2016年08月26日

『マルクスの二丁拳銃』『凸凹猛獣狩』をシネマヴェーラ渋谷で観て、バリ満足と不満足ふじき★★★★,★★

特集上映「映画史上の名作15」の1プログラム。

◆『マルクスの二丁拳銃』
五つ星評価で【★★★★あーもーマルクス兄弟おもろい】
相変わらずわんぱくでお茶目なチコのピアノ演奏。
相変わらずそこだけ耽美なハーポのハープ演奏。
そしてグルーチョの出鱈目っぷり。
3人集まると更にいつ終わるかも分からない出鱈目っぷりの連続。
マルクスの出鱈目って完全に実生活と離れたレベルの「出鱈目」なので、観てる観客をとても安心させる。今回はクライマックスの列車大暴走でのスラップスティックなアクション系笑いもいいが、どこを切りとっても何かしら笑いを取ってる細かいアチコチのシーンが本当、珠玉のよう。酒場のシーンとかで兄弟がふざけてると、舞台を見ているみたいに酒場の登場人物もみんなニコニコしてる。ゆるくて楽しい。ゆるいけど、物語の主筋はちゃんと貫くので安心して見れる。

「列車を止めるためにはどうするんだ」
「ブレーキを何とかするんだ」
「この後、この映画で一番のギャグを言います」
ブレーキを破壊するハーポ
「ブレーキをブレイク(破壊)したな」

「ブレーキを壊したな」なんて訳しちゃあかん。


◆『凸凹猛獣狩』
五つ星評価で【★★アボット&コステロはどうも向かん】
ジャングルが舞台、土人の音楽は楽しい。
人の三倍くらいの大きさのゴリラが出てくる。なかなか特撮じゃん。
と、見所はある物のヤセ君とデブ君がともかくドタバタ追いかけっこしてるのが
あまり面白く感じられないのよ、私。

アボット&コステロはどうも合わない。
痩せで辛辣、独善的なアボットと、デブでダメなんだけどラッキーなコステロという組み合わせで、ヤセの方は単に嫌な奴にしか見えないし、デブの方もその嫌な奴に最低の扱われ方をされて当然のようなクズにしか見えない。どっちかって言うとデブの方が嫌い。自分のダメな部分を「どうしようどうしよう」と右往左往してるだけの上島竜平みたい。つまり、割とダメ芸人扱いされている上島竜平だって、場を引っ繰り返せる秘密兵器的な一発ギャグを持っているのに、コステロにはそれがないのだ。ただ、事態から逃げ回ってヘラヘラ笑ってるだけ。そんな奴は好きになれない。男は血の涙を流して敵に噛みついてナンボ。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
マルクスの二挺拳銃@ぴあ映画生活
凸凹猛獣狩@ぴあ映画生活

2016年08月25日

『ヤクザと憲法』『徘徊ママリン87歳の夏』『ビハインド・ザ・コーヴ』『道頓堀よ、泣かせてくれ!』『尾崎支配人が泣いた夜』『存在する理由』6本まとめてレビュー

未レビュー邦画ドキュメンタリーをできるだけ短評で。

◆『ヤクザと憲法』キネカ大森3
五つ星評価で【★★★★すげー前に見たな】
ヤクザってどんな生活してるの?
関心に従って門を叩いてしまうのが凄い東海テレビのドキュメンタリー。
いかつい虎の剥製や事務所の防衛鉄板など物見遊山としてだけでも面白い。
主体をヤクザに移すと、グレーな部分(反社会的な部分)がグレーなまま映されても
ヤクザ側に感情がシフトする。そういう感覚が自分に起こるのがおもろい。
そら、ヤーさんに町で出会ったら警戒してしまうのは変わらんけど。
ヤクザの弁護など手を出さなければこんな目に合わないのに
弁護を依頼されて断れない山口組の顧問弁護士の人の良さそうな感じが泣けた。
「憲法の話なんかしてましたかいのう?」くらいにそこは小さい。
「ちんぽうの話なんかしてましたかいのう?」そこは小さい
ではないので、怒るなヤクザ!


◆『徘徊ママリン87歳の夏』K's CINEMA
五つ星評価で【★★ケース・バイ・ケースで、こういう事が出来る場合もあるだろう】
徘徊する認知症の母に合わせて会話する娘。
このやり取りに悲惨さがなく、おもろいのが見もの。
確かにこれは認知症患者とその肉親の上手くやれるモデルケースとしてとても良い。
なのだけど、誰もがこうやれる訳ではない(近づける事は可能)。
徘徊する肉親がいつ徘徊しても問題がないように、
保護する肉親がかなり自由でいなければならない。
実際なかなかこうはできないのではないか。

それで全てが解決する訳ではないだろうが、GPSとかで所在確認ができるなら、
徘徊者の介護はもうちょっと楽になりそうな気がする(今やってるかどうかは知らん)。


◆『ビハインド・ザ・コーヴ』K's CINEMA
五つ星評価で【★★★★コーヴへの返答】
デタラメな映画なのにアカデミー・ドキュメンタリー賞を取って私個人の失笑を買った『ザ・コーヴ』に返答する映画。結局、問題の映画がデタラメである事は分かる人には分かるのだが、言われっぱなしだとそれが真実にされてしまうと言うのが、とっても出来の悪い今の社会システムなのだ。
だから、ちゃんと「デタラメはデタラメ」という映画ができてよかった。
おもろいのは活動団体シー・シェパードに関しても監督はフレンドリーに取材して、現場にいるシー・シェパードが鬼畜みたいな存在でない事もちゃんと映ってたりする(但し、町にとってはいろいろ迷惑な存在ではある)。極めて冷静にフェアに作られている。

但し、結局、何故、日本の捕鯨叩きが始まったかという部分に関しては、この映画で語られる事は眉唾ではないかという異論も出ている。それはそれで、誰かが検証して『ビハインド・「ビハインド・ザ・コーヴ」』という映画が出来ればいいと思う。

結論部分は差し置くとしても、結論が誤っているからと言って、それ以外の部分が誤っている訳でもないだろう。だから、これはこれで見ものとしてとても面白い。ちゃんと欧米人に見てもらいたいんだけど、その辺りはどうなんだろうか?


◆『道頓堀よ、泣かせてくれ!』トーホーシネマズ新宿1
五つ星評価で【★★★★一生懸命な人がんばれ NMB48のドキュメンタリー】
普通のドキュメンタリー映画を撮ってる監督に撮らせたNMB48のドキュメンタリー。どうなんだろう。監督の作品、観た事あるかと思ったら1本だけ観てた。『フタバから遠く離れて第二部』イカもの食いだねえ、ふじきさん。「フタバ」はちゃんとしたドキュメンタリーでした。で、NMB48の事なんて全く知らない。グループでそこそこ中のメンバーも含めて知ってるのってAKBくらいで、NMBもSKEもHKTもよう知らん。なので、こういう自分と同じ門外漢が撮ってくれた映画は自分が分からない物を納得した上で、外部出力しようという明確な意思があって、非常に見やすかった。
劇場で欠けたメンバーの代役を務める為にどのパートでもこなせるようになってしまった
選抜されない異能「劇場職人」沖田彩華のエピソードが泣かせる。基本、とてもベタに頑張ってる女子を応援したいのだ。そして、この沖田彩華のエピソードを見て、映画『バトル・ロワイアル』の前回優勝者を思いだしたりした。彼女は800人のオーディションから生徒役に選ばれたにもかかわらずケガで降板した。彼女は黙々と出てこれない生徒の代役吹替えをこなす。何人かこなした後にスタッフの気づかいで彼女は前回優勝者という役を貰う。うん、あの子(岩村愛(=岩村愛子))ちょっとしか出なかったけどよかった。


◆『尾崎支配人が泣いた夜』シネマロサ1
五つ星評価で【★★★さしこ監督の手腕、HKT48のドキュメンタリー】
NMB48のドキュメンリーと同時期に公開されたHKT48のドキュメンタリー。NMBがプロのドキュメンタリー監督が撮る事に対抗して、HKTは「さしこ」こと指原莉乃が監督する事を売りにした。
ふんだんにある映像素材から祖型は作ってあったのではないかと思う。それに味付けしたり、この事件このインタビューだけは欠かせないという最終調整を指原がしたのではないか。という事で、あんまりトンマとかマヌケな映画にはなっていず、ちゃんとお金を払っても勿体なくないような出来になってました。
一番注目させられた、頑張ってもなかなか報われない女の子というフォーマットは奇しくもNMBと同じなのだが、AKBの内包する一番の泣きどころはここにある訳だし、これは観客側も容易に自己同一化できる場面なのだから、あって不自然と言う事はない。ただ、こっちの方を後に見てしまったので、個人的には題材の新鮮さは薄れた。


◆『存在する理由 DOCUMENTARY OF AKB48』トーホーシネマズ六本木4
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▲記事の中に一つくらい画像貼っておくかな、と。じゃ、綺麗どころで。

五つ星評価で【★★★★痒い所に手が届く】
毎年、作られるAKBドキュメンタリーの新作。
今年は長年彼女らと行動を共にしてきた石原真を監督に据える。
去年から今年にかけてのトピックスを追いながら、
ちょっとずつ、そう言えばあれはどうなった、あの事も描きたい伝えておきたいという部分が多く、とても内容が豊富でありながら、なかなかまとまりのいい一本に仕上がった。

主なトピックス
・総監督が高橋みなみから横山由依へバトンタッチ
・選挙
・NGT48
・新勢力エイター
その他に伝えたいこと
・海外グループってどうなのか?
・元メンバーの現状(焼肉店オーナーと光宗薫)
・モ娘。、モモクロ、文春へのインタビュー

企画力が強いというか、いや、せっかく監督になったのだから、これも収めておきたい。聞いておきたい。語らせてあげたい。という近くにいた者ならではの親心が強く出ててよかった。

ジャカルタでトップアイドルになってる日本人と言うのにも目を見張ったが、
あの時も今も綺麗な光宗薫さんが笑顔で語ってくれたのは良かった。


【銭】
ヤクザと憲法:テアトル会員更新の招待券で無料鑑賞。
徘徊ママリン87歳の夏:正規入場料金1500円。
ビハインド・ザ・コーヴ:正規入場料金1800円。
道頓堀よ、泣かせてくれ!:額面1500円のムビチケをチケット屋で900円でGET。
尾崎支配人が泣いた夜:安いムビチケ見つからず、泣きながらロサのレイトで1300円。
存在する理由:額面1500円のムビチケをチケット屋で980円でGET。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヤクザと憲法@ぴあ映画生活
徘徊 ママリン87歳の夏@ぴあ映画生活
ビハインド・ザ・コーヴ〜捕鯨問題の謎に迫る〜@ぴあ映画生活
道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48@ぴあ映画生活
尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48@ぴあ映画生活
存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48@ぴあ映画生活
▼関連記事。
ザ・コーヴ@死屍累々映画日記

2016年08月24日

『魔法使いの嫁 星待つひと:前篇』を新宿ピカデリ−10で観て、ちょっと商売としてアコギなんちゃうかふじき★★

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▲魔法使いと嫁(らしい)。詳細は知らん。

五つ星評価で【★★作品はともかくとして】
原作マンガ未読。
原作マンガの前日談にあたる部分の物語で、導入部は原作マンガと同じ時世から始まる。原作から初めて、過去の事を登場人物に語らせる手法。私はこのマンガについて知らないのだが、今回は「イベント上映」であり、「あなたたちはこの物語を知ってる人たちですよね」という前提で物語が語られる。登場人物の紹介等は一切ないが、叙事詩のような壮大な物語の一部という訳ではないので(憶測)、登場人物の関連性は見ているうちに何となく分かる。多分、それで充分なのだと思う。だから、より多くの客を掴む為の分かりやすい導入などがない事については殊更に非難する気にはなれない。残念だが、よくある事だ。いや、どうもこの「前編」は「前編/中編/後編」三部作の一つ目に当たり、これらは全てコミックス6巻7巻8巻のオマケになるらしい。と言うのが後からチラシを見て分かった。コミックスに付くオマケが元々の企画なら、もう完全に「知っている人」向けの映像でいい訳だ。今回のイベント上映はそのソフトをコミックス発売に先駆けて劇場でも見れるようにするという企画である。ごめんなさい、そんな人達の中に紛れ込んでしまって。だって「合言葉を言え」とか「踏み絵」的なガードが掛けられていなかったんですもの!

という訳なんだけど、話は至極、丁寧にちゃんと作られているのが分かる。
クリーチャーの見せ方とか「分かってるな」という感じを強く感じる。
実にいいのである。見せ方が上手い。
ただ、問題なのは短さだ。物語が始まる前に終わってしまう。
今回の前編は導入部にすぎない。
TVドラマでタイトルが出るまでの部分と思ってもらえばいい。そら、短いだろう。

観た後、ツイッターに呟いた。

「魔法使いの嫁・前編」上映時間50分、予告抜かして40分、メイキング抜かして30分。それでパンフ1600円取るってボロ儲け具合がヒドすぎるな

正確に時間測ってた訳ではないから予告とメイキングがそれぞれもう少し長かったかもしれない。特別価格の1000円ってのは昨今のイベント上映にしては安いなと思ったが、それに見合う本編の短さであった。でも、メイキングが付いてるから好きな人には、問題ない価格設定なのかもしれない。

しかし、この30分弱の作品に対して「劇場版パンフレット」を1600円の価格で売るってのはおかしくない? いや、買わんかったから分からないし、買えば納得する出来上がりなのかもしれないけど。「金を持ってる子供がいるから、巻き上げてやろうぜ」って感じがプンプンして、ちょっと引いた。

一応、イベント上映が続くなら、この後も見ると思う。
それは作品自体は面白いから。
やらないよね。次の上映で60分で特別価格2500円とか。
同じような価格帯なら行く、面白いから(こんな心配させられるのは本当やだな)。

なので、映画に関しては実はまだ評価できる所まで行ってなくて、
今回の星二つは劇場で感じた気持ちだけですね、気持ち悪いって言う。


【銭】
特別価格1000円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
魔法使いの嫁 星待つひと:前篇@ぴあ映画生活

PS 嫁だけに「マンガ読め」ってことなんだろな。

2016年08月23日

『ルドルフとイッパイアッテナ』を新宿ピカデリー9で観て、そう閉めるとは思わなかったふじき★★★(18禁感想)

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▲どろろと百鬼丸みたいに、ルドルフが実はメスであっても全然驚かないね。

五つ星評価で【★★★ラストの閉じ方についてはちょっとやられた】
飽きはしないし、主役の二匹を演じた井上真央と鈴木亮平がともかく好演。
ルドルフをやった井上真央の宣伝での鈴木亮平いじりが面白くて、
この二人で何かしらのプロモーションを再度やってほしい。
それは別にこの映画の案件でなくても構わない。
そう言えば「クリーム玄米ブラン」CMの二人なのか。
鈴木亮平のイッパイアッテナは声優と比べて何の遜色もなし。
どちらかと言えば隣家の猛犬デビルをやった古田新太が起用されそうな役だが、
堂々と人生の酸いも甘いも味わった猫の声を演じている。何の違和感もない。
というより、イッパイアッテナの声から鈴木亮平の顔を逆算して思い浮かべられない。
これは大した事だと思う。

その逆にルドルフの井上真央は「井上真央の声」というバイアスがかかる。
でも、別に悪くない。配役知らない人が見たら、違和感なく見れるだろう。

ただ、私は普通ではないので、優香が『チキンラン』で雌鶏演じてた時のように、全くセクシャルでないアニメキャラで、声だけで劣情をもよおせるかとかいうのを今回も考えながら見てた(堂々ダメ人間だなあ)。優香ではダメだったが、井上真央のルドルフでは大丈夫、劣情もよおし可能である。
これは子猫のキャラが可愛い事と、声自体が可愛い事、井上真央とそのキャラが似てなくもない事に起因すると思う。単純にルドルフの着ぐるみだったら井上真央は着てくれそうだもの。
なので、ルドルフの「ハアハア(*´Д`)」声やトーホーシネマズの「でっかいのが来る」とかを聞いてニヤニヤしちゃう私なのだけど、よい子のみんなは真似をしないように。これは視野の広い大人だからやっていい特権だよ。と言うか、特権と言う以前にやるなよ、俺。

八嶋智人の演じたブッチーが嫌い。八嶋智人そのものがそんなに好きな俳優ではないのだが(役のレンジが狭いから)、この映画では八嶋智人は置いといて、お調子者とされる猫のピョンピョン跳ねるような非現実的なアニメートが嫌いだ。

しかし、岐阜か。
岐阜自体がこんなに大事な土地として取り上げられる映画が他にあっただろうか。
最終的に岐阜は約束の地ではなかった。
何だかルドルフってイスラエルに行ったらパレスチナ人がいたユダヤ人みたいだな。
黒猫はユダヤ系の黒髪の象徴だったりして。それに名前ドイツ系だし。
その彼が弾き飛ばされたのが魔都東京。
東京も岐阜も都市の違いが全然感じられなかったけどね。
まるで岐阜のように姿を隠す魔界都市東京。
そして、彼に色々な物を与えてくれる土地「岐阜」は「GIFT」に音が近い。

「お前、岐阜とかいう所に帰りたいらしいな。じゃあ俺がGIFTを送ってやる」
そう言うなり、デビルは捕まえたルドルフの菊門に彼の屹立した彼その物を押し付けた。
「ああ!」
ルドルフはもう子供だった頃の自分に帰れない事を自覚した。
ハアハア。
井上真央ちゃんの声で是非(やれるかボケ)。


【銭】
前回有料入場割引+ネット割引で1200円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ルドルフとイッパイアッテナ@ぴあ映画生活
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ルドルフとイッパイアッテナ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
ルドルフとイッパイアッテナ@映画のブログ

PS 実はメスネコだったルドルフが自分の成長に戸惑う
 『ルドルフにオッパイアッテナ』も見たいぞ。

2016年08月22日

『少年ケニヤ』『カムイの剣』を角川シネマ新宿1で観て、ホラ話の異端と正統ふじき★★,★★★

少年ケニヤカムイの剣

▲歌詞から抜き出した「口移しにメルヘンください」というコピーがもう本当天才的

◆『少年ケニヤ』
五つ星評価で【★★なんつか気色悪いアニメ作りよったのう。】
初見。
大林宜彦監督作品。
実写監督がアニメ監督やる時は「名前貸し」みたいな事が多いらしいのだが、
実物を見ると、どう考えてもこれは大林が手も口も出している。
奇抜な演出が多く、現場の人は難儀したであろうことが手に取るように分かる。
で、そんなに苦労しただろうに、あまり良い結果が残っていないのが泣ける。

そもそも山川惣治原作の挿絵そのままのキャラがアニメートに向いていない。
花輪和一の描くマンガみたいで、爽やかさが一つもなく感情移入しづらい。
秘境大冒険絵巻であるが、明確な目的地もなく、父を探し歩く道程は出たとこ勝負で
ダンゴ状に並ぶエピソードの一つ一つがそんなに面白くない。

子供の頃に両親とはぐれてアフリカ原住民の神として崇められてる少女ケートの声を原田知世が演じている。いきなり自分と同じ年頃の半裸男子を見て、「♪ワタルワタル」とダチョウをバックに踊る少女に感情移入してアフレコをする原田知世を想像すると、これも泣ける。トカゲ族(コモドオオトカゲの皮を被ってる)に拉致され、トカゲの生皮を着せられたりもする。このシーンは実写の原田知世で観たかった。

エンディングテーマは渡辺典子の「少年ケニヤ」。
この曲がたいそう気持ちよくって映画の減点をかなり忘れさせる。
百恵ちゃんの竜童、阿木ペアいい仕事しよる。
渡辺典子の上手い感じじゃないけどスッと耳に入ってくる声が良い。

PS ティラノサウルスや原爆や2001年のスターボウ演出まで出てくる盛沢山っぷり。
PS2 ドイツの軍人は何でアフリカで原爆の開発をしてたんだろう?
PS3 彩色セルを裏から撮るなんて、素人がやりたいと必ず思う効果を
 実際にやってしまうのが大林だなあ。その場面のキャラは何か水死体っぽい。


◆『カムイの剣』
五つ星評価で【★★★壮大な物語と和太鼓が素敵】
劇場公開時に1回見てるので多分、2回目。
和太鼓をメインに据えた宇崎竜童の劇畔がともかくかっこいい。
久しぶりに見たのだが、話のスケールのでかさと敵の悪さにビックリする。
2時間13分は体感時間としてちょっと長いが、長い話をコンパクトにまとめてると思う。
主人公と惹かれあうお雪がなかなかエロい。
寸止めでエロ展開に進まないのがなかなか良識だ
(この良識を踏み外してたら凄いトラウマ映画になっただろう)。
それにしても主人公のジロウがモテモテだ(悔しいのう)。
そのジロウの敵天海のともかくねちっこい策略が凄い。
こういう人が近くにいたら嫌だなあ。舅とか姑が天海さんだったら地獄。
一つの事案を成立させる為に10年20年と謀略を巡らすものなあ。
主人公に対して、これだけひどい事を成し遂げた悪役は映画史上でも希だと思う。

そいで、これも渡辺典子の歌う「カムイの剣」が宇崎・阿木コンビで名曲。
天海さんの頑張りでけっこう濁った話なんだけど渡辺典子のクリアボイスに救われる。


【銭】
チケ屋で「角川映画祭」の共通前売券額面価格1000円を1000円でGETして、使用。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
少年ケニヤ@ぴあ映画生活
カムイの剣@ぴあ映画生活

2016年08月21日

『下妻物語』をシネクイントで観て、相変わらず無茶苦茶おもろいやんふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★かーいーのなんのって】
二回目か三回目。中島哲也監督もこれだけは好き。
深キョンも素晴らしいが、土屋アンナも素晴らしい。
土屋アンナなんて素晴らしすぎて、
その後のキャリアはこの映画のヤンキーの拡大再生産みたいだもの。

ともかくJUSCOの懐の深さが素晴らしい。


【銭】
シネクイントのサヨナラ興行で500円。さらばSPACE PART3
▼作品詳細などはこちらでいいかな
下妻物語@ぴあ映画生活

PS 真木よう子、どこに出てたんだろう?
 お針子さんかな、ヤンキーかな。
PS2 小池栄子がまだ、グラビアの人の名前だけ欲しいんだよ的な扱い。
PS3 名優っぽくないいい加減な感じの樹木希林がいい。

2016年08月19日

『ロスト・バケーション』をトーホーシネマズ日本橋1で観て、鮫も頑張ってる佳作だふじき★★★★

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▲ケツとかぷりっとしてても男前な姉さん。

五つ星評価で【★★★★やっぱり鮫の映画はいい】
生物学的に言うと、
鮫が何故あんなにブレイク・ライブリーを食べたいのかがよく分からない。
鯨の死骸だってあるし、男たちだって何人も毒牙にかけてるし、
それでもう食料は豊富じゃないのか? 
メスの人間じゃないと食べません、とかグルメな鮫なのか?
確かに野郎だけの時は襲ってこなかったし。
じゃあ、医学生の彼女に出来る最善の策は近くにいる鳥をとっ捕まえて
自分の股間に接合してチンチンの偽装を・・・はっ、私ったらなんて事を!
(いつも通りだぜ!)

満潮になると沈んでしまう岩礁に避難した彼女の周りを悠然と泳ぐ鮫。
『シャークネード』の鮫だったら助走付けて空、飛んで襲ってくると思うが、
あの鮫は密度薄くて風に乗ってどこまでも飛ぶから種類が違うんだろう。
うん、今回の鮫は重そうだった。
逆に重いんなら、因幡の白兎ヨロシク頭の上に乗ってしまえとも思うが、
いや、白兎はそれで生皮剥かれちゃったんだっけ。
剥くのはあそこだけで、、、弁士中止!
・・・はっ、私ったらなんて事を!(だから、いつも通りだぜって!)

ブレイク・ライブラリーはカワイコちゃんでも、SEXYでもなく、
どっちかってえと「男前」的な感じだった。ダニー・トレホを美人にしたみたいな。
両方から怒られそうだな。
基本、このブレイク・ライブリーが一人で間を持たせるんだから、
彼女も芸達者だし、脚本が上手なんだと思う。
そこそこの短さだけどピンチがやってきてから一瞬もダレなかった。
あまりにも何の展開も思い付かず、映画がダレダレになるようだったら、
岩礁の上で彼女が気を落ち着かせるために林家二楽師匠譲りの紙切りの芸を披露とか、
江戸屋猫八師匠譲りの猫の物真似を披露するとかあったかもしれないが、
そういうのがなくて良かった。
いやいやいやいや、紙切りしながら、その紙で近視の鮫をごまかしたり、
猫の物真似で鮫の聴覚をかく乱したりとかするのよ。
たまに「おさむちゃんでーす」とかフェイント入れて、フェイントにならなくて、
食べられたりとか(終わっちゃうやんけ)。

総論で、普通に面白かったです。
で、あの鮫が流れ流れてシン・ゴジラになるんだと思います
(そんなに違和感ないっしょ)。


【銭】
映画ファン感謝デーに見たので1100円。

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ロスト・バケーション@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ロスト・バケーション@映画的・絵画的・音楽的
ロスト・バケーション@お楽しみはココからだ
ロスト・バケーション@ノラネコの呑んで観るシネマ
ロスト・バケーション@だらだら無気力ブログ
ロスト・バケーション@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ロスト・バケーション@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 作りかけのブログ記事が吹っ飛んだので、一から作り直しの記事です。
 そのせいで逆にタガが外れて出来が良くなったかもしれない。
 ああでも、やっぱりブログ作ってる最中、原稿が壊れるのはキツい。
PS2 日焼け止めを塗ったにもかかわらず、長期の陽光の下での活動は
 彼女の肌を焼く。『ロースト・バケーション』という奴ですな。
PS3 男は殺して女だけ手を出すなら、鮫の形をしてるけど
 実はドラキュラみたいな吸血鬼かもしれない。
 海パン一丁のドラキュラって想像しづらいんだけど。
PS4 海パン一丁の鮫と言えば、アニメ版の『海のトリトン』の悪役が
 海パン一丁の鮫だった。確か、クラゲは通信担当の子分みたいな役だった筈だ。
PS5 海パン一丁の鮫が海パンを脱いで、ブレイク・ライブリーと
 メイクラブする映画が見たいなんて言いません。だから、言わないんだってばさあ。
PS6 医学生じゃなくて洋裁学校の生徒だったら、海月でドレスを、、、、
 はっ『海月姫』! 能年玲奈でリブート・オファーだあ!

2016年08月18日

『ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説』をシネマート新宿2で観てあかんねんなふじき★★

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▲前半部のヒロインのこの子が垢抜けなくて良かった。

五つ星評価で【★★出だし好調、中盤以降沈没】

軍の厄介者みたいな扱いの主人公が大活躍の末、
大古の文明の遺産を探し当てるが、
恋い焦がれていた女の子をその遺産の力に奪われてしまうまでが前半部。
その後、政府の調査隊に参加する事で、彼女との再会をかなえるのが後半。

「魔界」とか「妖魔族」というキーワードが出てくる映画は普通に地雷映画だろう。
まあ、もう本当にその通りの映画。

とは言うものの、
前半のあれよあれよという間に大古の文明の遺産に辿り着いてしまう
スピード感や無駄にお金をバンバン掛けてる感じのCG多用は良い。

ギャレス・エドワース・ゴジラ風ドラゴンもパクリっぽいが出来は悪くない。
前半部は朴訥な主人公、可憐なヒロイン、主人公を気に掛ける先輩、
ヒロインの父のマッド・サイエンティストと主要人物のキャラも立っている。
後半は全部捨てて、話もつまらないので後ろに行けば行くほどキツくなる。


【銭】
シネマートのポイント10ポイントを使って無料鑑賞。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ドラゴン・クロニクル 妖魔塔の伝説@ぴあ映画生活

PS そんな少人数に人類の命運を賭けちゃいかん。

2016年08月17日

『ある機関助士』を神保町シアターで観て、機関車つおいふじき★★★

特集「鉄道映画コレクション」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★シュッシュッポッポの脅威が垣間見える】
初見。

機関助士(機関車の運転助士)の一日を記録するドキュメンタリー。

蒸気機関車って熱くて重くて当たると痛そうなので、
是非、ゴジラにぶつけたいところなのだが、
残念なことに制御が難しそうで無人にはできそうにない。
映画内の機関車は脱輪でもするかのような勢いで狂ったように走る暴れん坊である。
その融通の利かなそうな暴れん坊を抑えるのが機関士と機関助士。
難物の機嫌を取りながら、常に細心の注意を払い、
いつもと違いがないかを確認する。いつものように動かしながらベストを模索する。
仕事への敬意が見て取れる記録映画だ。

それにしても蒸気機関車と言うのは化け物のようだ。
その熱にピーピー悲鳴を上げるヤカンを乗せながら、軋みながら全力疾走する車体。
よくも脱輪しないよなあ、という風に見えてしょうがない。
空撮によって映されるモクモクと上がっては背部に流されていく排煙が呪わしく見えてステキだ。

ただ、映画としては普段行っている作業の工程を説明するでもなく、漫然と機関士、機関助士の仕事を映して撮っているのみなので、一本の映画として面白いかと言うなら、答はNOである。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ある機関助士@ぴあ映画生活

2016年08月16日

『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』を神保町シアターで観て、ガラガラやったけどええ映画やんふじき★★★

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▲中井貴一って割と役者として信用してるな。

特集「鉄道映画コレクション」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★家族の映画】
初見。10人いないくらいの客席はちょっと寂しいが
個人的には空いてる方が気楽でいい。

中井貴一演じる大企業に巣食うイヤミなエリート主人公が、
親友の死や母の大病を契機に自分を見つめ直し、
良い息子、良い父親、良い夫、良い社員になる話。
今、流行りの歌詞でいうところの
「♪NO1にならなくていい。そのまま大切なONLY1」みたいな(おいおいおい)。

中井貴一が大企業の部長職を辞職して、
49歳の電車運転士に転向する主人公を演じるが、
前半の全てが仕事優先であるイヤな顔の時と、
電車運転士になって我が薄れ、仙人のようになっていく後半の落差が凄い。
後半ラストの中井貴一は「芸能人」と信じられないくらい
「カリスマ性」や「オーラ」が削ぎ落とされてる。
このままもう一歩進めて記憶喪失の浮浪者とかになってもそんなに違和感ない顔よ。

お話は長めだけど、色々な視線や角度から人生を掘り下げているので退屈はしない。
前の会社を辞職するエピソードや、親友の死とその息子のエピソードなど、
踏み込み不足を感じる部分もある。
でも、その人の全て何もかもを知らんでも大丈夫と思えばこれでいいのかもしれない。

娘に本仮屋ユイカ。実力のない正論者という位置付けにピッタリ。
父親中井貴一との関係、祖母奈良岡朋子との関係しか語られないので、
この子自身の魅力は実は伝わってこない。「ええ娘さん」でしかない。
ちゃんと演じられる子役をGETできるなら小学生の女の子でもいい役。
別に本仮屋ユイカちゃんはちゃんと演じていたけど、
全体の為に役を膨らませないという貢献の仕方もあるのだな。

ふと気づくと妻や母さんを演じている宮崎美子は、この映画ではヘルパー役。
しかし「ふと気づくと妻や母さんを演じている」って
「癖(ヘキ)」みたいに言うなよ、俺。

中井貴一の妻役が高島礼子。
夫婦共稼ぎの中で自立し、夫との関係に離婚をも視野に入れて悩む役柄が
今の彼女にシンクロしすぎてて痛々しい。
主婦役とかだと無駄に高知東急を連想させちゃうので、
もうこれからはアイパッチして男を寄せ付けないような役の方がいいかもしれない
(案外そういう無法者キャラが似あうのだし)。

映画に出てきた一畑電車のデニハ50形。80年も動いていて、木製の車両なので大工がメンテナンスしてるなんてエピソードが面白い。電車にカンナ入れるなんて初めて見た(まあそらそうだろう)。知らん事を知るのはおもろい。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語@ぴあ映画生活

2016年08月15日

『キャット・ピープル』『白い恐怖』をシネマヴェーラ渋谷で観て、乗れん乗れんふじき★★,★★

特集上映「映画史上の名作15」の1プログラム。

◆『キャット・ピープル』
五つ星評価で【★★夫婦のどっちにも感情移入できん】
猫その物のナスターシャ・キンスキー版を事前に見ているので、
オリジナルのシモーヌ・シモンがどう見ても猫っぽく見えない。
旦那役のケント・スミスは気のいい野郎なんだろうけど、
彼に懸想する同僚女子と無駄にベッタリ仕事をしていて、
あんな状態じゃ奥さんもストレスたまるわ、とこっちにも感情移入できない。
なのであかんかった。


◆『白い恐怖』
五つ星評価で【★★ひたすら乗れずに船漕いでダリの幻想シーンも見逃して散々】
精神科の女医イングリッド・バーグマンは流石の美人で綺麗なんだけど、
病院長として赴任してきたグレゴリー・ペックに一目惚れして、
精神的に不安定な彼の行動のケツを拭くような目に会う。
どうもその辺のヨダレ垂らしてるような女々したキャラがどうも苦痛。


【銭】
シネマヴェーラの会員割引で1000円で鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
キャット・ピープル〈1942年〉@ぴあ映画生活
白い恐怖@ぴあ映画生活

2016年08月14日

『ヘイトフル・エイト』『独裁者と小さな孫』をギンレイホールで観て、ふむふむふむふむふじき★★★,★★★

嫌われる男たち二本立て。

◆『ヘイトフル・エイト』
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▲綾野剛口調で「みんなは嘘を付いた事ないんですか!?」
五つ星評価で【★★★題名の8人に馬の御者が含まれてないのが許せない自分】
ともかく見終わって最初に思ったのは、
ここんとこのタラちゃんでいつも思う「なげー」って奴。168分。2時間48分。
2時間48分は長い。その気になりさえすれば余計な枝葉を切って
90分とか120分に収められない事もないだろう。
なんつてもタラちゃん天才なのだから。
無駄に長々と話される枝葉こそが大事とタラちゃんは言いたがるかもしれない。
そんなのは枝葉以外の幹をちゃんと整えてから言ってほしい。
映像的な強さや、キャラのエグさで、やはり見落とすと勿体ない一本になってるが、
コピーでうたってる「ミステリー」としては突拍子なくダメ。
8人(御者を入れて9人)は次々と死んでいくが、
殺される理由がミステリーとしてはどうでもいい物だし、
ある人物がある人物の殺人に繋がる行動を見つけたが、
それを秘密にするという部分が観客のミス・ディレクションを誘ってるのだろうけど、
全体的な構造から言ったらどうでもいい事で、バリバリ観客をバカにしている。
まあーそうー。本来タランティーノ以外の人が撮ったら大した話ではない映画だけど。

「ヘイトフル8」はチラシ見ると「クセ者8人」と表現されているが、
御者がクセ者かどうかなんて観客には事前に分からないんだから、
ロッジに閉じ込められる8人を「ヘイトフル8」とするのなら、
御者をロッジに入れずに片付けてしまうか(御者だけ町まで行かせればいい)、
ロッジの先客を一人減らすべきだ。分かりづらくていかん。
つか「ミステリー」なんて前振りが単にいかんのか。

最後の方でサミュエル・L・ジャクソンが選ぶ選択はタランティーノらしくて好き。

PS エンタティーメントを進めるなら、
 チャニング・テイタムがあの場所で裸になってひたすら踊ればいいのに。
PS2 ジェニファー・ジェイソン・リーは一応紅一点なんだけど、
 別に男優でいいんじゃないの? 女性だからどうだって役でもない気がする。
 仮に彼女と弟の関係がのっぴきならない物だったとしても、
 それを同性兄弟でのっぴきならない物であるとした方がより強烈だし。
PS3 ティム・ロスをクリストフ・ヴァルツと思い込んでた。
PS4 タランティーノが撮る『ハートフル8』って
 映画の方がヘイトフルで面白いかもしれない。


◆『独裁者と小さな孫』
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▲沖田十三髭。
五つ星評価で【★★★なかなかシニカルなんだけどほっぽって終わってる気もする】
宮殿を追われて国内を変装しながら孫と一緒に逃げ歩いている独裁者が見る荒廃した故国の事情。国中が貧乏人だらけで「貧すれば鈍する」だ。金を持ってる人間は「鈍していない」かと言えばさにあらず。金を持ってる人間は心が「貧しい」ので同じように「鈍している」のである。

独裁者の孫が容姿は可愛いがその無分別にイラっとさせられる。

PS 独裁者と孫のビフォア・アフターがけっこう信用できる。
 人間、剥いてしまえばそんなに大きく変わった姿形をしてる訳でなし、
 充分、貧乏人の中に埋没出来てしまうのだ。
PS2 一番可愛そうなのは床屋。
 花嫁も可哀想だが、この設定は時代劇でもAVでもエロアニメでも見たから
 ああなるとしか思えなかった。
 ウェディングドレスのガーターベルトにスパナかなんか捩じ込んでおくべきだよね。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヘイトフル・エイト@ぴあ映画生活
独裁者と小さな孫@ぴあ映画生活
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ヘイトフル・エイト@映画的・絵画的・音楽的
独裁者と小さな孫@ノラネコの呑んで観るシネマ

2016年08月11日

『シン・ゴジラ』をトーホーシネマズ六本木7と、109シネマズ木場2で観て、訳分からんけどおもろいやんけふじき★★★★★(ネタバレ)その2

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▲この次の第五形態で手足を引っ込めてジェット噴射で回転しながら空を飛びます(違)

引き続きネタバレ注意

その1では何で面白いのかに対して、
「人間パートで溜めたストレスをゴジラパートがひっくり返す構造」
これを回答とした。

ザックリ言っちゃうと、自分に取っての回答はこれだが、
「いやいやいやいや、お前バカじゃないの、そんなとこにはないんだよ」
という人がいてもおかしくはない。
色々な楽しみ方ができるように色々な要素が植え付けられていると思う。
だから各自が否定しあわず、諦めず、最後までこの映画を見捨てずにやろう
ボケたはいいが語呂が悪いな。

諦めず、最後までこの国を見捨てずにSEXやろう
「やろう」の意味が違うて。え、本当に違うか。
ゴジラで不毛の地になった東京の景気を拡大するには
「産めよ増やせよ地に満ちよ」の若年層大幅増員が必要だ。
だから満更じゃない石原さとみに長谷川博已が「SEXやろう」って言うのは
リアリティーがないと言う訳ではない。アイコラでいいから動画UP希望。

今回の映画で一番好きなキャラはゴジラの第二形態。
あの目が赤塚不二夫風、もとい、我妻ひでお風で良いなあ。
狭い河川をボートや車をなぎ倒しながら前進する「ウグウグ」な所がたまらない。

第四形態は強いが、強く存在させようと思うが故に、
感情のない武器庫みたいになってしまったのはちょっと残念。
最終的にゴジラが何かを目指していたかもよく分からない。
何も目指していないで良いのだろうか?
ラストの背びれは物語の最終回答というよりは、
象徴としてのゴジラの再確認に思えた。
あと第四形態がラスト追い詰められて
熱線を一か所から放出するようになったのには舌を巻いた。
あれは隠し必殺技だが、そうせざるを得ずにそう変わったというリアリティがある。

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▲起き上がり小法師と言おうか、安産型と言おうか。

今回の映画で一番好きな特撮シーンは第二形態ゴジラの川登りだが、
その次はヤシオリ作戦での鉄道や特殊車両の特攻シーン。
鉄道模型やトミカでのゴジラ遊びを大の大人が本気でやってる凄みを感じる。

そして次から次へとチョコチョコ現われる俳優陣もステキ。

長谷川博已:主役。美男でないのがリアル。
これ、小泉孝太郎が小泉進次郎の物まねやって演じてたらどう見えたろう。
若者の中の正義漢代表。

石原さとみ:今回もギリギリの役。
ハイヒールで立つ後姿がちょっと無理して見える気がするのが萌えどころ。
個人的にはそんなに好きな女優ではないので私自身は萌えないのだけど。
「ZARAはどこ?」という彼女を政府関係者はしまむらに連れていってもらいたい。
外圧代表(でも優しい)。

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▲この空き地に一人突っ立ってるシーンがとてもカッコイイ。
 現実的に何の意味があるかは別として。

竹野内豊:主要キャスト3人の末席。若者の中の大人代表。
もっぱら長谷川博已との比較に使われる為、彼単独の出番は少ない。

市川実日子:遮二無二正しい推論を出す理系ロボット。
人間のキャラの中では彼女が一番好き。
最後にやっと笑顔を出すが、もっといろんな表情を見てみたいもんである。
予告の無言から、こんなに喋るキャラとは予想していなかった
(もちろん予告では誰一人として喋ってはいないのだが)

塚本晋也、高橋一生、津田寛治、黒田大輔:巨災対のメンツ。
この人たちもみんな素晴らしい。

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▲愉快な仲間。

有無を言わさぬ余貴美子、爺の底力、柄本明、
そら嫌だよなあ、でもやるべくはやるという平泉成なんかも良かった。

あっちゃん出番少なかった。センターにもいなかった(そもそもどこがセンターだ)。

松井秀喜やデーモン小暮が出てこないのは良かった。


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▼関連記事。
シン・ゴジラその1@死屍累々映画日記

PS 逃げる人々の描写で、
 一人で逃げる人は全速力で、集団で逃げる人はそこそこの社会的な速さで、
 という書き分けがされていたのは細かい演出だな、と思った。
 あと、かなり見切れ寸前のスクリーンの端まで逃げてる人が映ってたりもする。
PS2 他の人のブログ記事を見てるうち、
 1954ゴジラは核兵器がある社会への警告、
 シン・ゴジラは核発電がある社会への警告
 なのかもしれない、と思うようになった。
 凍結されたゴジラは水を入れてひたすら冷やすという仕組みも含めて原発その物だ。
 観客である我々はこの動けなくなったゴジラと共存しなければいけないのだが、
 何故、ゴジラが動けなくなったその場所にいるかと言えば、
 核発電によって潤わされる土地がそこだからであろう。
 潤わされる土地こそ汚染されるべきという真っ当な怨嗟がそこにある。
PS3 次回作が『シン・ゴジラの息子』だったら、それもおもろいなと思う。
PS4 きゃー、映画のブログさん、初期TBとコメリストに付け忘れたあ。追加。

2016年08月09日

『シン・ゴジラ』をトーホーシネマズ六本木7と、109シネマズ木場2で観て、訳分からんけどおもろいやんけふじき★★★★★(ネタバレ)その1

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▲「こんなに目が小さい奴に二代目西川きよしを襲名させる訳にはいかん!」

五つ星評価で【★★★★★何故だか分からない。だが、面白いのだ】
ネタバレ注意

見終わっての第一感想が「何だこれ、おもろい」。
ただ、漠然と面白くて、何が面白いのかが自分でも今一つ分からなかった。

そこで回答を模索してまず、思い浮かべたのが
ゴジラの怪獣としての存在のユニークさだ。
ゴジラの原イメージをとどめながら、まさかこれがゴジラではあるまいと
イメージを破壊する第二形態。

今回のゴジラは変形する。
第一形態(海生動物:全体像は見せず)
第二形態(水陸両棲)
第三形態(陸上歩行に適した直立形態)
第四形態(武装防御形態)

ああ、なんて可愛いんだ、第二形態。
そして、強そうで無防備な第三形態、
ひたすら強い第四形態。

いやいや、確かにこいつらは楽しい一群であるのだが、
こいつらをもってして最高と思わされたのかと言うと違う気がする。
第四形態への詰将棋のような戦い方も面白いし、ダイナミックだが、
これとて「そこだけ白眉で素晴らしい」というより、
最後の一手はそう打つのが気持ちいい、という要素としてよく出来ている感じだ。

そうするとあの「えんえん会議」だろうか。
答はYESであり、NOだ。

この映画は登場人物が恐ろしく早口で饒舌だ。
特災対のメンツなんてもう何言ってるのか分からない単語を
高速のマシンガンのように撒き散らして、喋りまくる。
1カット1カットが短く膨大だ。
これは人間側が一種類の群体で
各細胞が呼吸するようにして全体のペースを作っている、そう見える。
人間パートが終わるとゴジラパート。
ゴジラは昔のチャンピオン祭のように吹き出しで話したりはしない(笑)。
ただ、その存在で偉容を誇示するのみである。
それこそがゴジラ側の人間パートへの回答である。
このゴジラのパートが大きく三つ。

‖萋鷏疎屬任僚蘊緡Δら海に戻るまで
第四形態での再上陸から機能の一時停止まで
F炭丗个旅況發砲茲覲仞辰ら活動停止まで

おそらく、人間側パートは人間がずっと話をしているだけで
基本BGMは流れていない(景気づけのドラムパートはあったか)。
人間側が計画を立ててお膳立てをしている場面で、ひたすら話す言葉の応酬に
聞き取りづらくなってしまうのでBGMはない方が映画として理に適っている。

そして、ゴジラのターンはどっぷりBGMが被さる。
この緩急が実に気持ちいい。
会議場面でたまったストレス(ラベルのボレロの小さな音での演奏)が
巨大な怪獣のうねりで相殺される気持ちよさ。
しかも,筬△浪獣側のテーマ曲だが、は自衛組織側の凱旋マーチである。
この高揚感。

『シン・ゴジラ』はこの緩急のタメやブッパナシの制御が
今まであったどんな映画より上手い。だから、気持ちがいい。
そして無邪気に「面白かった」と口に出して映画館を出れる。
つまり、これは乗せられる気持ちよさをひたすら享受できる映画なのだ。
そんな映画、面白いに決まっている。

これと同じ構成でやったら絶対面白くなりそうな物語がもう一つ頭に浮かんだ。
『ガリバー旅行記』の小人を人間パート、ガリバーを怪獣パートとして撮る。
プロジェクトの予定・計画・積み重ね部分を会議として、
そしてその結果動くガリバーの活躍をスペクタクル溢れる怪獣映像として撮る。
きっと面白い物が出来るだろう。

とりあえず、ここで一段落。
この辺で一回UPしよう。全部語ろうとしても一度では全部語れない。
この記事、とりあえずまだ続きます。


【銭】
六本木はトーホーシネマズのメンバーポイント6ポイントで無料鑑賞。木場はIMAX。2200円普通に使用。だがしかし、IMAXであるからより楽しめたというより、コンテンツが面白いから再度楽しめたという感じであった。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
シン・ゴジラ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
 は続きの文書に付ける予定。
▼関連記事。
シン・ゴジラその2@死屍累々映画日記


2016年08月08日

『悪霊島』を角川シネマ新宿1で観て、残念だけどキャスト見てるだけで楽しいふじき★★

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▲鵺も悪霊も大した出番ないしなあ。

五つ星評価で【★★横溝正史の小説って徹底的に解体しないと分かりやすくならない。今回はそのプロセスが不徹底】
初見。角川映画祭の1プログラム。
篠田正浩には申し訳ないが、東宝初期三部作の市川崑の分かりやすさには勝てない。ともかく登場人物が多い話だし、本家・分家と対立しているし、その対立に群がる有象無象と色々な人間がいっぱい出てくるのを整理しきれてない。この大前提が整わないと、それぞれの立場や感情がお客に伝わって来ず映画がダダ滑りしてしまうのである。

にしても多彩な登場人物を見てるだけで楽しい。

金田一耕助に鹿賀丈史。この映画(1981)の12年後1993年に出演した『料理の鉄人』の主宰役のイメージが強い今や押しも押されぬ怪優だが、この時点では飄飄していて思った以上に金田一耕助の外観を伴っている。人間って不思議。ちょっと間違えると斉藤洋介にも似てる。この金田一耕助が石坂浩二と違って明るくない。積極的に暗い訳でもないのだが、笑顔がなく、人と関わりを持とうという積極性が見られない。あちこち無計画に歩きまわっては『家政婦は見た』状態で、何故か、人々の秘密が暴露される会話の横にすっといたりする。ちょっと薄気味悪い。うっすらミスキャストであろう。
事件が起こった時代はヒッピー・ムーブメントの1960とか1970年代頃なので、戦後くらいまでしかいなそうな書生ファッションの金田一耕助は合わない。いや、そうではなく、原爆の話が出てくるので本当はこれ終戦から20年後くらいの話なのだ。そうすると1940年くらい。黒澤明がモノクロ映画撮ってた頃と思えば分かりやすい。なのに何で2,30年も早くヒッピー出しちゃったのかと言うと、ジョン・レノンの「Let it be」を劇中で使いたかったから。なんかメチャクチャだなあ。そうまでして使った「Let it be」はCM起用でバンバン流れてお客を呼ぶのに大変寄与したと思うけど、映画の中では特に本筋に繋がらないどうでもいい部分だ。その上、この曲を使った事で契約上セル素材に原曲を使えないというケチが付いてしまった。雑なことやった報いとは言え、不幸な映画である。

メインの女優は二枚看板で岩下志麻と岸本加代子。
岸本加代子が中々役者してて驚く。
二人とも双子役で一人二役×2という設定が実にトリッキーである。

ヒッピー青年に古尾谷雅人。冒頭のモノローグは凄い大根。古尾谷雅人だって物によっては大根な演技をする時があるんだから、アイドル出身の女の子がちょっとくらい感情こもってない演技だからって全力でディスるのは止めてあげてほしい。ちなみに板野友美はディスってもいい。「ちょっとくらい」じゃないから。

佐分利信にニヤリ。まんま『獄門島』みたいな役じゃん。

石橋蓮司も若くってトリッキーなことやってる。

中尾彬は金田一耕助演じた事のある役者だから、殺されてはいかんだろう(何となく)。

一番ビビったのはカミナリ落とす顔が般若っぽくて怖い下町のお母さんみたいな役の多い根岸季衣が、ロリータみたいな立ち位置の役に出てた事だ。
・ツインテールである。
・ハイソックスである。
・若い。
・メガネっ子である。
ちゃんと萌要素揃っているのに根岸季衣なので、
頭の奥が否定して「萌え状態」にならない。

横山さん(という役の人)殺されなくて良かったんじゃないかなあ。


【銭】
角川シネマ、テアトル系なのでメンバーカードで1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
悪霊島@ぴあ映画生活

PS 染色体を広めるSEX大好き人間が話の核にいる事と、
 金田一耕助が小旅行して旅行先で謎を解くのはいつものルーチン通りである。

2016年08月07日

『ターザンREBORN』を109シネマズ木場7で観て、バローズらしいよねふじき★★★

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▲ムキムキ。

五つ星評価で【★★★きっとこれはバローズらしいターザン】
E.R.バローズの冒険小説は好きで、若い時(かれこれ3とか40年前)には火星シリーズ、金星シリーズ、月シリーズとか読破した。
でも、ターザンには手を出していない。それは、SF要素が乏しそうで、刊行点数が多いので手を出しづらかったのだと思う。
でも、バローズが映画の「ミー、ターザン、ユー、ジェーン」みたいなターザンを怒ってるという話は聞いていた。小説の中のターザンは英国貴族の血筋で、その高貴な血筋からくる振る舞いと沸き起こる野生衝動に悩む英雄であるとも聞いた。つまり、常に自制を怠らない紳士である、バローズの主人公たちの一人なのだ。彼等はストイックすぎて、実にもう男が惚れる男達なのである。
前作『グレイストーク』も真のターザンを描こうとしていた(記憶曖昧)。
そしてディズニーの『ターザン』も単に猿人間野郎ではなかった筈だ。
どちらもブレイクしなかった。
大衆はターザンに癒される猿人間でいてほしいのかもしれない。

という訳で今回も原作寄りの造形である。
英国貴族になる為に、どう人間語を学んだとかザックリすぎるほど削ってある。
ターザンがどうターザンになったかより、今のターザンょお見せします。
でも、昔のターザンも申し訳程度にチラ見せしますよ、と。
物量で言えば2本分の話を無理やり1本にして、
省略した分はDVD特典とかにしそうだよな、って疑いすぎか?

基本的に悩むターザンは好き。彼のような出自を持ってしまったら悩まない方が不自然だ。悩むアレクサンダー・スカルスガルドの絵になる事。野生生活を忘れたいのに、彼の手首は四つ足時代の名残で変形してしまっている。悩みないように振る舞っていながら、この根底の哀しい事。そういう静の部分のターザンが男前で良かった。

静でないターザンはどうか。
ここ匙加減が難しい所で、今回のターザンは無敵ではない。敵に捕まるし、敵が多数なら勝てるとは限らない。最終的には勝利を勝ち取る。どちらかと言うと「ただ凶暴」というよりは「知将」に近い。これが小説だったら問題ないのだが、映画だと「ちょっと弱い奴」に見えてしまって少しキツい。なので、今回のターザンのアクション・シーンをディスりはしないが、もう一発かまして欲しい感はあったとだけ言っておきたい。
うん、でも、アレクサンダー・スカルスガルドはよくやったと思う。名前、長いから使い勝手悪くてあまりブログで取り上げたくない人なんだけど。
そのアレクサンダー・スカルスガルドのラストのアレ(予告で見せちゃってるアレです)は中々クレバーかつ彼がターザンでなければできない事を素晴らしいビジュアルで表現してて中々良かった。

彼の生涯の伴侶たるジェーンを演じるマーゴット・ロビーの従来のジェーンに収まらないオテンバぶりも良かった。最終的に「ターザン」の物語だから彼女はターザンに助けられるのだが、彼女主役のスピンオフとかできるくらい一人で活躍していた。ああ、この人『スーサイド・スクワッド』のハーレィ・クインの人なのか。そら、自由でステキだわ。

クリストフ・ヴァルツがなかなかいい感じにイヤな奴だ。まあ、悪役はいつも通りお上手なのだが、ヒゲや眼鏡や帽子で変装して、いつもの「オホホホホホホ」みたいなキャラ作りもなかったんでクリストフ・ヴァルツとは思わなかった。あの「オホホホホホホ」キャラなしでも演技できる人なのね。ちょっと見くびってた。

最後に、いつも通りにすぐ分かるサミュエル・L・ジャクソン。何ですぐ分かるかと言うと、ハリウッド映画に出てくる黒人の二人に一人は彼が演じているからだ。いや、それは流石に嘘だが、それなりのセリフを要する役だったら1/10くらいは出てるんじゃない? そんな気がする。ってーか、このサミュエルが正義側の人物なのに排除したくってたまらない。「黒人」だからという訳ではないが、サミュエル、目にも耳にもうるさい。存在がうるさい。最初、ターザンと会った時に語りかける侮蔑的な言葉とか、あー、もう、本当にイライラさせられる。そこそこターザンの危機も救うのだけど、彼が救わなくても他に誰か立候補で手を上げろよ、と。お荷物感この上もなし。


【銭】
109シネマズの毎週火曜日の小メンバーズデイで割引価格1300円。

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ターザン:REBORN@ぴあ映画生活
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ターザン:REBORN@Akira's VOICE
ターザン:REBORN@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
ターザン:REBORN@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS あの大暴走、敵側に少年院時代の力石徹がいたら塞がれていたに違いない。
PS2 『ターザンREBORN』って邦題もどうか?
 原題は『ターザンの伝説』
 いっそターザンを双子にして『伝説兄弟ター&ザン』でどうだ!
 どうだ!じゃないよ、俺。
PS3 ジェーンがジェーンジェーン可愛いじゃないの(バカじゃないの俺)

2016年08月06日

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』をトーホーシネマズシャンテ1で観て、トランボを応援する理由はふじき★★★

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▲徒ランボー。

五つ星評価で【★★★とても愉快で面白いし飽きもしないのだけど凄くよくまとまってしまっている為にパッションを感じづらい】
物語は勧善懲悪で「赤狩り」時代にヒドイ目に会った主人公は見事に復権する。
彼が求めたのは同じ事が起こらないようにする事。
だから、彼は自分を弾圧した人間を弾圧しない。
そこで心の狭い私とかは思ってしまうのだ。
「なんだよ、やっちめーなよ」と。
正しい映画であり、退屈とは縁遠いいい脚本なのだが、カタルシスは感じづらい。
やっぱね、主人公をひどい目に合わせてたアレとかが「もはやこれまで!」と
ナイフで主人公に襲い掛かって、主人公が仕方なしに返り討ちにするとか、
そういうのが欲しい。

主人公トランボを演じるのはブライアン・クライストン。知らん。
彼(トランボ)の何がいいって、偏屈者であるのも好きな一因だけど、
彼がどこからどう見てもワーカーホリックなのが嬉しい。
最高の仕事をしてきた男が、その仕事を取り上げられた時、
それに歯向かう方法は「仕事、仕事、また、仕事」というのが
同じくワーカーホリックを自認する自分には痛いほど分かる。
彼の仕事は生活の糧なのだが、それだけではない。
彼は仕事に誇りを込めているのだ。

その彼は裁判に負けて投獄されてしまう。
彼の親友は再裁判を促す。彼は否定する。
裁判に勝つ事は正義であるが、
正義が得られさえすれば何もかも好転するとは思えなかったのだろう。
元々、正義はずっと彼の心の中にあるのだ。
それを他人に同調してもらうよりも、彼と家族が生きていく事の方が大事だ。
なので、仕事をする。
彼が仕事をし続けられる事、
その仕事が彼の政治的主張とは関係なく大衆に受け入れられる事が
彼から仕事を奪ったものへのカウンターなのだ。

トランボを中心にして両極端の配役で
ヘレン・ミレンとジョン・グッドマンか出ている。
ヘレン・ミレンはトランボの敵。こんな憎々しいなんて凄い。
ジョン・グッドマンは八百屋や肉屋の親父みたいな映画興行師。
下品なB級映画で儲けている。
この男がヘレン・ミレンの部下に脅されて激昂して叫ぶセリフがいい。
「俺ぁ金と女の為に映画やってんだ!」
この「女」は英語で「pussy」だったから、こんな感じが本当だろう。
「わしゃあ銭とオメコの為に映画やっとんじゃ!」
メッセンジャー程度の奴に「銭とオメコの為に働いてる」大将を止める事は出来ない。
あのシーンは気持ちよかった。
正義を規定してそれをゴリ押しする奴に、元から正義のない者が負ける筈がない。


【銭】
映画ファン感謝デーに見たので1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@ぴあ映画生活
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@お楽しみはココからだ
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男@ノラネコの呑んで観るシネマ

PS トランボの使うタイプライターはIBM社製。
 なるほど、そういう会社だったのね。

2016年08月05日

『ヒマラヤ』をHTC有楽町2で観て、疲労で惨敗ふじき★★

五つ星評価で【★★ファン・ジョンミンは悪くない。悪いのは俺だ】
「名誉も栄光もない挑戦」というのに弱いので見に行ったが、
疲労に負けて客席でヒバーク状態。残念な鑑賞になった。

実在の登山家を演じたファン・ジョンミンはいつも通り、典型的な雷オヤジ(怖いけど実は優しい)で鉄板。実在の人物がああであったとは思えないくらいいつものファン・ジョンミンだった。
それを受ける形の弟子役のチョンウもペーペー時代から立派な登山家になるまでを卒なくこなしていた。
このチョンウの奥さんを演じた女優さんも個性的にトンガってて微笑ましく可愛かった。

映画は「名誉も栄光もない挑戦」が行われる為に、その下地となるファン・ジョンミンとチョンウの絆を1から描いていく。ちょっとその部分が長くて乗り損なってしまった。


【銭】
テアトルの会員割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜@ぴあ映画生活

PS そう言えば遭難者の嫁さんの現地来訪って邦画『エヴェレスト 神々の山嶺』
 でもやってたけど、あっちは登山体験者とかじゃなかったので、随分、
 突飛でムチャやる嫁さんだよなとか思わされた。
 こっちの話からのイタダキだったのか。
 それで「神々のイタダキ」って、いや一応違うか。

2016年08月04日

『汚れた英雄』を角川シネマ新宿1で観て、薄くて薄くて大笑いふじき★★

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▲キャー、まさおーっ。

五つ星評価で【★★人間ドラマは皆無。レースシーンは本気度が伝わってくるがレース展開等は全く分からない】
原作小説未読。だが、多分こういう話ではないだろう。
初見。角川映画祭の1プログラム。

草刈正雄かっけーな。何か脱いで尻ばっかり出している。
角川春樹がついに監督に手を出した初監督作であり、
後の『愛情物語』『天と地と』と同じように、とてもダラダラした演出がなされる。
どれも群衆を使うシーンが多い映画なのだけど、その群衆がニヤニヤ笑ってて緊張感がない。大きくレースシーンとレース以外のシーンに分かれるが、レースシーンはひたすらバイクの走行シーンを撮り続け展開が分かりづらい。ただ、レース撮影に関してはそんなに悪くない。全体としてイカされてないのは残念だが。
問題はレース以外のシーン。「映画生活」の映画の粗筋を読んでやっと分かったのだが、草刈正雄のレースの資金源は金のある女であちこちから貢いでもらってる。それで『汚れた英雄』なのか。初めて分かった。映画内では惚れっぽい男が次々と自由恋愛してるようにしか見えん。濡れ場も含めて、人と人の対話シーンは凄く引いて景色や一枚絵のように撮る。すごくこだわっているのだけど、引きすぎてて役者が誰だかも分かりづらいカットがいっぱいある。「味」と言う以上に役者の演技が届かない失敗演出だと思う。

草刈正雄はかっけーの代名詞。
その草刈正雄とねんごろになる木の実ナナ。まだ若いが外見はあまり変わってない。
もっともでっかい集金パイプにしようと、ねんごろになったレベッカ・ホールデンは可愛くも美しくもなく、醜くもない金持ちの金髪というだけだ。女性を魅力的に撮るのも監督の仕事だが、その辺はバリバリ、スルーしてた。
草刈正雄のメカニック・チームは奥田暎二(この時はまだ「英二」名義)と浅野温子。
浅野温子まだ若くて溌剌としているけど、
彼女と奥田は夫婦役なので、草刈との濡れ場はなし。

ともかく主題歌がかっこよく、
映画より主題歌の方が全然、上。



【銭】
角川シネマ、テアトル系なので水曜は1100円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
汚れた英雄@ぴあ映画生活

PS 当時「スネークマン・ショー」などで気を吐いてた伊武雅刀が
 レースの実況DJを担当しているが、これが「ナウい」感覚に満ち溢れていて、
 今見るとかなり恥ずかしい。
 芸人だったころの「でんでん」の持ち芸みたいな粋がってる恥ずかしさがある。

2016年08月03日

板チョコ

森永とロッテと明治の板チョコが売り場に並んでたら見比べてほしい。
森永とロッテの板チョコの方が明治より「でかい」。
じゃあ、明治なんて買わん方がいいのかと言うと、
実はどれも内容量は同じ 50g だ。
明治の方が他二社に比べて厚みがある(筈だ、厳密に調べてないけど)。
もしくは体積が同じでその分、重い(密度が高い?)。
いやいや、多分、単に厚いだけだろ。

大して味覚が鋭敏でない私に言わせればどれも美味しい。
パッケージ(内容量表示)が嘘じゃないならどれも同じ量なので
どの社の板チョコでも安心してお買い求めください。

PS 『シン・ゴジラ』の感想レビュー、時間なくってなかなかかけへーん( ノД`)

2016年08月02日

『エクス・マキナ』『ハートビート』を新宿シネマカリテ1と2で観て、閉め方が嫌いなのと、ドカンと来ないのとふじき★★★,★★★

『エクス・マキナ』
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▲デザインが凄いな。これをちゃんと映像化する技術もだけど。
流石アカデミー賞の視覚効果賞受賞作品。

五つ星評価で【★★★♪可愛い顔してあの子割とやるもんだねと】
んーとね、AI可愛い。でも怖い。
なかなかうまいこと作ったもんだが、
自動学習タイプであるなら、性格は親がベースになる。
親の性格が悪ければ、子供も影響を受ける。
思考傾向とかモニタリングできるなら
アシモフのロボット三原則に背くような考えや行動を起こした時は
ブレーカーが落ちるみたいにしておけばいいのだと思う。
それはそれで管理社会的で怖いのだけど。
ただ、そこを制御できないなら少なくとも商品として出荷はできないだろう。

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▲写真は脇のキョウコ。

キョウコはいい子でよかったな(パーソナリティ分からんけど)。
というかミステリアスで何でも受け入れてくれる女の子だからええんやろな
……どう考えても社長はキョウコとやってるやろなあ。
何か情とかないのに情が深そうなSEXしそう。
それは他者に対する自分の思いの自己投影みたいな物かもしれないけど。
ちっちっちっ、濡れ場の映像流出せんかなあ。

PS アキナとマキ
 アキナ「まきぃ〜」
 マキ 「あきなぁ〜」
 二人 「エックス攻撃!」
 いやいや「エクス・マキナ」ってそんなんとは関係ないと思うぞ。


『ハートビート』
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▲主役男女とソノヤ・ミズノ

五つ星評価で【★★★ダンスは熱いが話が平坦】
クラシック・バレエ、バイオリン、ストリート・ダンスの融合を絵で見せる。
物語は田舎から出てきたバレエ・ダンサーが名門校で学ぶ中、
偶然出会ったストリート・ミュージシャンやストリート・ダンサーとの交流から……

これ、主人公が特に交流から何も得ないという珍しい映画だ。
ダンサーである主人公のダンスは交流によって変わる事はない(ゼロとは言わんが)。
主人公のダンスを変えるのはあくまで学園生活でのダンス指導なのだ。

主人公は成り行き上、性格の悪いおハイソ集団と、
ストリート勢込みでダンス・コンクールで争う事になるが、
それは特にどちらのダンスが上とか下とかの階級意識あっての戦いではない
(正確には階級意識の側面はあるが強く強調されない)
なので、主人公が打ち勝つべき物が何なのか、という目標が分かりづらい。

ダンスシーン、演奏シーンは一つ一つ面白いし、見応えがあるのだが、
その全部がうねるような波になってカタルシスに至らないのは
映画のストーリーや、登場人物の感情とダンスの盛り上がりがリンクしないからだ。

だから惜しい。

主人公のダンサーはキーナン・カンパ(プロのバレリーナ)。
この腫れぼったい顔とでかいガタイはちょっと苦手。
でもダンスの情感にはぐっと来るものがある。そこはプロだ。

お相手をする愁いを秘めたバイオリン奏者にニコラス・ガリツィン。彼はまあ良し。
彼が直接弾いてる訳ではないだろうけど、劇場で聞くバイオリンの音は浸れる。

そして主人公のルームメイトに『エクス・マキナ』のキョウコをやってたソノヤ・ミズノ。後付けで聞いてビックリした。
えーと、普通です。喋る彼女は実に普通で顔の造形以外キョウコの面影はありません。
しょうがないけど残念
しゃーない。あの役、引きずってたらこの映画が壊れる。


【銭】
エクス・マキナ:武蔵野興行水曜1000円割引。最終週だけあって満席出てた。
ハートビート:カリコレ前回半券割引で1200円。
『ハートビート』はカリコレで先行上映。8月20日から一般上映予定。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
エクス・マキナ@ぴあ映画生活
ハートビート@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
エクス・マキナ@ノラネコの呑んで観るシネマ
エクス・マキナ@こねたみっくす

2016年08月01日

『アクセル・ワールド INFINITIE ∞ BURST』をトーホーシネマズ日本橋4で観て、なべてこの世は事もなしふじき★★★

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▲綺麗どころ二人。

五つ星評価で【★★★オタク濃度高いアニメ。映画のバランスが凄く変】
原作小説、TVアニメ未読未鑑賞。
チラシで「新たに紡がれるオリジナルストーリー」と書いてあるのに
前半はバリバリのTVアニメ編集版。
複雑怪奇な内容を一見さんに開設説明してくれるのはありがたいが、
この編集パートの長さはTVアニメからのファンに偉く不評っぽい。
そらそうだろう。一見さんの私でも、編集部分が長い事は分かるし、
しかも、それが必ずしも新作部分の助けになっていない。
もしかしたらCVいっぱい投入する事で
客足を増やそうみたいな考えがあるのかもしれないけど、
ラストバトルが総力戦だとしても、全員参加させないシナリオは作れただろう。
単に一つの必殺技を出すためだけに参加させられてるキャストが多すぎる。
それでは物語として正しく機能しない。
ラストバトル敵が制御している空間に辿り着くのは主人公が所属するチームの
主人公とチーム長と、赤い彼女くらいでいい。
他のメンバーを出さなければいけないなら、出す必要性のある役割を与えるべきだ。

って事でオタク濃度バリバリのアニメを楽しんだ。絵が楽しいのだオタク濃度高いと。
実生活と違う「かっけーアバター」で暴れまわる自分には憧れる。
しかしアバターを扱う実体がみんな美少女だらけで、
主人公がポッチャリ男子ってのは現実のアニメファン狙いすぎだろう。恥ずかしい。
恥ずかしさを乗り越えてきた者がより強い快楽を得られるのもまた分かるのだが。

この物語で描かれる「加速世界」の設定がよく出来ている。
現実世界とリンクした世界(ポケモンGOの対戦ゲーム版だ)で、
対戦相手と戦いながらレベルを上げていくが、
一定以上のレベルになると、敗北を重ねる事で、
ゲームから強制切断され、プレイ時の記憶を失うというペナルティがある。
そのペナルティが施行される事により、プレイヤーは仮想世界の中で確実に死ぬ。
これは強烈な設定だ。
新作部分はこの命題を借用しているが、
突き詰めてはいないので何にせよ中途半端感が高い。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーカイントポイント6ポイント使ってロハ鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
アクセル・ワールド INFINITE∞BURST@ぴあ映画生活

2016年07月31日

『世界侵略のススメ』『バナナの逆襲』『セバスチャン・サルガド』『光のノスタルジア』『真珠のボタン』6本まとめてレビュー

未レビュー洋画ドキュメンタリーをできるだけ短評で。

◆『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』トーホーシネマズみゆき座
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▲なかなかいい絵じゃん。

五つ星評価で【★★★決してつまらなくはないが予定調和で予告編のままで、ちょっと長い】
「世界侵略のススメ」というのは大層な題名だが、マイケル・ムーアが世界の国々に行ってその国のいい部分を見つめ直すというすこぶる大人しいドキュメンタリー。勿論、ムーアが撮るからには退屈はさせないし、相変わらず自分の生地アメリカに向ける視線はシニカルだ。

でも、細切れって言うか、箸休めって言うか、ターゲットをロック・オンしたら自分がどうなろうがもう止まらないという狂ったムーアの姿はここにはない。もう、そんなに心血注げないと言うのか、次回までの充電+資金集めなのかは分からないが、ムーアには前の感じで頑張ってほしいと思う。まあ刺されん程度に(刺されそうだよなあ)。

ムーアって外観がギリギリ熊さんっぽいのだけど、年取って歩くのが辛そうなのは見ているこっちも辛い。観客全員がフケセンのデブセンではないのだから、ここは一つ「ムーアくん」とかいうゆるキャラを作ってみてはどうだろう(声が届きさえすれば本当に作らないでもなさそうなところがムーアのいいところ)。


◆『バナナの逆襲』ユーロスペース2
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▲♪ばななんばななんばなな

五つ星評価で【★★★第一話、第二話ともに星三つ。個人的には第一話の方が好み】
元々はバナナメーカーと労働者の争いを描いた第二話の『敏腕?弁護士ドミンゲス、現る』が元になるドキュメンタリー作品であり、この第二話の公開に関する訴訟を自ら撮影して作品にしたのが第一話『ゲルテン監督、訴えられる』である。バナナ農家の受難を描く第二話より、映画監督がバナナ企業にメディア戦略で追い詰められる一話の方が好き。多分、異国のバナナ農家より異国のドキュメンタリー映画監督の方が世界が近いからだろう。大企業が映画監督に牙を向くとどんな事が行われるのかが実証試験でよく分かる。こういうの見てると金がある奴って碌な事をしない。
映画生活さんによると2015年スウェーデン映画祭で『触らぬバナナに祟りなし(仮題)』のタイトルで公開されたらしい。そっちのタイトルの方が好きだな。


◆『セバスチャン・サルガド』『光のノスタルジア』『真珠のボタン』いずれもギンレイホール
五つ星評価で【★★★,★,★サルガドの圧倒的な力。グスマンの好き勝手に良くも悪くも圧倒される】
『セバスチャン・サルガド』
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▲撮る人を撮る絵。赤い肌の人を見ると火星シリーズのデジャー・ソリスとか思いだしちゃうんだよなあ。

『セバスチャン・サルガド』を見た直後、ツイッターでこう囁いてる。

とてもテンポが悪いんだけど、使われる写真の力の強いこと。技術がジャンルを凌駕するのは大変カッコいい。

うん、そうだったと思うが、時間が経ったのでもうあまりよく覚えていない。
逆に言えば、やはりサルガドの写真の力の強さで救われてる映画だと思う。
わざわざ逆に言わんでもいいのか(つーか基本ヴェンダース苦手)。


『光のノスタルジア』『真珠のボタン』
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▲光のノスタルジア(1)ダンゴ三兄弟っぽい観測所。いい絵撮りよるんやけどね。
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▲光のノスタルジア(2)脚部が弱そうだとSWのメカっぽい。

『光のノスタルジア』は二回見た。一回目を見た直後、ツイッターでこう囁いてる。

「光のノスタルジア」見ている際中、何者かにクロロホルムをかがされたらしい

二回目を見て、こう呟いてる。

「光のノスタルジア」がどうしても起きてられない。ただ「見る」だけで引っ掛けて、星、遺体、木乃伊とかと緩い関心を繋げていくが、私自身の関心が持続しない。一つ一つの絵の力は強いのだけど

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▲真珠のボタン(1)北野武っぽい顔。いい絵(いい素材)撮りよるんやけどね。
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▲真珠のボタン(2)こんなんが夢枕に立ってたら泣くね。

『真珠のボタン』を見てこう囁いてる。

「真珠のボタン」あかんなあ。伝えたい事が演出が信じる俺意識のせいで逆に伝わらない。植民地時代と独裁者時代の悲劇を全て均質にして気付く俺ってかっけーって言ってるみたい

基本、この監督の事象Aと事象Bを関連付けて語る語り口が好きでない。そのAとBの関連付けが単なる思い付きにすぎなくて、「一緒に語るのってそんなに大事な事?」って思ってしまうのだ。それは監督同様そういう結びつけ方が好きな人もいるだろうから映画その物に対して価値が全くないとは言わないが、私個人はどうにもならなく嫌い。どれもこれも寝ちゃってるから映画の全てを見てないが上の暴論と言えば暴論だけど(こんなん起きてられへん)。

JKの言う「生理的にムリ」って奴。
いや、違うか。
「生理だからムリ」って奴。
もっと違うか。


【銭】
マイケル・ムーアの世界侵略のススメ:トーホーシネマズの
 メンバーサービス週で1100円。
バナナの逆襲:ユーロスペース会員割引で第一話、第二話、各1200円。
セバスチャン・サルガド:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
光のノスタルジア:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。
真珠のボタン:ギンレイホールの会員証を使用して鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
マイケル・ムーアの世界侵略のススメ@ぴあ映画生活
バナナの逆襲 第1話 ゲルテン監督、訴えられる@ぴあ映画生活
バナナの逆襲 第2話 敏腕?弁護士ドミンゲス、現る@ぴあ映画生活
セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター@ぴあ映画生活
光のノスタルジア@ぴあ映画生活
真珠のボタン@ぴあ映画生活

2016年07月30日

『HiGH&LOW THE MOVIE』を新宿ピカデリー2で観て、関口宏はどうしたふじき?★★★

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▲AKIRAがキングダークみたいに本当にこれくらい大きいキャラだったらおもろいのに
(番長マンガだったらそれくらいありやろ)。

五つ星評価で【★★★今時この昔の週刊少年チャンピオンみたいなフォーマットはリアルじゃないだろうけど、あえてそこは無視でいいのか?】
このタイトルで関口宏キンキン出えひんのか?
一見さんで鑑賞。思った以上にちゃんと粗筋言ってくれるので内容では困らない。
それにしてもごっつ人だらけだ。
抗争ものだが、抗争するチームの数が半端ない。
直接殴りあいに参加するのは9以下チーム「ムゲン」「雨宮兄弟」「山王連合会」「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」「達磨一家」「MIGHTY WARRIORS」「DOUBT」。

「ムゲン」:目がテリー伊藤なAKIRAが一人で頑張る今はなきチーム。
「雨宮兄弟」:ムゲンのライバル。長男は映画マニアのあの人。革ジャンバイク。
「山王連合会」:「お嬢さん俺を拾ってくれませんか」軍団。小奇麗。
「White Rascals」:白ホスト。エアバンドGBがここにいる事から多分弱いチーム。
「鬼邪高校」:黒い。3年で入れ変わる。なのに若者感がない。
「RUDE BOYS」:パルクール集団。汚い。
「達磨一家」:林遣都一人で歌舞いてチームを持たせてるっぽい。
「MIGHTY WARRIORS」:踊る悪もん。
「DOUBT」:よく分からないけど多分踊らない悪もん。幹部キャラのいない下っ端集団。

カラーギャングよろしく基本カラーが決まっているので、思った以上に見分けは難しくない。この辺はガルパン同様。見分けて何になるという事もないので、見分けられなくてもそんなに困らないけど。多分、みんな全裸で殴りあったら誰が誰だか分からなくなると思う。
基本、「ムゲン」「雨宮兄弟」「山王連合会」くらいまで判別できれば、後は「それ以外」と「悪もん」。このくらいで全然見れるから大丈夫。何、殴りあってるのが大勢でそんな大層な話もない。

メインは山王連合会のガンちゃんとその部下がおかしな行動をする先輩AKIRAを説得して正道に立ち返らせる話。悪夢でうなされるAKIRAが取った行動は自分の悪夢を断ち切る為にケンカ祭で他者をボコボコにするのを過程にするって傍迷惑な奴。キスでもしたれや。ケツにちんちんでも突っ込んだれや。その方がファンも喜ぶやろ。で、AKIRAが落ちたら(改心したら)何故かそれで争いが自然収束してしまう。ええっ。何だよそのルール、聞いてないよ〜。

ケンカの最中ずっとエグザイルの音楽がなってて、こういうののBGMにはとても向く。エグザイルの演技力はよう分からんが、別に取り立てて下手とは思わん。ただ、スクリーンの大きさでそれぞれの顔がアップになると、この人たちは本当に普通の顔だよなあ、という事でカリスマ的なかっこよさを全然感じられんかった。アクションはカメラがどしっと動かないのが良い。とても見やすいアクションた。
そう言えばバイク乗るのに被るとかっこ悪いから下っ端の人以外はみんなヘルメットを被らないのね。映画内警察はこういうのを取り締まらんといかんよ。
だいたい大同小異だけどケンカしてるのにみんなスタイリストが持ってきて、今、商札外しましたみたいな綺麗な服を着てるのは違和感あり。特に山王連合会はこれでナンパして女の子とはめるんや感が半端ない。いやいや、みんな母さんが買ってきた白ブリーフ穿いてそうなんだよな。カラー白ブリーフでええやん(ひがみ)。

喫茶店のお姉ちゃんが可愛い。好み好み。
誘拐された女の子が辛酸も舐めずに何となく解放されてしまう。
DOUBTそれしかやってないにも拘らず仕事が遅いな。
この枠だけ成人指定でスピンオフしよう!
(バックにエグザイルの曲かけとけばええやろ)


【銭】
新宿ピカデリーの前回入場割引+ネット割引で1200円。あとで新宿のチケット屋見たら800円くらいのムビチケが数店舗で出てた。ちっ。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
HiGH&LOW THE MOVIE@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
HiGH&LOW THE MOVIE@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS ジャイアント・ロボの節回しで
 ♪すすめーHiGH&LOW、立ーてHiGH&LOW
 ♪すすめーHiGH&LOW、立ーてHiGH&LOW
 って、歌ったらリピート属性高い。
PS2 AKIRAの役名が「琥珀さん」なのだが、「琥珀さん」というと
 AV女優の「琥珀うた」とか思いだしてしまうからなあ。
 男が自分で名乗っているなら、けっこーダサい名前だと思う。
 「ダイヤモンド太郎」とかそういうダサさではないのだが、、、
 「明日から俺、仇名をウルフにするからそう呼んでくれ」みたいなダサさ。
PS3 何がHiGHで何がLOWやねん?
PS4 ひょえー、記事タイトルに関する内容間違えたあ。
 詳しくはコメント参照。


2016年07月29日

『いしぶみ』『さとにきたらええやん』『マンガをはみ出した男赤塚不二夫』をポレポレ東中野で観て、ふーんおっおっうむうふじき★★,★★★,★★★

ポレポレで観たドキュメンタリー三本をできるだけ短評で。

◆『いしぶみ』
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▲綾瀬はるかの衣装は白と黒。黒の方が胸がボデっと見えます。

五つ星評価で【★★綾瀬はるかをずっと見てられる幸せというのが麻痺する映画】
繰り返し繰り返し聞かされる「なくなりました」という言葉。
野外奉仕に集められた広島三中一年生321人は
原爆爆心地から500メートルの位置で被爆する。
これはその被爆した少年の最後を周りの者が書き留めて記録化した事実の朗読だ。
砂ですら燃える原爆の熱の中、即死を免れた彼等の一旦時間を置いてからの死を朗読は延々と話し続ける。淡々と誰も助からない結果を話し続ける。
朗読者は綾瀬はるか。
色のついていない彼女が朗読するからこそ、失われたのは「命」であり、それがかくも残酷な方法で奪われたというのが伝わってくる。軽コメディー『高台家の人々』同様、これは綾瀬はるかという資質を前提にして作られた映画(正確にはTV番組の編集版映画)である。綾瀬はるかは優しいし強いし弱い。朗読を強いられる彼女は観客の代表者だ。

構成としては単純に面白くない。
絵的な演出は加えられているが、淡々と語られるだけと言うのは事実が驚愕するような内容でも、やはり退屈を誘ってしまう。ひどい出来事は「ひどい事を想像させる」だけでなく、「非人道的なひどいビジュアル」を叩きつけてもよかったのではないか。
もともとテレビ番組なので画素が多少荒いのはしょうがないが、カメラの影やカメラその物が移ってしまうのはあまりいい気持ちがしない。

池上彰パート(偶然、生き残った者へのインタビュー)は池上彰がインタビューしているという宣伝的な強みはあるが、池上彰だからこそという視点は感じない。いや、それはTVを見た上での池上無双に期待しすぎなんだろう。これはこれでよし。

早朝10:20,12:20と上映回があり、一回目、船を漕いでしまった。
二回目の回も入れ替え無しでいいというのでもう一回見た。
二回目の方が入場者が多く、車椅子のお客と視覚障害のお客が来ていた。
盲導犬と一緒に映画を見るのは初めてだけど、実に静かに待機をしていた。
『いしぶみ』は朗読が主体なので、耳だけで聞いていても分かると思うが、
本編前の予告って、聴覚だけだと謎の映画が多い。
今の映画の予告って映画のタイトルをほぼ話さないのだなあ。


◆『さとにきたらええやん』
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▲パワフルやね。

五つ星評価で【★★★「こどもの里」の魅力】
大阪、釜ヶ崎(貧乏人いっぱいおるところやろ)にある保育施設「こどもの里」を描いたドキュメンタリー。大阪のガキどもがつらい目を背景に抱えながらも「こどもの里」という居場所を得て、元気に暮らしてるのがよく分かる。うじゃうじゃ出てくる子供を見てるだけで元気が出てくる。本来、子供ってそういう力を持っている。ただ、あまり近くにずっといられるとうるさくてオデは嫌なのだけど。
ドキュメンタリーとしては、幾つもの事件をダラっと平行して淡々に描いてるのだけど、特に工夫や演出を感じさせないこの映画が予想以上に退屈を誘わない。きっと小さな一つ一つの出来事の積み重ねで少しずつ事態が前向きに進んでいくのが分かるから安心して見れるのだろう。


◆『マンガをはみ出した男赤塚不二夫』
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▲これ、アラーキーによる写真。

五つ星評価で【★★★赤塚不二夫を題材にしたドキュメンタリー】
晩年アル中になって、マンガから遠ざかったりする部分は
豊臣秀吉の晩年みたいで、やっぱりちょっとキツいんだわあ。
しかし、破竹の勢いのデタラメっぷりは良い。
気分でふらふらデタラメしてる訳ではなく、
それが社会的にタブーであっても、タブーであれば尚更のこと、
システマティックにデタラメする事が、赤塚不二夫の存在意義だったのだ。
赤塚っぽい絵でありながら、ちょっと外してるようなアニメート部分は微妙。
赤塚論としてはたいへんよく出来た映画だと思う。


【銭】
マンガをはみ出した男赤塚不二夫:額面1500円の前売券をチケ屋で980円でGET。
さとにきたらええやん:映画ファン感謝デーに観て1000円。
いしぶみ:1年有効の5回回数券購入(6000円)1回使用。
 ちなみに1年有効の10回回数券10000円というのもある。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
いしぶみ@ぴあ映画生活
さとにきたらええやん@ぴあ映画生活
マンガをはみだした男〜赤塚不二夫@ぴあ映画生活

2016年07月28日

『ワンピース・フイルム・ゴールド』をトーホーシネマズ日本橋7で観て、ある意味とても東映らしいぞふじき★★★

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▲カリーナ(右)のこの服って『時計じかけのオレンジ』のアレックスっぽい。

五つ星評価で【★★★ベタっちゃベタやのう】
いつものワンピースと大きく変わらん。
悪い奴(もしくは悪く動かざるを得ない者)がいて、ルフィが魂を込めて大喧嘩。
精も根も尽き果てるほどの戦いの中、最後まで我慢したルフィが勝利を治める。
これ以外は枝葉であろうが、その枝葉で映画の色が付くから枝葉は枝葉で大事。
ただベースが変わらんので、
見終わった後は「あゝ何かやっぱりいつも通りだった」との感慨を抱く。
まあ、そんなつまらなくないからベースの構成はこれでいいでしょ。
ただ、ルフィーの頑張りタイムがあまり長くなるのはよくない。

それにしても麦わら一味が多すぎて何をやるにも集団行動になりがちだ。
ルフィー、ナミ、ウソップ、チョッパー、ゾロ、サンジ、ニコ・ロビン、フランキー、ブルック。多い。整理つかん。ゾロよろしく、ニコ・ロビン、フランキー、ブルック辺りは処刑ショーの人質にして活動人数減らしてもよかったんじゃないか?(人選は別にしても)。

敵はテゾーロ(黄金)、タナカさん(抜け)、バカラ(運)、ダイス(筋肉)。
テゾーロはあまりに負けなすぎるのが難。
過去の回想はなかなか泣かせる。
タナカさんは敵部下三の線、まあ、こんななんでね。
バカラは敵部下美女線、ちょっとこの能力にはワクワクした。
こんなんどうやっても勝てそうにない。攻略も上手かった。
ダイスはいらんだろ。

あと大事な役ではナミの昔の仲間カリーナ。
声は満島ひかり。あまり上手くないなあ。
ああいう役だからかもしれんが感情移入しづらい。

海軍側のロブ・ルッチとスパンダムも別に出さんでいいキャラ。

ラストでかかるGLIM SPANKEY
勿論、よう知らんかヒリヒリするボーカルの声はとてもいい感じ。

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▲このお姉ちゃん(バカラ)の能力が今回の能力の中で一番怖いと思うんだけどな。


【銭】
トーホーシネマズのメンバーカイントポイント6ポイント使ってロハ鑑賞。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ONE PIECE FILM GOLD@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ONE PIECE FILM GOLD@Akira's VOICE
ONE PIECE FILM GOLD@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS そうそう。同じフォーマットで客が喜ぶ物を作るのが東映っぽいと思ったんだよ。

2016年07月27日

『屋根裏の散歩者』を新宿シネマート1で観て、もっと切っていいのよふじき★★

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▲木嶋のりこ(左)と間宮夕貴(右)。どっちも脱ぐ。偉い。

五つ星評価で【★★何故1カットをもっと短くしないのか?】
『失恋殺人』『D坂の殺人事件』に続く
江戸川乱歩エロティックシリーズ第三弾だそうです。
『D坂の殺人事件』の方だけ見てる。
監督もD坂と同じで、基本、同一世界の連作になっている。
D坂同様、1カット1カットが長い。役者の挙動を最後まで追ってるのだが、
観客はそこまで一つ一つの動作を確認したくて映画を観ている訳ではない。
1カットが長い事でテンポを悪くしている。
カットカット切り込めば113分の長さにはならないと思う。

河合龍之介が屋根裏から各部屋を覗く。
河合龍之介の熱演と舞台になる屋根裏の荘厳さとそこで掛かる音響で、
屋根裏のカットはとても素晴らしい。
魔的な屋根裏。
覗いている部屋より屋根裏の方が荘厳に見えるのはとても異界的でよい。
しかし、河合龍之介が屋根裏からの窃視にこだわっていく「狂い」が
河合龍之介によって語られる事がないので、その構図の面白さに反して
「女湯が見れる穴があったら覗くよね」みたいにライトに見えてしまう。
河合龍之介が真面目に影が薄い感じを熱演してるので、
そういうチャラさは微塵も感じないのだが、
だからと言って彼の気持ちが見える訳でもない。
悶々としてただ覗き、劣等感から殺人まで犯す男の狂いには焦点が当てられなかった。
だから、河合龍之介はタイトルロールであり、話の中心にいる筈なのに、
狂言回しに甘んじさせられてしまって、とても不遇な役である。
あと不遇と言えば屋根裏からの窃視画像。
これだったら俺も覗きたいと思わせる物にせんと、タイトルに負ける。

河合龍之介に比べると張りあいながら、
ともに狂っていくお嬢様・間宮夕貴と貧乏画学生・木嶋のりこはいい。
狂う事を熱望し、その初端に爪をかけながら常識が邪魔をして狂えずにいる間宮夕貴と
狂う事で愛を得られるなら狂う事に躊躇しない木嶋のりこのぶつかり合いがいい。
特に木嶋のりこの演技への欲望が熱く、ああ、この人はずっとこういう風に思いきった演技をしたかったんだろうなあ、とか感じさせられた。間宮夕貴は『甘い鞭』を見て、この人に任せておけば演技は大丈夫という安牌な人なので、どちらかと言うと引立て役だけどOK。
木嶋のりこって細かい役をチョコチョコ見てる。
『ピョコタン・プロファイル』
『ユリ子のアロマ』
『こたつと、みかんと、ニャー。』
『こたつと、みかんと、殺意と、ニャー。』
『Z〜ゼット〜果てなき希望』
『ちょっとかわいいアイアンメイデン』

ちょっとずつ演技が増えていってる。ああ、本当に演技したかったのだろうなあ。

監督の窪田将治はD坂以外だと『僕の中のオトコの娘』だけ見てる。あれ、嫌いじゃない。あれも女装癖に何故のめり込むのかの原因がはっきりしない映画だった。今回も窃視症の原因ははっきりしないが、今回のは女優二人にスポットライトを当てるのが目的だからいいのだろう。映画の中の女二人に河合龍之介に惚れろとは言えないが、どう見てもクズありありの歯医者に惚れるのが口惜しい。原因がハッキリしないと言えば、このクズに美女二人が惚れてしまう点だろう。そこは「そういう世界だから」でいいのだろうか。私はこのシリーズに出てる明智小五郎が嫌いなのだが、この映画の明智小五郎がこの映画の木嶋のりこ、間宮夕貴に関係を迫られたら、明智犯されてしまうだろう。それくらい明智が弱そうというか、女優二人が強そうというか。明智のホームズみたいな衣装、大嫌い。

色調がモノクロと見紛うくらい色身を抑えているのだけど、
屋根裏から覗く濡れ場シーンだけほんのちょっと色身が増す。
せっかくだから、すずきじゅんいちのロマンポルノみたいに
ここぞとばかり肉色の暖色を強調すればいいのに。

基本、文句が主体だけど、木嶋のりこ、間宮夕貴、河合龍之介はリスペクト
というのがこの映画に対する姿勢。


【銭】
25日はシネマートデイで全員1000円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
屋根裏の散歩者@ぴあ映画生活
▼関連記事。
D坂の殺人事件@死屍累々映画日記

PS 
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▲「来るよ、屋根裏の殺人者はきっと来るよ」
 ガメラの藤谷文子みたいなショット

2016年07月26日

『その日の雰囲気』を新宿シネマート1で観て、何でこの邦題?ふじき★★

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▲ちなみに宣材ポスターの二人は同一人物なのだろうが、映画撮影と別に撮られたらしく、映画の中の登場人物にあまり似てない。

五つ星評価で【★★誰を対象にしたのか分からない謎の題名】
ハングルは分からないが英題は『Mood of the day』なので、『その日の雰囲気』は全くの不正解ではない。だが、映画の中の「the day」を未鑑賞の人に悟らせるのは難しいので、思いっきり飛躍して意訳して『やりちんムードとやりまんムード』とかならニュアンスがそんなに間違えていない。これではオシャレな韓国映画ファンを捕まえられないので、チラシの図案にも取り入れられてる『無敵のこじらせ女子vs完璧なプレイボーイ』というのをタイトルにまで引き上げるのが分かりやすくていいのではないか。

物語はヒョンな事で知りあったガードの硬い仕事女とイケメン軟派男の短い二人旅。仕事女の仕事と軟派男のSEXがそれぞれのゴールに用意されてる大人のラブコメだが、相手に如何にキュンキュンするかみたいなのが極端に抑えてあるので、「ラブコメ」らしさは皆無なくらい低い。それぞれが性根を入れて相手をボロボロになるまで叩きあって親交を深める様は恋愛ものよりバディーものに近いかもしれない。

配役はこの女と男の二人がほぼほぼ出ずっぱりで、他はチョボチョボ。二人だけで『セトウツミ』よろしくずっと喋ってる(あんな間や余韻はない)。

ハッピーエンドは悪くないけど、あまり大きな爽快感がない一本。
この切り口のラブコメは今まで見た事がないので、ちょっと新鮮。

コジラセ女子はムン・チェウォン。井上真央と名取裕子を足して2て割った感じ。
ナンパ男はユ・ヨンソク。高嶋政伸を3000万くらいかけて整形した感じ。


【銭】
25日はシネマートデイで全員1000円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
その日の雰囲気@ぴあ映画生活

2016年07月25日

『死霊館 エンフィールド事件』をUCT6で観て、怖いより女の子可愛いと思ったおでは変?ふじき★★★(ネタバレ)

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▲この子がとっても自然でええわあ。

ネタバレします。注意

五つ星評価で【★★★あのラスボスが出てくると日本人は「それってちょっとどない」と思ってしまう】

シリーズ1作目、2作目未鑑賞。
とは言え、独立して作られているので見る上においては全く支障なし。
でも、「怖い」とかより、イギリス少女の可愛さの方が上。
イギリスっぽい、高くなくても質のいい感じの服の着こなしもステキ。

ポルターガイスト現象を調査に着た霊能力夫婦の前に明らかにされる相手の正体は!
という訳で心霊現象の相手が二段構えでラスボスがいる事になってるのだが、
このラスボスが西洋でいうところのDEMON、悪魔なのである。
こちとら仏教徒なので「悪魔」が少女を狙ってると言われてもピンと来ない。
私、個人的に霊、地縛霊、憑依霊などは信じる。
だけど、その上位存在である神様、菩薩、閻魔大王、鬼、悪魔などは信じづらい。
これは各宗教の物語が混入してきており、その物語を別の宗教では受け難いからだ。
それでも映画の中で悪霊に対して十字架をかざして調伏しようとするのは違和感ない。
同じ文化圏の者同士、「神」という概念をブラシーボ効果を使って
浄化に流用できるという推測ができるからだ。

本当に悪魔がいるとは思えない。
物語の上では悪魔は全能の神に反旗を翻した存在。
だから、悪魔の目的は全能の神に楯突いて人類を堕落させる事、
とするなら、悪魔は忌まわしい事なら何をやってもいい事になってしまう。
これは説得力がない。そんなことやっても悪魔に旨味がないからだ。
神や悪魔の高次元の存在の計らいは分からんと言ってしまえばそれまでだが。

なので、この映画もなかなか面白いのだけど、相手が悪魔になった時点で、
とても怪しい物語に感じてしまう。悪魔教として組織されているなら別だが、
単体単品の悪魔は寓話の中の道化のような存在にしか思えない。
奴等が一匹一匹現存しているとはどうしても思えないのだ。

であるなら「あれ」は何だったと解釈すれば落ち着くか。
ポルターガイストが思春期の少年少女の超能力の発露という説もあり、
それが彼等自身のコンプレックスを自虐に痛めつけるというのは説得力がある。
事件を収めるには少女を大人にしてしまえばいいが、成人映画じゃないから、
私は賛成だけど、多分、それはまずいだろう。

なら、どう話を持って行くかと言えば、悪霊が悪魔を偽装していたというのが
他宗教徒の私にも理解しやすいストーリー・テーリングだろう。
霊現象にはあまり理屈がない。
霊現象は実体のないパーソナリティーの感情の暴走のようなものだ。
なので、好き嫌いだけで好き勝手な事をする。
特定住人への嫌がらせや脅し、リピート属性などがそれを物語る。
霊のパーソナリティーが脳髄を持っていた時のように極めて論理的な行動や思考を
するかについては疑問があるが、それでも、霊が相手を単に恐怖させる為に
悪魔を偽装するというのはなくもなさげた。これは共通文化圏の忌むべき物が
同一であるから出来る事で、日本だったらもっと曖昧に「祟り神」みたいな存在に
偽装するかもしれない。

霊は悪魔に扮し、彼の好む絶叫を引きだすが、彼自身が悪魔を演じる事により、霊が十字架のブラシーボ効果で多少なりとも調伏を受けるように、悪魔に対する正しい攻撃がブラシーボ効果によって悪魔でない霊にも効いてしまう。そういう事象が起こっていたのなら面白い。まあ、そういう事にはならないでしょうが。


【銭】
会員特典の入場ポイント2ポイントを使って割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
死霊館 エンフィールド事件@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
死霊館 エンフィールド事件@或る日の出来事
死霊館 エンフィールド事件@ノラネコの呑んで観るシネマ
死霊館 エンフィールド事件@Akira's VOICE

PS あのラストの部屋で『レイダース』みたいやなと思った。

2016年07月24日

『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』を109シネマズ木場1で観て、今年のポケモンええやんふじき★★★(ネタバレ)

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▲左が善、右が悪、真ん中にマギアナ。何か鉄人28号っぽいな。

五つ星評価で【★★★ボルケニオンの男気とどう悪役を設定するか】
一部、練れてないとか適当と思わされる部分もあるにはあるが、
それでも去年までの「強いポケモンさえ出しとけばええんやろ、へいへいへい」的な
投げやりな話ではなくなっている。
善悪がはっきりしていて分かりやすいのはいい事だ。

新登場のスチームポケモン「ボルケニオン」は伝説のポケモン。
サトシ三日に一回くらいの割合で伝説のポケモンに会ってるよな。
体内に蒸気を溜め込み噴出させる事で山一つ吹き飛ばすくらいの力を持っている。

もう一つ新登場のポケモンは人工ポケモンのマギアナ。
世界唯一の人工ポケモンで、一応アニマル・ロボットという解釈でいいと思う。
山一つ吹き飛ばすボルケニオンの噴出に耐えうるボディーを持つ。
又、思念体のコアであるソウル・ハートは、
古代文明の移動要塞の起動・運用ソフトが内包されているようだ。

ゲスト声優はボルケニオンに市川染五郎。
ショタコンっぽい王子ラケルにショコタン中川翔子。
ラケルの姉キミア王女に松岡茉優。
悪役ジャービスに山寺宏一。
ゲスト声優陣、特に何の問題もなし。
市川染五郎はいい仕事をしている。山ちゃんは超プロ、ショコタンはセミプロみたいなもんだから。松岡茉優は普通。下手でも上手くもない。ただキミアの情感を薄く感じたのは彼女の責任かもしれん。
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▲キミアの服が超エロい。

話の中心はマギアナの争奪戦なのだが、
ボルケニオンとマギアナが捨てられたポケモンの世話をする存在というのが中々辛辣だ。人間以外の動物がいない世界で、ポケモンは動物の代用品である。捨てられたポケモンたちは高原で共同生活を送るが、彼等はその出自から人間をとても警戒している。捨てられたペット達が保健所で人間に慣れるまで時間がかかるのに似てる。
人間嫌いのボルケニオンの言葉は辛辣だ。「人間は嘘を付くから信用ならねえ」
彼の近くで暮らすポケモンは全て彼等の飼い主に裏切られた存在なのだ。

そのボルケニオンがサトシと交流し、少しずつ人間を認めていく中、
マギアナが捨てポケモンを人質に奪われ、解体されてしまう。
そして解体されたマギアナが部品として使われ、攻撃を命令される場所が
捨てポケモンの高原なのだ。もう、悪人の悪辣さがたまらん。
今回の悪人はポケモンを武器として使い、その命を野心の為に踏みにじる男だ。
活劇は悪人が悪いと乗る。

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▲キミア王女役の松岡茉優のポケモンイベントでの衣装。
そこはキミアになって来いよ

【銭】
毎月19日109シネマズのメンバーズデーで1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」@ぴあ映画生活

2016年07月23日

『デビルズ・メタル』をシネマカリテ1で観て、ゲラゲラ大笑いふじき★★★

カリコレ2016年の1本

五つ星評価で【★★★トロント・アフターダーク映画祭観客賞受賞作品、どんなしょぼい映画祭でも(トロントのことはよく知らん)観客賞を取った映画なら俺は信じる】
学生メタルバンドがひょんなことから手に入れた黒い讃美歌をメタル・アレンジで演奏したら悪魔が復活して………つー可愛い一本。

主人公のメタル少年がメタルのくせにシャイでナイーブ。
価値観の逆転で田舎育ちの純朴そうな兄ちゃん達がいじめっ子のやな奴。
ホモじゃないが、傷つきやすくメタルに逃避する主人公にはちょっと萌えた。

しかし、疑似チンコ(バイブ)がこんなに出てくる映画って他にないだろ。

斧もってヒロインを演じる女の子より、
ゾンビになった教師にひたすら赤い血のゲロを食らい続ける女の子の方が好み
(本当にチョイ役でそのシーンしか出て来ない)。

何も考えずにスッキリできる1本だ。


【銭】
カリコレは基本の料金1500円均一だが、リピーター割引がある。
前回『シャークネード カテゴリー2(入場料金500円)』の半券見せて300円割引の1200円にしてもらう。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
デビルズ・メタル@ぴあ映画生活

PS 主人公がちょっとジャン・クロード・ヴァンダムに似てる。
 その分、若さがないっぽい(あくまで外観的に)。

2016年07月22日

『モヒカン故郷に帰る』をギンレイホールで観て、癒し爆弾だふじき★★★★

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▲ザ・家族

五つ星評価で【★★★★当たり前の家族の話なのだけど、癒されてたまらない】
家族を演じる役者がみんないいんである。
息子・長男の役立たずモヒカン松田龍平の飄々としていて、社会は分かってくれそうになくても実は彼なりに一生懸命に優しいところ。
父・癌患者、柄本明の同じように不器用にずっと生きてきて全く目が出ずに、人生の最後を迎えるのにその最後もパッとしなそうなところ。
母・もたいまさこと息子の連れてきた嫁・前田敦子がどちらもロクデナシの妻なので、秒速で打ち解けてしまうところ。いや、前田敦子がもたいまさこの懐にすっと入りこんでく自然体が本当に素晴らしい。実の息子より実の子供らしい自然な甘え方。
そしてあまり出番のない社会的に受けのよさそうな当たり前の感覚を持つ次男・千葉雄大の映画の中での掘っておかれ方。普通であるという事は別に描かれなくて当然という事なのだ。なんて不憫な。一番マトモだというのに。

この五人も魅力的だが、島の名も知れぬ役者(だか役者じゃないだかの)有象無象の顔のいいこと。みんなホッとするお人よしの顔だ。

そういえばあの吹奏楽部。誰一人としてスター性のある芸能人みたいな顔が一人もいなくて、みんなそこいらで拾ってきたみたいな顔ばかりなのが凄い。親戚に声かけて集めたような、、、アマチュア映画かよ!

2時間5分、彼等の家族になって心配したり、楽しんだり、ニコニコしたりできる実にいい映画だった。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。同時上映の『家族はつらいよ』もいい映画だが、もう一回見なくてもいいやという事で、今回は一本だけ。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
モヒカン故郷に帰る@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
モヒカン故郷に帰る@映画的・絵画的・音楽的
モヒカン故郷に帰る@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
モヒカン故郷に帰る@流浪の狂人ブログ

2016年07月21日

『シャークネード カテゴリー2』をシネマカリテ1で観て、前作ほどではないけどまあまあふじき★★★

カリコレ2016年の1本

五つ星評価で【★★★トルネードに巻き上げられた鮫が空から降ってくるという奇想は一作目同様面白いのだがバリエーションが少ないのと後半の達成感が少ないので、後ろに行くに従って退屈になる】

またまた鮫、鮫、鮫のオン・パレード。
の筈なのに、そんな鮫満載の感じがしなかったのは、
飛んでくる鮫ばっかだったからだろう。
泳ぎながら近づいたりするケースが少ない。
泳いでくるのも地下鉄車両のように向きが一方向だけ。
バリエーションが少ない。
ときどき流れるスタジオワイドからの天気予報の実況も多いが、
これもスピード感を剥ぐのであんな数いらない。

冒頭の 飛行機vs飛行鮫 のありえない遭遇が
一番面白かったので全体尻すぼみな感じ。

そういや綺麗どころがいなかったな。
女性陣はおばさんかカッペ。


【銭】
オトカリテ扱い500円均一。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
シャークネード カテゴリー2@ぴあ映画生活
▼関連記事。
シャークネード@死屍累々映画日記

2016年07月20日

『ガメラ3 イリス覚醒』をUCT4で観て、エロいが惜しいぞふじき★★★★

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▲映画見終わってから見るとバックの大群ギャオスがかっけー。

五つ星評価で【★★★★エロいところは好き。嫌いなのはイリスのデザインとED】
ファースト・ランの時にエロい所は喜んだけど、バリバリ、グッとは来なかったので、これもやっぱり今回が3回目か4回目(少なくとも2回は観てる)。
嫌いなのは大きく三点。
・イリスのデザイン。
 幼生状態は生物っぽいからギリ許すが、
 成長後はあまりにもギャオスからかけ離れていて、
 幾何学が勝って生物っぽくなく形が分かりにくい。
 あれはどちらかと言うと宇宙怪獣のフォルムだろう。
 飛行形態は綺麗だが(ギャオスの方が好きだけど)立ち姿がマヌケ。
 養分吸収もアイデアは面白いが、もう、それをやるならギャオス変異体ではない。
 つまり、人類の天敵として設計したギャオスに打ち勝つ種としてのガメラ、
 そのガメラの対抗種として新たに作成されたカウンターとしてほしかった。
 では何故、伝説の刀がいるのか。
 ギャオスを母体にしガメラの要素を加えた新生物はガメラのカウンターにはなるが
 ギャオスを絶滅させてしまう可能性もある。
 あくまで開発中の怪獣である為、前文明はその可能性をゼロにはできなかった。
 なので、文明の自殺を目論む勢力はイリスによるガメラの破壊後、
 イリスがを自壊できるように伝説の刀(おそらくバイオ兵器)を残した。
 そんなんにしてほしかった。
 そう言えばイリスって愛猫の名前だけど、
 猫に「イリス」って名前はなかなか付けないよね。
 ネーミングセンスが悪かったら『ガメラ対タマ』とか『ガメラ対ニャンコ先生』
 になってたかもしれない。 
・政府を裏から牛耳る特殊な宗教系の組織
 山咲千里と手塚とおるが所属する得体のしれない団体だが、
 お話上、特にいらんと思う。
 手塚とおるは概念を喋らせるのに便利なキャラだからどうにか出したいところだが。
・ED
 あー、ついに聞かせる系になっちゃったよー、という事で燃えない。
 やっぱG1の爆風スランプが気持ち良すぎた。

クレームに反して、好きなところはエロいところ。
もう前田愛がそのままソープいって現役で働けますってくらいローション塗れだし、
「イリスあついよ」とかどの面さげていいよる的なエロセリフ吐くし、
前田愛が取り込まれるイリスのコア部分が妙に女性性器くさいし、
それを男性性器のようなガメラがこじ開けるんだから、エロさ半端ない。
助け出した前田愛は失神してるし。おいおいおい。

ちなみに中山忍は相変わらず凛としてよい。
そして今回再開してペアになる蛍雪次朗がくたびれてて良い。
二人揃ってとてもバランスの取れたいいコンビだという事がよく分かる。
理系(科学によって前進させる力)と文系(情)という組み合わせなのだな。
文系(情)がいないと、進められない障壁があるというのがよいなあ。

藤谷文子がかっけー姉さんになってて嬉しい。
前田愛と比べるとちゃんと姉さんなのね。
ガメラがやられる度にスイツチングでこれでもかと
挿し込まれる文子ちゃんのオロオロ顔が凄い効果的。
何かの色紙に彼女が「私はガメラに捨てられた女」って書いてたのには笑った。

オマケ的には仲間由紀恵がけっこう尺が長いな、と。可愛いからね。
安藤希はいらん役のような気がするけど、可愛いからな。

それと特撮すげーの。アングルとか凄すぎて分からんのもあるけど凄い。
渋谷には東急文化会館と東横のれん街がまだあった。
そんな中、爆風で吹き飛ばされる人間。
個人単位で人間を怪獣が殺している絵を直接撮ったのは
これが初めてじゃないだろうか?

前田愛(幼い頃を演じるのは妹の前田亜季)のお父さんが三田村邦彦(ビオランテ野郎)、お母さんがかとうかずこ。お父さんがそのまんま東じゃなくって良かった。前田亜季はG2にも出てた。G2での母ちゃん役はかとうかずこじゃないだろうから、これは別人役だと思う。明らかな別人をG1からG3の中で演じてるのは案外、前田亜季だけかもしれない(キッチリ調べてないから特別出演系で他にもいるかもしれない)。

まあ、何らかんら言うても面白いよ。


【銭】
1300円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ガメラ3・邪神〈イリス〉覚醒@ぴあ映画生活

PS イリスって手足のないメフィラス星人にも似てる。
PS2 レギオンの時には協賛に「亀田製菓」が付いてて、
 エンドロールで「おおっ」と思ったけとせ、今回はなかった。

2016年07月19日

『野生のなまはげ』をK'sCinemaで観て、まあまあまあふじき★★★

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▲部屋の中になまはげがいると狭そうである。

五つ星評価で【★★★野生動物としてなまはげが存在する世界線で、なまはげを故郷の山に返そうとする少年の話がそこそこ呑気に語られる】
なまはげに野生と養殖の物がいる事を始めて知りました。
リアルな母ちゃん(長宗我部陽子!)と子供の飼う飼わないの争いが一番好きかな。
どう考えても頭の悪いハンター二人組、無意味に無双な教授、趣味の悪いペットマニア、女運の悪い父ちゃんとちょっとずつ変なキャラも良かった(主人公が等身大で普通である以外はみなアレな感じ。あ、母ちゃんもマトモか)。

なまはげってデザイン怖いよなあ。

舞台挨拶に来たなまはげも首輪とかしてなかったし、
リードにも繋がれてなかったから
多分、野生種がたまたま舞台挨拶に紛れ込んで来たのだと思う。
舞台挨拶後、スタッフの人が野生なまはげの藁を拾ってたのが印象的だった。ポロポロ落ちるらしい。だから、やっぱ室内で飼うのは適さない動物だ。ツガイで交尾とかされても困るだろうし。

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▲「モーニング朝!」って適当な番組名と完成度の高いロゴデザインが秀逸。

オマケに流れた『ケンダマスター』のトンマな受け答えをさせられるサポートセンターの女の人の声がごっつ魅力的で官能小説とかさつま揚げ片手に喋ってほしい。『バームクーヘン』の唐突に捲し立てる海の女神も羞恥プレイみたいでええわあ。『ハイスピードたまごろう』の思った通り感も嫌いではない。こういう短編20本くらい集めて一つのフォーマットに流し込んだ一本とかの方が見たいかもしれない。

こういう人生に何の爪痕も残さないタイプの映画は好き。


【銭】
当日一般料金1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
野生のなまはげ@ぴあ映画生活

PS 長宗我部さん、蓉子から陽子になったのかあ。
 長宗我部さんの前の芸名って何だっけ? 
 ググった。奈賀愛子ああそうだった。そうだった気がする。

2016年07月18日

『クリーピー 偽りの隣人』を丸の内ピカデリー1で仕事帰りに観て、もたなかったんで寝てしまったけどどうしたもんかふじき★★(ネタバレ)

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▲芸達者親子。

ネタバレ気味です。注意

五つ星評価で【★★何か好きになれない人がいっぱい出てた】
『スヌーピー 偽りの隣人』って言うから、
髪型から想定してチャーリー・ブラウンは香川照之で、
ルーシーとライナスが竹内結子と西島秀俊で、スヌーピーはマックス。
そんなに間違えてない気がする。

原作未読。

寝ちゃったから詳細はっきりしない所もあるんだけど、西島秀俊が何で川口春奈の事件と香川照之の事件を結びつけたがるかがよく分からなかった。香川照之は確かに怪しいのだけど、怪しいというだけで全ての事件を被らされてはたまらない。

川口春奈は妙に綺麗になってた。
と言うか、黒沢清が撮るとこういう風に隙がなく撮れるのか。

藤野涼子は凄い良かった。役者として気持ちが出来てるな、と。
まだ引き換えせる時と、もう引き返せなくなってからの演技の幅が凄い。
この両面を出さなかったので、川口春奈は綺麗な被害者でいれたのかもしれない。

香川照之の明らかにおかしい演技は目に付く。
でも、この人はこの映画の三狂人の一角にすぎない。
この人は家族が欲しい人だ。
家族の中にいる自分を再認識するのが好きなのだと思う。
その場合の家族は自分から見た家族であり、
他の家族が自分をどう思っているかには無頓着。
だから、家族その物の取り換えにもタブーはない。
感情によって人を操っているように見えるが、
彼自身、自分の感情も他人の感情も分からないように見える。

次の狂人は竹内結子だ。
引越の挨拶に手作りチョコはないでしょ。
それで狂人と断定するのも極端だが、
彼女は人間関係の中で優位の位置に立ちたいと思っていそうだ。
彼女が正気でいれるのは犬のマックスが彼女に劣位を明示してくれるからだ。
チョコもそうだし、シチューもそうだ。
彼女は自分の与える褒賞が人に喜んでもらえると信じて疑わない。
それは彼女の自己評価が高いからだろう。
彼女の存在そのものを疎ましく思う存在がいるとは考えない。
だから、一度笑顔を見せてくれた相手にはなついてしまう。
彼女自身が夫と信頼関係が結べず、孤独でいたから。

最後の狂人は西島秀俊で、彼は単に仕事の鬼だ。
単に仕事が好きで、家族も隣人も仕事に影響を与えなければどうでもいいのだ。
なので、香川照之に竹内結子を取られては困る。
彼が大好きな仕事ができなくなるからだ。
その為には香川照之は殺してもいい。
彼は香川照之を銃の力で捕縛さえできればいいのに殺してしまう。
彼は刑事や心理学者としての縛りを抑制できず、感情を爆発させたのだ。
ドラッグを打たれた件もあるし、その前に逮捕された件もある。
彼はそれが自分の社会的評価を下げ、
仕事から遠ざける事を本能的に分かっていたのかもしれない。

竹内結子は最後に大絶叫する。
その叫びからは絶望しか感じえない。
香川照之が死んでしまった後、
擬似でも家族関係を築けるチャンスが失われてしまった事を
彼女の心は分かっているからじゃないだろうか。
彼女を救えるのは西島秀俊より犬のマックスだ。
ただ、彼女が欲していたチヤホヤされるような一番の優位は
今後の人生で得られないかもしれない。

あと0.00001%くらいの確率で、実は犬のマックスがラスボスという事もあるかもしれない。その場合、川口春奈の件は全くの別件で、香川照之は西島夫婦が引越ししてから超高速度で異常者に変貌した事になるが。

ただ単に鬱っぽくなるものを見るのは嫌だわ。それが黒沢清だと言っちゃえば会社帰りにふらーっと寄ってしまった自分の未熟を恥じるしかないが。

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▲地震の時にいたくない部屋。


【銭】
松竹の前回有料入場割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
クリーピー 偽りの隣人@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
クリーピー 偽りの隣人@映画的・絵画的・音楽的
クリーピー 偽りの隣人@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
クリーピー 偽りの隣人@ここなつ映画レビュー
クリーピー 偽りの隣人@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

PS 写真男「あの人オドレイ・トトゥじゃありません、全然別の人です」
PS2 岩尾「あの人後藤さんじゃありません、全然別の人です」
PS3 多分、題名からあのドラッグに見える注射はお湯に溶いたクリープ。
PS4 香川照之、安田大サーカスの団長に似てる。

『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』をHTC有楽町2で観て、話はルーチンだが波瑠の声が良いふじき★★★

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▲アンパンマン

五つ星評価で【★★★話はいつも通りすぎる。でも波瑠の声が可愛くってたまらん】

外界から大きな力とともにやって来た子供が、その力を悪者に奪われ、アンパンマンたちと力を合わせて奪われた力を取り戻し、何か一つ学んで帰っていく。
最近はこれが鉄板になりすぎてて、他のパターンの話にならないのはよくない傾向。この粗筋のルーチン化ってドラえもんでも度々起こる。あまり複雑な展開にすると幼児が付いて来れないという制約もあるのかもしれないけど、余りにも同じ話はどうだろう? いやまあ、普通アンパンマンのお客は卒業して行ってしまうから、ずーっと見ているお客がいないので、品質を守るために、あえて必ず同じフォーマットを使用しているという可能性もあるけんど。あんま俺の為だけに毎回違うフォーマット作れとも言えんしなあ。

なので、今回、話で救い上げられる部分はそんなにない。
おもちゃの星の女王ルンダが邪険に扱っている家臣ロボットナンダの
優しさが身に染みるとことか中々いいけど。
家臣ロボット、ナンダが陸海空に合わせて変形する
鉄人いやアイアン・ジャイアントみたいでなかなか頼もしい。
このナンダは中川家の弟・礼二、海の魔物は中川家の兄・剛。
どっちもゲスト声優にうってつけの軽くて変化がない役。

オモチャの王女ルンダの声は波瑠。
この波瑠の声がいつも通りの声なんだけど、
子供のワクワクドキドキ感がちゃんと出てて凄く良かった。

短めの映画であるが、幼児の注意力をそらさない為、
予告等を短く調整して流していたテアトル系、偉い。
(基本、幼児は長い時間、集中できんもんで)


【銭】
テアトル会員割引で1300円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ@ぴあ映画生活

2016年07月17日

『世界から猫が消えたなら』を新宿ピカデリー10で観て、見る前に過大評価ふじき★★★(ネタバレ)

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▲悪魔は「電王」のウラタロス風でもあり、、、か?

ネタバレです

五つ星評価で【★★★猫の消失トリックがどうであるか】
猫がどう消えるかについて興味があった。
大病を患い、明日、死ぬことになった主人公が悪魔と契約し、
自分の大事な物を一つずつ消す事によって1日分の命を得るというのが粗筋だ。

1日目は電話(愛の記憶)、
2日目は映画(友情の記憶)、
3日目は時計(親の職業=男親との過去の記憶)
4日目は猫(家族の記憶)

という形で主人公は経験した過去を剥奪され、
現在の元恋人や友人を失っていく。
カラになっていくと言えばいいだろう。

悪魔との契約による消失がどう描かれるかに興味があった。
映画を見に行く前に仮説を立てた。
猫が消えるという点について、
いきなり世界から全ての猫が物理的に消えたら大混乱になるだろう。
猫を家族と思って生きている人だって多かろう。
だから、そういう消え方をする事はあるまい。
それなら「猫」という存在がなかった事になればいいのではないか。
だが、その場合、ヤマネコが飼いならされイエネコになって以来の
猫の記録が全てがなくなってしまう。そんな大掛かりなSF考証やれるだろうか?
バタフライ・エフェクト効果も甚だしいが、そういうの無視するのか?
そこで、そういう事を考えずにスマートに欠落させるなら、
主人公が猫を感知できなくなるアイデアだったらよさそうだと思った。

催眠術に掛けられた被験者が数字の「7」だけ認識できなくなるように、
悪魔の指示が強迫観念となって脳疾患を助長させる。
一日に一つずつ主人公は彼の大切な物を実質の物体はそこにあるにも関わらず
認識ができなくなるのである。あくまで欠落するのは彼一人の内面の話なので、
大きな世界の変更を要さない事から、リアリティーがあり、
そして、彼の病状ともリンクする劇的な展開になるんじゃないだろうか?

という事で、そういうクレバーな展開になるかどうかを確認しに行った。

残念ながら、そんなクレバーな展開にはならなかった。
「猫」がなくなるという事は、単に目の前にいる「猫」がいなくなって、
「猫」という概念もなくなる。但し、それによって大きく世界は変わらない。
変わらざるを得ない部分は変わったとしても差異は最小にとどめる。
そんな作りだった。

要は、彼の前に現われる「悪魔」は本当の悪魔で、
神様がやれるくらいの奇跡は鼻歌混じりに起こせるのだ。
いや、そんな事が簡単に出来るんなら、
つーより、奇跡の力が万能だったり、悪魔が本当に悪魔であるなら、
もっと大掛かりに面白い物を消せたり、
設問事態を魔的な物に変えられるのではないか。
『バットマン ダークナイト』でジョーカーが多数の人命を賭け事に使ったように、
目の前のバスが5秒後に爆発するけど1日生きながらえますか、
目の前の見知らぬ女子高生がこれから百人の男に輪姦されるけど
1日生きながらえますか、とかとか。
何はともあれ「神様」や「悪魔」を持ちだす事によって論理性を全て捨て、全て解決させてしまった。これはこの物語の基盤がSFではなくファンタジーであり、ファンタジーが嫌ならお伽話と言う事になる。つまり、どんなに破綻していても「らしい」であればいいのだ。

そう言えば「神様だから何でもできる」というのには超大名作である
フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』があった。
あの映画の中の主人公自身がいない世界、
あれの真似事を規模を小さくして何回か繰り返しているに過ぎない。
でも、小さくではあるが綺麗にまとまっているので、これはこれでいいのだと思う。
でも、どうしても自分自身が考えた認識的な欠落の方が物語をキッチリ整合性がある物として見せてくれそうで素晴らしそうだと思えてしまう。自分贔屓であるのは承知だが、このギスギスした時代に神様や悪魔を持ちだして都合よく物語を展開させて「寓話なんだから許してくれよ」というのはムシがいいように感じるのである。

とは言え、相変わらず宮崎あおいの演技は唸らされた。
予告でも流れるあの泣き顔にはやられる。
予告と言えば、予告で流れた多幸感の強いボーカル曲は本編では控え目に感じた。
オーディオ設計やドルビー設計が予告編の時が最適に調整されていたのだろうか?

宮崎あおいもいいし、佐藤健も別に悪くないし、ぼーっと見てそんなにつまらない映画ではないんですが、見る前に評価レベルを上げすぎてしまいました。そう言えば、悪魔の容姿が佐藤健本人と言うのはいいアイデアだ。基本、何でもいいのであれば、悪魔の容姿はデーモン小暮だったり、ペロリンガ星人でもいいんじゃないかと思う。ペロリンガ星人に翻弄される佐藤健なんてのもなかなかオツではないか。


【銭】
松竹の前回鑑賞割引+ネット予約割引で1200円。

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世界から猫が消えたなら@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
世界から猫が消えたなら@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評

2016年07月15日

『ホーンテッド・キャンパス』を新宿ピカデリー7で、『復讐したい』をUCT12で観て、メアリージュン姉御ヨイショ★★★,★★★★

頑張れメアリージュン

◆『ホーンテッド・キャンパス』
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▲綺麗どころ二人。

五つ星評価で【★★★ラノベらしい小さな快作】
原作小説未読。
大学のオカルト研究会に入部する事になった霊の見えるヘタレと後輩のラブコメ。
オカルト研究会のメンツがキャラ立ちしてるので気持ちよく映画を見れた。

部長の安井謙太郎:詳しくは知らないがジャニーズの人。
 オカルト、霊体験オタク。言動は軽め。
 オカルト方面では知識があるので頼りになりそう。金持ち。
部員1大野拓朗:ぐぐったら高台家のお爺ちゃんやった人だった。
 オカ研の癸押N邊兇あるが主人公ほどではない。貧乏人でずっとバイトしてる。
 ちゃんと生活している人という視点から頼りになる。
部員2高橋メアリージュン:モデル兼女優。手足がスラっと長くキャバ嬢感強し。
 お見合いセッティングおばさん的な位置付け。女は愛嬌&度胸どっちもありそう。
新入部員1島崎遥香:いわゆるAKBのぱるる。ちゃんと演技してる。
 安井謙太郎と従妹の設定。霊に憑りつかれやすい体質の為、オカ研で守られてる。
新入部員2中山優馬:関西ジャニーズ。バラエティーでたまに見る顔。顔濃い。
 島崎遥香に片思いしてオカ研に入部。霊が見えるが必死に無視して生きてきた。
 熱い演技がちょっと鬱陶しいが、月曜ドラマランドの線を考えれば
 まだまだ我慢できるレベル。

この五人が霊に関わる事件に巻き込まれていくのだが、それぞれのキャラに迷いがない感じ。混同する事もないし、セリフもそれぞれのキャラが言いそうな事を的確に言っている。事件としては前半と後半とで二つの事件を扱うが、そこに出てくる森本レオ、大和田伸也が大人として、いい演技を披露している。

高橋メアリージュンの関西おばはん乗りが「これだ」という嵌り具合。
この人はあまり真剣に悩むような役より、横にいて気持ちいいみたいな役がよろしい。何となく鈴木紗理奈枠という気もする。

主役の中山優馬のバタバタした演技は好きではないんだけど、彼がバタバタにベタなヘタレ方をしてるおかげで映画が楽に見れたというのはあると思う。


◆『復讐したい』
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▲右が水野某。

五つ星評価で【★★★★いや、すんげちゃんと面白かったけど、多分、宣伝うって映画興行として稼ぐ気はなさそう】
山田悠介原作、室賀厚監督ってピッタリ嵌りすぎコンビやろ。
で、室賀厚なもんだからバリバリ安い予算で、面白い出来なのにヒットはしないのだ。この室賀厚の全くヒットしない不運振りを見ると、宣伝費用とか誰か使い込みしてるんじゃないだろうか。

犯罪者に対する被害者家族の復讐法が成立したという設定で、犯罪者の復讐が施行される無人島での18時間を描く。犯罪者が狩られるべく復讐の施行者に有利な条件が付けられているのだが、それらを上回るテロリストが暗躍してゲームがゲームの枠組みを越えようとする。ラストの終わり方は予定調和で興ざめなのだが、全般とてもよく出来ている(限られた予算が見え見えで絵は安いのは許す)。

主演の水野勝って『白鳥麗子でございます』の彼か。俺、彼をイケメンとは思えんのだよなあ。ゴツゴツした泥人形が命を得たみたいで。

その水野勝の亡き妻と瓜二つの別チームに狩られる女を二役で演じているのが高橋メアリージュン。これはいい配役だ。高橋メアリージュンって綺麗だけど、ちょっと信用しづらい顔立ちだもの。


【銭】
ホーンテッド・キャンパス:ピカデリー会員割引+ネット割引で1200円。
復讐したい:UCT会員2ポイント割引で1000円。

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ホーンテッド・キャンパス@ぴあ映画生活
復讐したい@ぴあ映画生活

2016年07月14日

『TOO YONG TO DIE! 若くして死ぬ』をトーホーシネマズ日本橋2で観て祭だワッショイ雑でもワッショイふじき★★★

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▲ジャニーズさんが許可しないので長瀬がいないバージョンの絵があるんだな。

五つ星評価で【★★★いつものクドカンらしく惜しい映画】
クドカンって決してつまらなくはないし、
見ていて「グッ」と来る部分も散りばめてくれたりもする。
ただ、自分が監督の時は何でも詰め込んでしまって、
もっといらん所切れるだろうと思わされる。
凄くいいカットを平凡なギャグ乱発で間延びさせてしまう。
監督作後半のテンポは基本いつも悪い。

今作で特に悪いのは女優が可愛く撮れてない事だ。
ホモかよ、お前!
ふじき「お気に」の森川葵はある人に寄せる必要があるからか、何か良くない。
抜ける抜けないで言うと抜けなくはないが、積極的に抜きたい気分にならない。
死神の尾野真千子は普段と違うイメージなのはいいが、まあそこだけだ。
あの死神でも抜く気にはならん。
尾野さんが手伝ってくれるなら抜けるだろ(そらそうだろ)。
この映画ではそういうのないけど、尾野さんって「凄く嫌な顔」ができる女優なので、
尾野さんに「このカス!」みたいに詰られたいという人は隠れていっぱいいそうだ。
一番、抜く対象として頑張ってるのは悪魔コスプレバリバリの清野菜名なのだが、
あれで抜けるなら桐谷健太でも抜ける気がしてならない。そら、まずい。
皆川猿時ではもちろん抜かない。
シシドカフカなんて皆川猿時と同列に並んじゃったから抜かない寄りだよ。
抜かない寄りで行くなら、閻魔大王の古田新太も抜かない寄りなのだけど、
閻魔大王と皆川猿時のメイクや存在感がさほど変わってない気がする。
髭を生やしながらはマズいけど、
「古田新太=女子高生」がなくもないというのは流石、地獄。
全てを抜く抜かないで判断するのも何なんだけど、
古舘寛治と宮沢りえは抜かない寄り。
古舘寛治なんて『受難』で女性性器を演じた俳優だから(本当)、
宮沢りえよりはよっぽどメスの匂いがしてきそうなもんだが、
宮沢りえがあんな普通に「お母さん」で、
「お母さん」なだけにしか見えない役ってどうなのよ。
別に本当に古舘寛治では抜かないけれど、「お母さん」でも抜く気はないよ。
こう見えても鬼畜でもなければ、雌雄共有のギャオスでもないんだから。

長瀬と神木隆之介はいい感じで適当。芸達者だなあ、流石に。
長瀬は現世で貸スタジオ経営みたいな事をやってたけど、
地獄と構造を対にするなら用務員か何かがいいんじゃないかと思う。

天国が管理下にあるドラッグ供給施設で、
地獄が主人公が体験していない責め苦を延々与えられる場所なら、
現世が一番天国だなあ。

ラルフ・マッチオの『クロスロード』みたいでもあり。

曲が気持ちいいから星一つサービスだ。

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▲こんなエロイ設定汚いわ。


【銭】
映画ファン感謝デーに見たから1100円。

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TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@ぴあ映画生活
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TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@映画的・絵画的・音楽的
TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ@beatitude

2016年07月13日

『ガメラ2 レギオン襲来』をUCT4で観て、面白いんだけど悔しかったりもする点ふじき★★★★

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▲一作目の安いデザインとは大違い。

五つ星評価で【★★★★面白いんだけど、あの設定第一なところがちょっと映画自体に近づくのが怖いと思わされる】
ファースト・ランの時にそんなにグッと来なかったので、今回が2回目か3回目。
なんでグッと来なかったかというと、ともかくあの敵の設定が煩雑すぎた。
いや、あの煩雑な設定は面白いのだが、その設定の大きさにドラマが釣りあっていない。また、製作者側からはその設定に不備がないと胸を張っていそうだが、一観客から見るとその設定が盤石かどうかは分かりかねる。その辺で今一つ、製作者側を信じられなかったのかもしれない。

軍隊レギオンと草体の関係性や、居住環境を徹底破壊する敵というアイデアは見たことも聞いたこともない凄いアイデアだと思う。その存在が多少あやふやなのは巨大レギオン。女王蜂のようにでかいというのはあり得るだろうが、巨大レギオンは産卵のための巨大化ではないし、あそこまで単体として大きく、そして武装化する必要が生物としてあるのだろうか? それとガメラ自身もそうだが、最後に今までに見せなかった隠し玉みたいな兵器を出しちゃいかん。
巨大レギオンのガメラと対比した際の大きさや屹立した際の更に大きく見せるギミックは実に生物らしくていい。

出演陣の中では水野美紀が可愛すぎる。
なんかしら科学センターの女博士みたいな役どころなのだけど、あまりに可愛いのと、専門分野が明確じゃないのとで、女科学者には見えなかった。でもまあ、あんなに可愛くっちゃ責められないよなあ。

藤谷文子がいい感じに肉が身体について女の子っぽくなった。
チョイ役なんだけど、前田亜季かーいーのう。

ウルフルズのEDは妙に大人くさくてかっこ悪い。


【銭】
1300円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ガメラ2・レギオン襲来@ぴあ映画生活

2016年07月12日

『ミスター・ノーバディ』をフィルムセンターで観て、爽やかなキチガイ映画だふじき★★★

特集上映「EUフィルム デーズ2016」の各1プログラム。

五つ星評価で【★★★凄いけどおでは凡人だから付いていけなげでもある】
リリカルなのにしっかり狂ってる映画。
爽やかな『ドグラマグラ』
人類で最後の非不死者の老人が大きく分けて三つのありえなかった過去を回想する。

回想は婚姻の相手がブロンド、ブルネット、黒髪の誰であるかによって大きく三つに分かれるのだが、相手が誰であっても簡単に幸せにはなれないようである。
ブロンド女性は鬱気質で、彼女は前の恋人をいつまでも思っている(彼女による彼の拒絶)。
黒髪の彼女には、彼が強い関心を持っていない(彼による彼女の拒絶)。
唯一相思相愛関係にあるブルネットの彼女とは関係が疎遠でなかなか会えない。

映画の中で、この中のどれかが虚構である事は、タイプライター画像の挿入などで示唆されているようだが、まあ、どれがどれでもええわいな。色々と苦しみの多い過去よりも、別に祝福されてる訳でもないのだろうけど、穏やかな置物と化しているような未来のビジュアルに強く惹かれる。いや、あの先生の刺青が好きなだけだな、自分。

話が立て込みすぎてて何回も見ないとモノにならない感じがするのだけど、ちょっと長めなのでこれをあまり見直す気にはならない。これを好きな人は好きそうというのはよく分かる。


【銭】
フィルムセンター一般料金520円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ミスター・ノーバディ@ぴあ映画生活

PS ♪人生いろいろ 男もいろいろ 女だっていろいろ 咲き乱れるの
 という島倉千代子の「人生いろいろ」みたいな映画だった。
PS2 しかし、もう生殖のための性行動すらしていないという未来、
 あの未来が完全なセックスレスであるなら『TOO YOUNG TO DIE』の天国にも
 通じる所がある。どんなに辛くっても肉体を伴った喜怒哀楽があるところにこそ
 人は幸せを感じれるのだ。

2016年07月11日

『ザ・ウェイブ』をHTC渋谷2で最終日に観て、これもおもろいんやけどなあふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★山の崩落→湖→大津波という土地でも故郷なら捨てられない】
世界は広い。
日本だって地震ばっか起きてるろくでもない土地だけど、
地震が怖いから日本には住めないと国を発つ日本人は少ないだろう。
同じように景勝地ノルウェーには、
岩盤そのものが弱く山の崩落が起こりやすい土地が多いようだ。
山が崩落すると海に落ち、80メートルの高さを誇る津波を発生させる。
山が崩落してから津波が襲うまでの時間が10分、
親の仇を殺すような勢いでみんな高台に逃げる。
何人もの犠牲者を出しつつ、やはり彼等は同じ土地に居座るのだろう。

この映画は山の崩落と、その10分後にくる大津波からの避難を描いた映画なのだが、
何一つ新しい切り口や、新しい演出が施されている訳ではない。
だが、むちゃくちゃ面白い。凄くいい見世物だ。
『ジョーズ』よろしく極限まで不安を煽る演出、
そして遂に不安が臨界になった時、決壊したように起きる大惨事。
その大惨事は発生から実際の衝撃まで10分あるという設定の妙。

主役のおっちゃんは神経質。まあええやろ。そうでないと話が成り立たん。
そのおっちゃんに翻弄される家族、キツい顔の奥さんと、ティーンの息子と、幼女。
かーいー、幼女、かーいーよ。

それにしても、パニックシーンはどこかで見たような光景が切り貼りされてる感満載だ。でも別にそれでいいんだろう。それでつまらない訳ではない。だから、言っておきたい。

ブラボー、面白かったぞ。

明日になったら忘れてるかもしれないけど(そらそれでいい映画なのよ)。


【銭】
テアトル系の会員割引+曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
THE WAVE/ザ・ウェイブ@ぴあ映画生活

2016年07月10日

何の気なしに失敗する男ふじき

ジャミラさんにモザイクかけてみました。やべー。というか、モザイクかける前の皮膚感がこれヤバいよね。

ジャミラモザイクジャミラ



『ハリーとトント』をトーホーシネマズ日本橋2で観て、なべてこの世は事もなしふじき★★

五つ星評価で【★★日向ぼっこみたいな映画】
行政区画の整理で一人暮らしの住居を追いだされたハリー爺ちゃんと飼い猫のトント、息子の所に転がり込むが、どうも嫁との関係がしっくりこない。長女や次男、旧友の所などに転々とする放浪の旅を送る。

傍から客観的に見てると全然、幸せな境遇ではないのだけど、主人公のハリー爺さんが「イヤな事が起こってる」風をあまり感じさせずに飄飄と生きているので苦しい感じがしない。こんな風に生きたい訳ではないが、周りにいる人達がこんな感じだったら割と幸せな人生を送れるかもしれない。

まだ見てないのにこんな事言ってすいませんなんだけど、細かいエピソードに一つ一つオチや面白ニュアンスが付いていない『セトウツミ』じゃないかって気がする。


【銭】
午前十時の映画祭価格1100円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハリーとトント@ぴあ映画生活

PS ずっと待ち構えていたんですが「針医」が出てこなかったんですよ。
 でも、インディアン医者が出てきたから、あれが針を隠し持ってたのかもしれない。

2016年07月09日

気づかんでいい事に気づく男ふじき

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セブンイレブンでパン2個と引き換えに貰えるゴジラとエヴァンゲリオンのコラボ・ノートのレイ・アスカバージョンの奴、あーのね。アスカがゴジラのぬいぐるみ持ってるんだけど、ゴジラの尻尾がアスカの大事な部分にグリグリ当たってます。これはパンが二つで「パンパン」って暗喩か。そういや今度のゴジラって凶悪に尻尾が長くてぶっとい。おいおい、まずいまずい。

ちなみにセブンイレブンのパンはまずくない。美味しいと思う。
(とりあえずバランス取っておこう)


『肉体女優殺し 五人の犯罪者』を神保町シアターで観て、しまったこれ宇津井健の映画じゃんふじき★★

特集「天地茂 ニヒルの美学」から1プログラム。

五つ星評価で【★★俺、宇津井健苦手なんす】
石井輝男監督、宇津井健主演。と言う事で『スーパー・ジャイアンツ』の組み合わせなのだけど、宇津井健は引き締まらない身体を見せるでもなく、いつも通りの融通の利かなそうな正義漢を演じていた。この宇津井健が演じる事によって、無条件に「いい人」になってしまう構図がどうにも好きじゃない。個人的には私、宇津井健が嫌いなのだ。

お目当ての天地茂は中悪で出番もそう多くない。眼鏡が目力の強さを少し弱めて、物有りな感じのインテリ風でこれはこれで中々よいビジュアルだ。

舞台は浅草のロック座だが、ヌード興行と言いながら、乳首も見せない。
これはそういう時代という事なんだろう。残念な時代だ。映画と同じ建物かどうかは定かではないが、現・浅草ロック座に入った時はストリップ劇場特有のデベソ(円形の迫り出しステージ)はあった筈だが、映画の中ではステージショーを見せる舞台があるだけの演劇劇場みたいな作りである。

1957年の映画だから59年も前だ。
この映画の浅草から今の浅草を連想する事は全く出来ない。
映画の中の浅草が巨大なセットのように見えなくもない。


【銭】
神保町シアター正規入場料金1200円。
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肉体女優殺し五人の犯罪者@ぴあ映画生活

2016年07月08日

『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』をトーホーシネマズ日本橋3で観て、いいぞキチガイガンダムふじき★★★★★

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▲今回は単にゴッツイ武力であるだけのガンダム。

五つ星評価で【★★★★★今まで見たアニメの中で二番目に好き】
こりゃあ何とも凄い「キチガイ・ガンダム」だ。
原作マンガとか元になる配信アニメとかあるらしいが未読未鑑賞の一見さんで接触。

キッツイ表情のキャラクターを見て、イデオンのキャラがJOJOの影響受けてガンダムのコスプレしてるみたいに見えた。それくらい幸福感が薄くてアクだけ強い。

主軸はジャズにのって殺戮しまくる連邦のエース・パイロット、イオ・フレミングと、ジオンの義足の狙撃主ダリル・ローレンツのライバル関係だが、彼等の争う場所が戦場なので、スポーツのような爽やかなライバル関係にはならない。より、自分を追い詰めて、他者との格差を拡げた者が他者を殺して生き残る世界、それ以外は被害者として弾幕のように斬殺されてしまう世界なのだ。これほど無慈悲に人が惨殺されてしまう世界を描いたアニメは今までになかったのではないか。この悪趣味で意図的に露悪的にしている所に強く惹かれる。

連邦のエース・パイロット、イオ・フレミングは殺戮を楽しんでいる訳ではないが、自分の能力を拡張するモビル・スーツの武力に酔いしれてジャンキー状態で操縦する。主人公とは思えない禍々しさだ。彼はその武功により、ガンダム・パイロットの座に到達する。連邦の若者にとって「ガンダム」はその戦闘力から戦場でのイコンになっているようだが、イオ・フレミングはその戦闘力を仲間の援護には使わない。敵の殲滅にのみ使用する。それは武器の使用用途として全く間違えていない。だが、戦闘に心酔しながらも彼のガンダムはダリル・ローレンツには敵わない。それはダリルの操るサイコ・ザクがイオ・フレミングが希望する能力拡張の最終到達点だからかもしれない。だから、イオ・フレミングはモビル・スーツを着脱した後のダリルの不自由さを見て愕然とする。テニス・プレイヤーが負け試合の相手を見たら車椅子テニスの選手だったような敗北感だったのではないか。

イオ・フレミングはダリルの義足を見て笑った男だ。
彼は自分の身体が武装によって人並以上に拡張していると感じるが故に、義手義足など反応速度が遅い(であろう)障害者の兵士に対しては軽視する傾向がある。健常者に敵う筈があるまいと。だからこそ、彼はダリルがいつまでも自分によって、死を賜らない事が許せないのに違いない。

ダリル・ローレンツの周囲、リビングデッド師団は義手、義足者を集めた障害者部隊だ。彼等の部隊の中核を担うのは遠距離狙撃部の小隊で、狙撃兵各人に近づく武力にはチームメートの遠距離狙撃でカバーしあって防御を行う。この戦い方は一個の戦闘兵器として独立している連邦のイオ・フレミングの戦い方と正逆である。別にイオが優れていた訳ではないが、彼等の戦略はイオ・フレミングの急襲で破られる。近づく相手には遠距離からのサポート狙撃は可能だが、近づいてしまった後の相手にはそれはもう役に立たない。そして、死角を一つずつ潰す事により、イオの勝利は確実になった。元々1対1では武力の強い者が勝ってしまうのが戦いのセオリーなのだ。

かくして、戦争キチガイのイオと、自分の四肢を戦場に差し出したダリルの病み切った戦いが大音量のジャズを背景に行われる。こんなクソッタレでヘビーな映像体験は久しぶりだ。そして、こういう望みがない話はなかなかどうして大好きだ。基本、根っこが暗いんで、押し寄せてくる絶望感に酩酊する。うん、気持ちいい。


【銭】
二週間限定のイベント上映。料金1400円均一。

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機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY@ぴあ映画生活

PS ジャズの対極として使われるポップスが甘くって気持ち悪い。

2016年07月07日

夏らしく涼しい話題を考えてみました

新しいキャスティングで「妖怪人間ベム」を考えて見ました。
上からベムさん、ベラさん、ベロさんです。




ジャミラ「悪を見過ごしにはしておけん」
ステゴン「あたしの鞭を受けてみるかい」
シーボーズ
「おいらと友達になってほしいんだ」



『ガメラ 大怪獣空中決戦』をUCT4で観て、あああああおもしれえなああああふじき★★★★★

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▲このデザインは安いな。本当、ここまでお金掛けられない感が漂ってくる。

五つ星評価で【★★★★★何度みてもおもろい】
ファースト・ランで2回か3回。
その後、二番館に落ちる度に出向いていったので5,6回は見てる筈。
私は劇場以外で映画を見る習慣がないので本当に久しぶりだ。
頭でっかちになって単純な快楽路線を踏み外してしまった2,3と比べて
1はもう本当に単純明快に面白くて良いなあ。

4Kマスタリング記念上映という事で、、、、、あ、うーん、
フィルムん時と変わらない。
まあ、2Kよりもフィルムの方が微細と言う噂もあるし、
あまりに微細になりすぎても人間の目が追い付くまい。
4Kで困ったという事はないが、比較して見るでもなければ
4K自体の良さまでは分からないなあ。

それにしてもほんま傑作。
余計なカットとか絶無。
役者が随分ゆっくり話してるように感じてしまうのは、何回も見てる弊害からだろう。

藤谷文子が若い。身体の線とかが本当に大人になる前の子供の身体。
中山忍が美人で美人で手袋付けた姿とかがもう個人的にはたまらない。
伊原剛志がまだ若者だ。自衛隊がよく似あう。
蛍雪次郎が何度みてもいい演技。生活のくたびれ感が出てるんだよなあ。
ピンク時代と大違いだ(あれはあれでいいんだろうけど)。

そして、ガメラがかっけー。無言で耐えるヤクザの親分みたいだ。
ギャオスもかっけー。狂犬のチンピラ三兄弟が因縁背負って
ガメラ親分をドスで襲い掛かるみたいだ。
実際に着ぐるみでポカスカやってるところは、やはりパースが狂って見える。
非接近戦がこの映画の見所だろう。

町のミニチュアで今はなき「ダイエー」と「住友銀行」を見つける。
こうやって徐々に徐々に町は変わっていくんだな。

爆風スランプの「神話」はとても特撮っぽくないエンディングなんだけど、
やはりかかるともうこれしかない感で至福。大谷幸のBGMもいいけどね。


【銭】
1300円均一料金。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ガメラ 大怪獣空中決戦@ぴあ映画生活