル臭。
間宮夕貴が男とのSEXを拒否したため、男は女の助手を犯す。

舞台は森の中。野犬やマムシがいる、必ずしも住みやすくない場所。
熊と疑われる獣(=主)がいるが、それは動物園から脱走した虎らしい。
ラスト直前で、虎は捕縛された事が伝えられる。
その後のシーンで、男に女からの「イヌはあなたじゃないかしら」
とのメッセージが伝えられる中、虎らしき咆哮が画面に響く。

虎とは何なのか? イヌとは何を表わすか?

虎が「森の主」であるなら、その高みから侵されざる存在だろう。
その主が捕縛されたにも関わらず咆哮が響くのは、
捕まった虎と咆哮をあげた虎が異なる存在という事だ。
虎の咆哮が物理的な音ではなく、精神的な位置を表わす象徴なら、
最初の虎は森に住む男であり、最後の虎はその場にいない女である。

なるほど、女は最初から男に隷属などせず、王のように振る舞っていた。
男は女に立ち向かうが、徐々に自然に女の強さに打ち負けて、
「自分がもっとも強い者である」という優位を疑わざるを得なくなる。
彼は虎のように、もっとも強い孤高なもののように振る舞っていたが、
その実、彼が森にいる為には仲間の助けが必要であり、
それは群れで生活する犬特有の性質だ。
冒頭近く、彼は女に向かって「犬みたい」と表現する。
おそらく、これは「犬みたいに愛情欲しがりで擦り寄ってSEXしようとする奴」
という蔑みの言葉なのだ。だが、女のSEXはそんな生易しいものではなかった。
女は自分のSEXをそんな風に表現される事に我慢できなかった。
女のSEXはやって、やって、やりまくって、研ぎ澄まされた事により
芸術にまで達していたSEXだったのだ(笑)。

最終的に女は男とのSEXで男の森の家を壊し、
男は女を抱くだけのために森から出て町の家にまで出向く。
もう、そこには森の孤高の主の姿はなく、実に彼こそが
「犬みたいに愛情欲しがりで擦り寄ってSEXしようとする奴」になっている。
町の家は女が別の男からSEXで簒奪した物であり、
ここにいた男も女により優位からの追放を受けている。居場所も奪われている。
女はその際に自分のSEXを「芸術であるSEX」と表現している。

物語の中で、高い位置にいる者(少なくともそう見える者)は3人。
(1) 森に住む男
(2) 男の昔の女である劇団の女座長
(3) 町の喫茶店のマスター

彼等のいずれもが女とのSEXによって、その高い位置を奪われる。
つまり、芸術的なSEXの方が彼等の芸術的な活動や生活や信条よりも上なのである。
女は易々とその欺瞞を打ち砕く。
彼等が人である限り、どんなに高尚ぶったとしても最高位のSEXには勝てないと。
彼等が個々に持っているポリシーを彼女とのSEXが凌駕してしまう。

逆に物語の中で低い位置にいる者(少なくともそう見える者)は3組。
(4) 森に住む男への当てつけにSEXされるサーファー達
(5) 男の昔の女である劇団の女座長の下にいる劇団員
(6) 男の昔の女である劇団の女座長の下にいる助手とその新しい彼氏

(4),(5)の彼等にとってSEXは単にSEXである。
というより、SEXしたりされたりする事で失う物はない。
もともと彼等には失うようなポリシーがないのだ。
彼等にとってSEXは降ってくればラッキーみたいな物でしかない。
(6)の彼等は映画内で唯一、間宮夕貴とSEXしない二人なのだが、
助手の中谷仁美は、森の男に間宮夕貴の代わりに犯される。その代償に愛を求めるが、
森の男に取ってのSEXは相手と何かを共有する為の手段ではない。
単にプレイとしてのSEXにすぎない。だから拒否される。
勿論、間宮夕貴のSEXにも愛はないし、間宮夕貴と中谷仁美がSEXしても
何一つ溝は埋まらないのだが、これは単にジャンルが違うとしか言いようがない。
個人的には間宮夕貴と中谷仁美のSEXは見たかった。
(6)の彼等は究極や至高のSEXには無関係なまま、ただ愛を求めてSEXする。
間宮夕貴と彼等の間は平行線のまま、何ら交わったりしない。
それはそれで、とても幸せな事だと思う。

長々と書いているが、映画観てる最中に思ったのは
すんげ唐突に間宮夕貴が『2001年宇宙の旅』のモノリスみたいだな、という事。
呼ばれもせずに現われて、人類が次の過程に進む存在かどうか見極めようとする。
ただ、その判断基準が「種としてのうんちゃらかんちゃら」ではなく単にSEX。
やんごとなき人たち3人は落第する。
下々の人たち3組はお猿さんのままで満足である。
モノリスが去った後も、なべてこの世は事もなし。世界は変わったりしないのである。
という感じで幕が閉じる。
森の男が合格してしまい、いきなりスター・チャイルドなぞになってしまったら、
今世紀一二を争う珍作になってしまった事だろうけど。
スター・チャイルドなのにチンチンだけ立ってて名前が珍作。
いや、言わんでいい事言った。


【銭】
チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞。

▼関連記事。
風に濡れた女(1回目)@死屍累々映画日記

2017年01月05日

『風に濡れた女』を新宿武蔵野館2で、『RANMARU 神の舌を持つ男』をUCT2で、『ニーゼと光のアトリエ』をユーロスペース2で観て、SEXとおふざけと真面目で華がないのとの三本ふじき★★★,★★★,★★

2016年鑑賞最後の三本。
『風に濡れた女』は12月29日、業務終了12:15から納会開始の16:00までの間に見れる映画を探してチョイス。
『RANMARU 神の舌を持つ男』はユナイテッドシネマの年末までの無料券を消化する為に12月30日に鑑賞(31日は掃除するので映画が見れない)。『ニーゼと光のアトリエ』は年内最後の映画を堤幸彦にするのは映画オタクとして耐えられず最後にもう一本挟んだけど、何とはなしに毒にも薬にもならなかった感じの一本。

◆『風に濡れた女』
171028_6
▲男子はこういうカマトトい顔の子(中谷仁美)の方が好き。
五つ星評価で【★★★セックスがジャズのセッションみたいな映画】
ロマンポルノ・リブート・プロジェクトの一本。
映画の冒頭、港を自転車で走行してコンクリから海にズボンと落ちる女。
薄いTシャツから胸の形が露わになり、女はその薄いTシャツもすぐに脱ぐ。
どう考えてもおかしい女なので、港にいた男は関わり合いにならないよう、すぐに出る。
女は付いてくる。寝る場所がないのでSEXと引き換えに泊めろと言う。
男は面倒なので取り合わない。男は女難で街を出て世捨て人してるのだ。
男に関わってこようとする女。煩わしい男。
昔の女がやってきて、男と関係を持とうとする。
SEXに入ろうとするその瞬間、昔の女を横取りしてヨガらせてしまう女。
男は自分の寝所を女二人に追いだされる。
男は昔の女が連れてきた若い助手の女を犯す。
昔の女は去り、男はついに面倒な女とSEXする。
壊れる世捨て家屋。何かよく分からずにエンド。
裸とSEXばかりが輝いてた。が、決して不快ではない。もう一回見たい。

ともかく『甘い鞭』で凄い演技してた間宮夕貴だから、
彼女が主役張るなら安心だ。そして安心した通りになった。
美しい身体である。得体のしれない精神である。
そのアンバランスがロマンポルノっぽいと言ったら言いすぎか。
ロマンポルノって所詮、女神にはなれない野郎どもが
その美しい女神達をそこにあるままに、謎のままに、映画に仕立てた一連の作品群
という気がする。いやいやいやいや、こんなの今、適当に書き捨てているのだが、
そう言っちゃえばそうかもしれないと人を騙せるくらいの説得力がある(ないか?)。

何にせよもう一回見たい。
間宮夕貴のツンとした乳首が見たい。
そして、とろけるように可愛い表情の中谷仁美ももう一回見たい。

この映画の感想で「ロマンポルノらしくない」という感想を書いている人を見かけたのだが、「条件が整いさえすれば何を撮っても良し」というのが一番のロマンポルノらしさなのだから、そこがクリアされていれば「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」という名前の企画であっても、「ロマンポルノらしい」に拘る必要は全くないと思う。それは無駄な締め付け以外の何物でもない。


◆『RANMARU 神の舌を持つ男』
171320_2
▲転覆トリオ。
五つ星評価で【★★★実はそこそこ面白かったりする】
あの問題児、堤幸彦の小ネタ系の映画なので、
大の大人としては人に勧める事は断固として出来ないのだが、
その実、長いコントとして見ると、そこそこ面白いし、楽しめてしまう。
でも、映画かと聞かれたら謎だし、TVシリーズも低視聴率だったらしいし、
映画もシネコン上映回数のビックリ減見ると不入りなので、
堤幸彦は少し身の振り方を考えた方がいいと思う。
まあ、別に堤幸彦の身の振り方を私が考えなければいけない謂れもないが。

で、ドラマとしてどうなのかという論点を捨てると、この「蘭丸」の方法論は面白い。
今までの堤幸彦の小ネタ系の作品で、何がイライラさせられたのかと言うと、
現場スタッフの内輪受けの遊びに付きあわされて、その内輪受けのどこが面白いかも判然としないまま、本旨であるドラマが停滞するから、あかんかったんである。
今回はその小ネタの中のかなり多くを佐藤二朗が常時突っ込むという形で表に出している。そして、小ネタに捕らわれてメインのストーリーが停滞するという事も起きていない。これがストレスがたまらない原因だ。その分、セリフの全てがボケという木村文乃は苦労してるかもしれないが、こんな行きついた役もなかなかGETできないので、逆に彼女自身は楽しんでいるかもしれない。

財前直見のオーバー・アクトはなかなかおもろい。
『金メダル男』に出て、『蘭丸』にも出る木村多江。
バラエティ的なドラマ要員として便利に使われすぎていないか?
別にこの人、こんなどうでもいい映画(失礼)に力を注がんでも、
もっといくらでもいい仕事があると思うのだ。いや、普通にいい役者じゃん。

で、この「蘭丸」に『風に濡れた女』の間宮夕貴が出てる。
湯治に来てるヤンキー女二人組の一人で、メイクがきつくてよう分からん。
別に演技の力量とか1ミリも必要がない役。
間宮夕貴さん、凄い演技をするんだけど、凄くない演技の映画も多々あります。
オファー片っ端から受けてるんじゃないかな。
昔っから小さな映画いっぱい出てて、そのまま大きな映画もいっぱい出るようになった
麻生久美子さんみたいな道筋辿ってくれるといいなあ。


◆『ニーゼと光のアトリエ』
171604_5
▲右がニーゼ。
五つ星評価で【★★知らなかった知識を知る分にはいいけど、娯楽映画としては弱い】
1944年のブラジル、ロボトミー手術や電気ショック療法が幅を効かせる中、暴力的治療を廃し、芸術療法やアニマル・セラピーを施した女医ニーゼの物語。

基本、狂人がいっぱい出てくる映画は好き。映画には狂人がよく似あう。

ニーゼを演じるグロリア・ピレスは私の好きなエマ・トンプソンに似てて良かった。

残念なのはニーゼを非難していた旧態依然とした医療チームが
ギャフンと言うような展開がなかった事である。
本当にギャフンと言ったかどうかはともかく、娯楽映画として作るなら
唾を吐きかけられた主人公(暗喩)が、そのまま相手に向かおうともせず、
そのまま話が終わってしまうなんて展開は許されない。
そして、この映画はその許されない展開をして、シレっと終わってしまうのである。

オーマイガーっ。そらないだろ。


【銭】
『風に濡れた女』:チケット屋で額面金額1400円の券を1400円でGET。
『RANMARU 神の舌を持つ男』:ユナイテッドシネマのキャンペーン籤でGETした招待券で無料鑑賞。
『ニーゼと光のアトリエ』:ユーロスペース会員割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
風に濡れた女@ぴあ映画生活
RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して・・・蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編@ぴあ映画生活
ニーゼと光のアトリエ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
風に濡れた女(2回目)@死屍累々映画日記

2017年01月04日

『RWBYvolume3』をシネ・リーブル池袋2で観て、やられまくりふじき★★★★(ネタバレあり)

170910_1
▲黒い図案が今回の物語を語る。

五つ星評価で【★★★★アメリカ発萌えアニメ第三弾】
アメリカ製の3DCGアニメの続々編。
ちょっと舐めてかかって油断してたら返り討ちにあった。
この「Volume3」で凄く面白いコンテンツに成長している。

レビュー内にネタバレ要素を含みます。

学生同士の天下一武闘会もどきの集団対戦ゲームで始まり、
うーん、こういうの西洋東洋問わずオタクは好きそうだよね、
と安心させておいてその武闘会の背後で練られる陰謀、裏切り、信頼関係の失墜。
Volume1,2で大事に大事に手塩にかけて育ててきたキャラクター達を次から次へと蹂躙する超鬱展開。Volume1,2で未来に向けて成長してきた彼等から未来を奪い取り、絶望の底に叩き落としてVolume3は終わる。

しびれる。

やりおった、やりおった。あんな愛情込めて育てたキャラに
ボロボロの酷い仕打ち。それがとってもイカす。
この追い込みで、グッとキャラが人間になっていく。
ああ、面白かった。もう、次を見ずに済ます事は出来ない。

ヤンが、ヤンが、ヤンが、どうなっちゃうのか。
ヤンなんて一番安心して見ていられるキャラだったのにビックリだ。
お気にのペニーもあんな事になってビックリだ。
170910_3
▲ヤンの勇姿をまた見たい。

【銭】
テアトルの会員割引で1300円で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
RWBY Volume3@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
RWBY Volume3@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
RWBY Volume1@死屍累々映画日記
RWBY Volume2@死屍累々映画日記

2017年01月03日

『ピートと秘密の友達』をトーホーシネマズ新宿8で観て、新しい物は何もないかもしれないけどいい映画★★★★

168783_1
▲犬系エリオット(左)

五つ星評価で【★★★★例えば捨て猫を見つけたら保健所に電話かけるよりも隠れてでも育てるような子供になってほしい/そういう気持ちの映画】

とりあえずまず驚いたのは実写だったこと。
アニメだと思い込んでいた。
それほど情報露出が少ないし、宣伝にも力が入っていなかった。
なんか契約的に公開しないとしょうがないから、お義理で公開でもしたかのよう。
でも、とてもいい映画です。

宣伝が下手です。
宣伝コピー(下記)がおかしいです。

彼と友達になるための3つの約束
 名前をつけてあげること
 不思議な力を隠すこと
 絶体に守りぬくこと


宣伝担当者、本当にこの映画見たのだろうか?
一つ目の約束は約束にする事ではないし、
二つ目と三つ目の約束は友達になるための約束ではない。
約束というよりは友達を守るために自然にすることだ。
そして、この約束は規格外の物が最初から社会に受け入れがたい事を知っている大人の目線から考えたコピーだ。だから、この条件はこの映画より、より『E.T.』の方が似あっていると思う。
原題は『Pete's Dragon』
だから邦題も『ピートのドラゴン』
もしくは『ピートとドラゴン』でよかったと思う。
なんか「ドラゴン」を表に出したくない理由でもあるのか?

この映画のドラゴンは犬系。
『ヒックとドラゴン』は猫系だったが、犬系もありえなくはないと納得させられる実にいい出来だった。大昔、『ネバー・エンディング・ストーリー』のファルコンも同じ犬系だったが、今回のエリオットと比べようにならないポンコツ具合だった。恐るべし、技術の進化。つーか、爬虫類系にはせんのかのう。

主役のピートがスザンヌに顔が似てて可愛い。
168783_2
▲ピート(左)(右)

彼の対となる女の子もなかなかいい感じで、かーいらしい(欲情とかしないよ)。
爺ちゃん役のロバート・レッドフォードがちゃんと爺ちゃんしてていい。『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』の政治家役も良かったが、もう本当こういう年相応の役がいいのだ。油断してるとまだまだ若いもんには負けないとキスしたりセックスしたりするような役をやりたがるけど、彼自身が思ってるほどそれは爽やかな絵面ではないし、爺さんのセックスなんて悪代官が町娘を手籠めにする場面だけでいいと思うのだ。ちなみに、ロバート・レッドフォードに悪代官は似あわないと思う(レッドフォードにも欲情とかしないよ)。

font size=+1>森の奥で過ごす心の優しい怪物を町から来た者が捕まえて迫害する、という主筋はありがちだし、その後の正しい行いをする者達が皆で怪物を逃がす事も特に新しくない。でもまあ、新しくない物語でも、的確に語られるなら、定石として作り直してもいいっしょ。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・26本目(2016年11月25日〜12月24日)Final
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ピートと秘密の友達@ぴあ映画生活

『ビー・バップ・ハイスクール』『はいからさんが通る』『19ナインティーン』を神保町シアターで観て、まあ良い良くない悪いかなふじき★★★,★★,★

特集「伝説のアイドル映画を探せ!」から各1プログラム。

◆『ビー・バップ・ハイスクール』
五つ星評価で【★★★ゆるゆるだけど見所多い】
初見。何作目から見出したかは忘れたが、この一作目は未見だった。
アクション映画の側面、男の子の生き方や友情などの青春映画の側面、
中山美穂を真ん中に据えた恋愛映画の側面、乾いた笑いのコメディー映画の側面、
これらのバランスがまだ固まらずに、テンポ悪くウロウロしてる感じ。
後期映画では恋愛映画はほぼゼロになり、
独特のヤンキー暴力コメディーが全体を覆い、
ラストに決めるべき所(意地とアクション)が集中する。
安定路線に至る前の過渡期の映画だが、仲村トオルと清水宏次朗が映画をちゃんと牽引してて、これを凡作と切って捨ててしまうのは惜しい。でも凡作の空気は濃厚。
女の子は優等生の中山美穂よりスベタな宮崎萬純の方が格段にいい。
一作目のラスボス小沢仁志は二作目以降、キャラ変わってる気がするが同一人物なのか別人なのか、よく分からない。
バックドロップが決まって「勝ったぞお」って言ったもんがちで終わったっぽいなあ。


◆『はいからさんが通る』
142715_1
▲見よ、このかーいさ。
五つ星評価で【★★ゆるゆるのコスプレドラマ】
公開当時以来の二回目。
これは原作マンガのファンだった。大ロマンスマンガに無造作に飛び込んでくるギャグがステキ。で、TVアニメにもなり、少女マンガをセルアニメに変換するのは難しいのだけどギャグ濃度をあげて頑張っていた印象。こおろぎ73が歌うOP,EDがともかく爽やか。この曲が映画では使われてないのがとても残念だった。
ナンノは主人公・紅緒のイメージにとってもあった女優なのだけど、いやまあ、ともかく大根で、免許皆伝の腕前近くなのに、振り回す剣に振り回されてるしだったりで、原作やアニメの主人公再現を考えて見てはいけない。ナンノ自身の若さや初々しさをただただ確認するのが良い。まあ、アイドルだったから忙しかったんだろうなあ。演技がどうとか言っちゃいけない。
そして阿部寛の伊集院少尉も素晴らしく棒読み。しょうがない。これがデビュー作だもの。阿部ちゃんは少女マンガっぽくないな。しかし、今はくたびれて出れば必ずどこかに欠陥を抱えているという阿部寛、デビュー作ではキラキラである。
紆余曲折の果てに大恋愛に落ちる二人が、とてもそんな風には見えないので、感情移入が出来ず、筋を追うだけの話になってしまった。

御前役の丹波哲郎は外見も似てるし、演技も悪くない。
丹波哲郎史上、周囲の人間が誰一人として彼より演技の上手い人間がいなそう、という意味でちょっと珍しい映画。


◆『19ナインティーン』
五つ星評価で【★昔見た時は何でこれを傑作と思い込んでたのか謎】
公開当時以来の二回目。
初見時は何でコレ面白いと思ったのが謎なくらいテンポが悪い。
少年隊の衣装がかっこいいのと、小沢なつきの変なストッキングに目が惹かれたのと、
タイムワープをワームホール使ってやるって言う不便さがよかったのだろうか。
ヒガシの彼女役の外人さんカタコトで、そんなに魅力ないなあというのは初見時にも思った。お宝的にはヒガシとニッキの乳首が拝める事だろう。
片山鶴太郎が役者ではなく、単なるギャグメーカーとしてぶざまな演技してるのが好感持てる。ちゅうかなぱいぱいの小沢なつきがAV女優になるとは思わなかったなあ。監督が『ゴジラ vs スペース・ゴジラ』の人だから、まあ、つまらないよなあ。


【銭】
『ビー・バップ・ハイスクール』:神保町シアター正規入場料金1200円。
『はいからさんが通る』:神保町シアター正規入場料金1200円。
『19ナインティーン』:神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ビー・バップ・ハイスクール@ぴあ映画生活
はいからさんが通る〈1987年〉@ぴあ映画生活
19ナインティーン@ぴあ映画生活

2017年01月02日

『バイオハザード ザ・ファイナル』をトーホーシネマズ日本橋3で観て、終わって安心でもアクションあかんねんなふじき★★

162525_5
▲傷だらけのローラ

五つ星評価で【★★一応、十分ファイナルの要素を満たしてると思う。ただアクションは最低】

多分、直前作の「后廚聾れてない。
「機銑検廚發匹譴見てて、どれが見てないのかよう分からない。
どうやら、「機廖岫検廚漏亮造妨てるのだけど、
「供廖岫掘廚藁省か、どっちか一つという状態だ。
ただ、確実に「后廚聾てないのだが、実際のところ鑑賞に支障はなかった。
まあ、どれがどれなんだか分からんよう、見分けつかんの作る方が悪いよ。

とりあえず見に行ったのは東宝フリーパスで只で観れるという事と、
ローラの演技が見たかったからだ。
「字幕版」で見たが、ごくごく普通だった。
「んふ」とかも言わないしね(そらまあ言わんだろうけど)。
「吹替版」もおそらく驚くようなタメ口演技はやらんでしょ。
まあ、そんな演技がどうのと言うほどガッツリ長い出演でもないよね。

SWと同じく、ちゃんと終われて良かったね、と言ってあげたい。
終わったと思ったらまた、始まっちゃったり、
とりあえず最初から建て直したりがあるとしても、それは又、別の話だ。

そうだ。おめでとうはおめでとうとして、アクションは最低。
適切な位置で撮影してないから(寄りすぎてる)何やってるのか全く分からない。
二人がダンゴになってバタバタ格闘して、どっちかが倒れるの見て
勝者を確認する、そういう風にしか分からない無残なアクションが延々と続く。

たーけ!


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・25本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
バイオハザード:ザ・ファイナル@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
バイオハザード:ザ・ファイナル@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
バイオハザード:ザ・ファイナル@ペパーミントの魔術師
バイオハザード:ザ・ファイナル@だらだら無気力ブログ
バイオハザード:ザ・ファイナル@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
バイオハザード検死屍累々映画日記

PS どんな映画かよく分からないけど、『ぱいおつ・ハザード』
 って映画が作られたら絶対見に行く。
PS2 ローラのフィルモグラフィーがこれと、
 『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年 』しかないのは
 ホッコリしてていいと思う。

あけおめことよろ2017 @excalibur2140 @ichi7117008222

あけおめことよろ

意味:明け方の青梅のように孤島にある養老乃瀧もうら寂しいものだなあ。
 そんな寂しい1年の年初を今年もまた迎えてしまった。

ツイッターでの反応1:百人一首の注釈みたいな解説はいらない…。
 (from @excalibur2140)

その返し:金に糸目をつけず身体に百人一首の札を貼って
 上白石萌音ちゃんに優しくはたかれたい
 (広瀬すずの野獣のような攻撃には耐えられない)

ツイッターでの反応2:明け方お面かぶって琴をかき鳴らして
 ふじきさんを呼んでいるような気持ちです
 (from @ichi7117008222)

その返し:琴って言うと
 本陣殺人事件とか犬神家の助智殺しの凶器とかしか思い浮かばん

総括:琴糸でくびり殺されるのはイヤだけど、上白石萌音ちゃんとは
 嘘でもイャイチャしたいわあ。
 『君の名は。』の萌音ちゃんと入れ変わってバストまさぐりたいわあ。
 一年の計は元旦にあり。今年もきっとそんな年です。


2016年12月31日

『土竜の唄 香港狂想騒曲』をトーホーシネマズ新宿7で観て、前作よりおもろいと思うわふじき★★★★

170302_1
▲ジャニーズの主人公を除く共演者の皆さん。

五つ星評価で【★★★★何よりコーディネーターの実力が凄いんちゃうかな】

衣装がキンキラで凄い。
ヤクザが二束三文でドコスコ画面に投入されて
画面がビッシリヤクザで埋まってる感じがこんな言い方変だが心地よい。
そして、女優陣がヤングマガジン・テイストに無駄に汚く色っぽいのがいい。
そう、あの中坊の性欲を嘘でも満たせてあげたいみたいな
悪い兄貴の親心みたいな感じはヤングマガジン・テイストだ。
ヤングジャンプのスマートな美乳とかより、汚くても体温のあるムチっとして
どこかじんわり湿っているような感じ。

前作に関してははっきり言ってもう覚えていない。
99の岡村が出てて鬱陶しかったのだけ覚えてる。
あれが関西ヤクザだから、導入部のフォークダンスまでが前作との引継ぎになるのだろう。で、今回は「対香港」と言いつつ、国際感覚はゼロ。まあ、それで別に全然かまわない。敵がいきなりゴキブリ人間に変わっても三池演出の前では大きな問題なしでOKになってしまうだろうし。

生田斗真はようやってる。
あのテンションと一人芝居。
彼が照れたらこの映画は瓦解する。
そういう意味では立派な座長芝居である。
つか、生田斗真のハイテンションが前作とキッチリ映画を繋いでいる。
彼があのハイテンションで演技を変えずに出る限りは他のどの要素が変わっても
シリーズとして持続可能だろう。

ヤクザ役はみなまあまあまあまあ。想定内の演技だけど、それでいい。
気持ち良さそうに兄貴分を演じる堤真一がいい。
いや、どちらかと言うといいのは服の方だ。
『海賊と呼ばれた男』でもキーパーソンな人物を演じていたが、
どっちかというとこっちの方が自由でよい(いやまあ本当にいつも通りなんだけど)。

そして中坊の心をドキドキさせる三人の女優。
本田翼の予告でも見せたあの思い切りのいい啖呵。
でも、処女というギャップ。
その処女をエロく蹂躙するという、ありがとうございますなエロ展開。
古田新太になって「ぐいっ」とモモンガ突っ込みたかったよ。
ルパン三世のくすぐり機械みたいに若者のトラウマになりそうないいシーンだった。
170302_3
▲罵倒されながらセックスしたいなあ(徐々に罵倒できなくなる展開とか超エロい)。

菜々緒って言うのは第一にビジュアルの人なのだけど、
そのビジュアルを元にしたアクションの切り取りが惚れ惚れするほど良かった。
菜々緒の底なしの無表情って凄く「映画」っぽいと思う。
あ、途中でやめたけど予告の締めだった「ずっぼんバキューム」はあんなん使わんでもええやろ。

170302_5
▲中学生はこれで今晩お世話になりなさいという衣装が最高。

そして仲里依紗の性格とパンツ。
仲里依紗は菜々緒と違ってパンツ以外は性格しかないような役だ。
何が勿体ないって、本編見るとそうでもないのだけど、
予告編だけだと仲里依紗が和田アキ子にそっくりなのだ。
それじゃ本田翼に「婆あじゃねえ所だよ」と言われてもしょうがない。
日本中の大半がそうだと思うのだけど、和田アキ子では欲情しないぜ!

そんな3人に比べたら新規参入の瑛太は面白味のない役だった。
いや、別に瑛太に脱ぎは期待してないけど。

同じく新規参入の古田新太はなかなか面白味のある役なのだけど、
上層部からトカゲの尻尾切りされる理由はモモンガ側に持たせなあかんでしょ。

そういや、虎が出てくるんだから、豹柄の上地雄輔とは対面させるべきじゃないか?
上地雄輔が豹柄なんだから、菜々緒には女豹のポーズを取らせるべきだろう。
もしこの先シリーズが続くなら、香港マフィアが崩壊しても菜々緒は無事そうなので
再出演を果たせそう。それってバリバリ峰不二子っぽいよなあ。

こんなんおもろいって言うと「俺は下品でパイオツもツオケーも大好きです」とちんちん振り回しながら宣言してるようなもんだから恥ずかしいんだけど、退屈せずに最後までおもろかったよ。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・24本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
土竜の唄 香港狂騒曲@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
土竜の唄 香港狂騒曲@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
▼関連記事。
土竜の唄 潜入捜査官REIJI(一作目)@死屍累々映画日記

PS エンティングの関ジャニの歌もバーターだろうけど、これは合ってると思う。

2016年12月30日

『ポッピンQ』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、その世界観にハラホロヒレハレふじき★★

170414_3
▲一番左が合気道ちゃん、一番右がダッシュちゃん。

五つ星評価で【★★スタッフ陣が自分達の持っている「売り」をツギハギして作ったら妙なアニメになってしまったという気がする】

変なアニメだった。
呑み込みづらい。
もういい加減年寄りだからか、こういう若者のアニメはよう分からんのかもしらん。

それぞれ青春的な悩みのあるJC5人が異世界に飛ばされる。
異世界ではキグルミと称する異形に蹂躙され、
彼女たち異世界から来た勇者がダンスを奉納する事で世界も救われ、
彼女たちも元に戻れるのだという。
だが、彼女たちのうちの一人が元の世界になど戻りたくないという。揺れる皆の心。

みたいな具合の話なのだが、どうも5人がダンスを踊る事で世界は救われる、
というアウトラインがさっぱり納得できるように伝わってこない。
古来、神々へのダンスの奉納は珍しい物ではないと思うが、
それをJCの創作ダンスレベルにされてしまうと、奉納の連想が絶ち切られてしまう。
何か「プリキュア生産ライン」でダンスを美しく見せる技術が確立してるから使っちゃおうぜ、という風にしか見えない。
あと御褒美のキャリアアップも技術が目に見える効果としては面白いけど、
頑張れば必ず報われるみたいなのはちょっと白々しい。
この御褒美キャリアアップは東映特撮の戦隊シリーズとかで最近頻繁に使われるが、
どうもそれは新戦力を売って金儲けの常套手段である事だし、
ドラマツルギーの中ではそんなに必要度を感じないのだ。
今回はこの御褒美キャリアアップがないと話が停滞するから「必要」な訳だが、
ご都合主義に見えて「必要」である事が納得できない。話の練りが足りないと思う。

この異世界を脅かす敵も、敵が何を求めていて、
求めたものを得る事によって何が出来るのかがさっぱり分からない。
敵の真意は次回持ち越しなのかもしれないが、独立した映画であるなら
嘘でも納得できる理由を付けておくべきだろう(見逃したか?俺)。

キャラの中で優等生とダンサーが被って分かりづらい。
チラシとか見ると別人なのだが、映画では混乱させられる。
それは優等生の長い黒髪とダンサーの紫のショート・ボブの見分けが
ダンサーがフード被ってしまう事で無効化してしまう為だ。
キャラの脚の見せ方も優等生=超ニーソ、ダンサー=タイツで似てるのも紛らわしい。
この二人が混同を誘う事以外は、
それぞれが大なり小なり傷ついてる設定は身につまされる。

合気道ちゃんとダッシュちゃんは分かりやすくて好きよ。

ダンスシーンは東映アニメお得意のプリキュア・モーション・キャプチャーで、
とても美麗な出来上がりなのだが、あのシステムは個々の出来の悪さや汗、努力
などを隠蔽してしまう。
なので、最初にばっちりポンコツを明示しなければいけない今回の使い方には合わない。
いや、出来上がり品として、あのダンスが使われるならいいのだが、最初から最後までダンスは全てモーション・キャプチャー使用でやってしまうと、全くメリハリが付かない。
それは得策ではないと思うのだ。

だいたい、彼女達が不思議な世界に取り込まれるという設定は必要なのか?
謎の組織によって遠洋マグロ漁船に拉致されて、
みんなで一致団結して漁獲量を増やさなければ帰れないという話でいいのではないか?
(もちろん極論だが、リアルな話でご都合展開を封じる方が彼女たちのメンタリティーの回復が、より浮かび上がってくると思う)

不平不満愚痴を旧「遅く起きた朝に」にぶつけるようにぶちまけたが、えーと、まあ、はっきり言ってエンドロール後のあの一騒動にはやられた。全然、感心はしないが、あの最後の部分だけの方がその前の部分より面白い感じだ。それはそれであかんやん。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・23本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ポッピンQ@ぴあ映画生活

PS ただ、気にかかっててもう一回見てみたい感はある(魔力かよ)。

2016年12月29日

『世界の果てまでヒャッハー!』をシネマート新宿2で観て、ゲラゲラふじき★★★★

170810_6
▲天駆ける、気のいいバカ。

五つ星評価で【★★★★ああん、もう】

こういう人生の役に立たないくだらないの大好き


【銭】
新聞屋系の平日鑑賞券をもろうたのでロハ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
世界の果てまでヒャッハー!@ぴあ映画生活

PS 林家ペー、パー子の「ヒャッハー」って予告も好き。
PS2 高高度からの玉とチンチン、
 別にノーカット・ノンモザイクで見せてくんなくてもいいんだけど。
 いや、モザイク入ったら、入ったで不愉快だけど。
 (あんなんで興奮しないよ!)
PS3 主人公を含む男4人のIQがこれでもかというくらい低そうで、
 邦画だったら、あんなに弾けたバカは出せねえよなあ。
 バカの代名詞的な『ビー・バップ・ハイスクール』のキャラ達だって、
 あんなに単純にバカみたいではない。

2016年12月28日

『築地ワンダーランド』を新宿シネマート2で観て、いなせやねふじき★★★★

168566_5
▲尾の切断面にちんこを突っ込んで「このマグロ女め、えいっえいっ」って動画をツイッターに流せば確実に炎上するだろう。

五つ星評価で【★★★★人が気持ちいい。まあ、逆に気持ち悪い奴がいたら編集でカットされるだろうけど】
見た直後のツイッターでの覚書。

出てる野郎共がいい意味でアジア人っぽい。そういうの求めてるのかもしれない。中卸しと鮨屋の凌ぎ合いもいいけど逆に回転寿司チェーンの安い魚の取り扱いみたいなのも見たかったな。

市場のシステム「仲卸と呼ばれる魚の目利きが自分達の客に合う魚を市場に出される魚に仮押さえ札などを付けて同業者を牽制しながら、オークションで競り落としていく」が分かった。相変わらず、知らない事を知るのは面白い物だ。
この仲卸を初めとする市場に渦巻く人間が嘘を付きながらも(競りは嘘)正直そうで良い。質の良いものを安く買って高く売りたい。だが、高く売る事にのみ頓着はせず、できれば質の分かる筋の良い顧客に良い物を卸したい。「情」だけでやれる商売ではないだろうが、知識欲が行きついた商売なのに「情」が皆無でない所が面白い。で、そんな奴らはみんなアジア人っぽい。頑固オヤジと言うか、細かい事はいいけれど筋が通ってない事だけは許せない。そういうメンタリティーはもう「日本人っぽい」ではなくなってしまった。まだ、アジアには残ってると思う。

マグロを取り扱うのに手斧を使ってサクサク傷を作っていくのが面白い。
全国の連続殺人鬼の皆さん、「樹を隠すなら森の中」ですよ。

給食への取組とか面白い。
逆に言えば、給食で出されて、
魚を食べる子を増やさん事には魚を食う文化もジリヒンなのか。


【銭】
新聞屋系の平日鑑賞券をもろうたのでロハ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)@ぴあ映画生活

PS みんなギラギラするほどプロフェッショナルの匂いがぷんぷん漂ってくる。
 一人くらい刺身包丁もって『ローグ・ワン』出ても分からんだろ。

2016年12月27日

『好きになるその瞬間を 告白実行委員会』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、前作より挽回だふじき★★★

171012_1
▲きゅんきゅんしやがってよお、ほんまもう。

五つ星評価で【★★★アニメートは雑だが、背景に流れる音色のクリアなこと】

『ずっと前から好きでした 告白実行委員会』の続編というよりは同時進行の併発イベントの裏面作品。

前作が、野郎視点は考慮されていずに(まあ、そらそうだろう/主要顧客じゃないのだから)、恋に悩み抜いた挙句、自分の近くの人を存外大切にしない主人公に私は引いてしまった。別に今回は野郎目線を反映させたという訳ではないが、前回の「人の道として、それはどうか」というような主人公の行動はなく、どちらかと言うと「通常の(よくありがちな)一途な心情」を繊細に一つ一つ順を追って描いたものになったので、抵抗もなかったし、分かりやすかった。不必要にキャラの数を増やさなかったのも前回以上に優れている点の一つ。
今回の方がありきたりの片想いだったり、ありきたりの失恋だったり、ありきたりの再起に向けての希望だったりだ。別に奇をてらう必要はない。売りである「繊細なBGM歌唱」はどちらかと言うとベタな話の方がすっと頭に入ってくる。

前回は告白に対する勇気が空回りする主人公だったが、
今回は告白に対する勇気が「ずっと、そこに待て」状態で、
ただただ進展しないそんな男女を描く。

絡まる楽曲。言葉が足りない幼馴染の粗暴だけど思いやりのある彼。
彼かなかなかいい奴だった。まあ、中坊の男らしくバカなんだけど。
無闇矢鱈な赤面フェイスも封印し、ここぞで使われるようになってきた。
えい、それって当り前だから、褒める事自体変か。

ちなみにアニメートは最初に書いた通り、今一なんである。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・22本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会〜@ぴあ映画生活
▼関連記事
ずっと前から好きでした。 告白実行委員会@死屍累々映画日記

PS 瞳の描き方がムチャクチャ綺麗。

2016年12月26日

『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』をトーホーシネマズ新宿8で観直して、まーどーでもいー映画だがやふじき★★

五つ星評価で【★★斉藤工と山崎賢人は悪い訳ではない】

斉藤工と山崎賢人の実写場面を見た覚えが全くなかった。
そこを一番の見所と推す人がいたので、
トーホーシネマズのフリーパス期間であるのでわざわざ見直しに行った。
いいな、いいな、只だとこういう無駄使いが出来て。
どっちかって言うと時間の方が勿体ない。

で、斉藤工と山崎賢人はまずまず。
JKやJCじゃないんだから、あれだけでキャーキャーは言わないっすよ。
まあ、でもちょっと文句が言えないいい感じの仕上がり具合は原作ファンも
納得できるんじゃないでしょうか。
山崎賢人もこういう外見の仕上がりだけで攻める役はいいかもしれない。
何の文句もない。

バレエ女の子を実写でやる浜辺美波ちゃんは
アニメより実写パートの方がぶーでーだと思う。

あまり出番の多くないエミちゃん役は黒島結菜。
可愛い旬の女の子と言うだけだが、文句はない。

リアルな実写世界が=「毛穴世界」というネーミングのダササが上手い。

「クジラマン」デザインと動きがなかなかキモくていいな。

「ニャーKB」アニメパートは3人が紺ソク、1人がカラータイツ、1人がニーソ
だったようなのだが、実写になったら5人ともニーソっぽかったけど、
これは「実写世界の方が個性が強まる」という方則に逆行してるだろう。減点1。
それに気づいてしまう俺にも減点1(多分そうだったと思うよ)


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・21本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼関連記事。
映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!@死屍累々映画日記
映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!@死屍累々映画日記
1回目@死屍累々映画日記

PS 1回目に入った時は先着プレゼントあるつぽかったのに貰えなかった。
 今回は貰えたけど、チラシ見たら「中学生以下先着プレゼント」
 という縛りがあるじゃん。つまり、これでおでも晴れて中学生以下という訳か。
 あれか、銭湯に行ってまだ、女湯に入れるって奴か。むひょーっ。

2016年12月25日

『ドント・ブリーズ』をトーホーシネマズみゆき座で観て、その暴力性より心が気持ち悪いねんふじき★★★

171195_1
▲いないいない爺

五つ星評価で【★★★痺れる狂人】

見た直後のツイッターでこう書いてる。

攻防戦としてもう少し色々な見せ方があったのでは?と思う。間取りが分かりづらいのも勿体ない。ただ久しぶりに痺れるような狂人を見たなあ。

コソ泥3人がチョロイと思った盲人の逆襲に合う話だが、主たる攻防戦が予告でかなり語られ切っているので、もう一つ二つ何か残しておいてほしかった。そういう意味で、シリーズ化され、毎回いろんな仕掛けで楽しませた『座頭市』ってのは凄いコンテンツだったな。ベン・アフレックの『デアデビル』も盲人の聴覚を視覚化した映像がなかなかステキだった。アニメ見てないからマンガのみなんだけど、超能力盲人が敵をソナーで発見し、発砲で追い詰めるという『JOJO第四部』のキャラは今作にかなり似てると思う。だから、もう一つか二つ盲人にハンデ(銃とかの武器という意味でなく)を与えたかった。戦いの場所は盲人の生活スペースでホームグラウンドなんだから、そういったところでもうちょっといいアイデア出せたと思うんだ。そういや『江戸川乱歩の盲獣』なんてのもあったな。あの家の中にでっかい彫刻あったら怖いな。あれはあれで痺れる狂人だった。

そうそう、予告編で片鱗が見えてるけれど、あの盲人が決して「障害持っているいい人」ではないのだ。「障害持ってるいい人」だったら、もうちょっとのっぺりしつつも敵を追い返すか追い落とすだけのスカっとしたアクション映画になったろうに。地雷的に家にいる座頭市だな。それはそれで面白そうだ。
でも、今作はそうではなく、なかなかこの盲人が痺れるような狂人なのである。
盲人である事をメリットに変えて攻撃してくる直接的な猛威よりも、ネジの狂い方の方がよっぽど強烈だった。だから、私はそこを高く評価したい。なかなか身近にああいう狂人はいないよ。いやリアルにいないのは勿論、フィクションの世界にもね。

あと、犬が目標物を補足したホーミング・ミサイルみたいで、人格というか犬格みたいな物を一切考慮せず、単に歯の付いた危険なガジェットとして扱ってるのも好感度が高かったですね。盲人と犬があまりにも追い詰められたらあの一人と一匹でパトラッシュとネロみたいにならんでもないかもしれんけど………なるかあっ(叫び!)


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・20本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ドント・ブリーズ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ドント・ブリーズ@ノラネコの呑んで観るシネマ

PS 略して「どんぶり」と言ったのは、
 自分のツイッターのTLの中では自分が一番最初。

2016年12月23日

『ローグ・ワン』をトーホーシネマズ日本橋7で観て、各論賛成映画だふじき★★★★

168782_1
▲ソウ・ゲレラはともかく、オーソン・クレニックがローグ・ワンの振りしちょるのはいったい何でだ?

五つ星評価で【★★★★これがベストと思ってはいないがベターなSW】

基本的に、ならず者や半端者が集まってミッションを成功させる映画が好きなのだ。
そいで、今回はそのならず者の中にドニー・イェンが入ってるから、ドニーさんのシーンだけでもう楽しめてしょうがない。ドニーさんがならず者の中で独特な志向の人格者というのもリスペクトされてる感があって良い。そう、私や私達ドニー・ファンは世界中にドニーさんをリスペクトしてもらいたいのだ。
168782_12
▲ドニーさん。

で、ドニーさんとコンビの赤胴のチアン・ウェン。この人、中国の文芸映画とかに出てた人じゃん。ドニーさんもそうだけど、キャスティングの目利き力が半端ないな。

パイロットの人、ギョロ目でいい感じ。これに船長と女浪人とボロロボット(褒めてる)が「ローグ・ワン」の中核。
女浪人は鬱屈してながら子供が抜けてなくて、子供が抜けてないからこそ可能性の低いプロジェクトに命を賭けられる。その蛮勇に共和国の汚れ仕事をさせられていた、ならず者たちが共感して手を貸すという構造はとても泣ける。思いだすと泣けるけど、演出的にはその他大勢が行き当たりばったりで集まったみたいで、ちょっと盛り上がらなかったのが残念だ。女浪人のジン・アーソは適度に若くて適度にヤサグレてていい感じ。子役時代をやったおさげちゃんもよかった。
船長はディエゴ・ルナ。なんか普通。綺麗な顔立ちをしてるので、情報を得るために帝国の将軍に身体を売っていたみたいなエピソードがあったら激烈に燃えるに違いないが、流石にそんなに黒いエピソードはディズニーさんが許さないわな。
ボロロボットはとても好き。しかし、「敵」という概念付きではあるものの、あいつ躊躇なく人を殺すんだよな。アトムが見たら怒るぞ。
168782_1b
▲噂の三人組。

今、考えると戦いの舞台は二カ所でしかない。
テロリスト(フォレスト・ウィティカー)のいる星と南国っぽい帝国の要塞惑星。
最初のテロリストのいる星は「フォース」の聖地らしい。
それならそれでもう少しそういう土地感を推してもらいたかった。
「ああっ、フォース生誕の聖地があんな事に!」感を出してもらいたかった。
これ、いろんな宗教が崇めるメッカを爆撃するようなもんでしょ。
もっと嫌がられて、怒られてもいい。
南国にある感じの要塞惑星は色味が目に優しいのが面白かった。
ここでの情報強奪の攻防戦、各自それぞれよくやってるのだけど、
作戦の全体像がわかりづらく、戦局の変化で変わる作戦行動の変更も分かりづらい。
嘘でもいいから、こういうのは「××すればミッション完」みたいな
単純志向に落としてやればでいいのだと思う。
色々胸熱なシーンはあるけど、もうちょっと整理してくれれば
もっと盛り上がったろうにと思うと、OKだけど残念だ。

「Rogue One」Yahoo翻訳で「きけんなもの」。いや、何か違うな。
「Rogue」だけ再翻訳。「ろくでなし」。なるほど。
「ローグ・ワン」=「ろくでなし部隊」か。
「スター・ウォーズ」のエピソード1〜7までは
アナキン・ルーク系統の姫の入り婿とその血筋の物語で、
これは高貴な血(才能ある血)が栄光を掴むお伽話なのだ。
ルークは庶民の出だが、高貴な血を持つ王子様であり、
仲間の貴族の助けなどを得て、ドラゴンを退治する。そんなストーリーだ。
アナキンも同じ庶民の出だが、強欲に負けて身を落とす、こっちは戒めのお伽話だ。

そういう王子様やお姫様とは無縁なもっと下層階級の世界が「Rogue One」なのだろう。
そう考えると断然こっちの方が世界としては好きだ。
汚い血のろくでなしの世界では命は二束三文だ。
戦って勝っても褒められはしない。
それでも彼等は戦う。彼等には信念があるから。ぐうかっこいい。
168782_16
▲ローグ・ワンの野郎ども。

ダース・ベイター無双については
「今宵のライト・セーバーに血に飢えておる」
みたいなキャラじゃなかった筈なんだけどなーと思ったが、
まあ、あれくらいやってもいいのかなと許容範囲内です。
ダース・ベイターが女性だったら陰口で
「あいつ不機嫌だな、あの日か」とか言われちゃう感じじゃないかな、あれ。

全体として凄く好きな要素があるのに、全力で褒めづらい一本というところ。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・19本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@だらだら無気力ブログ
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@タケヤと愉快な仲間達
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@ノラネコの呑んで観るシネマ
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@徒然なるままに
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS K2SOでケツはSOLD OUT(売切)とか
 ニヤニヤ喜んでるのは俺くらい。

2016年12月22日

『紳士は金髪がお好き』『モンキー・ビジネス』をシネマヴェーラ渋谷で観て、二本ともゲラゲラ笑いながら怖いよふじき★★★★,★★★

特集上映「ハワード・ホークス監督特集」の1プログラム。モンロー二本立て💛

◆『紳士は金髪がお好き』
五つ星評価で【★★★★モンローが可愛いのに怖い】
ナイトクラブの歌姫マリリン・モンローとジェーン・ラッセル。
モンローがひたすら玉の輿を狙う堅実派で、ラッセルがちょっと擦れた夢見女子。
もう当然の如くラッセルの方がマトモな神経ではいい女の筈なのに、
鬼神の如く金を追い求めるモンローの可愛さが競り勝つ部分が山のようにあるのが、
とてつもなく背筋を凍らせる。
これを見ると「人間は中身です」が何の信頼もない言葉だと分かる。
モンロー(ノーマ・ジーン)自身はこういう映画に出るのが吐くように嫌だったと思うのだけど、まあ、この頭の悪さというか、何も頭に入っていないロボットのような惚れ機械的なモンローが絶妙に可愛いのである。それが怖い。この映画のモンローは犬や猫ではない、爬虫類や鳥類のような直線志向なのである。情にほだされない、エサがある所にのみ出向く。でも、見れば見るほど可愛いのである。
こういうオバケと組まされるジェーン・ラッセルもお気の毒としか言いようがない。一応、映画内の格付けとしては同等の扱いだとは思うのだけど、目が行くのは猛獣モンローで、猛獣使いのジェーン・ラッセルは彼女がいないと成立しないのに映画内ではやっぱ二番手にしか見えない。
それにしても衣装があでやかで綺麗だ。
これでもかと胸を強調したドレスもステキだ。


◆『モンキー・ビジネス』
五つ星評価で【★★★若返りとはいったい何なのか】
併映の『紳士は金髪がお好き』の前年に作られたのにあっちは色彩目くるめくカラー、こっちはモノクロで、モンローは刺身のつまみたいなセクハラ女の子要員。チョコチョコ出てきてはおいしいとこを浚う。
猿が偶然、作りだしてしまった「若返り薬」を巡る喧々諤々のコメディー。
ここでの若返りが肉体的な物ではなく、動作や行動を対象とするらしい。
小学生のようになってしまう博士とその妻。
まあ、確かに枯れた老人が子供のように活発になれば若返ったと言えるかもしれない。
だけど、これって老人が近近の事を忘れ、子供時代の記憶に生きるようになる
一般的な「ボケ老人」とさほど変わらないのではないだろうか。
その辺は置いといて、大人なのに本気でインディアンごっことかするのは見ていて思った以上に愉快である。ありえないバカげた行動を徹底的にやるのはとても良い事だ。


【銭】
シネマヴェーラの会員ポイント9ポイント貯まって無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
紳士は金髪〈ブロンド〉がお好き@ぴあ映画生活
モンキー・ビジネス@ぴあ映画生活

2016年12月21日

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』をトーホーシネマズ日本橋4で観て、すんげアイデアぞなふじき★★★

169565_2
▲ぐっとくる二人。

五つ星評価で【★★★驚くべき着想】

物語の着想が凄い。
何でこんな事を思い付くのか。
じっくり「じゃあこれはどうなんだよ」みたいに問いただしたらアラが出てきそうなのだが、そこはあえて突っ込まなくていいのではないのか。そもそも大前提でありえない世界観なのだから(いやいや、ありえんだろう、あんなの常識的には)。そのありえない世界観の中でこんな事あったら、人の感情はどう動くのかを模索するのは極めてSF的な心地よさを充たすものであった(泣いたりするほど同調する感情は持てなかったけど)。

小松菜奈が超いい。基本、彼女は私のタイプではないのだけど、凄く思いを込めて撮られてるのが分かる。
彼女のプロポーションって手足が長くて胸板が薄い。ちょっと気を抜いてそのまま撮ると「不思議の国のアリス」のトランプ兵士みたいにチグハグな体型に撮れてしまう。また、すっと長身で小顔なので、普通体型の日本人と並べると、その日本人のチグハグさを浮き立たせてしまったりもする(『娚の一生』の榮倉奈々状態)。そういう部分がカバーされて、(ちっちゃくないのに)ちっちゃくて脚が綺麗な女の子として映っている。やるなあ、三木監督。やられたなあ、小松菜奈(いや、勿論やらしい意味でなく)。

で、そのバランスをおかしく感じさせない相手役に福士蒼汰。
出だしのそこはかとないダサさとグングン上がる男度と、小松菜奈が最初からミステリアスのヴェールを被っているのに、性格がダダ漏れである演出が功を奏し、軽く「男だったら友達でもOK」の位置を獲得している。福士蒼汰もでかい人なのでバランスがいい。

友達役の東出くんもワンポイントな役だけど、ナチュラルでえがった。

福士蒼汰 183
小松菜奈 168
東出昌大 189

巨人のカップルと巨人の友人じゃ。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・18本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ぼくは明日、昨日のきみとデートする@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ぼくは明日、昨日のきみとデートする@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

2016年12月20日

マンガ『あさひなぐ 第二十一巻』こざき亜衣、ビッグコミックスを読書する男ふじき

インハイ団体決勝戦の続き。

そう来るかという続き方にちょっと驚きつつも納得させられる。
そう言う話が支配する力強さがこのマンガにはある。

試合後の一堂寧々の崩れ方が良かった。

インハイ後の関東大会についてはまだ話が膨らんでないので、
オマケっぽいなあとしか思えない。


fjk78dead at 23:39| 個別記事コメ(0)トラバ(0)マンガ 

2016年12月18日

『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』をトーホーシネマズ渋谷5で観て、企画力先行やのうふじき★★

169400_1
枯れ木も花の賑わい▲

五つ星評価で【★★着想はおもろいが話の展開があかん】

毎回、見る度に不思議な作品だなあと呆れたり感心したりする『妖怪ウォッチ』。
今回も呆れたり感心したり(主に呆れたり)な一本でした。

とにもかくにも話よりネタなのである。
という事で、話の発端からラスボスがおいでましになり、
そのラスボスと、ずっと常連のメンバーが少しずつ手を変え、品を変え、人を変え、
ずっと戦ってるような構成で、元々のキャラに詳しくない自分は飽きてしまった。
気が付くと斉藤工と山崎賢人の出番とかスッポリ抜けている。
御就寝してしまってるらしい。いや、まあ、大勢に影響はなかろう。
あと、この作品構成だったら30分くらいの作りじゃない?

今回はアニメ世界と実写世界を股に掛けて、
世界の質感を正しく戻そうとする冒険を行うが、
アニメキャラと実写のキャラが似てたり似てなかったりは
上手く操作すると、こんなに面白く見せられるというのは分かった。

主人公ケータの南出凌嘉くんはいい感じでかっこ良すぎなくてケータにピッタリ。

バレエを踊れないバレエダンサーのルサンチマンって
劇場版プリキュアにソックリなのがあった(※)。

※ 『映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』

ちなみにバレリーナの女の子は実写の方がちょっとブーデーでしたね。
後からアニメキャラを膨らませたりはできないものな。

あと、そのバレエを教える先生役の武井咲が全く色っぽいレオタードとか着用しないのは減点1000点くらいの所業だ。ダメだよ武井咲。ちなみに俺は全裸でバレエを教えたって怒ったりはしないよ。逆に褒めてあげるくらいだよ。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・17本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!@ぴあ映画生活
▼関連記事。
映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!@死屍累々映画日記
映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!@死屍累々映画日記
映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ@死屍累々映画日記
2回目@死屍累々映画日記

2016年12月17日

『砂の器』をトーホーシネマズ新宿1で観て、さあ泣くぞうん泣いたふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★涙活映画】

多分、3回目くらい。
これは泣く。もう泣きに行く。

凄いよね、加藤嘉。
加藤嘉は昔の映画でたまに見かける事もあるけど、
やっぱりこの映画が凄すぎて他の映画で精彩欠いちゃうように見えてしまう。
この加藤嘉に絡む子役もずっと口をへの字に曲げて上手かった。
子供にして底辺に向けられる社会の酷さを全て知ってしまう役。

事件を誘発してしまう緒方拳も「日本のいいおっちゃん」感が滲み出てる。
こういう役者だからこそ逆に『必殺仕掛人』にオファーされたんだよな。

加藤剛も熱演。この映画を見てるのと『大岡越前』だけ見てるのでは、加藤剛に対する評価も違ってしまうだろう。

丹波哲郎も安定したワンパ演技だが、この映画ではこれでいい。ちゃんと嵌ってる。

そして、島田陽子が天使みたいに可愛い。時間って残酷だなあ。

劇中に流れる「宿命」に涙が洪水なのだが、あの「宿命」を父ちゃんが加藤嘉で、ずっと被差別者として一緒に旅をつづけてきた訳でもないのに、ちゃんと作曲した芥川也寸志&菅野光亮がこの映画の一番の功労者かもしれない。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・16本目(2016年11月25日〜12月24日)と思ったら「午前10」には使えないと言われたので、急遽、券を買って入場、1100円也。えーと、前もそうだったっけ?
▼作品詳細などはこちらでいいかな
砂の器@ぴあ映画生活

『ガール・オン・ザ・トレイン』をトーホーシネマズ・スカラ座で観て、これはアレちゃうふじき★★★

170268_5
▲観客が主人公を信頼できない設定ってキツイ。

五つ星評価で【★★★三人よれば文殊の知恵どころか3P始まらないのがある意味不思議という、そんな人生観があったりもする映画】

非常に説明しづらいのだが、女三人が出てくるサスペンスという意味で、
五代暁子脚本、池島ゆたか監督作品とかでありそうな話。
ギリシャ神話のヘルメス挿話で一つの目と一つの歯を共有する三人の老婆が出てくるが、この映画に出てくる三人の女性も一つのオメコを共有していた。まあ、そんな話だ。

主人公がアル中で自分の記憶を信用できないと言う設定は既存で他の映画でも見た事があるが、主人公への感情移入を妨げるのでキツイ。
つまらなくはないが、主人公のキツイ属性から素直に楽しみづらい映画。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・16本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ガール・オン・ザ・トレイン@ぴあ映画生活

2016年12月16日

『モンスターストライク』をトーホーシネマズ新宿1で観て、すまんがよう分からんふじき★★

170973_9
▲一番奥にいるのが自己中でイライラさせられる主人公。
手前真ん中の女の子の属性がいかにも「幼女」という感じでヤバい。

五つ星評価で【★★一見さんは玉砕する映画】

原作ゲーム未接触。WEBアニメがあるらしいが勿論未鑑賞。
こっちも潔いくらい一見さんだが、映画も潔いくらい何も説明しない。
まあ、この劇場版に来るのは普通に考えてゲーマーだから、それでいいんだろう。

把握した筋は
4人編成のゲーム、モンスターストライクチームの眼鏡くんが拗ねて脱退宣言。
モンストのシステムから現われた顕在化した悪意が眼鏡くんとともに4年前にワープ。
一方4年前では眼鏡くん以外のチーム3人がシステムから発生したドラゴンを元いた場所に返す旅に出る。その元いた場所は4年前からワープしてきた悪意が災厄の拡散をしようとしていた場所だった。

みたいな感じか。

ハナからモンスターストライクがポケモンバトルのようにリアル主人公が行うフィールドを使ったゲーム競技だって事が一見さんにはまず分からないし、説明されない。そもそも「モンスターストライク」の「モンスター」に当たる物が「モンスター」には見えない。「モンスター」と言うより、『帝都物語』の「式神」の方がまだ近い。人格があるように見えるキャラクターを「モンスター」と呼称するのは個人的には抵抗がある。

そして、そのシステムから本当のモンスター然とした怪物が現れるのだが、そんな危険なシステムを子供に使わせてはいけないだろう。例えばこれはラクロスに使うスティックに神道で使うお払いの棒・大麻(おおぬさ)を使うような物で、競技中に「鬼」や「魔」みたいな物がボロボロ出てきたり、討伐されたりしたら、そんな物をシステムとして提供するのはとても怖い事じゃないだろうか。

で、拗ねた眼鏡くんが退場してから再登場するまでが長い。
その間に延々と眼鏡くん以外の3名が旅をしているのだが、
そもそも現時点と4年前の話はくっ付けられているけど、同源の話ではないのだ。
もちろん話はちゃんと閉じるのだけど、とても予定通りに閉じました感が強い。

おまけ
パンストじゃないよ。モンストだよ
個人的にはフェチ素養を持ち合わせてるのでパンストでも良かった。
いや、パンストが良かった(戦車を召喚するパンツァー・ストライクか?)。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・15本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ@ぴあ映画生活

PS 主人公がなかなか自己中でイライラさせられるんだけど、
 それでも父親が失踪してる主人公に「父親がいないのがそんなに偉いのかよ」って
 セリフはハードすぎるだろ。
PS2 タイツ幼女が可愛い。
PS3 「この映画で全米は決して泣かない」って予告は面白いが、
 見終った後でもキャラクターを知ってる人じゃないと
 この映画の予告って気づかないんじゃないか?

2016年12月15日

『海賊とよばれた男』をトーホーシネマズ日劇1で観て、役者はいいけどダイジェスト感高しふじき★★★

169039_3
▲そう言えば吉岡くんは『三丁目の夕陽』と演技変わらんな。
ちなみに主役は版権の都合で写真が映画サイトに降りてこないV6の岡田くん。

五つ星評価で【★★★何でこんなにダイジェスト感が高いのか?】

原作未読、コミカライズ後半だけ接触。
岡田准一が頑張っちょるのは認める、
ヘタレをノリで押し通す吉岡秀隆も、
これくらいの大きさの役をやる時の染谷将太もいい。

ただ、あんまりピンと来ないのは
岡田准一演じる主役の国岡鐵造という男、
この男の並々ならぬ胆力や決心を横で見てたらいい男だろうと思うものの、
彼が何故、そういう男になり、どんな思いでガムシャラに事業を進めたのか、
ちょうど話の幹になる部分が実はよく分からないのだ。

話は戦後、晩年の鐵造が事業を建て直す所から始まり、
青年時代や、戦前など、回想の形で話を前後しながら進むのだが、
最初から順を追って進めない為、そもそも鐵造がどういう男なのかが理解しづらい。
映画の話からは彼の実行力や決断力は伝わってくるが、
そもそも何で「油」なのか、
彼が「油の商い」を守る事で何を目指したのかが分からない。
結果として、ああなった、こうなったは映画内で描かれるが、
そもそも彼の求めていた物がよく分からない。

チラシのコピー
「全てを失った日本で、未来を睨み付けた男がいた」

いや、そんなにそうは見えなかった。
彼の行動は仲間を守るためのその場その場の対処だ。
大っぴらに「未来のために」動いているようになど見えない。
これは宣伝側からのミスリードによる映画の再意味づけだろう。

映画はそこそこの長さで、飽きずにスムーズに見れる。
だが、物事が都合よく進みすぎる。コミカライズされた後半から察しても、
もっと複雑に色々紆余曲折があった筈なのだ。かなりバッサリ刈り込んでいる。
商品として売り込む為には刈り込みが必要なのだが、
作品としては前後編になるくらいが適当な長さだったと思う。
ただ、その為にはもうちょっと国岡鐵造が伝わる映画にして貰わんといかんと思う。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・14本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
海賊とよばれた男@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
海賊とよばれた男。@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 綾瀬はるか、かーいーけど出番少ない。
PS2 カイゾークと呼ばれたのは仮面ライダーX。
PS3 「海賊とよばれる男に俺はなる!」

2016年12月14日

『CYBORG 009 CALL OF JUSTICE 第三章』をトーホーシネマズ渋谷1で観て、閉め方悪いなふじき(ネタバレ)★★

五つ星評価で【★★回収出来てない伏線やら本線がいっぱい】

ネタバレ感想です。

第一章から第三章まで観て、
あかん思ったのは敵ブレスドが何を企んでるかが明確じゃない点。
敵ブレスドは組織ではない。
「ブレスド」の素養を持つ希少種の人間は全世界で3000人ほどいるらしいが、
彼等は組織立っていず、今回の事件も10人に満たないブレスドの連携行動にすぎない。
そして、今回のグループが行おうとした行為は二つ。

(1) 人類の強制進化。人工ウィルスによって作られるクロックアップ人間がそれだ。
  クロックアツプ人間の能力は加速装置のように素早く行動できる事。
  それは軍事行動的にはいいのかもしれないが、
  人類はてんでダメになったから再建しようという考えには合致しない。
  早く動けたからと言ってダメな考えを持つ者はダメなままだろう。
  ようは人類の破滅を防げるほどの大人精神の注入は考えづらい。
(2) 人類のリセット。
  エンペラーの能力により全人類の記憶をブランク化する計画。
  人類の強制進化が施行不可能になったため、いきなり上がってきた代案。
  行き当たりバッタリもいい所である。
  やると言ってるだけで、計画してどう世界が改変されるかのビジョンがない。

な状態で、ブレスドの気持ちが見えない。
そもそもブレスドが何故人間をいい方向に導きたいのが皆目分からない。

009の能力に対する伏線もおかしい。
加速の行きつく先として「時間を元に戻す」事例が出てくるが、
001からそんな事はできないと解説されてしまう。
じゃあ、あれは何だったんだ。共通幻覚か? にしてもそれ自体が何も説明されないし。
作り手がちゃんと整理して説明しないといかんのに漏れている。
009がエンペラーを超知覚の世界に連れていき、置いてこれた理由もよく分からない。

あと矢継ぎ早に話が進むので、割と見逃しがちだが、
第三章での各個人戦みたいなのも理屈に合わないケースが多い。
002対プロフェッサー、004対プロフェッサー、
002対ピヨトル、009対エンペラー、
それぞれみんな「頑張ったから勝てました」じゃダメだろう。

カタリーナの記憶についても「消えませんでした」と事実だけで済ませてるけど、
そんな「頑張ったから最強の能力に対抗できました」みたいなのを言われてもなあ。
カタリーナと言えば、あんな「わたしをオカズにして」みたいな服を着ておきながら、
一切乳が揺れないという(俺の目の迷いだろうか)。
ともかく乳を揺らしさえすれば全ての罪が許されるとばかりに揺らしていた
『GANTZ:O』と対照的である。いや、揺らせばいいってもんではないけれど、
揺らす事でアニメートの熱意は見て取れる。
009側にはそんな余裕はなかったのだろう。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・13本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第3章@ぴあ映画生活
▼関連記事。
CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第1章@死屍累々映画日記
CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第2章@死屍累々映画日記

鞄購入

会社用・私用の両用に使っていた鞄のジッパー部分が破損。
開けっ放し状態で蓋が閉まらなくなったので、急遽、鞄屋に寄り新しい鞄を購入。
雨がザーザー降るような豪雨到来前に買い替えられて良かった。

購入条件は三つ。

(1) 仕事に使用するA4クリアファイルが余裕を持って入り、
  出し入れするのにキツくない大きさである事。
  大容量格納できる大きさが望ましい。
(2) 外部ポケットが解放された状態、
  もしくはすぐ空くワンタッチ留め具程度で付いている事。
(3) 鞄として取っ手が付いている事、肩掛けにも出来る事。

材質には大きくこだわらず、値段は2万円くらいまで。
スーツ屋の青木で購入。明日(12/15)より使用開始する。
結構、使いが荒いのですぐ壊れたりするかもしれない。
2年持てば成功だろう
(前のははっきり覚えてないが前職から使っていたので最低2年は使っている)。

2016年12月12日

『ボクの妻と結婚してください。』をトーホーシネマズ渋谷4で観て、こらあバリバリミスキャストやろふじき★

169159_10
▲元気いっぱい頑張ってます。

五つ星評価で【★渾身のミス・キャスト】

難病物。
うっちゃんでドラマ化されたらしい。原作もドラマも未読未鑑賞。
でも、親切丁寧すぎる予告編で粗筋はカバー可能。その粗筋以上の話は特にない。

ツイッターで「何で織田裕二みたいに元気その物みたいな役者をキャスティングした?」と呟かれてて、それもそうだと納得した。でも、織田裕二はそれなりに病人らしい演技を物にしている。元気いっぱいに「きたー」とか、そんな病人ではない(そらそやろ)。ただ、病人になった織田裕二って残念ながら精彩さを欠くのである。持ち前の機動力や茶目っ気など全盛期の織田裕二が持つ魅力が封印されてしまう。その魅力減を中和するには織田裕二の演技ガッツだけでは不足だった。チラシに書いてある通り、織田裕二が「ようやく自分のやるべき作品と役柄に出会うことが出来た」と語ったとしても、プロデューサーはそれを鵜呑みにしてはいけない。それを成立させ得るのかを見極めるのが企画を世に出すプロデューサーの仕事だろう。
もう一つ、この映画のキャラに多分、織田裕二が合っていない。この映画の主人公はもっと「ふわっ」とした人物だと思う。落語でいうところの「ふらがある」人物。見てて自然におかしみを感じてしまう人物。もうちょっとソフトな人だ。目の下に隈を付けると人相が悪くなってしまう織田裕二ではない。それに「織田裕二が考えるTVの超面白企画」って、あまり面白そうな気がしない。空気も違うと思う。ハガキ職人とかバラエティの放送作家を百人集めて中に織田裕二一人を紛れこませたら割と簡単に分離がハッキリわかると思うのだ。織田裕二は織田裕二だから。映画内で「風船のようにふわ〜とどこかに行ってしまう」と形容されるが、織田裕二だと宙に浮いていても風船ではなく、ドローンっぽい危険性があると思う。

そんな織田裕二に負けず劣らず問題のあるキャスティングが予告で「ちゅま?」と言ってる高島礼子。結婚相談所の所長で自らもその技量で旦那をGETしたという役柄は今の高島礼子にさせるべきではないだろう。もちろんこの企画が高知東急逮捕以前に立てられた物であるかもしれないし、事件以前に撮影された物であるかもしれない。それでも、観客の連想はこのキャスティングに違和感を覚えずにはいられない。高島礼子には申し訳ないが、他の女優で再撮影すべきではないだろうか?(勿論それ以前に織田裕二演じる主人公の再キャスティングの方が重要だと思う)

そして、この二人に反比例するかの如く、原田泰造と吉田羊がいい。

原田泰造って自然に色々な表情を作れるのね。彼は彼の範疇を超えない役柄である限り、かなり無敵だ。原田泰造にはあまり人生を感じさせる役に踏み込んでほしくないのだけど、こんな感じのライト役者みたいな位置づけだったら凄く嵌ると思う。

吉田戦車もとい吉田羊はいつも通りで問題なし。

後一つ気になったのは主人公の商売、構成作家って、もっと仕事をする際に紙に埋もれてるんじゃないだろうか。主人公の年齢は45歳らしい。それならまだ職場にネットや携帯が蔓延する前だから仕事の際に発生する山のような紙の束に囲まれていたに違いない。そして、ネタを考える者は自分の作り出したアイデアやその源泉を山のように保存する傾向があると私は信じている。それは形を変えながらバリエーションとして都度、再利用するから。若者の時のようにアイデアが出なくなるほど、その傾向が強くなる。にも関わらず、主人公の周りには潔いと言っていいほど、仕事っぽい影がない。恐ろしく整理されている。
これはTVセットに明るい色を使い夢の国のようにし、TV局内をシンプルに最先端の美麗なオフィスであるようにし、そして、家庭はガーデニングまでやってる妻の夢の空間として描き、ファンタジー方面に舵をきって映像化した結果だろう。まあ、そう言っちゃえば原田泰造のインテリア・デザインを施工する会社ってオシャレだけどバブリーで今の緊縮財政だと儲かりそうにない。あれが成立するのは世界観その物をファンタジー方面に寄りきってるからかもしれない。
だからこそ、主人公が考えた企画を実行するにあたっての主人公や周囲の逡巡・懊悩などはあえて無視されているのだろう。彼等は人間として悩まない。キャラクターなのだから。そんな中、シリアスな病人に見えてしまう織田裕二が減点1だ。

織田裕二の代役を考えるとしたら誰だろう。

ぽわーんとしながらも病気にも見え、とても国民に好かれている。

ガッキーとか、綾瀬はるか。いや、性別越えるのはあかんやろ。
妻を失った夫はほっておいても再婚相手見つけそうだ。
それを妻が探して、夫にあてがうのは不自然だ。
いや、いっそレズビアン結婚をして、、、、もっと難易度が高くなる。

ウッチャンって言うのはなかなかいいキャスティングだなあ。

あ、ネプチューン繋がりで名倉潤とかいいかもしれない。
でも、泰造と一緒だとコントっぽいし、映画のキャスティングとしては弱いな。

じゃあ、堺雅人とかが手ごろか。ちゅまを菅野美穂あたりに変えたりして。
うん、そっちの方がまだ、見たい。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・12本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ボクの妻と結婚してください。@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ボクの妻と結婚してください。@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 20代の頃を演じる吉田羊の透明感がなかなか好み。
PS2 『朴の妻と結婚してください。』、、、、、韓国かよ!
PS3 『獏の熊と結婚してください。』、、、、、ゲル・ショッカーかよ!
PS4 『ボーグ星人の妻と結婚してください。』、、、、、妻が美少女なら。

2016年12月10日

『シークレット・オブ・モンスター』をトーホーシネマズ・シャンテ3で観て、音圧音圧また音圧ふじき★★

五つ星評価で【★★音圧音圧また音圧】

音圧音圧また音圧。話はよく分からなかった。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・11本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
シークレット・オブ・モンスター@ぴあ映画生活


2016年12月09日

『マダム・フローレンス! 夢見るふたり!』をトーホーシネマズ日本橋5で観て、まあええねんふじき★★★

170111_4
▲お似合いさん

五つ星評価で【★★★ヒュー様のダンスがステキ】

音痴だけど人柄でカーネギーホールを満席にして絶賛された歌姫の話。
音痴な人は自分で音痴を自覚できないものであろうか?
日本でも二大かっこいい音痴として斉藤清六、逸見政孝がいるが、
極めて気持ち良さそうに歌っている。
それらの歌声は美しくはないが味がある。嫌いではない。
そもそも日本では「表面的な美しさだけに全てを求めない」という価値観が昔からある。
だから「侘び寂び」や「ヘタウマ」を知る日本人には、この話は理解しやすいのではなかろうか。

それにしてもメリル・ストリープの天真爛漫さが大屋政子っぽい。
ヒュー・グラントは大澄賢也のようだ。
ピアニストのサイモン・ヘルバーグの代わりに池松壮亮を置けば日本版すぐできる
(大屋政子が在命してればという条件がクリアでけへんけど)。

映画内の聴衆が割と善人だらけで、見ていて気持ちがいい。
特に、最初はマダムのドベタ歌唱に大笑いを抑えられなかったが、
後にヘイトする奴らに一発かます身持ちの悪そうな金髪美女と、
太っちょ旦那が良い。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス・10本目(2016年11月25日〜12月24日)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
マダム・フローレンス! 夢見るふたり@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
マダム・フローレンス! 夢見るふたり@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評