2017年05月01日

『EVIL IDOL SONG』『サウスバウンド』をキネカ大森3で『華麗なるリベンジ』『ポッピンQ』『虹色ほたる』を2で観て、キネカ未レビュー5本まとめだふじき★★★★,★★,★★★,★★,★★★★

未レビュー5本かき集めてレビュー。

◆『EVIL IDOL SONG』
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▲ジャーン!!!

五つ星評価で【★★★★可哀想な女の子が好みです。】
「夏のホラー秘宝まつり2016」二本立て。こっちがメイン。
随分、時間が経ってしまった。
訥々とした話の中にギラギラした怨念めいた厭世感が貼り付いてる印象が残ってる。
歌手として大成したい女の子が枕営業までやらされて、それを晒されて、徐々に狂っていく。狂っていく中で人を殺すメロディーを身に付け、それを全世界にネット中継しながら歓喜の中で死んでいこうとするキチガイ寓話。
「行く道は行くしかないんじゃ」という広島ヤクザみたいな心情に追い込まれるアイドル歌手にほだされて、ちょっとだけ涙で瞳を濡らした。
ただ、あのメロディーが超絶「地獄」でもないし、超絶「名曲」でもないのが残念かも。見終わった後、耳には残るけど。


◆『サウスバウンド』
五つ星評価で【★★えっ、そうだったの?】
「夏のホラー秘宝まつり2016」二本立て。こっちが明らかにオマケのもう一本。

「ある街道を舞台に連鎖し絡み合う怪異現状を描いたオムニバス」

とチラシに書いてある。多分、「怪異現状」は「怪異現象」の誤植だろう。
それにしても、見終わるまでオムニバスとは気が付かなかった。
道理で話が繋がらない筈だ。いや、オムニバスはオムニバスらしく作ろうよ。


◆『華麗なるリベンジ』
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▲ごめんなさい。ファン・ジョンミンはちょっとニカウさんに似てると思う。

五つ星評価で【★★★映画よりキネカ大森の名画座キネカードをなくした為に500円で見れると思ってたのに400円余計に払って900円で映画を見てしまった事の方がショックで記憶に残ってる。小せえな、俺】
ショックだったが、映画はそこそこ。雑でアチコチ穴が開いてる感じではあった。

TVドラマ『必殺仕置人』に出ていた牢名主の天神の小六(牢内から江戸の手下に命令を出せる)よろしく牢屋からシャバを操作して捜査するファン・ジョンミンが中々にクールだ。牢屋内でのし上がるのにそんなに都合よく法律トラブルは多発しないだろうとは思うけど。このファン・ジヨンミンの渋さと手足になるカン・ドンウォンのライトっぽさのバランスが悪い。ファン・ジョンミンほどカン・ドンウォンが男として惚れる奴に描けてないのでバディ物として今一つの感じになってしまう。ただ、物凄く威張っていた巨悪がキッチリ引きずり降ろされるので、リベンジ物としてはきちんと溜飲が下がるいい出来になっている。

PS ファン・ジョンミンのリベンジ・ポルノみたいな内容だったら
 イヤだったろうなあ。


◆『ポッピンQ』
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▲このトーンで作ってもらいたかった感がある。

五つ星評価で【★★やっぱり観客へのコミュニケーション不足の変な映画だよなあ】
「東映アニメーションが贈る、少年少女の出会い」二本立て。興行的にはこっちがメイン、作品的にはこっちがオマケ。鑑賞二回目。

『ポッピンQ』『虹色ほたる』とは又、対照的なカップリングで二本立てを組んだものである。スタイリッシュに行きすぎて中身が納得の出来ないポッピンと、外面的な受け線をことごとく捨て去って中身の研鑽に全てを費やした虹色と。どちらもファーストランは散々だった筈だ。虹色は明らかにその絵面が引鉄になって客取り込みを失敗したのであろうが(絵面のイケてなさを無化するような宣伝戦略を立てられなかった)、ポッピンは口コミで「あれダメ」と伝わる以前に、最初からお客がいなかった。誰もこの映画がそこにある事を(ある意味、幸運にも)知らなかった。東映さんは宣伝どうするかをもう少し考えた方がいいんではないか? 旧東映邦画系はいいコンテンツも多いと思うが、宣伝でかなり客を逃してると思う。

それにしても『ポッピンQ』は二回目の見直しをしても、どんな物語を誰に届けようとしたのかが全く伝わってこなかった。主人公の5人は15歳。ティーンの悩みにリンクしつつ同じ年代の中学生・高校生に見せようとするにはフォーマットが幼児アニメ・プリキュアに寄せすぎている。そういう外観を否定はしないが、そういう外観を纏いながらも伝えたい事は他にもあるのなら、そういう宣伝戦略を取るべきだし、内容ももっと覚悟を持って大人にまで引き上げても良かった筈だ。それの正体が何かと言えば、それは『魔法少女まどか・マギカ』だ。幼児を泣かせてでも大人の観客に媚びる。あれはそういう覚悟の映画だ。東映は怯んでしまった。大人にも、子供にも、そう二の足を踏んでしまった。それで箸にも棒にも引っかからない凡作が出来てしまったのではないだろうか。

チラシに書かれているコピーと実際の映画の内容が何となくチグハグである。

  「これは、僕らのはじまり」
◆ 「その世界には自分を知っている人がいた」
 △「15歳 寄り道 青春もまた、冒険。」

,鉢△楼磴Αはそうであるのだが、映画がその内容を掘り下げてない。単にコピーと映画のアウトラインが一致してるだけである。本当はのアウトラインを保持しつつ、△鮨爾掘り下げ次回作を繋げるぞという意味で,鮴觚世靴燭ったんじゃないだろうか。だったら△侶,蟆爾欧圧倒的に足りていない。

5人の少女は異世界で「同位体」と呼ばれる自分とペアになるぬいぐるみ(ポッピン族)と親交を持つ。彼等はペアの彼女たちの心の動きなどが分かるのである(えーと、確かそうだったよね)。にも関わらず、彼等は彼女たちのコンプレックスには一切、触れようとしない。それは設定を考えたら不自然だろう。あえて触れないのならブラックで面白いが、どちらかと言うとそこまで考える余裕もなく、欠落してしまっている感じだ。要はここが一番の要だったのだけど、幼児受けさせる為にスポンと全部落としてしまったのではないか? チラシに彼等ポッピン族キャラクターの微細なキャラ設定やCVまで細かい設定が描かれている。当然、マーチャン・ダイジングとして商品買ってほしいという欲求もあるだろうが、本当は彼等のキャラクターをもっと強く映画内に反映して心を抉るようなドラマにしたかったんじゃないだろうか? まあ、今となってはそうであっても絵に描いた餅だが。

うん、あの映画でまだ、こんなに書くのかよ、俺ってのが一番ビックリする事かもしれん。


◆『虹色ほたる』
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▲これがその問題の絵。

五つ星評価で【★★★★いい映画だよなあ。取っつき悪いけど】
「東映アニメーションが贈る、少年少女の出会い」二本立て。興行的にはこっちがオマケ、作品的にはこっちがメイン。これも鑑賞二回目。

上手いし、いい映画なんだよ。
泣くよ。こんなの見せられたら。

でも、そういう軍門に下るのが嫌だったんだろうけど、
これ「萌え絵」で作っても良かったんじゃないかな。
やはり何であれ、作品は手に取ってもらわなければ、その後に進まない。

萌える青天狗の爺さんとかだって我慢するよ、俺は。

キネカ大森公開時に宣伝用に配布されたチラシを見てみると「ワンピース」の監督が、今のアニメの流れに掉さして背いて作った事が痛いほど分かる。でも、その博打が裏目に出て東映動画が『ポッピンQ』を作るような羽目になってしまったのはとても残念でならない。ちなみに以下はチラシからの抜粋。

ハードなアクションや機械だらけのSFなど、過激な視覚表現だけで訴えかけようとする映画が乱立している中、『虹色ほたる』は、温かな日本人の原風景と人と人の絆を、実写映画にはない、アニメーションならではの自然の描写、そして生き生きとした少年少女たちの姿を圧倒的な映像美で描き出しています。映画『虹色ほたる』は、親が子供を連れて、そして子供が親を連れて映画館に行き、一緒に見て、一緒に楽しみ、そして一緒に語り合い、忘れられない思い出を作ることが出来る良質な正統派ファミリー映画であり、1958年の「白蛇伝」から始まる、伝統ある東映アニメーション株式会社が、全社を挙げて製作し、満を持して送るオリジナルアニメーション映画です。

熱弁、熱弁であります。
そして作品はこの熱弁に耐えられる良作だった。
でも、日本の客はそんなに良質ではなかった。それが残念だ。
あっ、でも原作小説があるものを「オリジナルアニメーション映画」と言ってはいかん。

PS この後の展開は『虹色ホテル』でどうぞ(ねえよ、そんなん)。


【銭】
『EVIL IDOL SONG』+『サウスバウンド』:キネカード割引で1000円。
『華麗なるリベンジ』:ラスト一本割引で900円。
『ポッピンQ』+『虹色ほたる』:キネカード新規購入。キャンペーン期間中につき半年間で3回入場券付で2000円。うち1回目を使用。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
EVIL IDOL SONG@ぴあ映画生活
サウスバウンド@ぴあ映画生活
華麗なるリベンジ@ぴあ映画生活
ポッピンQ@ぴあ映画生活
虹色ほたる〜永遠の夏休み〜@ぴあ映画生活

▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
華麗なるリベンジ@ここなつ映画レビュー

▼関連記事。
ポッピンQ(1回目)@死屍累々映画日記
虹色ほたる(1回目)@死屍累々映画日記

2017年04月30日

『浮草の宿』を神保町シアターで観て、基本清純は合わんのだなふじき★

特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。

五つ星評価で【★鈴木清純は『けんかえれじい』くらいだな、俺】
1958年のモノクロ映画。初見。鈴木清純演出による二谷英明初主演映画。

二谷英明は年取ってからの方が渋くていいかな。
初主演だからか、清純が芝居付けられないからか、何か下手。
悪役の安倍徹は目がギロン目の悪相だけど、
そんなに二谷英明と違わない気さえしてしまう。

昔の恋人の面影を求めて横浜に戻ってきた死んだと噂されている二谷英明、いやいや、恋人の事が気になるなら5年も外、うろついてるんじゃないよ。
そのお相手の恋人の山岡久乃(妹と二役)はここぞとばかりにタイプじゃない。

ほんま乗れへんかったなあ。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
浮草の宿@ぴあ映画生活

2017年04月29日

『パークス』と『あにめたまご2017』をテアトル新宿で観て、どっちもごめんなさいふじき★★,★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『パークス』
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▲問題の三人。

五つ星評価で【★★そこに各人各様の真摯さを感じづらい】
橋本愛、永野芽郁、染谷将太というキャスト陣目当てで見に行った。
50年前の歌を復活させるというプロジェクトを発生させてしまった三人の男女とプロジェクトの顛末。
三人にはこのプロジェクトに対して三人各様のプレッシャーがあるが、そのプレッシャーを跳ね除けて歌を作る、作った歌を歌うという行動が納得できるように描かれていなかった。いや、描かれてはいたのかもしれないが私には納得できなかった。だから失敗したのか。商品として俎板の上に乗せるのを失敗した上で伝承として復活させて語り継ぐという結論なのか。ロックじゃないよフォークだよって。
彼等三人が50年前の曲をどう復活させようとしていたのかが、その成り行きが「その場の気分」に支配されすぎていて、どうにも同調できない。それは私が若者ではなく、50年前の人間に近いからだろう。若者は自由に模倣したり、破壊したりする。そこにあまり厳格なルールは存在しない。でも、その振舞いがあまりに適当であるなら、50年前の原曲を持ちだす意味その物がなくなってしまう。せめて、その原曲が訴えたかったメッセージやエッセンスを抽出する真摯さをもうちょっと丁寧に汲んでほしかった。そうは見えなかったから。

橋本愛は自然で強く、主役として映画を支配している。
ただ、そこで演じられる主役の彼女が単に主役である事に胡坐をかいて
物語の最初と最後で何も変わってないように見えるのはおかしくはないだろうか。
何だ、そういう呪いか?

まん丸い目の永野芽郁が可愛い。橋本愛に吹きかける一陣の風。
でも、彼女には人としての重さがない。
後半メキメキ人としての重さを獲得すると橋本愛や染谷将太と繋がらなくなってしまう。
繋がらない事が正なのか否なのか分からないうちに映画の幕が閉じてしまう。

染谷将太はいつもの「軽くて若くてモテないのに女好きで『んぐー』と呻いていそうで、真面目に見えない」典型的類型的な染谷将太演技の奴だ。俺、このいつもの染谷将太が嫌い。

三人はそれぞれにそれぞれを演じているが、この三人が揃った上で爆発的に生じるような化学反応はなかった。


◆『あにめたまご2017』
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▲俺が悪いのか映画が悪いのか。

五つ星評価で【★ほんまごめん。俺に体力が残ってなかった】
お上が主催している「若手アニメーター等人材育成事業」の成果発表。
役者がワークショップやって映画に出演するののアニメ版みたいな奴。
という事で、お金をかけてなかなかいい事をやっているのであるなあ、と思いつつ
そういう教育的側面はちゃんと作品にも反映されているのであろうが、
娯楽作品として見た場合、何だか平坦な感じで、
『パークス』を気を張って見ていた副作用が出たのか、全然持ちこたえられなかった。
申し訳ない。


【銭】
『パークス』:テアトル割引曜日(水曜日)に観たので1100円。
『あにめたまご2017』:番組固定料金1100円に水曜割引が付いて1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
PARKS パークス@ぴあ映画生活
あにめたまご2017@ぴあ映画生活

2017年04月27日

『人間の値打ち』『エル・クラン』『幸せなひとりぼっち』『手紙は憶えている』『エヴリバディ・ウォンツ・サム!!』をギンレイホールで観て、手堅くバタバタレビューふじき★★★,★★★★,★★★★,★★,★★

◆『人間の値打ち』
五つ星評価で【★★★群像劇としては面白すぎないけどなかなか良い】
一つの事件に関わる人間を主体を少しずつ変えて描写するスタイリッシュな群像劇。
だが、最初の男が実に価値のないクズで、もう最初からゲンナリ。
クズに引きずられるように徐々に不幸にベクトルが変わっていく一群。
善人も、悪人も、老いも、若いも、
実像以上に尊敬されている者もいれば、実像以上に軽蔑されている者もいる。
彼等は映画の中では断罪もされなければ、持ち上げもされない。
ただ、均等にその一連の出来事のどこかに加担している。
「まあ、あいつが一番のクズだろう」と観客が心の中で思う奴はいても、
それは映画内では結果に現われず明らかにされない。
一見「値打ち」という言葉から金銭ゲームにより、誰が一番「持つ者」であるかが
争われているようにも見えるが、最後、金銭の有無とは無関係に「さもしい者」は
最初からさもしいし、心根が優しい者は最初から優しい。
特に事件によって根打ちの上下変動は起きないのである。
金銭に関しても、小さな移り変わりはあっても階層を変える程の大きな変遷はない。

集団は親の層と子供の層に分かれる。
子供の層は等しく可能性を秘めているが、持つ者と持たざる者に分かれ、これからの生き方を決める上でとても不公平だ。

親の層は結果として、それぞれの社会的階層を維持しながら生きているが、
モラルはあったり、なかったりで、モラルの有無と貧富が関連性を持たない事が分かる。

正しく生きても、不誠実に生きても階層は変わらず、同じ辺りをウロウロしている。
つまり、金銭の有無に「値打ち」がある訳ではないという事か。
これは至極当然な常識的な結論すぎる気がする。

映画はラストに人間の価値を死後の保険金額として算出する。
単にそういう目安もあるとの皮肉なんだろうけど、
それを最後に持ってくる事で映画としての引っ掛かりと言うか、エグ味が出来たのだが、
作品としては不安定さを増し、失敗したんじゃないかと思う。

PS 『人間の千畝』(笑)


◆『エル・クラン』
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▲このオヤジさんのとても優れているが突き詰めると怪物という感じがとても面白い。

五つ星評価で【★★★★父ちゃんの瞬きしない目が強烈】
営利誘拐を生業とする家族の実話。
「実話」が効いてる。
政府の元・情報管理官であり、その情報ネットワークを使いながら、
家族の生活費として資産家の営利誘拐を着々とこなす父ちゃんのキャラクターが強烈。
一見、大人しそうだが、目が狂信者のそれである。
自分の正義を信じて一切疑う余地がない。
野に放たれて一家の長となったヒットラーのようである。
だが、「揺るがない」存在は、見世物として外から見ている分にはとても面白い。
家業に影響を受けながら、徐々に父親が沁み込んでいくような息子たちに同情する。
そして娘は美人姉妹でそれだけでグー。
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▲ローラっぽい空気の姉妹。

長男の婚約者は軽いブス(と言うか好みでない)なのは残念。

自分の父ちゃんがこういう断固としたタイプの狂人でなくて、本当に良かった。
日本でこれやるとしたら、若い時の仲代達矢さんとかが適役だと思う。

PS 「クラン」は「族」という意味。
 と言うのは『伝説巨神イデオン』の「バッフ・クラン」から学んだのだ。


◆『幸せなひとりぼっち』
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▲猫映画でもあるんだよな。猫が適度に不細工なのは良い。

五つ星評価で【★★★★身につまされる】

不器用爺さんのオーヴェ。
あんなんどう考えても俺すぎる。
俺すぎるオーヴェに涙を流さざるをえない。
若かりしオーヴェが社会的にはとても変なのだけど、
パッと見イケメンであるのは何か天の恩恵くさくていい。


PS 『幸せなひとりブッチャー』という映画も見てみたい。
 ルールを守らない奴らには地獄突きじゃ!


◆『手紙は憶えている』
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▲「わたしボケていますが足腰は健康です」
  対「わたしボケていませんが足腰は不自由です」
五つ星評価で【★★そんな事をしちゃいけないだろう】

ラストのどんでん返しは分からんでもないけれど、
でも、道義的にこういう事をさせたり、させられたり、
それを見せられたりするのはイヤだな。

オウム真理教の麻原彰晃が記憶を完全に失い、子供のような精神状態にあったとして、それでも被害者は彼等の復讐心の為だけに麻原彰晃を殺すべきか、という問いかけをこの映画は含んでいる。私個人はそれはイヤだとする派なのだけど、麻原彰晃は見た目がキツくて、とても記憶を失ってるように見えなかったりするものだから、「麻原彰晃ならOK」と我ながら結論を出してしまうかもしれない。人間って弱いのだ。

PS AI搭載の手紙だったりして。


◆『エヴリバディ・ウォンツ・サム!!』
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▲あーもー可愛いカップルだ、にゃろめ!

五つ星評価で【★★そういう青春も否定はしないが、自分にとってあまりにもリアルに乏しいので同調はしづらい】
アメリカン男子大学入学直前の三日間。バカな仲間と笑いながら女の子とハグ。人生の中でのイケイケドンドン無敵時期。
自分も大学生だった時期はあるが、あまりにもそこから見える風景が違うので、なんだかファンタジーでも見ているよう。
クレバーなのにちょっと尻軽そうに見える匙加減のヤンキーガールの撮影は最高。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
『人間の値打ち』&『エル・クラン』で一番組。
『幸せなひとりぼっち』&『手紙は憶えている』で一番組。
『エヴリバディ・ウォンツ・サム!!』&『マダム・フローレンス』で一番組。
『マダム・フローレンス』は音痴歌をもう一回聞くのはまだ早すぎるとスルーした。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
人間の値打ち@ぴあ映画生活
エル・クラン@ぴあ映画生活
幸せなひとりぼっち@ぴあ映画生活
手紙は憶えている@ぴあ映画生活
エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に@ぴあ映画生活
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人間の値打ち@映画的・絵画的・音楽的
エル・クラン@ここなつ映画レビュー
手紙は憶えている@ここなつ映画レビュー

2017年04月26日

『グレート・ウォール』をトーホーシネマズ新宿6で『キングコング 髑髏島の巨神』を新宿ピカデリー2で観て、どっちもメインカルチャーから嫌われるから嫌いになれないふじき★★★,★★★★

メインカルチャーへの仇花2本をまとめてレビュー。

◆『グレート・ウォール』
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▲武侠キャバクラ的なコス。

五つ星評価で【★★★あの秘密を知らないで見てゲラゲラ】
ツイッターでけっこう評判がいいのであるが、ちょっと褒めづらさげでもある。
「こんな事しちゃって、このこのぉ〜」みたいな、
出来の悪い子をよしよししてあげたい感覚が呟きに溢れてる映画。
この壮大な歴史巨編がどんなに面白くてもアカデミー賞の対象になったりする事はないだろう。そして、どんなに面白くてもラジー賞の大賞になったりする事はなくもないだろう。そんなもんに手を出してしまった映画スタッフのモノノフな心意気を買いたい。
主演はマッド・デイモン。
なんかユアン・マクレガーでも、マーク・ウォルバーグでもいい気がする。
ヒロインがジン・ティエン。友近を遺伝子改造して100倍くらい綺麗にした感じ。『キングコング 髑髏島の巨神』にも出ていた。そっち側は友近の10倍くらいかな。何かハリウッドの映画見学に来た可愛子ちゃんが急に穴が開いたアジア人娘役にホットドック100本で買収されて出演したみたいな感じだった。
そのジン・ティエンが万里の長城を守る将軍の一人で青いカラーの鎧を着用してる。
胸元がガッツリ寄せて上げてな鎧はかっこいいと言うよりコスプレ感満載だ。
ジン・ティエンも含めて、女兵士たちはみなけっこう美人でけっこうふくよか顔。
遺伝子は中国系だけど、中国人っぽさが薄い。
女戦士の鎧もであるが、他の将軍とその部下の戦士の鎧も光沢が強すぎて
必ずしもかっこ良くない。ここは減点対象。
なので、鎧を着用していない重鎮役のアンディ・ラウが贔屓目にもかっこよく映る。

まあ、でも、あのドババババと大量に現れる敵がよろしいわあ。
そして敵の醸し出すべべべべべ的な「音」もよかった。

一応、これで全部退治できてめでたしめでたしだけど、
次世代があったら一人将軍ドニー・イェンと力の限り戦う映画を作ってほしい。

アレと戦うのなら木星から最強の壁モノリスを呼びよせるのもアリではないか?


◆『キングコング 髑髏島の巨神』
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▲「いっちょめ、いっちょめ、わーお、いっちょめ、いっちょめ、わーお」

五つ星評価で【★★★★素晴らしい】
バリバリ超怪獣映画。
何が凄いって怪獣その物を予告編でことごとくその姿を見せているにも関わらず、
実際映画を見ると、そのビジュアル的なネタバレが全く鑑賞の妨げになってない事だ。

でかいよ。
戦うよ。
強いよ。
人を襲うよ。
いやあ、ワクワクする。

あと、島の刺青兄ちゃん達の刺青も独特で良かった。

コングと怪獣の対決シーンがちょっとクドクド長い。
そこで思ったのは、外国の怪獣映画には必殺技がないんだな。
つまり、スペシウム光線のように、これが来れ殲滅という
非人道的な対怪獣手段がない。だから、なまくら刀で斬りつけるように
最後まで気を抜かずに対処しなければならない。
この辺は文化の違いなんだろうなあ。

フリー・ラーソンはそんなに美人じゃないので、ああいう探検隊に加わるというのがリアリティーがある。


【銭】
『グレート・ウォール』:トーホーシネマズデーに観たので1100円。
『キングコング 髑髏島の巨神』:おそらくピカデリーの誕生月割引が誕生月以前に発動。よく分からないが割引で1100円で見た。何で発動したのかは劇場の人にも分からないらしく首をひねっていた。おいおい大丈夫かよ。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
グレートウォール@ぴあ映画生活
キングコング:髑髏島の巨神@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
グレートウォール@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
グレートウォール@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
グレートウォール@徒然なるままに
グレートウォール@ペパーミントの魔術師
キングコング:髑髏島の巨神@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
キングコング:髑髏島の巨神@徒然なるままに
キングコング:髑髏島の巨神@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

2017年04月24日

マンガ『あさひなぐ 第二十二巻』こざき亜衣、ビッグコミックスを読書する男ふじき

新キャラ河丸摂がよいなあ。

常態のようでいて、ギリギリの綱渡りをしているような女の子の危うさに超ひかれる。

やす子コーチ側のエピソードは河丸摂と二本立てするのがはがゆく、今、今、語るんか
みたいにちょっとヤキモキさせられてしまう感じ。

fjk78dead at 23:59| 個別記事コメ(0)トラバ(0)マンガ 

2017年04月23日

『名探偵コナン から紅の恋歌』『ねこあつめの家』を109シネマズ木場でふんふんふむふむふじき★★★,★★★

同日鑑賞2本をまとめてレビュー。

◆『名探偵コナン から紅の恋歌』
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▲ピアスしてて巨乳だぜ!

五つ星評価で【★★★今回のゲストキャラが好き】
『ちはやふる』もどきコナン(笑)。
舞台が関西になって
西の高校生探偵・服部平次とコナンくんとのコンビネーションもよく、
カルタのお家騒動も、通常のコナン映画よりは動機がまだリアルに感じられ、
かなりちゃんと楽しめました。
つうか、男子高校生二人いてエロトークもなしかよ。
まあ、コナンくんがアレなんでナンパとかにはいけんだろうけど。

爆弾騒ぎが初めに一回、最後に一回あって
今回もしっかり都市破壊シーンが織り込まれてます。
劇場版コナン全てを通して、絶対、裏にゼネコンが謀略とか仕組んでると思う。
あと、これだけ毎回、高所からの脱出みたいなのが発生するのなら
コナンくんはタケコプターくらい用意すべきだろう。
まあ、タケコプターが阿笠博士に開発できないのなら、
ルパンがやるような折畳式のグライダーでもいいんじゃないの?
あのビルくらい壊すサッカーボールに比べれば余裕で開発可能でしょう。
 不動明 「俺なら、名探偵コナンを空から攻めるね」
『デビルマン対マジンガーZ』かよ。

関西まで少年探偵団、蘭、おっちゃんと、みんなでノコノコ移動してるのだけど
出番的には少年探偵団もおっちゃんもいらない。
蘭もラストのラブコメパートだけの存在だから関西に行かなくてもいい。
結局、子供のコナンくんを一人で関西に行かす訳にはいかない配慮なのだろうけど
そこは阿笠博士にどこでもドアを開発してもらって、、、、、
いや、何か「初めてのお使い」とか適当に理由考えて一人で行動させてもいいでしょ。
たった一人いつもコナンくんが個人行動をしてるのは異常だよ
(映画内では話がズンズン進んでくから気にならないけど)。

服部平次:西の高校生探偵。沖縄で在留米軍に孕まされた父なし子かと思うくらい
 肌が茶色いが、誰も突っ込まない所を見ると、オール・シーズンの日焼けらしい。
 シーズンで色が薄くなったり濃くなったりしないので、肝臓が悪いという方が
 リアルなのだろうけど、、、、、、えーと、いやまあ、何でもないです。
 喋り言葉が関西弁なのは劇に抑揚が付く感じで良い。
遠山和葉:平次の幼馴染。コナン・蘭(空手)と対照になるように平次・和葉(合気道)
 という構造になっている。平次と和葉は本人同士憎からず思っているが、
 マンガの中の幼馴染は告白できないという不文律通り、煮え切らない関係である。
 お前ら早くセフレにでも何でもなってしまえ。
 でも、胸、小さいし、アップになってもそんなに可愛くなかったりする。
 幼馴染というポジションを逆に使わないとこの子はダメだろう。
灰原哀:少年探偵団が全員、関西に行っているというのに
 一言の説明もなく、博士と二人で居残り組。
 高性能の皮肉屋SIRIみたいな役になり下がってしまった。
 サザエさん的な世界観の中で何年も新一に気づかない蘭より
 全てお見通しの世話女房・哀の方がベスト・カップリングだと思うのだけどなあ。
鈴木園子:鈴木財閥のお嬢様。この子に札束で頬を張られたい。
 今回は出番が少ないが、蘭同様、関西まで行っても特にする事がないし、
 ゼニだけ出して、病欠と言うのは実に正しい処置だったと思う。
 名探偵コナンの世界の中で一番ホストクラブにはまってしまいそうな女の子。
 3万円よこせって恐喝するなんて考えられず、店ごと買いきっちゃうだろうなあ。
大岡紅葉:服部平次(服部半蔵+銭形平次)、遠山(金四郎)、に続いて
 大岡(越前)という苗字ネーミングなのね。今回のゲストキャラ。
 高飛車で実力者で恋に積極的で巨乳。
 いいな、このキャラ。
 作画がちゃんと意識して巨乳に描いてるのが分かってニヤニヤしてしまった。
カルタ部部長:貧乏くさい眼鏡美女。
 それなりに大事な役の筈なのに、ある仕事が終わったらもうほとんど出てこない。
 そんな扱いはないだろ(笑)。キャラが多くてちょっと整理が効いてない感じ。
 整理は効いてないが、生理は来ているに、、、、、、いや、何でもない。

PS エンドテーマをX JAPANに歌わせて題名を
 『紅からの恋歌』にするコラボもありだな(ないない)。


◆『ねこあつめの家』
171832_3 ▲ろくろっ首っぽいくつなしおりさんの首筋。

五つ星評価で【★★★画面をぼーっと見て、猫が出てるだけで満足すればよかろうみたいな映画。自分は特に猫好きではないのだけど、日常の中にポカンと何もない時間があるのを追体験できるのは映画で行えるデトックスとして良いと思う】
猫を集めるだけのゲームをよく映画にしたなあ。
それでゲームの主旨と映画の主旨がずれてなかったりする(ゲームやらんけど)。

役上の伊藤淳史はけっこう鬱陶しいと思う。
コミュニケーション不足がちなのに服の柄がハデハデな奴って性格おかしそう。
これはスタイリストが間違えてるんじゃないかと思う。
小奇麗である事はもっとも大事だが、
できるだけ個性を主張せず都会なら、
街全体に埋没するような服を着せてやればよかったのに。

私は特に猫好きではないので
(それでもツイッターに流れてくるような画像は可愛いと思う)
猫の映像については「猫だなあ」くらいしか思わないのだが、
代わりに忽那汐里と木村多江が出てるシーンは
「忽那汐里だなあ」
「木村多江だなあ」とホッコリした。
猫同様、生まれたままの姿だったり、
忽那汐里と木村多江が頬摺り寄せあったりする絵もあれば
もっとよかったと思うが、その場合の『ねこあつめの家』の「ねこ」は
違う意味になってしまう。まあ、それでも、全然かまわんのだけど。

最初、『ねこあつめの家』という題名を聞いて、『悪魔のいけにえ』でレザーフェイスが人間の遺体を加工して、
色々な家具を作るのを猫でやるのかなと想像してしまった。

エンドロール後のシーンもてきとーでいーわー。


【銭】
109シネマ会員感謝の日(毎月19日)に見たので、メンバー割引で各1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
名探偵コナン から紅の恋歌(からくれないのらぶれたー)@ぴあ映画生活
ねこあつめの家@ぴあ映画生活

2017年04月22日

『結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章 第二章』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、このテンプには弱いふじき★★★

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▲立ち姿が凛々しい。

五つ星評価で【★★★この展開にはいつもやられてしまう】
TVアニメ「結城友奈は勇者である」未鑑賞。一見さん(前劇場作は見てる)。

脱力ものの日常エピソードが長すぎるのにはちょっと閉口
(と言うのは同テイストの短編を事前に見せられてるからである)。
これが作劇上、必要なものである事は重々承知たが、それでも長い。

でも、あの終わり方は鮮烈だ。
次の物語をどう転がすかが非常に気になる。
あーもう、こんなん転がされてるのは重々承知なんやけどね。


【銭】
特別興行1500円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第2章》@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第2章》@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第1章》@死屍累々映画日記

2017年04月21日

『君も出世ができる』と『ひばり・チエミの弥次喜多道中』を神保町シアターで観て、堂々たる狂人フランキーにオキャンすぎるひばりとチエミふじき★★★★,★★★

◆『君も出世ができる』
五つ星評価で【★★★★あー狂おしいくらいおもろい】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1964年のカラー映画。多分、TVで一回くらい見てそう。

冒頭からフランキー堺が歌いまくり、踊りまくりで、
テンション高いったらありゃしない。ただ、それがイヤじゃない。
今、こういう高いテンションで歌ってイヤにならない俳優はいないんじゃないだろうか?
しかも、この映画のフランキー堺は出世の為なら、オベンチャラ、裏切り、自己中にやりたい放題。なのに最終的には憎めない。歌や踊りはともかく、キャラ的には今だったら大泉洋とかこういうの似あうかも。

フランキー堺の対極位置の、ぼんやり君に高島忠夫。なるほどな配役である。

女優陣はアメリカ帰りの女性上司に雪村いづみ、社長の愛人に浜美枝、フランキー堺と恋人未満な中尾ミエ。どれもそこそこで惚れるほどの可愛さを感じさせない。なんか勿体ない。

まあなんだ、それにしても歌と踊りがステキだ。
今はもう、こういうの作れないのだろう。
作ろうとして失敗したのが近作だと二本。

『舞子はレディ』『恋に唄えば♪』>。
前者はミュージカルという形式に乗っ取ってるだけで楽しくないし、
後者はもうはっきり覚えてないけど、やはり歌が自然じゃなかったのだと思う。

PS ウルトラマンのイデ隊員がモブの一員として歌って踊ってる。
 セリフがないのが知名度から考えると何か不思議。
 ちょうどウルトラマンが始まった頃の映画だから、
 これからメキメキ有名になっていくのかもしれないけど
 子供のTVと大人の映画ではジャンルが違うからイデ隊員は
 知名度を活かせなかったのかなあ?(あまり普通に見た記憶がない)


◆『ひばり・チエミの弥次喜多道中』
五つ星評価で【★★★時代劇に洋楽も合うなあ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1962年のカラー映画。初見。

おきゃんだなあ。
主役の二人がちゃんとキャラ立ってて
観客に凄いアピール度で、それをぶつけてくるのが新鮮。
美空ひばりは江戸時代なのに、時折、メガネっ子である。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
君も出世ができる@ぴあ映画生活
ひばり・チエミの弥次喜多道中@ぴあ映画生活

2017年04月20日

『クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』をUCT4で観て、どないなもんかふじき★★★

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▲エンタメしてるなあ。

五つ星評価で【★★★ええのんか?】
今回は野原一家+宇宙人でロード・ムービー。
そしてまたテーマは「子供とか大人なのかよ」とも思ってしまう。
そもそも「クレヨンしんちゃん」というマンガが
子供らしからぬ子供を題材にしているのだから、
「親子関係」や「大人と子供」についてが主題になるのは不自然ではない。
でも、それしか作っていけない訳ではない筈だし、
ここのところは作品傾向が偏ってはいないだろうか?
(偏った目で見るから、そう思うのか?)

しんちゃんのギャグも今回は抑えめだし、冒険に行く人選もちょっと変だ。
どう、変なのかと言うと、しんちゃんのギャグは
しんちゃんが変な子供である事とそれを取り巻く一般人とのギャップによって起こる。
一番分かりやすいギャップの相手はヒロシとミサエの父母である。
通常、日常的な大人の位置にいるヒロシとミサエが外見だけながら
子供化(非常識化)してしまった事により、ギャップ笑いの幅が小さくなった。
その上、この父母とはぐれ、しんのすけはシリリと二人旅をする事になる。
彼は宇宙人という常識外の存在であり、加えて子供である。
つまり、大変しんちゃんのボケが効きづらい相手なのだ。

実はしんちゃんのギャグは相手が子供であっても春日部防衛隊相手だとちゃんと効く。
それは春日部防衛隊の4人は子供であるが、
一部の大人の常識を誇大化させたキャラだからだ。

風間くんのエリート主義による建前礼賛、
ネネちゃんのストレスによる冷静で冷酷な部分、
ボーちゃんの揺るがない哲学者のような泰然とした部分、
まさおくんのともかく負け犬な部分。
彼等は子供だが、カリカチュアされた大人属性を持つので、
しんのすけの言動にはちゃんと揺さぶられる。

父母や擬似大人の春日部防衛隊と接合点を持たず、
自分より非常識な宇宙人と二人旅をする事は殊更、
しんちゃんのギャグを低下させる。
それゆえに、しんちゃんは単純な「いい奴」になってしまう。

犬のシロはあまり活躍しないから今回は留守番でもよかった。
ヒマはあの年にして、女王様気質を持ってたりするのが面白いのだが、
介護者(通常はミサエかシンノスケ)がいないと自由度が落ちてしまう。
という事で、残念ながらヒマの出番も少なかった。
みんな均等に薄く出てて、等しく出番が少ない感じ。

逆にシリリがしんちゃん以上に非常識な言動をしてくれれば良いのだが、
このシリリがとても常識的で、不合理な親の言い付けも必ず守るという
実に面白味のない奴で、ずっと見てるのがつらいくらい魅力が乏しい。

終盤、野原一家とシリリの父親の対決で、更なるピンチに追い込まれる部分や、
それを跳ね除けて反撃する部分はスラップスティックな面白さに満ちいていて良い。
ただ、しんちゃんの世界だから成立するが、普通だったら
反撃のきっかけ等、説得力は薄いだろう。

ロードムービーの形式で次から次へと話か展開するので、
飽きる事なく普通に見れるのだが、果たしてこれでいいのだろうか?
という疑問は最後まで払拭できなかった。
それはシリリの父親が父親であると言う一点でシリリを制圧している。
暴力を振るわないDV状態で、これが物語が終わっても解消されないのだ。
野原一家に対するひどい仕打ちは解消されるものの、
シリリに対するケアはなされないで話が終わってしまうのである。
シリリに対するケアはラストシーンで行われないではないが、
それは彼と彼の父親との関係に対して必ずしも救いを与えるものではない。
私はシリリ自身が父親になった時、
同じような関係を築いてしまうのではないかと邪推してしまう。
彼と彼の父親は、今回の衝突に関して乗り越えていないし、
子供のシリリが父親になった時点で、
その子供を力のない者(=導いてやらないといけない者)としてしまう可能性は高い。
ただ、それは地球での代理父、野原ヒロシがじっくり、
父親と息子の関係は力の強弱ではないのだと再教育しているに違いない、
と考え直す事も出来るのだが、それは映画で語られていないので不安になってしまう。

何となく、そこまで考えるのは考えすぎだろうとは思うんですけどね。


【銭】
ユナイテッドシネマの有料入場ポイント2ポイントを使って1800円から800円割引の1000円で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ@ぴあ映画生活

2017年04月19日

『北陸代理戦争』『沖縄10年戦争』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ゲラゲラ堪能ふじき★★★★,★★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『北陸代理戦争』
五つ星評価で【★★★★松方弘樹のエネルギッシュな壊れっぷりと3対1000でも戦い方だという暴れっぷりがたまらない】
抗争中の事件を無理やり映画化して、激化した抗争により主人公の組長が現実で射殺、実録路線映画を終焉に導いた曰く付きの映画という事だが、そんなん関係なしに自分が生き残る為にエネルギッシュに他のヤクザの死骸を食い散らかすような松方弘樹が強烈で無性にかっこいい。
利権が少ないから共食いしてでも生き残る。
親でもオジキでも筋が合わなければ牙を剥く。
中央から利権搾取の動きが来れば、地方の力を集めてでも抵抗する。
自分の筋さえ通れば、後は無勝手流で流れに掉さす
スマートさのかけらもなく、ただただ無法な力というのが今は逆に新鮮。

親(西村晃)とオジキ(ハナ肇)の出来が悪くて、
北陸の帝王・松方弘樹だけが突出しているのだが、
松方弘樹を葬るために中央からやってきたのが同じ狂犬の千葉真一、
この役回りは『京阪神殺しの軍団』の主人公・小林旭と同一人物なのだが、
やっぱ、この千葉真一の方が暴れると歯止めが効かなそうでいい。
小林旭は物事を脳で考えるが、千葉真一は脊髄反射で動く感じだから。
割と出番も少なく、実際にはそんなに暴れてないんだけど、
それだけ千葉真一のイメージ戦略が良かったという事だろう。
中央のトップが遠藤太津朗でこの辺は、単に偉いヤクザ役でつまらんけど、
癸欧棒田三樹夫がいるから、もうそれだけでこの組織は大丈夫。
成田三樹夫もそんなに出番、多くないんだけど出ると画面がピッとする。
あの顔は他にないからなあ。

野川由美子のチーママ感。でも、ラスト一人で去っていくシーンのかっこよさ。
この映画の中では西村晃やハナ肇より野川由美子の方が普通に男前だから。

西村晃やハナ肇もあんな演技なのにもう絶品。
西村晃が最初、雪に埋められた拷問にあって、解放されて風呂に入ると
刺青が背中に全然仕上がってなくて、チンケな感じなの最高。

しかし、こんな「俺の目の前の皿に盛られた料理を横取りする奴は許さない」
という倫理観を楯にして面白い映画になってるってのは凄いなあ。
気が狂ってる。狂っててよし。

おぼこい感じの野生っぽい高橋洋子も可愛い。


◆『沖縄10年戦争』
五つ星評価で【★★★俺の知ってる沖縄とウチナンチューはこんなんではないんだけどどないなんやろね】
沖縄ウチナンチュー通しの争いに、本土から海洋博の利権を食いにヤマトンチューが攻めてくる、その抗争。
沖縄側の主人公が三人。松方弘樹と佐藤充と千葉真一。
佐藤充と千葉真一は何となく南国っぽい。まあ、服がかな。
松方弘樹はいつものヤクザスーツにベシャリで本土のヤクザと一個も変わらない。
本土側は小池朝雄に今井健二に藤田まこと。
小池朝雄えげつなく骨までしゃぶりそう。
人相が悪すぎる今井健二、この顔と態度が本土が沖縄を見下すベーシックになってる。
藤田まことがヤクザ映画に出るなんて珍しいと思うのだけど、
これは佐藤充と親交が深いベビーフェイス・ヤクザなのだ。
うーん、ヤクザっぽくないのう。

そして野川由美子がまたしても松方弘樹の情婦。
座布団を配る山田隆夫と空に太陽がある限りなにしきのあきらがチンピラ。
栗田ひろみがとってもカタギな女の子で可愛い。

そういや、藤田まことと山田隆夫って「必殺仕事人」繋がりか。

具志堅さんとかダチョウ倶楽部の肥後さんとか、沖縄人のイメージはああなんで、
やっぱなんかみんな真剣過ぎるように見えてたまらない。
あんまりゆったり時間で抗争やってるとヤクザ映画にならなくなるのかもしれないけど。

ラストシーン、ショットガン片手に走り出す松方弘樹は「大都会」の大門みたいで。

加藤嘉は目をうるうるさせてました。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
北陸代理戦争@ぴあ映画生活
沖縄10年戦争@ぴあ映画生活

2017年04月17日

『暴動島根刑務所』『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』をシネマヴェーラ渋谷で観て、ゲラゲラ♪赤いトラクターふじき★★★★★,★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『暴動島根刑務所』
五つ星評価で【★★★★★松方弘樹の自由っぷりがたまらない】
松方弘樹脱獄三部作の二本目。
猥雑なエネルギーに溢れていて個人的にはこれが一番好き。
松方弘樹はバカで無鉄砲で、そんな悪い奴じゃないけど、反権力。
『脱獄広島殺人囚』は脱獄オタクの人生ドラマ。
『強盗放火殺人囚』は脱獄二人のバディー・ムービー。
『暴動島根刑務所』は気のいい兄ちゃんのギリギリ自由闘争ムービー。

高倉健は壊れ行く仁義の世の中で正義を貫く男、
菅原文太は壊れた仁義の世界で筋を通す男、
じゃあ松方弘樹はどういう男かと言うと、
クズだらけの世の中で頭が悪いながらも、世の楽しさをしゃぶりつくそうとする男、
かな? いや、ここんとこ何本か見ただけだから本当はもっと奥が深いのかもしれんが。
健さんや文太兄ぃに比べると、格段にレベルが一つ二つ落ちるっぽい。
でもぜんぜん庶民だ。SEXだって好きだ。
そんな松方弘樹が銀幕にとってもチャーミングなのである。

『暴動島根刑務所』はトンマな行為を幾つか積み上げて刑務所を一生のねぐらにしなければいけなくなった男が、自分の生活を守ろうとする階級闘争ムービーだった。おもろい。セクトの敵が佐藤慶、室田日出男、戸浦六宏、伊吹吾郎のリンチ看守軍団。セクトと看守の内通者だが、最後には手と手を取り合って脱獄する無敵の男に北大路欣也。欣也はこういう一見敵だが一本筋の通った硬骨漢とかが『ダイナマイトどんどん』よろしく、映える。

出番は少ないが、金子信雄が登場すると温かい笑いが起きるのはなんか嬉しい。もう、どの映画でも金子信雄は金子信雄でしかなくて、観客がみんなそれを歓迎している。
満席立ち見のシネマヴェーラにて楽しい映画でした。


◆『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』
五つ星評価で【★★使い捨ての美学】
主役が小林旭。今一ヤクザっぽくない。
助演が梅宮辰夫に成田三樹夫。
んー、そんなでもないかな。

成田三樹夫はいつも通り安定している。
おで、小林旭の良さが分からない人なのよ。
多分、旭の古い映画とか全く見てないから。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
暴動島根刑務所@ぴあ映画生活
日本暴力列島 京阪神殺しの軍団@ぴあ映画生活

2017年04月16日

『バーフバリ 伝説誕生』を新宿ピカデリー9で、オマケに『ラ、ラ、ランド』をトーホーシネマズ新宿4で観て、インド映画節全開とちょっと器用じゃんふじき★★★★,★★★

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▲バーフばりばり。
◆『バーフバリ 伝説誕生』
五つ星評価で【★★★★荒い荒い荒井注】
どっかーん ばっこーん ぐわんじゃー みたいな映画。
インド節炸裂が愉快愉快。
ググっと寄ってあからさまな百面相で感情を露わにして
見栄を切る様はインド歌舞伎のよう。
ミュージカルパートが割と現実に即して入っているので、通常のインド映画のように「あ、舞踏パートに入ったな」というスイッチをほぼ気にせずに見れた。この映画のダンスパートと『ラ・ラ・ランド』のダンスパートだったら、後者のダンスパートの方がより作為的で日常から乖離してるのではないか。まあ、あれはそういう飛躍を見せるための映画だから尚更なのだと思うけど。だから、インド映画で歌謡舞踏みたいなパートもちゃんと入っているのに、今までハリウッド映画しか見てこなかった人にもそんなに違和感なく受け止められるのではないかという気がする。

あと、要点だけ言うと、
・話がこれからと言う時に終わる。ぐおおおおおおおおお。
 全編じゃなく前編かよ、おい!
・一週間限定公開はしんどい。ぐおおおおおおおおお。
・攻めてくる黒んぼ軍団が、指輪物語のオークっぽく
 「人間の中で、これでもかと醜い人たちを集めてきた」風なのはちょっと感動する。
 親玉がフォレスト・ウィテカーぽい。
 後編で親玉の息子とかで本当にフォレスト・ウィテカー出てきたら受ける(かも)
・少なくとも『真田十勇士』なんかより、100倍くらい合戦が面白いし、
 合戦での戦略が描かれている。
・インド美女は相変わらず美貌がゴージャスな感じでいいなあ。
・あの戦いに行く前にカーリー神に血をかけていく、
 あのカーリー神がかっけーなー。
・エンドロールの手前でエンドテーマが終わってしまう映画、久々に見た。

こんなだろうか。
はよ、後編みたい。
まあ、ピカデリーさんは『RWBY』とかも、
ちゃんと3作公開したから、そのうち上映してくれると思うけど。
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▲野性的かつキュート。


◆『ラ・ラ・ランド』
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▲ここ、ここ。
五つ星評価で【★★軽く語ろう】
・エマ・ストーンがスカートの裾を掴んで行進するように踊るシーンがステキ過ぎ。
・ラ・ラ・ソープランドだったらステキだ。
・ラ・ラ・ラドンでもステキだ。
・アカデミーの作品賞でなくて、監督賞と言うのは至極妥当な評価。
・ゴズリングが本当のジャズではなく、歌謡シャズみたいなコンサートを開きながら
 いやいや生活を凌ぐみたいな描写が出てくるが、金を貰っているのなら
 ジャンルに関わらず全力で立ち向かえよと思う。自分に取っての好き嫌いはともかく
 「そんなにジャズが偉いのかよ!」と思わずにはいられない。


【銭】
『バーフバリ 伝説誕生』:前回有料入場割引+ネット割引で600円減の1200円。
『ラ・ラ・ランド』:東宝シネマズの鑑賞ポイントを6ポイント使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
バーフバリ 伝説誕生@ぴあ映画生活
ラ・ラ・ランド@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ラ・ラ・ランド@映画的・絵画的・音楽的

2017年04月15日

『劇場版トリニティセブン 悠久図書館と錬金術少女』を角川シネマ新宿1で観て、リビドー直結やなあふじき★★

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▲男一人にあと、みんな女(しかも全員、取り柄の良く分からない主人公をスキスキ)

五つ星評価で【★★おっぱいおっぱい】
5分でレビューを書く。それが今回の目標。元になるコミックス、TV未読・未鑑賞。チラシには「これが最後のトリニテイセブン」と書いてあるけど、見終わった後では続きそうな気配満々である。いや、これその物が外伝の位置付けだから、ひょっとすると正史のどこかに接続される終わり方だったりするのかもしれないけど、一見さんだからよう分からん。えーと、ハーレム・アニメね。主人公は魔王の血を受け継ぐ系で、努力せずとも膨大な力を秘めている。そこに現われる美女美女美女。多分、TVシリーズのうちに溜め込んでいたのだと思うが「トリニティセブン」の7人の美女以上に4、5人主人公の近くにクネクネ身体を動かす美女がうろついている。この全員が主人公に悪い気はしていず、常に乳くらい揉まれたいと思っている。何て簡単な世界観だ。主人公も何の根拠があるのだか分からないが自信を持っていて、彼女たちが絶対自分を嫌わないと確信している。ええなあ、一元論的世界観で。主人公には何一つ葛藤がない。いや、この世界観で葛藤がある方がおかしいか。そういう世界の映画である。敵が現れて何となく退治される。ちょっと面白いなと思ったのは、この敵の方が人間的には葛藤するので主人公より深そうだという事。でも退治されて使い捨てにされる。造物主や神様は勝手なもんである。うん、まあ、そういう話。ここでいう造物主は購買層という事だけど。と、11分。そうね、5分では書けないね。以上。
PS 多分、魅力を知るためには原典に触れないとダメなんだと思う。



【銭】
番組価格1600円。60分くらいだから高いと思う。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版 トリニティセブン −悠久図書館と錬金術少女−@ぴあ映画生活

2017年04月13日

疲労がひろうい。

ふと、気が付くと湯船に入った後、2時間くらいスカンと時間がスライドしたりしてる。ちょっとありえないくらい疲労がたまってるらしい。ヤバイ。タイミング悪ければ死んじゃうよ。いやまあ、多分、今は死んでないと思うよ。あーもう、そんな状態なので書きたい映画レビューが書けずに溜まっていってしまう。書く気はあるんすけど。明日も6時には活動しないといかんので寝ます。うん、でも、ブログは続けるよお(誰も読まんでも)。悲痛だな、俺。

一定間隔でこういう泣きは来るなあ。すんませなんだ。

2017年04月11日

『たそがれ酒場』『夜の緋牡丹』を神保町シアターで観て、猥雑で面白いのとそうでないのと★★★★,★

◆『たそがれ酒場』
五つ星評価で【★★★★猥雑なショー酒場の開店から閉店までのドラマ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
そこに長く居座る者もいれば、頃合いを見計らって出ていく者もいる。
裕福ではないし、階層は下層だが、皆が助け合ってひしめき合って生きている。
1955年新東宝のモノクロ映画。
時代は太平洋戦争が終わってしばらく経ち、朝鮮特需で高度経済成長期全盛、
社会全体が潤っている頃であり、貧乏人が努力で儲けられる
そんな猥雑なパワーに満ちていた頃、貧乏人がひしめくショー酒場の一夜。

大戦の隊長(東野英治郎)と軍曹(加東大介)は昔を懐かしみ、今の日本を否定する。
そんな安酒場で酒も飲めない時化た東野英治郎と、
酒を飲んで盛り上がってる大学生の対比。
昔の東野英治郎はいつも負け犬みたいで出会えると「ああ、又、不幸だった」と楽しい。

その大学生の群れで太鼓持ちみたいな盛り上げ役をやり、1杯ありついてるのは
「小判鮫」と仇名される店の常連、多々良純。
離籍した客の酒を勝手にグイグイ飲み干す。おいおい。
でも、多々良純ってそういうのやりそうな顔。

女の子の利権で揉めている丹波哲郎一味と宇津井健。
宇津井健が丹波哲郎を制する意外な武器は、
うん、庶民的だが、あんま持ち歩くもんじゃないよな、それ。
ワルの丹波哲郎、瞬きしないでいいなあ。
利権の女の子、野添ひとみ可愛い。

元画家現パチプロの小杉勇は江藤(江川宇礼雄)の弟子がこの酒場の専属歌手で終わる事を嘆いている。そんな時、客に有名楽団の指揮者が来て、弟子の歌声を耳にして、移籍話を持ちかける。江川宇礼雄荒れる荒れる。でも荒れる理由がある。ここが泣きどころ。

元画家パチプロ小杉勇の画家を廃業した理由も良い。
彼は先の大戦で兵士を鼓舞した事を苦にしているのである。
彼の所に大戦中いっしょに戦地を回った従軍記者が現れる。
記者の方は相変わらず新聞を出しているようだ。ここに皮肉がある。
もちろん画家も鼓舞しただろう。だが、新聞記事には敵わない。
その新聞記者は別にのんきにそのまま同じ職業を続けているのである。

店全体が猥雑な活気に満ちているのは好景気のたまものだろう。
この好景気のドンチャン状態が朝鮮特需という、
人の血の上に立ってるみたいに思うのは、まあ、一応考えすぎの範疇なのだろうな。

店の中に所狭しと貼ってある値段表。今の1/10くらいの価格。


◆『夜の緋牡丹』
五つ星評価で【★主役が嫌な奴】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
主人公が何を考えてるかわからない。
女の子にひかれるままに結婚して、立身出世したら新しい女を抱いてしまう。
でも、新しい女に溺れてはいるが、ゾッコンそうでもないのだ。

そんな奴は好きになれない。


【銭】
神保町シアター一般入場料金各1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
たそがれ酒場@ぴあ映画生活
夜の緋牡丹|映画情報のぴあ映画生活

2017年04月10日

『強盗放火殺人囚』『仁義の墓場』をシネマヴェーラ渋谷で観て、松方弘樹が楽しくて渡哲也こわしふじき★★★★,★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『強盗放火殺人囚』
五つ星評価で【★★★★松方弘樹のSEX好きっぷりがたまらない】
松方弘樹脱獄三部作の三本目。
ちっとも知らなかったが、主人公が違うのね。
少なくとも一作目と三作目は違う。二作目はまだ未見なので不明。
三作目見たら、キャラが一作目より格段に若くなってるから驚いた
と思ったら別人やんけ。そら違うわいなあ。
一作目はリアルの脱獄名人に学ぶ、脱獄アラカルトみたいな映画だったが、
三作目は脱獄はオマケ程度で、脱獄した主人公が警察から逃げながら
自分をだましたヤクザに報復する映画になっている。
一作目では脱獄に執念を燃やすのが高じて完全に狂人寄りだった松方弘樹が
いろいろマイルドな人間に変わっていて見やすくなっている。
刑務所で覚える労働訓練として、印刷、木工などがちゃんと取りあげられている。
木工とかは製品販売なんかで目にする事もあるけど、印刷は珍しい。
そうそう後藤大輔の成人映画『喪服の女 崩れる』の印刷工は懲役帰りだった。

松方弘樹はヤクザあがりで罪は犯したが人望のある懲役囚。
今回、何がいいって松方弘樹の色ボケ演技が絶品。
女に目がない役で、隣の部屋に妻が寝ていようが、興奮して若い娘を襲ってしまう。
それがバレた際の
「しょうがないの、しょうがないの、だってチ〇コがしょうがないんだもん」
みたいな目の演技が超絶品。この辺りのスケベ具合がキュートすぎて、
この映画を見ている最中だけは「浮気」って全く「悪事」に見えない。
「だってチ〇コがしょうがないんだもん」。

刑務所の偉いさんがヒットラーに似てる菅貫太郎。
これはコメディーっぽい配役でそんなおもろないな。

松方弘樹を騙すシャバのヤクザ役が遠藤太津朗。
遠藤太津朗はやっぱ時代劇の因業爺とかだよなあ。
金子信雄とどこが違うと言われると困るけど、
実録路線だと何かちょっと浮く感じ。

ラストの自分が信じる仲間の為に、
下手を打ってでも窮地に飛び込む松方弘樹は、
やっぱ実にかっこいい兄ちゃんなんである。


◆『仁義の墓場』
五つ星評価で【★渡哲也に震える】
ともかく主演の渡哲也の害虫ぶりに共感できない。
仁義に唾を吐きながら、最後まで裏の渡世にさえ牙を剥き出しにして生きた男。
「強ければそれでいいんだ、力さえあればいいんだ(いや、そんな事はない)」と
逆説で歌うタイガーマスクのエンディングの境地に辿り着く道半ば
と言うより辿り着く気は毛頭ないみたいな映画。
強烈な映画だけど、強烈と言うだけで、個人的には好かない。
基本的には殴られるパンチが如何に強いかより、
殴られてでも惚れるような共感を私は映画に求めているのだ。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
強盗放火殺人囚@ぴあ映画生活
仁義の墓場@ぴあ映画生活

2017年04月09日

『銀座カンカン娘』を神保町シアターで観て、デコちゃんはいい人そうでねえふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★あーくつろぐ】
特集「女優は踊る 素敵な「ダンス」のある映画」から1プログラム。
1949年のモノクロ映画。初見。

高峰秀子の顔立ちが好き。
子役上がりの子役時代をそのまま延長した顔で、
自然で無理してないけど秘かに頑張ってそうな顔立ち。
本当はどうかは知らないけど、気立てが良さそうな隣のお嬢さん。
アトムに出てくるウランをちょっとだけおしとやかにした感じ。

その、高峰秀子(居候)、笠置シヅ子(居候の居候)、
灰田勝彦(宿主の甥)、岸井明(デコちゃんと知りあった流し)

が銀座裏通りのバーで「銀座カンカン娘」を流しまくる。
まあ、馴染みのあの曲が聞こえてくると、それだけで耳が楽しい。
ドラマの筋がかなり行き当たりばったりだけど、
お茶の間の日常ってそんなにドラマチックじゃないから、
こーゆー、ただ繋いでいくような話の方が「あるある」っぽいかもしれない。
「銀座カンカン娘」の「カンカン」は当時流行していた
ハイソな「カンカン帽」だと思うのだけど、映画には全く映らない。
歌は若い女の子がウキウキして歩く銀座の表通りの歌だけど、
映画は銀座の飲み屋と夜、武蔵野の田舎しか映らない。
ひょっとすると「銀座燗燗娘」ってダジャレか? 
ラッパが似あう洋風飲み屋ばっかだったから「お燗」も映らなかったけど。

笠置シヅ子の潰れかかったガラッパチな声も、歌にはいるとググっと良くなる。

灰田勝彦はどういう人だか知らないが、カッコイイとは思えない。

岸井明はデブ。まあ、デブが一人くらいいた方が画面が華やぐ。
デブが歩くと安普請が揺れるという古典的なギャグが楽しい。
今時、そんな安普請はないし、今、撮ったらギャグより地震と思われるに違いない。

家主が五代目志ん生。たいそうな人らしいがよう知らん。いい味出してる。

家主の奥さん(だと思う)が浦辺粂子。
そんなに凄く年をとってそうでもないのに、この時点でもう老け役だ。

あと、思い付く事と言えば「犬と子供が可愛い」。
なるほど、志ん生がいい味出そうが、
スター俳優が歌おうが、犬と子供には敵わないのだな。


【銭】
神保町シアター今回はスタンプ五つ貯まった奴で無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
銀座カンカン娘@ぴあ映画生活

2017年04月08日

『サクラダリセット 前編』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、面白いけど強引かなふじき★★

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▲ジャニーズが一人もいないと、集合写真で消えるキャラがいなくていいな。

五つ星評価で【★★面白いけど、設定の強引さを肯定しきれない】
能力者が集う町、ということでJOJOのスタンド能力者が群れ集う杜王町みたいな世界観なんだけど、残念ながら能力の発動に説得力がない。それは能力の制約だったり、ディテールだったりに偏りがあり、話を作る上で都合のいいように能力が逆算して作られてるように見えてしまうからだ。サクラダという町が能力者の能力方向を決めているという状況はありえるが、前編を見る限りでは絶対そうだとは断定できない。この辺はどうなんだろう?

主人公の二人ハルキとケイのリセットと記憶保持はかなり最強の能力だが嘘くさい。
リセットはハルキ一人では意味をなさない。ケイの能力・記憶保持がなく、過去と同じ挙動をハルキがしてしまったら「リセット」を発動した意味が全くなくなってしまう。このような二人が同時にいなければ意味をなさない能力が自然に発動するだろうか? 彼らが兄弟姉妹のような常に一緒に行動するような間柄ならまだ分かるが。そしてリセットに伴うセーブポイントの確定もちょっと怪しい。一度セーブポイントに戻ったらそのセーブポイントからリセットを起こした相対時間までは再リセットは不可能。この辺の設定がいかにも「作られた設定」っぽい。自然に発動しそうには見えない。

記憶操作の能力は、主に言葉でのみ語られている。もちっとビジュアル化できんもんか。
玉城ティナの物を消す能力も物理的に消すだけならまだしも、特定の能力を打ち消すと言うのは能力の種類が明らかに違うが、それを同一の能力にしてしまう。
声を届ける、能力のコピー、写真の中に入る、
やれる事が種類が多い割には方向性にむらがあり、自由発生とは考えづらい。
特に「写真の中に入る」などは、今の科学では何が起こってると言えないくらいファンタジーめいてしまっている。こんな何でもありなんはいかんと思うなあ。

能力を三つ四つ組み合わせコラボする「能力の合成」は面白い。
ただ、これが違和感なく受け止められる為には、
そもそも能力の発現が作者のご都合手記で組み立てられていないという担保がいる。
今はその部分に関する信頼度が残念ながら低い。

黒島結菜かわいいけど、リセット直後、記憶がなくなると言うのは損な役どころ。
そのせいで時間を打ち消すことの葛藤が彼女に生まれない。これがあるとなしとでは彼女のキャラの立ちが全然違うだろう。
ペアの浅井ケイが彼女を名前の「ミソラ」ではなく苗字の「ハルキ」と呼ぶのが嫌い。苗字で呼ぶ場合の「ハルキ」とイントネーションが違うんじゃなかろうか。果てしなく、名前を呼ぶような呼び方で苗字を呼ぶのは嘘くさい。

能力を掛け合わせて思いもかけない効果を出すとか、そういうのは好きなんだけど、やっぱ詰めが甘くてその能力が本物感薄ければしょうがなかろう。


【銭】
チケット屋で額面1400円の前売り券を1400円でGET。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サクラダリセット 前篇@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
サクラダリセット 前篇@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

2017年04月07日

『素晴しき男性』を神保町シアターで観て、裕次郎のかっこよさはやはり分からんのだなふじき★★★

五つ星評価で【★★★裕次郎が歌って踊る】
特集「女優は踊る 素敵なダンスのある映画」から1プログラム。
1958年のカラー映画。初見。

裕次郎が歌って踊る! 階級差恋愛コメディー。
しかし、裕次郎は私には一つ前の世代のアイドルで、
リアルタイムに接していないので(七曲署のボスくらい)、
トッポイ兄ちゃん時代の彼を見てもあまり「かっけー」とは思えない。
派手派手なシャツを着て、この頃のシャツはワイシャツ同様「ズボンイン」なのね。
まだ、西村晃が若者役だもの、古い古い。

相手役の北原三枝は目つきが鋭すぎる美女。裕次郎の奥さんになった人。
目がちょっと野際陽子っぽいなあというのが印象。
ダンサー役の北原三枝が玉の輿を狙ってフラフラするというのが話のコアだ。
しかし、ダンサーもミュージシャンも今以上にいかがわしい職業だったのだな。
今、ダンサーやミュージシャンになると言うと、芸能界入りが頭に浮かぶが、
この頃はキャバレーとかの生演奏、劇場でのダンスレビューと、
バリバリ、ドサ回り感が付随してきてしまい、良家の縁談とかに縁がない状態である。

で、北原三枝を憎からず思ってるが袖にされる役が石原裕次郎。
歌は自己流だろう。伸び伸び歌ってるが「上手い」感じではない。
まあ、愛されてたんだろうなあ、という風に思える歌い方。

キャスト表があっても今と容貌が変わってて誰が誰なんだか。

月岡夢路は裕次郎の姉役かな?
白木マリ(必殺のりつ役?)は仲間の中の後任カップルの女子の方かな?

俄然、目を引いたのが西村晃。
歌って踊って、悪事も働かねば、返り血も浴びない、
どこからどう見ても「そんなん西村晃じゃないだろ」って役。若かったのね。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
素晴しき男性@ぴあ映画生活

PS 劇中に出てくる、幸運を呼ぶ彫刻が何か怖いよ。

2017年04月06日

『ハードコア』をHTC渋谷3で観て、凄いけどめんどくさふじき★★

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▲未来っぽい。

五つ星評価で【★★いや確かに凄いんだけど疲れるよ】
もう延々とずっと、よく分かんない状態で引きずり回されて、最終的に「ああ、そういう事なのね」と膝を打つような感じを貰えるんだけど、自分が本当に物語を理解できているのかについては疑問に思ってしまうくらい、話がしっくり自分の中に入って来なかった。何か遠縁の顔も知らない親戚の結婚式や葬式に呼ばれて、どんな振る舞いすればいいかも分からないみたいな状態。まあ、遠縁の親戚の結婚式や葬式ではあんなに血や炎や爆炎で彩られたりはしないだろうけど。

あと、物語のかなりラストにスケスケの女子用パンツが出てくるのだけど、あれは着用してるところを何故じっくりねっちょり飽きるほど見せてくれないのかという意味で、強く憤りに似た感情を覚えた。

96分の映画だけど70分くらいでもいんでね?



【銭】
テアトルの会員割引+曜日割引で1000円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハードコア@ぴあ映画生活
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ハードコア@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

2017年04月05日

『暴力金脈』『脱獄広島殺人囚』をシネマヴェーラ渋谷で観て、松方弘樹おもろいのうふじき★★★★,★★★★

特集上映「抗争と流血 東映実録路線の時代」の1プログラム。

◆『暴力金脈』
五つ星評価で【★★★★総会屋を演じる松方弘樹のエネルギッシュな悪振りに痺れる一本】
頭の良さと度胸でのし上がっていく松方弘樹の総会屋出世物語。
どんなに痛めつけられても狂犬のように尻尾を振る事を良しとしない松方の不器用だが一本な生き方がかっけー。それだけにラストシーン、あれで終わるのは納得できない。

松方弘樹の師匠筋、小沢栄太郎
最初の障壁、田中邦衛
最後の障壁、丹波哲郎 辺りがいい顔をしてる。

ファーストシーンがセックスやったまんま寝ちまった朝の起床なのだが、
そのセックスの相手が江沢萌子。腐る直前ギリギリの美麗さ。


◆『脱獄広島殺人囚』
五つ星評価で【★★★★自由はどっちだ】
脱獄シリーズ全三部作中1作目。
ぶざまでも何でも自由に生き続けろという
松方弘樹の魂の凱歌。トンマだけどかっけー

脱獄脱獄また脱獄。
職人芸な脱獄ではなく、ちょっとでもスキがあったら、そのスキは断固として突く。
こんなに簡単に脱獄してしまって、それだけって映画の方針がライト感覚で良い。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引400円減の1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
暴力金脈@ぴあ映画生活
脱獄広島殺人囚@ぴあ映画生活

2017年04月04日

『OKITE やくざの詩』『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』を新文芸坐で観て、映画愛びんびん2本立てだふじき★★,★★★

特集上映「追悼 松方弘樹」の1プログラム。

◆『OKITE やくざの詩』
五つ星評価で【★★★監督・松方弘樹の人としての優しさが滲み出た凡作(まあ、凡作の方が松方弘樹らしい感じがする)】
撮影監督が仙元誠三ってけっこう有名なカメラマンだった筈だが、おそらく監督・松方弘樹の指示通りにアーティスティックな画面は捨て、ベタっとした分かりやすい画面を作っている。アップを多用し、平たいTVっぽい画面。何かそういうのが逆に愛しい。
主役の加藤雅也が実にかっこよく撮れている。
その加藤雅也の出来た組長役が松方弘樹で、対抗する巨大組織に玉を取られてしまう。
そこで据えられた二代目が松方弘樹の不肖の弟・小沢仁志。このキャラのダメ具合が凄い。能力がなく、騙され通しで、権力握ってからは威勢のいい心の籠ってない掛け声を掛けるだけで責任は取らない。服のセンスが悪い。先代の愛人を寝取る。人としての美徳が何も備わっていない、まるで『仁義なき戦い』の金子信雄を思わせる何ともゲスい役。そのゲスい役を盛り立てなくてはいけない補佐役に遠藤憲一。バランスいい配役だ。しかし、この映画の小沢仁志は強烈。クズはクズらしく、邪魔になって身内の者に殺されてしまうのだが、殺しても自分が死んだ事に気が付かずにずっと居座ってそうなィャ感がある。


◆『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』
五つ星評価で【★★愛の暴走】
中島貞夫監督17年ぶりの新作がドキュメンタリーで、チャンバラ愛が暴走する。
いろいろな角度から語られているチャンバラ。
こういうのって見たり聞いたりした事がないので、とても資料密度の高い一本。
歴代の時代劇で使われてきた竹光の刀を見るだけでも楽しい。
それぞれにデザインが違って趣向を凝らしてあってみんなかっこいいのだ。

福本清三の死に芸はやはり凄い。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
OKITE・やくざの詩〈うた〉@ぴあ映画生活
時代劇は死なず ちゃんばら美学考@ぴあ映画生活

2017年04月03日

『暗黒女子』を渋谷TOEI△粘僂董▲殴薀殴藺臻足ふじき★★★★(ネタバレなしだけど、匂わせる部分はあり)

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▲このスイーツを全部たいらげる胃袋の貪欲さが暗黒女子だったりして。

五つ星評価で【★★★★いいな、女子が】
「暗黒(ankoku)」と耳で聞くと、今でも思いだすのがアニメの「一休さん」。
一休さんの暮らしている寺が「暗黒寺」だったのだ。
耳だけで聞いて凄い寺だと思ったが、後から「安国寺」と知った。
なので、この物語も「安国女子」だったりするかもしれない。
未来において良妻賢母となる女子は家庭や子供引いては国を守るため、
内なる敵を打ち滅ぼしてもかまわん、そんな気高い気構えの女子たちであろうとする。

よきかな、よきかな。
6名の女子が全く何の混同もなしにちゃんと見れるのは
キャスティングとスタイリング、メイクの腕前がいいのだろう。
あと、脚本とプロデューサーの力量が多分、半端ない。
彼女たち一人一人かちゃんとキャラが立ってカケラも混同しないよう気を配られている。

女子6人はまず主催者側と茶席に呼ばれたゲストに分けられる。
飯豊まりえ:主催者、太陽の女神。
清水富美加:副主催者、月の女神。本当に惜しい人を亡くしました。

ゲスト
玉城ティナ:留学生。ボブ。ブルガリア人なんて設定で来るとは思わなかった。
平佑奈:特待生の貧乏人。新入生、硬い。従順。眼鏡。あの落差には笑った。
清野菜名:女子高生作家。社交的でフランク。ショートカット。
小島梨里杏:スイーツ女子。小型犬みたいな小動物感。ツインテール。

6人に制服の落差はない。
やられがちなタイツ、紺ソク、白ソックスみたいな脚分けもない。
一度に複数人の登場人物を出して混乱させないというルールが厳格に適用されている。
ゲストサイドの四人それぞれが自分の描いた小説を朗読の形で読み上げるが、
その際には出てくる登場人物は主催者と自分とプラスアルファ一人。
香港のリンゴ・ラムみたいに一度に大量に登場人物を全出ししたりはしないのだ。
この徹底したやり方のおかげで、
ゲスト4人はそれぞれ自分の美点アピールと他者からの欠点ディスを4回ずつ浴びる。
こんなに分かりやすいキャラ立てはない。
彼女たちは太陽を賛美し、輝きを失った太陽の代わりに夜を支配する月に断罪される。
まるで太陽が撒いた種から、夜が終わりを迎える最後に狂い花を咲かせる光景のようだ。
4人のゲストが部屋の備品のようになり、
踏みつぶされ、馴染んで、大地を潤す肥料になった時、新しくまた種が求められる。
実はその新しい彼女こそが、その部屋の原罪があった時代を知らない唯一の者なので
収穫者を隠しながら近づいてくる簒奪者をも無化する、そんな可能性を秘めている。

と言うのは甘い夢か。

構成がエラリー・クィーンの短編推理小説『黒後家蜘蛛の会』のゴージャス・バージョンみたいだったのでニコニコしてしまった。


【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
暗黒女子@ぴあ映画生活
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暗黒女子@『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

2017年04月02日

『PとJK』をトーホーシネマズ渋谷5で観て、ジャニーズしっかりせえよふじき★★

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▲ネット画像を消されて透明人間になった亀梨くんに抱き着く土屋太鳳。

五つ星評価で【★★もっと最低なのを予想してたけど(なら見に行くなよ俺)、亀梨くんのアイドル映画なら、これでいいんじゃないの?】
PとJK、とは、
Pが土屋太鳳に寄生するパラサイト、
JKが亀梨和也のジャンキー警察官、
そして追いつ追われつ、血で血を洗うアクション
、、、だったら面白かったんだけどなあ。

Pはペニ・・・もとい、ポリス。JKは女子高生。
ただ、ペニ・・・ポリスのPがずっと鬱鬱悩んでいてサイコパスのPっぽくもある。

冒頭、この二人が出会って1、2回で結婚してしまうのが話の設定として弱すぎる。
(お試し小冊子では結婚まで話が到達しないし、もう少し二人の仲に対してゆっくり実績を積み上げてる風ではあるのだが、映画は話を先に進めるためにその部分をかなりすっ飛ばしてしまったのだろう)。

チラシのコピー

「PとJKが恋をした。
 一緒にいる方法はただひとつ。
 結婚から始まるピュアラブストーリー」


な、感じだから、早いところ結婚まですっ飛ばしたかったのだろうけど、そもそも二人の人柄を観客が把握しないうちに(恋も感じられないうちに)なし崩し的に結婚してしまい、その後でイチャイチャしてるかと思いきや、結婚後にマリッジ・ブルーみたいになってる。そら、相手が分からずに結婚したんだからなるだろ。なんか修行みたいな結婚生活は見てて全然楽しくない。愛があっても恋がない(=相手への思いやりはあってもトキメキがない)結婚生活なのだ。それは家族かもしれないけど夫婦ではないだろう。当たり前にエロシーンもないし(誰もこの映画にエロシーンがあるとは思っていないだろうが)。

という事で、おそらくプロデューサーが求めた展開(チラシから類推するに、早いとこ結婚させてキャラを立ててイチャイチャしいラブコメが作りたい)に対して作られた脚本が甘く、その脚本通りに、特に手直しをせずに職人監督廣木隆一が絵にした結果がこうだ、という感じ。

廣木隆一はキチっといい絵は撮っている。
でも、話はつまらないままなので盛り上がらない。

亀梨くんはこのつまらない物語の中で、彼なりに主人公の人物像を破綻なく仕上げていて、そこは役者として間違えていないのだけど、キャラの魅力から言ったらPとぶつかりながら徐々に分かりあっていく高杉真宙の方が全然魅力的なのだ。亀梨くんの役はウジウジしてて爽やかじゃない。本当なら座長として脚本を直させるべきだろう。もっと自分をかっこよく見せるように。そういう映画なんだから。これ、マンガの主役の「高圧的な所もあるけど温かいいい人感」がスッポリ抜け落ちてる。亀梨くんがアイドルとして忙しくてその業務を遂行できないのなら、その代わりを事務所がちゃんとやるべきだ。

土屋太鳳は私、役者として嫌いなので、バイアスかかってしまうのだけど、この映画はそんなに悪くない。他の映画と一応演技変えてるっぽいし。ただ、原作のキャラクターのクール感は落ちてる。あくまで役を自分に近づける人なのだ、この人は。いやまあ、Pのキャラ像がそもそも違うからJKのキャラ像だって原作のままではいれないから、それはきっと土屋太鳳の責任ではないのだろう。

土屋太鳳の同級生三人、
親友・玉城ティナはいい感じでそこにいて邪魔にならない。
美人系だけどハーフで髑髏っぽい押しの強い顔立ちが大した役じゃなく、
そんなにセリフも多くない自己主張の少ない役なのに、
確実にそこにいた事が分かるいい配役だ。
自己主張の少ない普通の子・西畑大吾も同じくいい感じだけど
ジャニーズなのに地味な顔なので、これは逆に覚えていられない。
ジャニーズだからネットの上で写真とか出ないだろうし。
高杉真宙は美味しい役。こういう傷つく青春って美味しいじゃん。
その青春を傷つける実母のヒモに川瀬陽太。
もう本当に河原から本当のクズ連れて来たみたいにしか見えない。
多分、この映画の中で一番上手い演技してるのはこの人。
あと、アップがほとんどないと思うんだけど、
あっても見たくないから私が目を背けてたりしたのかもしれない。

土屋太鳳の両親に村上淳にともさかりえ。
村上淳さんはいい役者だけど、あまり正業やってる人に見えないよね。
川瀬陽太が市井どこにでもいそうなDV系クズっぽさを身に纏ってるなら
村上淳さんはもんもんとか背負って事務所で脚組んでそうオーラがある。
そして、ともさかはこの映画公開中に離婚してしまった。
あー、ともさか好きなんだけどなあ。

あと、亀梨くんの同僚役が田口トモロヲと大政絢。
田口トモロヲがお巡りさんかあ(笑)。
丸くなったつか、流石プロジェクトXナレーター。
そして大政絢。銭形海ちゃん、リアル婦警さん役かあ。
銭形海の大政絢ちゃんには職質されたいけど(デレデレした職質)、
この映画のハイミスっぽい大政絢ちゃんの職質はドMに喜ばれそう。
亀梨くん、大政絢ちゃん、田口トモロヲの三人の誰かに取り調べを受けるなら、まあ普通に田口トモロヲだな。この田口トモロヲの役は螢雪次朗でも置き換え可能な感じだから、本当に丸くなったな。昔はヤクザとかヤク中とか鉄男とかばっかだったのに。

あと警察官は危険な仕事と言いながら、
この映画の中で亀梨くん関係で3回も傷害事件が起こるのだが、
どう考えても、それは歌舞伎町以上に危険じゃないか? 怖いな地方都市。


【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
PとJK@ぴあ映画生活
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PとJK@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 文化祭の巨大ブラバンみたいなのがかっけーんだけど、
 あれ演奏してる場所の下に行ったら女子高生のパンツ見放題じゃないか、
 と、そんな事ばっか思ってる俺のバカ(バカで幸せであります)。
PS2 ともかく男1人に女50人くらいの格差がある
 ドキっ!女だらけの映画ファンサービスデーという形で見たので、
 皆さんの協力があるなら、ポロリの一つも欲しかった(バカで幸せであります)。
PS3 『PK』というインド映画があるけど、『PとJK』的に
 意味を解釈すると『ポリス高校生』になる。
 『ペニ〇高校生』なら、最初の登場が全裸だし、
 社会の仕組みを学んでいくという物語だからギリギリ合ってるかもしれない。
PS4 そんな事言ったらジャッキーの『ポリス・ストーリー』
 『ペニ〇・ストーリー』になっちゃつて収集つかんわ!(何言ってんだ俺)

『パッセンジャー』をトーホーシネマズ渋谷1で観て、××××じゃんふじき★★★★(ネタバレあり)

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▲インテリ女と粗野な男の組み合わせってそこそこあるよなあ。

ネタバレあり記事です

五つ星評価で【★★★★予想を越えて面白かった】
原題は『PASSENGERS(乗客達)』、複数形である。
まあ、題名から『宇宙で二人だけ戦隊・パッセンジャー』と思ったりしていた。
主役のクリス・プラットはもちろんパッセンレッドだ。
ヒロインのジェニファー・ローレンスはもちろんパッセンピンク。
この二人の宇宙を股に掛ける大活躍をハラハラドキドキ堪能したのだが、
戦隊もの特有の追加入隊でローレンス・フィッシュバーン、パッセンブラックがやって来るとは思わなかった。もうちょっと尺があったらあの宇宙船が変形合体して人型ロボットになった事だろう。そこまでの尺がなかったので合体はレッドとピンクの肉体まででとどまった。

さて、何となくツイッターのTLから主人公がゲス野郎という事が伝わってきて、
それだったら二人目は主人公が起こすんだろう、そこまでは類推できた。
予告編で一人の時は髭モジャだけど、彼女と一緒の時は髭を整えてるのが傍証だろう、と。ただ三人目が現れるのは予想外だったし、そこからあんなにつるべ打ちに危機が連打でやってきて、落ち着いたところで呼び起こされた二人目に人生の選択肢が委ねられる展開は何ともクレバーでよろしい。

それにしてもほぼ二人芝居だが(バーテンダーがいるか)間が持つのは役者陣が好演してるからだろう。クリス・プラットの気弱な熊っぽい髭面は強すぎない男によく合うと思う。ジェニファー・ローレンスは皮膚がパタパタ変化しなくても大丈夫という事を証明して見せた(いや、そもそも大丈夫なのだけど)。

ラストに向けて、主人公とヒロインの仲が改善されていく事に
井伏鱒二の『山椒魚』みたいだなと強烈に思った。
「今ではもう、あなたの事を怒ったりしてないわ、パッセンレッド」という感じ。

あと、そうねえ。子供は作らんかったんだなあ、と。
衣食住の心配はないとしても、他人の手を借りずに子供を育てるのはいろいろ難しいからなあ。子供の病気とか、成長した子供の恋愛相手が彼等自身の家族しかいないとか。

アンディ・ガルシアはたったあんな2秒くらいのシーンで、
ギャラはロボットくんより沢山取るんだろうなあ。

無重力プールってのもいいアイデアだった。


【銭】
映画ファン感謝デーで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
パッセンジャー@ぴあ映画生活
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パッセンジャー@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
パッセンジャー@ノルウェー暮らし・イン・原宿
パッセンジャー@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS もう題名しか覚えていないけど本田美奈子主演で『パッセンジャー』
 って映画があったなあ。
PS2 あれだけの大事故が起こって、船の機能障害が完全にあれで打ち止めになったと
 保証できる謂れはないのだから、残酷かもしれないし、彼ら二人の生活を壊すリスクも
 あるが、船員を誰か一人起こすべきではないかと思う。
PS3 男がジミー土田みたいだったら恋の映画にはならないだろうな。
 ジミー土田じゃあまりにも分からないから、もうちょっと一般的な人選をすると
 南海キャンディーズの山ちゃんとかね。

2017年04月01日

『映画 プリキュア・ドリームスターズ!』を109シネマズ木場3で観て、まだ多いだろふじき★★

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▲キャラ多いなあ。

五つ星評価で【★★選抜戦だが選抜しきれず】
「プリキュア・オールスターズ」という
仮面ライダーの「ムービー大戦」に位置する
40人弱に対して「お前ら全員強制参加な」みたいな企画があったのだが、
流石にそんな強制連行みたいな召集で皆に等しく脚光が当たる訳でもなく、
今回はその中から現行チーム、前作チーム、前々作チームが
ミッションに当たる選抜制へと変更した。
各作品キッチリ見てないので正確には知らないが一回5人で約15人。
ほぼほぼ一人一人を紹介もせずに多人数を配置してドコドコ話を進めていくところは
まるで香港のリンゴ・ラムの映画のよう。

にもかかわらず、登場人物はまだ多い。
現行チーム(犯し、もとい、お菓子プリキュア)
前作チーム(魔法使いプリキュア)
前々作チーム(お姫様プリキュア)
前作と前々作は逆かもしれない。

現行チームに関しては、話のクスグリ部分で一人一人会話するので薄く個性が見えるが、
過去のチームに関しては(チーム長+チーム)が一つの個性という捉え方であり、
末端メンバーはアクションシーンの嵩増やしのみにしかその存在価値を認めづらい。
旧チームの出場で現行チームの出番が減る事を考慮するなら、
今回の話はプリキュア側は現行チーム1チームいれば充分の話ではないか?
複数チームにしたのだから、各チームの特性をもっと見せても良かったし
(それは程度の低い観客である自分が気づいてないだけという可能性は高いが)。

キャラが沢山出れば華やかではあるが、
これはナルトが分身の術で人数の嵩増やしをしているのと変わらない。
(爺さんだからスーパースリーのマイトが飛びだしゃパッパッパの方がシックリ来る)

しかし、悪い奴はただ単に悪い奴なのね。
悪い奴が悪い事をする理由が「欲」でしかない、と言うのは実はシビアで辛辣だ。
悪玉の声は山里亮太。南海キャンディーズの山ちゃん。
ツボを付いた甘えん坊ボイスで声はOKなのだが、
宛てたキャラが非美形だがエフェクト的に美しく仕上がってるので、
山ちゃんの「生理的受け付けない感」が削がれてしまったのは残念だ。
シズクの木村佳乃の宛て声はいいと思う。母性と友達感と両方強いいい声だった。

絵は美麗だなあ。こういう力の入った絵はずっと見てたい。


【銭】
109シネマズの週間メンバーズデーで1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
映画プリキュアドリームスターズ!@ぴあ映画生活

PS ただ、これは一見のおっさんが見るからそう思うのであって、
 この世界に浸れる女の子たちが集団である事をよりどころに
 悪と戦うプリキュアをみんなで応援できるイベント・ムービーになってるのだとしたら
 そのイベントに参加できないおっさん(ライトもらえないもん)は拗ねながらも
 それで全然いいんだよと、それはそれで認めなあかんのだろうな、とは思う。
 仲間には入れないし、入れてもらえなさげであるとも思いながら。

2017年03月30日

バンホーテンココアストロベリー

バンホーテンココアストロベリー


ヤバイ。美味いじゃん、これ。

2017年03月28日

『流れ板七人』『テキヤの石松』を新文芸坐で観て、松方弘樹かっけーのーふじき★★★,★★★

特集上映「追悼 松方弘樹」の1プログラム。

◆『流れ板七人』
五つ星評価で【★★★料理バトルよりは俳優の顔が楽しい】
物語として見た時、いしだあゆみ vs 梅宮辰夫 & 松方弘樹 & 中条きよし
という、いしだあゆみを頂点とした四角関係が鬱陶しい。
やはり、いしだあゆみがそんなに誰もを虜にする美女に見えないのだ。

物語に料理バトルを設定しながら、その結果が発表される前に映画が終わってしまう。
何なんよ、それ。
出来ればちゃんと負けて悔しがる中条きよしを見たかった。
酒井美紀かーいーのう。「女」としてというより「女の子」として可愛い。
「恋人」として可愛いより「娘」として可愛い感じ。
その酒井美紀が髪の束ね方もかなりぞんざいに厨房に出入りする。
料理人はやたら酒に溺れたり、煙草を喫ったりで、舌の味覚をダメにしている。
一流料亭の料理人と言うより、凄腕の立ち食い蕎麦屋の店主みたいな感じだ。
この料理人の描き方が実に東映っぽい。
別にそんなシーンはないが、この映画の料理人は毎日パチンコに行ったり、
競輪競馬などの公営ギャンブルで休みを一日潰したりしてしまいそうである。
修行せいよ、修行を。

料理人が梅宮辰夫、松方弘樹、東幹久、的場浩司、木村一八、中条きよし、
みんなモンモン背負ってそうなメンツばっか。
いかりや長介と加藤茶も一緒の場面はないけど同じ映画に出てる。

そして、結局、誰が「流れ板七人」だかが分からない。
いや、別に分からなくても全然かまわないんだけど。
一応、最後の料理対決に挑むのは店の仕切りまで含めると八人。
松方弘樹/東幹久/的場浩司/木村一八/いかりや長介/
いしだあゆみ/藤田朋子/酒井美紀

実質、オブザーバーに近いいかりや長介を除いて7人か?
膳を運ぶとかが主な仕事の女性3人を除きたい気もするが。
店の主人を「板」扱いするのがおかしいのなら、いしだあゆみを除くのが正解か?
みんなモンモン背負ってそうなメンツなんだから、料理より野武士と戦ってほしい。
 ※ いかりや除いてが正しい7人らしい。

▼これがその七人だってポスター図案。
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しきたりの強い世界で生きてきたいしだあゆみが恋するのが松方弘樹だが、
松方弘樹には自由奔放な妻・浅野ゆう子がいる。
この「いしだあゆみ」と「浅野ゆう子」という対比が分かりやすくていい。
決してこの映画の浅野ゆう子がいい役だったり、いい役者だったりする訳ではないけど。


◆『テキヤの石松』
五つ星評価で【★★★てきとードラマ】
松方弘樹が『仁義なき戦い』の角刈りヤクザのいでたちのまんまでテキヤを演じる。
このヤクザにしか見えない松方弘樹と妹の山本リンダが狭い下宿で
二人顔を付きあわせてるだけで、もうそんなん世界としてありえない面白さ。
このコテコテの松方弘樹が、ぶっちぎり処女みたいな檀ふみに惚れる。
山城新伍や小池朝雄の濃いメンツを使って詐欺企業に意趣返しをしようとするのだが、
詐欺で嵌め返す振りをしながら、最後の最後で現金を強奪強盗してしまう。
なんて適当な展開だ。そら本当はあかんやろ。

吉本が提携して大量に芸人が導入されている。
桂三枝、間寛平、笑福亭仁鶴とか。

凄い適当でいいわあ、これ。


【銭】
新文芸坐の会員割引250円減の1050円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
流れ板七人@ぴあ映画生活
テキヤの石松@ぴあ映画生活

2017年03月27日

『結城友奈は勇者である 鷲尾須美の章 第一章』を新宿バルト9−8で観て、分からんがおもろい★★★

結城友奈
▲結城友奈(ではない)

五つ星評価で【★★★頑張る女の子は絵になる】
TVアニメ「結城友奈は勇者である」未鑑賞。一見さん。

驚いたのは物語に「結城友奈」その人が出てこない事である。
TVアニメのスピンオフだが、TVアニメの2年前の物語という事。
世界を守る勇者に選ばれた少女の前任者の物語。

神樹を破壊しようとする異物を退治する3人の少女。
とってもテンプレートな設定だが、
無機的な怪物に対して少女達が制限時間の中、
傷だらけになりながら必死に戦う姿は絵になる。悪くない。


【銭】
特別興行1500円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第1章》@ぴあ映画生活
▼関連記事。
《『結城友奈は勇者である−鷲尾須美の章−』先行上映/第2章》@死屍累々映画日記

2017年03月26日

『ひるね姫』をUCT11で観て、あんたらで補えという部分がちょっと雑じゃない?ふじき★★

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▲この主人公のキャラが好きくない。

五つ星評価で【★★つまんなくはないが、もっとカッチリ、キッチリ作れただろう。あえて、その線を外してるように見えるけど、そのあえて外す理由が良く分からない】
まず、いたずら書きみたいな主人公のキャラが嫌い。野郎のキャラはいいんだけど、主人公だけ可愛くも美しくもなく世界から浮いている。

そして、夢と現実のリンクが意図的にだろうけど、雑に接合されている事がイヤだ。
接合が雑であるのに、リアルと夢が一目で違いが分かるのはご都合主義だろう。
夢と現実は二進数のように0と1で境界線がはっきりしている表裏一体のように描かれているが、私は夢をリアルと地続きに感じた事はあるが、裏表に感じた事はない。ひょっとすると監督はそう感じた事があるのかもしれないが、おそらくそれはあまり一般的ではないだろう(他人の事は分からないから強く断言しかねる)。夢でも現実でも同じ主観が世界を認知するのだから、一見して現実ではないと分かるような変な世界は夢で見ないと思う。夢を見てる中で徐々に「夢」と自覚する事はあるが、最初から「夢」と思って見ている夢はないと思うのだ。
なので、ココネが見る夢は物語としてはいいけど、何の説明もなしに、ココネがユニークであるとも言わずに、あれが一般的な夢であると言うのは納得しづらい。製作者は彼女が「ひるね姫」である理由を何で説明しなかったんだろう? 謎だ。

非プロ声優が充てている声もあるが、基本的に皆さんお達者でダメという風に感じた人は一人もいなかった。演出側がしっかり演技をさせたという事かもしれない。
主演の高畑充希も伸び伸びといつもと同じ声を出していたけど、一回コッキリなら別にこれで構わんでしょ。


【銭】
ユナイテッドシネマ金曜メンバー割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 「蛭姫」だったらダメだな。
PS2 エンドロールの物語の方が面白そうじゃない?

2017年03月24日

『マッドマックス怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』をキネカ大森3で観て、せっかくなのですが私カラーの方が好みです★★★

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▲絶美。

五つ星評価で【★★★慣れてきてしまいつつある】
白黒バージョンは初だが、トータルではこれで6回目。

白黒はかっこいいし、白黒だとどのカットを切り抜いてもフォトジェニックだ。
でも、だから過大評価されてしまう傾向もあるのではないか?
この白黒が作品としての初見なら、
おそらく絶対「こっちの方が素晴らしい」と太鼓判を押していたと思うけど。

それは白黒映画のカラリゼーションがどんなに上手にやっても、
オリジナルの白黒には敵わないケースを幾つも見ているから。
カラリゼーションはオリジナルのカラーを再現する事を至上とし、
白黒によりよく定着させようとした光の演出を無視するし、
色味の演出を入れないのだから、オリジナルには勝てない。

なので、最初から見てない映画の場合は、白黒とカラー、
どっちを最初に見たかで印象が変わると思う。

全体の中でオリジナルの色が欲しいと思った場面二つ。
 ケ藾媼圓寮屬ど。
◆ゥ縫紂璽箸反瓦鯆未錣擦觸の子の赤毛

白黒画面に槍持ちの男が現われるのを見て、
ベッソンの『最後の戦い』を思い出した。
まあ、アレ、あの槍でピョンピョンやる訳ではないのだけど。


【銭】
会員割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
マッドマックス 怒りのデス・ロード <ブラック&クローム>エディション@ぴあ映画生活
▼関連記事。
マッドマックス怒りのデス・ロード(1回目&2回目)@死屍累々映画日記
マッドマックス怒りのデス・ロード(3回目&4回目&5回目)@死屍累々映画日記

PS エグザイルっぽい和風バンドのチキチキ曲(でも嫌いではない)が、
 かからないバージョン、自分、初めてかもしれない。
PS2 3Dのように白黒は見てて慣れる。

2017年03月23日

『シング(吹替版)』を109シネマズ木場3で観て、なかなかええやんふじき★★★

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▲象はソウルフルだ。

五つ星評価で【★★★おもしろいお】
予告から予想される物語のまんま。
物語の基本線はとても簡単で、
ドン底の人間がチャンスに前向きに挑んで成功する。
それを副々線で並列でやる。
出演者のそれぞれの問題や鬱屈が歌で昇華される構成は
『コーラスライン』の歌版と言っていいかもしれない。
あと、吹替版でラスト物語の中心になる歌は五曲中一曲を除き日本語で歌われ、日本語字幕も付くという構成なので、そこで英語だと響かなさげだよねと心配する人は(そういう情報が流れたので)取り越し苦労だよと言っておいてあげたい(私自身がそういう心配をしたから)。

豚の主婦の「本当の自分探し」、ハリネズミ女子の「恋と自分」、ゴリラ青年の「親からの自立」、象女子の「自分を変えたい」、コアラ支配人の「夢と仕事と自分」。より取り見取りで自分の気持ちに合うサブ・エピソードを選べる。
トリが象女子なのは、これが一番誰もが持っているベーシックな問題だからだろう。

子供も楽しめるし、大人も楽しめる。
あまり大袈裟に凄い事を高々と主張しないから、
感動したり、涙を流したりはしないけど、時間キッチリ楽しんで帰れる。
とてもよく出来てる娯楽映画だと思う。
まあ、これはその敷居の低さから、絶対に賞とか貰えない類の映画だ。

吹替えに芸能人を多用しているが、これは成功。
基本、歌が歌えるキャストを集めたという事かもしれないが、
トレンディエンジェルの斉藤さんも、ハリネズミの長澤まさみも、
コアラのうっちゃんも、ちゃんと的確に仕事をこなしている。
MISIAはMISIAならではで絶品で、変えようがない。


【銭】
109シネマズのポイント6ポイントを使って無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
SING/シング@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
SING/シング@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
SING/シング@だらだら無気力ブログ

PS 豚主婦だけ英語の歌を英語のまま歌うのは何故?
 ちゃんとローカライズして日本語で歌えばいいのに。
 豚主婦はスーパーのステップでいきなりダンス開眼してしまうのもよう分からん。
PS2 イライラを誘う山ちゃんネズミ、ラストあのカットなので、
 エンドロールか何かに繋がると思ったのに繋がらなかったなあ。
PS3 カメレオンは研ナオコにあててほしかった。
PS4 でっかい人間がやってきて町を壊滅させる『SING疫の巨人』とか。
 歌で立ち向かうんだ!って、それじゃマクロスだな。

2017年03月22日

『レゴバットマン・ザ・ムービー』を一ツ橋ホールで観て、相変わらず作り込みが凄いなふじき★★★

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▲ばっとまん

五つ星評価で【★★★ちょっとビックリな素晴らしい出来なのだけど、好き嫌いからは並の映画】

吹替版での鑑賞です。
つーか、試写に当たったら吹替版だった。
字幕版を観てないので、いささかアンフェアなジャッジなんだけど、
見るなら吹替版をお勧めします。
その理由は画面・音声共に情報量がムチャクチャ高いから。
あれ、字数制限のある字幕版ではかなりの情報を捨ててしまう事になる。
映像もかなりゴチャゴチャして良くも悪くも見づらいので、
その上に字幕が乗るのは出来れば避けたい。
吹替版をイヤがっている人の中には、宣伝用キャスティング反対派の人がいるだろう。
私も基本、反対派です。
今回、非プロ声優として名前が上がってるのは次の三人。

小島よしお:ロビン
おかずくらぶ・オカリナ:市長
おかずくらぶ・ゆいP:ポイズン・アイビー

小島よしおなんてバリバリに大きい役だ。
でも、でも、でもでもでもでも、そんなの関係ねー。
という訳にもいかないだろうけど、はっきり言って、小島よしおを全く小島よしおと認識しないかと言えばそうでもない。ただ、個人的にはあまり気にならなかった。おそらくレゴ化したロビンのキャラクターと小島よしおの割と子供な存在感が似あっているのだろう。まあ、なんだ、異論は認める。基本、出来上がって見ると思ったより問題のないキャスティングではなかろうか。まあ、道義的にはあかんねんけど。以後、どんな映画のロビンも小島よしおが演じるとか言ったらそらぶち切れるが。

おかずクラブの二人に関してはほぼモブキャラ。
上手いとか下手とか分からんレベルの出演量です。

エンドロールにかかる曲が日本で付けた日本語丸出しの曲である。
うんまあ、割とどうでもいい。映画見終わったあなた方はきっといい意味で放心してるだろう。その横を通りぬけるエンドロールの曲が日本語でも英語でもそんなに実害はない。いや、気分は害するかもしれんが、そんな冷静な状態ではなく放心くらいしてろよ、と正逆に思ったりもする。

そう、映画見終わったら放心する。
レゴの映画、前回みたいなラストにちゃぶ台ひっくり返すような凄いオチはない。
でも、前回同様の充実感はきっと感じるし、前回同様の疲労感もきっと感じる。

映画の画面が全てレゴで構成されているので、
ゴチャゴチャしているにも関わらず、見やすい画面ではない。
でも均質でトーンがずっと同じ状態なのである。
これは意識に上がらなくても結構疲労を誘う状態だと思う。

まとめ。
レゴバットマン面白いし、意外と深いし、バットマン像を語る上ではけっこう重要な作品と言っても言いすぎではない。バットマンの事(アメコミの話とか)を詳しく知っていればいるほど、より楽しめるクスグリがいっぱい用意されている。

だから、逆に私はむっちゃ惹かれるという状態ではなかったのかもしれない。



【銭】
雑誌で応募して見せてもらったからロハ。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
レゴバットマン ザ・ムービー@ぴあ映画生活

2017年03月21日

『ハルチカ』をトーホーシネマズ渋谷4で観て、思い切った冒険演出はよしふじき★★★

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▲おっ、俺のフルートも……

五つ星評価で【★★★恋バナではない。それは個人的には良い】
原作小説未読、アニメ未鑑賞。

ちっちゃいのに色々熟れてて楊枝で刺すと破裂しちゃいそうな感じの橋本環奈。
その橋本環奈がケツキックしたり、過剰に構ってくれるって、そらプレイだろ、お前。
そんな状態にもかかわらず映画は恋愛サイドには落ちず、
ハグしたら胸の感覚分かりそうでいいよなあ、と思いつつもそこで寸止めなのだ。
橋本環奈とペアで同輩になるのはSexyZone佐藤勝利。
いやまあ、いんでね。おらぁホモじゃないけど、可愛い感じがあるだろ、この子。
この佐藤勝利が金田一くんみたいにいろいろ推理して欠損した部員をいつの間にか
黒魔術でも使っているかのように集めるのが映画の半分、
残りの半分は橋本環奈側の根性ストーリー。

映画として珍しいのは「吹奏楽部」全体を追うのではなく、
撮影対象は明らかに橋本環奈と佐藤勝利に限られることだ。
あくまでこの二人が大事であり、それ以外はみな出番の多いモブだ。
なので、部としての技量が上がり、全員一丸となってコンクールに参加して
これを撃破みたいな物語にはならない。

映画は引きずられながら始めたのに、
最後は牽引役を務める佐藤勝利の成長と、
いつも他人を優先するために自分自身が躓いてしまった時に
スムーズに立ち上がれない橋本環奈の再生、これだけなのだ。
変なバランスの青春映画だ。

ラストに行われる儀式めいた展開も、極力説明を省き、
いきなり始めて、躓きながらも事を成し遂げて終わる。
あの後、狂乱の校庭で志賀廣太郎校長がショットガンを手にして
一人一人惨殺しても大きな違和感はないに違いない。
それくらい変だし、絵空事だ。いっそ夢なのかと思った。
校庭につながっている墓の下からキャリーでも蘇ってくるかと思った。
夢落ちではないのね。演出としては反則か、反則スレスレだ。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを980円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハルチカ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ハルチカ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 一瞬、難病物になるかと思った。
PS2 橋本環奈に蹴られたいよりは橋本環奈を蹴り上げて「おっ」とか言わせたい。
PS3 「すいぶに入りませんか?」で水泳部になってしまう展開でも
 橋本環奈の水着が見れるなら願ってもない。
PS4 『ハル痴漢』だっていいぞ。
PS5 辻斬りにあって殺された幽霊が、その辻斬りを呪い殺すようなラスト展開
 と言おうか、大ホールで観客全員に強姦された少女が、その身体を押さえつけてた
 仲間に無理やりリハビリ受けさせられて前向きに歩くしかないみたいなラスト展開
 と言おうか、なんか、不穏な空気がビンビン伝わってくるような気がする。

2017年03月20日

2016年−1。時間が経ちすぎてもう独立した感想にできないや映画たち祭

題名まんまです。又、10本ずつドコドコやってしまいます。
※割ともうどれもこれも覚えてなくてヘロヘロでヒャッホー。

『鉄の子』角川シネマ新宿2★★★★
『ハッピーアワー』キネカ大森2★★★★
『太陽の蓋』ユーロライブ★★★★
『シン・ゴジラ(3回目)』池袋HUMAX3★★★★
『ホラーの天使』シネ・リーブル池袋1★★
『お元気ですか?』ユーロスペース1★★★
『何者』トーホーシネマズ日本橋9★★★
『バースデーカード』UCT6★★
『神様メール』ギンレイホール★★
『すれ違いのダイアリーズ』ギンレイホール★★★★


◆『鉄の子』
五つ星評価で【★★★★子役がいい。そして悔しいが杉ちゃんがいい。】
大好きな女優の田畑智子さんが出てるので、一応、それだけの理由で見に行った。
田畑智子さんは申し分なかったが、それと並ぶか、それ以上で二人の子役と、杉ちゃんの出来が良かった。杉ちゃんなんて、お笑い面白いと思って見た事がないから「役者になっちゃえよ」みたいに思うくらい良かった。軽く見えて重い映画。ハッピーエンドではないが、希望ゼロで終わる訳でもない匙加減が上手い。

◆『ハッピーアワー』
五つ星評価で【★★★★凄いよ】
5時間17分の映画に幾つも禅問答が埋め込まれながらドラマとしての破綻を感じない凄い映画。書こうと思ったら片手間で感想を書く事は出来ないし、もうすっかり抜けてしまったからもう一回見ないと感想を書けない。5時間17分をもう一回見るのは流石にしんどい(見だしたら苦にならない事は分かっているけど)。その長さという第一関門ゆえに、これくらい見た人と見てない人で温度差の違う映画はない。

◆『太陽の蓋』
五つ星評価で【★★★★シン・ゴジラのゴジラが出ない映画と言われた奴(と言いながら実録だ)】
この緊迫感は面白い。これと『シン・ゴジラ』を両方見ておくと両輪相い立つという感じ。あと『日本と原発4年後』というドキュメンタリーも同じように面白いのでオススメ。この二本の何がどう、それだけ面白いのかと言うと、それは『シン・ゴジラ』というフィクションを、どんどん肉付けできて、現実と橋渡し出来てしまうというヤバさが見えてくる、という事だろう。

◆『シン・ゴジラ(3回目)』
五つ星評価で【★★★★見たなあ】
「やはりあのボートと自動車が押し出されるビジュアルが好き」とだけツイッターに呟いている。そろそろ少し褪せてきた感はあったのだが、それでも、まだまだ楽しめている。

◆『ホラーの天使』
五つ星評価で【★★後味悪いよ】
葵わかなちゃんは可愛い。とは言っておこう。
映画自体の構成に仕組みがあるのはいいが、映画の筋にモラルがないのはちょっとイラつく。全てにおいて勧善懲悪を求めたりはしないが、仲間を見捨てて逃げてしまうような程度の低い人間が助かるのは、やはりイヤなものだ(その事に関するお礼参り的なトラップエンドもなかったし)。
題名が何で『ホラーの天使』なのか映画を見ても理由分からず。

◆『お元気ですか?』
五つ星評価で【★★★見たなあ】
B級アクション映画監督・室賀厚が撮るヒューマン・ドラマ。
『キャプテン』とかきちんと撮ってるので、単なる拳銃バカじゃない事は分かっていた。ごくごく普通に撮れている。けっこう器用にいろんな物が撮れる監督なのである(きっと)。ただ「室賀厚」というブランド名が高くなりすぎて「色々」に需要があるかどうかは難しいところかもしれないが。
映画のコアである10人目の人物像については、何となく予想できた。
菅田俊がアクション映画と全く同じ演技を披露。普通の人役だけど若い時に銀行強盗とかいてこました感が何となくあるような気がして怖いやんけ(なんて思うのは菅田で室賀だからってだけだろうなあ)。

◆『何者』
五つ星評価で【★★★いてててててて】
ツイッターをやるので(そんなに器用じゃないからアカウントは一つしか持ってない)、見ていて居たたまれなかった。そのツイッターで映画見た直後の感想↓

(1)怖いというより本当許してあげてくださいという感じ。
(2)ナニもモノもチンチンを表すという意味で哀しいタイトル。大きく見せたいよねえ


裏表ないな、俺(ええこっちゃ)。
別のタイミングで佐藤健は「仮面ライダー電王」でパーソナリティー多く共有する特殊な役をやったから適役とか呟いてる。確かにあのパーソナリティの連々は「何者」であったかもしれない。
有村架純ほっぺたふくらんじゃってる役だなあ。赤信号一歩手前に肥えてる。

◆『バースデーカード』
五つ星評価で【★★見たなあ】
評判は良かったが、残念ながら刺さらなかった。
監督の前作『びったれ!』の方が好き。

◆『神様メール』
五つ星評価で【★★日本人にはよく分からん】
アイデアは面白いと思うが、使徒や奇跡、キリスト教の死生観とかがよう分からんので、進む話に置いてけぼりを食らう。

◆『すれ違いのダイアリーズ』
五つ星評価で【★★★★本気で枝葉末節覚えてない】
タイの映画なので「タイした映画」としか……。
観た直後ツイッターで下のように呟いてる。

勿論全然別の話だけど色々些細な共通点が気になって「君の名は。」に似てる気がする。

誰か何が言いたいか分かる?(おで、我が事ながらもう分かんない)


【銭】
『鉄の子』:映画ファン感謝デーで1100円。
『ハッピーアワー』:三部同時鑑賞割引3300円。
『太陽の蓋』:映画ファン感謝デーで1100円。
『シン・ゴジラ』:ギンレイホールの会員証で鑑賞。年会費更新10800円。
『ホラーの天使』:テアトル会員割引1300円。
『お元気ですか?』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『何者』:109シネマズ、メンバーズデー(毎月19日)で1100円。
『バースデーカード』:ポイント2回割で1000円。
『神様メール』:ギンレイホール、会員証で入場。
『すれ違いのダイアリーズ』:ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかなは今回こっぱずかしい状態だから省略。

2017年03月19日

『リオ・ブラボー』をキネカ大森1で観て、ジョン・ウェインのかっこよさが分からないよふじき★★

五つ星評価で【★★あと長い】
「ジョン・ウェイン西部のかっこいい男代表」
という刷り込みがある人にはたまらないのかもしれないが、
残念なことにジョン・ウェインがかっこよく見えなかった。
信念のある男ってのは健さんにしてもそうだけど、黙っててもかっこいいんだけど、
ジョン・ウェイン年取って尻とか太ってて身体がストイックに見えない。
この辺は『太陽にほえろ』のボス、石原裕次郎がかっこよく見えないのと同じかもしれない。多少なりとも全盛期を引きずって演技が成立している気がする。

そのかっこよく見えないジョン・ウェインと
身持ちの悪そうな美人アンジー・ディキンソンの恋話は爺ちゃんとキャバ嬢みたいで
西部劇世界ではリアリティーが乏しい。姉ちゃん綺麗なんだけど、
何もジョン・ウェインに惚れなくても・・・なんで、この下りはジャマだった。

それとジョン・ウェイン白兵戦で二回もやられてしまう。
いや、寡黙で信念のある男なんだから、強くしてやろうよ。

その信念バカ・ジョン・ウェインを保安官にして、助手が述べ3人。
足と口の悪い老人、うるせーよ、てめー。
アル中の早撃ちガンマン、ちとかっこいいか。アル中描写長い。
若年の冷静沈着ガンマン。何で加勢するかが伝わらん。

ジョン・ウェインじゃなく高倉健だったら、もちっと乗れてた気がする。
但し、『あなたへ』の健さんは除く。

リオ・ブラボーが町の名前であるとは知らなかった。


【銭】
ワーナーブラザーズ・フィルムフェスティバル番組料金 一般1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
リオ・ブラボー@ぴあ映画生活

2017年03月18日

『ナイスガイズ!』をHTC渋谷3で観て、あんな娘欲しいわふじき★★★★

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▲アンガーリーちゃん(右)

五つ星評価で【★★★★ナイスガイズがナイス外じゃないっす】

米粒みたいな顔型にヒゲと眠そうな目の付いたライアン・ゴズリング、
いい奴で、そこそこ仕事もこなすけど、超できる感からはほど遠い。
その欠落したピースを埋めるのが娘のアンガーリー・ライス、
赤ちゃんすっ飛ばしてこうゆう娘が欲しいよなってボンクラ垂涎の娘。
機転が利くし、ひたむきだし、何よりあのダメな父ちゃんへの信頼感がたまらん。
欠落したピースではないが、そこはかとなく上手く嵌る
ビア樽みたいに丸くなったラッセル・クロウ。

この三人が図らずながらも巨悪に挑む羽目になる探偵映画なのだけど、
それぞれの得意分野と不得意分野の組み合わせで
ユニークなチームが出来上がっているのが面白い。

正義感は強いが実行力を持たないアンガーリー・ライス。
世渡りは上手いが正義感は薄いライアン・ゴズリング。
ちょっとゆるげだけど暴力担当ラッセル・クロウ。うん、いい組み合わせ。

ああ、でも、しかし、良いアクション映画は何も残らない。
いつも通りなそんな一本だなあ。


【銭】
テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
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ナイスガイズ!@ぴあ映画生活
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ナイスガイズ!@ここなつ映画レビュー
ナイスガイズ!@SGA屋物語紹介所

2017年03月17日

メンバーズカードの失権について

トーホーシネマズのメンバーズカードがまた失権してしまった。
いや、失権というよりは磁気不良によるカード認識不能。
認識不能になるスパンがあまりにも短かったので、
カード物理媒体の切替をする時に、ダメパターンを聞いた。

「定期券と一緒に保管するとダメです」
「それだ!」

一発で回答に辿り着いた。
スイカ・パスモ型の非接触系定期券は電波出してるので、
その電波がカードの磁気に影響を与えてしまうようだ。

このパターン、ユナイテッド・シネマのメンバーズカードでも起った事がある。
あかん、あかんで。

大きな字で書いておこう。
トーホーとユナイテッドのメンバーカードはパスモ・スイカ系の定期券と重ねたらダメ。

ちなみに、飯田橋ギンレイホールのメンバーズカード、
銀行のカードに外観が似てる奴。
磁気テープ読取用の黒いテープが巻き付いてる奴。
こいつは水に弱い。極力ぬらさない事。

こっちも大きな字で書いておこう。
ギンレイの会員カードは濡らしたらダメ。


fjk78dead at 00:09| 個別記事コメ(0)トラバ(0)映画 

2017年03月15日

『ワイルド・シティ』をHTC渋谷1で観て、期待に応えるリンゴ・ラムやねんふじき★★★★

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佐々木希似。▲

五つ星評価で【★★★★リンゴ・ラム変わらんなあ】

リンゴ・ラムは相変わらず山のように登場人物を出して、
整理できないままチーム戦にして、でも、面白いって言う困った個性のままだった。

主人公兄弟(厳密には違う)に逃げ込んできた美女、
彼等を襲う謎のグループ二つに黒幕、
主人公兄が昔、勤めていた過去がある警察関係。これらが複雑に絡み合う。

普通、主人公は一人でいいし、黒幕はいてもいいにしても、
主人公と対立するチームは一つでいいし、
警察だって介入しない話の作り方にだって出来る。
でも、この登場人物の津波の中をちゃんと筋とアクションを
描き切ってしまうのが流石リンゴ・ラム(たまに失敗もするけど)。

話の発端になるお姉ちゃんが佐々木希に似ている。


【銭】
未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引200円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ワイルド・シティ@ぴあ映画生活

2017年03月14日

『静かなる叫び』をHTC渋谷2で観て、ダメだと分かりつつ加害者に肩入れするよふじき★★★

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▲正者と死者が同居するカット。

五つ星評価で【★★★ファーストカットが衝撃的。全体はそんなに評価せん】

姉ちゃんがみんな綺麗なのは高評価。
まあ、それより何より冒頭のシーンの衝撃ったらない。
あんなん撮れるんが監督としての力量を表わしている。
あれを冒頭に持ってきた事で、続くどのカットも注目せざるをえなくなった。

欲を言うなら、事実に即した物語にした事で、できなくなったのかもしれないが、
目が醒めるようなオチが欲しかった。
オチがないからこそリアルなのかもしれないけど。

私、問題を起こした彼にはちょっとだけ好意を持った。
彼は彼の目標とするキャリアを彼が男である故に取れなかったのだろう。
最終的に彼の代わりにそのキャリアを得た女性は、
無計画な妊娠により、そのキャリアを捨てようとしている。
彼女が捨てる事により、その座は一つ無駄になるのである。
主張の方法が間違えているだけで、主張の内容が間違えてはいないのではないか?
では、彼はその主張を劇中の彼女のように、届けない手紙に書けばよかったのか?
今回は「対女性」であったが、これは「対人種」「対障害者」のような
特定の囲い込みを行う就職差別に対する怒りではないのか?

彼は女性と比べるとコミュニケーション・スキルに難ありの男に見える。
だが、だからこそ逆に彼はそのキャリアをすぐに捨てたりしなさそうだ。
彼だけでなく、「対人種」「対障害者」でキャリア得た者でさえ、
妊娠を優先させる彼女より、そのキャリアをまだ捨てなそうだ。
彼女たちだけが、彼の欲するキャリアを比較的簡単に捨てそうな者達なのである。
とは言え、それを持ってして、彼が正しいと主張しても通りはしないだろうが。


【銭】
未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引200円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
静かなる叫び@ぴあ映画生活
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静かなる叫び@ノラネコの呑んで観るシネマ

PS 『静香ちゃんの叫び』:もうのび太さんのエッチぃ〜!
PS2 彼にはあの刑がふさわしい。→カーテンの刑。

2017年03月13日

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』『ハドソン川の奇跡』をギンレイホールで観て、あんまよう分からんのと分かりすぎるのとふじき★★,★★★

◆『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
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▲コリン・ファース(左)のスーツの仕立ての良さげな事。
内に着こむ部分はピッチリ仕立てて軽く動きやすく、
外に着こむ部分は防寒で厚手で隙間ないような堅牢さで作られている。

五つ星評価で【★★躁の作家と鬱の編集者か】
リアル会社でトラブルのケツふいてた為、
いたく疲労まみれでズブズブに鑑賞して撃沈。

実にサラリーマンチックなコリン・ファースが
実に破滅しちゃってたまらんぜタイプ作家ジュード・ロウの原稿を
切って切って切りまくる。

お話としてはアメリカの話だけど、
コリン・ファースのスーツの仕立てがやけに重厚でキチっとしていて、
全く弾けないキャラの性格と相まって、とってもイギリス人のようであった。
特にそれ以外は特別に思う事はない。
浮かび上がったり沈んだりみたいな状態でかなりの時間、睡魔に撃沈されてしまった。


◆『ハドソン川の奇跡』
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▲これは墜落直後のシーンだけど、スーツがペラペラ。
 公聴会の時もこんな感じのペラペラ生地だった。

五つ星評価で【★★★一回目同様だけど気まぐれで星一つ増やした】

手堅く何回も事故が再現されて
多くの時間を割きすぎないのが映画として、とても素敵。

ただ、やっぱトム・ハンクスはつまらんと思う。
アーロン・エッカートは若い時は変なガチャ目っぽい顔だったけど、
年とともに何でも演じられる普通の顔に変わった。

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』と違って、
トム・ハンクスとアーロン・エッカートが公聴会に行く時に着ている
スーツの仕立てが妙にペラペラでショボい。
金持ち&エリートとしてのパイロットではなく、
地道に積み上げたキャリアの結果、辿り着いた職業である肉体労働者として、
制服(労働服)をスーツに着こんでる男という表現なのかもしれない。

個人的にスッチーが若くてミニスカで頭悪いのが一人もいないのが残念だ。
多分、前回はその落胆で星一つ少なかったのだ、きっと。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
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ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ハドソン川の奇跡(一回目)@死屍累々映画日記

2017年03月12日

『フランケンシュタインの逆襲』をキネカ大森1で観て、うむう古いなふじき★★

五つ星評価で【★★凄く大袈裟で良くも悪くも舞台みたいな芝居に舞台みたいな音楽】
多分、前にも見た事がある。
怪物役がクリストファー・リーで歴代の怪物の中ではスマート。
怖いというよりは可哀想なタイプだが、
それでも意思の疎通などは全くできそうにない。
動き方が意思で動いていると言うより、筋肉痙攣の結果動いているように見える。
うまいな、クリストファー・リー。


【銭】
ワーナーブラザーズ・フィルムフェスティバル番組料金 一般1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
フランケンシュタインの逆襲@ぴあ映画生活


2017年03月11日

『明治天皇と日露大戦争』をシネマヴェーラ渋谷で観て、精神論で戦う戦争の映画はあかんねんふじき★★

特集上映「新東宝のディープな世界」の1プログラム。

五つ星評価で【★★戦争映画は文系ではいかん。理系でなくてはいかん】
日露戦争の陸戦(旅順要塞攻略)、海戦(対バルチック艦隊戦)がお得なパックになってる映画。この日露戦争二つの戦いは司馬遼太郎の『坂の上の雲』で、もう嫌になるくらい勝利の理由が述べられている(嫌にはならない)。
でも、そういう理由は蘊蓄になってしまうので、ドラマには甚だ乗せづらい。
なので、この映画も軍人さんが頑張ったから勝てました、みたいになってしまった。
頑張ったのは相手の軍人さんも同じだから、精神論で勝敗はひっくり返らないよ。

宇津井健とか高島忠夫とか天地茂とか丹波哲郎とかが若手でバンバン出てくるのは、今見ると面白いかも。


【銭】
シネマヴェーラの夜間会員割引。一般1300円から400円引きで900円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
明治天皇と日露大戦争@ぴあ映画生活

2017年03月10日

『永い言い訳』を新文芸坐で観て、もっくん対竹原ピストルの構図に唸るふじき★★★

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▲モックンと子供
五つ星評価で【★★★竹原ピストルすげえな】

竹原ピストルって今までに全く見なかった訳でもないだろうけど、見た記憶はない。
もう、そこいらのダンプの運ちゃん捕まえてきて演技させてる風にしか見えない。
この竹原ピストルとモックンが好対照。
まあ、ざっくり言うとモックンいやな奴なのである。
竹原ピストルもダメな部分はあるが、イヤな奴感は薄い。
竹原ピストルのダメな部分は自分で変えられない部分がメインであるが、
モックンの嫌な部分は意識する事で変えられる、メンタルな部分である。
モックン大人なのに人に甘えて、上手く甘えられなそうになるとダダをこねてる。
子供ならともかく大人だし、モックンの役は恵まれた階層の人間なので、
そこはお前が大人らしく振る舞うべきだろう、とつい思ってしまう。

この物語はそのモックンが妻を失う前に既にマイナスであるのに、
妻を失う事が契機になってトントンの線まで戻る物語だ。

今回、やっとこさ名画座で見たのだが、やはり見るのに躊躇があった。
最初のチラシに付いてるコピー

妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。

居たたまれない。
私も父の葬儀では泣けなかった。
感情欠落と言われようが、そう泣けはしない。
そんなんを再確認させられるのはある意味たまらない。
なので後回しにしたが、やはり西川美和監督作品は見ておきたかったので見た。

これは、妻が死んであまりその事に親身ではないのに可哀想な自分を腫れ物のように開示しなければいけない自意識過剰のひねくれ者の話だ。妻の死が痛手でないと言えば嘘になるが、彼が冷静でいられるのは、彼女は彼に取ってどんな甘えをも許す甘え装置みたいな関係で、にもかかわらず彼が彼女に対して取っていた「甘え」が本当にどうでもいい事で、なくなっても困らない程度の物にすぎなかったからだろう。大した関係ではないのである。彼女から彼に対しての愛はなくなっていたが、逆に彼から彼女に対しての愛も自覚はないがなくなっていたと言える。

そんな彼がずっと居心地悪そうにしているのを見ているのはキツい。
だから、単純人間の竹原ピストルと、ごくごく普通の子供二人が出てきたのは良かった。
この三人が仮に出てこないなら、モックンは二時間ばかし黒木華と延々とSEXをする、そういう映画を作ればオチる気がする。それはそれで見たいのだが、映画としてはそっちの方がキツいだろう。

彼の事を「さちおくん」と呼び嫌がられる深津絵里を失った後にやって来るのは、彼の事を同じように「さちおくん」と呼ぶ竹原ピストル家族である。映画の冒頭では執拗に嫌がっていた「さちおくん」を竹原ピストル家族には許してしまう。それは「モックン」+「深津絵里」の関係が家族の外に見せつける「形式」の家族であった為「さちおくん」なんていうダサい呼び方は許容できなかったのだろう。「モックン」+「竹原ピストル家族」は外に見せるような関係では全くないので、呼び方はどうでもいい。この関係のイビツなこと。

深津絵里からモックンへの「さちおくん」。モックンは作家名で呼ばれたい。妻の深津絵里は自分のプロモーションの一部を担う存在なので「さちおくん」などと呼ばれて、そのプロモーションにマイナス展開されては困る。これは「家族」の形骸化であり、深津絵里からモックンへの個人的な感情である「さちおくん」は無視され続ける。
竹原ピストル家族からモックンへの「さちおくん」。モックンはこの関係は大事に思ってないし、公に公表すべき関係でもないので、どうでもいいと思っている。竹原ピストルはバリバリに距離を縮めようとして「さちおくん」を使っている。終盤、その距離が縮みすぎた事でモックンは自滅する。案外、呪い的な……


【銭】
夜間会員割引で800円

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永い言い訳@ぴあ映画生活
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永い言い訳@映画的・絵画的・音楽的

2017年03月08日

『天国はどこだ』『群盗南蛮船』『貸間あり』『江戸の悪太郎』シネマヴェーラ二本立て×2レビュー

特集上映「新東宝のディープな世界」<『天国はどこだ』『群盗南蛮船』
「名脇役列伝杵臆崟蕷瓢劼任瓦兇い泙后廖磧愨澳屬△蝓戞惺掌佑琉太郎』
どれも旧作で、どれも初見。

◆『天国はどこだ』
五つ星評価で【★★★★悩む木村功、輝く津島恵子、善人なのに得体のしれない沼田曜一、そして金やん】
暴力団に生活を握られている部落の村。新任医師の沼田曜一は保育園の津島恵子とともに生活を改善しようと努力するが、なかなか難しい。そこに部落出身の津島恵子の恋人、木村功が刑務所から出所してくる。木村功は暴力団と拮抗しながら村の人々を守るが、暴力団の罠に嵌って暴力事件を起こして村の信用を失墜させてしまう。

若くて無鉄砲でケンカっ早くて子供の人気者のヤクザを木村功が好演。
ヤクザ稼業から足を洗い、カタギになるのだが、
実入りが少なくなり子供たちを豪遊させられなくなった彼を
子供たちが見限っていくという設定がリアルにイヤらしくて泣ける。
役名が「ケンさん」。
ちなみに高倉健こと健さんが初めての任侠映画に出るのは、
この映画の7年後だから役名については単なる偶然である。

映画のヒロイン津島恵子が美しい。松雪泰子っぽい。

沼田曜一、いい人っぽく見えない。何か企んでそう。
まあでも、目に輝きのない小金治と言えば小金治っぽいかもしれん。

若かりし日の金やんが特別出演で出てくる。国鉄スワローズのピッチャーだそうである。

木村功と揉めるヤクザのチンピラに西村晃。チンピラが板に付いていて、この人がこの後、水戸黄門になろうとは誰も思わんかったよなあ。

ヤクザの組長に加藤嘉。強欲でカリスマ力を持つオールバックの加藤嘉が一瞬も瞬きしないで怖い。


◆『群盗南蛮船 ぎやまんの宿』
五つ星評価で【★★★尾上菊五郎一座総出演……は売りではないと思うのだが。少なくとも今は】
最近、上映されると足を運ぶ稲垣浩監督作品。
基本的にダイナミックな娯楽作品ばっかでいいんですわ。
で、監督名だけで見に来た。
こっちが目当てだったけど『天国はどこだ』の方が面白かった。
歌舞伎の尾上菊五郎一座総出演らしい。
DNAのせいか、みな、ひょろうんとした瓜実顔っぽい。
江戸時代っぽい顔ではある。
主役の尾上梅幸が良くない。二枚目の役だが二枚目に見えない。演技の癖が強くて単に不真面目な役に見えて、女が惚れる男に見えない。これは役者の責任。
その主人公を支えるの尾上松緑も良くない。女にもてたがりで大酒飲みの自分知らず。男から見てもモテない事が分かる奴。こいつは好きになれない。これは脚本の責任。
後半、唐突に入る海賊のダンスはミュージカル風だが、
江戸時代が舞台の映画に馴染んでいない。

現代的な顔立ちの久我美子に惹かれるが、古風な顔立ちの花井蘭子の方が主役のせんである。そんなに強く魅力を感じないのは私が今の人だからだろう。1950年の作品。


◆『貸間あり』
五つ星評価で【★★★TVっぽい】
川島雄三監督、フランキー堺主演の有名な軽喜劇。
何だかスピディーでTVっぽいけどバタバタしてて、そんなに好みじゃない。
立ちション好きなのか川島?


◆『江戸の悪太郎』
五つ星評価で【★★★★明朗快活な泰然自若時代劇】
大友柳太朗の貧乏浪人が素行の悪い占い師をとっちめる。
子供に男装しながらも全く女の子丸出し状態の大川恵子が可愛い。


【銭】
各二本立てプログラム、シネマヴェーラの会員割引一般1500円から400円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
群盗南蛮船 ぎやまんの宿@ぴあ映画生活
貸間あり@ぴあ映画生活
江戸の悪太郎〈1959年〉@ぴあ映画生活

2017年03月06日

『日本と再生』『I am Your Father』『Who Killed Idol?』『ザ・スライドショーがやって来る!』を4本まとめてレビュー

近近に見たドキュメンタリーを4本並べてレビュー。

◆『日本と再生』ユーロスペース1
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▲荘厳
五つ星評価で【★★★★あれ、あの続きやん】
見るまで知らなかったけどあの傑作『日本と原発 4年後』の続きの映画だった。
前作も用意周到に、かつ、分かりやすく、「何故、日本に原発がいらないのか」をネチネチと説明しきったのだが、今回は「原発をやめて自然エネルギーに変えるメリット」を洗脳まがいにプロパガンダする(褒めてる)。
洗脳、かつ、プロパガンダで間違いない。ただ、多分、ここで言われている事の方が、自分達の保身と既得権益を手放したくないが為に国の舵取りを誤っている政治家屋さんたちより正しいのだ。正しい事なら洗脳ANDプロパガンダでも悪くない。
困ったもんだ、既得権益。
映画の中で、自然エネルギーのデメリットに関する部分を殊更、小さく取り扱っているとは思うが、が、が、が、それにしてもメリットの方が大きいだろう。それは世界各国での自然エネルギーへの変換のサクセス・ストーリーが物語っている。仮に、これでもダメだというなら、何故ダメかを為政者側がちゃんと説明すべきだ。

ちなみに今でも続編が作られ続けている「仮面ライダー」は風力をエネルギーとする自然エネルギーヒーローである。もっともその風車を回転させる為に使っていたバイクはごくごく普通の化石燃料燃焼型のバイクであったが。


◆『I am Your Father』HTC渋谷3
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▲デビッド。
五つ星評価で【★★★デビッド・プラウズ伝】
『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーを演じたものの(声は別人)、今ではルーカス・フィルムと疎遠になり、公式イベントにも大役なのに呼んでもらえないデビッド・プラウズの伝記映画。
気持ちいいのは撮影者が撮影対象に持っているリスペクトが伝わってくるからだろう。
それでいて、対象者を甘えさせてはいない。バランス感覚がいいのだろう。

映画は撮影対象とルーカス・フィルムのわだかまりを作ったと言われる事件の真相を暴く。もちろん、これたけが全ての原因ではないかもしれないが、この一例だけでも解明したのはとてもいい事だ。一事が万事で色眼鏡をかけられ、他の事も冤罪のように誤解を受けているかもしれない(その責任の全てが会社側にあるとは思わないが)。

デビッド・プラウズのボディービル仲間としてTVドラマ「超人ハルク」で変身後のハルクを演じていたルー・フェリグノが出ていたのには驚いた。


◆『Who Killed Idol?』テアトル新宿
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▲目が死んでる二人。
五つ星評価で【★★★可哀想な彼女たち、そして真相があまり明確にならない映画】
『Bis誕生の詩』の姉妹編映画。
アイドルグループの選抜合宿で新生Bisのメンバー選出が行われるまでが姉妹作品の内容。選ばれた後、落選した彼女たちに出された「ライバル・ユニット」への参加という御褒美と、その御褒美が大人の人間関係によって壊れてしまい、ユニット存続不可になるまでが今作。
アイドル映画としてとてもよい熱量を持っている。
女の子は可愛く撮れている。
「のび太」の仇名を持つ女の子は「すげーブス」という認識だったが、
ライブでは可愛く思えるようになってた。つまり、磨けてたのだ。
アイドルではないが、マネージャーの山下百恵の普通っぽい所がいい。

映画としてはいろいろ問題があって、
前作のオーディション、今作のユニット再構成みたいな事を延々とやっているのにも関わらず、女の子の顔や名前が最後まで一致しなかった。それは芸能物でありながら、各人の個性をアピールしたり、まとめたり、ダメ押ししたり、みたいな配慮が薄かったのではないか。
チラシでは解散の内幕が映画で全部明らかになるような勢いで書いてあるが、実際は藪の中でよう分からん。

”蕕吋罐縫奪硲咤蕋咾ライブで勝ちユニットBiSの楽曲を無断使用した事
■咤蕋單括責任者の過去の罪状についてBiS統括責任者が知らず仁義を欠いた。

この二点だと言われているが、芸能界と接点がないから,皚△眤腓靴浸に思えない。単にSiSを解散させるためにダダをこねて「業界のしきたりがどうのこうの」「こんな奴に付いていっちゃダメだ」など無理強いしている風にしか見えない。その癖そんな事を言っているBiS側が人手が足りないからと解散させたSiSの統括責任者を雑用に使っている。斬るなら斬れよ。そこを斬らずにSiSだけ解散とか単に女の子たちに対して手の平を返したようにしか見えない。
BiS物はこれで3本目だが、どれをとっても過酷な目に会う女の子に対して、取り扱うスタッフに、それを強いるだけの強い覚悟を感じられない。そんな物ない。業界は女の子を騙して笑って生きていくのだ。そういうならまあ、そこに飛び込む女の子たちは不憫だが構造的にダメなのかもしれない。


◆『ザ・スライドショーがやって来る!』新宿ピカデリー4
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▲ロツクンロール・スライダーズ
五つ星評価で【★★★ネタより理屈なのはよくない】
みうらじゅんといとうせいこうの「ザ・スライドショー」の内幕暴露。
みうらじゅんやいとうせいこうサイドから見て、どういう理屈で、
どういう風にショーが作られているかを解説する。
成り立ちや成り行きを一度まとめておきたかったのかもしれないが、
それは日記に書けばいい事であって、
公に発表されても、それを他人が使える訳でもないし、どないすんねん。

個人的には単にネタをドッサリ積んでもらった方が面白かった。
ただ、もう全てのスライドショーを渡り歩き、
今までの全てのスライドは見てるから、ネタその物に興味はない、
という人だらけだったら、この構成でいいのかもしれない。


【銭】
『日本と再生』:ユーロスペース会員割引1200円。
『I am Your Father』:未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引1100円。
『Who Killed Idol?』:テアトル会員割引1300円。
『ザ・スライドショーがやって来る!』:番組特別料金1800円。


▼作品詳細などはこちらでいいかな
日本と再生 光と風のギガワット作戦@ぴあ映画生活
I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー@ぴあ映画生活
WHO KiLLED IDOL? −SiS消滅の詩−@ぴあ映画生活
みうらじゅん&いとうせいこう 20th anniversary ザ・スライドショーがやって来る!「レジェンド仲良し」の秘密@ぴあ映画生活
▼関連記事。
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2017年03月05日

『トリプルX:再起動』をトーホーシネマズみゆき座で観て、洋画らしい洋画ともかくスッキリふじき★★★★

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▲佐々木希のブラみたいなカットだなあ。

五つ星評価で【★★★★洋画らしいほんまに洋画らしい】
拳銃バンバン撃って、世界の危機がドンドン来て、美女がうふんうふんクネクネで、
洋画はかくあるべきという一本。こーゆーのに大入りしてもらいたい。
っつか、劇場に行ってでっかいスカラ座でかかると思ってたら、
こじんまりなみゆき座だったので、ちょっと凹んだ
(興行的にはララランドには勝てんからしょうがないが)。

再び呼び戻されたエージェント、ヴィン・ディーゼルと
謎の男ドニー・イェンの二枚看板になったのが映画としては大成功。
ヴィン・ディーゼルは嫌いじゃないけど、
随所にドニー・イェンのアクションがカッティングされる事で、
実に贅沢なアクション映画になった。
高速道路の追いかけっことかドニー様の『カンフー・ジャングル』みたいで燃えた。
いやいや、『カンフー・ジャングル』の、あのカットないから、
あっちの方がすげー、でも、まんまやらないよな。
しかし似てるんで、未見の人は『カンフー・ジャングル』もチェックしてほしい。

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▲なかなかいいスリー・ショット。

拳銃美女二人(連動アクションがかっけー)と
科学者ちゃんと情報屋ちゃん、美女づくしでええわあ。
科学者ちゃんは喋り続けのドジッコ属性みたいなのがちょっとウザい。

チーム戦的にはこれに若い兄ちゃん達とでかい男達が付く。
こんなところにトニー・ジャー。もちっと目立っても良さそうなもんなのに。
野郎4人はまあ、いい箸休めみたいなもんだな。

そしてトニ・コレット。
この人、なんか直前で観たなと思ったら『マイ・ベスト・フレンド』
ドリュー・バリモアの癌になる友達だ。まあ、当たり前だけど健康体で憎たらしい。
久々にいなくなってスッキリ溜飲下がるっていい悪役でした。

ダイヤル9の秘密はよいなあ。


【銭】
チケット屋で額面1400円のムビチケを1400円でGET。
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トリプルX:再起動@ぴあ映画生活
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トリプルX:再起動@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
トリプルX:再起動@徒然なるままに
トリプルX:再起動@だらだら無気力ブログ
トリプルX:再起動@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

2017年03月04日

『LUPIN THE RD 血煙の石川五エ門』をシネマサンシャイン池袋2で観て、スタイリッシュは正義ふじき★★★

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▲動かざること不動の山・風。
五つ星評価で【★★★センスよなあ】  
大傑作の前作『次元大介の墓標』ほどではないが満足できる作品だった。
前作と比べると、もう一つトリッキーな展開が話にほしかった。
 敵が来た―敵を打ち負かす
ただ、これだけの単純なプロットで楽しめてしまう今作も異常に凄いが、
ダメ押しで、もう一つ明確なオチとか展開がほしかった。

ヤクザのロクデナシ具合(そして強い)も、
止められない殺し屋も、ルパンも、次元も、五右エ門も、銭型ですら、かっけー。
峰不二子は今回はいるだけ。

自分を追い込む五右エ門の前に立った事でひどい目に会うヤクザとか付いてるけど
劇場版ルパン第一作の斬鉄剣を折った相手へのリベンジ・マッチに話が似ている。
と言うか、そんな大した話じゃないからな。
基本、五右エ門という男は「今ある事を変えない」キャラだから、
強敵が来れば常に同じ展開になるかもしれない。


【銭】
額面金額1300円のムビチケを1300で購入。急いで買わなくても1000円くらいに底値が落ちていた。
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LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門@ぴあ映画生活
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LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門@だらだら無気力ブログ
▼関連記事。
LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標@死屍累々映画日記

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▲悪そうな顔だぜい。

2017年03月02日

『虐殺器官』を池袋ヒューマックスシネマズ5で観て、アレを思い出さずにはいられないのは私だけ?ふじき★★(ネタバレあり)

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▲これが記事中に書いた思いだせなかった主人公の顔。

五つ星評価で【★★驚くべき奇想だが展開の地味さからか話はダレている】
原作小説未読。だから、原作がどれほど優れているかという観点からは語れない。
「虐殺を発生させるメカニズム」については、
そういう事を考えるのは実に奇想ではないかと思うが、
それが奇想に見えるように上手く映像化されていないと思う。
「なんで?なんで?なんでそんな事が?」という畳み込みが足りない。
安易に人を殺す描写だけ鮮明でも、それは話の溝を決して埋めはしない。

感情にフィルターを付けさせられている特異な人物が主人公であるが、主人公は人並に葛藤する。葛藤はするが、葛藤の際にあった感情は整理され、冷静に結論を得る。
「虐殺」を手中に収めた異物、ジョン・ポール、この人物と主人公を対話させるが、どちらが狂っているという強い違和感を見出せなかった。概して二人とも冷静だ。
ここはどちらかが狂っており、どちらかが狂っていないという差異を見たかった。どちらにしても最終的な結論は「狂ってない者も狂っている」なのだから。

今回のアニメの絵が好きでないというのもあるが、キャラが立っていない。
主人公と同僚とジョン・ポールくらいは
パッとビジュアルを思いだせるようにしないと失敗だろう
(見て三日も経っていないのにもう思いだせなくなっている)。

そして、虐殺に関する、あの概念。
アレはどう見ても「モンティ・パイソンの史上最高のギャグ」
が引き金になって生み出されたに違いない。
であるなら、お手本があるのだからそんなに奇想でもないか。
じゃあ、お手本が分からなくなるくらいの加工か、
お手本が気にならないくらいのディテールの突き詰めみたいなのを見たかった。


【銭】
1800円の入場料金に対して、1500円の前売券を事前に買いそびれてしまったので、チケット屋を物色して、額面料金1300円のヒューマックス系映画館共通入場券を1500円で購入して見た。

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虐殺器官@ぴあ映画生活
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虐殺器官@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評